JPH0110875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電熱器具におけるヒーターの熱板へ
の仮止め構造に関するものであつて、特に上面に
熱板を有し、該熱板上にマグカツプやテイーサー
バー等を載置して保温する電熱器具における構造
に関するものである。

従来の技術 従来この種の電熱器具は、中央部に開口を形成
した枠体に、その開口の下方から熱板を取付け、
その熱板の下面にマイカヒーターを取付け、さら
に枠体の下部を底体で覆つたものであつた。そし
て枠体の開口から露出した熱板の上にマグカツプ
やテイーサーバー等を載置し、これを保温するよ
うになつている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながらこの構造のものにあつては、枠体
と底体とほゞ同程度の大きさの成型部品が必要で
あり、部品点数が多く組立て作業が繁雑であつ
て、コスト高となる欠点があつた。また枠体が大
きな開口を有しているので、機械的強度に劣り、
使用中に熱板の熱により枠体に歪みが生じ、組立
てに狂いが生じることもあつた。

そのため、枠体と底体とを一体に成型して本体
を構成し、該本体の上から熱板を取付けることに
より、前述のような問題点を解決することが考え
られている。しかしながらこのようにするとと、
熱板を本体に取付ける際には、本体と熱板との間
の空所はほとんど密閉された状態となり、該空所
内の各部品の位置決めなどの操作をすることがで
きないという問題が生じる。

従つて、予めヒーター等を熱板に取付けておく
ことが必要であるが、その取付作業が複雑になつ
たのでは、かえつて作業性が悪くなり、コスト高
になりかねない。

本考案はかかる事情に鑑みなされたものであつ
て、極めて構造が簡単で且つ容易に取付けること
ができ、しかも熱板を容易に本体に取付けること
ができ、取付けた際にはヒーターが確実に熱板に
密着することのできる仮止め構造を提供すること
を目的とするものである。

問題点を解決する手段 而して本考案は、熱板の裏面中央に略「コ」字
状の取付け金具を固着し、該取付け金具の頂面に
少なくともその一方の端縁に開いた切込み又はス
リツトを形成し、前記熱板の裏面に、前記取付け
金具を嵌合する透孔を設けたマイカヒーター及び
ヒーター押え板を重ね、前記取付け金具の頂面
に、ばね板を略「Ｕ」字状に曲げその熱板に近い
側のばね板にねじ孔を形成すると共に他方のばね
板には前記ねじ孔に合わせて透孔を穿設したクリ
ツプを係止し、該クリツプの一部を前記ヒーター
押え板に係合せしめると共に、前記ヒーター押え
板には押えばねを仮止めしたことを特徴とするも
のである。

以下本考案を図面に従つて説明する。図面にお
いて１は電熱器具本体であつて、底面２の周囲に
枠部３が形成され、浅い凹所４が形成された略皿
状となつている。また枠部３の一部には張出し部
５が形成され、該張出し部５は裏面が開いてコー
ド収納部６が形成され、その裏面は底カバー７で
覆われている。このコード収納部６と前記凹所４
とは、連通口８で通じている。９は張出し部５を
貫いて設けられた把持用及び引掛け用の透孔であ
り、１０は脚である。

１１は熱板である。該熱板１１は上面が平面状
であつて、前記電熱器具本体１の凹所４を覆い、
その外周に形成された曲げ部１２が、枠部３上面
に刻設された環状溝１３に嵌合されている。

熱板１１の裏面には、マイカヒーター１４及び
ヒーター押え板１５が取付けられている。熱板１
１の裏面中央には断面「コ」字状の取付け金具１
６が固着されており、該取付け金具１６の頂面１
７には一端縁に開いた切込み１８が形成されてい
る。なおこの切込みに代えて、両端縁に開いたス
リツトを形成してもよい。一方前記マイカヒータ
ー１４及びヒーター押え板１５には、それぞれそ
の中央に前記取付け金具１６が嵌合する透孔１
９，２０が穿設されており、該透孔１９，２０の
一縁からは、前記切り込み１８に嵌合する突起２
１，２２が突設されている。

前記取付け金具１６は透孔１９，２０を貫通し
て下方に突出し、その頂面１７にはクリツプ２３
が係止されている。該クリツプ２３は、ばね板を
略「Ｕ」字状に彎曲させたものであつて、その熱
板１１に近い側のばね板２４にはねじ孔２５が形
成され、他方の側のばね板２６には、前記ねじ孔
２５に合わせて透孔２７が穿設されている。また
前記ばね板２４の先端は、熱板１１に近付く方向
に彎曲せしめられている。

