JP2018157002A - 熱電変換材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れる熱電変換材料を提供する。
【解決手段】熱電変換材料は、一般式Lt−mSbで表される組成を有する。ここで、Lは、希土類元素から選択される少なくとも一種の元素からなる。Rは、アルカリ土類金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される二種以上の元素からなる。Tは、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素からなる。Mは、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuからなる群から選択される少なくとも一種の元素からなる。そして、0.50≦k≦1.00、0.1≦r≦0.5、3.0≦t−m≦5.0、0≦m≦0.5、10.0≦x≦11.5、かつx/t<3.0が成り立つ。
【選択図】図1

Description

本発明は熱電変換材料に関する。
熱電変換材料は、熱エネルギーを電気に、あるいは電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換できる材料である。熱電変換材料を使用すれば、従来あまり利用されていなかった廃熱を電気に変換してエネルギーを有効に活用することができるため、近年開発が進んでいる。
特許文献1には、p型の熱電変換材料としてLa0.7Ba0.01Ga0.1Ti0.1CoFeSb12等が開示され、特定の組成の熱電変換材料が優れた熱電変換性能を有することが記載されている。
国際公開第2009/093455号パンフレット
しかし、高熱環境下で用いた場合、熱電変換材料に含まれる一部の元素が昇華し、熱電変換性能が低下してしまうことがあった。そのため、熱電変換材料の耐熱性の向上が望まれていた。
本発明は、耐熱性に優れる熱電変換材料を提供する。
本発明によれば、一般式Lt−mSbで表される組成を有し、
Lは、希土類元素から選択される少なくとも一種の元素からなり、
Rは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される二種以上の元素からなり、
Tは、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素からなり、
Mは、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuからなる群から選択される少なくとも一種の元素からなり、
0.50≦k≦1.00、0.1≦r≦0.5、3.0≦t−m≦5.0、0≦m≦0.5、10.0≦x≦11.5、かつx/t<3.0が成り立つ
熱電変換材料が提供される。
本発明によれば、耐熱性に優れる熱電変換材料を提供できる。
熱電変換材料を用いた熱電変換素子の構造の例を示す図である。 スクッテルダイト化合物の結晶構造を示す図である。 実施例1−1、実施例1−2および比較例1−1の熱電変換材料の、熱重量測定の結果(TGチャート)を示す図である。 実施例2−1から実施例2−3の熱電変換材料の、熱重量測定の結果を示す図である。 (a)は、実施例2−1から実施例2−4のゼーベック係数Sを示す図であり、(b)は、実施例2−1から実施例2−4の熱伝導率κを示す図であり、(c)は、実施例2−1から実施例2−4の電気抵抗率ρを示す図である。 (a)は、実施例2−1から実施例2−4の出力因子Pを示す図であり、(b)は、実施例2−1から実施例2−4の無次元性能指数ZTを示す図である。 実施例2−1から実施例2−4の100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxをプロットした図である。 実施例2−1から実施例2−4に係る熱電変換材料をX線回折法を用いて評価した結果を示す図である。 (a)は、実施例2−1に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図であり、(b)は、実施例2−2に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図であり、(c)は、実施例2−3に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図であり、(d)は、実施例2−4に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 (a)は、実施例3−1から実施例3−5のゼーベック係数Sを示す図であり、(b)は、実施例3−1から実施例3−5の熱伝導率κを示す図であり、(c)は、実施例3−1から実施例3−5の電気抵抗率ρを示す図である。 (a)は、実施例3−1から実施例3−5の出力因子Pを示す図であり、(b)は、実施例3−1から実施例3−5の無次元性能指数ZTを示す図である。 実施例3−1から実施例3−5の100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxをプロットした図である。 (a)は、実施例4−1および実施例4−2のゼーベック係数Sを示す図であり、(b)は、実施例4−1および実施例4−2の熱伝導率κを示す図であり、(c)は、実施例4−1および実施例4−2の電気抵抗率ρを示す図である。 (a)は、実施例4−1および実施例4−2の出力因子Pを示す図であり、(b)は、実施例4−1および実施例4−2の無次元性能指数ZTを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る熱電変換材料は、一般式Lt−mSbで表される組成を有する。ここで、Lは、希土類元素から選択される少なくとも一種の元素からなる。Rは、アルカリ土類金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される二種以上の元素からなる。Tは、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素からなる。Mは、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuからなる群から選択される少なくとも一種の元素からなる。そして、0.50≦k≦1.00、0.1≦r≦0.5、3.0≦t−m≦5.0、0≦m≦0.5、10.0≦x≦11.5、かつx/t<3.0が成り立つ。以下に詳しく説明する。
熱電変換材料の性質は、たとえば性能指数Zによって評価される。性能指数Zは、ゼーベック係数S、熱伝導率κ及び電気抵抗率ρを用いた以下の式(1)によって表される。
Z=S/(κρ) ・・・式(1)
また、熱電変換材料の性質は、性能指数Zと温度Tとの積によって評価されることがある。この場合には、式(1)の両辺に温度T(ここで、Tは絶対温度)を乗じて以下の式(2)とする。
ZT=ST/(κρ) ・・・式(2)
式(2)に示したZTは無次元性能指数と呼ばれ、熱電変換材料の性能を示す指標になる。熱電変換材料は、このZTの値が大きいほど、その温度Tにおける熱電変換性能が高いことになる。式(1)および式(2)から、優れた熱電変換材料とは、性能指数Zの値を大きくできる材料、すなわちゼーベック係数Sが大きく、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρが小さい材料である。
また、電気的な観点から熱電変換材料の性能を評価する場合、次式(3)で表される出力因子Pを用いる場合がある。
P=S/ρ ・・・式(3)
熱電変換材料の最大変換効率ηmaxは、以下の式(4)で表される。
ηmax={(T−T)/T}{(M−1)/(M+(T/T))} ・・・式(4)
式(4)のMは、以下の式(5)によって表される。ここでTは熱電変換材料の高温端の温度、Tは低温端の温度である。
M={1+Z(T+T)/2}−0.5 ・・・式(5)
上記の式(1)〜(5)から、熱電変換材料の熱電変換効率は、性能指数及び高温端と低温端との温度差が大きいほど、向上することが分かる。
図2は、スクッテルダイト化合物の結晶構造を示す図である。スクッテルダイト化合物は、T’X’の一般式で表される。ここで、T’はFe、Ru、Os、Co、Pd、Ptなどの遷移金属であり、本図中、Aのサイトに位置する。X’はAs、P、Sbなどのプニコゲン元素であり、本図中、Bのサイトに位置する。
これに対して、本図中、αで示す隙間に希土類元素等の金属元素を充填した構造を、充填スクッテルダイト構造という。充填スクッテルダイト化合物は、たとえばR’T’X’12の一般式で表され、空間群Im−3の立方晶構造を有する。ここで、充填元素であるR’は、アルカリ土類金属、ランタノイド系元素、アクチノイド系元素などである。
発明者は、Sbを含む熱電変換材料について鋭意研究し、高温で熱電変換材料のSbが昇華することによって熱電変換性能が低下することを見出した。そして、希土類元素を含む複数種の充填元素を用いると共に、Sbの含有比率を下げることにより、高い熱電変換性能と、耐熱性との両立を実現したものである。特に、車載等の用途において、高い耐熱性が求められている。
上述の通り、本実施形態に係る熱電変換材料は、一般式Lt−mSbで表される組成を有する。この熱電変換材料は、n型熱電変換材料であってもよいし、p型熱電変換材料であってもよい。なお、通常、p型熱電変換材料において特に耐熱性が低い場合が多いため、本実施形態に係る組成が有効である。
Lは、希土類元素から選択される少なくとも一種の元素から成る。希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuが挙げられる。Lは、一種のみの元素から成っていても良いし、二種以上の元素の組み合わせであっても良い。Lは、La、Ce、およびPrのうち少なくとも一種を含むことが好ましい。また、Lは、La、Ce、またはPrであることが好ましい。
kは、0.50≦k≦1.00を満たす。また、kは、0.55≦kを満たすことがより好ましく、0.60≦kを満たすことがさらに好ましい。一方、kは、k≦0.80を満たすことがより好ましく、k≦0.70を満たすことがさらに好ましい。そうすれば、熱電変換性能をより高めることができる。
