JPH0114568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の製造工場等における自動車搬
送用早送りコンベア装置に関するものである。

自動車の製造工場における自動車の搬送装置に
は、自動車の左右一方の片輪を受けて搬送する片
輪スラツトコンベアがある。そして、この片輪ス
ラツトコンベアに自動車の片輪を載せるために片
輪スラツトコンベア端に早送りコンベア装置が連
設されている。

従来の早送りコンベア装置は第１図に示すよう
に、片輪スラツトコンベア１端に、自動車５の後
輪を支持するスキツド２を片輪スラツトコンベア
１の搬送方向と同一方向の走行案内経路３に沿つ
て走行移動可能に設け、走行案内経路３に沿つて
周回移動するエンドレスチエーン４により前記ス
キツド２を前進並びに後退移動させる構造であ
り、後退端に位置するスキツド２上に自動車の後
輪を支持してスキツド２を前進端まで移動し、前
輪を片輪スラツトコンベア１上に移載するもので
ある。

しかし、上記従来の早送りコンベア装置では、
前輪が搬送方向に対して平行に向いていない場合
は脱輪を起して片輪スラツトコンベア１に移載さ
れず、これを防止するために前輪の向きを補正す
るフリーローラガイド６が走行案内経路３の側方
に設置していた。ところが、このフリーローラガ
イド６により前輪のタイヤが摺接し、擦過傷を発
生させる不都合があつた。

本考案の目的は、前記フリーローラガイドによ
る前輪の向きを補正することなく片輪スラツトコ
ンベアに確実に移載し、上記従来の問題点の解決
を図つたことである。

本考案の構成は、スラツトコンベア端に直線的
に連続し、全長に渡つて同一平面の走行案内経路
を設置し、前記自動車の片側前、後輪をそれぞれ
支持する一対の前、後方スキツドを前記走行案内
経路上に走行移動可能に設け、前記走行案内経路
の側方に走行案内経路に沿つて駆動装置により周
回移動するエンドレスチエーンを配設し、前記後
方スキツドの側部に前記チエーンと結合する作動
板を固設し、前記前方スキツドの側部には前、後
方スキツド間のピツチをホイールベースと対応す
る軸長の連結用のロツドの前端を上下方向に回動
可能に枢着し、このロツドの後端にはローラと、
前記作動板の前面を係止する第１ストツパと、作
動板の後面を係止する前記第１ストツパより高さ
の大きい第２ストツパとを設け、前記走行案内経
路の側方には前記ロツド後端のローラを案内する
案内面が設けられ、この案内面は前方スキツドが
前進端に至るまで走行案内経路と同一平面の上段
案内面と、前方スキツドの前進端位置で前記第１
ストツパが作動板前面と係合を解除する段差の下
段案内面とから形成されている自動車搬送用早送
りコンベア装置に関るものである。

以下本考案の実施例を第２図乃至第６図によつ
て説明する。第２図及び第３図において、２ａは
片側前輪７ａを支持する前方スキツド、２ｂは片
側後輪７ｂを支持する後方スキツドであり、両方
とも同一平面の走行案内経路３を走行移動する。
４は前記走行案内経路３に沿つてスプロケツト１
０ａ，１０ｂにより周回移動するエンドレスのチ
エーンであり、９は正逆回転する駆動モータであ
る。

前記後方スキツド２ｂは、その上面に車輪止め
８が突設され、また前記チエーン４側の側部に作
動板１１が固設されている。この作動板１１はチ
エーン４に結合している。

前記前方スキツド２ａには、前記チエーン４側
の側部にブラケツト１３が突設され、このブラケ
ツト１３に前、後方スキツド２ａ，２ｂ間のピツ
チをホイールベースと対応する軸長の連結用のロ
ツド１２の前端が枢結されている。このロツド１
２の後端はホイールベース相当の距離で間隔を有
する後方スキツド２ｂの側方に延在する軸長であ
り、後端にはローラ１４と、前記作動板１１の前
面が係止する第１ストツパ１５及び作動板１１の
後面が係止する第２ストツパ１６が設けられてい
る。前記第２ストツパ１６は第１ストツパ１５よ
り高さを大きくしている。

前記ロツド１２の後端のローラ１４の走行案内
経路がスキツド２ａ，２ｂの走行案内経路３と並
行して設けられている。このローラ１４の走行案
内経路は、前方スキツド２ａが前進端に至る直前
までスキツドの走行案内経路３と同一平面の上段
案内面１７とし、前方スキツド２ａの前進端位置
でロツド１２上の第１ストツパ１５が作動板１１
の前面と係合を解除する段差を有する下段案内面
１８を形成し、上段案内面と下段案内面１８との
段差変更部にローラ１４のガイドレール１９を設
けた構成である。

上記構成よりなる本願考案装置の作動について
説明する。

前方スキツド２ａ及び後方スキツド２ｂの後退
端の原位置は第２図及び第３図で示すように、走
行案内経路３の後方位置でホイールベース相当の
距離で間隔を有し、ロツド１２上の第１ストツパ
１５及び第２ストツパ１６間に作動板１１が介在
係止している。

この原位置状態で前方スキツド２ａ上に前輪７
ａを支持し、また後方スキツド２ｂ上に後輪７ｂ
を支持する。そして、駆動モータ９を起動してチ
エーン４を第２図及び第３図において反時計方向
に周回移動させる。これにより作動板１１を介し
て後方スキツド２ｂが前進移動し、同時に作動板
１１が係止している第１ストツパ１５を介してロ
ツド１２により前方スキツド２ａも前進移動し、
車両を片輪スラツトコンベア１（第１図参照）方
向に早送りで搬送する。

