JPH0110391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、直角四辺形板状体の四周にフラン
ジを形成した箱形パネルを、少なくとも上下に複
数段として、そのフランジを外側に向けて互いに
接合することによつて組立てられたパネル式水槽
の側壁であつて、このパネル式水槽の側壁縁端を
直角に配列して形成された縁端つき合せ部の補強
構造に関するものである。

（従来技術） パネル式水槽はその容積に応じて予め工場で生
産された所定の箱形パネルを必要枚数用いて組立
てるだけで製作できるので、高層建築物の屋上や
地下に設置される受水槽、あるいは貯水槽として
便利である。このような箱形パネルは耐蝕性、強
度、重量等の面で強化プラスチツク製のものが好
んで使用される。大容量の水槽を多数の箱形パネ
ルによつて組立てる場合、その容器壁が水圧によ
りたわんで水槽全体としてふくらみを生ずるので
何らかの補強が必要である。

これらの補強構造としては対向する側壁間をタ
イロツドで補強する例が実開昭49−59106号公報
に開示されているが、容器が極めて大型の場合
は、タイロツドが長くなりすぎて実際的でない。
これに代る補強構造はタイロツドを直交する側壁
間、あるいは側壁と底壁の間にわたつてさし渡す
例が実公昭51−23059号公報に開示されている。
しかし、これらの方法はパネル式水槽の側壁縁端
つき合せ部の補強に関しては何ら考慮されていな
かつた。

（考案の目的） この考案は、上記事情に鑑みて考案されたもの
であり、施工が簡単で確実に側壁縁端つき合せ部
を補強することができ、水漏れのおそれをなくし
たパネル式水槽の側壁の縁端つき合せ部の補強構
造を提供することを目的とするものである。

（考案の構成） 上記目的を達成するため、この考案は、直角四
辺形板状体の四周に、直角にフランジを形成した
箱形パネルを、少なくとも上下に複数段として、
フランジを外側に向けて互いに接合することによ
つて組立てられたパネル式水槽の側壁であつて、
当該側壁の縦の縁端が各々直角に配列された縁端
つき合せ部の補強構造において、前記つき合せ部
を構成する箱形パネルのフランジに、山形連結材
を当接して両者を連結具にて連結し、少なくとも
つき合せ部を構成する箱形パネルの水平に位置し
て互いに接合されるフランジに補強アングル材を
当接して両者を連結具にて連結したものである。

（考案の実施例） 以下にこの考案の好適な実施例につき第１図の
図面に基いて説明する。

第１図は、この考案の補強構造を適用したパネ
ル水槽の側壁の縁端つき合せ部における構造を示
すものである。図中１０は箱形パネルを示す。こ
の方形の箱形パネル１０は、その四周にフランジ
１１が備えられている。このフランジ１１は、箱
形パネル１０同士の連結に供するものであつて、
このフランジ１１，１１をボルト・ナツト等の連
結具１２にて連結してパネル水槽の側壁が少なく
とも上下に複数段として形成される。しかるにこ
の側壁の縦の縁端におけるフランジ１１ａ，１１
ａは、互いに直角を保持しており、このフランジ
１１ａ，１１ａ間に当接される山形連結材１３を
配し、これを介してつき合せ部の固定補強が完了
する。一方、箱形パネル１０の水平に位置するフ
ランジ１１ｂは、互いに連結具１２にて連結され
ることになるが、この考案の図示する実施例で
は、補強アングル材１４をフランジ１１ｂに上面
より当接し、これを介して連結具にて共締をする
ことになる。この補強アングル材１４は、箱形パ
ネル１０のフランジ１１ｂの長さよりやや短いも
のを使用することになる。図のように、フランジ
１１ｂに当接される補強アングル材１４は、その
フランジ１１ｂの交点ａにてとぎれることにはな
るが、好ましくはこの部分において補強アングル
材１４の頭部平坦部４１を外側より押えるブラケ
ツト１５にて強圧し、補強アングル材１４の各々
の独立した動きを抑制するのがよい。なお、補強
アングル材１４の頭部平坦部４１に直交する部分
を本体部４０と命名する。

補強アングル材１４は、二つの側壁縁端で形成
されるつき合せ部の箱形パネル１０，１０におけ
る水平に位置するフランジ１１ｂ，１１ｂに適用
すればつき合せ部の補強となるが、その他のフラ
ンジ１１，１１に施工すれば水槽全体の強度アツ
プに役立つ。

また、補強アングル材１４の本体部４０の内面
を、フランジ１１ｂ，１１ｂの上側に当接させ、
頭部平坦部４１の内面を両フランジ１１ｂ，１１
ｂの先端面を上方より覆う如く位置させることが
望ましい。このように、補強アングル材１４の本
体部４０の内面が、上側のフランジ１１ｂの上面
に当接した場合は、頭部平坦部４１が両フランジ
１１ｂ，１１ｂの先端を覆うようにしておけば、
作業中等における上方からの落下物に対してフラ
ンジ１１ｂを保護することになり、かつ落下物や
チリ等もここに堆積することがなくなる等の効果
も奏する。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、二つ
の側壁縁端で形成されるつき合せ部のフランジを
山形連結材で、更には箱形パネルの水平に位置す
るフランジを補強アングル材で夫々連結補強する
ものであるため、つき合せ部が開口したり、つき
合せ部を構成する箱形パネルが限度以上にたわん
でしまつたりするのを防止し、両部材を併用する
ことによつてパネル式水槽の側壁縁端つき合せ部
からの水漏れを完全に防止し、かつ地震発生時に
おいてもつき合せ部の破損を防止し得るものであ
る。また、連結材及び補強アングル材とともに水
槽の外側から取付けるものであり、施工が容易で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すパネル式水槽
側壁縁端つき合せ部の一部斜視図である。 １０……箱形パネル、１１，１１ａ，１１ｂ…
…フランジ、１２……連結具、１３……山形連結
材、１４……補強アングル材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直角四辺形板状体の四周に直角にフランジを形
   成した箱形パネルを、少なくとも上下に複数段と
   して、フランジを外側に向けて互いに接合するこ
   とによつて組立てられたパネル式水槽の側壁であ
   つて、当該側壁の縦の縁端が各々直角に配列され
   た縁端つき合せ部の補強構造において、前記つき
   合せ部を構成する箱形パネルのフランジに、山形
   連結材を当接して両者を連結具にて連結し、少な
   くとも前記つき合せ部を構成する箱形パネルの水
   平に位置して互いに接合されるフランジに補強ア
   ングル材を当接して両者を連結具にて連結したこ
   とを特徴とするパネル式水槽側壁縁端つき合せ部
   の補強構造。