JPH01157393A - 酵母における安定なゲノム組込みおよび外来コーディング配列の発現 - Google Patents

酵母における安定なゲノム組込みおよび外来コーディング配列の発現

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JPH01157393A
JPH01157393A JP63243737A JP24373788A JPH01157393A JP H01157393 A JPH01157393 A JP H01157393A JP 63243737 A JP63243737 A JP 63243737A JP 24373788 A JP24373788 A JP 24373788A JP H01157393 A JPH01157393 A JP H01157393A
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promoter
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cerevisiae
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host
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JP63243737A
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Jef Daniel Boeke
ジェフ・ダニエル・ベーケ
Marianne G Dewerchin
マリアンヌ・ジイ・デウェルチン
Eric J J Jacobs
エリック・ジェイ・ジェイ・ジャコブス
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SmithKline RIT
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、強力な酵母プロモーターによって制御される
外来コーディング配列を含有するTyベースのベクター
を用いることによって宿主酵母染色体中へ逆転写酵素介
在転位を行う方法に関する。
発明の背景 ペーケら(Boeke  et  al、 )は、セル
(Cell)、40.491−500(1985)機能
性Tyl要素に係るTy1転位についての効果的なアッ
セイを展開している。GAL lプロモーターに制御さ
れたTyl要素(TyH3)はマルチコピー2ミクロン
、URA3プラスミド、に包含され、低温にて炭素源と
してのガラクトース上で細胞を増殖させた場合、転位が
誘導される。さらに、転位をあまり抑制することなく短
鎖DNA配列(すなわち、40bp  IacOフラグ
メント)が(3’LTR近くの)Tyl非必須領域に挿
入された。
ベークら(Boeke  et  al、 )は、セル
(Cell)、を隻、491−500(1985)、遺
伝的に標識されたTyl要素(すなわち、1acOセグ
メントを含有するTyl要素)が制御可能な酵母のGA
LIプロモーターに融合され、ガラクトース誘導に際し
、標識した要素およびゲノムTyl要素の転位頻度が共
に劇的に増加するTy1転位を研究するための系を記載
している。また、ベークら(Boeke at  a、
I。
)は、ドナーTylに埋め込まれたイントロン(398
ヌクレオチドの酵母リポソーム蛋白51遺伝子イントロ
ン、rp51)が転位の間にTyl要素から正しくスプ
ライシングされ、これはTyi  RNAが転位におけ
る中間体であることを証明するものであると記載してい
る。さらに、ベークら(B oekeet、 al、 
)は、転位の間に起こるLTR間の配列多形の挙動はレ
トロウィルスの逆転写モデルに従うと結論している。ベ
ークら(Boeke  et  al、)は、遺伝的に
標識したTyl要素の転写に関しては何等観察しておら
ず、また何等示唆していない。
ガルフィンケルら(Garfinkel  et  a
t、 )は、セル(Cell)、土2,507−517
(1985)、GALIプロモーターの制御下で、1a
cOセグメントを含有するTyl要素(TyH3)を有
するプラスミドを含有する転位誘導された細胞中に、T
ylにコード付けされた逆転写酵素の活性が実際に存在
すると記載している。
ベークら(Boeke  et  al、 )は、酵母
遺伝学および分子生物学についての第12回国際会議(
T+yslfth  International  
Conference  0nYeast  Gene
tics  and  Mo1ecular  Bio
logy)、ニシンバラ、スコツトラン1’、9月17
〜21日、1984年、GALIプロモーター要素が2
つの異なるTV要素、Tyl 73(LYS2遺伝子に
おけるノックアウト突然変異として単離したTy要素)
およびTyH3(his  3Δ4の復帰変異体(プロ
モーター欠失)として単離したTy要素)の転写を促進
する、2ミクロンベクター上での遺伝子融合(pGTy
l 73およびpGTyH3)を記載している。また、
ベークら(Boeke  at  al、 )は、pG
TyH3およびpGTyl 73で形質転換した細胞が
グルコース含有培地上で正常に増殖するが、GALLプ
ロモーターが誘導された場合、pGTy173によって
わずかに、pGTyH3によってかなり増殖が抑制され
ると記載している。また、ベークら(Boeke  e
t  at、 )は、Tn903からのKm’遺伝子が
TV要素のオーブンリープづングフレームに対応する2
つの地点に挿入されるpGTyH3プラスミドのインサ
ージョン突然変異を記載している。ベークら(Boek
e  et  al、 )は、(a)pGTyH3、p
c、”ryt 73またはpGTyH3インターナルイ
ンサージョン突然変異プラスミドの転位、または(b)
pGTyH3インターナルインサージョン突然変異体プ
ラスミドで形質転換した細胞によるKm’遺伝子の転写