また、LがLaのとき、特に0.60≦k≦0.65を満たすことが好ましい。LがPrのとき、特に0.60≦k≦0.70を満たすことが好ましい。そして、LがCeのとき、特に0.65≦k≦0.70を満たすことが好ましい。そうすれば、耐熱性と高い熱電変換性能とを両立させることができる。
Rは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される二種以上の元素からなる。複数種の充填元素を用いることにより、結晶におけるフォノン散乱を強く起こすことができる。このフォノン散乱が熱伝導率κを低下させるので、無次元性能指数ZTの値を大きくすることが可能である。アルカリ金属元素としては、Li、Na、K、Rb、Cs、およびFrが挙げられる。アルカリ土類金属元素としては、Ca、Sr、およびBaが挙げられる。第4族元素としては、Ti、Zr、およびHfが挙げられる。第13族元素としては、B、Al、Ga、In、およびTlが挙げられる。Rは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される三種以上の元素からなることがより好ましい。中でも、Rは、互いに異なる三種以上の族の元素を含むことが好ましい。ただし、同一の族から選択された元素であってもよい。また、Rは、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される三種以上の元素からなることが好ましい。
また、Rは、Ba、Ga、およびTiのうち少なくとも一種を含ことが好ましく、Ba、Ga、およびTiを含むことがより好ましい。たとえば、Rは、Ba、Ga、およびTiから成ってもよい。
RおよびLの組み合わせとしては、例えば、p型熱電変換材料においてはLa、Ce、Ti、Zr、Hf、Al、Ga、およびInのいずれかを主とし、n型熱電変換材料においてはYb、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、およびInのいずれかを主とする三種以上の元素の組み合わせが挙げられる。なお、主とする元素とは、RおよびLを構成する元素のうち、最も含有モル比率が高い元素をいう。
rは、0.1≦r≦0.5を満たす。また、rは、0.15≦rを満たすことがより好ましく、0.2≦rを満たすことがさらに好ましい。一方、rは、r≦0.4を満たすことがより好ましく、r≦0.3を満たすことがさらに好ましい。
Tは、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素からなる。また、TはFeおよびCoからなることがより好ましい。熱電変換材料にFeとCoの両方を含有させることにより、格子熱伝導率を低下させることができ、熱電変換性能のさらなる向上を図れる。TがFeおよびCoからなる場合、Feに対するCoのモル比率は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.25以上であることがさらに好ましい。一方、Feに対するCoのモル比率は、1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.35以下であることがさらに好ましい。
t−mは、3.0≦t−m≦5.0を満たす。また、t−mは、3.5≦t−mを満たすことがより好ましい。一方、t−mは、t−m≦4.5を満たすことがより好ましい。
tは、3.0≦t≦5.5を満たす。また、tは、3.5≦tを満たすことがより好ましい。一方、tは、t≦5.0を満たすことがより好ましく、t≦4.5を満たすことがさらに好ましい。
mは、0≦m≦0.5満たす。また、mは、m≦0.3を満たすことがより好ましく、m≦0.1を満たすことがさらに好ましい。さらに、m=0であってもよい。
Mは、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuからなる群から選択される少なくとも一種の元素からなる。Mは、図2中、Aのサイトに入り、結晶格子の歪を起こす。そして、熱伝導率κを低下させることができ、熱電変換材料の無次元性能指数ZTの値をより大きくすることができる。
xは、10.0≦x≦11.5を満たす。また、xは、10.5≦xを満たすことがより好ましく、10.75≦xを満たすことがさらに好ましい。一方、xは、x≦11.25を満たすことがより好ましい。
x/tで表される値は、x/t<3.0を満たす。x/t<3.0であるとは、通常のスクッテルダイト構造よりも、Sbの含有比率が低いことを示す。また、x/tは、x/t≦2.90を満たすことが好ましく、x/t≦2.85を満たすことがより好ましく、x/t≦2.80を満たすことがさらに好ましい。一方、x/tは、たとえば1.8<x/tを満たし、さらに2.50≦x/tを満たすことが好ましい。
また、x/(k+r+t)で表される値は、x/(k+r+t)<2.40を満たすことが好ましい。x/(k+r+t)<2.40であることも、Sbの含有比率が低いことを示す。また、x/(k+r+t)で表される値は、x/(k+r+t)≦2.30を満たすことがより好ましく、x/(k+r+t)≦2.25を満たすことがさらに好ましい。一方、x/(k+r+t)は、たとえば1.50<x/(k+r+t)を満たし、さらに2.00≦x/(k+r+t)を満たすことが好ましい。
