JP7846892B2 - 金属間化合物粉末の製造方法、金属間化合物焼結体の製造方法、金属間化合物焼結体および熱電変換素子 - Google Patents

金属間化合物粉末の製造方法、金属間化合物焼結体の製造方法、金属間化合物焼結体および熱電変換素子

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Description

本発明は、金属間化合物粉末の製造方法、金属間化合物焼結体の製造方法、金属間化合物粉末、金属間化合物焼結体および熱電変換素子の技術に関する。
エネルギーを有効に利用する観点から排熱を電気に変換するエネルギー変換に関する各種の技術が提案されている。例えば、ゼーベック効果を利用することで、熱エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換可能な熱電材料がある。熱電材料として、熱電特性を有する金属間化合物を用いることが広く知られている。そして、熱伝導率を抑制することで熱電変換素子の性能を向上させるには、熱電材料の微細化および均質化が必要になる。
熱電材料を微細化するために、金属間化合物粉末の製造においてボール等の粉砕媒体を用いた媒体撹拌型粉砕機(例えばボールミルやアトライタ)が使用される(例えば特許文献1)。具体的には、媒体撹拌型粉砕機に投入した金属原料粉末を粉砕媒体と衝突させて、当該金属原料粉末の圧着および粉砕を繰り返すことで、微細な金属間化合物粉末が製造される。例えば、代表的な熱電材料であるBiTeは、脆性が強く、媒体撹拌型粉砕機により容易に微細化が可能である。
特開平5-148513号公報
しかし、媒体撹拌型粉砕機を用いて金属間化合物粉末を製造する際に、粉砕容器や粉砕媒体への固着をともなう凝集によって、金属原料粉末の十分な粉砕および混合ができない場合がある。したがって、金属間化合物粉末が微細でないばかりか不均質であるという問題が発生する。特に、中温域で熱電性能が高く、排熱回収用の熱電材料として期待されるTiNiSnなどのハーフホイスラー合金では、金属原料粉末の延展性が高く、凝集の問題が顕著である。
また、TiNiSnなどハーフホイスラー合金を均質化する場合には、数十時間から数日の長時間にわたる熱処理によって組成を均質化することで熱電性能を安定化させている方法もある。しかし、長時間にわたる熱処理は、膨大なエネルギーを消費するため実用化の観点からは好ましくない。
以上の実情を考慮して、本発明では、媒体撹拌型粉砕機による粉砕において微細で均質な金属間化合物粉末を製造する製造方法、金属間化合物粉末、金属間化合物粉末を焼結した焼結体、および、当該焼結体からなる熱電変換素子を提供することを目的とする。
[1]本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法は、複数の金属元素を含む金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して媒体撹拌型粉砕機を用いて粉砕する工程を含む。
[2]前記ナノセラミックス粉末の平均粒径は100nm以下である、前記[1]の金属間化合物粉末の製造方法。
[3]前記金属原料粉末と前記ナノセラミックス粉末との合計に対して、前記ナノセラミックス粉末を0.5vol%以上5.0vol%以下添加する、前記[1]または前記[2]の金属間化合物粉末の製造方法。
[4]前記ナノセラミックス粉末は、酸化物系セラミックスである、前記[1]から前記[3]の何れかの金属間化合物粉末の製造方法。
[5]前記酸化物系セラミックスは、Al、MgO、LaおよびZrOから選択される1種以上である、前記[4]の金属間化合物粉末の製造方法。
[6]前記金属原料粉末は、前記複数の金属元素を固相反応させた後の粉末である、前記[1]から前記[5]の何れかの金属間化合物粉末の製造方法。
[7]本発明に係る金属間化合物焼結体の製造方法は、金属間化合物にナノセラミックスが分散された複合粉末材料を焼結する工程を含む。
[8]前記金属間化合物と前記ナノセラミックスとの合計に対して、前記ナノセラミックスの含有量が0.5vol%以上5.0vol%以下である、前記[7]の金属間化合物焼結体の製造方法。
[9]前記工程において、前記複合粉末材料を通電加圧焼結により焼結する、前記[7]または前記[8]の金属間化合物焼結体の製造方法。
[10]本発明に係る金属間化合物粉末は、金属間化合物にナノセラミックスが分散された複合粉末材料である。
[11]前記金属間化合物と前記ナノセラミックスとの合計に対して、前記ナノセラミックスの含有量が0.5vol%以上5.0vol%以下である、前記[10]の金属間化合物粉末。
[12]熱電材料として用いられる前記[10]または前記[11]の金属間化合物粉末。
[13]本発明に係る金属間化合物焼結体は、前記[10]から前記[12]の何れかの金属間化合物粉末の焼結体である。
[14]前記金属間化合物と前記ナノセラミックスとの合計に対して、前記ナノセラミックスの含有量が0.5vol%以上5.0vol%以下である、前記[13]の金属間化合物焼結体。
