JP2007173798A - 熱電変換材料の製造方法および熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数ZTの大きな熱電変
換材料を提供する。
【解決手段】 MgAgAs型結晶構造を有する相を含有する熱電変換材料の製造方法で
あって、
下記組成式(1)で表わされる組成を有する合金粉末を焼結法によって一体成形する工
程を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
x≦35、30≦y≦35である。)
【選択図】なし
Description
ー化合物を主相とする熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子に関する。
用した熱電冷却素子に関する関心が高まってきている。地球温暖化問題から二酸化炭素排
出量を削減するために、未利用廃熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電発電
素子に対する関心もまた、同様に高まりつつある。
は、効率の高さから、Bi−Te系の単結晶構造あるいは多結晶構造のものが多く用いら
れる。室温より高温の条件下で使用される熱電材料においても、効率の高さからp型およ
びn型のいずれにもPb−Te系材料が用いられている。
地球環境問題の観点からも好ましくない。Bi−Te系材料には、一般的に不純物として
Seが添加されており、これも人体にとって有毒有害な元素である。地球環境問題の観点
からも、Seは好ましくない。さらに、こうした材料系に用いられているTeは地球上の
埋蔵量が非常に少なく、資源的に供給上の困難がある。このため、Bi−Te系材料およ
びPb−Te系材料よりも効率が高く、しかも無害な熱電変換材料が求められている。
構造の金属間化合物であり、AXのNaCl型結晶格子にB原子が挿入された構造である
。こうした構造を有する化合物は室温で高いゼーベック係数を有し、例えばTiNiSn
は−142μV/K、ZrNiSnは−176μV/K、また、HfNiSnは−124
μV/Kと報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記数式(1)中、αは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の導電率で
あり、κは熱電変換材料の熱伝導率である。導電率σの逆数は、電気抵抗率ρとして表わ
される。
。この値ZTは、無次元性能指数と呼ばれ、熱電変換材料の熱電変換効率に相関関係を有
して、このZTの大きな材料ほど熱電変換効率は大きくなる。
変換材料となる。例えば、現在知られている材料の中で最も大きな無次元性能指数を有す
るBi−Te系の無次元性能指数は、300Kで約1.0である。
ゼーベック係数を有しているものの、室温での抵抗率が11mΩcmと大きく、また熱伝
導率も8.8W/mKと大きい。このため、無次元性能指数ZTは0.010と小さく、
熱電変換効率は小さいことが報告されている。TiNiSnおよびHfNiSnでは、熱
電変換効率はさらに小さく、TiNiSnで0.007程度であり、HfNiSnでは0
.005に留まる。
ている(例えば、非特許文献2参照)。このHoPdSbは、室温におけるゼーベック係
数は150μV/Kであり、熱伝導率は6W/mKとZrNiSnよりやや小さいものの
、やはり抵抗率が9mΩcmと大きいため、無次元性能指数ZTは0.01に留まる。H
o0.5Er0.5PdSb1.05、Er0.25Dy0.75Pd1.02Sb、およびEr0.25Dy0.75P
dSb1.05には、室温における無次元性能指数は小さく、それぞれ0.04、0.03、
および0.02と報告されている。
J.Phys.:Condens.Matter 11 1697−1709(1999) Appl.Phys.Lett.,74,1414−1417(1999)
ーベック係数と低い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数Z
Tの大きな熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子を提供することを目的とする
。
相を含有する熱電変換材料の製造方法であって、下記組成式(1)で表わされる組成を有
する合金粉末を焼結法によって一体成形する工程を有することを特徴とする。
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
x≦35、30≦y≦35である。)
本発明の一形態にかかる熱電変換素子は、交互に直列に接続されたp型熱電変換材料お
よびn型熱電変換材料を含み、前記p型熱電変換材料および前記n型熱電変換材料の少な
くとも一方は、前記合金粉末を焼結法によって一体成形する製造方法によって製造された
熱電変換材料を含むことが好ましい。
係数と低い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数ZTの大き
な熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子を提供できる。
ア、すなわち自由電子の移動によるものとに分けられる。したがって、熱伝導率κは下記
数式(2)式で表される。
上記数式(2)中、κphは格子熱伝導率、κelは電子熱伝導率である。