本実施形態に係る熱電変換材料は、主相が充填スクッテルダイト構造を有する。ここでで、主相とは、熱電変換材料のうち、最も多くを占める相をいう。また、熱電変換材料が一つの相のみから成る場合には、その相を主相という。熱電変換材料を構成する相の比率はたとえばX線回折法若しくはSEM等の組織画像の分析法で求められる。熱電変換材料のうち主相が占める割合は特に限定されないが、たとえば40体積%以上であり、好ましくは50体積%以上であり、より好ましくは60体積%以上である。
また、熱電変換材料は、第1の相および第2の相を含んでも良い。ここで、第1の相および第2の相は、互いに異なる相である。そして、第1の相は上述の主相である。また、熱電変換材料全体において第2の相が占める割合は、たとえば0.1体積%以上である。一方、熱電変換材料全体において第1の相が占める割合が60体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましい。一方、第2の相が占める割合は40体積%以下であることが好ましく、20体積%以下であることがより好ましい。
なお、熱電変換材料は、上記の元素以外に、不可避に含有される酸素や不純物元素を含んでも良い。
本実施形態に係る熱電変換材料の、100℃から600℃における無次元性能指数ZTの最大値は特に限定されないが、たとえば0.60以上とすることができる。また、熱電変換材料の100℃から600℃における無次元性能指数ZTの最大値は好ましくは0.65以上である。ここで、通常のスクッテルダイト構造と同様の高い比率でSbを含有する熱電変換材料において、高温での使用によりSbが昇華して含有比率が低下することがある。しかしその場合、無次元性能指数ZTも低下することとなる。本実施形態に係る熱電変換材料は、所定の組成の結晶を成長させることにより、高い熱電変換性能と耐熱性とを両立できる。
次に、本実施形態に係る熱電変換材料の製造方法について説明する。本実施形態に係る熱電変換材料は、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応、偏析反応、非平衡状態の物質相の分解、固溶体の分解及びこれらの複合プロセスによって形成できる。そのため、例えば、溶解法、急冷凝固法(ガスアトマイズ、水アトマイズ、単ロール法、双ロール法)、メカニカルアロイング法、ボールミル法、ビーズミル法、ホットプレス法、加熱焼結法、放電プラズマ成型法、または熱処理法などを適宜組み合わせることによって製造することができる。
以下に、(i)から(iii)の三つの例を挙げて熱電変換材料の製造方法を説明する。たとえば以下の様にすることによって、多くの元素を含む場合にも、所望の組成の熱電変換材料を精度良く得ることができる。
(i)本実施形態に係る熱電変換材料の製造方法として、溶解法と熱処理法とを組み合わせた例について説明する。所定比率で単体(たとえば純金属)の原料を坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、電気炉加熱によってたとえば1000℃〜1250℃まで加熱溶解し、5時間保持する。不活性ガスとしてはArガスやNガスが挙げられる。次いで、組成の均一性を確保するために、急速に室温まで冷却する。その後、再度600℃まで加熱し、固相の状態で12時間保持し、室温まで冷却することにより、目的の熱電変換材料を得ることができる。
(ii)本実施形態に係る熱電変換材料の製造方法として、溶解法と放電プラズマ成型法とを組み合わせた例について説明する。所定比率で単体の原料を坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、たとえば1000℃〜1250℃まで加熱溶解し、5時間保持した後、水急冷する。水急冷した材料を粉砕し、粉末をカーボンダイスに入れ、真空もしくは不活性ガス雰囲気中において、5MPa〜60MPaの圧力の下でパルス電流をかけながら500〜750℃の温度まで加熱する。そのまま10分間保持した後、室温まで冷却することで目的の熱電変換材料を得ることができる。
(iii)本実施形態にかかる熱電変換材料の合成方法として、メカニカルアロイング法と放電プラズマ成型法とを組み合わせた例について説明する。まず、不活性ガス雰囲気中において、所定比率で純金属粉末をアルミナ容器の中に入れ、アルミナボールと混合する。次いで、メカニカルアロイングを24時間行い、原料粉末を得る。この粉末をカーボンダイスに入れ、真空もしくは不活性ガス雰囲気中において、5MPa〜60MPaの圧力の下でパルス電流をかけながら500〜750℃の温度まで加熱し、10分間保持する。その後、室温まで冷却することにより、目的の熱電変換材料を得ることができる。
図1は、熱電変換材料10を用いた熱電変換素子40の構造の例を示す図である。熱電変換素子40は、熱電変換材料10と、電極42とを備える。以下に詳細に説明する。