而してこのクリツプ２３は、前記取付け金具１
６の頂面１７の一方の端縁から係止され、ばね板
２４と２６との間に頂面１７を挾持している。そ
の結果、取付け金具１６の切込み１８がクリツプ
２３で塞がれ、マイカヒーター１４及びヒーター
押え板１５の突起２１及び２２が取付け金合１６
の切込み１８から脱落することができず、またヒ
ーター押え板１５がばね板２４の先端で押えら
れ、マイカヒーター１４及びヒーター押え板１５
はクリツプ２３に係合されて、熱板１１に仮止め
されるのである。

２８は押えばねであつて、基部２９の中央に透
孔３０が穿設されている。基部２９の両端は、熱
板１１に近付く方向に斜めに延長されて延長部３
１が形成され、また両側部には脚部３２が形成さ
れている。前記ヒーター押え板１５には押え板３
３が絞り起こされ、該押え片３３に前記延長部３
１の先端が係止されて仮止めされている。

３４は、底部２上に載置された熱線反射板であ
り、３５は、底部２の裏面に貼付けられた遮熱板
である。

３６は電源コードであつて、前記張出し部５の
コード収納部６に固定され、パイロツトランプ３
７及び、前記連通口８を通してマイカヒーター１
４に接続されている。

作 用 而して本考案においては、マイカヒーター１４
及びヒーター押え板１５の透孔１９，２０に熱板
１１の取付け金具１６を嵌合して、熱板１１の裏
面にマイカヒーター１４及びヒーター押え板１５
を当て、取付け金具１６の頂面にクリツプ２３を
係止して、マイカヒーター１４及びヒーター押え
板１５を熱板１１に仮止めする。さらに押えばね
２８の延長部３１をヒーター押え板１５の押え片
３３に係止して、押えばね２８をヒーター押え板
１５に仮止めする。

この状態においては、マイカヒーター１４、ヒ
ーター押え板１５及び押えばね２８は、多少ガタ
はあるものの、熱板１１に対して保持され、熱板
１１と一体として電熱器具本体１に組立てること
ができる。

そしてこのマイカヒーター１４、ヒーター押え
板１５及び押えばね２８を仮止めした熱板１１を
電熱器具本体１上の所定の位置に載置し、電熱器
具本体１の裏面からビス３８で固定する。ビス３
８は、押えばね２８の透孔３０、クリツプ２３の
透孔２７及び取付け金具１６の切込み１８を貫通
し、クリツプ２３のねじ孔２５に螺合され、熱板
１１を下方に締付けると共に、底部２によつて押
えばね２８の延長部３１及び脚部３２を介して、
ヒーター押え板１５及びマイカヒーター１４を上
方に押し上げ、マイカヒーター１４を熱板１１に
密着させ、各部品間のガタ付きをなくしてしつか
りと組立てるのである。

考案の効果 本考案によれば、マイカヒーター１４、ヒータ
ー押え板１５及び押えばね２８が、クリツプ２３
によつて極めて簡単な操作で熱板１１に仮止めさ
れる。従つてこれらの各部品を熱板１１と一体の
ものとして取扱い、電熱器具本体１上に載置する
ことができる。そしてクリツプ２３のねじ孔２５
を利用して一本のビス３８によつて熱板１１及び
その付属部品を電熱器具本体１に固定することが
でき、組立て作業が極めて簡単になり、作業性が
良好である。

また電熱器具としても、その外装体は本体１の
他に小さい底カバー７を必要とするだけであつ
て、部品点数が少なく成型コストが安く、また従
来のもののように枠体と底体とを固定する作業を
必要とせず、組立てコストが安くなる。また底部
２と枠部３とが一体であるので、電熱器具本体１
の機械的強度が大きく、また使用中に熱により歪
みが生じることもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を適用した電熱器具を示すもので
あつて、第１図は一部を切り欠いて示した平面
図、第２図は第１図における−断面図、第３
図は分解斜視図である。 １１……熱板、１４……マイカヒーター、１５
……ヒーター押え板、１６……取付け金具、１７
……頂面、１８……切込み、１９，２０……透
孔、２３……クリツプ、２４，２６……ばね板、
２５……ねじ孔、２７……透孔、２８……押えば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱板１１の裏面中央に略「コ」字状の取付け金
   具１６を固着し、該取付け金具１６の頂面１７に
   少なくともその一方の端縁に開いた切込み１８又
   はスリツトを形成し、前記熱板１１の裏面に、前
   記取付け金具１６を嵌合する透孔１９，２０を設
   けたマイカヒーター１４及びヒーター押え板１５
   を重ね、前記取付け金具１６の頂面１７に、ばね
   板を略「Ｕ」字状に曲げその熱板１１に近い側の
   ばね板２４にねじ孔２５を形成すると共に他方の
   ばね板２６には前記ねじ孔２５に合わせて透孔２
   ７を穿設したクリツプ２３を係止し、該クリツプ
   ２３の一部を前記ヒーター押え板１５に係合せし
   めると共に、前記ヒーター押え板１５には押えば
   ね２８を仮止めしたことを特徴とする、電熱器具
   の熱板へのヒーターの仮止め構造。