JP2516207Y2 - 自動車用ステアリングコラム支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車用ステアリングコラム支持装置の
構造の改良に関する。

（従来の技術） 従来、自動車用ステアリングコラム支持装置の構造
は、ステアリングに伝達してくる振動等により操安性の
低下を抑制するために、車体側壁間にステアリング支持
部材を横設すると共に、上記ステアリング支持部材の側
壁取付断面を拡大してなるものや、車両のカウルサイド
パネル間に配置されるパイプレインホースの端部近傍
に、上記カウルサイドパネルに一端を接合するサブレイ
ンホースが固定されると共に、パイプレインホース、サ
ブレインホース及びカウルサイドパネルにおいて断面三
角形状を成すように、上記パイプレインホースとサブレ
インホース間に補強材を渡設してなるもの（実開昭59-8
5777号）が提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のものにおいて、車体側壁間
に横設されるステアリング支持部材の側壁取付断面を拡
大してなるものの場合、車両、すなわち側壁との取付断
面を拡大することにより、取付部の強度を向上させてな
るものであるが、側壁取付断面を拡大するものであるか
ら、ステアリング支持部材の取り付けに必要とする空間
が拡大するので、運転席の足元空間の余裕が少なくな
り、アクセル、ブレーキ等のペダル操作において脚が車
体と干渉する恐れがある。

また、実開昭59-85777号の場合、パイプレインホー
ス、サブレインホース及びカウルサイドパネルにおいて
断面三角形状を成すように、上記パイプレインホースと
サブレインホース間に補強材を設けるものであり、ステ
アリングへの振動は、補強材の追加によりその剛性が上
がることから比較的低く抑制することができるものであ
るが、構造が複雑なことから作業工程が煩雑となる上、
重量が増大し、近年省燃費等の観点から車両に求められ
る車両の軽量化に反するものとなる。

そこで、この考案は上記従来のものの持つ欠点を、簡
単な構造によりステアリングへの振動を抑制しつつ、最
小限の重量増で達成することができるようにするもので
ある。

（課題を解決するための手段） そのために、車体横方向に配置されるパイプレインホ
ースの一端をフロントサイドパネル結合ブラケットを介
してフロントサイドパネルに固定すると共に、Ｕ字形状
の補強パイプをパイプレインホースに溶着し、その端部
を上記フロントサイドパネル、又は結合ブラケットに固
定してなるものである。

（作用） 上記構成を具えるので、車体横方向に配置されるパイ
プレインホースは、フロントサイドパネル結合ブラケッ
トを介してフロントサイドパネルに固定されると共に、
このパイプレインホースと溶着により一体となるＵ字形
状の補強パイプを同様にフロントサイドパネル結合ブラ
ケットに共締めしてなるものであるから、ステアリング
コラムを支持するパイプレインホースの剛性を向上さ
せ、取り付けに必要な空間を最小限として、ステアリン
グへの振動を抑制することができる。

（実施例） この考案を図に示す実施例により更に説明する。
（１）は、この考案の実施例である自動車用ステアリン
グコラム支持装置であり、このステアリングコラム支持
装置（１）は、車体横方向に配置され、ステアリングサ
ポート（３）によりフロントサイドパネル（４）に固持
されるパイプレインホース（２）を、その一端において
フロントサイドパネル結合ブラケット（５）を介してフ
ロントサイドパネル（４）に固定することにより構成さ
れる。

そして、上記フロントサイドパネル結合ブラケット
（５）において、Ｕ字形状の補強パイプ（６）をパイプ
レインホース（２）にアーク溶接によって一体に溶着す
ると共に、その端部（６′）をフロントサイドパネル結
合ブラケット（５）に共締めしてなるものである。

この考案は上記構成を具えるので、車体横方向に配置
されるパイプレインホース（２）は、フロントサイドパ
ネル結合ブラケット（５）を介してフロントサイドパネ
ル（４）に固定され、更にこのパイプレインホース
（２）に対してアーク溶接により、パイプレインホース
（２）の表面にＵ字形状の補強パイプ（６）を一体に溶
着すると共に、パイプレインホース（２）を固持するフ
ロントサイドパネル結合ブラケット（５）にその端部
（６′）を共締めしてなるものであるので、ステアリン
グコラムを支持するパイプレインホース（２）のフロン
トサイドパネル（４）に対する結合強度のを強化に伴っ
て、パイプレインホース（２）の剛性を向上させること
から、パイプレインホース（２）の剛性向上に必要とす
る、必要取付空間を最小限として、操安性を低下させる
ステアリングへの微振動を抑制することができる。

なお、第４図に示すように、補強パイプ（６）は、プ
レス成形によりなる補強レインホース（７）を、同様に
パイプレインホース（２）にアーク溶接によって一体に
溶着して、その端部（７′）をフロントサイドパネル結
合ブラケット（５）に共締めしてなるものでもよい。

（考案の効果） 以上のとおり、ステアリングコラムを支持するパイプ
レインホースをフロントサイドパネル結合ブラケットを
介してフロントサイドパネルに取り付けると共に、その
パイプレインホースをフロントサイドパネル結合ブラケ
ットにおいて補強パイプ等による補強材を溶接により一
体に溶着し、その端部をフロントサイドパネル結合ブラ
ケットに共締めすることで、ステアリングに伝達する振
動を抑制し、走行中における操安性を向上させることが
できる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例であるステアリングコラム支
持装置の拡大斜視図、第２図は上方よりの正面図、第３
図は第２図のI-I断面図、第４図はこの考案のその他の
実施例における要部拡大斜視図である。 １……ステアリングコラム支持装置 ２……パイプレインホース ３……ステアリングサポート ４……フロントサイドパネル ５……フロントサイドパネル結合ブラケット ６……補強パイプ、６′……端部 ７……補強レインホース、７′……端部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体横方向に配置されるパイプレインホー
   スの一端をフロントサイドパネル結合ブラケットを介し
   てフロントサイドパネルに固定すると共に、Ｕ字形状の
   補強パイプをパイプレインホースに溶着し、その端部を
   上記フロントサイドパネル、又は結合ブラケットに固定
   してなる自動車用ステアリングコラム支持装置。