JPH0110547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パイプの接続装置に関するもので
ある。

従来、パイプの対向端を接続する場合、片方パ
イプのフランジに設けてある締付具（ボルトにナ
ツトをねじ込んだもの）の挿通孔と、残る片方パ
イプのフランジに設けてある締付具の挿通孔とを
合致させ、そして、各挿通孔に締付具を挿通して
締付ける。

しかしながら、挿通孔が合致しないとき、片方
のパイプを回動させなければならないので、多く
の人手を必要とし、かつ手数がかかる問題があつ
た。

そこで、実開昭52−75919号公報のように対向
するフランジの片方のみを回動させながら、両フ
ランジの挿通孔を合致させるようにして、上述の
問題を解消したパイプの接続がある。

この公知のパイプの接続装置は、パイプの末端
にパイプの先端が嵌入する大径部を設けると共
に、この大径部の外周に上記大径部から連なつて
突出する固定フランジを設け、また、パイプの先
端部外側に内周の環状溝と外周の環状突条との嵌
合により定位置で回動する可動フランジを設け、
さらに、固定フランジと可動フランジとの周縁等
間隔位置にボルトとナツトとから成る締付具の挿
通孔を設け、接続に際し可動フランジを回動させ
ながら、上記可動フランジの挿通孔と固定フラン
ジの挿通孔とを一致させるようになつている。

このような構造によると、パイプと可動フラン
ジとの同時鋳込み、或は前もつて製造された可動
フランジを配置してパイプを鋳込んだとき、環状
溝に嵌り込む環状突条のガス抜きをスムーズに行
むうことができないので、鋳込み時の上記環状突
条の最上位部分に巣が発生して欠損したり、或は
肉厚がやせる等の問題があつた。

また、環状溝により環状突条を完全に被つてい
るので、環状突条の不良を発見することができな
い問題もあつた。

この考案は、環状突条のガス抜きをスムーズに
行なうようにし、また、環状突条の不良を発見し
やすいようにして、上述の問題を解消することを
目的としている。

この考案は、パイプの末端にパイプの先端が挿
入するよう設けた大径部と、この大径部から連な
つて突出するよう設けた固定フランジと、パイプ
の先端部外側に回動自在に設けた環状の可動フラ
ンジと、この可動フランジの前記固定フランジの
反対側周面等間隔位置から突出させた複数の突出
体と、この各突出体のパイプ外周と対向する面に
設けた溝と、この溝に嵌入するようパイプの外周
面から連なつて突出させた環状突条と、上記可動
フランジと固定フランジとの周縁等間隔位置にボ
ルトナツトとから成る締付け具を貫通させるよう
設けた挿通孔を設けたパイプの接続装置を提供す
る。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図において、１は鋳込みにより製造されたパイ
プであつて、このパイプ１の末端には、パイプ１
の先端が嵌入する大径部２が設けられている。

また、上記大径部２の外周には、大径部２から
連なつて突出する固定フランジ３が設けられてい
る。

さらに、パイプ１の先端部外側に環状の可動フ
ランジ４を配置すると共に、この可動フランジ４
の片面に所定の間隔を存して設けた複数個の突出
体５の内縁には、パイプ１の外周から連ねて突出
する環状突条６が嵌り込む溝７が設けられてい
る。

また、固定フランジ３と可動フランジ４との周
縁等間隔位置には、互に一致するボルトとナツト
とから成る締付具８の挿通孔９，１０が設けられ
ている。

上記の可動フランジ４は、第３図で示したよう
に中子１１を介しパイプ１と共に鋳込む場合と、
前もつて可動フランジ４を製造し、そしてパイプ
１を鋳込む場合とがある。

この考案に係るパイプの接続装置は、以上の構
成であつて、次に接続方法を説明すると、パイプ
１の大径部２にパツキング１２を嵌装したのち、
上記大径部２にパイプ１の先端を嵌入する。

このとき、パツキング１２に可動フランジ４の
残る片面から突出する筒体１３の先端を当接させ
ておく。

しかして、可動フランジ４を回動させながら、
上記可動フランジ４の挿通孔１０と固定フランジ
３の挿通孔９とを一致させ、そして各一致した挿
通孔１０，９に締付具８を挿通すると共に、締付
ける。

以上のように、この考案に係るパイプの接続装
置によれば、可動フランジの片面に所定の間隔を
存して突出体を設けると共に、この突出体の溝に
パイプの外周から突出する環状突条を嵌め込んで
あるので、突出体間から鋳込み時環状突条のガス
をスムーズに抜くことができる。

このため、環状突条に巣が発生したり、欠肉と
なるような不都合をなくすことができる。

また、突出体間から環状突条が露出するので、
可動フランジを回動させながら、環状突条の不良
を発見することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る装置の一部切欠側面
図、第２図は同上の背面図、第３図はパイプの鋳
込みを示す縦断拡大側面図である。 １……パイプ、２……大径部、３……固定フラ
ンジ、４……可動フランジ、５……突出体、６…
…環状突条、７……溝、８……締付具、９，１０
……挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイプの末端にパイプの先端が挿入するよう設
   けた大径部と、この大径部から連なつて突出する
   よう設けた固定フランジと、パイプの先端部外側
   に回動自在に設けた環状の可動フランジと、この
   可動フランジの前記固定フランジの反対側周面等
   間隔位置から突出させた複数の突出体と、この各
   突出体のパイプ外周と対向する面に設けた溝と、
   この溝に嵌入するようパイプの外周面から連なつ
   て突出させた環状突条と、上記可動フランジと固
   定フランジとの周縁等間隔位置にボルトナツトと
   から成る締付け具を貫通させるよう設けた挿通孔
   とから成るパイプの接続装置。