JPH0121845Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のドア周縁に取付けられるウ
エザーストリツプを備えた自動車のドアシール構
造の改良に関するものである。

従来、この種のウエザーストリツプを備えたド
アシール構造で実用化されているものにおいて
は、第１図及び第２図に示す如く、ドア１の閉止
時その周縁２に取付けられたウエザーストリツプ
４ｂのシール部６ｂ及び６ｃがボデイパネル３に
密接するが、リツプ状シール部６ｂはその先端が
軽くボデイパネル接触するだけであり、且つ、そ
の内部空間が滑らかなループ状の中空状シール部
６ｃは単にボデイパネルによつて圧縮される方向
に変形するだけである。そのため、シール部６ｂ
および中空状シール部６ｃのシール作用が大きい
とは言えず、洗車用のホースの噴射水や強い風の
生じる高速走行中等は十分なシール効果を得るこ
とが出来なかつた。

この考案は、上述の如き実用化されている従来
のドアシール構造の不具合を解消するためになさ
れたものである。

第１図、第３図乃至第６図に基いてこの考案の
一実施例を説明する。

１は自動車のドア、２はドア１の周縁でサツシ
ユ等により構成されている。３はボデイパネル、
３ａはボデイパネル３の段部の垂直面部、３ｂは
同段部の水平面部、３ｃは前記水平面部３ｂの外
側に設けた下向きの突出部で、ドリツプモール３
ｄの一部として形成されることもある。４ａはウ
エザーストリツプで、ゴムの押出し成形により作
られ、基部５と中空状のシール部６ａとにより構
成されている。そして基部５が自動車ドア１の周
縁２に取付けられ、ドア１の閉止時中空状のシー
ル部６ａがボデイパネル３の段部に密接されるよ
うになつている。

シール部６ａは断面形状においてボデイパネル
３の段部の垂直面部側に張出し且つ上端に突起部
７を有する弱凹円弧状内側壁部８及びく字形外側
壁部９をそれぞれ基部５から立上らせている。

また、突起部７直下に位置する内側壁部８の部
分と外側壁部９の上端とに頂部１３とその両側の
内外斜辺部１５，１６よりなる略山形の屋根部１
０が外側及び内側接続部１１，１２において接続
され、屋根部１０の頂部１３及び内側壁部８・外
側壁部９と屋根部１０との内側及び外側接続部１
２，１１にそれぞれ折曲部１４が形成され、且つ
内側壁部８に対する屋根部１０の接続は略直角を
なすＴ形に接続されている。

さらに、ウエザーストリツプ４ａの基部５をド
ア周縁２に取付けた際に前記外側接続部１１まで
の外側壁部９を覆う立設当接壁２ａをドア周縁２
に突設し、ドアを閉じたときには前記３つの折曲
部１４が変角し突起７及び内側壁部８がボデイパ
ネル段部の垂直面部３ａに接触すると共に屋根部
頂部１３がボデイパネル段部の水平面部３ｂに接
触し内側斜辺部１５が上に凹に湾曲し且つ外側斜
辺部１６の上部が前記突出部３ｃに接触する構造
にしたものである。

しかして、ウエザーストリツプ４ａはその基部
５においてドア１の周縁２のサツシユに取付けら
れ、ドア１の閉止時には第４図及び第５図に示す
如く、ボデイパネル段部の垂直面部３ａにウエザ
ストリツプ４ａの突起７及び内側壁部８が面接触
変位し、垂直面部３ａと立設当接壁２ａの間にシ
ール部６ａを挟み接続部１１，１２の角部１４を
拡角変位且つ頂部１３の角部１４を狭角変形させ
て屋根部１３上昇変位させ、ボデイパネル段部の
水平面部３ｂにウエザーストリツプ４ａの屋根部
頂部１３を接触させ、第６図に示す如く、内側壁
部８の面接触変位部により前記Ｔ形接続部を押
し、ボデイパネル段部に接触している屋根部頂部
１３を更に上方に押付ける。このとき、シール部
６ａが３つの折曲部１４において変角し、屋根部
１０の外側斜辺部１６の上部が前記突出部３ｃに
接触し且つ車外側への移動が阻止され、屋根部１
０の上部をボデイパネル段部の水平面部３ｂに面
接触させ強力にシールする。