については何等観察も示唆もしていない。
今回、修飾したエス・セレビシエ(S 、 cerev
i−siae)TylまたはTy2要素よりなるベクタ
ー系を用いることによって、適当な酵母プロモーターに
よって制御される外来コーディング配列の酵母染色体へ
の安定な逆転写酵素介在転移および組込みが誘導できる
ことが判明した。かかる修飾したTylまたはTy2要
素は強力な酵母プロモーターを有する発現カセットを含
有し、2キロベース(kb)もの大きなサイズを有する
注目の外来遺伝子(例えば、pARG3−GALKまた
はpCU P 1− GALK)が比較的効率よく転位
され得る。事実、(転位誘導後のスクリーニングによっ
て観察されるごと<)1回の実験でゲノムあたりいくつ
かの転位現象が得られる。高コピー数の組み込まれたベ
クターが多数回転位サイクルの後に得られる。該コピー
は染色体へ安定に組み込まれ、かつ分散させられ(縦列
反復せず)、選択圧の不存在において宿主の広範な増殖
を可能とする。他方、プラスミドは通常分離偏りを有す
るが、かかる組み込まれたベクターは細胞集団に均等に
分配されることに注意することが重要である。かくして
、本発明の方法は、明確なレベルでの、かつ効率が各細
胞集団で同一である注目の外来コーディング配列産生物
の合成を可能とする。また、エス・セレビシエ(S。
cerevisiae)ゲノム配列のうちほとんどは古
典的増殖条件において必須ではないので、本発明の方法
は、発現カセットを高コピー数でゲノムに導入すること
を可能とする。
発明の開示 本発明は、機能性TylまたはT y 2要素に作動可
能に連結したプロモーター、好ましくは誘導性プロモー
ターよりなり、該TylまたはTy2要素が外来コーデ
ィング配列に作動可能に連結した強力な酵母プロモータ
ーを含有する発現カセットよりなることを特徴とするベ
クターを提供するものである。
また、本発明は、かかるベクターで形質転換した宿主酵
母細胞、好ましくはエス・セレビシエ(S 、 cer
evisiae);および強力な酵母プロモーターが機
能するのが可能な条件下でかかる形質転換宿主酵母細胞
、好ましくはエス・セレビシエ(S。
cerevisiae)を培養することを特徴とする安
定なゲノム組込みおよび外来コーディング配列の発現を
行う方法を提供するものである。
「発現カセット」なる語は、酵母中で完全な遺伝子発現
単位として機能するDNAの独立区分されたいずれの領
域も意味する。「完全な遺伝子発現単位」なる語は、構
造遺伝子およびプロモーターならびにその転写および翻
訳に必要な調節領域を意味する。「プロモーター」なる
語は、RNAポリメラーゼの結合およびコーディング配
列の転写が起こるのを可能とする、構造遺伝子のコーデ
ィング配列から上流のいずれの領域も意味する。「調節
領域」は、遺伝子の転写を調節するいずれの領域も意味
する。「構造遺伝子」は、RNA合成用の鋳型として働
き、酵母中において注目する蛋白の合成を可能とするコ
ーディング配列を意味する。
「誘導性プロモーター」なる語は、エス・セレビシエ(
S 、 cerevisiae)のごとき宿主酵母細胞
中で機能するプロモーターであって、その活性が外部の
信号または状態、例えば温度変化、栄養物の存在または
不存在等によって制御されるものを意味する。
[機能性TylまたはTy2要素」なる語は、外来遺伝
子のコーディング配列に作動可能に連結した強力な酵母
プロモーターよりなり、かかる要素で形質転換されたエ
ス・セレビシエ(S 、 cerevisiae)のご
とき宿主酵母細胞のゲノム中に転位されるその能力を依
然保持している、天然に生じるTylまたはTy2要素
のいずれの誘導体も意味する。
「作動可能に連結した」なる語は、プロモーターおよび
コーディング配列がコーディング配列の転写および翻訳
を可能とするように融合していることを意味する。
「強力な酵母プロモーター」なる語は、エス・セレビシ
エ(S 、 cerevisiae)のごとき宿主酵母
細胞中で機能し、かつ酵母中で高発現レベルにて異種蛋
白の産生を可能とするプロモーターを意味する。
[外来コーディング配列」なる語は、宿主酵母細胞ゲノ
ム内で天然に生じないコーディング配列を意味する。
「転位」なる語は、従前に存在するTV要素によって占
められていない位置における、本発明のベクターの機能
性TylまたはTy2要素の宿主酵母細胞染色体への逆
転写酵素介在非相同挿入を意味する。転位が現実に起こ
るメカニズムはベーケら(Boeke、  et  a
t、 )、セル(Cell)、40.491−500(
1985)、にかなり詳細に記載されている。
「トランスクリブション・ラン・スルー」なる語は、本
発明のベクターの機能性TylまたはTy2要素の完全
な転写を意味する。
第1 (a)図は、実施例に記載されるベクターで用い
るGALK発現カセットを組み立てるのに用いる適合イ
ー・コリ(E、coli)のGALK構造遺伝子を示す
。かかるGALKは修飾されたアミノ末端領域を含有す
るが、活性なガラクトキナーゼをコード付けする。
第1 (b)図は、CARl(アルギナーゼ)、ARG
3(オルニチントランスカルバミラーゼ)およびCUP
 l(メタロチオネイン)遺伝子の5′末端を示す。各
5′領域はATGの後にBam81部位を含有し、それ
によりGALKどの機能的連結を可能とする。
第1 (C)図は、発現カセットをつくるための、Ba
mHI部位を用いるCARI、ARG3およびCUP 
lプロモーター領域とGALKコーディング配列との連
結を示す。
第2(a)図、バートAはpGAL 1−TY 1組立
体を含有するpJef1267の構成を示す。
第2(b)図、パートBはpJef1267の誘導体で
あって、pJef1267のSacI制限部位に導入さ
れたCAR1プロモーター−GALK、(pRIT12
938、ARG3プロモーター−GALK(pRIT1
2946)およびCUPIプロモーター−GALK(p
RI T l 2945)よりなる発現カセットを含を