本実施形態に係る熱電変換素子40は、熱電変換材料10として、n型熱電変換材料12およびp型熱電変換材料14を少なくとも1つずつ備える。そして、熱電変換素子40は、複数の電極42、接合部材44、および拡散防止部材46をさらに備える。熱電変換素子40では、n型熱電変換材料12とp型熱電変換材料14とを組み合わせたペアが1つ以上、電気的に直列に接続されている。熱電変換素子40を用いて、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる。あるいは、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換できる。
熱電変換素子40は、電極42として、p型熱電変換材料14の一端とn型熱電変換材料12の一端とを相互に電気的に接続している第1電極413と、p型熱電変換材料14の他端に接続されている第2電極414と、n型熱電変換材料12の他端に接続されている第3電極415とを有している。
n型熱電変換材料12およびp型熱電変換材料14と、電極42とは、それぞれ接合部材44および拡散防止部材46を介して接合されている。接合部材44および拡散防止部材46は熱電変換材料10と電極42との間に積層して設けられており、接合部材44は電極42と、拡散防止部材46は熱電変換材料10と接合されている。
電極42は特に限定されないが、Fe合金、Co合金、Ni合金、Cu合金、Ti合金、およびAl合金からなる群より選択される少なくとも一種の合金からなることが好ましい。なお、電極42は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、チタン、およびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属であっても良い。なお、電極42の材料は、接合部材44の合金層と同じ組成の合金を使用することがより好ましい。これにより、両者の密着性を高めることができる。
接合部材44は、熱応力を緩和する観点から、Cu合金、Ag合金、Au合金、およびAl合金からなる群より選択される少なくとも一種の合金からなることが好ましい。
拡散防止部材は、熱電変換材料10の構成元素の拡散を防止する観点から、Fe−M1(M1は、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Mn、Ti、Zr、Hf、C、Si、および、Geからなる群から選択される少なくとも一種の元素)合金、Co−M1合金、Ni−M1合金、Ti−M2(M2はAl、Ga、In、Cu、Ag、Au、Sn、Zn、および、Mgからなる群から選択される少なくとも一種の元素)合金、Zr−M2合金、Hf−M2合金、V−M2合金、Nb−M2合金、Ta−M2合金、Cr−M2合金、Mo−M2合金、および、W−M2合金からなる群より選択される少なくとも一種の合金からなることが好ましい。
なお、接合部材44および拡散防止部材46はそれぞれ一種の合金層からなってもよいが、二種以上の合金層からなっても構わない。
拡散防止部材46および接合部材44はそれぞれロウ付け、スパッタリング、蒸着、溶射、あるいは放電プラズマ焼結法などの方法によって、熱電変換材料10に積層させることができる。
電極42は、ロウ付け、スパッタリング、蒸着、容射、放電プラズマ焼結法、あるいは微小レーザー溶接などの公知の方法によって、接合部材44に積層させることができる。
なお、本実施形態では、接合部材44および拡散防止部材46を有する熱電変換素子40について説明したが、接合部材44および拡散防止部材46はいずれか一方を省略することもできるし、両方を省略することもできる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、特定の組成に設定することにより、耐熱性に優れる熱電変換材料を得ることができる。また、また、k、r、t、m、およびxの大きさを所定の条件を満たすように設定することによって、高い熱電変換性能も実現できる。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
[熱電変換材料の作製]
各実施例および比較例の熱電変換材料の作製方法について説明する。まず、熱電変換材料を構成する元素の原料の純金属を、一般式に示す組成比に対応する所定比率でカーボン材質の坩堝に入れ、Arガス雰囲気中において、電気炉加熱によって1200℃まで加熱溶解し、5時間保持した後、水急冷した。次いで、水急冷した材料を粉砕し、粉末をカーボンダイスに入れ、Arガス雰囲気中において、40MPaの圧力の下で加熱した。600℃〜750℃の温度で10分間保持した後、室温まで冷却することで目的の熱電変換材料を得た。得られた熱電変換材料の組成はICP(Inductively Coupled Plasma)分析によって測定した。
以下に示す組成の熱電変換材料を作製し、耐熱性を評価した。
(実施例1−1)
p型La0.65Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例1−2)
p型Pr0.7Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(比較例1−1)
p型La0.7Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb12
