JPH0112909B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 第１図は自動車の防盗装置に関する。

第１図は自動車の外観側面図であつて、フロン
トドアＤのドアアウトサイドハンドルＤ・Ｈの下
側部には、図外のドアロツク装置を車外側から施
解錠するためのキーシリンダ１を配設してある。
キーシリンダ１は第２図に示すように、シリンダ
ケース２をドアアウタパネルD₁にリテイニング
クリツプ５により抜止め固定してあり、該シリン
ダケース２内に組付けたシリンダ本体３の端部に
作動レバー４を装着してある。そして、この作動
レバー４とロツク装置６のキーレバー７とをロツ
ド８で連結し、図外のキープレートの操作により
シリンダ本体３を介して作動レバー４を施錠位置
又は解錠位置に回動することにより、ロツド８を
介してキーレバー７を作動し、ロツク装置６を
施、解錠するようにしてある。この例では作動レ
バー４を下向きに回動してキーレバー７を押下げ
るとロツク装置６を施錠し、作動レバー４を上向
きに回動してキーレバー７を引上げるとロツク装
置６を解錠するものとする。

ところで、前述のシリンダ本体３の端部と作動
レバー４との関係は、第３図示のようにシリンダ
本体３端部の外周に突起９を設ける一方、作動レ
バー４の取付孔４ａに該作動レバー４の施錠位置
と解錠位置とでなす作動角に略等しい角度で溝１
０を形成して、該溝１０を突起９と係合し、この
溝１０の長さ範囲で所要の遊びストロークをもつ
て作動レバー４を回動するようになつている。こ
れは、図外のキープレートにより、例えばシリン
ダ本体３を施錠方向に回動してロツク装置６を施
錠した後、キープレートを抜取るためにシリンダ
本体３を元の中立位置（第３図に示す位置）に戻
した場合に、作動レバー４の回動を伴わずに、つ
まり施錠位置のままにしてキープレートの抜取り
を行えるのである。また、このシリンダ本体３を
施錠位置から中立位置に戻した時には突起９が丁
度溝１０の上側止端部に係合する位置となつて、
ロツク装置６を解錠する時にはシリンダ本体３を
前述とは逆方向に回動すれば直ちに作動レバー４
を解錠方向に回動し、キーレバー７を引上げて解
錠を行うのである。（実開昭56−61654号公報、第
３図参照） ところが、このような従来の構造ではロツク装
置６を施錠し、キープレートを抜取つた時には前
述のように突起９と溝１０の上側止端部とが係合
状態にあり、このため、キーシリンダ１にロツク
装置６が解錠する方向に強引に力をかけるとドア
アウタパネルD₁が変形してキーシリンダ１がロ
ツク装置解錠方向に倒れるとロツク装置６が解錠
してしまうことがあり、防盗性に若干の問題があ
つた。

本発明はかかる従来の実状に鑑み、キーシリン
ダを強引にこじつて、キーシリンダが倒れてもロ
ツク装置が解錠することのないようにした防盗装
置を簡単な構造で提供することを目的とするもの
である。

前記目的を達成するため、本発明にあつてはシ
リンダ本体端部と作動レバーとの連結部分に、シ
リンダ本体中心の作動レバー解錠方向への移動に
対して、該作動レバーがロツドの軸線上に揃う位
置に回動し得る遊びストロークを設定すると共
に、作動レバー端が上記連結部に対してアウタパ
ネル側へオフセツトしてある。

以下、本発明の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

即ち、本発明にあつては第４図に示すように、
シリンダ本体３の端部に作動レバー４を連結し、
例えば該作動レバー４をシリンダ本体３を介して
下方に施錠位置まで回動することによりロツド８
を介してキーレバー７を作動してロツク装置６を
施錠し、逆に作動レバー４を上方に解錠位置まで
回動することにより前記キーレバー７を引上げて
ロツク装置６を解錠するようにした構成にあつ
て、前記シリンダ本体３端部と作動レバー４との
連結部分に、シリンダ本体３中心の作動レバー４
解錠方向への移動に対して、該作動レバー４が該
ロツド８の軸線上に揃う位置に回動し得る遊びス
トロークＳを設定してある。本実施例では、前記
シリンダ本体３端部と作動レバー４との関係を、
シリンダ本体３端部の外周に突起９を形成する一
方、作動レバー４の取付孔４ａに該作動レバー４
の施錠位置と解錠位置とでなす作動角等しい角度
で溝１０を形成して、これら溝１０と突起９を係
合させているため、この溝１０を解錠位置方向へ
延長して前記所定の遊びストロークＳを設定して
いる。また、本実施例ではこの遊びストロークＳ
をキーシリンダ１、従つて、シリンダ本体３中心
が直上に移動させられる場合を想定して、該シリ
ンダ本体中心の直上移動に対して作動レバー４が
ロツド８の軸線上に揃う位置に回動し得る長さと
してある。