[15]熱重量測定において0℃を基準としたときの600℃における重量変化が100~100.2%である、前記[13]または前記[14]の金属間化合物焼結体。
[16]本発明に係る熱電変換素子は、前記[13]から前記[15]の何れかの金属間化合物焼結体からなる。
本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法によれば、媒体撹拌型粉砕機において金属原料粉末の凝集を抑制することが可能である。したがって、微細で均質な金属間化合物粉末を得ることができる。また、本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法により製造した金属間化合物粉末から製造された金属間化合物焼結体は、耐熱性に優れるという利点がある。
実施例1-1および比較例1に係る焼結体のSEM画像を示す図である。 実施例1-1および比較例1に係る焼結体のX線回折測定の結果を示す図である。 実施例1-1および比較例1に係る焼結体の熱電特性を示す図である。 実施例1-2および比較例1に係る焼結体の熱電特性を示す図である。 実施例1-3,1-4および比較例1に係る焼結体の熱電特性を示す図である。 実施例1-1および比較例1に係る焼結体の熱重量測定の結果を示す図である。 実施例1-2および比較例1に係る焼結体の熱重量測定の結果を示す図である。
<金属間化合物粉末>
本発明に係る金属間化合物粉末は、熱電特性を有し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換可能な熱電材料として好適に用いられる。本発明の金属間化合物粉末は、微細で均質である。そして、本発明の金属間化合物粉末は、金属間化合物焼結体を得るために使用される。得られた金属間化合物焼結体(以下、単に「焼結体」と表記する)は、微細で均質であり、さらに耐熱性が高いという利点がある。
具体的には、金属間化合物粉末は、金属間化合物にナノセラミックスが分散した複合粉末材料である。金属間化合物粉末は、例えば、金属間化合物とナノセラミックスとが複合化した複合体である。なお、金属間化合物粉末は、ナノセラミックスが金属間化合物に固溶している固溶体であってもよい。ただし、金属間化合物粉末において全体が複合化されていることや固溶体になっていることは必須ではない。
金属間化合物粉末の平均粒径は、特に限定されないが、例えば0.5~100μmである。金属間化合物粉末の平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(d50)を意味する。
金属間化合物粉末の1次粒子径(平均1次粒子径)は、特に限定されないが、例えば10nm~5μmである。金属間化合物粉末の1次粒子径は、例えばSEM観察やX線回折測定により特定できる。なお、SEM観察においては、任意の個数(100個)の一次粒子について粒子径(最大径)を測定し、それらの平均値として求めることができる。
金属間化合物粉末における金属間化合物は、2種類以上の金属元素からなる化合物である。
金属間化合物における金属元素は、周期表における1~15族の金属元素に加えて、半金属元素(B、Si、Ge、As、Sb、Te)も包含する。金属元素としては、例えば、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Tl、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、La、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、TeおよびBiのうち1種以上が選択される。これらの中でも金属間化合物として熱電特性を有することが可能な任意の金属元素(例えば遷移金属元素など)を用いることが好ましく、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Se、Zr、NbおよびSnがより好ましい。
金属間化合物は、熱電特性を良好にする観点からは、組成式がXYZで表されるホイスラー合金、または、組成式がXYZで表されるハーフホイスラー合金が好適である。X原子は、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、Hf、Taから選択される1種以上の金属元素である。Y原子は、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Ir、Pt、Auから選択される1種以上の金属元素である。Z原子は、例えば、Al、Si、Ga、Ge、As、In、Sn、Sb、Tl、Pd、Bi、Se、Teから選択される1種以上の金属元素である。X原子とY原子とZ原子とは、熱電特性を良好にする観点からは、価電子濃度(1原子あたりの平均価電子数)が6になるものが好ましい。ハーフホイスラー合金としては、例えばTiNiSn、TiCoSb、FeNbSbなどが好ましい。
なお、金属間化合物の一部が他の金属元素に置換されていてもよい。
ナノセラミックスとしては、例えば、各種の金属元素の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物およびケイ化物から1種以上が選択される。焼結体について高温下における耐熱性を良好にする観点からは、これらの中でも酸化物(酸化物系セラミックス)が好ましい。
