JP2007173798A - 熱電変換材料の製造方法および熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換材料の製造方法および熱電変換素子 Download PDF

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JP2007173798A JP2006326852A JP2006326852A JP2007173798A JP 2007173798 A JP2007173798 A JP 2007173798A JP 2006326852 A JP2006326852 A JP 2006326852A JP 2006326852 A JP2006326852 A JP 2006326852A JP 2007173798 A JP2007173798 A JP 2007173798A
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直樹 首藤
Shinya Sakurada
新哉 桜田
Naruhito Kondo
成仁 近藤
Nobuhisa Takezawa
伸久 竹澤
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Abstract

【課題】 ハーフホイスラー化合物を主相とする材料において、高いゼーベック係数と低
い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数ZTの大きな熱電変
換材料を提供する。
【解決手段】 MgAgAs型結晶構造を有する相を含有する熱電変換材料の製造方法で
あって、
下記組成式(1)で表わされる組成を有する合金粉末を焼結法によって一体成形する工
程を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
x≦35、30≦y≦35である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換材料に係り、特にMgAgAs型結晶構造を有するハーフホイスラ
ー化合物を主相とする熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子に関する。
近年、地球環境問題に対する意識の高揚から、フロンレス冷却であるぺルチェ効果を利
用した熱電冷却素子に関する関心が高まってきている。地球温暖化問題から二酸化炭素排
出量を削減するために、未利用廃熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電発電
素子に対する関心もまた、同様に高まりつつある。
このような熱電変換素子に用いられるp型やn型の熱電冷却材料および熱電発電材料に
は、効率の高さから、Bi−Te系の単結晶構造あるいは多結晶構造のものが多く用いら
れる。室温より高温の条件下で使用される熱電材料においても、効率の高さからp型およ
びn型のいずれにもPb−Te系材料が用いられている。
Pb−Te系材料に含有されているPb(鉛)は、人体にとって有毒有害であり、また
地球環境問題の観点からも好ましくない。Bi−Te系材料には、一般的に不純物として
Seが添加されており、これも人体にとって有毒有害な元素である。地球環境問題の観点
からも、Seは好ましくない。さらに、こうした材料系に用いられているTeは地球上の
埋蔵量が非常に少なく、資源的に供給上の困難がある。このため、Bi−Te系材料およ
びPb−Te系材料よりも効率が高く、しかも無害な熱電変換材料が求められている。
ハーフホイスラー化合物は、化学式ABXで表わされ、立方晶系のMgAgAs型結晶
構造の金属間化合物であり、AXのNaCl型結晶格子にB原子が挿入された構造である
。こうした構造を有する化合物は室温で高いゼーベック係数を有し、例えばTiNiSn
は−142μV/K、ZrNiSnは−176μV/K、また、HfNiSnは−124
μV/Kと報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
なお、熱電変換材料の性能指数Zは、下記数式(1)式で表される。
Z=α2σ/κ (1)
上記数式(1)中、αは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の導電率で
あり、κは熱電変換材料の熱伝導率である。導電率σの逆数は、電気抵抗率ρとして表わ
される。
Zは温度の逆数の次元を有し、この性能指数Zに絶対温度を乗ずると無次元の値となる
。この値ZTは、無次元性能指数と呼ばれ、熱電変換材料の熱電変換効率に相関関係を有
して、このZTの大きな材料ほど熱電変換効率は大きくなる。
すなわち、熱を通しにくく、電気をよく通して、熱起電力が大きい材料ほど高効率な熱電
変換材料となる。例えば、現在知られている材料の中で最も大きな無次元性能指数を有す
るBi−Te系の無次元性能指数は、300Kで約1.0である。
前述したハーフホイスラー化合物ZrNiSnは、室温で−176μV/Kという高い
ゼーベック係数を有しているものの、室温での抵抗率が11mΩcmと大きく、また熱伝
導率も8.8W/mKと大きい。このため、無次元性能指数ZTは0.010と小さく、
熱電変換効率は小さいことが報告されている。TiNiSnおよびHfNiSnでは、熱
電変換効率はさらに小さく、TiNiSnで0.007程度であり、HfNiSnでは0
.005に留まる。
一方、希土類を含むハーフホイスラー化合物としては、例えばHoPdSbが報告され
ている(例えば、非特許文献2参照)。このHoPdSbは、室温におけるゼーベック係
数は150μV/Kであり、熱伝導率は6W/mKとZrNiSnよりやや小さいものの
、やはり抵抗率が9mΩcmと大きいため、無次元性能指数ZTは0.01に留まる。H
0.5Er0.5PdSb1.05、Er0.25Dy0.75Pd1.02Sb、およびEr0.25Dy0.75
dSb1.05には、室温における無次元性能指数は小さく、それぞれ0.04、0.03、
および0.02と報告されている。