するpRI T l 2938、pRIT12946お
よびpRIT12945の構成を示す。
第2(b)図は、実施例に記載したGALK発現カセ7
)を含有するpGALl−Ty1組立体の構造を示す。
矢印はTVおよびGALK転写の方向を表わす。
Ty要素はレトロウィルスのプロウィルスおよびショウ
ジヨウバエのコピア(copia)要素族に構造的に似
た、酵母ザノ力ロミセス・セレビシェ(Sacchar
omyces  cerevisiae)から天然に生
じる転位性要素である。かかるTy要素の詳細な総説に
ついては、例えばメロ−ら(Melloret  al
、 )、イース1(Yeast)、I、145−152
(1986)参照。かかるTy要素は公知の技術によっ
てエス・セレビシエ(S 、 c6revisiae)
株から単離できる。エス・セレビシエ(S 、 cer
evisiae)の多くの株が公の寄託機関、例えばア
メリカン・タイプ・カルチャー−コレクシラン(Ame
rican  TypeCulture  Co11e
ction)、ロックビル(Rockville)、メ
リーランド州、米国から入手できる。これらの要素の数
および分布は株間で異なる。これらの要素は長さが約5
.9キロベース(kb)である。約335塩基対(bp
)の末端反復デルタ配列または真直ぐな長い末端反復(
LTR)が5 、3 kbの内側領域を取り囲む。Ty
要素はLTRからLTRにかけて転写され、末端で45
ヌクレオチドだけ余分なRNAか形成される。この構造
はレトロウィルスのゲノムRNAの全長構造と同一であ
る。Ty要素は5’LTRに隣接してtRNAプライマ
ー結合部位として働き得る配列および3’LTRに隣接
して第二鎖合成のプライマーとして働き得るオリゴ−プ
リン・トラクト(tracc)を含有する。さらに、T
y要素の機能的構成はレトロウィルスのgag−pol
領域の構成と同様である。Ty要素には、2つの重複す
るオーブンリーディングフレーム;すなわち、恐らくは
レトロウィルスgag遺伝子と同等であってDNA結合
蛋白に相同の蛋白を特異化するLya ;およびプロテ
アーゼに相同の蛋白、インテグラーゼ、およびレトロウ
ィルス pol遺伝子の逆転写酵素領域をコード付けす
るtybかある。tybの遺伝子産生物は、tybをt
yaとに関するフレームに入れるtya末端での特異的
フレームンフトに由来するLya−tyb融合蛋白とし
て合成されると考えられる。2つの群のTy要素、すな
わち、2つの大きな内部置換が本質的に異なる Tyl
およびry2がある。本発明の効果的なTylおよびT
y2ベース発現ベクターの組み立てには、転写ターミネ
ータ−様要素を含有しない強力な酵母プロモーター、ま
たはこれらの組立体の転位に必要な大きなRNAの合成
が干渉されないようにトランスクリプション・ラン・ス
ルーを禁する他のいずれかの配列を用いることを要する
(第1図)。
事実、かかる系においては、誘導性プロモーターが誘導
された場合に産生される大きなRNAが転位マシーナリ
(mach i ne−ry)の合成用mRNAとして
用いられ、それが転位プロセスにおける鋳型でもある。
本発明は、機能性TylまたはTy2要素に作動可能に
連結したプロモーターよりなり、該TylまたはTy2
要素が外来コーディング配列に作動可能に連結した強力
な酵母プロモータを含有する発現カセットよりなること
を特徴とするベクターを提供するものである。かかるベ
クターは当該分野でよく知られた常法によって組み立て
ることができる。好ましくは、Tyl要素を用いてかか
るベクターを組み立てるが、用いるかかるTyl要素は
ベークら(Boeke  et  al、 )、セル(
Cell)、−生J−1491−500(1985)に
詳細に記載されているTyH3に由来するものである。
前記したごとく、本発明のベクターはTylまたはTy
2要素に作動可能に連結したプロモーターよりなる。
ベクターが形質転換する宿主酵母細胞中で機能するいず
れの誘導性または非誘導性プロモーターも用いることが
できる。好ましくは、該プロモーターは誘導性である。
また、好ましくは、用いるプロモーターは1987年4
月28日に発行された米国特許第4661454号に記
載されているGALIプロモーターである。前記したご
とく、本発明のベクターの機能性TylまたはTy2要
素は外来コーディング配列に作動可能に連結した強力な
酵母プロモーターを含有する発現カセットよりなる。誘
導性または非誘導性であるかにかかわらず、ベクターが
形質転換する宿主酵母細胞中で機能するいずれの強力な
プロモーターも用いることができるが、かかるプロモー
ターは外来コーディング配列のトランスクリプション・
ラン・スルーを可能とするものでなければならない。好
ましくは、該強力な酵母プロモーターはニス・セルビシ
x(S 、 cerevisiae)A RG 3遺伝
子またはエス・セレビシエ(S 、 cerevisi
ae)CU P l遺伝子からのものである。生物学的
活性を有する蛋白を産生するために宿主酵母細胞中で転
写および翻訳できるいずれの外来コーディング配列も用
いることができる。好ましくは、かかる蛋白は治療上の
生物学的活性を有する。
また、本発明は、本発明のベクターで形質転換された宿
主酵母細胞を提供するものである。かかる形質転換はイ
ト−ら(Ito  at  al、 )、ジャーナル・
オブ・バタテリオロジ=(J 、 Bacteriol
)、上53,163−168(1983)の方法による
ごとく、通常の技術によって行うことができる。好まし
くは、該宿主酵母細胞はサツカロミセス(S acch
aromyces)属に属し、最も好ましくは、エス・
セレビシエ(S 、 c6revisiae)種に属す
る。
また、本発明は、本発明のベクターに含まれる強力な酵
母プロモーターが機能するのを可能とする条件下で、本
発明の形質転換宿主を培養することを特徴とする安定し
たゲノム取込みおよび外来コーディング配列の発現を行
う方法を提供するものである。例えば、用いる強力な酵
