JPH0116809B2 - - Google Patents

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JPH0116809B2
JPH0116809B2 JP54084536A JP8453679A JPH0116809B2 JP H0116809 B2 JPH0116809 B2 JP H0116809B2 JP 54084536 A JP54084536 A JP 54084536A JP 8453679 A JP8453679 A JP 8453679A JP H0116809 B2 JPH0116809 B2 JP H0116809B2
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amino acid
infusion
amino acids
group
valine
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JP54084536A
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Koji Koseki
Masamitsu Izumi
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はアミノ酸製剤に関する。 現在、各科領域で経口的に栄養源を摂取するこ
とが不可能であるか又は困難な患者に対して、特
に蛋白源の補給を目的として、アミノ酸輸液を投
与しその栄養管理を行なうことは広く行なわれて
いる。その際利用されるアミノ酸輸液は大別する
と次の三種である。 1944年にローズ(Rose)らが決定した必須
アミノ酸必要量に基づくVuj―N処方のもの。 1957年FAOの特別委員会報告によるもの。 1965年FAO/WHOの共同委員会による人乳
または全卵アミノ酸組成に基づくもの。 上記各種のアミノ酸輸液は、正常人および一般
術後を含む軽度侵襲下患者に対して、窒素利用お
よび排泄を基礎とする栄養学的効果が確められて
いる。 しかして最近分析機器の進歩により、生体試料
殊に血液(血漿、血清)中の各種アミノ酸の定量
が可能となり、窒素代謝プールの中心としての血
液中のアミノ酸の動態が栄養管理の面に応用され
始めるに至り、正常状態および軽度侵襲下患者の
血液中アミノ酸レベルは動的平衡状態にあり、そ
の値の大きな変動は認められないのに対し、ある
種の疾患例えばアミノ酸代謝異常、腎不全、肝不
全等や重度の侵襲下患者においては、体蛋白の著
しい崩壊(異化)やアミノ酸処理(同化)能力の
低下から、上記血中の各種アミノ酸レベルが大き
く乱れ、血液遊離アミノ酸に特有のパターンが現
われることが認識された。この様な侵襲下におけ
る血液中アミノ酸の特異なパターンは、体内アミ
ノ酸利用および排泄能の異常を意味しており、従
つて上記侵襲下患者等に、通常状態の栄養効果を
基礎として開発された前記各種のアミノ酸輸液を
投与することは、上記体内アミノ酸利用および排
泄能の異常を更に助長し、生体機能の回復をむし
ろ遅延させる危険の大きいことが判明した。 本発明者らは上記の観点殊に血液中アミノ酸パ
ターンを是正する観点から、体蛋白異化の防ぎよ
および肝での蛋白合成の促進、侵襲下等における
体蛋白の維持等を計り得る新しいアミノ酸製剤を
提供することを目的として種々研究を重ねた。そ
の過程において、重度侵襲モデルとして、熱傷ま
たは肝切除ラツトを作成して血漿アミノ酸パター
ンに不均衡を生ぜしめ、これらモデルにL―ロイ
シン(L―Leu)、L―バリン(L―Val)および
L―イソロイシン(L―Ile)の三種の必須アミ
ノ酸をほぼ等量配合してなる分枝鎖アミノ酸製剤
