JPH0113346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は例えば同軸ケーブルとアンテナとの
間の接続に用いられる同軸コネクタに関し、特に
同軸コネクタの固定部に対して直角な面内で一端
部が回動できるようにした同軸コネクタにかかわ
る。

「従来の技術」 従来において例えばロツトアンテナについては
受信機匣体にユニバーサルジヨイント式に取付け
られ、アンテナ使用時には受信機の取付け面に対
して直角にアンテナを立て、アンテナを使用して
ない場合はアンテナを受信機の取付け面に沿わせ
るように倒したものがある。しかしアンテナを同
軸ケーブルで接続した、つまり同軸コネクタで接
続した場合においてはそのように回転自在にした
ものは見あたらない。また一般にほゞ直角に折曲
つたＬ字状の同軸コネクタにおいてもその一端部
に対し直角な面内で他端部を回動させることがで
きるものは見あたらない。しかしこのような回動
ができれば例えば電子機器より導出される同軸ケ
ーブルを必要に応じて導出角度を変えることがで
きれば頗る便利である。

「問題点を解決するための手段」 この考案によれば筒状の取付け用導体に、筒状
をＬ字状に曲げたＬ字状外導体の一端部が回動自
在に挿入保持され、そのＬ字状外導体の他端部内
に絶縁材の保持体が挿入固定され、その保持体に
はこれが挿入されたＬ字状外導体の中心軸上に中
心孔が形成され、その中心孔にコンタクトが挿入
保持されている。またそのコンタクトの内端部は
Ｌ字状外導体の折曲げ部に位置し、上記保持体
に、上記取付け用導体の中心線の延長上との一致
したピン挿入孔が形成され、その挿入孔の側にお
いてその中心線と平行して一対の接触部が上記コ
ンタクトと一体に形成されている。この一対の接
触部に中心導体の一端部が挿入されて弾性的に挾
まれて保持され、その中心導体の他端は、取付け
用導体内に保持された絶縁板に通されて保持され
ている。また取付け用導体及びＬ字状外導体の一
方に凸部が形成され、他方にこれと係合する凹部
が形成されてばねによりその係合状態が保持され
て角度位置固定手段が構成され、このばねの力に
抗して取付け用導体とＬ字状外導体とを回動する
ことにより前記角度位置固定手段における保持状
態の角度位置を変えることができ、つまり取付け
用導体に対してＬ字状外導体の他端部側を回動さ
せることができる。

「実施例」 次に図面を参照してこの考案による回転式同軸
コネクタの実施例を説明しよう。第１図に示すよ
うに筒状の取付け用導体１１が設けられ、この取
付け用導体１１の外周面に必要に応じて軸心方向
の中間部において一体に方形の取付板１２が一体
に形成されている。取付け用導体１１に対して筒
状体をほゞ直角に折曲げたＬ字状外導体１３の一
端部１４が回動自在に挿入保持される。Ｌ字状外
導体１３の他半部１５内に絶縁材の保持体１６が
挿入保持されている。保持体１６の内端はＬ字状
外導体１３の折曲げ部、つまり他半部１５の内端
面１７に対接されている。保持体１６の外側端部
は外導体の他半部１５の外端面よりも引つ込んで
おり、かつ保持体１６の外径は外導体の他半部１
５の内周径よりも小さくされてリング状の挿入溝
１８が形成されている。挿入溝１８内に相手同軸
コネクタの外導体が挿入される。

保持体１６の中心、つまりＬ字状外導体の他半
部１５の中心線上において中心孔１９が形成さ
れ、中心孔１９内にコンタクト２１が挿入保持さ
れる。このコンタクト２１の挿入溝１８側の端部
は第２図に示すようにホーク状のコンタクト本体
２２とされ、相手同軸コネクタの中心導体がホー
ク状コンタクト本体２２の間に弾性的に挿入され
て結合される。コンタクト２１は板状金属板によ
り構成され、コンタクト本体２２と反対側はＵ字
状に広げられ、そのＵ字の脚部の互に内側の側縁
は互に接近して折返されて対向する一対の接触部
２３ａ，２３ｂが一体に構成されている。この接
触部２３ａ，２３ｂが形成されたコンタクト２１
のＵ字状部の中央部はコンタクト本体２２側に切
込まれて切込み２４が形成されて一対の接触部２
３ａ，２３ｂの弾性が大とされている。

保持体１６には取付け用導体１１の中心線の延
長上においてこれと平行したピン挿入孔２５が形
成されている。即ち第１図及び第３図に示すよう
に保持体１６の内端面に取付け用導体１１の中心
線と平行してその中心線の延長上に達するピン挿
入孔２５が溝状に形成される。ピン挿入孔２５は
中心孔１９と連通され、ピン挿入孔２５の延長方
向中間部の両側に対向した凹部２６ａ，２６ｂが
連通して形成され、これら凹部２６ａ，２６ｂに
コンタクト２１の接触部２３ａ，２３ｂが位置さ
れると共に、接触部２３ａ，２３ｂの互に対向す
る部分はピン挿入孔２５内に僅か突出している。
溝状のピン挿入孔２５の底面の取付け用導体１１
と反対側の端に舌片２７が連結片２７ａを通じて
保持体１６と一体に連結されている。一方保持体
１６の内端面に広い浅い凹部２８が形成され、連
結片２７ａが折曲げられて凹部２８内に舌片２７
が嵌合されて溝状がピン挿入孔２５を開放面を塞
いでいる。このピン挿入孔２５の取付け用導体１
１側部分は取付け用導体１１に近づくに従つて大
きな孔となるテーパ面２５ａとされている。