母プロモーターがGALIのごとき誘導性プロモーター
である場合、宿主酵母細胞をGAL lプロモーターの
誘導を可能とするために十分なガラクトースを含有する
培地中で培養すべきである。同様に、用いる強力な酵母
プロモーターがエス・セレビシエ(S。
cerevisiae)A RG 3プロモーターであ
る場合、用いる培地はARG3プロモーターの誘導を可
能とするのに十分なNH,+を含有すべきである。
すべての強力な酵母プロモーター配列には、ターミネー
タ−様要素またはその他調節蛋白に作用する配列のごと
きトランスクリブション・ラン・スルーを抑制する配列
が無い訳ではない。例えば、URA3プロモーター領域
は(最初のATGに向けての上流の塩基45および15
5間に)強力な両二方向ターミネータ−を含有する。ヤ
ーガーら(Yarger  at  al、 )、モレ
キュラーやアンド拳セリュラー・バイオロジー(Mo1
. Ce11. B iol。
)、6.1095(1986)参照。CARlプロモー
ター、実施例に記載されているCARI 5’領域の場
合、これらの可能な干渉のうち1またはいくつかが起こ
るかも知れない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
犬鼻餞 材料および方法 31株およびプラスミド 一エス・セレビシエ(S 、 cerevisiae)
の2つの株を実施例で用いた;GRF l 67(hi
s3Δ200、ura3−167)およびJWG2−I
D(t、rp l    ura   3    ga
ll   Δ)−プラスミドpJef724は先に記載
したpGTYH3と同一である。ベークら(Boeke
 etal、 )、セル(Cell)、旦、491−5
00(1985)参照。pJef1267はpJef7
24i=由来する(Tyl  3’  Bgl、!1部
位の代わりに5ac1部位を導入)。pJef724は
2ミクロンベースのプラスミドである。これらの実施例
に記載する転位実験で用いるすべてのTVベースのプラ
スミドは、前記したごとく、前掲、外米DNAコーディ
ング配列(GALKカセット)をSacI制限部位に導
入したpJef1267の誘導体である。また、GAL
K発現カセットを低コピー数プラスミドYCp50にも
導入した。ジョンストンおよびデイヒス(J’ohns
ton  and  Davis)、モレキュラー〇ア
ンド・セリュラー・バイオロジー(Mo1. Ce1l
Biol、)、土、1440(1984)参照。pR−
IT12938、pRIT12945、PRI−T12
946からのH1ndn[−Neo I (T 4ポリ
メラーゼ処理)フラグメントをHindlll−Bam
H1(T4ポリメラーゼ処理)によって消化したYcp
50に移入した。第2a図参照。XY12はPFLlの
誘導体であり(シュバリエら(Cheva 111er
et al、 )、ジーン(G ene)、1m  1
l−19(1980))、ARG3遺伝子の転写停止配
列と共に pARG3−GALK発現カセットを含有す
る。
b、培地 YEPDに富む培地(酵母エキス、ペプトン、グルコー
スまたはガラクトース各2%)およびYNB最小培地(
アミノ酸を含まない酵母窒素ベース0,67%、硫酸ア
ンモニウムは含むまたは含まない)をエス・セレビシエ
(S 、 cerevisiae)株の増殖に用いた。
硫酸アンモニウムを含まないYNBには唯一の窒素源と
してアルギニンl mg/ mQを補足した。YNB培
地には唯一の炭素源としてグルコース2%またはガラク
トース2%を補足しlこ。
フルオロオルチン酸含有培地はベーケら(Boe−ke
  et  al、 )、(モレキュラー・アンド・ジ
ェネラル・ジエネティクス(Mo1. Gen、 Ge
net、 )、−り旦1−1345−346(1984
))に記載されている。
C3形質転換 プラスミドDNAでのイー・コリ(E、coli)形質
転換は、コーヘンら(Cohen  et  al、 
)、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミ
−・オブ・サイエンシズ(Proc、 Natl、 A
cad。
Sci、)USA、69,2110 2114(197
2)に準じて行った。酵母の形質転換はイト−ら(It
o  et  al、 )、ジャーナル・オブ・バタテ
リオロジー(J 、 BacLeriol、 )、上5
3,163−168(1983)に記載されている。
(1)若干の修正を行ったが、デイビスら(Dav−i
s  et  al、 )、メソッズ・イン拳エンザイ
モロジ−(Methods  in  E nzymo
logy)、65.404−411(1980)に準じ
て、エス・セレビシエ(S、  cerevisiae
)の全ゲノムDNAを単離した。DNA制限、電気泳動
およびサザーンブロッ]・分析はマニアティスら(Ma
niatis  et  al、 )、モレキュラー・
クローニング、ア・ラボラトリ−・マニュアル(Mol
ecular  Cloning、  A  L ab
o−1a(□ry  Mantial)、コールド・ス
プリング・ハーバ−・ラボラトリ−(Cols  Sp
ring  HarborL aboratory)、
(1982)に記載されているように行った。
(2)転位した発現カセットの検出には、1.1kbG
 A L K  D N Aフラグメントを用いた。第
1(a)、l (b)およびl (c)図参照。420
bp特異的TylDNAフラグメントをレジデント(r
esident)ty1転位(Bglll−EcoRI
フラグメント)の分析に用いた。850bp Xmn1
−BamHI  CARI  DNAフラグメントをサ
ザーンプロットにおけるゲノムDNAの全消化の対照と
して用いる(それらのゲノムに組み込まれたpARG3
−GALKまたはpcUPl−GALKカセットを有す
る株のDNA分析)。
e、ガラクトキナーゼの特異的活性の測定リモンドら(
Rymond  et  al、)、ジーン(G en