を投与した所、上記血漿アミノ酸パターンの不均
衡の是正および栄養学的効果がある程度認められ
た。しかるに公知のVuj―N処方のアミノ酸製剤
を同一の重度侵襲モデルに投与する場合は、前述
した通り血漿アミノ酸パターンの不均衡は一層乱
れたが、該Vuj―N処方においてL―フエニルア
ラニン(L―Phe)、L―メチオニン(L―Met)
およびL―トリプトフアン(L―Trp)の三種の
必須アミノ酸並びにグリシン(Gly)の夫々の配
合量を1/3以下に減じた処方の製剤を投与する時
には、上記不均衡の改善が認められ、その程度が
上記分枝鎖アミノ酸製剤と略々同等であることを
確認した。 以上の実験から、重度肝障害等の侵襲下におけ
る血中のアミノ酸パターンの不均衡は、ほぼ等量
のL―Leu,L―ValおよびL―Ileの投与により
ある程度改善されるが、その場合でもL―Phe、
L―MetおよびL―Trpの過剰投与やGlyの大量
投与によればむしろ悪化し、之等必須アミノ酸中
の分枝鎖アミノ酸類とL―Phe、L―Metおよび
L―Trpとの投与量のバランスが、上記不均衡の
是正に重大な影響を与え、特にPhe+Met+
Trp/Leu+Val+Ile比が、0〜0.15の範囲にあ
る場合に、上記不均衡の是正が可能となること見
い出した。因みに、従来の市販されているアミノ
酸輸液のPhe+Met+Trp/Leu+Val+Ile比は、
FAO/WHO処方のプロテアミン12X(田辺製薬
株式会社)が0.657 12%イスポールS(日本製薬
株式会社)が0.706及び12%ミルクアミン注(大
塚製薬株式会社)が0.706であり、FAO処方のES
ポリタミンS―2(日本製薬株式会社)が0.638で
あり、Vuj―N処方のパンアミンS(大塚製薬株
式会社)が0.736及び、モリアミンS―2(森下製
薬株式会社)が0.736である。 また上記六種の必須アミノ酸以外の必須アミノ
酸であるL―リジン(L―Lys)およびL―スレ
オニン(L―Thr)は、侵襲下でも生体外からの
投与により生体内で迅速に利用可能であり、アミ
ノ酸製剤中への配合は必要であるが、之等の血漿
中でのレベルは、製剤中の他のアミノ酸成分特に
L―Met、Gly、L―セリン(L―Ser)、L―シ
ステイン(L―Cys)等の配合量により大きく影
響を受け、それ故之等のアミノ酸の配合量に応じ
た適当な範囲を選択する必要のあることを認め
た。 次いで本発明者らは上記の知見に基づいて得ら
れた、侵襲下における血漿アミノ酸パターンをあ
る程度是正可能な必須アミノ酸組成を有するアミ
ノ酸製剤を基礎とし、該製剤を栄養学的に一層有
効なものとする一連の研究を行なつた。しかして
従来身体の蛋白構成成分であり、また生理学的効
果が期待できるとしてアミノ酸製剤中に通常(正
常)時には生体許容限度内で配合されている非必
須アミノ酸類は、総じて異化時には必須アミノ酸
に比し生体の要求度は低く、腎尿細管での再吸収
率も低く、L―アルギニン(L―Arg)およびL
―ヒスチジン(L―His)を除いて、上記血漿ア
ミノ酸パターンの不均衡是正には、さほど有効で
はなく、むしろ之等の多量の配合は上記不均衡を
更に増悪するおそれがあつた。唯上記L―Arg及
びL―Hisと共に下記条件を充足する非必須アミ
ノ酸群から選ばれたアミノ酸を適当量で併用する
時には、上記血漿アミノ酸パターンの不均衡是正
がより速やかに行なわれることを見い出した。 <非必須アミノ酸群> 重度侵襲下での肝臓を含む臓器へのとりこみが
増大するもの、体内よりの供給が低下し欠之状態
を惹起する可能性のあるもの、とりこみに凝問の
あるグルタミン(L―Gln)を除く糖新生系アミ
ノ酸及び抗アンモニア性を有するものに該当する