耐熱性の評価は、熱重量測定により行った。具体的には、熱重量測定装置を用いて、Ar雰囲気中、5℃/minの加熱速度で、室温〜750℃の温度範囲において、熱電材料粉末の熱重量を測定した。
図3は、実施例1−1、実施例1−2および比較例1−1の熱電変換材料の、熱重量測定の結果(TGチャート)を示す図である。比較例1−1では、550℃程度でSbの昇華による重量の減少が生じた。一方、実施例1−1および実施例1−2では、600℃を超えるまで重量減少が生じなかった。よって、実施例1−1および実施例1−2の熱電変換材料は、比較例1−1の熱電変換材料よりも、高い耐熱性を有することが確認された。
また、実施例2−1から実施例2−6、比較例2−1、および比較例2−2として、以下に示すp型熱電変換材料を作製した。ここで、実施例2−2は実施例1−1に相当し、比較例2−1は、比較例1−1に相当する。
(実施例2−1)
p型La0.6Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例2−2)
p型La0.65Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例2−3)
p型La0.8Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例2−4)
p型La0.9Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例2−5)
p型La0.75Ba0.01Ga0.1Ti0.1Fe2.75Co1.25Sb11
(実施例2−6)
p型La0.75Ba0.01Ga0.1Ti0.1Fe2.75Co1.25Sb10
(比較例2−1)
p型La0.70Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb12
(比較例2−2)
p型La0.75Ba0.01Ga0.1Ti0.1Fe2.75Co1.25Sb12
実施例2−1から実施例2−6、比較例2−1、および比較例2−2の熱電変換材料について、実施例1−1等と同様に耐熱性を評価した。また、各実施例および各比較例の熱電変換材料について、以下の様に熱電変換性能等を評価した。
[熱電変換性能の評価]
熱電変換性能の評価は、次の様に行った。
各実施例および各比較例の熱電変換材料について、100℃〜600℃の温度範囲でゼーベック係数S、電気抵抗率ρおよび熱伝導率κを測定し、出力因子Pと無次元性能指数ZTをそれぞれ算出した。具体的には、熱電変換材料の角柱状試料片を対象に、熱電能測定装置(アルバック理工株式会社製、ZEM−2)によりゼーベック係数Sと電気抵抗率ρを測定した。このとき、角柱状試験片はl×w×hの大きさの角柱状とし、lは2〜3mm、wは2〜3mm、hは10〜20mmとした。また、熱電変換材料のディスク状試料片を対象に、室温において密度計により密度dを測定した上で、レーザフラッシュ法熱定数測定装置(アルバック理工株式会社製、TC−7000H)により各温度における熱拡散率αを測定した。さらに、示差走査熱量測定の熱分析装置を用いて100℃〜600℃の温度範囲で熱電変換材料の比熱Cを測定した。測定した密度d、比熱Cおよび熱拡散率αを用い、κ=α・d・Cの関係から、熱伝導率κを求めた。そして、実施形態において述べた式(2)を用いて無次元性能指数ZTを、式(3)を用いて出力因子Pを算出した。
図4は、実施例2−1から実施例2−3の熱電変換材料の、熱重量測定の結果を示す図である。実施例2−1から実施例2−3の熱電変換材料は、いずれも600℃程度、または、それ以上になるまでSbの昇華に起因する重量減少が生じなかった。よって、高い耐熱性を有することが確認された。
図5(a)は、実施例2−1から実施例2−4のゼーベック係数Sを示す図であり、図5(b)は、実施例2−1から実施例2−4の熱伝導率κを示す図であり、図5(c)は、実施例2−1から実施例2−4の電気抵抗率ρを示す図である。図6(a)は、実施例2−1から実施例2−4の出力因子Pを示す図であり、図6(b)は、実施例2−1から実施例2−4の無次元性能指数ZTを示す図である。
表1に、各元素の含有モル比、x/tの値、およびx/(k+r+t)の値、耐熱温度T、および、100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxの値をまとめて示す。表1に示す結果より、各実施例において、比較例2−1および比較例2−2よりも耐熱温度Tが高く、熱電変換材料の耐熱性に優れることが確かめられた。
ここで、熱重量測定で得た熱重量と温度/時間との関係を微分して得られた微分熱重量DTG(Dfferential Thermogravimetry)曲線の、重量減少が始まる前後の部分を外挿した二直線(たとえば図4中の破線)の交点が示す温度を、耐熱温度Tとした。
また、図7は、実施例2−1から実施例2−4の100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxをプロットした図である。本図の横軸はLaの含有比率(実施形態におけるkの値)を示し、縦軸は、100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxを示す。図7に示す様に、実施形態で説明したkの値が0.50≦k≦0.70を満たす場合において特にZTが高く、k=0.65である実施例2−2で最もZTmaxが高かった。一方、kが0.70を超えると、急激にZTmaxの値が小さくなった。これらの点について以下に考察する。