e)、25.249−262(1983)に記載されて
いるごとく、ガラクトキナーゼ(GALK)酵素活性を
測定し、全蛋白レベルに対して標準化し、ローリ−ら(
Lowry  et  am )、ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(J 、 Biol、C
hem。
)、193.265−275(1951)の7オリン(
Folin)法によって定量した。
f、転位実験(第2a図および第2b図も参照)プラス
ミドpJef724(または記載した誘導体、前掲)を
用いて、以下のごとくに転位を行った。
(1)−1−ス・セレビシェ(S −cerevisi
ae)受容株の30°CにおけるYNBグルコース2%
培地上での形質転換(ura 3突然変異の補完)。
(2)形質転換体の精製(単離したコロニー)。
(3)転位の誘導。22℃においてYNBガラクトース
2%培地上で5日間細胞を増殖させる。
(4)ura3コロニー(フルオロオロチン酸含有培地
上でプラスミドを喪失した株)の選択。
(5)ura 3株(YEPD培地上の単離したコロニ
ー)の精製。
(6)受容体株がgall(JWG2− ID)である
場合、炭素源としてガラクトース上で増殖するura3
株について探索する。GALKの特異的DNAプローブ
を用いるハイブリダイゼーションによる全ゲノムDNA
の分析。
3、本発明のベクターの組み立ておよび転位実験の結果 本発明のベクターは、ここに参照のために挙げるベーク
ら(Boeke  eL  al、 )、セル(Cel
l)、−1艷−1491−500(1985)に記載さ
れているpGTyH3(pJef724)組立体の誘導
体として調製することができる。例えば、pGTyH3
においては、機能性Ty1転写の合成がガラクトース誘
導によって制御されるように、GALlプロモーターの
ごとき強力な酵母プロモーターでTy15’LTRのU
3領域を置き換える。本発明の各ベクターにおいて、T
y1要素が依然機能性であるように、外来コーディング
配列を非必須Tyl領域に挿入する。例えば、常法によ
りSacI制限部位を含有する合成りNA配列をまずT
YH3の3’BgllI部位に挿入してpJef126
7を得た。
常法により外来コーディング配列をユニークSac■制
限部位に挿入した。第2図参照。イー・コリ(E 、 
coli)ガラクトキナーゼ構造遺伝子(GALK)を
外来コーディング配列の例として選択した(これは、選
択マーカーとしても使用でき、かくしてニス・セルベシ
エ(S 、 cerevisiae)gal l受容体
株における転位現象についての選択が可能となる)。
用いるGALKコーディング配列は修飾したNH2末端
領域を含有するが、活性なガラクトキナーゼをコード付
けする。リモンドら(Rymondet  al、 )
、ジーン(G ene)、■、249−262(198
3)参照。3つの異なるエス・セレビシエ(S 、 c
erevisiae)プロモーター領域をTylベクタ
ー、すなわち、CARI、ARG3およびCUPIにお
けるGALKに融合する。これらのプロモーター領域の
配列は対応するニス・セルベシ工(S −cerevi
siae)遺伝子のATGから5′上流領域に対応し、
GALKとの機能的共働を可能とするBamHI制限部
位に適合するものであった。
第2図参照。
CARl遺伝子(アルギナーゼ構造遺伝子)の5′領域
は2つの異なる制御、すなわち、窒素異化産物抑制(ク
ニンら(Cunin  et  al、 )、モレキュ
ラー・アンド・セリュラー・バイオロジー((Mol。
5e11. Biol、 )、1.1339−1348
(1985)およびアルギニン特異的誘導(メセンギー
およびドウポイス(Messenguy  and  
Dubois)、モレキュラー・アンド・ジエナル・ジ
ェネティクス(Mo1. Gen、 Genet、 )
、189.148−156(1983)に対応する少な
くとも2つの調節領域を含有する。プロモーター領域お
よびほとんどの調節配列を含有する8 20bp  X
mn1−BamHI  DNAフラグメントとしてCA
Rl遺伝子の5′領域を単離する。窒素異化産物抑制に
関与する対照領域は完全には包含されない。
ARG3(オルニチントラ〕/スカルバミラーゼ構造遺
伝子)5′配列は2つの調節領域を含有する。
ARG3は「一般アミノ酸制御」およびメセンギイら(
Messenguy  eL  al、 )、(198
3)、前掲、およびクラベールら(Crabeel  
et  al、)、モレキュラー・アンド・セリュラー
・バイオロジー(Mo1. Ce11. Biol、 
)、え、1339−1348(1985)によって記載
されているアルギニン特異的制御によって調節される。
プロモーターおよびすべての調節配列を含有する800
bp  Xh。
1−BamHI  DNAフラグメントにはARG3の
5′領域が含有される。第1 (b)図参照。
CUPI(エス・セレビシエ(S 、 carevis
iae)メタロチオネイン構造遺伝子)5′配列は銅誘
導に関与するDNA領域を含有する。用いるCUP 1
遺伝子の300bp  EcoRV−BamHIフラグ
メントはこれらのDNA領域を含有する。
GALK遺伝子に関するBamH1部位を用いることに
よって、これらの3つのプロモーター、すなわち、CA
RI、ARG3およびCUPIをGALKと連結させ、
得られたDNAフラグメントを(T4ポリメラーゼでの
処理の後)pJef1267のSacIユニ一ク部位に
挿入した。得られたマルチコピープラスミド、すなわち
、pRIT12938、(第2(b)図);RIT12
946(第2(b)図)およびpRIT+、2945(
第2(b)図)をGAl+ura3  エス・セレビシ
エ(S 、 cerevisiae)株、およびgal
l  ura3  エス・セレビシエ(S。
cerevisiae)株(JWG2−ID)における
転位実験で用いた。なぜなら、イー・コリ(E、 co
li)ガラクトキナーゼはgall突然変異を補完でき