もの。例えばGly、L―アラニン(L―Ala)、L
―プロリン(L―Pro)、L―Ser、L―チロシン
(L―Tyr)、L―Cys、L―アスパラギン酸(L
―Asp)、L―Glu、L―オルニチン(L―Orn)
等、好ましくはL―Asp及びL―Gluを例示でき
る。 本発明は以上の知見に基づいて完成されたもの
であり、基本的には以下の必須アミノ酸および非
必須アミノ酸を下記組成(総アミノ酸濃度を7%
とした場合)で含有するアミノ酸製剤に係るもの
である。( )内の数値は、各々のアミノ酸の全
アミノ酸に対する重量%を示したものである。
【表】 殊に上記本発明アミノ酸製剤は、好ましくは非
必須アミノ酸としてL―Arg及びL―Hisと共に
少なくともL―AspとL―Gluとを夫々200mg/dl
以下及び300mg/dl以下の範囲で含有するのが好
適である。また本発明アミノ酸製剤が輸液剤とし
て静脈内投与される場合、上記L―AspとL―
Gluとは、膜透過性が比較的悪く体内貯溜を起す
危険があるため、その配合量に応じてそれらの一
部又は全部をL―Alaに代替するのが好ましく、
之等L―Ala、L―Asp及びL―Gluの合計配合
量を800mg/dl以下及びL―AspとL―Gluとの合
計量を600mg/dlまでとするのが好ましい。 本発明はまた上記基本組成においてL―Tyrに
代え溶解性の高いペプタイドとしてのL―アラニ
ン―L―チロシン(L―Ale―L―Tyr)の0〜
3990mg/dl(全アミノ酸量に対して0〜57.00重
量%)、L―アルギニル―L―チロシン(L―
Arg―L―Tyr)の0〜81mg/dl(全アミノ酸量
に対して0〜1.16重量%)およびL―チロシル―
L―アルギニン(L―Tyr―L―Arg)の0〜82
mg/dl(全アミノ酸量に対して0〜1.17重量%)
の少なくとも1種を有効成分として含有するアミ
ノ酸製剤をも包含する。 本発明のアミノ酸製剤は正常人および一般術後
を含む軽度侵襲下患者に適用してその栄養学的効
果が認められることは勿論のこと、殊に腎不全、
肝不全等の疾患の頻度と病状を緩和し、肝臓機能
の回復を計る治療的効果および重度侵襲下患者用
の適切な栄養供給源として極めて有効である。 本発明アミノ酸製剤を構成する各アミノ酸は、
純結晶アミノ酸であることが好ましい。また之等
アミノ酸は特に遊離型である必要はなく、例えば
塩酸塩や酢酸塩等の通常の塩の形態やまたその誘
導体の形態でも有利に使用できる。 また本発明のアミノ酸製剤には、公知のアミノ
酸製剤と同様に、必要に応じて各種の安定剤、防
腐剤や重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等を
添加することができ、その適用(投与)に当つて
は、公知のアミノ酸製剤と同様に、通常無菌水溶
液(輸液)の形態で静脈注射、点滴等により非経
口的に行なわれるが、経口的投与が可能な場合は
これによつてもよく、また之等投与の際には他の
栄養素例えばグルコース等と併用することもでき
る。投与量は投与すべき患者の疾患状態や目的と
する治療効果等に応じて適宜に決定できる。一般
には1日1人当り100〜1500ml程度の範囲とする
のが好ましい。 以下本発明を実施例を挙げて説明する。尚各例
中塩の形態で用いたアミノ酸については、遊離酸
換算配合量を( )内に示した。 実施例 1
【表】 上記に示す濃度になるように各純結晶アミノ酸
を、蒸留水に撹拌溶解後、PH調整のための水酸化
ナトリウム及び安定剤として重亜硫酸ナトリウム
0.03W/V%を加え、完全に溶解させる。次いで
活性炭を加え30分撹拌を行なう。溶液を前過、
精製過後静脈内注射用容器に充填し容器内空気
を窒素置換後容器を閉塞し、110℃で40分間蒸気