J.Phys.:Condens.Matter 11 1697−1709(1999) Appl.Phys.Lett.,74,1414−1417(1999)
本発明は上記問題に鑑み、ハーフホイスラー化合物を主相とする材料において、高いゼ
ーベック係数と低い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数Z
Tの大きな熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子を提供することを目的とする
本発明の一態様にかかる熱電変換材料の製造方法は、MgAgAs型結晶構造を有する
相を含有する熱電変換材料の製造方法であって、下記組成式(1)で表わされる組成を有
する合金粉末を焼結法によって一体成形する工程を有することを特徴とする。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
x≦35、30≦y≦35である。)
本発明の一形態にかかる熱電変換素子は、交互に直列に接続されたp型熱電変換材料お
よびn型熱電変換材料を含み、前記p型熱電変換材料および前記n型熱電変換材料の少な
くとも一方は、前記合金粉末を焼結法によって一体成形する製造方法によって製造された
熱電変換材料を含むことが好ましい。
本発明によれば、ハーフホイスラー化合物を主相とする材料において、高いゼーベック
係数と低い抵抗率とを維持しつつ熱伝導率を十分に低減して、無次元性能指数ZTの大き
な熱電変換材料、およびこれを用いた熱電変換素子を提供できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
一般に熱の伝導は、フォノン、すなわち結晶格子振動の伝播によるものと、導電キャリ
ア、すなわち自由電子の移動によるものとに分けられる。したがって、熱伝導率κは下記
数式(2)式で表される。
κ=κph+κel 数式(2)
上記数式(2)中、κphは格子熱伝導率、κelは電子熱伝導率である。
電子熱伝導率κelは、ビーデマンフランツ則により下記数式(3)式で表される。
κel=LTσ 数式(3)
上記数式(3)中、σは導電率、Tは絶対温度、またLはローレンツ因子であり、下記数
式(4)で表わされる。
L=(π/3)(kB/e) (4)
上記数式(4)中、kBはボルツマン定数(1.38×10−23J/K)であり、eは
電子の電荷量(−1.60×10−19C)である。
したがって、ローレンツ因子は定数となり、その値は2.44×10−8/K
ある。上記数式(3)式に示されるように、電子熱伝導率κelは絶対温度および導電率
に比例することから、同一温度で電子熱伝導率を小さくするためには、導電率を小さくす
る必要がある。
しかしながら、上記数式(1)式からわかるように、無次元性能指数ZTを大きくする
ためには導電率を大きくしなければならない。したがって、電子熱伝導率を小さくして全
体の熱伝導率κを低減し、それによって無次元性能指数を大きくすることはできない。ま
た、上記数式(3)式からわかるように、導電率が温度依存性をもたず温度変化に対して
一定だとすると、電子熱伝導率は温度に比例して増加する。そのため、格子熱伝導率が温
度依存性をもたず一定であっても、上記数式(2)式より全体の熱伝導率κは温度が高い
領域ほど大きくなり、無次元性能指数は小さくなってしまう。
以上から、全体の熱伝導率κを低減して無次元性能指数ZTを大きくするためには、格
子熱伝導率κphをいかに小さくするかが重要である。格子熱伝導率は、結晶格子の種類
、構成される元素に大きく依存し、格子の規則性を乱すことによって低下させることがで
きる。ハーフホイスラー構造を持つMNiSnにおいてはMとしてTi,Zr,Hfを単
独に用いた場合には格子熱伝導率は6.7〜9.3W/mKである。
本発明者らは鋭意研究した結果、図1に示されるハーフホイスラー構造を有するMNi
Snにおいて、Aサイトの原子の原子半径不規則性を導入することによって、熱伝導率を
さらに低減できることを見出した。なお、図1中、参照符号1,2,3は、それぞれA元
素(M)、B元素(Ni)およびX元素(Sn)を表わし、参照符号4は空孔を表わす。
具体的には、Aサイトにある原子がTi,Zr,Hf全てを含むようにすることにより
、原子半径および原子量の不均一性によるフォノンの散乱、および結晶格子の大きさに不
均一性を生じさせて、熱伝導率を大幅に低減することを可能とした。
さらに、Aサイトにある原子がTi,Zr,Hf全てを含むようにすることは、フェル
ミ面近傍における電子密度分布変化を急峻にし、ゼーベック係数の増加にも効果があるこ
とを本発明者らは見いだした。
すなわち、本発明の一形態にかかるn型の熱電変換材料は、下記組成式(1)で表わさ
れ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
(Tia1Zrb1Hfc1NiSn100−x−y 組成式(1)
Aサイトにある原子がTi,Zr,Hf全てを含むようにするために、前記組成式(1)
におけるa1,b1,c1は、0より大きいことが必要である。したがって、a1,b1
,c1の数値は、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1に
規定される。さらにより好ましくは、0.1<a1<0.9、0.1<b1<0.9、0
.1<c1<0.9、a1+b1+c1=1に規定される。
また、MgAgAs型結晶構造を有する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数
を得るために、xおよびyは、30≦x≦35および30≦y≦35の範囲にそれぞれ規
定される。xおよびyのより好ましい範囲は、33≦x≦34、および33≦y≦34で
ある。
さらに本発明者らは、Ti,Zr,Hfのいずれの元素よりも原子半径が大きい希土類
元素に着目した。希土類元素は、NiまたはSnとの間に合金相を形成しやすいため、こ
れに起因する熱伝導率の低減も期待される。こうした知見に基づいて鋭意ら調査を行なっ
た結果、本発明者らは、ハーフホイスラー化合物MNiSn(X=Ti,Zr,Hf)に
