JPS6238408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のサンルーフの開口と該開口を
開閉するドアとの間をシールするウエザストリツ
プに関するものである。

第１図は自動車のサンルーフを示すもので、ル
ーフ１の前部中央には開口２が設けてあり、この
開口２はスライド式のドア３により開閉される。
この種のサンルーフにはドアの側縁と開口縁との
間のシールをなすウエザストリツプが装着される
が、なお水漏れの場合に備えてドア閉時のウエザ
ストリツプ下方のルーフ内に排水用の樋が設けて
ある。この種のウエザストリツプとしては、ドア
外周のフランジに保持される断面Ｕ字形の基部の
一方の側面に、ルーフの開口縁と接触する中空状
のシール部を備えたものが用いられている。しか
しながら中空状のシール部ではこれにエア抜き孔
を形成しても、ルーフの開口縁により押し付けら
れたときに内部のエアが排出しにくく押し付け時
の荷重が大きい。そこで、中空状のシール部に代
え、基部側面の上部から下方へリツプ状に延びる
シールリツプ部を備えたウエザストリツプが用い
られるようになつてきた。

本考案はシールリツプ部を備えたウエザストリ
ツプに関するもので、ドアがスライドするときに
ウエザストリツプとルーフの開口縁との荷重を更
に小さくするとともに、水漏れが生じた場合にも
ウエザストリツプから滴下する水の滴下個所が可
及的にウエザストリツプの外側になるようにし、
もつて滴下水を受ける樋をルーフの側方へ位置せ
しめ得るウエザストリツプを提供することを目的
とするもので、シールリツプ部の下端に上記開口
縁方向へ向けて突出する突起部を形成することに
より、目的を達成するものである。

以下、本考案の詳細を従来例と対比して説明す
る。

第２図はシールリツプを備えた従来のサンルー
フ用ウエザストリツプを示すもので、ウエザスト
リツプW′は、断面Ｕ字形でチヤンネル状の基部
５と、サンルーフのドア３とルーフ１の開口に形
成したフランジ部１１との間をシールするシール
リツプ６とよりなる。

基部５の内部には補強部材５１が埋設されてお
り、また内側にはリツプ５２が突設され、ウエザ
ストリツプW′はこのリツプ５２により基部５内
に挿入したドア３のフランジ部３１に保持されて
いる。

基部５には、ルーフ１の開口縁フランジ部１１
と対向する面の上部から湾曲しつつ下方へ延びる
シールリツプ６が形成されており、リツプ６の側
面とフランジ部１１とが接触する。一方、基部５
の側面下方にはシールリツプ６の下端と対向して
突起部５３が形成されている。

また、ウエザストリツプW′の下方にはルーフ
下面に水漏れ時の滴下水を受ける樋７が設けてあ
る。

これに対し第４図は本考案のウエザストリツプ
を示すもので、ウエザストリツプＷのシールリツ
プ６にはその下端にルーフ開口方向へ、かつやや
斜め下方に向く突起部６１が形成してあり、従来
例（第２図）におけるが如き基部５の突起部５３
は形成されていない。

ところで従来のウエザストリツプW′におい
て、シール性向上のためにドア３のフランジ３１
およびルーフ開口のフランジ１１間を挟くすると
シールリツプ６は側面からフランジ１１により押
され、その先端が突起５３に押し付けられてリツ
プ先端の下方への移動がスムーズになされないた
めに、シールリツプ６のフランジ１１に対する荷
重が急激に大きくなり、ドア閉時の摺動性が阻害
される。フランジ１１による圧縮量とシールリツ
プ６に対する荷重の関係を第３図に示す。また漏
水は突起部５３を伝つて車両の内側方向へ流れる
ため、樋７もこれに伴なつてその軸を内側へ拡大
しなければならないためにスペース的に不利であ
る。一方、樋７の幅が内側へ拡大するのを防ぐた
め突起部５３を横方向へ突出せしめると、シール
リツプ６が開口フランジ１１に押されたときシー
ルリツプ６の先端は完全に下方への移動が阻止さ
れるので、ドア３の摺動性は更に悪くなる。

これに対して本考案のウエザストリツプＷで
は、突起部６１はシールリツプ６に形成されてい
るので、ルーフ開口フランジ部１１で押し付けら
れたときにリツプ６の先端は基部５に沿つて移動
できるので、荷重は圧縮量に比例的に増加し、急
激な荷重の立上りがない。この関係を第５図に示
す。従つてまた、突起部６１は従来の突起部５３
に比べて下方への傾斜を小さく横方向へ突出させ
ることができるので、漏水は突起５３の先端から
滴下し内側へ伝わることがない。このため樋７の
幅を挟く、しかも従来よりもルーフの側方に位置
せしめることができる。

以上説明したように本考案のサンルーフ用ウエ
ザストリツプによれば、サンルーフのドアに設け
たウエザストリツプの相手部材に対する摺動性は
従来のものよりも向上せしめることができるとと
もに、水漏れ対策としてルーフ下面に設ける樋の
幅を狭く、かつルーフの外側方向へ位置せしめる
ことができるというすぐれた実用効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のサンルーフを示す図、第２図
は従来のウエザストリツプを示すもので第１図の
Ａ−Ａ線に沿う断面を示す図、第３図は従来のウ
エザストリツプの圧縮量と相手材への荷重の関係
を示す図、第４図は本考案のウエザストリツプを
示すもので第１図のＡ−Ａ線に沿う断面を示す
図、第５図は本考案のウエザストリツプの圧縮量
と相手材への荷重の関係を示す図である。 W′……従来のウエザストリツプ、Ｗ……本考
案のウエザストリツプ、１……自動車のサンルー
フ、２……開口、３……サンルーフのドア、４…
…ドアのフランジ、５……ウエザストリツプの基
部、６……シールリツプ、６１……シールリツプ
の突起部、７……樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車サンルーフのドア周縁に形成したフラン
   ジに装着する断面Ｕ字形のチヤンネル状の基部
   と、サンルーフの開口縁に面する上記基部側面の
   上部より下方へリツプ状に延びてその側面が上記
   開口縁と接触するシールリツプ部とよりなり、上
   記シールリツプ部の下端には上記開口縁方向へ向
   けて突出する突起部を形成したことを特徴とする
   自動車サンルーフ用ウエザストリツプ。