滅菌する。かくして本発明のアミノ酸輸液を得
る。これはPH6.0〜6.5であり、以下これを「PAT
―1」と呼ぶ。 実験 1 体重100g前後のウイスター系雄ラツトを、ラ
ツト用固型飼料(オリエンタル酵母社製)にて体
重約200gになるまで飼育し、体重増加の著しく
異なるラツトを除外して各群6匹からなる四つの
試験群(C―群、C―群、E―群及びE―
群)を作成する。そのうちの群(C―群及
びE―群)は本発明輸液PAT―1を、また他
の群(C―群及びE―群)は、下記組成の
市販アミノ酸輸液(但しキシリトールを除いたも
の、E/N=0.9、以下これを「PRO」と呼ぶ)
を、夫々N:1.9g/Kg/日の割合で7日の試験
期間中非経口投与する。
【表】 上記輸液の形態で非経口投与される窒素源以外
の栄養素としては下記組成の無蛋白飼料を経口的
に摂取させる。 <無蛋白飼料組成> α―スターチ 47.83g シユークロース 23.92g 複合ビタミン注1〕 1.0g 混合塩注2〕 5.0g 「シヨコラA」注3〕 0.05ml コリンCl 0.20ml コーン油 5.0g セルロース粉末 2.0g 尚上記における複合ビタミン注1〕及び混合塩
注2〕は夫々下記組成とし、また「シヨコラA」
注3〕は、エーザイ株式会社製のビタミンAパル
ミチン酸エステルであり、ビタミンAを3万国際
単位/ml及びパルミチン酸レチノールを20mg/ml
含有するものである。 複合ビタミン組成 チアミンHCl 0.059% リボフラビン 0.059 ニコチン酸 0.294 パントテン酸カルシウム 0.235 ピリドキシルHCl 0.029 メナジオン 0.006 ビオチン 0.001 葉 酸 0.002 ビタミンB12 0.0002 イノシトール 1.176 アスコルビン酸 0.588 ラクテート 97.551 混合塩組成 CaCO3 29.29% CaHPO4・2H2O 0.43 KH2PO4 34.31 NaCl 25.06 MgSO4・7H2O 9.98 Fe(C6H5O7)・6H2O 0.623 CuSO4・5H2O 0.156 MnSO4・H2O 0.121 ZnCl2 0.02 (NH46Mo7O4・4H2O 0.0025 KI 0.0005 上記E―群及びE―群の供試群ラツトは以
下の侵襲実験に供される。即ち各ラツトをエーテ
ル及びネンブタール麻酔下に開膜し、3分間膜腔
内を撹拌し、漿膜を摩擦し、創部を縫合後被覆せ
ず放置する。また上記侵襲実験時には、栄養管理
のための下記手術を同時に行なう。この手術はネ
ンブタール麻酔下の供試ラツトの側頚部皮膚を小
切開し、頚静脈を鎖骨下静脈との分枝近くまで露
出し、該頚静脈よりカテーテルをその先端が上大
静脈内に達するまで挿入し固定する。またカテー
テルの他端は皮下を通して背部に出し、皮膚に固
定したハーネスを通して非拘束下で実験するため
のバイオカニユーラ(株式会社バイオ・メデイカ
社製、無拘束連続注入器)につないだ後ポンプに
接続する。尚無侵襲下対照群(C―群及びC―
群)の供試ラツトの夫々は、上記栄養管理のた
めの手術のみ行なう。 術後各群の供試ラツトをケージに移し、上記無
蛋白飼料及び水を自由摂取させ、その食餌摂取量
及び窒素平衡を毎日、体重を術前、手術後3日
目、5日目及び7日目(実験終了日)に夫々測定
する。手術後7日目の体重測定の後直ちに各供試
ラツトを屠殺し、ヘマトクリツト(%)、血漿蛋
白濃度(g/dl)、アルブミン濃度(g/dl)、
GOT(glutamic oxaloacetic transaminase)、
GPT(glutamic pyruvic transaminase)、及び
血漿アミノ酸濃度(μmol/)を測定する。 第1図及び第2図に窒素平衡を、第3図及び第