るからである(炭素源としてのガラクトース(2%)上
での増殖)。
同一の発現カセットを含有する低コピー数YCp50組
立体を含む本明細書中にて記載するベクターで形質転換
したかかるエス・セレビシエ(S。
cerevisiae)株のガラクトース上での増殖速
度の比較を異なる調節条件で行った。
補完効率(ガラクトース上での増殖速度)は調節条件、
およびGALK発現カセットのコピー数に関係する。第
1表から理解されるごと<、CAR1プロモーターは窒
素源としてのアルギニン上でより効率的であり(特異的
誘導、窒素異化産物抑制は無し)、ARG3プロモータ
ーは窒素源としてNH,+を用いたときがより効率的で
あり(アルギニンの不存在において抑制無し)、および
CUPIプロモーターは銅の存在においてより効率的で
ある(特異的誘導)。これらの効果は低コピー数プラス
ミドを用いる場合により顕著である。
はとんどの転位実験はgall  Δ ura 3  
trp 1株、JWG2−IDにおいて行った。なぜな
ら、転位の誘導およびプラスミドのキユアリングの誘導
の後、lまたはいくつかの転位現象を支持した(すなわ
ち、染色体中へ組み込まれた発現カセットの1またはい
くつかのコピーを有する)株は、炭素源としてのガラク
トース上でのそれらの増殖能力によって容易に同定でき
るからである。かかる株の増殖速度が、低コピー数YC
p50プラスミドに位置する対応GALKカセットを含
有するJWG2−ID株の増殖速度と同様であることに
注目すると興味深い。
一連の転位実験の結果を第2表に要約し、そこに転位効
率を示す。他の実験はより低温(16°C)で行い、同
様の結果が得られた(効率は大幅には増加せず)。
3つの発現カセット(pCARl −GALK。
pARG3−GALKおよびpCUP 1−GALK)
を用いて、異なる調節条件(CARIおよびARG3プ
ロモーターの場合は窒素源としてNH,+またはアルギ
ニン、CUPIプロモーターの場合は銅の存在および不
存在下)において転位アッセイを行った。pJef12
67に同等であるプラスミドpJef724(SacI
部位の代わりに元のBglI(部位)をGAL+株(G
 RF l 67−his3 ura3 )への転位実
験で対照(すなわち、外来DNAをTylに挿入せず)
として用いた。Tylを含有するプラスミドpRI ’
r l 293 g(pCAR1−GALK)組立体を
同一のGAL+株に、およびgall  6株、J W
G 2− I DQrpl  ura3  gallΔ
)に導入した。
CAR1−GALKカセット、pRIT12938にお
いて、転位の誘導およびプラスミドのキユアリングの後
、100以上の株を分析したが、JWG2−ID  g
all  6株の能力の分析の後、その窒素源としてア
ルギニンを含むガラクトース上で増殖するGALK転位
は観察されず、GALK特異的DNAプローブを用いる
DNA分析の後もしかりであった。第2表参照。しかし
ながら、転位マシーナリ(machinery)の合成
についてはpRI T l 2938のGAL 1−T
yI−CARI−GALK組立体は効率的であった。な
ぜなら、プラスミドpRIT12938を用いるレジデ
ントTy1転位の誘導が観察された、すなわち1または
多くの転位現象を支持した株が少なくとも40%となっ
たからであった。第2表参照。
これらの結果は、CAR1−GALKハイブリッド遺伝
子は効率的な逆転写酵素媒介転位に適合しないことを示
し、これは恐ら<CARIプロモーターが本発明のベク
ターの転位に必要なトランスクリプション・ラン・スル
ーを可能としない(または低頻度でのみ可能とする)か
らであり、恐らくこのプロモーターが転写ターミネータ
−様配列を含有するからである。埋め込まれた発現カセ
ットの大きさは転位に適合しなくはない。なぜなら、前
記にて詳しく述べたように同様の長さを有する外来DN
A配列を効率よく転位できるからである。
ARG3−GALKおよびCUP 1−GALKハイブ
リッド遺伝子を含有するTylベクターの評価結果は、
かかるベクターにおいては、転位が比較的効率的である
ことを示す。第2表に報告する実験において、転位の誘
導およびプラスミドのキユアリングの後、分析した株の
15〜44%が少なくともlの転位現象を支持した(修
飾したTylの染色体中への組込み)。しかしながら、
かかる修飾したTyl要素の転位頻度はもとのpGAL
ITy1組立体を用いて得たTy1転位頻度の約10分
のlの低さである(すなわち、pGALl+染色体のT
yl要素によって制御されるtyl要素の転位)。
転位の誘導およびプラスミドのキユアリングの後、AR
G3プロモーターの最適発現のために窒素源としてNH
,”を含み、炭素源としてのガラクトース上で増殖する
それらの能力について、pcUPl−GALKの場合は
CUPlプロモーターの最適発現のための銅の存在にお
いて、これらの株を分析した。これらの条件下、GAL
K特異的プローブを用いるDNA分析によって測定した
ごとく、ガラクトース上で増殖する能力は染色体に組み
込まれたGALKコピーの存在に常に関係している。■
またはいくつかの組み込まれたベクターコピーを含有す
る株、および対応する低コピー数のYCp50について
の組立体を含有する株のガラクトース上での増殖速度は
同様である。
かかる実験において、GALKプローブで認識されるB
amHIゲノムフラグメントの数によって見積もると(
Ty1組立体にはただ1つのBamHI部位がある)、
1,2または3つの転位現象を支持する(112または
3つのコピーが組み込まれた)株が容易に得られた。
これらの実験において、ARG3−GALKまたはCU
PI−GALKカセットに関して有意な変動が、異なる
調節条件において、特にpCUPl−GALKプラスミ
ドpRI T 12945の場合に観察されず、そこで
は、(銅の不存在および銅の存在により)ガラクトキナ
ーゼ合成における変動に由来するガラクトース上での増
殖速度における大きな変動はgall  Δ株JWG2