酸化物としては、例えば、Al、ZrO、MgO、La2、SiO、TiO、CeO、ZnO、SnO、UO、NaO・11Al、3Al・2SiO、YAl12、BaTiO、BaFe1219などである。
特に、ナノセラミックスとしては、金属間化合物を構成する各々の元素の酸化物に比べて安定な酸化物(金属間化合物を構成する金属元素よりも酸素との結合力が強い元素の酸化物)を用いることが好ましい。例えば、金属間化合物がTiNiSnである場合には、TiO、NiOおよびSnOよりも安定な酸化物であるAl、MgO、LaおよびZrOなどがナノセラミックスとして用いられる。
炭化物としては、SiC、TiC、WC、WC、BCなどである。窒化物としては、Si、TiN、AlN、SiAlONなどである。ホウ化物としては、TiB、ZrB、LaBなどである。ケイ化物としては、MoSi、FeSi、BaSiなどである。
なお、ナノセラミックスは、絶縁性であるものはもちろんのこと導電性のものであってもよい。絶縁性のナノセラミックスを用いる場合には、金属間化合物粉末における熱電性能を低下させない観点からは、熱伝導率が低い(例えば50W/m・K以下)ナノセラミックスを用いることが好ましい。
金属間化合物粉末に含有されるナノセラミックスの平均粒径は、特に限定されないが、例えば100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下であり、特に好ましくは10nm以下であり、最も好ましくは5nm以下である。なお、ナノセラミックスの粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば1nm以上である。
金属間化合物粉末におけるセラミックスの含有量は、金属間化合物とナノセラミックスとの合計に対して、例えば0.5vol%以上5.0vol%以下であり、好ましくは1.0vol%以上4.0vol%以下である。金属間化合物粉末におけるセラミックスの含有量の特定には、公知の任意の技術が採用される。例えば、X線回折法(XRD)による定量分析、または、エネルギー分散型X線分光法(EDX)もしくはX線光電子分光法(XPS)による組成分析や化学結合状態の分析を行い、金属間化合物とセラミックスとの組成比(混合比)で求めた後に、それぞれの密度比から体積割合(vol%)に換算することで、金属間化合物粉末におけるセラミックスの含有量が特定される。
金属間化合物粉末は、ナノセラミックスが分散した金属間化合物相を主相とする。金属間化合物粉末中の金属間化合物相の含有量は、例えば93vol%以上であり、95vol%以上が好ましく、98vol%以上がさらに好ましい。なお、金属間化合物粉末に不可避不純物や未反応の金属元素が含有される場合には、金属間化合物粉末中のそれらの含有量は、例えば7vol%以下であり、5vol%以下が好ましく、2vol%以下がさらに好ましい。
<焼結体>
金属間化合物粉末(複合粉末材料)の焼結体について説明する。本発明に係る焼結体は、熱電変換素子として好適に利用される。
本発明の焼結体に係る特性は、例えば、以下の通りである。
熱伝導率(λ):0.3~30[W/mK]
導電率(σまたは1/ρ):50~50000[S/cm]
ゼーベック係数(S):10~500[μV/K]
出力因子:0.1~20[mW/mK
無次元性能指数:0.1~5
熱伝導率はレーザフラッシュ法により特定し、導電率(電気抵抗率)は4端子法により特定し、ゼーベック係数は定常法により特定した。また、出力因子はS/ρにより算出し、無次元性能指数はST/ρλにより算出した。なお、Sはゼーベック係数であり、ρは電気抵抗率であり、Tは動作温度であり、λは熱伝導率である。
本発明に係る焼結体は、耐熱性の観点から、熱重量測定において0℃を基準(100%)としたときの600℃における重量変化が、例えば100~100.2%であり、100~100.15%が好ましく、100~100.1%がさらに好ましい。なお、熱重量測定は、昇温速度10℃/minで大気中において行う。
焼結体におけるナノセラミックスの含有量は、金属間化合物とナノセラミックスとの合計(100vol%)に対して、例えば、0.5vol%以上5.0vol%以下であり、好ましくは1.0vol%以上4.0vol%以下である。ただし、焼結体におけるナノセラミックスの含有量の下限値は、特に限定されず、0.5vol%よりも十分に小さい場合(例えば0.01vol%)もある。
なお、焼結時の熱処理において、ナノセラミックスが金属間化合物を構成する元素の一部と置換する場合、ナノセラミックスが金属間化合物との間で新たに別の化合物を形成する場合、または、ナノセラミックスを構成する金属元素のみが焼結体中に残存する場合も想定される。
焼結体中のナノセラミックスの含有量の特定には、公知の任意の技術が採用される。例えば、X線回折法(XRD)による定量分析、または、エネルギー分散型X線分光法(EDX)もしくはX線光電子分光法(XPS)による組成分析や化学結合状態の分析を行い、金属間化合物とセラミックスとの組成比(混合比)で求めた後に、それぞれの密度比から体積割合(vol%)に換算することで、焼結体におけるセラミックスの含有量が特定される。