4図に血漿アミノ酸分析結果を夫々示す。第1図
及び第3図において1はC―群を、2はC―
群を示す。第2図及び第4図において3はE―
群を、4はE―群を示す。 また各群の夫々につき第1表に体重変化(g)
を、第2表にヘマトクリツト(%)を、第3表に
血漿蛋白濃度(g/dl)を及び第4表にアルブミ
ン濃度(g/dl)の測定結果を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 上記第1表〜第4表及び第1図〜第4図より次
のことが明らかである。即ち体重変化を示す第1
表より、バイオカニユーラを接続する手術を行な
うのみの軽度侵襲下(C―及びC―群)にお
いてもラツトの体重は術後1日目にかなり減少
し、2日目以後から増加にむかい、侵襲実験下
(E―及びE―群)では術後1日目は全く軽
口的食餌摂取がみられないため上記体重減少はよ
り大であるが、本発明アミノ酸輸液を用いたE―
群においては、術後3日目から体重増加が、E
―群に比しより急速であり、この点において本
発明輸液は侵襲下においてより有効であることが
判る。尚軽度侵襲下における本発明輸液の効果
は、市販のそれと同等であり、有意差は認められ
なかつた。 窒素平衡を示す第1図及び第2図より、C―
群(第1図1)及びC―群(第1図2)の間で
は、バイオカニユーラ施行術のため共に1日目は
負の平衡を示し、2日目以後同様の正の平衡を示
すが、有意差は認めらない。これに対しE―群
(第2図3)及びE―群(第2図4)対比すれ
ば、侵襲による異化亢進がピークに達する術後2
〜3日目において、本発明アミノ酸輸液を与えた
E―群は既に正の窒素平衡に達するのに対し、
市販アミノ酸輸液を用いたE―群は尚負の平衡
を示しており、この点において本発明輸液は市販
のそれに比しより良好な成績を示すことが明らか
である。 また本発明輸液の侵襲下における有効性は、第
4図に示す血漿アミノ酸濃度の分析結果からも明
白である。即ち第4図3に示す通りE―群では
Glyが高値にあり、Asp、Thr及びMetが若干高
値にあり、分枝アミノ酸即ちVal、Leu、Ila等が
低値にあるのに対し、本発明輸液を用いたE―
群(図中4で示す)において各アミノ酸レベルは
何らの乱れもなく、すべて正常値にあり、上記輸
液処方の妥当性が確認される。また軽度侵襲下に
おける上記と同一のアミノ酸分析結果においても
第3図に示す通り、C―群では、Ser及びGLy
が高値を示し、Val,Ile、Leu等が低値にあるの
に対し本発明輸液を用いたC―群では、Thrが
若干高値を示すものの全てのアミノ酸が正常値内
にあり、本輸液の有効性が確認された。 また第2表〜第4表に示すヘマトクリツト、血
漿蛋白及びアルブミン濃度の測定結果では各判定
が侵襲の影響がほぼ回避された術後7日目におい
て行なわれたため、全例共正常範囲内にあり、本
発明輸液特有な効果は認められなかつた。 実施例 2
【表】 実施例1と同様にして上記組成の本発明アミノ
酸輸液を得る。以下これを「PAT―2」と呼ぶ。 実験 2 実験―1と同様の体重約200gのウイスター系
雄ラツトを本実験に用いる。本実験では侵襲モデ
ルとして肝切除法を用いた。即ち上記ラツトをネ
ンブタール麻酔下にヒギンズ―アンダーソン
(Higgins―Anderson)の方法に従い75%肝切除
を行ない、その後直ちに実験―1と同様にして栄
養管理のための手術(バイオカニユーラ施行)を
行なう。 本実験では全ての栄養素を持続輸液ポンプより
非経口投与(中心静脈内投与)し、経口摂取を行
なわせなかつた。輸液投与は術直後より開始し、
初日90ml/Kg/日、2日目180ml/Kg/日及び3
〜7日目270ml/Kg/日の割合で持続投与した。
1日当りの投与カロリー及び窒素量は、初日