−IDにおける転位効率に有意には影響を与えなかった
(第2表参照)。
第3表に示すごとく、Tylに挿入されたGALKカセ
ットの発現に関しては、GALK発現に対するGALK
プロモーターの誘導の影響は小さいかまたは存在しない
。事実、pRIT12946(ARG3−GALKカセ
ット)を含有する株は、炭素源としてグルコース(Ty
lの発現なし)またはガラクトース(Ty1発現の誘導
)上でそれらを増殖させた場合、同様量のガラクトシキ
ナーゼを合成し、ガラクトシキナーゼの特異的活性はA
RG3−GALKがTyl要素に挿入されない通常の2
ミクロンプラスミドに関するのと同じオーダーである。
他方、染色体に組み込まれたlのpARG3−GALK
コピーを有する株は、同一発現カセットを持つ低コピー
数プラスミドを含有する同−株と同様量のガラクトキナ
ーゼを合成する。
本発明の方法の効率を増大させるためには、発現カセッ
ト以外にもエス・セレビシエ(S 、 cere−vi
siae)CU P l (メタロチオネイン)遺伝子
のごとき適当な選択マーカーを本発明のベクターに導入
し、それにより単純な実験における転位現象の高コピー
数を支持する株の選択を可能とすることができる。選択
マーカーとしてCUP l遺伝子を用いる場合、用いる
受容体様はCuplsまたはCuplΔ株でなければな
らない。選択マーカーを用いる場合に起こる可能性のあ
る転位効率の減少を避けるためには、転写の効率的なエ
ンカブシデーション(encaps 1dat 1on
)を可能とし、「ヘルパー」プラスミドを用いて転位マ
シーナリ(m a chinery)が産生されるよう
にベクターのTV配列を最小サイズまで減少させるのが
有用であろう。例えば、Tylの最初のBg111部位
まで延びる5′配列でおそらく十分であろう。かかるベ
クターは、5″Bgl■部位からTyl要素上のSac
I部位に対応する地点まで延びる内部Tyl配列が存在
しない以外は、例えば、pRI T l 2946に同
一である。おそらく、その3’LTRがもう1つの転写
停止配列で置き換えられているが誘導性プロモーター(
例えば、GALI)によって制御される「ヘルパー」T
y要素と連結させてかかるベクターを用いるべきである
。該「ヘルパー」要素は本発明のプラスミドから独立し
たプラスミドの部分である得る。該「ヘルパー」Ty要
素は転位しないが、転位のために本発明のプラスミドに
よって要求されるTyaおよびTyb蛋白を産生ずる。
また、Tyベクターの発現レベルは、GALIプロモー
ターの修飾または変形、例えば、CUPl  5′配列
での置き換えによって増加させることができる。
本発明のベクター系はエビソームに比し、多くの利点を
提供できる。ベクターコピーは染色体に安定に組み込ま
れかつ分散され(縦列反復せず)、選択圧の不存在にお
いての増殖を可能とする。また、プラスミドは通常分離
に偏りがあるが、組み込まれたカセットは細胞集団に均
一に分散される。
かくして、本発明の方法は明確な濃度での、かつ各細胞
集団で効率が同一である遺伝子産生物の合成を可能とす
る。
以下の第1表は、マルチコピー数プラスミドpRIT1
2946、pRI T l 2938またはpRIT1
2945、あるいはYCp50由来の低コピー数プラス
ミド、すなわち、pRI T I 2947、pRIT
12948またはpRIT12949を含有するgal
1株、JWG2−IDの増殖特性を示すものである。
以下の第2表は、異なる増殖条件下でのGALk発現カ
セットの転位頻度を示すものである。
以下の第3表は、pJef1267またはY Cp50
由来のプラスミド上のpARG3−GALK発現カセッ
トを持つ、またはエス・セレビシエ(S。
cerev is 1ae)宿主染色体に組み込まれた
lのトランスポゾン(TYl−pARG3−GALK)
を有するJWG2−IDによって産生されたガラクトキ
ナーゼの濃度を示すものである。
【図面の簡単な説明】
第1 Ca)図は、実施例に記載するベクターで用いる
GALK発現カセットを組み立てるのに用いる適合イー
・コリ(E 、 coli)G A L K構造遺伝子
を示す図であり、 第1 (b)図は、CARl(アルギナーゼ)、ARG
3(オルニチントランスカルバミラーゼ)およびCUP
 l(メタロチオネイン)遺伝子の5′末端を示す図で
あり、 第1 (c)図は、発現カセットを得るためにBamH
I部位を用いてCARI、ARG3およびCUPIプロ
モーターとGALKコーディング配列とを連結したとこ
ろを示す図であり、 第2図、パー1−A、はpGALK−TY1組立体を含
有するpJef1267の構成を示す図であり、 第2(a)図、バートB1はpJef1267の誘導体
であって、pJef1267のSacI制限部位に導入
されたCARlプロモーター−GALK(pRIT12
938)、ARG3プロモーター−GALK(pRIT
I 2946)およびCUP lプロモーター−GAL
K(pRI T l 2945)よりなる発現カセット
を含有するpRI T l 2938、pRIT129
46およびpRIT12945の構成を示す図であり、 第2(b)図は実施例に記載したGALK発現カセット
を含有するpGAL 1−Ty1組立体の構造を示す図
である。 特許出願人 スミス・クライン−アール・アイ・ティ

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)機能性Ty1またはTy2要素に作動可能に連結
    したプロモーターよりなり、該Ty1またはTy2要素
    が外来コーディング配列に作動可能に連結した強力な酵
    母プロモーターを含有する発現カセットよりなることを
    特徴とするベクター。
  2. (2)該プロモーターがGAL1であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  3. (3)該ベクターが機能性Ty1要素よりなることを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  4. (4)該機能性Ty1要素がTyH3の誘導体であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(3)項記載のベクタ
