JPH0115613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はラツプ用ロールフイルムの収容箱、詳
しくは合成樹脂フイルム等のロールフイルムから
引き出されたフイルムにより被包装体をラツプす
る場合に、被包装体がラツプし易いように組立て
ることができるラツプ用ロールフイルムの収容箱
に関する。

〔従来の技術〕

従来、合成樹脂フイルム等からなるラツプ用ロ
ールフイルムの収容箱A′は一般に第１図に示さ
れるように、長手方向の一方の側板１を折り目２
を介して上方に延設し、その延設部３ａの先端部
に屈折部３ｂを設け、屈折部３ｂに係合部４（図
示せず）を形成してなるフラツプ状の蓋体３を上
部開放面５に対して開閉自在であるように設け、
又、他方の側板６に蓋体３の係合部４を係止でき
る係止部７（図示せず）を設け、更に側板６の上
縁に箱内に収容されたロールフイルム８を切断す
るための鋸歯状の切断刃９を添着して構成されて
いる。

しかして、かかる従来の構成からなるロールフ
イルムの収容箱A′からロールフイルム８の一端
を引き出しながら被包装体Ｍをラツプするには、
先ず両手でロールフイルム８の両側縁を掴んで必
要量引き出し、その下の台１０上手前に置かれた
被包装体Ｍの上面ａに先ずラツプし、ついで被包
装体Ｍを手前に矢印方向に回転しながら一方の側
面ｃにラツプさせて第１図の状態に至つたとき、
被包装体Ｍの底面ｂ及び他の側面ｄのラツプに必
要なだけのフイルム８ａを引き出した後、Ｐ位置
において切断刃９に押し当てて切断し、引続き底
面ｂ及び他の側面ｄをラツプするという手順を経
て行なわれるのが一般的である。

しかし、このような従来のラツプ手段において
はフイルム８ａを切断刃９に押し当てる場合、被
包装体Ｍをフイルム８ａの下方において両手で保
持し下方に引張る操作を必要とするため、フイル
ムの切断操作がやりにくく、又、フイルムの切断
時において被包装体Ｍはフイルム８ａから隔離さ
れる方向に押し下げられるから、切断された比較
的長いフイルム８ａは途中で絡み付き易く残りの
面に均一に密着させてラツプすることが困難であ
りシール不良を生じ易い。又、比較的長いフイル
ム８ａを目分量で切断するため、フイルム８ａは
一般に必要以上に引き出される傾向がありフイル
ムの無駄が大きいという欠点がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案はかかる従来の収容箱からのフイルム引
き出しによる被包装体のラツプに伴なう欠点をす
べて解消して、被包装体を能率及び体裁よく、か
つ必要最小限のフイルムで気密にラツプすること
ができる新しいラツプ方法を実施するのに適した
ロールフイルムの収容箱を提供することを目的と
してなされたものである。

すなわち、従来の方法の欠点を改良した包装方
法は、被包装体をフイルム収容箱の向う側に置
き、フイルムを収容箱から引き出して被包装体の
上面と向う側面とを覆うように被せ、ついで被包
装体をフイルム収容箱の上方を経て手前迄移動さ
せることにより被包装体の手前側面と下面とにフ
イルムを密着させると、フイルムは自然に切断刃
と接触する位置に来るので、フイルムの切断と切
断されたフイルム端部を被着させシールする操作
とを一挙に行なうことができるものである。かか
る改良方法を実施するのに、従来の収容箱に入つ
たラツプフイルムを用いるときは別途に被包装体
用載置台を設備した場所を用意しなければならな
かつたのに対して、何等特別に被包装体用載置台
を設備する必要がなく、任意の平坦な作業台を用
いればどこでも上記の改良包装方法を実施するこ
とができる融通性の大きなラツプ用ロールフイル
ムの収容箱を提供することが本考案の目的であ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記のような本考案の目的を達成することがで
きるラツプ用ロールフイルムの収容箱は、長手方
向の一方の側板を上方に延設し、その延設端部に
屈折部を設け、該屈折部に係合部を形成してなる
フラツプ状の蓋体を上部開放面に設けた箱体にお
いて、該蓋体の略中央部を通つて前記側板の長手
方向と平行な折り目を形成すると共に前記蓋体が
延設される側板に前記蓋体屈折部の係合部を係止
できる係止部を設けたことを特徴とするものであ
る。

以下に本考案を実施例を示す添付の図面に基づ
いて説明する。

第２図は本考案の収容箱を正面斜め上方から見
た斜視図、第３図は本考案の収容箱の使用時にお
ける組立後の状態を背面斜め下方から見た斜視図
を示す。なお、本考案の収容箱において従来の収
容箱と同様の個所は同一の符号を用いて示した。

すなわち図において本考案の収容箱Ａは長手方
向の一方の側板１を折り目２を介して上方に延設
し、延設部３ａの先端部に屈折部３ｂを設け、屈
折部３ｂに係合部４を形成してなるフラツプ状の
蓋体３を上部開放面５に対して開閉自在であるよ
うに設けると共に、この蓋体３の係合部４が係止
される係止部７を他方の側板６に設け、更に側板
６に切断刃９を添着して構成される点においては
従来の収容箱A′と同様であるが、本考案の収容
箱Ａにおいては、更に蓋体３には側板１又は６の
長手方向と平行な折り目１１を蓋体３の中央部よ
り蓋体３が延設される一方の側板１の側にやや寄
つた位置に形成すると共に、側板１には前記蓋体
３の係合部４を係止できる係止部１２が設けられ
る。この係止部１２は図示の実施例では側板１所
定の位置に〓状に三方の切り込みを設けて形成し
た例を示したが、第２図の係止部７に示されるよ
うな溝状の係止部その他の形状の係止部であつて
も差支えない。