なお、焼結体は、典型的には金属間化合物粉末を主成分(例えば95vol%以上、好ましくは98vol%以上)とする。ただし、焼結体において所望する熱電特性や効果を損なわない範囲で金属間化合物粉末以外の他の成分を含有させてもよい。他の成分を含有させる場合には、焼結体中における他の成分(不純物など)の含有量は、例えば5vol%未満であり、好ましくは2vol%未満とする。
本発明の焼結体は、耐熱性の観点からは、金属間化合物とナノセラミックスとを含む単相であることが好ましい。本発明に係る焼結体は、微細で均質であることに加えて、耐熱性も良好である。
<金属間化合物粉末の製造方法>
本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法は、概略的には、複数の金属元素を含む金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して粉砕することで金属間化合物粉末を製造する。以下、本発明の製造方法について詳述する。
(1)金属原料粉末の製造
金属原料粉末は、所望する金属間化合物を構成する複数(2種以上)の金属元素を含む粉末である。金属元素としては、<金属間化合物粉末>において上述した通り、周期表における1~15族の金属元素に加えて、半金属元素も包含する。
まず、金属間化合物を構成する金属元素を含む金属粉末を秤量した後に混合することで混合粉末を調整する。金属粉末の量は、所望する金属間化合物に応じて適宜に変更し得る。
なお、金属粉末としては、2種以上の金属元素の各々を含む複数種の金属粉末(典型的には純金属粉末)を使用してもよいし、合金粉末を金属粉末として使用してもよい。例えば、第1の金属元素と第2の金属元素と第3の金属元素とからなる金属間化合物を得たい場合には、第1の金属元素の金属粉末と第2の金属元素の金属粉末と第3の金属元素の金属粉末とをそれぞれ用いてもよいし、第1の金属元素および第2の金属元素とからなる合金の金属粉末と、第3の金属元素の金属粉末とを用いてもよい。
各金属粉末を混合する方法は任意である。例えば、容器内に金属粉末を投入して、自転公転ミキサーにより混合することで、混合粉末を得る。
次に、混合粉末を成型することで成型体を得る。混合粉末を成型する方法は任意である。例えば、一軸加圧により混合粉末を成型する。
そして、得られた成形体を加熱することで固相反応させる。成形体は、例えば200~2000℃において真空中で5分~10時間にわたり加熱する。加熱後の成形体を粉砕することで、金属間化合物粉末を製造する。成形体を粉砕する方法は任意である。例えば、乳鉢による手粉砕で0.5mm以下程度になるように成形体を粉砕する。
なお、固相反応後の成形体には、未反応の金属元素や異相(金属間化合物以外の結晶層)も含まれた状態にある。したがって、固相反応後の成形体(焼結体)から所望する熱電特性を有する熱電材料を製造することは困難である。
(2)金属間化合物粉末の製造
本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法は、金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して媒体撹拌型粉砕機を用いて粉砕することで、金属間化合物粉末を製造する。
媒体撹拌型粉砕機は、原料粉末を粉砕媒体と衝突させて、原料粉末の圧着および粉砕とを繰り返すことで、粉末を製造する機械である。本発明では、金属原料粉末に加えてナノセラミックス粉末を媒体撹拌型粉砕機に投入する。
媒体撹拌型粉砕機としては、例えば、ボールを粉砕媒体としたボールミル(例えば回転式ボールミル、振動式ボールミルおよび遊星型ボールミル)およびアトライターなどがある。粉砕条件は、所望する金属間化合物粉末の種類に応じて適宜に設定される。例えば、大気やアルゴン等の不活性ガスの雰囲気中で、1~10時間にわたり50~2000rpmで金属原料粉末を粉砕する。なお、粉砕媒体の種類や大きさは任意である。
媒体撹拌型粉砕機による粉砕は、乾式および有機溶剤を用いる湿式の何れであってもよい。ただし、熱電特性を低下させない観点からは、乾式による粉砕が好ましい。
ナノセラミックス粉末としては、<金属間化合物粉末>において上述した通り、各種の金属元素の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物およびケイ化物から1種以上が選択される。
ナノセラミックス粉末の平均粒径は、金属間化合物に良好に分散させる観点から、例えば100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。なお、ナノセラミックスの平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば1nm以上である。平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(d50)を意味する。