上記数式(3)中、σは導電率、Tは絶対温度、またLはローレンツ因子であり、下記数
式(4)で表わされる。
上記数式(4)中、kBはボルツマン定数(1.38×10−23J/K)であり、eは
電子の電荷量(−1.60×10−19C)である。
ある。上記数式(3)式に示されるように、電子熱伝導率κelは絶対温度および導電率
に比例することから、同一温度で電子熱伝導率を小さくするためには、導電率を小さくす
る必要がある。
ためには導電率を大きくしなければならない。したがって、電子熱伝導率を小さくして全
体の熱伝導率κを低減し、それによって無次元性能指数を大きくすることはできない。ま
た、上記数式(3)式からわかるように、導電率が温度依存性をもたず温度変化に対して
一定だとすると、電子熱伝導率は温度に比例して増加する。そのため、格子熱伝導率が温
度依存性をもたず一定であっても、上記数式(2)式より全体の熱伝導率κは温度が高い
領域ほど大きくなり、無次元性能指数は小さくなってしまう。
子熱伝導率κphをいかに小さくするかが重要である。格子熱伝導率は、結晶格子の種類
、構成される元素に大きく依存し、格子の規則性を乱すことによって低下させることがで
きる。ハーフホイスラー構造を持つMNiSnにおいてはMとしてTi,Zr,Hfを単
独に用いた場合には格子熱伝導率は6.7〜9.3W/mKである。
Snにおいて、Aサイトの原子の原子半径不規則性を導入することによって、熱伝導率を
さらに低減できることを見出した。なお、図1中、参照符号1,2,3は、それぞれA元
素(M)、B元素(Ni)およびX元素(Sn)を表わし、参照符号4は空孔を表わす。
、原子半径および原子量の不均一性によるフォノンの散乱、および結晶格子の大きさに不
均一性を生じさせて、熱伝導率を大幅に低減することを可能とした。
ミ面近傍における電子密度分布変化を急峻にし、ゼーベック係数の増加にも効果があるこ
とを本発明者らは見いだした。
れ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
Aサイトにある原子がTi,Zr,Hf全てを含むようにするために、前記組成式(1)
におけるa1,b1,c1は、0より大きいことが必要である。したがって、a1,b1
,c1の数値は、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1に
規定される。さらにより好ましくは、0.1<a1<0.9、0.1<b1<0.9、0
.1<c1<0.9、a1+b1+c1=1に規定される。
を得るために、xおよびyは、30≦x≦35および30≦y≦35の範囲にそれぞれ規
定される。xおよびyのより好ましい範囲は、33≦x≦34、および33≦y≦34で
ある。
元素に着目した。希土類元素は、NiまたはSnとの間に合金相を形成しやすいため、こ
れに起因する熱伝導率の低減も期待される。こうした知見に基づいて鋭意ら調査を行なっ
た結果、本発明者らは、ハーフホイスラー化合物MNiSn(X=Ti,Zr,Hf)に
おけるMの一部を、Yおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素
で置換することによっても、熱伝導率を大幅に改善できることを見出した。
され、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
2)
Lnは、Yおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素であり、希
土類元素には、周期律表における原子番号57のLaから、原子番号71のLuまでの全
ての元素が含まれる。融点および原子半径を考慮すると、Er,Gd,およびNdが、L
nとして特に好ましい。
を発揮するが、熱伝導率をより低減するめには、Lnの配合量は、Lnと(Ti,Zr,
Hf)との総量のうち、0.1原子%以上とすることが好ましい。Lnの配合量が、Ln
と(Ti,Zr,Hf)との総量の30原子%を越えた場合には、MgAgAs型結晶構
造を有する相以外の相、例えばLnSn3相の析出が顕著になって、ゼーベック係数の劣
化を招くおそれがある。このため、dの値は0<d≦0.3の範囲内に規定され、より好
ましくは0.001≦d≦0.3の範囲内である。
する必要はない。このため、a2,b2,c2は、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c
2≦1、a2+b2+c2=1の範囲内となる。
ために、xおよびyは、30≦x≦35、30≦y≦35の範囲に設定される。ハーフホ
イスラー化合物においては、総価電子数が18近傍の場合に大きなゼーベック係数が観測
される。例えば、ZrNiSnにおける外殻電子配置は、Zr(5d26s2)、Ni(
3d84s2)、Sn(5s25p2)であり、価電子の総数は18となる。TiNiS
n、およびHfNiSnも同様に、価電子の総数は18となる。
類元素で置換した場合には、Ce,Eu,Ybを除く希土類元素は(5d16s2)の外
殻電子配置により3価となる場合が多いため、総価電子数が18からずれてしまうおそれ
がある。そこで、xおよびyを適宜調整してこれを補うことが可能である。
,Ta,Cr,Mo,およびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換され
ていてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Ti
,ZrおよびHfの一部を置換することができる。このような置換によって、主相である
MgAgAs相における総価電子数を調整して、ゼーベック係数や導電率を増大させるこ
とが可能である。前述したように、ハーフホイスラー化合物においては総価電子数が18
近傍の場合に大きなゼーベック係数が観測されるため、これらの置換元素と希土類元素と
を併用することによって、総価電子数を調整することが有効である。ただし、置換量は、
Ti,Zr,Hf総量の30原子%以下とすることが好ましい。30原子%を越えると、
MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック係数の劣
化を招くおそれがある。
びCuからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてもよい。これらの元素
は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Niの一部を置換することができ
る。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を調整する
などしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能である。置換量は、一般的には
、Niの50原子%以下にとどめることが望まれる。特に、Cuで置換する場合には、そ
の置換量が多すぎるとMgAgAs相の生成を阻害するおそれがあるため、Niの30原
子%以下とすることが好ましい。
e,Pb,Ga,およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されて
もよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Snの一部
を置換することができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における
総価電子数を調整するなどしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能である。
ただし、Snを置換する元素は有害性、有毒性、材料コストを考慮すると、Sb、Biが
特に好ましい。置換量は、Snの30原子%以下とすることが好ましい。30原子%を越
えた場合には、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼー
ベック係数の劣化を招くおそれがある。
適用することができる。B元素としてPdを用いた場合に比べて、Niを用いることによ
りパワーファクターが増大することが、本発明者らによって見出された。
gAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
図1に示した結晶構造と対応させると、A元素1がLn1、B元素2がNi,X元素3が
Sbに相当する。
Lu,Th,Uの中から選ばれる少なくとも一種の元素である。MgAgAs型結晶構造
を有する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数を得るためには、XおよびYは、
30≦X≦35および30≦Y≦35の範囲にそれぞれ規定される。XおよびYのより好
ましい範囲は、33≦X≦34、および33≦Y≦34である。
n1の一部としてYを含有することが好ましい。
MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
図1に示した結晶構造と対応させると、A元素1がLn2およびY、B元素2がNi、X
元素3がSbである。
,Th,Uの中から選ばれる少なくとも一種の元素である。MgAgAs型結晶構造を有
する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数を得るためには、P、XおよびYは、
0.001≦P≦0.999、30≦X≦35、30≦Y≦35の範囲にそれぞれ規定さ
れる。P、XおよびYのより好ましい範囲は、0.01≦P≦0.99、33≦X≦34
、および33≦Y≦34である。
度を低下させる。したがって、性能指数をよりいっそう高めることができる。
r,Hf,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Be,Mg,Ca,Sr,Baからな
る群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていてもよい。これらの元素は、単独
で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Ln1もしくはLn2の一部を置換するこ
とができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を
調整して、導電率を増大させることが可能である。特に、Be,Mg,Ca,Sr,Ba
の様な2価の元素で置換することは、3価のLn1,Ln2を2価の元素で置換すること
となるため、電気的なホールが形成される。
大に有効である。ただし、置換量は、Ln1若しくはLn2の総量の約30原子%以下と
することが好ましい。約30原子%を越えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外
