JPH0118557B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は照明負荷に位相制御電圧を供給する照
明装置に関する。

従来、調光装置、安定器を小形化するハイブリ
ツド形放電灯点灯装置など、照明負荷に位相制御
電圧を供給するものが種々提案されている。そし
て、このようなものにおいて位相制御装置と並列
にインピーダンス装置を接続し、位相制御装置の
非導通期間に前記インピーダンス装置を介して電
流を通流することにより、照明負荷電流をおおよ
そ連続的なものとしてちらつきの防止、放電灯の
安定点灯を図つたものが提案されている。しか
し、このものはインピーダンス装置における電力
損失が大きいという問題があり、また、このもの
は照明負荷数の増減によりインピーダンスを介す
る電流が変化し、各負荷への電流が設定値と異な
るという問題があつた。

本発明は以上のような問題をなくするものであ
つて、照明負荷に位相制御電圧を供給するととも
に、位相制御電圧の非導通期間にも照明負荷に電
力を供給するもので電力損失を軽減し、かつ、照
明負荷数が増減してもほぼ一定の電流を各負荷に
供給し得る照明装置を提供することを目的とする
ものであつた。

本発明は、交流電源電圧の所定期間を導通する
とともに、前記所定期間以外は交流電源電圧をチ
ヨツピングする共通のスイツチング装置を有する
制御装置によつて照明負荷への供給電力を制御
し、さらに前記チヨツピング出力を平滑する平滑
装置を設けたことを特徴とするものである。

以下、本発明の概略的構成を第１図および第２
図を参照して説明する。１は交流電源たとえば商
用交流電源である。２は照明負荷で上記交流電源
１により付勢されるものである。この照明負荷２
としては電球、放電灯および安定器からなるもの
などである。そして、この照明負荷には交流電源
１に対して複数個が並列に設けられることを可と
する。３は制御装置で、上記交流電源１および上
記照明負荷２の間に介在し、上記照明負荷２への
電力供給を制御するものである。そして、この制
御装置３は上記交流電源１の電圧を所定期間は導
通し、上記所定期間以外は上記電源電圧をチヨツ
ピングする共通のスイツチング装置４を有してな
る。このスイツチング装置４としてはダイオード
ブリツジとトランジスタとを組合わせたもの、ダ
イオードブリツジとゲートターンオフトランジス
タとを組合わせたものなどを用いることができ
る。さらに、制御装置３は上記スイツチング装置
４の導通を制御する導通制御回路５を有する。こ
の導通制御回路５は上記スイツチング装置４に対
して位相制御信号およびチヨツピング信号を選択
的に供給するものである。しかし、位相制御信号
発生回路と、チヨツピング信号発生回路とを別個
に設けてもよい。この場合、位相制御信号発生回
路とチヨツピング信号発生回路とを関連づけて選
択的に作動させるか、あるいは一方の出力が、ス
イツチング装置に供給されないようにする必要が
ある。そして、このような制御装置５としてはそ
れぞれ周知のし張発振回路、時定数回路、出力信
号の選択回路等を適宜組合わせて構成することが
できる。つぎに、６は平滑装置で、上記制御装置
３の出力側に設けられ上記チヨツピング出力を平
滑するもので周知のものを用いることができ、た
とえば第１図示のようにインダクタ７およびコン
デンサ８からなるものである。この平滑装置６を
小形化するためにも、上記制御装置３におけるチ
ヨツピング周波数は高周波数たとえば可聴周波数
以上の20KHz〜100KHz程度にするのが好ましい。

