JPH0118708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は道路の横断溝や側溝として用いる溝体
に関するものである。

「従来の技術」および「考案が解決しようとする
問題点」 従来、道路の横断溝や側溝は、Ｕ字状横断面の
コンクリート溝の上端に蓋用の嵌着部を凹設し、
長方形板状のコンクリート蓋をその嵌着部に嵌め
込んで組合せる構造に成つている。

以上の溝体構造によると、前記のコンクリート
溝とコンクリート蓋はいずれも形状や寸法が標準
化され、コンクリート打設による型成形のため、
その形状や寸法を極めて正確に仕上げることが困
難であり、溝体に組合せたコンクリート蓋が「が
たつく」ことが多い。従つて、車輛がその上を通
過したり、歩行者が歩いたとき異音を発生し、道
路の騒音公害をもたらすことがある。

本考案は以上の実情から成されたもので、前記
の従来技術の難点を解消するのが目的である。

「問題点を解決するための手段」 以上の目的を達成する本考案は「横断面Ｕ字状
のコンクリート溝の側壁上端をＬ字状に切欠いた
対向一対の嵌着部を設けると共に、前記嵌着部の
平坦受部にコンクリート蓋のコーナー部位を載せ
て組合せる溝体において、前記平坦受部には、裏
面に吸盤部を有する緩衝部材が装着されており、
前記吸盤部を前記平坦受部に吸着させ、前記緩衝
部材を前記嵌着部とコンクリート蓋間に介着させ
た構造」から成つている。

「実施例」および「作用」 以下実施例に基づいて詳しく説明する。その一
実施例を示す第１〜３図において、本考案の溝体
は横断面Ｕ字状のコンクリート溝１と、コンクリ
ート溝１の上部に載せるコンクリート蓋２から成
り、コンクリート蓋２は緩衝部材３を介着してコ
ンクリート溝１の上端の嵌着部４に嵌め込んであ
る。

詳しくは、コンクリート溝１の側壁上端の内側
には、壁部をＬ字状に切欠いて対向する一対の嵌
着部４が形成してあり、嵌着部４の水平部位が平
坦受部５となつて、コンクリート蓋２のコーナー
部位を載せて嵌め込む様に成つている。

また、コンクリート蓋２はコンクリート溝１の
嵌着部４に嵌め込まれてコンクリート溝１の上部
を閉鎖する長方形板体に形成してある。

そして、以上のコンクリート溝１の嵌着部４の
平坦受部５には、合成ゴム製の緩衝部材３が敷設
されて吸着係止されており、緩衝部材３を介着し
てコンクリート蓋２が嵌着部４に嵌め込まれる様
に成つている。詳しくは、緩衝部材３は平坦受部
５とコンクリート蓋２間に介着されるよう帯体を
成すと共に、下面には大きい曲率半径で凹設した
吸盤部６群が該帯体の長手方向に連設されてお
り、平坦受部５の上に緩衝部材３をのせて押しつ
けると、吸盤部６の空気が希薄になつて平坦受部
５に吸着される様に成つている。

そして、特に本実施例の緩衝部材３は使用時の
弾性を一層向上させる為、コンクリート蓋２の下
面と接する部分に波形部７が付してあると共に、
端部を折り曲げてＬ字形にしてあり、コンクリー
ト蓋２と嵌着部４の垂直壁部８との間に緩衝部材
３の一片が介着するようにしてある。

以上の構成の本考案の溝体によると、コンクリ
ート蓋２とコンクリート溝１の嵌着部４との間に
緩衝部材３が介着されており、緩衝部材３はその
下面の吸盤部６によつて平坦受部５に吸着係止し
ているので、コンクリート溝１とコンクリート蓋
２との間に成形上避け得ない形状や寸法上の不一
致が存在しても、それに基づくがたつきは緩衝部
材３によつて吸収される。そして、コンクリート
蓋２の上を車輛等が通過してコンクリート蓋２に
荷重が加わる毎に、緩衝部材３の吸盤部６は圧縮
を繰返えすので、緩衝部材３は優れた緩衝作用を
奏すると共に、平坦受部５への吸着係止力が向上
し（車輌等が通過するごとに吸盤部６が圧縮され
て吸着力を増す）、緩衝部材３が平坦受部５から
ずれたり、外れたりするおそれはなく、自己の緩
衝作用を安定することができる。

また、緩衝部材３は予めコンクリート溝１の嵌
着部４にのせておき、その上へコンクリート蓋２
をのせるのみで吸盤部６がコンクリート蓋２の自
重によつて圧縮されるので、緩衝部材３の装着作
業は極めて簡便であると共に、劣化による交換も
簡易に行える等の実用上の利点がある。

なお、本考案の緩衝部材３は立片のない板状の
ものでも良いが、前記実施例の様に断面Ｌ字形に
しておくと、コンクリート蓋２の側面にも介着で
きるので、コンクリート蓋２の上を車輌が通過し
たとき、タイヤの回転抵抗によつてコンクリート
蓋２が前後方向にずれるのを有効に防止したり、
緩衝するので、コンクリート蓋２の安定性が向上
し異音防止に一層寄与することができる。

「考案の効果」 以上の様に本考案は、Ｕ字状溝体におけるコン
クリート蓋のがたつきを緩衝、防止して車輌通行
時等の異音、騒音の防止を図ると共に、当該溝体
の緩衝工事やその保守を簡易にする等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例の溝体の横断面図、第
２図：第１図の要部の部分拡大図、第３図：第１
図実施例の緩衝部材の底面図。 主な符号、１：コンクリート溝、２：コンクリ
ート蓋、３：緩衝部材、４：嵌着部、５：平坦受
部、６：吸盤部、７：波形部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横断面Ｕ字状のコンクリート溝の側壁上端をＬ
   字状に切欠いた対向一対の嵌着部を設けると共
   に、前記嵌着部の平坦受部にコンクリート蓋のコ
   ーナー部位を載せて組合せる溝体において、前記
   平坦受部には、裏面に吸盤部を連設した緩衝部材
   が装着されており、前記吸盤部を前記平坦受部に
   吸着させ、前記緩衝部材を前記嵌着部と前記コン
   クリート蓋間に介着させた構造を特徴とする溝
   体。