JPH0116867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、窓枠の内部に障子を同一平面内で回
動可能な状態で支持する回転窓に関する。

多くの障子は、引き違い型式の窓枠の内部に組
入れられる。しかし丸窓などにおいて、通常の障
子は、引き違い型式のもとに開閉できなくなる。

したがつて本考案の目的は、円弧状の窓枠の内
部で、障子を開閉できる有効な手段を提供する点
にある。

上記目的のもとに本考案は、円弧状の窓枠の内
部に障子を同一平面内で回動可能な状態で組込ん
で、その障子の回転中心位置を軸により窓枠に対
し回動自在に取付けるようにしている。

以下、本考案を図に示す実施例にもとづいて具
体的に説明する。

まず、第１図ないし第４図は、本考案の基本的
な回転窓１を示している。この回転窓１は、窓枠
２とこの窓枠２の内部に組込まれる障子３とで構
成してある。窓枠２は、全体として半円形状で、
円弧状の円弧枠４と、直径方向の直線状の横枠５
とをそれらの端部で相互に結合するとともに、円
弧枠４と横枠５との中心位置に竪枠６を固定して
構成してある。中心位置の竪枠６は、窓枠２の内
部つまり開口面を左右に分割しており、その一方
の側に板ガラス７が固定的に嵌め込まれている。
この板ガラス７は、円弧枠４、横枠５および竪枠
６の内部に、押し縁８およびパツキン９により支
持されている。

そして窓枠２の他方の開口面に障子３が組入れ
られる。障子３は、全体として扇状で円弧状の円
弧框１０、竪框１１および横框１２を直角の扇状
に連結し、それらの内部のパツキン１３で板ガラ
ス１４を固定的に支持して構成してある。円弧框
１０は、円弧枠４の内部に位置し、円弧の中心を
同じ位置すなわち横枠５のほぼ中心位置において
いる。この中心位置は、障子３の回転中心でもあ
り、障子３は、その位置の竪框１１で、軸１５に
より窓枠２の枠材つまり竪枠６に対し回動自在に
取付けられている。なお、竪枠６および竪框１１
は、互いに嵌り合う召し合わせ片１６，１７を有
しており、閉じたとき、その部分で相互に嵌り合
う。また上記円弧框１０は、円弧枠４の案内溝１
８の内部で案内ローラ１９を備えている。この案
内ローラ１９は、向心方向の支軸２０により、円
弧框１０に回転自在に取付けられており、円弧枠
４の案内溝１８にそつて障子３を案内する。

そして竪框１１の上部には、取手２１が取付け
られている。この取手２１は、竪框１１の内部に
おいて鍵棒２２をスプリング２３で上向きに付勢
し、竪框１１の上部から突出する状態で支持して
いる。操作ハンドル２４の押圧により、突出状態
の鍵棒２２は、竪框１１の上部から下降するよう
になつている。この鍵棒２２の先端部分は、円弧
枠４の外側に取付けられた鍵受け２５の孔２８と
対応している。なお、円弧框１０の室内側および
室外側には、気密材２６が取付けられており、こ
の気密材２６は、案内溝１８の内面に当接してい
る。また横枠５は、室内側の面に水密材２７を備
えており、この水密材２７は、障子３の横框１２
の室内面に当接する。

次に機能を説明する。障子３が窓枠２の板ガラ
ス７と異なる側にあるとき、窓枠２の開口部は、
障子３によつて閉じられている。このとき、鍵棒
２２は、鍵受け２５の孔２８に嵌り込み、障子３
の回動を阻止している。窓を開放する場合には、
操作ハンドル２４をスプリング２３の付勢力に抗
して下向きに押圧すると、鍵棒２２が鍵受け２５
の孔２８から外れるため、障子３は、反時計方向
に回動できる状態となる。そこで操作者は、取手
２１を把持しながら、操作ハンドル２４を下向き
に押圧しつつ、障子３を反時計方向に回動させ
る。