つぎに作用を述べる。第２図ａに示す交流電源
電圧を制御装置３によつて所定期間は導通し、か
つ、所定期間以外はチヨツピングする。したがつ
て、制御装置３の出力電圧は第２図ｂのようにな
る。そして、平滑装置６により上記チヨツピング
出力を平滑するから、照明負荷２には第３図ｃの
電圧が印加されるのである。したがつて、照明負
荷２は位相制御電圧を供給され、しかも、位相制
御電圧の非導通期間にはチヨツピング出力を平滑
した電圧を供給されるから、光のちらつきが少な
く、照明負荷２が放電灯を含むものにあつては放
電灯を安定に点灯することが可能である。そし
て、放電灯を用いた調光装置にあたつては調光度
合を深くすることが可能になる。つぎに、並列に
設けられる照明負荷２の数が増減した場合につい
て述べる。制御装置３がチヨツピングを行なつて
いる期間において、スイツチング装置３が不導通
の間は平滑装置６から照明負荷２に電流を供給す
るため、照明負荷２数により各照明負荷２への電
流が変化するが、スイツチング装置４が導通して
いる間は交流電源１から電流を供給するものであ
るから各照明負荷２への電流は変化することがな
い（交流電源１は定電圧源と見なせる。）。したが
つて、チヨツピング期間全体としては照明負荷２
の増減に対してもほぼ一定の電流を各照明負荷２
に供給できるのである。位相制御装置にインピー
ダンス素子を並列に接続する従来のものに比し、
本発明のものが電力損失を軽減できることは容易
に理解されるであろう。

第３図〜第５図は本発明の具体的な一実施例を
示すものである。第１図と対応する部分には同じ
符号を付し説明を省略する。本実施例において、
照明負荷２は安定器２１としてたとえばリーケー
ジトランスとコンデンサとからなるもの、放電灯
２２としてたとえばけい光ランプを有してなるも
のである。前記安定器２１は他のものであつても
よい。制御装置３におけるスイツチング装置４は
たとえばダイオードブリツジ４１と、このダイオ
ードブリツジ４１の出力端子間に接続されたトラ
ンジスタ４２とからなるものである。本実施例に
おける導通制御回路５は、まず、交流電源１の出
力端子間に設けられた制御電源用トランス５０
１、このトランス５０１の出力端子間に設けられ
た整流器５０２を有している。前記整流器５０２
の出力端子間にはコンデンサ５０３、ツエナーダ
イオード５０４が並列に接続されていて平滑出力
を得るようになされており、この平滑出力端子間
に周知の第１のし張発振回路５０５が接続されて
いる。

このし張発振回路５０５の出力はコンパレータ
５０６の一方の入力端子に接続され、このコンパ
レータ５０６の他方の入力端子には前記整流器５
０２の平滑されない電圧が入力される。

したがつて、コンパレータ５０６には第４図ｂ
のイ，ロで示す信号が入力され、第４図ｃに信号
を出力することになる。

一方前記整流器５０２の非平滑の出力端子間に
は同じく周知の第２のし張発振回路５０７と
SCR５０８とが並列に設けられている。そして、
前記第２のし張発振回路５０７の出力によつて前
記SCR５０８の導通を制御するものであり、第
２のし張発振回路５０７の出力を第４図ｄに、
SCR５０８の両端電圧を第４図ｅにそれぞれ示
してある。前記SCR５０８によつて導通を制御
されるトランジスタ５０９が前記平滑出力端子間
に設けられており、このトランジスタ５０９のコ
レクタ電圧を第４図ｆに示してある。そして、上
記スイツチング装置４におけるトランジスタ４２
のエミツタに前記整流器５０２の負極端子を接続
し、このトランジスタ４２のベースと整流器５０
２の平滑出力端子の正極との間に他のトランジス
タ５１０を設けている。さらに、前記トランジス
タ５１０のベースには前記トランジスタ５０９の
コレクタおよび前記コンパレータ５０６の出力端
子がそれぞれダイオード５１１，５１２を介して
接続されている。したがつて、スイツチング装置
４のトランジスタ４２のベースには第４図ｇに示
す信号が与えられることになる。そして、このト
ランジスタ４２のコレクタ・エミツタ間電圧は第
４図ｈとなり、平滑装置６を介することにより照
明負荷２に供給される電圧は第４図ｉとなるので
ある。なお、第４図ｂおよび同ｄからも明らかな
ように第１および第２のし張発振回路５０５，５
０７の時定数は異なるもので、第１のし張発振回
路５０５によつてチヨツピングの周波数が決定さ
れるものである。第４図ａは交流電源１の電圧波
形である。

