JPH0120471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主扉と副扉とを有する伸縮門扉に関す
るものである。

（従来の技術） 従来のこの種伸縮門扉の一例として実開昭57−
93598号公報で示されるものがある。この公知例
の伸縮門扉は、固定側枠から中間支枠までを主
扉、中間支枠から移動側枠までを副扉としてお
り、例えば人が出入りする時のように比較的小間
口幅でよい場合は、主扉を閉扉（伸長）させたま
まで副扉のみを開扉（収縮）させ、また、自動車
等が出入りする時のように大間口幅が必要な場合
は主扉を副扉と共に開扉（収縮）させる如くして
使用される。

（考案が解決しようとする問題点） ところがこの公知例の伸縮門扉では、中間支枠
における両側の斜桟の端部を支えるピン軸を夫々
分離して中間支枠に横架しているため、斜桟で構
成する柄が主扉と副扉で完全に分離され、関連性
のないものとなり、伸縮門扉の意匠的価値の低下
につながるといつた問題点を有するものであつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の如き従来の伸縮門扉の問題点に
鑑み成されたものであり、多数の斜桟の端部及び
交叉部を軸着した垂直リンク機構の両端部及び適
宜軸着部に、縦桟を固定枢軸及び可動枢軸によつ
て軸支して伸縮自在な主扉と、該主扉から更に外
側に垂直リンク機構を有して伸縮自在な副扉とか
ら成る伸縮門扉であつて、主扉の連結側端部の縦
桟は、副扉の連結側端部の縦桟として兼用せし
め、該兼用縦桟における主扉側垂直リンク機構の
固定枢軸は、副扉側垂直リンク機構の固定枢軸と
して兼用せしめる一方、該兼用縦桟における主扉
側垂直リンク機構の可動枢軸と副扉側垂直リンク
機構の可動枢軸とは別個に構成することによつて
所期の目的を達し得るのである。

（作用） 本考案は、主扉と副扉との連結側端部の縦桟を
兼用せしめ、該兼用縦桟における主扉側垂直リン
ク機構の固定枢軸は、副扉側垂直リンク機構の固
定枢軸として兼用せしめる一方、該兼用縦桟にお
ける主扉側垂直リンク機構の可動枢軸と副扉側垂
直リンク機構の可動枢軸とは別個に構成し、もつ
て主扉と副扉との斜桟が構成する柄に関連性を生
じるという作用を有するのである。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。本
実施例の伸縮門扉１は主扉２と副扉３とから構成
されている。

主扉２は多数の斜桟４の端部及び交叉部を軸着
した同一構造の垂直リンク機構５１，５２を上下
に有し、該リンク機構５１，５２の両端部及び同
列に位置するリンク屈曲部６１，６２には前後脚
を有する主縦桟７１をあてがい軸支し、同列に位
置するリンク交叉部６３には主縦桟７１より若干
短く同形状の補助縦桟７２をあてがい軸支してい
る。

主扉２の一側端の主縦桟７１は門柱８等の固定
側部材にヒンジ９を介して取り付けられ、収縮後
に回転収納可能としている。また、主扉２の他の
一側端の主縦桟７１は兼用縦桟１０として、後記
するように副扉３を軸支することになる。

主扉２における各主縦桟７１及び各補助縦桟７
２と上下リンク機構５１，５２の軸支構造は次の
通りである。即ち、上下リンク機構５１，５２の
同列に位置する上側リンク屈曲部６１は主縦桟７
１に沿つて上下動可能な可動枢軸１１により、ま
た、同列に位置する下側リンク屈曲部６２は主縦
桟７１に固定枢軸１２によつて軸支し、同列に位
置するリンク交叉部６３は補助縦桟７２に固定枢
軸１２によつて軸支している（第３図ないし第５
図参照）。

各可動枢軸１１及び各固定枢軸１２は、斜桟４
の軸着部位を前後に突出して各縦桟７１，７２に
橋架して軸支せしめているが、ただ兼用縦桟１０
における可動枢軸１１ａは他の枢軸１１，１２よ
り短く、兼用縦桟１０の一方の脚部のみに移動可
能に軸支している（第６図参照）。尚、１３は摺
動具を示し、１４はスペーサーを示す。

一方、副扉３は次のように構成している。即
ち、前記主扉２と同長の斜桟４′の端部及び交叉
部を軸着した上下同一構造の垂直リンク機構５
１′，５２′の一側端を前記した兼用縦桟１０に軸
支し、残る他側端及び同列に位置するリンク屈曲
部６１′，６２′には両脚部を有する主縦桟７１′
をあてがい軸支し、また、同列に位置するリンク
交叉部６１′には補助縦桟７２′をあてがい軸支し
ている。

