JPH0111746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は織機における緯糸測長装置に関するも
のである。

従来技術 従来、無杼織機、特に物体噴射式織機における
緯糸測長装置として、フレームに支承された回転
支持軸の先端部に対し、緯糸測長部体を相対回転
可能に支承し、前記フレームと緯糸測長部体との
対向面には所定間隔をおいて磁石を取着すること
により緯糸測長部体を静止状態に保持し、さらに
前記回転支持軸には前記磁石の間隔を通過しつつ
緯糸測長部体の外周に緯糸を巻付けるようにした
糸巻付管を支持し、緯入れ時には緯糸測長部体外
周に巻付貯留された一定量の緯糸を引出すように
したものが提案されている。

ところが、上記従来の緯糸測長装置は磁石の相
互吸引力によつて緯糸測長部体を静止状態に保持
しているので、磁石の間隔を小さくするのが望ま
しく、このため糸巻付管の径が制限されて糸巻付
管内に風綿が付着して緯糸の通過を妨害し、糸切
れが発生し易いという欠陥があつた。

考案の目的 本考案は上記目的を解消するために成されたも
のであつて、その目的は磁石による緯糸測長部体
を静止位置に保持する機能を低下させることな
く、糸巻付管内に風綿が堆積するのを防止し、糸
切れをなくすことができる織機の緯糸測長装置を
提供することにある。

考案の構成 本考案は、糸巻付管の少なくとも磁石と対応す
る部分を偏平に形成し、前記糸巻付管の偏平部
と、その他の部分の通路断面積をほぼ同一に形成
したことを要旨とするものである。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明すると、織機のサイドフレーム１上
端にはラジアルベアリング２を介して回転支持軸
３が回転可能に貫通装着されており、同支持軸３
にはチーズ等の緯糸供給部（図示略）から供給さ
れる緯糸Ｙを導く緯糸案内孔３ａがその軸心に沿
つて設けられている。回転支持軸３の基端側には
歯付プーリ４が固着されており、同プーリ４には
タイミングベルト５が掛装されている。同ベルト
５は織成動作と同期して駆動され、回転支持軸３
を回転させるものである。

回転支持軸３の中間部には糸巻付管６が前記緯
糸案内孔３ａに連通するように取着されており、
その先端が後述する糸巻付面近傍に開口されてい
る。回転支持軸３の先端側には支持体７が相対回
転可能に支持されており、その前面（第１図にお
いて右側）には円盤上の支持板８が固着されてい
る。又、同支持板８前面にはドラム９が取着され
ている。

ドラム９の上側には支持板８に取着された巻取
片１０が設けられている。同巻取片１０の付近に
はドラム９から交互に出没する一対の第１，２緯
糸係止ピン１１，１２が設けられている。両緯糸
係止ピン１１，１２はいずれも回転支持軸３に連
係された図示しないカム機構によつて出没される
ようになつている。第１緯糸係止ピン１１は巻取
片１０の傾斜面１０ａから出没され、第２緯糸係
止ピン１２は巻取片１０の水平面１０ｂから出没
されるようになつている。

支持板８の周縁部前面には円弧状の調整台１３
が複数（本実施例においては３つ）設けられてお
り、各調整台１３には複数（本実施例においては
４本）の調整ピン１４が取着されている。各調整
台１３は段差を有する案内溝８ａに沿つて、ねじ
１５及びナツト１６により位置調節可能に設けら
れている。又、各調整ピン１４は巻取片１０の傾
斜面１０ａに対応する傾斜部１４ａと、水平面１
０ｂに対応する水平部１４ｂとからなつている。
そして、巻取片１０と複数の調整ピン１４とによ
つて糸巻付面を形成する緯糸測長部体が形成され
ている。

前記サイドフレーム１の前面及び支持板８の裏
面にはそれぞれ取付板１７，１８が固着され、両
取付板１７，１８には互いに吸引関係にある磁石
１９，２０が対向して設けられている。従つて、
タイミングベルト５が駆動されて回転支持軸３が
回転されると糸巻付管６が同支持軸３と一体的に
回転するとともに、磁石１９，２０の吸引作用に
より支持板８が回転することなく静止状態に保持
される。

前記一対の磁石１９，２０の間隔Ｌは小さいほ
ど相互吸引力が強くなつて、ドラム９の静止状態
を安定化することができる。従つて、この考案に
おいては前記磁石１９，２０と対応する糸巻付管
６に対し第５図に示すように、ほぼ楕円筒状の偏
平部６ａを形成し、該糸巻付管６の通路断面積を
どの部位も一定に保持しつつ、磁石１９，２０の
間隔Ｌを狭くすることにより、ドラム９を安定し
て静止状態に保持している。又、糸巻付管６の通
路断面積がどの部位も同じであることから偏平部
６ａにおける空気の通過もスムーズになり風綿の
付着がなく、緯糸の通過もスムーズになつて緯入
れミスを少なくすることができる。

タイミングベルト５が織成動作と同期して駆動
され、糸巻付管６が静止状態にある支持板８の周
りを回転すると、糸供給部から緯糸案内孔３ａ及
び糸巻付管６を通つて供給される緯糸Ｙが突出状
態にある第１緯糸係止ピン１１によつて係止され
ながら傾斜面１０ａ及び傾斜部１４ａ上に巻付測
長される。緯糸Ｙが１回の緯入れ長さ分だけ巻付
測長されると第１緯糸係止ピン１１がドラム９内
に没入し、巻付測長された緯糸Ｙが傾斜面１０ａ
及び傾斜部１４ａから水平面１０ｂ及び水平部１
４ｂへ移行する。そして、この緯糸Ｙは突出状態
にある第２緯糸係止ピン１２によつて係止され、
水平面１０ｂ及び水平部１４ｂ上に一旦測長され
る。この巻付け測長された緯糸Ｙは第２緯糸係止
ピン１２が緯入れタイミングに同期して没入され
ると、前記緯糸測長部体から引出され緯入れされ
る。

効 果 以上詳述したように、本考案によると次の特有
の効果を奏する。

(イ) 対向する両磁石間の間隔は狭いので、両磁石
による緯糸測長部付体の静止位置での保持を効
果的に行ない得る。

(ロ) 糸巻付管の通路断面積がどの部位も同じであ
るので、偏平部における空気の流れ及び糸の通
過を円滑に保持でき、風綿の堆積がなく、糸切
れ等の緯入れミスを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した一実施例を示す略
体側断面図、第２図は同じく正面図、第３図は糸
巻付管の正面図、第４図は同じく平面図、第５図
は第３図のＡ−Ａ線拡大断面図である。 回転支持軸３、糸巻付管６、偏平部６ａ、磁石
１９，２０。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレームに支承された回転支持軸の先端部に対
   し、緯糸測長部体を相対回転可能に支持し、前記
   フレームと緯糸測長部付体との対向面には磁石を
   所定間隔をおいて止着することにより緯糸測長部
   体を静止状態に保持するように構成し、さらに前
   記回転支持軸には前記磁石の間隔を通過しつつ緯
   糸測長部体外周に緯糸を巻付ける糸巻付管を装着
   した織機の緯糸測長装置において、 前記糸巻付管の少なくとも磁石と対応する部分
   を偏平に形成し、前記糸巻付管の偏平部と、その
   他の部分の通路断面積をほぼ同一に形成したこと
   を特徴とする織機の緯糸測長装置。