この搬送過程は第４図で示すように、ロツド１
２の後端のローラ１４が上段案内面１７を走行し
ている間は前方スキツド２ａは後方スキツド２ｂ
の駆動力によつて所定のホイールベースの距離間
隔を保つて前進移動し、前方スキツド２ａが前進
端に位置したときには第５図で示すように、ロー
ラ１４は下段案内面１８に誘導される。これによ
つて、下段案内面１８の段差によりロツド１２の
後端部は下降変位し、第１ストツパ１５は作動板
１１の前面との係合を解除する。従つて、ロツド
１２を伝達媒体とする前方スキツド２ａの前進作
動が遮断し、後方スキツド２ｂのみが前進移動を
続行し、第６図に示すように後方スキツド２ｂの
前進端にて前輪７ａを前方スキツド２ａ上から片
輪スラツトコンベア１（第１図参照）に移動し、
車両は片輪スラツトコンベア１によつて早送りコ
ンベア装置より引き出されるのである。

早送りコンベア装置より車両が引き出された後
の原位置への復帰は、駆動モータ９が逆転作動
し、第６図の状態より後方スキツド２ａのみが先
ず後退移動し、作動板１１の後面が第２ストツパ
１６に当接係合してロツド１２を介して前方スキ
ツド２ａを後端移動させ、第５図、第４図の順の
移動過程を経て第２図及び第３図の原位置に戻さ
れるのである。

このように本考案によると、前後両輪を支持す
る一対のスキツドをホイールベースと対応する軸
長のロツドで連結し、前輪がスラツトコンベア上
に移載されるまで一定のピツチで早送り搬送する
ものであるから、前輪は脱輪することなく確実に
スラツトコンベア上に移載することができ、従来
のように前輪の脱輪防止用のフリーローラガイド
を不要とし、タイヤの摺接擦過傷等の品質を損う
不具合を解消する。

また、前、後方スキツドをロツドにて連結し、
一定ピツチを保つて早送り搬送し、前輪を前方ス
キツドよりスラツトコンベアに移載する手段とし
て、前方スキツドの側方に枢着されているロツド
の後端に設けられた第１ストツパに後方スキツド
の側方に固設されている作動板の前面を係合さ
せ、チエーンと結合されている後方スキツドの前
進動をロツドを介して前方スキツドに伝達し、前
方スキツドの前進端において、ロツドを下段案内
面にて第１ストツパが作動板前面と係合を解除す
るリフト量だけ下降動させ、前方スキツドを前進
端に置去りにして後方スキツドのみチエーン駆動
する構成であるから、簡単な構造により、前、後
方スキツドを所定位置まではホイールベースを保
つた一定のピツチで走行し、所定位置では分離し
て後方スキツド単独走行させて前輪をスラツトコ
ンベアに移動させることができる。

さらに、前、後方スキツドの後退原位置戻しは
ロツドの後端に設けた第１ストツパより高さの大
きい第２ストツパに後退移動する後方スキツドの
作動板の後面を係合し、ロツドを介して前方スキ
ツドを連動させるものであるから、後退の原位置
復帰動作で、後方スキツドはホイールベースと対
応するピツチとなり、次回に移載する車両の前後
輪の支持態勢とする作動サイクルの合理性を有す
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の平面図、第２図は本考案装
置の平面図、第３図は側面図、第４図、第５図及
び第６図は本考案装置の作動状態を示す側面図で
ある。 １……片輪スラツトコンベア、２ａ……前方ス
キツド、２ｂ……後方スキツド、３……走行案内
経路、４……チエーン、７ａ……前輪、７ｂ……
後輪、９……駆動モータ、１１……作動板、１２
……ロツド、１４……ローラ、１５……第１スト
ツパ、１６……第２ストツパ、１７……上段案内
面、１８……下段案内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の左右何れか一方の前後輪を受けて搬送
   する片輪スラツトコンベアに車両を移載する早送
   りコンベア装置であつて、前記スラツトコンベア
   端に直線的に連続し、全長に渡つて同一平面の走
   行案内経路を設置し、前記自動車の片側前、後輪
   をそれぞれ支持する一対の前、後方スキツドを前
   記走行案内経路上に走行移動可能に設け、前記走
   行案内経路の側方に走行案内経路に沿つて駆動装
   置により周回移動するエンドレスチエーンを配設
   し、前記後方スキツドの側部に前記チエーンと結
   合する作動板を固設し、前記前方スキツドの側部
   には前、後方スキツド間のピツチをホイールベー
   スと対応する軸長の連結用のロツドの前端を上下
   方向に回動可能に枢着し、このロツドの後端には
   ローラと、前記作動板の前面を係止する第１スト
   ツパと、作動板の後面を係止する前記第１ストツ
   パより高さの大きい第２ストツパとを設け、前記
   走行案内経路の側方には前記ロツド後退のローラ
   を案内する案内面が設けられ、この案内面は前方
   スキツドが前進端に至るまで走行案内経路と同一
   平面の上段案内面と、前方スキツドの前進端位置
   で前記第１ストツパが作動板前面と係合を解除す
   る段差の下段案内面とから形成されていることを
   特徴とする自動車搬送用早送りコンベア装置。