ナノセラミックス粉末の平均一次粒子径は、例えば、0.5nm以上10nm以下が好ましい。平均一次粒子径は、電子顕微鏡(SEMまたはTEM)による粒子の観察において、任意に選択した30個以上の一次粒子について測定した粒子径の平均値である。
ナノセラミックス粉末の添加量は、少なすぎると所望する効果が得られなくなる一方で、多すぎると金属間化合物粉末の電気抵抗率が大きくなってしまう(すなわち熱電特性が低下する)。したがって、ナノセラミックス粉末は、金属原料粉末(総量)とナノセラミックス粉末との合計(100vol%)に対して、例えば0.5vol%以上5.0vol%以下添加し、好ましくは1.0vol%以上4.0vol%以下添加する。ただし、ナノセラミックス粉末が導電性を有する場合には、ナノセラミックス粉末の添加量は上記の範囲に限られない。
ここで、ナノセラミックス粉末を添加せずに媒体撹拌型粉砕機を用いて金属間化合物粉末を製造する方法では、粉砕容器や粉砕媒体への固着をともなう凝集によって金属原料粉末の十分な粉砕および混合ができない場合がある。したがって、微細で均質な金属間化合物粉末が得られないという問題がある。特に、延展性に富む元素を含むTiNiSnなどのハーフホイスラー合金を得ようとする場合に、以上の問題が顕著になる。
それに対して、本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法によれば、媒体撹拌型粉砕機における粉砕時にナノセラミックス粉末を添加することで、粉砕容器や粉砕媒体への固着をともなう凝集を抑制することができる。したがって、微細で均質な金属間化合物粉末を得ることができる。ひいては、金属間化合物粉末を熱電材料として用いる場合には、良好な熱電特性が得られる。本発明における製造方法は、延展性に富む元素を含む金属間化合物粉末を得る場合に特に有効である。
ここで、六方最密充填構造(hcp)をとる金属元素(例えばTi、Zn、Co)や面心立方構造(fcc)をとる金属元素(例えばNi、Ag、Pdなど)が含有される金属間化合物は、凝集や固着しやすい傾向にあり、媒体撹拌型粉砕機による粉砕が困難であるという実情がある。したがって、本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法は、六方最密充填構造や面心立方構造をとる金属元素を使用する場合において特に有効である。
また、媒体撹拌型粉砕機における粉砕の際に金属原料粉末の凝集を抑制する方法として、有機溶媒や潤滑剤の添加を添加する方法もある。しかし、金属間化合物粉末を熱電材料として使用する場合には、組成変動や不純物の混入による熱電特性の低下を引き起こすため好ましくないという実情がある。それに対して、本発明では、有機溶媒や潤滑剤を添加することなく、金属原料粉末の凝集を抑制することが可能である。ただし、有機溶媒や潤滑剤を添加して媒体撹拌型粉砕機により粉砕する方法も本発明には包含される。
さらに、数十時間から数日の長時間にわたる熱処理によって金属間化合物粉末を均質化する方法がある。しかし、長時間にわたる熱処理は、膨大なエネルギーを消費するため実用化の観点からは好ましくない。それに対して、本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法によれば、長時間にわたる熱処理をすることなく均質化できるという利点がある。
また、熱伝導率を低減することで熱電性能を向上させるために、金属間化合物における一部の元素を重元素で置換する方法もある。しかし、Hfなどの重元素は、高価で希少であるため経済性が悪いという問題がある。それに対して、本発明では、重元素で金属間化合物の一部を置換することなく、熱電特性を向上させることも可能である。ただし、重元素で金属間化合物の一部を置換する方法も本発明には包含される。
以上の説明から理解される通り、本発明の好適な態様に係る製造方法は、複数の金属元素を熱処理により固相反応させる第1工程と、当該固相反応させた後の複数の金属元素を含む金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して媒体撹拌型粉砕機を用いて粉砕する第2工程とを含む。すなわち、第2工程において使用される金属原料粉末は、複数の金属元素を固相反応させた後の粉末である。
なお、本発明における製造方法において第1工程は省略してもよい。すなわち、第2工程において、固相反応をさせていない状態の金属粉末を金属原料粉末(例えば第1の金属元素を含む金属粉末と第2の金属元素を含む金属元素との混合粉末)として使用してもよい。ただし、粉砕容器や粉砕媒体への固着をともなう凝集を抑制する効果を顕著にする観点からは、金属原料粉末として、固相反応させた後の複数の金属元素を含む粉末を使用することが好ましい。
なお、媒体撹拌型粉砕機において金属間化合物粉末を含む合金粉末全般を製造するにあたっても、固着をともなう凝集の問題は発生し得る。したがって、本発明に係る金属間化合物粉末の製造方法は、合金粉末の製造においても適用できる。合金(例えば侵入型・置換型固溶体および金属間化合物)にナノセラミックスが分散された合金粉末の製造方法としても特定できる。以上の製造方法においても、金属間化合物粉末の製造方法において上述したのと同様の効果が得られる。そして、以上の製造方法で得られた合金粉末についても均質である。
