JPH0116445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ベツド状として使用可能な医療用
や、理・美容用などの椅子に関し、患者や顧客等
に背もたれ、レツグレストの動作時、揺動や体重
移動による不安定な不快感を与えることなく背も
たれの起伏及びレツグレストの上下回動を行なわ
せ得るようにすることを目的とする。

従来、ベツド状として使用可能な椅子として、
１背もたれ及びレツグレストを夫々別個に駆動す
るもの、及び２背もたれと座板およびレツグレス
トとをリンク機構にて連結したものがあつた。
（特開昭54−56570号参照） しかし、１の構成の椅子においては、背もたれ
とレツグレストを別個に駆動するのであるから、
操作が繁雑化するのみならず、顧客等に不快感を
与えることとなり、また、２の構成の椅子におい
ては、操作を簡単化することができるが、ａレツ
グレストは座板、背もたれ等速で、或は背もたれ
に対して一定比率で作動するのであるから、背も
たれが作動している間はレツグレストが作動を継
続することとなり、顧客等に不快感を与える。ｂ
さらにそのリンク機構が螺杆によつて前後動して
座板とレツグレストの連結部を上昇、下降させる
ので、顧客らの身体全体が背もたれ方向へ移動す
るので不安定である。

という欠点がある。

本考案は、上記従来の欠点を除去し不安感を与
えることなく状態を移行させることを目的とし、
その手段として、リンク機構及びカム機構にて背
もたれとレツグレストとを連結することにより、
背もたれの傾倒初期においてレツグレストを上方
回動させるとともに、背もたれの傾倒終期におい
てはレツグレストを停止状態に保持することによ
り上記の欠点を解消したものである。

以下、実施例を示す添付図面によつて詳細に説
明する。

第１図は本考案椅子の機構要部を示す側面図で
あり、座板１の前端にレツグレスト８の後端を上
下回動可能に軸１２により枢着連結し、後端の取
付基部１′の上端に背もたれ５を取付板５′を介し
て軸１１によりそれぞれ回動可能に連結してな
る。

該座板１の下面前寄り位置に取付板の上端を固
着垂設し、取付板２の下端後寄り位置に短寸の揺
動杆３の後端を軸３ａにより枢着し、該取付板上
端寄りにカム板４の上端を軸４ａによつて枢着す
るとともに揺動杆前端の枢軸７をカム板のカム溝
１０に係合している。

背もたれ５の後下端部に軸６ａにより後端を固
着した逆への字状の長い連杆６の前端を枢軸７に
よつて揺動杆３の前端部と連結し、レツグレスト
８の下面前寄りに軸９ａにより前端を枢着連結し
た連杆９の後端を、軸９ｂによつてカム板４の下
端部と連結し、揺動杆３、カム板４、連杆６，９
の各一端を該カム板４に連結させている。

以上の通り揺動杆３と連杆６からなる第１のリ
ンク機構と、カム板４と連杆９からなる第２のリ
ンク機構とを取付板２の上端を回動中心として上
下動することなく第１のリンク機構の枢軸７が第
２のリンク機構のカム溝１０に係合して前後揺動
して動作する構成である。また、本考案の最も要
旨とするところは、カム溝１０の形状で、湾曲し
たカム溝１０を、カム溝下端寄り部における枢軸
７の軌跡と同一の曲率半径を有するように設定し
ている。

上記構成に係る本考案椅子の作用を説明する。

第１図の椅子状態をベツド状態として使用する
には、原動部（図示せず）を作動させて背もたれ
５を所定角度傾倒させれば背もたれの傾動と連動
して連杆６の後端も下方回動するが、連杆６の前
端が揺動杆３の前端部と枢着しており、前端の枢
軸７は、揺動杆３の取付板２との枢着点である軸
４ａを中心とする円周上を前方へ移動することと
なり、該枢軸７の移動初期においては該枢軸と係
合するカム溝１０の湾曲形状によりカム板４を揺
動させることができカム板と連杆９との枢着点で
ある軸９ａをレツグレスト８に向つて移動させ、
レツグレストを上方回動させる。（第２図参照）。
さらに動作を継続することにより枢軸７がカム溝
１０の下端寄りまで移動した時点でレツグレスト
は上方回動を完了し、座板１とほぼ同一面状とな
る。なお、この間、座板は静止状態のままであ
る。したがつて座板上の入体が前後に移動するこ
とはない。

その後は枢軸７がカム溝１０内の枢軸７の軌跡
と同一の曲率半径を有する部分と係合するのでカ
ム板は、もはや揺動せずレツグレスト８を停止状
態に保持したまま背もたれ５のみを傾倒させ得
る。（第３図参照）。

上記ベツド状態から椅子状態とするには、前記
原動部を前記の場合とは逆方向に作動させること
により、まず背もたれ５を所定角度上方回動さ
せ、つづく背もたれ５の回動起立と連動してレツ
グレストを下方回動させることができる。

以上の構成、作用に係る本考案の効果は、 ［１］ 取付板、４本でなるリンク機構、カム、
枢軸のみの少ない部材でなり、構成が簡単であ
る。

［２］ 構成が簡単であるうえ、カム溝の形状に
よつて背もたれの所定角度の傾倒、起立ののち
背もたれと連動してレツグレストを回動させる
ので作用も簡単である。

［３］ 動作中、座板上の人体が前後移動したり
揺動したりせず、不安定感、不快感を与えない
快適な使用心地を提供できる。

［４］ 製作容易でコストも軽減できる。

等、実益ある考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案椅子の要部を示す側面図、第
２図は、レツグレストの上方回動完了状態を示す
側面図、第３図は、背もたれの傾倒完了状態を示
す側面図である。 １……座板、３……揺動杆、４……カム板、５
……背もたれ、６，９……連杆、７……枢軸、８
……レツグレスト、１０……カム溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座板の後端取付基部に背もたれ前端部を起伏可
   能に、前端にレツグレストの後端を上下回動可能
   にそれぞれ連結し、座板の下面に取付板を固着垂
   設してその上端部に、前後揺動可能にカム板の上
   端を枢着し、下端部には前後揺動可能な揺動杆の
   後端部を枢着して該揺動杆前端の枢軸を前記カム
   板のカム溝に係合し、背もたれ下端に後端を枢着
   した連杆の前端を前記枢軸に連結し、レツグレス
   トに前端を枢着した連杆の後端を前記カム板下端
   に枢着するとともに前記カム溝を、揺動杆を中心
   とする枢軸の曲率半径と等しい形状としてなる椅
   子。