    ー。
  5. (5)該ベクターがさらに選択マーカーを含有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のベクター
  6. (6)該選択マーカーがサッカロミセス・セレビシエ(
    S.cerevisiae)CUP1遺伝子であること
    を特徴とする特許請求の範囲第(5)項記載のベクター
  7. (7)該外米コーディング配列が生物学的活性を有する
    蛋白質についてコード付けすることを特徴とする特許請
    求の範囲第(1)項記載のベクター。
  8. (8)該蛋白質が治療上の生物学的活性を有することを
    特徴とする特許請求の範囲第(7)項記載のベクター。
  9. (9)該強力な酵母プロモーターがエス・セレビシエ(
    S.cerevisiae)ARG3遺伝子からのもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    のベクター。
  10. (10)該強力な酵母プロモーターがエス・セレビシエ
    (S.cerevisiae)CUP1遺伝子からのも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載のベクター。
  11. (11)pJef1267の誘導体であって、そのSa
    c I 部位に挿入された発現カセットよりなることを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  12. (12)ベクターで形質転換した宿主酵母細胞であって
    、該ベクターが機能性Ty1またはTy2要素に作動可
    能に連結したプロモーターよりなり、該Ty1またはT
    y2要素が外来コーディング配列に作動可能に連結した
    強力な酵母プロモーターを含有する発現カセットよりな
    ることを特徴とする該宿主酵母細胞。
  13. (13)サッカロミセス(Saccharomyces
    )属に属することを特徴とする特許請求の範囲第(12
    )項記載の宿主。
  14. (14)エス・セレビシエ(S.cerevisiae
    )種に属することを特徴とする特許請求の範囲第(13
    )項記載の宿主。
  15. (15)該プロモーターがGAL1であることを特徴と
    する特許請求の範囲第(12)項記載の宿主。
  16. (16)該ベクターが機能性Ty1要素よりなることを
    特徴とする特許請求の範囲第(12)項記載の宿主。
  17. (17)該機能性Ty1要素がTyH3の誘導体である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(16)項記載の宿
    主。
  18. (18)該発現カセットがさらに選択マーカーを含有す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(12)項記載の
    宿主。
  19. (19)該選択マーカーがエス・セレビシエ(S.ce
    revisiae)CUP1遺伝子であることを特徴と
    する特許請求の範囲第(18)項記載の宿主。
  20. (20)該外来コーディング配列が生物学的活性を有す
    る蛋白質についてコード付けすることを特徴とする特許
    請求の範囲第(12)項記載の宿主。
  21. (21)該蛋白質が治療上の生物学的活性を有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(20)項記載の宿主。
  22. (22)該強力な酵母プロモーターがエス・セレビシエ
    (S.cerevisiae)ARG3遺伝子からのも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第(12)項
    記載の宿主。
  23. (23)該強力な酵母プロモーターがエス・セレビシエ
    (S.cerevisiae)CUP1遺伝子からのも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第(12)項
    記載の宿主。
  24. (24)該ベクターがpJef1267の誘導体であっ
    て、そのSac I 部位に挿入された発現カセットより
    なることを特徴とする特許請求の範囲第(12)項記載
    の宿主。
  25. (25)強力な酵母プロモーターが機能することを可能
    とする条件下で特許請求の範囲第(12)項記載の宿主
    を培養することを特徴とする安定なゲノム組込みおよび
    外来コーディング配列の発現を行う方法。
  26. (26)該強力な酵母プロモーターが誘導性プロモータ
    ーであることを特徴とする特許請求の範囲第(25)項
    記載の方法。
  27. (27)該誘導性プロモーターがGAL1であることを
    特徴とする特許請求の範囲第(26)項記載の方法。
  28. (28)該誘導性プロモーターがエス・セレビシエ(S
    .cerevisiae)CUP1遺伝子からのもので
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(26)項記載
    の方法。
  29. (29)該誘導性プロモーターがエス・セレビシエ(S
    .cerevisiae)ARG3遺伝子からのもので
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(26)項記載
    の方法。
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