取付用導体１１内にＬ字状外導体１３と反対側
において絶縁板３１が取付け用導体１１を塞ぐよ
うに取付けられる。例えば取付け用導体１１内に
リング状段部３２が形成され、段部３２に絶縁板
３１が対接され、取付け用導体１１の端部に一体
に形成された爪３３が外側から絶縁板３１に折曲
げられ絶縁板３１が取付け用導体１１にかしめ付
けられる。絶縁板３１の一面、例えば外面に導電
層３４を形成してシールド板とすることが好まし
い。絶縁板３１の中心に開けられた孔に中心導体
３５が挿入されて例えばかしめ付けにより絶縁板
３１に固定される。中心導体３５は取付け用導体
１１の中心線上に位置してその内端部はピン挿入
孔２５内に挿入され、かつ接触部２３ａ，２３ｂ
間に挿入されて接触部２３ａ，２３ｂにて弾性的
に挾まれて互に電気的に接続される。中心導体３
５の外端には必要に応じてこれが接続されるべき
導体が挿入される孔３６が形成されている。取付
け用導体１１とＬ字状外導体１３とは角度固定手
段によつて互の角度位置を変更できるように保持
される。このためこの例においては取付け用導体
１１の内周面の軸方向における中間部にリング状
鍔３７が一体に形成され、一方、Ｌ字状外導体１
３の挿入端部１４の大部分は鍔３７内に挿入され
るように外径が細くされており、その外径の細い
部分と他半部１５との間に段部３８が形成されて
いる。外導体の一端部１４上において段部３８と
鍔３７との間にコイルばね３９が介在され、コイ
ルばね３９によつて取付け用導体１１と外導体１
３とが互に抜ける方向に偏倚されている。

鍔３７の絶縁板３１側において取付け用導体１
１内にリング状ロツク板４１が挿入され、ロツク
板４１内に外導体１３の一端部１４の端部が挿入
され、その外端と一体の爪４２が外側に折返され
てロツク板４１とＬ字状外導体１３とが係合され
ている。この係合により取付け用導体１１と外導
体１３とはコイルばね３９の偏倚力に拘わらず互
に抜け出ない。

第５図に示すように取付け用導体の鍔３７の絶
縁板３１側の面は、その中心線に対し放射方向に
等角間隔で係合凹部４３が形成されている。一方
これに対してロツク板４１には鍔３７と対向する
部分に凸部４４がその中心線に対して放射方向に
延長したものが必要に応じて複数形成され、しか
もその凸部４４の間隔は係合凹部４３の何れかに
対し同時に係合できるような間隔とされている。
凹部４３と凸部４４とが互に係合され、ばね３９
によつてこの係合状態が保持されている。しかし
ばね３９の偏倚力に抗して取付け用導体１１をＬ
字状外導体の他半部１５側に近づけるように押す
と凹部４３と凸部４４との係合が外れて、Ｌ字状
外導体１３を取付け用導体１１の中心線を中心に
回動することができる。このようにして凹部４３
の形成角度位置で決る任意の適当な角度にＬ字状
外導体１３を回動させ、その位置を保持させるこ
とが可能である。この場合接触部２３ａ，２３ｂ
は中心導体３５を弾性的に挾んだ状態で中心導体
３５を中心にコンタクト２１が回動し、つまりＬ
字状外導体１３を取付け用導体１１に対して回動
することができ、しかもこれらの同軸状態が保持
される。ロツク板４１の内周面に曲り止め５１が
突出され、その曲り止め５１は外導体１３の爪４
２の間に位置し、ロツク板４１と外導体１３とは
回転的に互に結合される。

「考案の効果」 以上述べたようにこの考案の回転式同軸コネク
タによればＬ字状同軸コネクタを一半部、つまり
取付け用導体１１の軸心を中心に他半部１５を回
動させることができる。従つてアンテナと結合す
る同軸コネクタや、その他Ｌ字状の各種同軸コネ
クタに適用して頗る便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による回転式同軸コネクタの
一例を示す断面図、第２図はそのコンタクト２１
の拡大斜視図、第３図は第１図の保持体１６の拡
大斜視図、第４図はＬ字状外導体の斜視図、第５
図は取付け用導体の断面斜視図とロツク板４１と
の関係を示す第１図に対して反対側から見た斜視
図である。 １１：取付け用導体、１３：Ｌ字状外導体、１
６：保持体、１９：中心孔、２１：コンタクト、
２３ａ，２３ｂ：接触部、２５：ピン挿入孔、３
１：絶縁板、３５：中心導体、３９：コイルば
ね、４１：ロツク板、４３：凹部、４４：凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の取付け用導体と、その取付用導体に一端
   部が挿入され、その軸心を中心に回動自在に保持
   された筒状のＬ字状外導体と、そのＬ字状外導体
   の他端部内に保持され、中心孔を持ちＬ字状外導
   体の折曲げ部に上記取付け用導体の中心線の延長
   上にピン挿入孔が形成された絶縁材の保持体と、
   その保持体の上記中心孔に挿入保持され、上記ピ
   ン挿入孔の位置においてその両側に一体に形成さ
   れた一対の接触部を持つコンタクトと、上記取付
   け用導体内に保持された絶縁板と、その絶縁板に
   保持され、上記取付け用導体の中心線上に位置
   し、一端部が上記接触部に弾性的に挾まれて接触
   した中心導体と、上記取付け用導体及びＬ字状外
   導体の一方に凸部が、他方にその凸部と係合でき
   る凹部が形成され、その係合をばねで保持させる
   角度位置固定手段とを具備する回転式同軸コネク
   タ。