以上の説明から明らかなように、本実施例にお
けるチヨツピング動作は電源電圧の瞬時値が大い
ときはオンデユーテイが小さく、瞬時値が小さい
ときはオンデユーテイが大きいもので、瞬時値に
応じてオンデユーテイが順次変化するものであ
る。したがつて、照明負荷２への供給電圧は第４
図ｉのようにチヨツピング期間においてはほぼ定
電圧化されている。そして、オンデユーテイの変
化の度合をさらに強くすれば第５図のような電圧
波にできることは容易に理解できる。なお、第４
図および第５図は説明を簡単にするため電源電圧
と、照明負荷２の電流とを同じ位相にして示し
た。

本実施例の作用は以上の説明および第１図にお
ける説明から明らかであるので詳細説明を省略す
るが本実施例のものは照明負荷を調光点灯する場
合に特に有効である。調光度合を変えるには導通
制御回路５の第２のし張発振回路５０７の時定数
を変化すればよい。

なお、本発明は上記実施例に限られず種種の変
形を可とする。たとえば、制御装置は交流電源電
圧の半サイクルの前段を導通し、後段をチヨツピ
ングするようにしてもよいものであり、チヨツピ
ング期間を制限して位相制御電圧の非導通期間の
うちある期間のみチヨツピングさせてもよいもの
である。また制御装置におけるスイツチング装置
はトランジスタ、ゲートターンオフトランジスタ
の他、トライアツクSCR等を用いて構成しても
よい。しかし、トライアツク、SCR等にチヨツ
ピング動作をさせるためには消弧回路が必要とな
る点で不利である。さらに、導通制御回路も第３
図のものの他、単に発振器と従来周知の位相制御
信号回路とを組合わせ、両信号の一方を選択的に
スイツチング装置に供給するようにしたもの、あ
るいは、マイクロコンピユーターを用いてオンデ
ユーテイを変化させるものなどであつてもよいも
のである。

さらにまた、照明負荷はどのようなものでもよ
く、この照明負荷は調光点灯されるもの、負帰還
制御により定電力化されるものなどいずれでもよ
いのである。

以上詳述したように本発明は、共通のスイツチ
ング装置により交流電源電圧の半サイクルの所定
期間は電源電圧を導通するとともに、上記所定期
間以外は電源電圧をチヨツピングし、上記チヨツ
ピング出力を平滑して照明負荷に供給するように
したので、照明負荷は単に位相制御電圧を供給さ
れるものに比し光のちらつきが軽減したり、安定
点灯できたりするものである。

しかも、本発明は位相制御の非導通期間の電力
供給をチヨツピングにより行なうので、インピー
ダンスを介して行なう従来のものに比して電力損
失を著しく軽減でき、また、照明負荷数が増減し
ても各負荷に供給する電流の変化を少なくできる
ものである。さらに、共通のスイツチング装置を
用いるので、安価に提供できる等の効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の概略的構成を示すブロツク
図、第２図は第１図の作用を説明する電圧波形
図、第３図は本発明の具体的一実施例を示す回路
図、第４図および第５図は第３図の作用を説明す
る電圧波形図である。 １……交流電源、２……照明負荷、３……制御
装置、４……スイツチング装置、５……導通制御
回路、６……平滑装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 交流電源と； この交流電源により付勢される照明負荷と； 上記交流電源および上記照明負荷の間に介在し
   電源電圧の半サイクルにおける所定期間は上記電
   源電圧を導通し、上記所定期間以外の期間におい
   て上記電源電圧をチヨツピングする共通のスイツ
   チング装置を有してなる制御装置と； この制御装置の出力側に設けられ上記チヨツピ
   ング出力を平滑する平滑装置と； を具備したことを特徴とする照明装置。 ２ 前記制御装置はスイツチング装置のチヨツピ
   ング期間において電源電圧値が小さいときはオン
   デユーテイを相対的に大きくし、電源電圧値が小
   さいときはオンデユーテイを相対的に小さくする
   よう電源電圧値に応じてオンデユーテイを変化す
   るものであることを特徴とする特許請求の範囲１
   記載の照明装置。 ３ 前記照明負荷は安定器と放電灯とを有してな
   るものであることを特許請求の範囲１または２記
   載の照明装置。 ４ 前記制御装置におけるスイツチング装置はダ
   イオードブリツジとこのダイオードブリツジの出
   力端子間に接続されたトランジスタとからなるも
   のであることを特徴とする特許請求の範囲１〜３
   のいずれか一記載の照明装置。