の相の析出が顕著となって、ゼーベック係数の劣化を招くおそれがある。
,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Znから
なる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてもよい。これらの元素は、単独で
、あるいは二種以上を組み合わせて用い、Niの一部を置換することができる。このよう
な置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を調整するなどしてゼー
ベック係数や導電率を増大させることが可能である。特に、Co,Rh,Irの様なNi
よりも外殻価電子数が一つ少ない元素で置換することは、電気的なホールが形成され、キ
ャリアー濃度を増加させ、導電率の増大に有効である。
えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック
係数の劣化を招くおそれがある。
Ge,As,In,Sn,Pb,Biからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置
換されてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、S
bの一部を置換することができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相
における総価電子数を調整するなどしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能
である。特に、Si,Ge,Sn,Pbの様なSbよりも外殻価電子数が一つ少ない元素
で置換することは、電気的なホールが形成されることによりキャリアー濃度を増加させ、
導電率の増大に有効である。
えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック
係数の劣化を招くおそれがある。また、SbをBiで置換することは、より原子半径が大
きく原子量が大きな元素で置換することとなるため、フォノン散乱効果が大きくなり、格
子熱伝導率の低下に有効である。
とができる。
る。合金の作製に当たっては、単ロール法、双ロール法、回転ディスク法、ガスアトマイ
ズ法などの液体急冷法、あるいはメカニカルアロイング法などの固相反応を利用した方法
などを採用することもできる。液体急冷法やメカニカルアロイング法といった方法は、合
金を構成する結晶相を微細化する、結晶相内への元素の固溶域を拡大するなどの点で有利
である。このため、熱伝導率を大幅に低減することができる。
金を作製することも可能である。
相化され、結晶粒子径も制御されるので、熱電特性をさらに高めることができる。溶解、
液体急冷、メカニカルアロイングおよび熱処理などの工程は、合金の酸化を防止するとい
う観点から、例えばArなどの不活性雰囲気中で行なわれることが好ましい。
粉末を得、合金粉末を、ホットプレス法、およびSPS法などの焼結法によって一体成型
する。合金の酸化を防止するという観点から、一体成型は、例えばArなどの不活性雰囲
気中で行なわれることが好ましい。次いで、得られた成型体を所望の寸法に加工すること
によって、本発明の実施形態にかかる熱電変換材料が得られる。成型体の形状や寸法は適
宜選択することができる。例えば、外形0.5〜10mmφ、厚み1〜30mmの円柱状
や、(0.5〜10mm)×(0.5〜10mm)×厚み(1〜30mm)程度の直方体
状などとすることができる。
造することができる。その一例の構成を表わす概略断面図を、図2に示す。
変換材料9と、p型半導体の熱電変換材料8が並列に配置されている。n型熱電変換材料
9およびp型熱電変換材料8のそれぞれの上面には、電極10aおよび10bがそれぞれ
配置され、その外側に上側絶縁性基板11aを接続される。n型熱電変換材料9およびp
型熱電変換材料8の下面は、下側絶縁性基板11bに支持された電極10cによって接続
されている。
高温度にした場合、p型半導体熱電変換材料8内部においては、正の電荷を持ったホール
14が低温度側(上側)に移動し、電極10bは電極10cより高電位となる。一方、n
型半導体熱電変換材料9内部では、負の電荷を持った電子15が低温度側(上側)に移動
して、電極10cは電極10aより高電位となる。
部側を低温度として下部側を高温度にした場合、電極10bは正極となり、電極10aは
負極となる。
接続することによって、図2に示した構造よりも高い電圧を得て、より大きな電力を確保
することができる。
に示す。図示するように、電変換素子16の上部側を低温度にして、下部側を高温度にす
ると、熱電変換素子16の終端電極19に電位差が生じる。電極19aと電極19bとに
負荷20を接続すると、図示する矢印方向に電流21が流れて熱電池として機能する。
図5に示す。図示するように、熱電変換素子16の終端電極19に直流電源22を用いて
図中の矢印方向に直流電流23を流す。その結果、熱電変換素子16の上部側は高温にな
り、一方の下部側は低温になって冷却器として機能する。
本実施例においては、n型の熱電変換材料について説明する。
純度99.9%のTi、純度99.9%のZr、純度99.9%のHf、純度99.99
%のNi、および純度99.99%のSnを原料として用意し、これを組成式(Ti0.
