JPH0122026B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、塗装装置を洗浄するときに使用す
る、塗装用弁装置に関するものである。

（従来の技術） 回転霧化頭を備えた静電塗装装置を、たとえば
自動車の車体塗装に使用するに当つては、主配管
にカラーチエンジバルブを接続し、このカラーチ
エンジバルブを切替えて塗色の変更をし、また塗
色変更のための洗浄を行うのが普通である。

この色替操作は、高い頻度で、極端な場合には
コンベアによつて搬送される車体の１台ごとに行
われることがあるので、洗浄はきわめて短時間で
行わなければならないことになる。

（発明が解決しようとする問題点） このように頻繁に洗浄を行うとき、作業の迅速
性と色替えの確実性を考えれば、洗浄は可及的速
やかに行うのがよい。

これは従来のバルブとその配管系統が、それぞ
れ単独に形成された複数個のバルブの間を配管に
より接続して塗装系路を構成していたために、配
管途中に塗料が残存し易く、完全なる洗浄が行え
なかつたことを考慮しても要求される事項であ
る。

そこでシンナなどの洗浄液の圧力を高め、高速
洗浄をすることが考えられる。しかしながらこの
ように洗浄液の圧力を高めると、洗浄液は高速回
転をする回転霧化頭より勢いよく周囲に飛散し、
周囲を汚す上に、回転霧化頭自体の損傷を招くこ
ともある。そこで従来にあつては、洗浄液の圧力
を高めず、低速で洗浄せざるを得ないという問題
があつた。

本発明はこの問題を解決することを目的として
成された塗装用弁装置に関するものであつて、こ
の弁装置を主配管に接続し、適宜切替えることに
よつて、全体として短時間で色替洗浄ができるよ
うにしたものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点を解決するための手段とし
て、一つの基板の上部に二つの本体を取付け、該
二つの本体のそれぞれの上部にエアの導入・排出
をするためのエア給排口を設け、それぞれの本体
内部に前記エア給排口からのエアの導入・排出に
よつてそれぞれの弁座部に着座・離座する弁体を
有するバルブを形成し、該二つのバルブを並べて
設け、該２個のバルブのうちの第１のバルブは前
記弁座部の上方に位置する流入口と弁座部の下方
に位置する流出口、および弁座部の上方にあつて
常に流入口に連通している他の流出口とを設け、
前記二つのバルブのうちの第２のバルブには前記
弁座部の上方にあつて前記第１のバルブの他の流
出口に接続接手を介して接続された流入口と、弁
座部の下方に位置する流出口とを設けたものであ
る。

（作用） このような構成とすれば、この洗浄用弁装置を
主配管の塗装機近傍に接続し、第１、第２のバル
ブの弁体の開閉を適宜行うことにより、洗浄液が
回転霧化頭より外部に噴出する状態を必要最小限
に止めることができるから、全体的な洗浄時間を
短縮することができる。

このように洗浄時間が短縮することができるこ
とにより、種々の塗料、すなわち、ソリツド、メ
タリツク、クリアー等への対応がきわめて容易な
ことになる。

（実施例） 次に、本発明の一実施例を、その断面を示した
第１図について説明する。１は弁装置（塗装用弁
装置をいう。以下同じ）であつて、一つの基板２
の上部に二つの本体３，４が取付けられ、これら
本体３，４にはキヤツプ５，６が螺着されて、第
１のバルブ７と第２のバルブ８が形成されてい
る。第１のバルブ７のキヤツプ５の内部シリンダ
９に形成されており、このシリンダ９には、スプ
リング１０で常時図における下方向に付勢された
ピストン１１が嵌装されている。ピストン１１に
は先端（下端）を尖らせた棒状の弁体１２が取付
けられ、ピストン１１が動いたとき、弁座部１３
に着座・離座するようになつている。

シリンダ９のピストン１１より下の部分はエア
室１４に形成されており、このエア室１４は、エ
ア通路１５を介してエア給排口１６に連通させて
ある。エア給排口１６には図示しないエア源が接
続され、エア室１４へのエアの導入・排出が行わ
れるようになつている。第１のバルブ７の本体３
には弁座部１３の上方に位置させて流入口１７が
設けられており、弁座部１３の下方に位置する基
板２の部分には流出口１８が設けられている。ま
た本体３の他の部分、すなわち第２のバルブ８に
臨んだところには、弁座部１３の上方にあつて常
に流入口１７に連通している他の流出口１９が設
けられている。

