JPH0120907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は棚間口面に対し直角な方向に指向した
支柱脚部を下端に備える逆Ｔ字状支柱を間口方向
に間隔をあけて立て、その間に棚を設けた単柱式
組立棚に関するものである。

従来技術 棚間口面に垂直に立てられた相隣る逆Ｔ字状支
柱を連結すべく、横継ぎ材を両支柱の側面に衝接
結合して棚の骨組みとするものがあるが、従来は
支柱と横継ぎ材とを溶接固着して一体化し、ある
いはボルト等によつて結着する場合も下方を開放
した横巾の広い横継ぎ材を用いていた。

考案が解決しようとする問題点 支柱と横継ぎ材を溶接して一体ものとしたとき
は外観を綺麗に仕上げることができ、見映えが良
いものとすることができるが、搬送・搬入に際し
ては不便であり、組立て式の多連棚とするには適
さない。

またボルト等により結着する場合はボルト等が
露出した状態にあつて見映えが良くないものであ
つた。

そこで同ボルトを隠すために下方を開放した横
継ぎ材を用い、その両端板を支柱側面に衝接し、
同両端板と支柱側面にボルトを螺着するようにし
たものがあるが、該横継ぎ材は横巾に比べ上下巾
が狭く、組立てられた棚は間口方向の揺れに弱い
欠点があつた。

本考案はかかる点に鑑みなされたもので、その
目的とする処は、溝巾が溝深さよりも広いチヤル
ネル状横継ぎ材の溝部を側方へ開放させるととも
に左右水平方向へ指向させて両端を支柱側面に衝
接し、ボルトで固定することにより間口方向の揺
れに強く、しかも支柱の両側面に支柱カバーを取
付けるとともに水平脚および横継ぎ材にもカバー
を嵌装することにより外観的に極めて洗練された
単柱式組立棚を供する点にある。

問題点を解決するための手段および作用 本考案は棚間口面と平行な前後面に袖板、棚受
等が係合される支柱の下端を、水平脚の中央に逆
Ｔ字状に一体に固着してなる単柱式棚において、
同支柱に上方より嵌合し前記水平脚に水平脚カバ
ーを取付けるとともに、同支柱の両側面に支柱カ
バーを取付け、前記支柱が鉛直方向に指向しかつ
前記水平脚が前後方向にそれぞれ指向した状態
で、左右方向に亘り所定間隔を存して前記逆Ｔ字
状支柱の支柱側面に、溝巾が溝深さよりも広いチ
ヤンネル状横継ぎ材の溝部を側方へ開放させると
ともに左右水平方向へ指向させたチヤンネル状横
継ぎ材の両端板を衝接し、同両端板および両支柱
側面にボルトを螺着し、組立分解自在に一体に結
合し、同横継ぎ材に下方が開放したチヤンネル状
横継ぎ材カバーが嵌装されるようにしたものであ
る。

本考案では、支柱側面へ横継ぎ材を当て、両者
にボルトを螺合する際に、横継ぎ材の側方が巾広
に開放されているので、単柱式組立棚を頗る容易
に組立または分解することができ運搬に便利であ
る。

また本考案は、横継ぎ材の上下巾が広いので、
組立てられた棚の間口方向の横揺れに強い特徴を
有する。

さらに本考案においては、横継ぎ材にカバーが
嵌装されるので、横継ぎ材の側方の溝およびボル
トを隠し外観的に見映えをよくすることができ
る。

しかも本考案では、支柱を支える横継ぎ材のほ
かにこれを覆う横継ぎ材カバーが化粧材となり、
これら横継ぎ材およびそのカバーはそれぞれ強
度、剛性を増大させることと、外観を洗練させる
こととの異なつた機能を追求すればよいので、機
能的に優れた組立棚を低コストで容易に生産する
ことができる。

実施例 以下本考案を第１図ないし第８図に図示の一実
施例について説明すると、１は断面が中空矩形の
鋼製支柱で、同支柱１の前後面１ａの中央には、
上下方向に亘り、一定間隔毎に上下に細長い係止
孔２が多数設けられ、同支柱１の下端は、同支柱
１と略同一断面形状の水平な水平脚３の上面中央
に溶接で一体に逆Ｔ字状に固着され、支柱１と水
平脚３とで逆Ｔ字状柱４が構成されている。

また前記支柱１の前後面１ａには、上下適当な
個所（第２図では２個所しか図示されていないが
３個所以上でもよい）の上下の係止孔２の間で係
合爪５が左右対をなして切起されている。

さらに支柱１を覆う板状支柱カバー６は、薄い
帯状鋼板の両側部を２回内方へ直角に折曲してな
り、同支柱カバー６の中央部片６ａの巾は前記支
柱１の左右側面１ｂの巾よりも広く設定され、そ
の両側の前後部片６ｂの巾は前記支柱側面１ｂよ
り係合爪５の先端に達する距離に等しく設定さ
れ、さらに前後部片６ｂより内方へ直角に折曲さ
れた挟持部片６ｃの巾は前記カバー中央部片６ａ
の巾から支柱側面１ｂの巾を差引いた差の半分の
巾に等しく設定され、前記カバー６が支柱１に装
着された状態では、前記中央部片６ａが支柱１の
側面１ｂに密接するようになつている。

