JPH0120470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は間口等に使用される開閉自在な伸縮門
扉に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の伸縮門扉としては、例えば実公
昭56−52389号公報に開示されているように、上
下各段のリンク機構の上側リンク屈曲部または下
側リンク屈曲部の何れか一方側へ縦棧を上下スラ
イド可能に軸支させ、残る下側リンク屈曲部また
は上側リンク屈曲部に同縦棧をスライドしないよ
うに軸支させ、リンク交叉部は全て縦棧にスライ
ドしないように軸支させる構造のものが知られて
いる。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上記した従来構造の伸縮門扉において
は、例えば各リンク機構の下側リンク屈曲部を縦
棧に沿つてスライド可能に軸支した場合、門扉の
開閉に伴う下側リンク屈曲部のスライド範囲を考
慮して、門扉を全開した状態において下側リンク
機構から下方に突出せしめて縦棧を使用する必要
があるため、門扉下部に大きな空隙を生じ、犬・
ネコ等の侵入を許してしまう恐れがあつた。ま
た、逆に各リンク機構の上側リンク屈曲部を縦棧
に沿つてスライド可能に軸支した場合、門扉の開
閉に伴う上側リンク屈曲部のスライド範囲を考慮
して、門扉を全開した状態において上側リンク機
構から上方に突出せしめて縦棧を使用する必要が
あるため、使用者等の視線が比較的集中する門扉
上部には縦棧の突出部が強調され、意匠価値の低
下を促す恐れがあるという問題点を具有するもの
であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の点に鑑み成されたものであり、
前後の斜棧の互いの中央部を交叉軸着したリンク
単位を左右方向に連続して配し、隣向する斜棧の
端部を順次軸着したリンク機構を上下方向に少な
くとも２段有し、該上下リンク機構を連繋すべく
同列に位置するリンク屈曲部には主縦棧を配し、
また、同列に位置するリンク交叉部には補助縦棧
を配し、上リンク機構の上側リンク屈曲部と下リ
ンク機構の下側リンク屈曲部は主縦棧に対して固
定的に軸着し、上リンク機構の下側リンク屈曲部
と下リンク機構の上側リンク屈曲部は主縦棧に沿
つて可動的に軸着し、かつ、同列に位置するリン
ク交叉部の一方は補助縦棧に対して固定的に軸着
し、残る他方のリンク交叉部は補助縦棧に沿つて
可動的に軸着することによつて前記問題点を解消
するに到つたのである。

（作用） 本考案は上リンク機構の上側リンク屈曲部と下
リンク機構の下側リンク屈曲部を主縦棧に固定的
に軸着し、リンク交叉部には補助縦棧を配するこ
とにより、門扉を全開した際に、門扉の最上下部
に大きな空隙を生じないという作用が得られるの
である。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本実施例を説明す
る。

本実施例の伸縮門扉Ｘはアルミニウム型材から
構成され、左側端に位置する吊元側の端部主縦棧
４１をヒンジ６，６を介してその下部を地中に埋
設した門柱７に回動自在に取り付けている。８は
自由端側の端部主縦棧４１の下部に施された自在
車を示している。

縦棧４１，４２，４３は次のような構成であ
る。即ち、吊元側と自由端側の端部主縦棧４１
は、水平断面形状が略コ字状の部材の上端に端末
キヤツプ５１を施したもの、また、これと同長の
中間主縦棧４２は、前後の脚部を上端の連結キヤ
ツプ５２で連結したもの、及び中間主縦棧４２と
同様な構造で若干短い補助縦棧４３から構成して
いる。また、リンク機構３１，３２は次のように
構成している。即ち、逆方向に傾斜した同長の斜
棧１の互いの中央部を正面視して略Ｘ字状に交叉
軸着したリンク単位２を左右方向に連続して配
し、隣向する斜棧１の端部を順次軸着して構成し
ている。尚、本実施例ではリンク単位２を前後２
本の斜棧１で構成したが、必要に応じて前後の斜
棧１の数を増やすことも勿論可能である。

このように構成した上下のリンク機構３１，３
２を前記した縦棧４１，４２，４３に軸着するの
であるが、本実施例ではリンク機構３１，３２を
構成した枢軸１１ａ，１１ｂを前後に突出せし
め、縦棧４１，４２，４３の内側に配する構造と
している。

リンク機構３１，３２の左右端には端部主縦棧
４１を配し、また、同列に位置するリンク屈曲部
９ａ，９ｂには中間主縦棧４２を配し、更に、同
列に位置するリンク交叉部１０には補助縦棧４３
を配している。