24Cal、N:160mg、2日目48Cal、N:320mg及
び3〜7日目72Cal、N:480mgとした。実験群
としてはPAT―2投与群及び比較のためPRO投
与群を作成した。各群は夫々6匹(E―1〜E―
6及びC―1〜C―6)のラツトで構成した。 輸液投与効果の判定は、ラツトの体重変化、血
漿蛋白量、窒素平衡、血漿アミノ酸分析、肝内
DNA、肝組織内サイクリツク―AMP値及び肝重
量の測定により行なつた。肝内DNAの測定は、
3H―thymidine10μCi/100gを用いColter法によ
つた。またサイクリツク―AMP値の測定はラジ
オイムノアツセイ(RIA)法によつた。体重変
化、窒素平衡はE―6及びC―6ラツトにつき毎
日測定、血漿蛋白量、血漿アミノ酸分析及び肝重
量はE―6及びC―6ラツトにつき実験終了後
(7日目)に測定及び肝内DNA及び肝組織内サイ
クリツク―AMP値は、術後12、24、48、72及び
120時間後の夫々にC―1〜C―5及びE―5ラ
ツト各一匹づつを屠殺して測定した。結果を各項
目毎に次に示す。 1 体重変化及び窒素平衡 体重変化を第5図に、窒素平衡を第6図に示
す。各図中1はE―6ラツトについての結果、2
はC―6ラツトについての結果を示す。第5図よ
り本発明輸液を用いた場合(曲線1)市販のそれ
(曲線2)に比し術後異化亢進後の同化期に入る
段階即ち術後2〜4日目において顕著な体重増加
の認められることが明らかである。このことは本
発明輸液は単に体内に停滞するだけでなく、体内
にとりこまれることを意味している。また本発明
輸液が市販のそれに比しより有効に体内に保留さ
れることは、第6図の窒素平衡からも明白であ
る。該図においても侵襲の影響の最も大なる術後
2日目において窒素平衡の顕著な改善が認められ
る。尚術後4日目以後はラツトが安定期に入るた
め本発明輸液と市販のそれとの有意差は現われな
かつた。 2 肝内DNAと肝組織内サイクリツク―AMP 肝内DNA測定の結果、 3HのとりこみはE―
3(術後24時間)及びE―4(術後48時間)におい
て最大となり、次いでC―5>C―4>E―5>
C―3の順にとりこみが減少し、C―1、C―
2、E―1、E―2ではとりこみ差は認められな
かつた。上記 3HのとりこみはE―3においてC
―5(術後120時間)の約150%及びE―4におい
ては実にC―5の約180%に及んだ。 サイクリツク―AMP値においては、E―3及
びC―3が最高値を示し、E―5及びC―5では
通常値に回復した。E―1、E―2、C―1、C
―2では大差なくいずれもほぼ0.40p mole/mg
wet weightに収束していた。最高値を示すE
―3及びC―3は、どちらも正常時の約180%の
値を示し、有意差は認められなかつた。以上のこ
とから本発明輸液の投与は市販のそれに比し、肝
再生時により一層優れた効果を発揮することが明
らかである。 3 肝重量 術後7日目のE―6及びC―6ラツトの肝を摘
出しその重量を測定した結果は下記第5表の通り
である。
【表】 上記表からも本発明輸液の投与は肝再生及び全
身栄養維持に極めて有効であることが明白であ
る。 4 血漿蛋白量及び血漿アミノ酸分析 血漿蛋白量はC―6及びE―6ラツト共5.7
g/dl前後の正常値を示し、いずれも充分な栄養
管理の行なわれていることを示唆していた。また
血漿アミノ酸分析結果は第7図に示す通りであ
る。図中1はE―6ラツト及び2はC―6ラツト
の結果を夫々示す。該図より両者共各アミノ酸濃
度はほぼ正常値内にあるが、C―6ではLeu、
Ilen、Val等の分枝アミノ酸が低く、Met、Pro、
Glyが高く、Thr、Tyr、Lysが若干低い傾向にあ
るのに対し、E―6ではThrが若干高く、Phe、