3Zr0.35Hf0.35)NiSnになるように秤量した。
10−3Paの真空度まで真空引きした。その後、純度99.999%の高純度Arを−
0.04MPaまで導入して減圧Ar雰囲気として、ア−ク溶解した。溶解後、水冷され
ている銅製のハ−スで急冷されて得られた金属塊を、石英管に10−4Pa以下の高真空
で真空封入し、1073Kで72時間熱処理した。
られた成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填し、Ar雰囲気中、80MPa
、1200℃で1時間加圧焼結して、直径20mm円盤状の焼結体を得た。
主としていることが確認された。
ことが確認された。
焼結体を2mm×0.5mm×18mmに切断し、電極を形成し直流4端子法で測定した
。
焼結体を4mm×1mm×0.5mmに切断し、この両端に2℃の温度差を付け起電力を
測定し、ゼーベック係数を求めた。
焼結体をφ10mm×t2.0mmに切断し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。これとは別にDSC測定により比熱を求めた。アルキメデス法により焼結体の密
度を求め、これらより熱伝導率を算出した。
1)により無次元性能指数ZTを求めた。300Kおよび700Kにおける抵抗率、ゼー
ベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
ゼーベック係数−333μV/K
格子熱伝導率3.05W/mK
ZT=0.12
700K:抵抗率2.35×10-3Ωcm
ゼーベック係数−328μV/K
格子熱伝導率1.95W/mK
ZT=1.20
(実施例I−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、図6
中に曲線aとして示す。図示するように最大で1.21程度の無次元性能指数ZTが得ら
れる。
、Bi−Te系材料の1.0である。本実施例においては、(Ti0.3Zr0.35H
f0.35)NiSnという組成としているので、これを越える高性能の熱電変換材料が
得られた。
純度99.9%のZr、純度99.9%のHf、純度99.99%のNi、純度99.9
9%のSnを原料として用意し、これを組成式Zr0.5Hf0.5NiSnになるよう
に秤量した。秤量された原料粉末を用いて、実施例I−1と同様の手法により焼結体を作
製し、同様の手法により熱電特性を評価した。300Kおよび700Kにおける抵抗率、
ゼーベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
ゼーベック係数−180μV/K
格子熱伝導率3.95W/mK
ZT=0.02
700K:抵抗率2.3×10-3Ωcm
ゼーベック係数−272μV/K
格子熱伝導率3.49W/mK
ZT=0.53
(比較例I−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、図6
中に曲線cとして示す。無次元性能指数ZTは最大でも0.54程度にとどまっているこ
とがわかる。
の1.0を越える高性能の熱電変換材料は得られなかった。
組成式(Tia1Zrb1Hfc1)NiSnで表わされる種々の組成の熱電変換材料を
、前述の実施例1と同様の手法により作製した。各熱電変換材料について、300Kおよ
び700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表1にまとめる
。なお、表1には、前述の(実施例I−1)および(比較例I−1)の結果も併せて示し
た。
(1)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有する
ことが認められた。これに対し、Ti、ZrおよびHfのいずれかを含有しない比較例I
−1、I−2およびI−3は、無次元性能指数ZTが劣っていることが、表1の結果に明
確に示されている。
前述の実施例I−1で作製された、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)Ni
Snで表わされる熱電変換材料におけるTi,Zr,Hfの一部を、V,Nb,Taの群
から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式((Ti0.3Zr0.35Hf
0.35)1−eXe)NiSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
添加した以外は、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電
変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得
られた結果を下記表2にまとめる。
換材料におけるTi,Zr,Hfの一部を、V,Nb,Taの群から選ばれる少なくとも
一種の元素で置換して、組成式((Ti0.5Zr0.25Hf0.25)1−eXe)
NiSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
添加した以外は、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電
変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得
られた結果を下記表3にまとめる。
)NiSn,(X=V,Nb,Ta)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれ
も良好な熱電変換特性を有することが認められた。表3に示されるように、組成式((T
i0.5Zr0.25Hf0.25)1−eXe)NiSn,(X=V,Nb,Ta)で
表わされる種々の組成の熱電変換材料もまた、いずれも良好な熱電変換特性を有すること
が認められた。
曲線bとして図6のグラフに示した。(実施例I−31)の熱電変換材料は、実施例1の
熱電変換材料よりも無次元性能指数ZTが高い。これは、4価のTi,Zr、Hfを5価
のTaで置換したことに起因して、キャリア濃度が増加し抵抗率が小さくなったためであ
ると推測される。
fの一部を、V,NbおよびTaの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電
変換材料においても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
Hfの一部を、Cr,MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換
した熱電変換材料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
前述の実施例I−1で作製された、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)Ni
Snで表わされる熱電変換材料におけるNiの一部を、Cuで置換して組成式(Ti0.
3Zr0.35Hf0.35)Ni1−fCufSnで表わされる熱電変換材料を作製し
た。
様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび70
0Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表4にまとめる。
換材料におけるNiの一部を、Cuで置換して組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.
25)Ni1−fCufSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび70
0Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表5にまとめる。
ufSnで表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有す
ることが認められた。表5に示されるように、組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.