図8は、実施例2−1から実施例2−4に係る熱電変換材料をX線回折法を用いて評価した結果を示す図である。本図中、黒矢印は、FeSbの結晶相に起因するピークの位置を示している。また、本図中、白矢印は、FeSbの結晶相に起因するピークの位置を示している。本図から、実施例2−2において、FeSbおよびFeSbの結晶相が最も少ないことが分かる。
また、図9(a)は、実施例2−1に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。図9(b)は、実施例2−2に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。図9(c)は、実施例2−3に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。図9(d)は、実施例2−4に係る熱電変換材料の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。
図9(a)〜図9(d)において、比較的黒い部分は、主にFeSbやFeSb等の相が生じている部分を示す。一方、比較的白い部分は、主にLaの含有量が多い相が生じている部分を示す。そして、それ以外の部分が、スクッテルダイト相が生じている部分を示す。これらの図から、特に高いZTmaxを得られた実施例2−1および実施例2−2において、FeSbやFeSb等の相、および、Laの含有量が多い相等の異相の発生が少ないことが分かる。また、実施例2−2において異相の発生が最も少なく、スクッテルダイトの単相に最も近いことが分かる。一方、実施例2−3および実施例2−4では、Laの含有量が多い相が多く発生していることが分かる。したがって、kが0.70を超える場合のZTmaxの値の低下は、Laの含有量が多い相が発生したことに起因すると考えられる。
また、実施例3−1から実施例3−5、および比較例3−1として、以下に示すp型熱電変換材料を作製した。ここで、実施例3−3は実施例1−2に相当する。
(実施例3−1)
p型Pr0.6Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例3−2)
p型Pr0.65Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例3−3)
p型Pr0.7Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例3−4)
p型Pr0.8Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例3−5)
p型Pr0.9Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(比較例3−1)
p型Pr0.75Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb12
実施例3−1から実施例3−5、および比較例3−1の熱電変換材料について、実施例2−1等と同様に熱電変換性能および耐熱性を評価した。
図10(a)は、実施例3−1から実施例3−5のゼーベック係数Sを示す図であり、図10(b)は、実施例3−1から実施例3−5の熱伝導率κを示す図であり、図10(c)は、実施例3−1から実施例3−5の電気抵抗率ρを示す図である。図11(a)は、実施例3−1から実施例3−5の出力因子Pを示す図であり、図11(b)は、実施例3−1から実施例3−5の無次元性能指数ZTを示す図である。また、図12は、実施例3−1から実施例3−5の100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxをプロットした図である。本図の横軸はPrの含有比率(実施形態におけるkの値)を示し、縦軸は、100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxを示す。
表2に、各元素の含有モル比、x/tの値、およびx/(k+r+t)の値、耐熱温度T、および、100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxの値をまとめて示す。表2に示す結果より、各実施例において、比較例3−1よりも耐熱温度Tが高く、熱電変換材料の耐熱性に優れることが確かめられた。
図12に示す様に、実施形態で説明したkの値が0.50≦k≦0.70を満たす場合において特にZTが高く、k=0.70である実施例3−3で最もZTmaxが高かった。一方、kが0.70を超えると、急激にZTmaxの値が小さくなった。これも、上記と同様、Prの含有量が多い相が発生したことに起因すると考えられる。
また、実施例4−1、実施例4−2、および比較例4−1として、以下に示すp型熱電変換材料を作製した。