(3)焼結体の製造方法
本発明に係る焼結体の製造方法は、金属間化合物粉末(複合粉末材料)を焼結する工程を含む。本発明に係る焼結体は、例えば熱電変換素子として好適に用いられる。金属間化合物粉末を焼結する方法は任意である。例えば、加圧しながら通電する通電加圧焼結により500~1500℃において5~10分にわたり真空中で焼結することで焼結体を製造する。
ここで、通電加圧焼結は、昇降温速度が早く、加圧下で焼結するため、微細な組織を有する焼結体が得られるという特徴がある。一方で、一般的な焼結に比べて加熱時間が短いため、熱的な原子拡散による組成の均質化効果が得られにくいという実情がある。言い換えると、通電加圧焼結により焼結する場合には、均質化された金属間化合物粉末を使用する必要がある。本発明に係る金属間化合物粉末は、十分に均質化されているから、通電加圧焼結で焼結しても均質な焼結体が得られるという利点がある。以上の説明から理解される通り、本発明に係る金属間化合物粉末は、通電加圧焼結による焼結が有効に利用できる。ただし、通電加圧焼結以外の焼結により焼結体を製造する方法も本発明の焼結体の製造法には包含される。
また、高温(例えば約600℃)の排熱を電気エネルギーに変換する場合、高温大気中における耐熱性が熱電変換素子に所望される。本発明に係る金属間化合物粉末を焼結した焼結体は、耐熱性が高いという利点がある。したがって、本発明の焼結体は、高温の排熱を電気エネルギーに変換する場合にも好適に利用される。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1-1>
実施例1-1では、TiNiSn(ハーフホイスラー合金)にLaが分散された金属間化合物粉末を製造した。
(1)金属原料粉末の製造
金属間化合物粉末に用いた金属原料粉末は、以下の通りに製造した。
まず、Ti粉末(純度:99.9%)1.28gと、Ni粉末(純度:99.9%)1.56gと、Sn粉末(純度:99.9%)3.16gとを混合した。具体的には、プラスチック容器内(馬野化学UG容器24ml)に投入した上記の各金属粉末(Ti粉末、Ni粉末、Sn粉末)を自転公転ミキサー(株式会社シンキー製:ARV-310P)により2000rpmにおいて1分間にわたり混合することで、混合粉末を調整した。
次に、Ti粉末とNi粉末とSn粉末とを混合した混合粉末を成型することで成形体を製造した。成形体は、一軸加圧(φ15mm、10kN)により製造した。
そして、混合粉末の成形体を加熱した。真空中でマグネシア坩堝内において1000℃(昇降温50℃/min)で10minにわたり成形体を加熱した。加熱後の成形体を0.5mm以下になるように乳鉢で手粉砕することで、TiとNiとSnとを含むTiNiSn金属原料粉末を得た。
(2)金属間化合物粉末の製造
金属原料粉末にLa粉末(関東化学社製:平均粒径15nm以下,純度99.95%以上)を添加して遊星ボールミル(フリッチュ社製:PL-7)により粉砕および混合をすることで、金属間化合物粉末を得た。La粉末は、金属原料粉末とLa粉末との合計に対して、2vol%添加した。
遊星ボールミルによる粉砕は、高硬度ステンレス容器(80ml)内において200rpmで5時間にわたりAr雰囲気中で行った。粉砕ボールは、クロム鋼製でφ5のものを125g使用した。
(3)焼結体の製造
金属間化合物粉末1.1gから通電加圧焼結により焼結体を製造した。通電加圧焼結(φ10 黒鉛型)は、1000℃(昇降温100℃/min)で10分間にわたり真空中で行った。得られた焼結体は、φ10mmで厚さ2mm程度であった。
<実施例1-2>
実施例1-2では、実施例1-1におけるTiNiSnにおけるSnの一部をAlに置換したTiNiSn0.95Al0.05を用いたこと以外は実施例1と同様である。TiNiSn0.95Al0.05は、Ti粉末1.30g、Ni粉末1.60g、Sn粉末3.07g、および、Al粉末0.04gから合成した。
<実施例1-3>
実施例1-3では、実施例1-1におけるTiNiSnにおけるSnの一部をSbに置換したTiNiSn0.99Sb0.01を用いたこと以外は実施例1と同様である。TiNiSn0.99Sb0.01は、Ti粉末1.27g、Ni粉末1.56g、Sn粉末3.13g、および、Sb粉末0.03gから合成した。なお、Sbは、焼結体における導電性を向上させる目的で添加した。
<実施例1-4>
実施例1-4は、実施例1-3とはSbに置換される割合のみが相違するTiNiSn0.98Sb0.02を用いた。TiNiSn0.98Sb0.02は、Ti粉末1.28g、Ni粉末1.56g、Sn粉末3.10g、および、Sb粉末0.07gから合成した。
<比較例1>
比較例1は、金属間化合物粉末の製造においてLa粉末を添加しなかったこと以外は実施例1-1と同様である。
<実施例2>
実施例2では、FeNbSb(ハーフホイスラー合金)にAlが分散された金属間化合物粉末を製造した。
(1)金属原料粉末の製造
