JPH0124294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、防盗性に優れた自動車用ドアロツク
のロツクノブ装置に関する。

（従来の技術） 一般に、この種のドアロツクのロツクノブ装置
として、第１図に示す如く全体の形状が直方体で
あるノブ本体１の下部１ａを、ドア内部に配設さ
れたドアロツク（図示略）に連結された連結ロツ
ド２の上端に螺着すると共にグロメツト３に摺動
自在に挿通させることによつて、ドア車室内側の
ドアウエストライン上端部側に上下に摺動自在に
配設し、ドア車室内側のドアウエストライン上に
突出するノブ本体１の摘部１ｂをドアロツクの施
解錠機構のターンオーバースプリング（図示略）
のバネ力に抗して実線及び二点鎖線で示すような
位置に上下動させることにより、連結ロツド２を
介してドアロツクの施解錠機構を解錠することが
出来るようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のような装置においては、ドア内部に埋没
している下部１ａの下端にノブ本体１の作動方向
と直角をなす平坦部１ｃを形成している為、ドア
のウエザーストリツプをめくりあげて、先端をＵ
字状に曲げて針金等で作つた不正具４をドア内部
に侵入させて、その先端をノブ本体１の平坦部１
ｃに係合させることによつて、ノブ本体１を上方
に押し上げることができ、ドアロツクの施解錠機
構を簡単に解錠されてドアが開けられてしまう欠
点がある。これは、前述したようにノブ本体１の
下部１ａに不正具４が係合し易い平坦部１ｃが形
成されている結果である。

そこで、第２図に示す如く、グロメツト３の下
部に遮蔽板３ａを設けると共に、この遮蔽板３ａ
に設けたガイド穴３ｂに連結ロツド２を挿通し
て、不正具４がノブ本体１の下部１ａに侵入する
のを遮蔽板３ａにより阻止するようにして、防盗
性の向上に努めた構成のものもある。ところが、
このような構成にあつては、グロメツト３の形状
が複雑且つ大型になり、また、グロメツト３、ノ
ブ本体１等の組付けが面倒になる等の欠点を有す
る。

本考案は、上述のような従来の欠点に鑑み、ノ
ブ本体の下部の形状を変えることによつて、防盗
性に優れた自動車用ドアロツクのロツクノブ装置
を提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成する為に本考案は、ドアの室内
内側に上下に摺動自在に配設されるノブ本体の下
部を、ドア内部に配設されたドアロツクに連係
し、該ノブ本体を上下に作動させることにより、
該ドアロツクの施解錠機構を解錠、施錠させるよ
うにしたドアロツクのロツクノブ装置において、
前記ノブ本体の下部外周面に、下方に向かつて外
周を漸減するテーパー状の滑り面を形成して、前
記ノブ本体の下端部に該ノブ本体の作動方向と直
角をなす平坦部を全く形成しないことを特徴とし
ている。

（作用） 本考案においては、ノブ本体の下部の外周面に
は、その作動方向即ち上下方向と直角をなす平面
部は全て削除され、下方に向つて外周形状が漸減
するテーパー状の滑り面が形成されている。

而して、先端をＵ字状に曲げて針金等で作つた
不正具をドアのウエザーストリツプをめくりあげ
てドア内部に侵入させて、その先端をノブ本体の
下部に係合させてノブ本体を上方に押し上げよう
としても、ノブ本体の下部には、不正具の先端の
引つ掛け代となる平坦部は全く形成されていない
ので、不正具の先端はテーパー状の滑り面上を滑
り、ノブ本体を解錠位置に押し上げることは出来
ない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。尚、従来と同一の構成部品には、同一の符号
を付与する。

第３図及び第４図において、ノブ本体１は、そ
の下部１ａに穿設したネジ孔１ｄを、下端がドア
内部に配設されたドアロツク（図示略）に連結さ
れた連結ロツド２の上端のネジ部２ａに螺着し
て、ドア車室内側のウエストライン上端部側に嵌
着されるグロメツト３内に上下摺動自在に配設さ
れる。このノブ本体１の上部に形成されてドア車
室内側に突出する摘部１ｂをドアロツクの施解錠
機構のターンオーバースプリング（図示略）のバ
ネ力に抗して上方に摘み上げることにより、ドア
ロツクの施解錠機構は解錠され、逆に下方に押し
下げることにより施解錠機構はドアの車内外に設
けた解放ハンドル（図示略）を解除操作してもド
アを開けることができない施錠状態となる。ノブ
本体１の下部１ａの外周面には、その作動方向即
ち上下方向と直角な平坦部は全て削除され図示の
如く下方が細くなるテーパー状の滑り面１ｅが形
成されている。

而して、先端をＵ字状に曲げて針金等で作つた
不正具４をドアのウエザーストリツプ（図示略）
をめくりあげてドア内部に侵入させて、その先端
をノブ本体１の下部１ａに係合させてノブ本体１
を上方に押し上げようとしても、不正具４の先端
はテーパー状の滑り面１ｅ上を滑り、ノブ本体１
を解錠位置に押し上げることは出来ない。

尚、ノブ本体１の形状は前記の実施例に限定さ
れるものではなく、第５図の如く全体形状が円柱
状のものであつても良い。この場合は、ノブ本体
１の下部１ａ外周面に形成される滑り面１ｅは略
円錘形となる。

（考案の効果） 以上、本考案によれば、単にノブ本体の下部の
形状を変更して、ノブ本体の作動方向と直角をな
す平坦部を全く形成しないテーパー状の滑り面を
形成するだけの簡単な構成で、防盗性が著しく向
上し、しかもグロメツトその他の部品を変更する
ことなく、又、部品点数を追加することもないの
で、安価であり、組み付け性を損なうようなこと
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すノブ本体の一部断面図、
第２図は他の従来例を示すノブ本体及びグロメツ
トの断面図、第３図は本考案の実施例を示す正面
図、第４図は斜視図、第５図は本考案の他の実施
例を示す斜視図である。 １……ノブ本体、１ａ……下部、１ｂ……摘
部、１ｅ……滑り面、２……連結ロツド、３……
グロメツト、４……不正具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアの車室内側に上下に摺動自在に配設される
   ノブ本体の下部を、ドア内部に配設されたドアロ
   ツクに連係し、該ノブ本体を上下に作動させるこ
   とにより、該ドアロツクの施解錠機構を解錠、施
   錠させるようにしたドアロツクのロツクノブ装置
   において、前記ノブ本体の下部外周面に、下方に
   向かつて外周を漸減するテーパー状の滑り面を形
   成して、前記ノブ本体の下端部に該ノブ本体の作
   動方向と直角をなす平坦部を全く形成しないこと
   を特徴とする自動車用ドアロツクのロツクノブ装
   置。