このようにすると、障子３は、軸１５を中心と
して回動し、窓枠２の一方を開放する。この障子
３の移動時に、案内ローラ１９は、円弧枠４の案
内溝１８にそつて回転するため、障子３の回動操
作は、軽い力で行なえる。適当な回転位置で操作
ハンドル２４の押圧を解除すると、鍵棒２２は、
案内溝１８の上底面にスプリング２３の付勢力で
当接し、摩擦力を発生するため、障子３は、適当
な位置で鍵棒２２と円弧枠４との摩擦力によつて
停止できる状態となる。なお、円弧枠４が複数の
鍵受け２５を所定の間隔ごとに有している場合に
は、障子３は、その鍵受け２５の孔２８に鍵棒２
２を差し込むことにより、途中の状態でも確実に
係止できる状態となる。開放状態のときに、障子
３は、窓枠２の板ガラス７と完全に重なり合うた
め、窓枠２の半分は、完全に開口状態となる。

次の他の実施例を説明する。第５図および第６
図は、共に窓枠２を上記実施例のような円弧状と
しないで、完全な円弧すなわち丸窓状として構成
した例を示している。第５図の実施例では、半円
状の障子３が円状の窓枠２の内部で軸１５により
窓枠２の枠材つまり横枠５に対して回動自在に支
持してある。また第６図の実施例では、円状の窓
枠２の内部に第１図と同様な扇状の障子３が回動
自在に組込んである。第５図および第６図の実施
例での下方の板ガラス２９は、共に窓枠２に対し
固定してある。第５図のものでは、窓枠２の内部
の半分が開口部となるが、第６図のものでは窓枠
２の1/4の部分のみが開口状態となる。

なお、窓枠２の枠材や障子３の框材などは、一
例であるから、その断面形状は、図示のものに限
定されない。また各実施例にみられるように、障
子３の軸１５による取付け位置は、窓枠２の枠材
であれば、横枠５または竪枠６のいずれであつて
もよい。

本考案によれば、円弧状の窓枠内に開閉可能な
障子が組込めるから、円弧状の窓についても開閉
機能が得られ、また障子が軸により窓枠の内部に
支えられているから、障子の開閉操作が障子の重
量から解放された状態で軽快に行なわれる。

特に、障子を回動させるための軸が円弧枠の中
心位置に設けられているため、開口部分が窓全体
の1/2あるいは1/4であつても、その位置が常に一
定であるから、その取り付け位置が変わらず、設
計および製作が容易である。また、障子にばねに
より付勢された鍵棒が設けられており、これが障
子の開閉操作時に円弧枠の内周面に摩擦的に当接
するよう構成されているから、障子の回動範囲
で、停止位置が任意に設定でき、各停止位置で障
子が摩擦的に安定な停止状態となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の回転窓の正面図、第２図は断
面位置を異にする回転窓の垂直断面図、第３図は
竪枠および竪框の召し合わせ部分での水平断面
図、第４図は障子の鍵棒部分の一部の断面図、第
５図および第６図は他の実施例での回転窓の正面
図である。 １……回転窓、２……窓枠、３……障子、４…
…円弧枠、１０……円弧框、１５……軸、１８…
…案内溝、１９……案内ローラ、２２……鍵棒、
２３……スプリング、２４……操作ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも一部に円弧状の円弧枠４を有する窓
   枠２と、この窓枠２の内部で一部の開口面に嵌め
   込まれたガラス７，２９と、上記円弧枠４の内部
   で摺動自在に嵌まり合う円弧状の円弧框１０を有
   する障子３と、この障子３の回動中心位置を上記
   窓枠２の半径方向の枠材５，６に対して円弧枠４
   の中心位置で回動自在に支持する軸１５と、上記
   障子３の框１１，１２に取り付けられた取手２１
   と、この取手２１により框１１，１２内で支持さ
   れ円弧枠４の内面に当接する方向にスプリング２
   ３により付勢された鍵棒２２と、この鍵棒２２に
   固定され取手２１の近くに臨む操作ハンドル２４
   と、からなることを特徴とする回転窓１。