金属原料粉末の製造において、Fe粉末(純度:99.9%)1.24gと、Nb粉末(純度:99.9%)2.06gと、Sb粉末(純度:99.9%)2.70gとを用いたこと以外は実施例1と同様である。
(2)金属間化合物粉末の製造
La粉末に代えてAl粉末(シグマアルドリッチ社製:平均粒径13nm(TEM),純度99.8%)を用いたこと以外は実施例1と同様である。Al粉末は、金属原料粉末とAl粉末との合計に対して、2vol%添加した。
(3)焼結体の製造
実施例1と同様の方法で焼結体を得た。
<比較例2>
比較例2は、金属間化合物粉末の製造においてAl粉末を添加しなかったこと以外は実施例2と同様である。
[評価]
実施例1-1および比較例1について、以下の(1)~(6)において評価を行った。実施例1-2については、(1)(5)(6)の評価を行い、実施例1-3,1-4については、(1)(5)の評価を行い、実施例2については、(1)(2)の評価を行った。
(1)凝集
ボールミル後における高硬度ステンレス容器内を目視により観察した。比較例1および比較例2では、大部分の金属原料粉末が凝集して容器内面に張り付いていた。それに対して、実施例1-1~1-4および実施例2では、容器内面への張り付きが大幅に解消し、金属原料粉末の凝集は確認されなかった。
(2)回収率
以下の通り、遊星ボールミルより製造した金属間化合物粉末の回収率を算出した。
(回収した金属間化合物粉末(g))/(金属原料粉末(g)+ナノセラミックス粉末(g))×100
比較例1の回収率は87%であった。それに対して、実施例1-1の回収率は96%であった。実施例1-1では、比較例1と比較して回収率も大幅に向上した。また、比較例2の回収率は95%であった。それに対して、実施例2の回収率は96%であった。実施例2においても比較例2と比較して回収率も僅かに向上した。なお、比較例1および比較例2では、容器の内面に固着した粉末を削り取ることによって回収した粉末を含めて回収率を算出した。
(3)破断面観察
焼結体の破断面をSEM(走査電子顕微鏡)画像により観察した。図1に、比較例1および実施例1-1に係るSEM画像を示す。図1から把握される通り、比較例1では、組織が不均質であることが観察される。これは、各金属元素(Ti、Ni、Sn)が均一に混合されなかった結果、粒成長の速度が部分的に異なったことに起因する。具体的には、低融点のSn濃度が高い部分では粒成長が促進されるのに対して、Sn濃度が低い部分では融点が相対的に高くなったことで粒成長が遅くなることが原因であると考えられる。
それに対して、実施例1-1では、均質な微細組織が得られたことが確認できた。実施例1-1では、ボールミルにおける粉砕において各金属元素が均一に混合された結果、粒成長が抑制できたと考えられる。これは、TiNiSnにおける粒界にナノセラミックスが存在することで、粒成長が抑制されたと推測される。
(4)X線回折測定
焼結体についてX線回折測定を行った。図2に、比較例1および実施例1-1に係るX線回折測定の結果を示す。図2から把握される通り、比較例1では、ハーフホイスラー型のTiNiSn相に加えてSn相を示す回折ピークが観察された。すなわち、金属間化合物粉末における組成の不均質性が焼結体においても残留していることが示唆される。それに対して、実施例1-1では、TiNiSn相以外の第2相を示す回折ピークは検出されなかった。すなわち、単相化できていることが確認できた。
ここで、通電加圧焼結は短時間(分オーダー)の焼結であるため微細な組織を有する焼結体が得られる。一方で、一般的な焼結に比べて短時間であることから熱的な原子拡散による組成の均質化効果が得られにくいという実情がある。実施例1-1では、単相化できたことから、通電加圧焼結により焼結体を製造したにもかかわらず高い均質性が得られたことが示唆される。
(5)熱電特性
実施例1-1~1-4および比較例1に係る焼結体について、出力因子(Power factor)、無次元性能指数(ZT)、導電率(Electrical conductivity)、ゼーベック係数(Seebeck coefficient)、および、熱伝導率(Thermal conductivity)を特定した。図3~図5に、その結果を示す。図3は、実施例1-1と比較例1との結果を示し、図4は、実施例1-2と比較例1との結果を示し、図5は、実施例1-3,1-4と比較例1との結果を示す。なお、出力因子、無次元性能指数、導電率、ゼーベック係数および熱伝導率を特定する方法は、上述した通りである。
まず、実施例1-1,1-2に着目する。図3および図4から把握される通り、比較例1では、Sn相の析出によって高い導電性を示したもののゼーベック係数が低いことが確認される。それに対して、実施例1-1,1-2では、比較例1と比較して、導電性では劣るものの、ハーフホイスラー相(TiNiSn相)の擬ギャップ電子構造に起因する本来の高いゼーベック係数が得られていることが把握される。その結果、実施例1-1,1-2では、比較例1と比較して、出力因子(熱電性能を電気的成分のみで評価した指標)が大幅に向上した。さらに、実施例1においては、組成の均質化が図れたことや粗大組織が除かれたことにより、熱伝導率が比較例1と比較して低い値を示した。以上の結果から、実施例1-1,1-2では、比較例1と比較して、総合的な熱電性能である無次元性能指数ZTが1.5~2倍程度向上した。
