JPH0113030Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車または自動三輪車等の車体
フレーム構造に関わり、詳しくは車体フレームの
ステツプ取付部の構造に関するものである。

自動二輪車等の車両においては、悪路を走行す
る場合ライダがシート上に着座することなくステ
ツプ上に立つたまま走行することが多々ある。こ
のため、このような車両において、ステツプ取付
部は、ライダの全体重を支え得るに充分な強度を
有するように設計されており、従来では鍛造品に
よつて構成されるのが一般的である。

ところで、鍛造品は強度的に優れるという利点
を有する反面、高コストでかつ重量がかさむとい
う欠点を有しており、このような鍛造品によつて
構成されるステツプ取付部を有する車体フレーム
も、当然ながら、鍛造品が有する固有の欠点すな
わち高コストでかつ重量がかさむという欠点を有
している。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、コ
ストおよび重量の低減を図ることができる自動二
輪車等における車体フレームのステツプ取付部の
構造を提供することを目的とし、その特徴とする
ところは、車体フレームの下部に設けられるステ
ツプ取付部の構造であつて、ステツプを取り付け
るために車体フレーム本体に溶接されるステツプ
取付部材が、車体フレーム本体にあてがつたとき
同車体フレーム本体に端縁が全周接触する周壁部
と、この周壁部の車体フレーム本体とは逆側に設
けられた平坦部と、この平坦部に設けられたステ
ツプ連結部とを備えており、このステツプ取付部
材には、ボルト挿通孔が形成されているととも
に、このボルト挿通孔に対応した位置に、車体フ
レームに形成された孔に嵌合させられる前記ステ
ツプ連結部が突設され、このステツプ取付部材
が、前記ステツプ連結部が車体フレームの孔に嵌
合させられ、かつ、周壁部が車体フレーム本体に
接触させられた状態で全周溶接されて固定されて
いる点にある。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図および第２図は前１輪後２輪の鞍乗型自
動三輪車の全体の概略構成を示しており、図にお
いて符号１は車体フレーム、２はエンジン、３は
気化器、４はエアクリーナ、５は前輪、６は後
輪、７はハンドル、８はラジエータ、９は燃料タ
ンク、１０はシート、１１は排気チヤンバ、１２
はフロントフエンダ、１３はリヤフエンダであ
る。前記前輪５および後輪６は、内部圧力が低く
地面との接触面の広い低圧タイヤを備えている。

前記車体フレーム１は、第３図にも示すよう
に、ステアリングステム１４ａを回転自在に支持
するヘツドパイプ１４と、ヘツドパイプ１４の上
端から後方下向きに延びるメインフレーム１５
と、ヘツドパイプ１４の下端に接続されてそこか
ら後方下向きに延びるダウンパイプ１６と、ダウ
ンパイプ１６の下端に接続されてそこから左右そ
れぞれ後方下向きかつ下広がりに延びそこから後
方へ延びさらにわん曲して上方へ延びて前記メイ
ンパイプ１５の後端に接続されるアンダーパイプ
１７と、メインフレーム１５の後部に接続されて
そこから左右それぞれ後方へ延びるシートレール
１８と、シートレール１８の後部とアンダーパイ
プ１７の後方わん曲部１７ａとを接続する補強パ
イプ１９と、両アンダパイプ１７間およびシート
レール１８間に掛け渡されたクロスメンバ（図示
せず）とからなるフレーム本体２０を備えてお
り、同フレーム本体２０のヘツドパイプ１４、メ
インフレーム１５およびダウンパイプ１６の間に
は補強板２１が溶接接続され、またシートレール
１８とダウンパイプ１６との間にも補強板２２が
溶接されている。また前記アンダーパイプ１７の
後方わん曲部１７ａの外側にはステツプ取付部材
２３が取り付けられ、ステツプ取付部材２３には
連結部材２４を介してステツプＳが取り付けられ
ている（第２図参照）。

前記ステツプ取付部材２３は、鋼板をプレス加
工することによりつくられるものであつて、第４
図および第５図に示すように略４角形状の平坦部
２５と、平坦部２５の周部から平坦部２５に対し
て直交するように延びる横断面略ロ字状の周壁部
２６とからなる膨出部２７を備えている。平坦部
２５にはボルト挿通孔２８，２８が明けられてお
り、同平坦部２５の裏面（第５図中上面）にはナ
ツト（ステツプ連結部）２９，２９が前記ボルト
挿通孔２８に対して同一軸線上に位置するよう配
された状態で溶接により固定されている。そして
上述のステツプ取付部材２３は、周壁部２６の端
縁全周がアンダパイプ１７のわん曲部１７ａ外側
に当接するように形成されており、同端縁がアン
ダパイプのわん曲部１７ａ外側に当接した状態で
全周溶接されることにより、フレーム本体２０に
固定されている。またアンダーパイプ１７のわん
曲部１７ａの外側には孔１７ｂが形成されてお
り、ステツプ取付部材２３がアンダーパイプ１７
に取り付けられる際ナツト２９と干渉しないよう
になつている。