尚、軸着構造は次の通りである。即ち、上リン
ク機構３１の上側リンク屈曲部９ａと下リンク機
構３２の下側リンク屈曲部９ｂは主縦棧４１，４
２に固定枢軸１１ａによつて固定的に軸着し、上
リンク機構３１の下側リンク屈曲部９ｂと下リン
ク機構３２の上側リンク屈曲部９ａは主縦棧４
１，４２の内対向面に沿つて上下に摺動可能な可
動枢軸１１ｂによつて可動的に軸着している。ま
た、下リンク機構３２のリンク交叉部１０は補助
縦棧４３に固定枢軸１１ａにより固定的に軸着
し、上リンク機構３１のリンク交叉部１０は補助
縦棧４３の内対向面に沿つて上下に摺動可能な可
動枢軸１１ｂによつて可動的に軸着している。
尚、上下のリンク交叉部１０，１０の軸着構造は
必要に応じて固定枢軸１１ａと可動枢軸１１ｂを
逆に施すことも可能である。また、上下のリンク
機構３１，３２の間に新たな中間リンク機構（図
示せず）を配することも勿論可能である。

１２は可動枢軸１１ｂの端部に設けられ、縦棧
４１，４２，４３の内対向面を上下動する摺動具
を示し、１３は各枢軸１１ａ，１１ｂに外嵌し各
部材の間隔を保持する間隔規制材を示す。

本実施例は上記のようであるが、本考案の実施
にあたり、各部材の材質、形状、具体的な構成
等々は本考案の主旨に反さない限り種々変更可能
であり、何ら本実施例に限定されるものではな
い。

（効果） 本考案は以上のようであり、前後の斜棧の互い
の中央部を交叉軸着したリンク単位を左右方向に
連続して配し、隣向する斜棧の端部を順次軸着し
たリンク機構を上下方向に少なくとも２段有し、
該上下リンク機構を連繋すべく同列に位置するリ
ンク屈曲部には主縦棧を配し、また、同列に位置
するリンク交叉部には補助縦棧を配し、上リンク
機構の上側リンク屈曲部と下リンク機構の下側リ
ンク屈曲部は主縦棧に対して固定的に軸着し、上
リンク機構の下側リンク屈曲部と下リンク機構の
上側リンク屈曲部は主縦棧に沿つて可動的に軸着
し、かつ、同列に位置するリンク交叉部の一方は
補助縦棧に対して固定的に軸着し、残る他方のリ
ンク交叉部は補助縦棧に沿つて可動的に軸着した
から門扉を全開した状態において門扉の最上部及
び最下部にリンク機構を配することが可能となる
ため、補助部材等の新たな部材を使用することな
く門扉の最上下部の大きな空隙をなくすことがで
き、従来構造の有していた欠点である犬・ネコ等
の出入、あるいは意匠価値の低下を解決できると
いう効果がある実用上有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる伸縮門扉の正
面図、第２図は同平面図、第３図はＢ−Ｂ線部分
のＡ−Ａ線拡大断面図、第４図は一部省略したＤ
−Ｄ線部分のＣ−Ｃ線拡大断面図、第５図は一部
省略したＦ−Ｆ線部分のＥ−Ｅ線拡大断面図を示
す。 １……斜棧、２……リンク単位、３１……上リ
ンク機構、３２……下リンク機構、４１，４２…
…主縦棧、４３……補助縦棧、９ａ……上側リン
ク屈曲部、９ｂ……下側リンク屈曲部、１０……
リンク交叉部、Ｘ……伸縮門扉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後の斜棧の互いの中央部を交叉軸着したリン
   ク単位を左右方向に連続して配し、隣向する斜棧
   の端部を順次軸着したリンク機構を上下方向に少
   なくとも２段有し、該上下リンク機構を連繋すべ
   く同列に位置するリンク屈曲部には主縦棧を配
   し、また、同列に位置するリンク交叉部には補助
   縦棧を配し、上リンク機構の上側リンク屈曲部と
   下リンク機構の下側リンク屈曲部は主縦棧に対し
   て固定的に軸着し、上リンク機構の下側リンク屈
   曲部と下リンク機構の上側リンク屈曲部は主縦棧
   に沿つて可動的に軸着し、かつ、同列に位置する
   リンク交叉部の一方は補助縦棧に対して固定的に
   軸着し、残る他方のリンク交叉部は補助縦棧に沿
   つて可動的に軸着したことを特徴とする伸縮門
   扉。