副扉３における上下リンク機構５１′，５２′と
各縦桟７１′，７２′の軸支構造も前記主扉２と同
様であり、上下リンク機構５１′，５２′の同列に
位置する上側屈曲部６１′は主縦桟７１′に沿つて
上下動可能な可動枢軸１１′を橋架して軸支し、
同列に位置する下側屈曲部６２′は主縦桟７１′に
固定枢軸１２′を橋架して軸支し、また、同列に
位置するリンク交叉部６３′は補助縦桟７２′に固
定枢軸１２′を橋架して軸支している。

また、兼用縦桟１０における副扉３側の固定枢
軸１２ａは、該兼用縦桟１０における主扉２側の
固定枢軸１２ａと兼用せしめる一方、兼用縦桟１
０における副扉３側の可動枢軸１１a′は該兼用縦
桟１０における主扉２側の可動枢軸１１ａとは別
個に構成され、兼用縦桟１０の残る一方の脚部に
上下動可能に軸支している。

この伸縮門扉１の自由端側は戸当り側の門柱８
に係脱自在に係止し得るように設置される。

適宜主縦桟７１，７１′の下部にはキヤスター
１５が取り付けられている。また兼用縦桟１０の
下部には落とし棒１６を設けており、地中に設け
た落とし穴内に挿入することによつて主扉２を閉
扉（伸長）状態のままでロツクされるようになつ
ている。即ち、本実施例の伸縮門扉１は、人が出
入りする時のように比較的小間口幅でよい場合
は、主扉２を閉扉（伸長）させ且つ落とし棒１６
を落とし穴内に落とし込んで該主扉２をロツクさ
せた状態で、副扉３を第１図に鎖線で示すように
開扉（収縮）することができ、また、自動車が出
入りする時のように大間口幅が必要な場合は主扉
２を副扉３と共に開扉（収縮）させ、門柱８の周
りに回転して収納することができる。

尚、本実施例ではキヤスター式の伸縮門扉を採
用しているが、他の実施例ではレール案内式のも
のを採用することもでき、また、本実施例では伸
縮門扉を片開き式に構成しているが、これを両開
き式に構成することも勿論可能である。また、本
実施例では全て同一長さの斜桟を採用したが、各
リンク機構で異なる長さの斜桟を有せしめること
も可能である等、考案の実施にあたり、各部材の
具体的形状、長さ、組み合わせ等は種々変更可能
であることは勿論である。

（考案の効果） 本考案は以上のようであり、主扉と副扉との連
結側端部の縦桟を兼用せしめ、該兼用縦桟におけ
る主扉側垂直リンク機構の固定枢軸は、副扉側垂
直リンク機構の固定枢軸として兼用せしめる一
方、該兼用縦桟における主扉側垂直リンク機構の
可動枢軸と副扉側垂直リンク機構の可動枢軸とは
別個に構成したから、主扉側と副扉側の斜桟の構
成する柄が関連性を有するものとなり意匠効果の
向上に寄与するという効果がある。

また、主扉と副扉との連結は特に連結部材を必
要とすることがなく、縦桟及び固定枢軸を兼用さ
せるため、部品点数あるいは種類を減少すること
も可能となる。

さらに、兼用縦桟は他の縦桟と同形状のもので
あつても差し支えがないため、例えば副扉を有さ
ない通常の伸縮門扉を、縦桟における可動枢軸を
変更することのみによつて、極めて簡単に主扉と
副扉とを有する伸縮門扉に改造することも可能に
なるという効果も合わせ有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる伸縮門扉の正面図、第
２図は同平面図、第３図は上側リンク屈曲部を示
す横断面図、第４図は下側リンク屈曲部を示す横
断面図、第５図はリンク交叉部を示す横断面図、
第６図は兼用縦桟における可動枢軸部を示す横断
面図である。 １……伸縮門扉、２……主扉、３……副扉、４
……斜桟、５１，５２……垂直リンク機構、５
１′，５２′……垂直リンク機構、７１，７２……
縦桟、７１′，７２′……縦桟、１０……兼用縦
桟、１１，１１ａ……可動枢軸、１１′，１１
a′……可動枢軸、１２，１２ａ……固定枢軸、１
２′……固定枢軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の斜桟の端部及び交叉部を軸着した垂直リ
   ンク機構の両端部及び適宜軸着部に、縦桟を固定
   枢軸及び可動枢軸によつて軸支して伸縮自在な主
   扉と、該主扉から更に外側に垂直リンク機構を有
   して伸縮自在な副扉とから成る伸縮門扉であつ
   て、主扉の連結側端部の縦桟は、副扉の連結側端
   部の縦桟として兼用せしめ、該兼用縦桟における
   主扉側垂直リンク機構の固定枢軸は、副扉側垂直
   リンク機構の固定枢軸として兼用せしめる一方、
   該兼用縦桟における主扉側垂直リンク機構の可動
   枢軸と副扉側垂直リンク機構の可動枢軸とは別個
   に構成することを特徴とする伸縮門扉。