しかして、上記構成の車体フレームによれば、
鋼板をプレス加工することによりつくられたステ
ツプ取付部材２３を用いており、従来の鍛造品か
らなるステツプ取付部材を用いるものに比べて、
低コスト化および軽量化が図れる。また前記ステ
ツプ取付部材２３は膨出部２７を有しており、こ
の膨出部２７を構成する周壁部２６が互いに直交
していることおよび周壁部２６に対して平坦部２
５が直交していることから、ステツプ取付部材２
３自体が高い剛性を有している。しかもこの高い
剛性を有するステツプ取付部材２３が周壁部２６
端縁を全周溶接されてフレーム本体２０に一体的
に固定されているため、ステツプ取付部材２３は
より一層高い剛性を有することとなり、ひいては
ライダの全体重を支え得るに充分な強度が確保さ
れている。さらに、ナツト２９，２９が、アンダ
ーパイプ１７に形成されている孔１７ａに嵌合支
持されていることから、ステツプ取付部材２３を
フレーム本体２０に溶接する際の位置決めが容易
に行われて、溶接作業の簡素化が図られる。

一方、前記構成により、ナツト２９，２９を長
くすることができ、これによつて、ステツプを取
り付けた際の剛性が一層向上する。

なお上記実施例においては、本考案が自動三輪
車の車体フレームに適用された例について説明し
ているが、本考案はこれに限られることなく自動
二輪車あるいは鞍乗型の自動４輪車の車体フレー
ムにも勿論適用することができる。

以上説明したように本考案は、ステツプを取り
付けるために車体フレーム本体に溶接されるステ
ツプ取付部材が、車体フレーム本体にあてがつた
とき同車体フレーム本体に端縁が全周接触する周
壁部と、この周壁部の車体フレーム本体とは逆側
に設けられた平坦部と、この平坦部に設けられた
ステツプ連結部とを備えており、このステツプ取
付部材には、ボルト挿通孔が形成されているとと
もに、このボルト挿通孔に対応した位置に、車体
フレームに形成された孔に嵌合させられる前記ス
テツプ連結部が突設され、このステツプ取付部材
が、前記ステツプ連結部が車体フレームの孔に嵌
合させられ、かつ、周壁部が車体フレーム本体に
接触させられた状態で全周溶接されていることを
特徴とするもので、次のような優れた効果を奏す
る。

ステツプ取付部材として鋼板を用いているにも
かかわらず、鍛造品と同程度の強度が得られ、か
つ、コストおよび重量の低減を図ることができ
る。

ステツプ連結部を車体フレームに形成した孔に
嵌合させるようにしたから、これによつてステツ
プ取付部材の溶接時における位置決めが即座に行
え、これによつて、溶接作業の簡素化が図られ
る。

また、ステツプ連結部を車体フレームの内部ま
で延設することにより、その長尺化が図られ、こ
れに伴い、ステツプを取り付ける際の支持部を長
く取ることができ、したがつて、ステツプ取付後
の剛性を一層高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第
１図は自動三輪車の側面図、第２図はその平面
図、第３図は車体フレームの側面図、第４図は第
３図の円部の拡大図、第５図は第４図の−
線に沿う断面図である。 １……車体フレーム、１７……アンダーパイ
プ、１７ａ……わん曲部、１７ｂ……孔、２０…
…フレーム本体、２３……ステツプ取付部材、２
４……連結部材、２５……平坦部、２６……周壁
部、２７……膨出部、２８……ボルト挿通孔、２
９……ナツト（ステツプ連結部）、Ｓ……ステツ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレームの下部に設けられるステツプ取付
   部の構造であつて、ステツプを取り付けるために
   車体フレーム本体に溶接されるステツプ取付部材
   が、車体フレーム本体にあてがつたとき同車体フ
   レーム本体に端縁が全周接触する周壁部と、この
   周壁部の車体フレーム本体とは逆側に設けられた
   平坦部と、この平坦部に設けられたステツプ連結
   部とを備えており、このステツプ取付部材には、
   ボルト挿通孔が形成されているとともに、このボ
   ルト挿通孔に対応した位置に、車体フレームに形
   成された孔に嵌合させられる前記ステツプ連結部
   が突設され、このステツプ取付部材が、前記ステ
   ツプ連結部が車体フレームの孔に嵌合させられ、
   かつ、周壁部が車体フレーム本体に接触させられ
   た状態で全周溶接されていることを特徴とする自
   動二輪車等における車体フレームのステツプ取付
   部の構造。