おけるMの一部を、Yおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素
で置換することによっても、熱伝導率を大幅に改善できることを見出した。
すなわち、本発明の他の態様にかかるn型の熱電変換材料は、下記組成式(2)で表わ
され、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNiSn100−x−y 組成式(
2)
Lnは、Yおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素であり、希
土類元素には、周期律表における原子番号57のLaから、原子番号71のLuまでの全
ての元素が含まれる。融点および原子半径を考慮すると、Er,Gd,およびNdが、L
nとして特に好ましい。
Lnは、前述したように熱伝導率を低減するのに有効な元素である。少量でもその効果
を発揮するが、熱伝導率をより低減するめには、Lnの配合量は、Lnと(Ti,Zr,
Hf)との総量のうち、0.1原子%以上とすることが好ましい。Lnの配合量が、Ln
と(Ti,Zr,Hf)との総量の30原子%を越えた場合には、MgAgAs型結晶構
造を有する相以外の相、例えばLnSn3相の析出が顕著になって、ゼーベック係数の劣
化を招くおそれがある。このため、dの値は0<d≦0.3の範囲内に規定され、より好
ましくは0.001≦d≦0.3の範囲内である。
前記組成式(2)においては、Ti、ZrおよびHfは、必ずしもすべてが同時に存在
する必要はない。このため、a2,b2,c2は、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c
2≦1、a2+b2+c2=1の範囲内となる。
MgAgAs型結晶構造を有する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数を得る
ために、xおよびyは、30≦x≦35、30≦y≦35の範囲に設定される。ハーフホ
イスラー化合物においては、総価電子数が18近傍の場合に大きなゼーベック係数が観測
される。例えば、ZrNiSnにおける外殻電子配置は、Zr(5d6s)、Ni(
3d4s)、Sn(5s5p)であり、価電子の総数は18となる。TiNiS
n、およびHfNiSnも同様に、価電子の総数は18となる。
これに対して、前述の組成式(2)で表わされるようにTi,Zr,Hfの一部を希土
類元素で置換した場合には、Ce,Eu,Ybを除く希土類元素は(5d6s)の外
殻電子配置により3価となる場合が多いため、総価電子数が18からずれてしまうおそれ
がある。そこで、xおよびyを適宜調整してこれを補うことが可能である。
前述の組成式(1)および(2)において、Ti,ZrおよびHfの一部は、V,Nb
,Ta,Cr,Mo,およびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換され
ていてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Ti
,ZrおよびHfの一部を置換することができる。このような置換によって、主相である
MgAgAs相における総価電子数を調整して、ゼーベック係数や導電率を増大させるこ
とが可能である。前述したように、ハーフホイスラー化合物においては総価電子数が18
近傍の場合に大きなゼーベック係数が観測されるため、これらの置換元素と希土類元素と
を併用することによって、総価電子数を調整することが有効である。ただし、置換量は、
Ti,Zr,Hf総量の30原子%以下とすることが好ましい。30原子%を越えると、
MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック係数の劣
化を招くおそれがある。
また、前記組成式(1)または(2)におけるNiの一部は、Mn,Fe,Co,およ
びCuからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてもよい。これらの元素
は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Niの一部を置換することができ
る。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を調整する
などしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能である。置換量は、一般的には
、Niの50原子%以下にとどめることが望まれる。特に、Cuで置換する場合には、そ
の置換量が多すぎるとMgAgAs相の生成を阻害するおそれがあるため、Niの30原
子%以下とすることが好ましい。
さらに、前記組成式(1)または(2)におけるSnの一部は、As,Sb,Bi,G
e,Pb,Ga,およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されて
もよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Snの一部
を置換することができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における
総価電子数を調整するなどしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能である。
ただし、Snを置換する元素は有害性、有毒性、材料コストを考慮すると、Sb、Biが
特に好ましい。置換量は、Snの30原子%以下とすることが好ましい。30原子%を越
えた場合には、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼー
ベック係数の劣化を招くおそれがある。
以上、n型の熱電変換材料について説明したが、同様の理論はp型の熱電変換材料にも
適用することができる。B元素としてPdを用いた場合に比べて、Niを用いることによ
りパワーファクターが増大することが、本発明者らによって見出された。