さらにまた支柱１を嵌合しうる大きさの孔７ａ
を備えたチヤンネル状脚カバー７の両側下端縁
は、内方へ直角に折曲されて係合部７ｂが形成さ
れている。

また水平脚３の両端部下面に孔が設けられ、同
孔に連通して水平脚３の内面に雌螺糸部３ａが一
体に形成され、前記孔を貫通して同雌螺糸部３ａ
にアジヤスタ８が螺着されるようになつている。

さらに水平脚３の両端開口部３ｂを塞ぐよう
に、脚キヤツプ９が嵌着されるようになつてい
る。

そして前記逆Ｔ字状柱４は、側方が開放したチ
ヤンネル製下横継ぎ材１０と、上方が開放したＣ
型鋼製上横継ぎ部材１３とで組立分解自在に一体
に結合されるようになつている。

すなわち下横継ぎ部材１０は溝巾が溝深さより
も広いチヤンネル状をしており、同溝部を側方に
開放されるようにして両端部には端板１１が溶接
で一体に結合されている。

第５図に示す如く該下横継ぎ材１０を左右水平
方向に指向させ、端板１１に上下２個所に設けら
れた孔に前記支柱カバー６の孔６ｄを合わせ、ボ
ルト１６を貫通せしめて支柱１の雌螺糸部１ｃに
螺着する。

このようにして下横継ぎ材１０の両端が逆Ｔ字
状柱４に固着された後に、前記脚カバー７と略同
様に係合部１２ａが形成された下横継ぎ材カバー
１２が下横継ぎ部材１０に嵌装される。

また逆Ｔ字状支柱４の上端においても、やはり
第６図に図示されるように、上横継ぎ部材１３は
上方が開放されたチヤンネル状をなし、両端に端
板１４が溶接で一体に結合され、同端板１４に設
けられた孔に嵌合されたボルト１６が支柱カバー
６の孔６ｅを貫通して支柱１の雌螺糸部１ｄに螺
着され、そして上横継ぎ部材１３の両端が逆Ｔ字
状柱４に固着された後に、係合部１５ａが形成さ
れた上横継ぎ部材カバー１５が上横継ぎ材１３に
嵌装される。

また前記支柱１の係止孔２のいずれかに、袖板
１７が着脱自在に結合され、同袖板１７に棚板１
８が着脱自在に取付けられ、さらに天板受２１が
係止孔２に係合され、その天板受２１に上横継ぎ
部材１３の上面と同一平面をなすように天板１９
が張設されるようになつている。

なお２０は背当りである。

第１図ないし第８図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、支柱１の上端から脚
カバー７の孔７ａを嵌合し、脚カバー７を下方へ
押下げて、脚カバー係合部７ｂを水平脚３の下端
縁に係合し、アジヤスタ８を水平脚雌螺糸部３ａ
に螺着し、水平脚両端開口部３ｂに脚キヤツプ９
を装着し、次にカバー挟持部片６ｃの両端縁を支
柱前後面１ａに挟付けるようにした状態で、カバ
ー中央部片６ａの内面を支柱側面１ｂに接触させ
るように矢印方向へ板状支柱カバー６を移動させ
ると、カバー挟持部片６ｃの端縁が係合爪５の湾
曲表面を滑り、カバー前後部片６ｂが外方へ拡げ
られ、第４図左半部に図示されるように、カバー
挟持部片６ｃの端縁が係合爪５を乗越えて同係合
爪５に係合され、板状支柱カバー６は支柱１に装
着される。

さらに側方が開放したチヤンネル製下横継ぎ部
材１０および上方が開放したｃ型鋼製上横継ぎ部
材１３の各端板１１，１４を逆Ｔ字状柱４の下部
および上端側面にそれぞれ当て、各端板１１，１
４の孔に嵌合されたボルト１６を支柱１の雌螺糸
部１ｃ，１ｄに螺着緊締し、これも同様にそれぞ
れカバー１２，１５をかぶせれば、単柱式組立棚
の枠体を組立てることができる。

最後に、袖板１７を支柱１の所要の係止孔２に
所定間隔を存して係合し、その袖板１７に棚板１
８を取付け、支柱１の最上段の係止孔２に天板受
２１を係合し、その天板受２１に天板１９を取付
け、背当り２０を各前後２枚の棚板１８の間に取
付ければ、単柱式組立棚を完全に組立ることがで
きる。