また、基部５から立上つた弱円弧状内側壁部８
及び突起７がボデイパネル段部の垂直壁側３ａに
張出し、且つ内側壁部８の上部に接続した屋根部
１０の接続が略直角をなすＴ形に接続されてい
る。このため、ドア角部の円弧状コーナー部Ｒに
合致する如くウエザーストリツプを湾曲させて装
着した際、内側壁部８と屋根部１０との接続箇所
に設けたＴ形接続により、内側壁部８は屋根部１
０と区分されているので、内側壁部８は屋根部１
０の影響をあまり受けることなく、高さ方向及び
横方向に対する正常位置からの変位をあまり生じ
ない。

またドアを閉じるとき、ウエザーストリツプが
ボデイパネル３に当りだしたのちのドア変位量に
対するウエザーストリツプに生じる変形荷重の変
化量が少ないため、ドアを軽い力で完閉すること
が出来、しかも確実に閉止されて水密性が十分保
持される。

また、本考案は、洗車時等においてドア周縁２
に水圧が掛つても、ウエザーストリツプ４ａのシ
ール部６ａがその断面形状のもたらす屋根部外側
斜面の面接触に基くシール特性により効果的に水
の浸入を防止し、車室内への水洩れを防止出来る
と共に遮音効果が向上し、さらにウエザーストリ
ツプ４ａのドアの円弧状コーナー部における取付
状態が良好にして、しかもドア１の閉止性能が向
上するという特長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の側面図、第２図は第１図の
−矢視における従来のウエザーストリツプの使
用状態を示す垂直切断面図で、イはドアが開いて
いる状態を、ロはドアが閉じている状態をそれぞ
れ示すものである。第３図乃至第６図はこの考案
に係るウエザーストリツプの実施例を説明するも
ので、第３図はウエザーストリツプの垂直切断面
図、第４図乃至第６図はドアが閉じウエザースト
リツプが変形する過程を示す垂直切断側面図であ
る。 １……ドア、２……周縁、２ａ……立設当接
壁、３……ボデイパネル、３ａ……垂直面部、３
ｂ……水平面部、３ｃ……突出部、３ｄ……ドリ
ツプモール、４ａ，４ｂ……ウエザーストリツ
プ、５……基部、６ａ，６ｂ，６ｃ……シール
部、７……突起、８……内側壁部、９……外側壁
部、１０……屋根部、１１，１２……接続部、１
３……頂部、１４……折曲部、１５……内側斜辺
部、１６……外側斜辺部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基部５が自動車ドア１の周縁２に取付けられ、
   ドア１の閉止時中空状のシール部６ａがボデイパ
   ネル３の段部に密接されるところのウエザースト
   リツプ４ａを備えた自動車のドアシール構造にお
   いて、 前記段部の水平面部３ｂ外側に下向きの突出部
   ３ｃを設け、ボデイパネル３の段部の垂直面部３
   ａ側に張出し且つ上端に突起部７を有する弱凹円
   弧状内側壁部８およびく字形外側壁部９をそれぞ
   れ基部５から立上らせると共に、突起部７直下に
   位置する内側壁部８の部分と外側壁部９の上端と
   を頂部１３とその両側の内外斜辺部１５，１６よ
   りなる略山形の屋根部１０によつて接続し、 屋根部１０の頂部１３及び内側壁部８、外側壁
   部９と屋根部１０との外側及び内側接続部１１，
   １２にそれぞれ折曲部１４を形成し、且つ内側壁
   部８に対する屋根部１０の接続は略直角をなすＴ
   形に接続し、 ウエザーストリツプ４ａの基部５をドア周縁２
   に取付けた際に前記外側接続部１１までの外側壁
   部９を覆う立設当接壁２ａをドア周縁２に突設
   し、 ドアを閉じたときには前記３つの折曲部１４が
   変角し、屋根部頂部１３がボデイパネル段部の水
   平面部３ｂに接触すると共に内側壁部８がボデイ
   パネル段部の垂直面部３ａに接触し、内側斜辺部
   １５が上に凹に湾曲し且つ外側斜辺部１６の上部
   が前記突出部３ｃに接触する構造となるウエザー
   ストリツプを備えた 自動車のドアシール構造。