25)Ni1−fCufSnで表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な
熱電変換特性を有することが認められた。
で置換した熱電変換材料においても、同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
n,FeおよびCoからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電変換材
料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
前述の実施例I−1で作製された組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)NiS
nで表わされる熱電変換材料におけるSnの一部を、SbおよびBiからなる群から選ば
れる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)
NiSn1−gXgで表わされる熱電変換材料を作製した。
した以外は、実施例I−1と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料
について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結
果を下記表6にまとめる。
換材料におけるSnの一部を、SbおよびBiからなる群から選ばれる少なくとも一種の
元素で置換して、組成式(Ti0.53Zr0.25Hf0.25)NiSn1−gXg
で表わされる熱電変換材料を作製した。
した以外は、実施例I−1と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料
について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結
果を下記表7にまとめる。
gXg(X=Sb,Bi)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱
電変換特性を有することが認められた。表7に示されるように、組成式(Ti0.5Zr
0.25Hf0.25)NiSn1−gXg(X=Sb,Bi)で表わされる種々の組成
の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
,Biの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電変換材料においても、同様
に良好な熱電特性を有することが確認された。
s、Ge、Pb、GaおよびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換し
た熱電変換材料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
組成式(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1−d)xNiySn100−x−y(L
nはEr,Gd,およびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦
1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、035、30≦y≦35)で
表わされる熱電変換材料を、前述の実施例(I−1)と同様の手法により作製した。各熱
電変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、
得られた結果を下記表8にまとめる。
ySn100−x−y(LnはEr,Gd,およびNdからなる群から選ばれる少なくと
も一種の元素、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35)で表わされる種々の組成の熱電変換材料
は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
組成式(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1−d)xNiySn100−x−y(L
nはEr,GdおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦1
、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、05、30≦y≦35)で表わ
される熱電変換材料において、(TiaZrbHfc)の一部をV,Nb,Taの群から
選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2
)1−d)xNiySn100−x−yで表わされる熱電変換材料を作製した。
し、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料につ
いて、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価した。LnとしてE
rが含有された熱電変換材料についての結果を、下記表9にまとめる。
ySn100−x−yにおいて、Ln=Er,a2=0.3,b2=0.35,c2=0
.35,x=y=33.3にて表わされる種々の組成の熱電変換材料は、XとしてV,N
bまたはTaが含有されると、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
おいても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
組成式(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1−d)xNiySn100−x−y(
LnはEr,GdおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦
1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、05、30≦y≦35)で表
わされる熱電変換材料において、Niの一部をCuで置換して、組成式(Lnd(Tia
2Zrb2Hfc2)1−d)x(Ni1−fCuf)ySn100−x−yで表わされ
る熱電変換材料を作製した。
手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび700K
における特性を前述と同様にして評価した。LnとしてErが含有された熱電変換材料に
ついての結果を、下記表10にまとめる。
Ni1−fCuf)ySn100−x−yで表わされる熱電変換材料において、Ln=E
r,a2=0.3,b2=0.35,c2=0.35,x=y=33.3にて表わされる
種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
おいても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
料もまた、Lnとして含有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
組成式(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1−d)xNiySn100−x−y(L
nはEr,Gd,Ndから選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦1、0≦b2≦1
、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、035)で表わされる熱電変換材料において、
Snの一部をSb,Biの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(L
nd(Tia2Zrb2Hfc2)1−d)xNiy(Sn1−gXg)100−x−y
で表わされる熱電変換材料を作製した。
、実施例I−1と同様の手法で熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、30
0Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価した。LnとしてErが含有さ