前記した順序と逆な順序の作業を行なえば、単
柱式組立棚を頗る容易に能率良く分解することが
できる。

特に逆Ｔ字状柱４の側面への下横継ぎ部材１０
のボルト１６による螺着も下横継ぎ部材１０の側
方が巾広に開放されているので、作業がしやすく
なつている。

また下横継ぎ部材１０の上下巾が広いので、間
口方向に対する横揺れに強い枠体を形成すること
ができる。

下横継ぎ部材１０には下横継ぎ部材カバー１２
が嵌装されるので、下横継ぎ部材１０の側方の溝
およびボルト１６を隠して単純でスマートなもの
とするとともに、下横継ぎ部材カバー１２は化粧
材として下横継ぎ部材１０より薄くてよく、その
折曲部をシヤープに形成することができ、外観的
に極めて洗練されたものとすることができる。

さらに設定箇所の色彩環境に対応して、支柱カ
バー６および脚カバー７の色彩との調和も考慮し
て種々の色彩の下横継ぎ部材カバー１２の内、最
適の色彩のものを選択することにより、カラーコ
ンデイシヨニングを容易に行うことができる。

さらにまた下横継ぎ部材カバー１２の表面に
傷、汚点等が付いた場合には、下横継ぎ部材カバ
ー１２を交換すれば、下横継ぎ部材１０を取替え
ることなく、新品同様な外観を呈することができ
る。

下横継ぎ部材１０と下横継ぎ部材カバー１２
は、各々強度剛性を増大させることと外観を洗練
させることとの異なつた機能を追及すればよいの
で、機能的に優れた横継ぎ部材は低コストで容易
に生産可能である。

また支柱１の係止孔２の両側縁に支柱カバー挟
持部片６ｃの端縁が密接した状態で支柱カバー６
が支柱１の両側に装着されているため、支柱１は
前後にそれぞれ縦溝が形成されたかのような外観
を呈し、支柱１に設けられた係止孔２は同支柱カ
バー６で隠され、支柱１の外観は単純でスマート
である。

なお本実施例では、逆Ｔ字状柱４に支柱カバー
６をかぶせるのに係合爪５の外面を越えて同係合
爪５にカバー挟持部片６ｃの端縁を係合させるよ
うにしたが、カバー挟持部片６ｃの側端縁に係合
爪５が遊嵌しうる切欠き６ｆ（第３図で破線で示
す部分）を設け、同切欠き６ｆを係合爪５に合せ
て支柱カバー中央部片６ａの内面を支柱側面１ｂ
に接触させた後、支柱カバー６を下方へ押下げる
ようにして支柱カバー６をかぶせてもよい。

このようにカバー挟持部片６ｃに切欠き６ｆを
設けることで、支柱カバー６を弾性変形させずに
頗る容易に支柱１に装着することができるのみな
らず、支柱カバー６を逆に動かせば、極めて簡単
に取外すことができる。

考案の効果 本考案は、側方が巾広に開放された横継ぎ材を
Ｔ字状支柱にボルトで螺着するようにしているの
で、組立て、分解が容易で作業時間も短かくてす
む。

また本考案では、横継ぎ材はカバーで覆われる
ので外観に拘束されずに機能的に優れた横継ぎ材
を低コストで製造することができる。

さらに本考案においては、支柱カバー、水平脚
カバーおよび横継ぎ材カバーによつて外観を洗練
されたものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る単柱式組立棚の一実施例
を図示した斜視図、第２図は同実施例における逆
Ｔ字状柱の分解斜視図、第３図はその要部分解斜
視図、第４図はその組立状態を図示した横断平面
図、第５図は同実施例における下横継ぎ部材の分
解斜視図、第６図は同実施例における上横継ぎ部
材の分解斜視図、第７図は前記実施例における逆
Ｔ字状柱と上下横継ぎ部材との結合状態を図示し
た要部縦断正面図、第８図はその要部断面側面図
である。 １……支柱、２……係止孔、３……水平脚、４
……逆Ｔ字状柱、５……係合爪、６……支柱カバ
ー、７……脚カバー、８……アジヤスタ、９……
脚キヤツプ、１０……下横継ぎ部材、１１……端
板、１２……下横継ぎ部材カバー、１３……上横
継ぎ部材、１４……端板、１５……上横継ぎ部材
カバー、１６……ボルト、１７……袖板、１８…
棚板、１９……天板、２０……背当り、２１……
天板受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棚間口面と平行な前後面に袖板、棚受等が係合
   される支柱の下端を、水平脚の中央に逆Ｔ字状に
   一体に固着してなる単柱式棚において、同支柱に
   上方より嵌合し前記水平脚に水平脚カバーを取付
   けるとともに、同支柱の両側面に支柱カバーを取
   付け、前記支柱が鉛直方向に指向しかつ前記水平
   脚が前後方向にそれぞれ指向した状態で、左右方
   向に亘り所定間隔を存して前記逆Ｔ字状支柱の支
   柱側面に、溝巾が溝深さよりも広いチヤンネル状
   横継ぎ材の溝部を側方へ開放させるとともに左右
   水平方向へ指向させたチヤンネル状横継ぎ材の両
   端板を衝接し、同両端板および両支柱側面にボル
   トを螺着し、組立分解自在に一体に結合し、同横
   継ぎ材に下方が開放したチヤンネル状横継ぎ材カ
   バーを嵌装したことを特徴とする単柱式組立棚。