Trpが若干低い傾向にあつた。 以上の結果を総合すると肝切除のような重度侵
襲下での栄養管理において本発明の輸液は従来公
知の輸液には見られない優れた効果を奏すること
が明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、実施例1記載の本発明ア
ミノ酸輸液と比較輸液とを対比して示すものであ
り、第1図および第2図は之等各輸液を投与した
ラツトについての窒素平衡を、また第3図および
第4図は同ラツトにおける血漿アミノ酸分析結果
を夫々示す。第5図乃至第7図は、実施例2記載
の本発明アミノ酸輸液と比較輸液とを対比して示
すものであり、夫々之等各輸液を投与したラツト
についての体重変化、窒素平衡および血漿アミノ
酸分析結果を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 総アミノ酸濃度を7%とした場合、下記組成
    範囲においてアミノ酸を含有するアミノ酸製剤で
    あつて、L―ロイシン、L―バリン及びL―イソ
    ロイシンがほぼ等量配合され、かつ、(L―フエ
    ニルアラニン+L―メチオニン+L―トリプトフ
    アン)/(L―ロイシン+L―バリン+L―イソ
    ロイシン)比が0〜0.15の範囲にあることを特徴
    とするアミノ酸製剤。 アミノ酸 組成範囲(mg/dl) L―イソロイシン 320〜1600 L―ロイシン 360〜1640 L―バリン 420〜1600 L―リジン 200〜1120 L―フエニルアラニン 0〜 580 L―メチオニン 0〜 250 L―スレオニン 180〜 720 L―トリプトフアン 0〜 120 L―アルギニン 220〜1320 L―ヒスチジン 96〜 384 グリシン 0〜1360 L―アラニン 0〜1140 L―プロリン 0〜1000 L―セリン 0〜 400 L―チロシン 0〜 44 L―システイン 0〜 140 L―アスパラギン酸 0〜 300 L―グルタミン酸 0〜 400 L―オルニチン 0〜 200 2 総アミノ酸濃度を7%とした場合、下記組成
    範囲においてアミノ酸を含有するアミノ酸製剤で
    あつて、L―ロイシン、L―バリン及びL―イソ
    ロイシンがほぼ等量配合され、かつ、(L―フエ
    ニルアラニン+L―メチオニン+L―トリプトフ
    アン)/(L―ロイシン+L―バリン+L―イソ
    ロイシン)比が0〜0.15の範囲にあることを特徴
    とするアミノ酸製剤。 アミノ酸 組成範囲(mg/dl) L―イソロイシン 320〜1600 L―ロイシン 360〜1640 L―バリン 420〜1600 L―リジン 200〜1200 L―フエニルアラニン 0〜 580 L―メチオニン 0〜 250 L―スレオニン 180〜 720 L―トリプトフアン 0〜 120 L―アルギニン 220〜1320 L―ヒスチジン 96〜 384 グリシン 0〜1360 L―アラニン 0〜1140 L―プロリン 0〜1000 L―セリン 0〜 400 L―システイン 0〜 140 L―アラニル―L―チロシン
    0〜3990 L―アルギニル―L―チロシン
    0〜 81 L―チロシル―L―アルギニン
    0〜 82 L―アスパラギン酸 0〜 300 L―グルタミン酸 0〜 400 L―オルニチン 0〜 200 、 ただし、L―アラニル―L―チロシン、L―ア
    ルギニル―L―チロシン及びL―チロシル―L―
    アルギニンの少なくとも1種を必須成分として含
    有するものとする。
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