れた熱電変換材料についての結果を、下記表11にまとめる。
iy(Sn1−gXg)100−x−yで表わされる熱電変換材料において、Ln=Er
,(X=Sb,Bi),a2=0.3,b2=0.35,c2=0.35,x=y=33
.3で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有するこ
とが認められた。
いても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
、Lnとして含有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
p型熱電変換材料としてCeCoFe3Sb12を使用し、n型熱電変換材料として実
施例I−30の熱電変換材料を使用して、図3に示すような熱電変換素子を作製した。
0個、全120個を10列×12行になるようp,n交互に並べ、全120個を銀電極板
で直列に接続した。さらに、銀電極板の他方の面、すなわち熱電変換素子を接合した面の
反対面には窒化アルミニウム焼結体板を接合し、終端電極に電流リード線を接合して熱電
変換素子を作製した。
性を評価した。この温度条件における内部抵抗は、2.22Ωであった。負荷として、こ
の熱電変換モジュールの内部抵抗と同じ2.22Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特
性を測定した。その結果、発生した電圧は5.0Vであり、3.24Aの電流が流れ、1
6.2Wの電力が得られ、発電が確認された。
本実施例においては、p型の熱電変換材料について説明する。
純度99.9%のY、純度99.9%のEr、純度99.99%のNi、および純度99
.99%のSbを原料として用意し、これを組成式Y0.5Er0.5NiSbになるよ
うに秤量した。
10−3Paの真空度まで真空引きした。その後、純度99.999%の高純度Arを−
0.04MPaまで導入して減圧Ar雰囲気として、ア−ク溶解した。溶解後、水冷され
ている銅製のハ−スで急冷されて得られた金属塊を、石英管に10−4Pa以下の高真空
で真空封入し、1073Kで72時間熱処理した。
られた成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填し、Ar雰囲気中、80MPa
、1200℃で1時間加圧焼結して、直径20mm円盤状の焼結体を得た。
主としていることが確認された。
ことが確認された。
焼結体を2mm×0.5mm×18mmに切断し、電極を形成し直流4端子法で測定した
。
焼結体を4mm×1mm×0.5mmに切断し、この両端に2℃の温度差を付け起電力を
測定し、ゼーベック係数を求めた。
焼結体をφ10mm×t2.0mmに切断し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。これとは別にDSC測定により比熱を求めた。アルキメデス法により焼結体の密
度を求め、これらより熱伝導率を算出した。
1)により無次元性能指数ZTを求めた。300Kおよび700Kにおける抵抗率、ゼー
ベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
ゼーベック係数351μV/K
格子熱伝導率3.18W/mK
ZT=0.02
700K:抵抗率2.82×10-3Ωcm
ゼーベック係数311μV/K
格子熱伝導率1.79W/mK
ZT=1.04
(実施例II−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、
図7中に曲線dとして示す。図示するように最大で1.05程度の無次元性能指数ZTが
得られる。
、Bi−Te系材料の1.0である。本実施例においては、Y0.5Er0.5NiSb
という組成としていることから、これを越える高性能の熱電変換材料が得られた。これは
、本実施例では、ハーフホイスラー化合物ABXのB元素をNiとしていることから、パ
ワーファクターを大きくすることができたものである。
純度99.9%のY、純度99.9%のEr、純度99.99%のPd、および純度99
.99%のSbを原料として用意し、これを組成式Y0.5Er0.5PdSnになるよ
うに秤量した。秤量された原料粉末を用いて、実施例II−1と同様の方法で焼結体を作
製し、同様の手法により熱電特性を評価した。300Kおよび700Kにおける抵抗率、
ゼーベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
ゼーベック係数155μV/K
格子熱伝導率2.97W/mK
ZT=0.00
700K:抵抗率2.1×10-3Ωcm
ゼーベック係数190μV/K
格子熱伝導率1.29W/mK
ZT=0.57
本比較例では、ハーフホイスラー化合物ABXのB元素をPdとしていることから、Bi
−Te系材料の1.0を越える高性能の熱電変換材料は得られなかった。
組成式(Ln3SLn41−S)NiSb(Ln3,Ln4は、Y,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Ybの中から選ばれた異なる元素である)で表わされる種々の組成の熱電変
換材料を、前述の実施例II−1と同様の手法により作製した。各熱電変換材料について
、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記
表12にまとめる。なお、実施例II−1についても同様に表12に示す。
は、Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Ybの中から選ばれる元素)で表される種々の
組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
前述の実施例II−1で作製された組成式Y0.5Er0.5NiSbで表わされる熱
電変換材料におけるY,Erの一部を、Be,Mg,Ca,Sr,Baの群から選ばれる
少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.5Er0.5)1−aXaNiSb(
X=Be,Mg,Ca,Sr,Ba)で表わされる熱電変換材料を、実施例II−1と同
様の手法により作製した。
e,Mg,Ca,Sr,Ba)で表わされる熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特
性を有することが認められた。つまり、実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のL
n3,Ln4の一部を、Be,Mg,Ca,Sr,Baの群から選ばれる少なくとも一種
の元素で置換した組成においても同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
組成式Y0.5Er0.5NiSbで表わされる熱電変換材料におけるNiの一部を、C
o,Rh,Irの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.5E
r0.5)Ni1−bZbSb(Z=Co,Rh,Ir)で表わされる熱電変換材料を実
施例II−1と同様の手法により作製した。
o,Rh,Ir)で表される熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有すること
が認められた。つまり、実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のNiの一部を、C
o,Rh,Irの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した組成においても、同様
に良好な熱電特性を有することが確認された。
線eとして図7のグラフに示した。実施例II−53の熱電変換材料は、実施例II−1
の熱電変換材料よりも無次元性能指数ZTが高い。これは、10価のNiを9価のCoで
置換したため、キャリア濃度が増加し、抵抗率が小さくなったためであると推測される。
組成式Y0.5Er0.5NiSbで表される熱電変換材料におけるSbの一部を、Si
,Ge,Sn,Pbの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.
