JPH0119709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は下向きに彎曲した平瓦の改良に関す
るものである。

この種の平瓦は通常各平瓦の接合側縁部上にふ
き土を盛り、その上に丸瓦を載置固定して据付け
瓦ぶきされる。

ところで、従来、平瓦を含む各種瓦は、瓦自身
の摺り落ちを防止するために、瓦本体の下面の後
縁部近傍に、瓦棧に係止可能な係止部を設けたり
或いは瓦本体を貫通してくぎ打ち孔を穿設してい
るが、平瓦のようにその接合側縁部上に丸瓦を載
置して使用する場合、年月の経過に伴なつて丸瓦
下に盛つたふき土が、平瓦の傾斜面に沿つて徐々
に滑り落ちて雨水とともに流出してしまい、この
ために丸瓦の据付け状態が不安定になつて風が吹
き飛ばされたり、或いは自重によつて落下するこ
とがあつた。

この考案は上記した従来の欠点を解消したもの
で、平瓦本体上面の前縁両隅角部に突起部を設け
ることにより、突起部によつて平瓦上のふき土の
摺りを防止して丸瓦の据付けの安定化を図る平瓦
を提供することを目的としている。

以下、この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。第１図において、１は下向きに欺曲した平瓦
本体で、この本体１の上面の前縁両隅角部に、そ
れぞれ上向の突起部２を設け、また各突起部２の
後方より本体１の上面の両側縁中間部にかけて摺
り止め用凹凸部３を形成する。

なお、前記突起部２の高さは高くするほど摺り
止め効果が大きくなる。また、突起部２の長さお
よび幅も大きくするほど摺り止め効果が高くなる
が、これらも丸瓦Ａとの寸法関係を考慮して設定
する。４は本体１下面の後縁部に設けた下向きの
係止部、５は本体１の後縁部寄りに貫通して穿設
したくぎ打ち用小孔で、係止部４および小孔５は
従来公知のものである。

そして、上記構成からなる平瓦は、第２図およ
び第３図に示すように、屋根板Ｃ上の傾斜方向に
平瓦１の一部を重ね合わせて縦列すると共に平瓦
１の両側縁を接合して並列した状態で据付け、ま
た各平瓦１のふき足の接合側縁部上にふき土Ｂを
盛つて、その上に丸瓦Ａを一部重合して縦列し載
置固定するものである。

以上説明したように、この考案の平瓦は本体上
面の前縁両隅角部に、それぞれ上向きの突起部を
設けて、突起部により丸瓦下のふき土の摺り落ち
を防止するようにしたから、瓦ぶき後、長期間経
過してもふき土の流出がなく、丸瓦の据付けが確
実で安定するほか、特に実施例に示したように、
突起部の後方の本体上面にも摺り止め用凹凸部を
形成しておけば、ふき土の摺り落ち防止効果が一
層高まる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の平瓦を示す斜視
図、第２図は瓦ぶきの態様を示す一部斜視図、第
３図は第２図の−線断面図である。 １……平瓦本体、２……突起部、３……凹凸
部、４……係止部、５……小孔、Ａ……丸瓦、Ｂ
……ふき土、Ｃ……屋根板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接合側縁部上に丸瓦を据付けて使用される、下
   向きに彎曲した平瓦において、該平瓦本体上面の
   前縁両隅角部にそれぞれ上向きの葺土の摺り落ち
   防止用の突起部を設け且つ該突起部の後方より平
   瓦本体上面の両側縁中間部にかけて葺土の摺り落
   ち防止用の凹凸部を形成し、上記突起部後方に盛
   られた葺土の摺り落ちを突起部および凹凸部によ
   り防止するように構成したことを特徴とする平
   瓦。