以上の通り、実施例1-1,1-2では、遊星ボールミルの粉砕時にナノセラミックス粉末を添加したことによる均質化の効果として、金属間化合物におけるホイスラー構造が安定化して結晶構造の規則度が向上したと考えられる。そして、結晶構造の規則度が向上した結果、ゼーベック係数が増大した。したがって、熱電性能が向上した。
次に、実施例1-3,1-4に着目する。図5から把握される通り、実施例1-3,1-4では、比較例1(さらには実施例1-1,1-2)よりも導電率が大きく向上した。実施例1-3,1-4では、導電率が大きく向上した結果、出力因子も向上した。そして、出力因子が向上したことに伴い、無次元性能指数ZTについても向上した。以上の説明から理解される通り、TiNiSnにおけるSnの一部をSbに置換したことで、熱電性能が向上したことが確認できた。
ここで、実施例1-3,1-4において遊星ボールミルにおける粉砕の際に、焼結体の導電率を向上させる目的で添加したSb粉末の添加量はごく微量である。Sb粉末の添加量がごく微量であることを踏まえると、遊星ボールミルにおける粉砕時にSb粉末が均一に混合されていない場合、Sbの添加によるドーピング効果は得られない。そして、Sbの添加によるドーピング効果が得られないと、導電率が実施例1-1,1-2と同程度になることが推測される。それに対して、実施例1-3,1-4は、実施例1-1,1-2と比較して導電率が大きく上回った。すなわち、実施例1-3,1-4では遊星ボールミルにおける粉砕時にSb粉末が均一に混合されたと言える。
以上の通り、実施例1-3,1-4では、遊星ボールミルの粉砕時にナノセラミックス粉末を添加したことによる均質化の効果(すなわちSbが均質に分散した効果)として、Sbが目的通りのドーピング効果を発揮した。そして、Sbが目的通りのドーピング効果を発揮した結果、導電性が向上した。したがって、熱電性能が向上した。
(6)熱重量測定
実施例1-1,1-2および比較例1に係る焼結体について、大気中で熱重量測定を行った。図6,7は、その結果を示す。図6,7から把握される通り、比較例1では200~300℃の比較的低い温度から重量の増加が認められる。比較例1では、熱重量測定において0℃を基準としたときの600℃における重量変化が100.2%を上回った。これは、Sn相など熱的に反応性の高い部分が酸化されていることが予想される。
それに対して、実施例1-1,1-2では、600℃程度までほとんど重量増加が認められない。すなわち、TiNiSn相本来の高い耐熱性を示す焼結体が得られていることが確認された。具体的には、実施例1-1,1-2では、熱重量測定において0℃を基準としたときの600℃における重量変化が100.05%程度であった。以上の説明から理解される通り、本発明に係る金属間化合物粉末からなる焼結体は、高温(例えば約600℃)の排熱を電気エネルギーに変換する場合においても好適に使用される。

Claims (10)

  1. 複数の金属元素を含む金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して媒体撹拌型粉砕機を用いて粉砕する工程を含み、
    前記金属原料粉末と前記ナノセラミックス粉末との合計に対して、前記ナノセラミックス粉末を0.5vol%以上5.0vol%以下添加する
    金属間化合物粉末の製造方法。
  2. 複数の金属元素を含む金属原料粉末にナノセラミックス粉末を添加して媒体撹拌型粉砕機を用いて粉砕する工程を含み、
    前記ナノセラミックス粉末は、Laを含む
    金属間化合物粉末の製造方法。
  3. 前記ナノセラミックス粉末の平均粒径は、100nm以下である
    請求項1または2に記載の金属間化合物粉末の製造方法。
  4. 前記ナノセラミックス粉末は、酸化物系セラミックスである
    請求項1に記載の金属間化合物粉末の製造方法。
  5. 前記酸化物系セラミックスは、Al、MgO、LaおよびZrOから選択される1種以上である
    請求項4に記載の金属間化合物粉末の製造方法。
  6. 前記金属原料粉末は、前記複数の金属元素を固相反応させた後の粉末である
    請求項1または2に記載の金属間化合物粉末の製造方法。
  7. 金属間化合物にナノセラミックスが分散された複合粉末材料を焼結する工程を含み、
    前記複合粉末材料は、請求項1または請求項2の製造方法で製造された金属間化合物粉末である
    金属間化合物焼結体の製造方法。
  8. 前記工程において、前記複合粉末材料を通電加圧焼結により焼結する
    請求項7の金属間化合物焼結体の製造方法。
  9. 金属間化合物にナノセラミックスが分散された複合粉末材料である金属間化合物粉末の焼結体であり、
    熱重量測定において0℃を基準としたときの600℃における重量変化が100~100.2%である
    金属間化合物焼結体。
  10. 求項の金属間化合物焼結体からなる熱電変換素子。
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