JPH0120219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行車両、特にフオークリフトラツ
クのハンドルコラム取付装置に関するものであ
る。

従来、この種のハンドルコラム取付装置として
は第１図に示すように、車体１にダツシユボード
２を固設し、ダツシユボード２にハンドルコラム
３の中間部をクランプ片４で固定し、車体１にボ
ルト５で固定したブラケツト６にギヤボツクス７
を固設し、このギヤボツクス７にハンドルコラム
３の下部を固設すると共に、ハンドルコラム３内
に挿通したハンドル軸８の下端をギヤボツクス７
内のギヤに連結し、上端にハンドルノブ９を備え
たハンドル１０を固設し、前記ギヤボツクス７の
アーム１１をステアリングリンク１２を介して操
向輪に連結してある。

しかし、この構造であると車体１の振動がハン
ドルコラム３に直接伝播し、ハンドル１０に減衰
されずに伝播するので操縦性が悪くなつてしま
う。

特に、ダツシユボード２の左右振動は第２図に
示すように、クランプ片４を介してハンドルコラ
ム３の左右振動として伝播し、ハンドルノブ９が
上下振動するので、オペレータに不快な振動を与
えることになる。

なお、ギヤボツクス７の取付部あるいはダツシ
ユボード２の取付部にゴムを介在させて車体１か
らの振動伝播を減衰するようにすることが考えら
れるが、組立性、コスト的の面から不利である。

また、クランプ片４によるハンドルコラム３の
取付部にクツシヨンゴムを介在させるようにする
ことも考えられるが、クツシヨンゴムを厚くする
ハンドルを操作時にステアリングリンク１２から
の反力によりガタツイてしまうので、クツシヨン
ゴムは薄くせねばならず、十分なる振動低減効果
が得られない。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、ダツシユボードの左右振動がハ
ンドルコラムに伝播することを十分に低減できる
と共に、ハンドル操作時のガタツキがなく、さら
には組立性、コストの面でも有利である走行車両
のハンドルコラム取付装置を提供することであ
る。

以下第３図以降を参照して本考案の実施例を説
明する。なお、従来と同一部材は符号を同一とす
る。

ダツシユボード２の内壁２ａにはコ字状の支持
座１３を溶接等で固着し、この支持座１３に、両
側壁１４ａ，１４ａと連結壁１４ｂとによつて長
コ字状のクランプ片１４の開口端部をボルト１５
で固着すると共に、ハンドルコラム３をクランプ
片１４内に挿通させ、クランプ片１４の両側壁１
４ａ，１４ａ間にボルト１６を挿通しかつナツト
１７を螺合して、このボルト１６によつてハンド
ルコラム３をクランプ片１４の連結壁１４ｂに押
しつけ固定する。

しかして、クランプ片１４は長手方向には剛性
大で、巾方向には剛性小であるから、ハンドルコ
ラム３は前後方向には強い剛性でダツシユボード
２に固定され、左右方向には弱い剛性でダツシユ
ボード２に固定されるので、ダツシユボード２の
左右振動はクランプ片１４で吸収緩和されてハン
ドルコラム３にはあまり伝播せず、ハンドルノブ
９の上下振動が低減するので、オペレータに不快
を与えることがない。

また、ハンドル操作時のステアリングリンク１
２からの前後反力はクランプ片１４で強固に支持
できるので、ガタツクことがない。

また、支持座１３とクランプ片１４を設けただ
けであり、簡単な構造であるから、組立、コスト
の面で有利である。

第４図は、第１図に示す従来の取付装置と第３
図に示す取付装置によるハンドルノブ９の上下振
動に測定した結果を示す表図であり、第３図に示
す取付装置であると上下振動が少ないことが判明
する。

Ａが第３図に示す取付装置の場合の上下振動、
Ｂが第１図に示す取付装置の場合の上下振動であ
る。

本考案は以上の様になり、クランプ片１４は長
手方向の剛性大で、巾方向の剛性小であるから、
クランプ片１４自体は長手方向に変位せずに左右
方向には変位し易くなり、しかもクランプ片１４
の開口端がダツシユボード２に連結され、連結壁
１４ｂにハンドルコラム３が固定してあるから、
ダツシユボード２が左右に振動するとクランプ片
１４の両側縦壁１４ａ，１４ａがハンドルコラム
３に対して左右に変位してハンドルコラム３に伝
播することを十分に低減でき、ハンドルの上下振
動を低減してオペレータに不快に与えることがな
いばかりか、ハンドル操作時の反力でクランプ片
１４が長手方向に変位しないので、ハンドル操作
時にハンドルコラム３が前後方向にガタツクこと
がない。

また、クランプ片１４は長コ字状となり、その
開口端を支持座１３にボルト止めし、その両側壁
１４ａ，１４ａに亘つて締付けたボルト１６でハ
ンドルコラム３を連結壁１４ｂに押しつけ固定し
ているので、ダツシユボード２、ハンドルコラム
３を取付けた後に、クランプ片１４をハンドルコ
ラム３に沿つて押し入れて開口端を支持座１３に
ボルト止めすると共に、両側壁１４ａ，１４ａ間
に亘つてボルト１６を締付けることでハンドルコ
ラム３と支持でき、その作業が極めて容易となる
と共に、クツシヨンゴム等を利用していないか
ら、組立性、コストの面でも有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図はその不具合
説明図、第３図は本考案の実施例を示す斜視図、
第４図はハンドルノブの上下振動を示す表図であ
る。 １は車体、２はダツシユボード、３はハンドル
コラム、１０はハンドル、１４はクランプ片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体１にダツシユボード２を取付けると共に、
   このダツシユボード２に支持座１３を設け、長尺
   の薄縦板状の両側壁１４ａ，１４ａと縦板状の連
   結壁１４ｂとで長コ字状となつたクランプ片１４
   の開口端部を、前記支持座１３にボルト１５で取
   付けると共に、このクランプ片１４内にハンドル
   コラム３を挿通させ、そのクランプ片１４の両側
   壁１４ａ，１４ａ間に亘つてボルト１６を締付け
   ると共に、そのボルト１６でハンドルコラム３を
   クランプ片１４の連結壁１４ｂに押しつけ固定
   し、そのハンドルコラム３の下部を前記車体１に
   取付けたギヤボツクス７に連結して成る走行車両
   のハンドルコラム取付装置。