(実施例4−1)
p型Ce0.6Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(実施例4−2)
p型Ce0.65Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb11
(比較例4−1)
p型Ce0.75Ba0.01Ga0.1Ti0.1FeCoSb12
実施例4−1、実施例4−2、および比較例4−1の熱電変換材料について、実施例2−1等と同様に熱電変換性能および耐熱性を評価した。
図13(a)は、実施例4−1および実施例4−2のゼーベック係数Sを示す図であり、図13(b)は、実施例4−1および実施例4−2の熱伝導率κを示す図であり、図13(c)は、実施例4−1および実施例4−2の電気抵抗率ρを示す図である。図14(a)は、実施例4−1および実施例4−2の出力因子Pを示す図であり、図14(b)は、実施例4−1および実施例4−2の無次元性能指数ZTを示す図である。
表3に、各元素の含有モル比、x/tの値、およびx/(k+r+t)の値、耐熱温度T、および、100℃から600℃における無次元性能指数の最大値ZTmaxの値をまとめて示す。表3に示す結果から、各実施例において、比較例4−1よりも耐熱温度Tが高く、熱電変換材料の耐熱性に優れることが確かめられた。
図14(b)に示す様に、実施形態で説明したkの値が0.65である実施例4−2において特にZTが高く、最大値ZTmax=0.72の値を得た。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 熱電変換材料
12 n型熱電変換材料
14 p型熱電変換材料
40 熱電変換素子
42 電極
44 接合部材
46 拡散防止部材
413 第1電極
414 第2電極
415 第3電極

Claims (12)

  1. 一般式LkRrTt−mMmSbxで表される組成を有し、
    Lは、希土類元素から選択される少なくとも一種の元素からなり、
    Rは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される二種以上の元素からなり、
    Tは、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素からなり、
    Mは、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuからなる群から選択される少なくとも一種の元素からなり、
    0.50≦k≦1.00、0.1≦r≦0.5、3.0≦t−m≦5.0、0≦m≦0.5、10.0≦x≦11.5、かつx/t<3.0が成り立つ
    熱電変換材料。
  2. 請求項1に記載の熱電変換材料において、
    主相が充填スクッテルダイト構造を有する
    熱電変換材料。
  3. 請求項2に記載の熱電変換材料において、
    第1の相および第2の相を含み、
    前記第1の相は前記主相であり、
    当該熱電変換材料全体において前記第1の相が占める割合が60%以上であり、
    当該熱電変換材料全体において前記第2の相が占める割合が0.1%以上である
    熱電変換材料。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    x/(k+r+t)<2.40が成り立つ
    熱電変換材料。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    Rは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される三種以上の元素からなる
    熱電変換材料。
  6. 請求項5に記載の熱電変換材料において、
    Rが、互いに異なる三種以上の族の元素を含む
    熱電変換材料。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    0.50≦k≦0.70が成り立つ
    熱電変換材料。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    10.5≦x≦11.5が成り立つ
    熱電変換材料。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    Lが、La、Ce、またはPrである
    熱電変換材料。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    Tが、FeおよびCoからなる
    熱電変換材料。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    m=0である
    熱電変換材料。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    100℃から600℃における無次元性能指数ZTの最大値が0.60以上である熱電変換材料。
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