以上の実施例構造によれば、作動レバー４を施
錠位置に回動してロツク装置６をロツクした後、
シリンダ本体３を中立位置に戻して図外のキープ
レートを抜止つた状態にある時に、キーシリンダ
１に外部よりロツク装置６が解錠する方向、従つ
て、本実施例ではシリンダ本体３端部中心が例え
ば直上に移動する方向に強引に力が作用した場合
（２点鎖線で示す）、該シリンダ本体３端部中心が
直上に移動しても、作動レバー４が遊びストロー
クＳの存在によりロツド８の軸線上に揃う位置に
回動するためロツド８の牽引、即ち、キーレバー
７の引上げが伴うことがなく、従つて、ロツク装
置６の不当な解錠を回避することができるのであ
る。

第５図はキーシリンダ１を外部よりこじり操作
し易い45゜斜め上方にシリンダ本体３が移動され
る場合を想定して遊びストロークＳを設定したも
ので、この場合も該遊びストロークＳをシリンダ
本体３中心の45゜斜め上方の移動（２点鎖線で示
す）に対して作動レバー４がロツド８の軸線上に
揃う位置に回動し得る長さとしてある。この場
合、第４図に示す実施例に較べて遊びストローク
Ｓを小さくすることができる。

また、前記何れの実施例の場合にあつても、不
当な外力によつてキーシリンダ１はドアアウタパ
ネルD₁貫通部分を中心としてこじり倒れるため、
第６図に示すように作動レバー４のロツド８との
連結点を、作動レバー４とシリンダ本体３との連
結点よりも適宜量ｌだけドアアウタパネルD₁側
にオフセツトさせているため、シリンダ本体３の
倒れによるロツド８の解錠側への移動を小さくす
ることができてより効果的である。

以上は、作動レバー４を下側へ回動するとロツ
ク装置が施錠するものについて述べたが、作動レ
バー４を上側へ回動するとロツク装置が施錠する
ものについても本発明を同様に適用することがで
き、この場合、溝１０を前記各実施例と逆の方向
に延長して所定の遊びストロークを設定すればよ
い。

以上のように本発明によれば、シリンダ本体の
不当な解錠方向へのこじり倒しによつても、作動
レバーがロツドの軸線上に揃う位置に回動するま
ではロツドの解錠方向への移動がなく、さらに、
作動レバー端をアウタパネル側にオフセツトして
いるのでロツドの解錠方向の移動が小さく、ロツ
ク装置を解錠するには更にそれ以上にシリンダ本
体をこじり倒さなければならず、実際にはアウタ
パネルに固定したキーシリンダを外部より大きく
こじり倒すことは不可能であり、従つて、ロツク
装置の不当な解錠を阻止して高い防盗効果が得ら
れると共に、操作性の悪化しない程度の遊びスト
ロークを設定できる等の絶大なる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外観側面図、第２図は通常の
キーシリンダとロツク装置との関連構成を示す第
１図Ａ−Ａ線に沿う断面図、第３図は第２図の
矢視図、第４図は本発明の一実施例を示す第３図
と同様の図、第５図は同異なる例を示す第３図と
同様の図、第６図は第３図の側面図である。 １……キーシリンダ、２……シリンダケース、
３……シリンダ本体、４……作動レバー、６……
ロツク装置、７……キーレバー、８……ロツド、
D₁……アウタパネル、Ｓ……遊びストローク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アウタパネルに固定したキーシリンダのシリ
   ンダ本体端部に作動レバーを連結し、該シリンダ
   本体を介して作動レバーを施錠位置と解錠位置と
   に回動して、前記作動レバー端に連結したロツド
   を介してロツク装置を施、解錠するようにした構
   成にあつて、前記シリンダ本体端部と作動レバー
   との連結部分に、シリンダ本体中心の作動レバー
   解錠方向への移動に対して、該作動レバーがロツ
   ドの軸線上に揃う位置に回動し得る遊びストロー
   クを設定すると共に、作動レバー端を上記連結部
   分に対してアウタパネル側にオフセツトしたこと
   を特徴とする自動車の防盗装置。