第２のバルブ８は、他の流出口を持たない点以
外は第１のバルブ７と同様構造であり、キヤツプ
６内に形成されたシリンダ２０にピストン２１が
嵌装され、このピストン２１に棒状の弁体２２が
取付けられたものである。２３は弁座部、２４は
スプリング、２５はエア室、２６はエア通路、２
７はエア給排口である。この第２のバルブ８には
弁座部２３の上方に流入口２８が設けられてお
り、第１、第２のバルブ７，８の本体３，４の間
に螺合によつて取付けられた接続接手２９を介し
て、第１のバルブ７の他の流出口１９に接続され
ている。第２のバルブ８の弁座部２３の下方に位
置する基板２の部分には流出口３０が設けられて
いる。

次に、このように構成されたこの弁装置の使用
方法と作動を説明する。まず、第１のバルブ７の
流入口１７と第２のバルブ８の流出口３０とを、
第２図に示す主配管３１の途中に、流入口１７が
カラーチエンジバルブ３２側に、また流出口３０
がドレンタンク３３側になるようにして接続す
る。カラーチエンジバルブ３２は、Ａ色ないしＮ
色の供給配管Ａ，Ｎと、洗浄液であるシンナの供
給配管３４、およびエアの供給配管３５が接続さ
れ、図示しない操作機構により、これらを単独
に、あるいは複数種同時に主配管３１に送り出す
ものである。第１のバルブ７の流出口１８は、配
管３６により、回転霧化頭３７を備えた静電塗装
装置３８の回転霧化頭３７の部分に接続される。
配管３６は可及的に短かいものを使用する。３９
はシユラウドである。

このように接続した状態において塗装をすると
きには、弁装置１のエア給排口１６にエアを加
え、ピストン１１をスプリング１０に抗して上昇
させ、弁体１２を弁座部１３から離座させる。エ
ア給排口２７にはエアを加えず、弁体２２を弁座
部２３に着座させておく。そしてカラーチエンジ
バルブ３２を任意の色彩の塗料が送り出されるモ
ードにする。これにより塗料は回転霧化頭３７に
供給され、塗装作業が行われる。

次に色替えのために洗浄をするには、まずエア
給排口１６へのエア供給を停止し、流入口１７と
流出口１８との間を遮断する。そしてエア給排口
２７にエアを加えてピストン２１とともに弁体２
２を上昇させ、流入口１７と流出口３０とを連通
させる。

このようにして、カラーチエンジバルブ３２
を、洗浄液であるシンナと洗浄エアが交互に主配
管３１に送り出すモードにすれば、カラーチエン
ジバルブ３２から弁装置１までの系路の洗浄がで
きる。このときには回転霧化頭３７は系路外とな
り、なんら飛散する要素がないから、圧力を高め
て短時間で洗浄することができる。

次に第１、第２のバルブ７，８を塗装時と同じ
モードにする。これによりシンナと洗浄エアは回
転霧化頭３７に流れ、弁装置１から回転霧化頭３
７までの短い系路の洗浄を行うことになる。系路
が短いから圧力を低くしても比較的短時間で洗浄
作業を終了させることができる。

（発明の効果） 本発明に係る弁装置は以上説明したように一つ
の基板の上部に二つの本体を取付けた構成の塗装
用弁装置であるから、エア給排口へのエアの給排
切替のみで、カラーチエンジバルブと静電塗装装
置およびドレンタンクへの主配管の連通切替えを
行うことができる。したがつて実施例のように接
続することにより、従来より大巾に短縮した時間
で系路の洗浄を行うことができる。そして第１、
第２のバルブを並設したことにより、塗装系路の
配管を著しく短いものとすることができるので、
頻繁に色替えを行う自動車車体等の塗装作業にお
いて、その使用性の向上と小型化とを図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る弁装置の断面図、第２図
は第１図のものの使用例を示す系統図である。 １……弁装置、７……第１のバルブ、８……第
２のバルブ、１１，１２……ピストン、１２，２
２……弁体、１３，２３……弁座部、１７，２８
……流入口、１８，３０……流出口、１９……他
の流出口、２９……接続接手。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一つの基板の上部に二つの本体を取付け、該
   二つの本体のそれぞれの上部にエアの導入・排出
   をするためのエア給排口を設け、それぞれの本体
   内部に前記エア給排口からのエアの導入・排出に
   よつてそれぞれの弁座部に着座・離座する弁体を
   有するバルブを形成し、該二つのバルブのうちの
   第１のバルブには前記弁座部の上方に位置する流
   入口と弁座部の下方に位置する流出口、および弁
   座部の上方にあつて常に流入口に連通している他
   の流出口とを設け、前記二つのバルブのうちの第
   ２のバルブには前記弁座部の上方にあつて前記第
   １のバルブの他の流出口に接続接手を介して接続
   された流入口と、弁座部の下方に位置する流出口
   とを設けたことを特徴とする塗装用弁装置。