5Er0.5)NiSb1−cTc(T=Si,Ge,Sn,Pb)で表される熱電変換
材料を実施例II−1と同様の手法により作製した。
i,Ge,Sn,Pb)で表される熱電変換材料で、いずれも良好な熱電変換特性を有す
ることが認められた。実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のSbの一部を、Si
,Ge,Sn,Pbの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した組成においても、
同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
p型熱電変換材料として実施例II−53の熱電変換材料を使用し、n型熱電変換材料と
しては、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)0.99Ta0.1NiSnで
表わされる組成の熱電変換材料を使用して、図3に示すような熱電変換素子を作製した。
このn型熱電変換材料は、実施例I−31に相当する。
60個、全120個を10列×12行になるようp,n交互に並べ、全120個をSUS
410電極板で直列に接続した。さらに、銀電極板の他方の面、すなわち熱電変換素子を
接合した面の反対面には窒化アルミニウム焼結体板を接合し、終端電極に電流リード線を
接合して熱電変換素子を作製した。
性を評価した。この温度条件における内部抵抗は、1.51Ωであった。負荷として、こ
の熱電変換モジュールの内部抵抗と同じ1.51Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特
性を測定した。その結果、発生した電圧は5.68Vであり、3.76Aの電流が流れ、
21.3Wの電力が得られ、熱電池として良好な発電特性を有することが確認された。
n型の熱電変換材料をCe0.2(Co0.97Pd0.03)4Sb12に変更した以
外は、前述の実施例II−80と同様の手法により熱電変換素子を作成した。ここで用い
たn型の熱電変換材料は、従来の材料であり、ハーフホイッスラー化合物を主相としない
。
件における内部抵抗は、1.23Ωであった。負荷として、この熱電変換モジュールの内
部抵抗と同じ1.23Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特性を測定した。その結果、
発生した電圧は4.87Vであり、3.96Aの電流が流れ、19.3Wの電力が得られ
、発電が確認された。
p型の熱電変換材料をCeCoFe3Sb12に変更した以外は、前述の実施例II−8
1と同様の手法により熱電変換素子を作成した。ここで用いたp型の熱電変換材料は、従
来の材料でありハーフホイッスラー化合物を主相としない。
件における内部抵抗は、1.43Ωであった。負荷として、この熱電変換モジュールの内
部抵抗と同じ1.43Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特性を測定した。その結果、
発生した電圧は4.80Vであり、3.37Aの電流が流れた。電力は、16.1Wにと
どまっていた。
変換材料,10,19…電極,11…絶縁性基板,14…ホール,15…電子,16…熱
電変換素子,20…負荷,21…電流,22…直流電源,23…電流。
Claims (5)
- MgAgAs型結晶構造を有する相を含有する熱電変換材料の製造方法であって、
下記組成式(1)で表わされる組成を有する合金粉末を焼結法によって一体成形する工
程を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
x≦35、30≦y≦35である。) - 前記組成式(1)におけるTi,ZrおよびHfの一部が、V,Nb,Ta,Cr,Mo
,およびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴と
する請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。 - 前記組成式(1)におけるNiの一部が、Mn,Fe,Co,およびCuからなる群から
選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求項1または2に記
載の熱電変換材料の製造方法。 - 前記組成式(1)におけるSnの一部が、As,Sb,Bi,Ge,Pb,GaおよびI
nからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1項に記載の熱電変換材料の製造方法。 - 交互に直列に接続されたp型熱電変換材料およびn型熱電変換材料を含み、前記p型熱電
変換材料および前記n型熱電変換材料の少なくとも一方は、請求項1乃至4のいずれか1
項に記載の熱電変換材料製造方法によって製造された熱電変換材料を含むことを特徴とす
る熱電変換素子。
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---|---|---|---|---|
JP2011204835A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Toyota Central R&D Labs Inc | 複合熱電材料及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-12-04 JP JP2006326852A patent/JP2007173798A/ja active Pending
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