次に以上の構成からなる本考案の収容箱Ａを第
３図に示される使用時の状態に組立てるには、蓋
体３の係合部４を側板６の係止部７から外し、蓋
体３を開いて側板１の外方に水平に拡げ、ついて
折り目１１の部分で更に下方に折り曲げ、又、蓋
体３の屈折部３ｂに設けられた係合部４を側板１
の係止部１２に係止させることにより容易に組立
てることができる。この組立てによつて蓋体３の
一部を利用して水平な載置台１４を収容箱Ａの開
放面に隣接して形成させることができる。この場
合、係止部１２の側板１への設置位置は形成され
る載置台１４が水平となるように設定する必要が
ある。この載置台１４は蓋体３の折り返し部３ｃ
と屈折部３ｂとによつて支持されるから比較的強
固かつ安定に保持される。

第４図は本考案のロールフイルムの収容箱Ａ内
にロールフイルム８を保持させるための保持枠Ｂ
の斜視図で、長手方向の両側面を開放した枠体か
らなり、その上面１５にロールフイルム８の引出
し用スリツト１６を設け、又、対向する両側面１
７にロールフイルム８の軸芯８ｂが挿入支持され
る穴１８を設けて形成されるもので、必要に応じ
スリツト１６附近のフイルム引出し側の上面にフ
イルム密着防止用の突起１９が形成される。以上
の保持枠Ｂの構成は公知であるが、本考案の収容
箱Ａに収容させる場合には上面１５の側方に板体
２０を延設させたものを使用することが望まし
い。この板体２０は保持枠Ｂを第３図の収容箱Ａ
に収容したとき載置台１４の上面に載り、載置台
１４の面積を拡げると共に載置台１４を補強する
効果がある。

次に、本考案のロールフイルムの収容箱からフ
イルムを引き出して被包装体Ｍをラツプする場合
には、上述のようにして組立てた収容箱Ａの載置
台１４の上に第５図に示すように被包装体Ｍを載
せ、フイルムを両手で引き出して被包装体Ｍの上
面ａ及び側面ｄまで被せたのち、被包装体Ｍとフ
イルムとを両手で持ちながら第６図に示される収
容箱Ａの手前の位置まで収容箱Ａの上方を経て移
動させる。するとその移動過程で被包装体Ｍの側
面ｃと底面ｂにフイルムを強く密着させながらス
ムースにラツプさせることができる。

ついで側面ｄのラツプに必要なだけの比較的短
かいフイルム８ａを引き出して下方矢印方向に引
張ることによりフイルム８ａは切断刃９において
切断されると共に、両手の指を用いて容易に側面
ｄにラツプしシールすることができる。

このように本考案の収容箱Ａを用いて被包装体
Ｍをラツプする場合には、フイルム８ａは被包装
体Ｍの下側に位置して下方に押されるから被包装
体Ｍの全周にわたりフイルムの密着性がよく、ラ
ツプ後の外観も綺麗に仕上げることができる。
又、切断すべきフイルム８ａの長さは被包装体Ｍ
の側面ｄに相当する短かい部分であるから必要最
小限の長さに切断することが可能となる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように本考案のロールフイ
ルムの収容箱によれば、被包装体のラツプを極め
て円滑に行なうことができるのでラツプ作業の能
率を大幅に向上させることが可能となるのみなら
ず、被包装体へのフイルムの密着性、及びラツプ
された被包装体の外観仕上りもよく、被包装体の
気密保持も改善され、又、フイルムの過剰引き出
しがなくなりフイルムの節減をはかることができ
る等多くの利点を有する新しい包装方法を、何等
特別な設備を付加せずに実施することができる。
又、本考案の収容箱は従来の収容箱の蓋体に折り
目を形成させると共に蓋体が延設される側面に係
止部を設けるのみであるから、従来の収容箱と同
様の費用で製作することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロールフイルムの収容箱を用い
て被包装体をラツプする状態を示す側面図、第２
図は本考案の収容箱の斜視図、第３図は本考案の
収容箱の使用時における組立後の状態を示す斜視
図、第４図はロールフイルムを本考案の収容箱内
に保持させるための保持枠の斜視図、第５図及び
第６図は本考案の収容箱を用いて被包装体をラツ
プする状態を示す側面図を示す。 １，６……側板、３……蓋体、４……係合部、
７……係止部、８……ロールフイルム、９……切
断刃、１１……折り目、１２……係止部、１４…
…載置台、１６……スリツト、２０……板体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向の一方の側板を上方に延設し、その延
   設端部に屈折部を設け、該屈折部に係合部を形成
   してなるフラツプ状の蓋体を上部開放面に設けた
   箱体において、該蓋体の略中央部を通つて前記側
   板の長手方向と平行な折り目を形成すると共に前
   記蓋体が延設される側板に前記蓋体屈折部の係合
   部を係止できる係止部を設けたことを特徴とする
   ラツプ用ロールフイルムの収容箱。