本発明の一実施形態にかかるp型の熱電変換材料は、下記組成式(3)で表わされ、M
gAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
Ln1NiSb100−X−Y 組成式(3)
図1に示した結晶構造と対応させると、A元素1がLn1、B元素2がNi,X元素3が
Sbに相当する。
組成式(3)中、Ln1は、Sc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,
Lu,Th,Uの中から選ばれる少なくとも一種の元素である。MgAgAs型結晶構造
を有する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数を得るためには、XおよびYは、
30≦X≦35および30≦Y≦35の範囲にそれぞれ規定される。XおよびYのより好
ましい範囲は、33≦X≦34、および33≦Y≦34である。
結晶格子の大きさに不均一性を生じさせて、熱伝導率を大幅に低減させるためには、L
n1の一部としてYを含有することが好ましい。
本発明の他の実施形態にかかるp型の熱電変換材料は、下記組成式(4)で表わされ、
MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とすることを特徴とする。
(Ln21−PNiSb100−X−Y 組成式(4)
図1に示した結晶構造と対応させると、A元素1がLn2およびY、B元素2がNi、X
元素3がSbである。
組成式(4)中、Ln2は、Sc,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu
,Th,Uの中から選ばれる少なくとも一種の元素である。MgAgAs型結晶構造を有
する相の体積占有率を高めて、高いゼーベック係数を得るためには、P、XおよびYは、
0.001≦P≦0.999、30≦X≦35、30≦Y≦35の範囲にそれぞれ規定さ
れる。P、XおよびYのより好ましい範囲は、0.01≦P≦0.99、33≦X≦34
、および33≦Y≦34である。
前述の組成式(4)で表わされるp型熱電変換材料は、Yを必須とし、このYが熱伝導
度を低下させる。したがって、性能指数をよりいっそう高めることができる。
前述の組成式(3)または(4)において、Ln1もしくはLn2の一部は、Ti,Z
r,Hf,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Be,Mg,Ca,Sr,Baからな
る群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていてもよい。これらの元素は、単独
で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Ln1もしくはLn2の一部を置換するこ
とができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を
調整して、導電率を増大させることが可能である。特に、Be,Mg,Ca,Sr,Ba
の様な2価の元素で置換することは、3価のLn1,Ln2を2価の元素で置換すること
となるため、電気的なホールが形成される。
本実施形態の熱電変換材料はp型であるため、キャリアー濃度を増加させ、導電率の増
大に有効である。ただし、置換量は、Ln1若しくはLn2の総量の約30原子%以下と
することが好ましい。約30原子%を越えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外
の相の析出が顕著となって、ゼーベック係数の劣化を招くおそれがある。
また、前記組成式(3)または(4)において、Niの一部は、V,Nb,Ta,Cr
,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Znから
なる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてもよい。これらの元素は、単独で
、あるいは二種以上を組み合わせて用い、Niの一部を置換することができる。このよう
な置換によって、主相であるMgAgAs相における総価電子数を調整するなどしてゼー
ベック係数や導電率を増大させることが可能である。特に、Co,Rh,Irの様なNi
よりも外殻価電子数が一つ少ない元素で置換することは、電気的なホールが形成され、キ
ャリアー濃度を増加させ、導電率の増大に有効である。
ただし、置換量は、Niの30原子%以下にとどめることが望ましい。30原子%を越
えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック
係数の劣化を招くおそれがある。
さらに、前記組成式(3)または(4)において、Sbの一部は、Al,Si,Ga,
Ge,As,In,Sn,Pb,Biからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置
換されてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、S
bの一部を置換することができる。このような置換によって、主相であるMgAgAs相
における総価電子数を調整するなどしてゼーベック係数や導電率を増大させることが可能
である。特に、Si,Ge,Sn,Pbの様なSbよりも外殻価電子数が一つ少ない元素
で置換することは、電気的なホールが形成されることによりキャリアー濃度を増加させ、
導電率の増大に有効である。
ただし、置換量は、Sbの30原子%以下にとどめることが望ましい。30原子%を越
えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベック
係数の劣化を招くおそれがある。また、SbをBiで置換することは、より原子半径が大
きく原子量が大きな元素で置換することとなるため、フォノン散乱効果が大きくなり、格
子熱伝導率の低下に有効である。
本発明の実施形態にかかる熱電変換材料は、例えば以下のような方法により製造するこ
とができる。
まず、所定量の各元素を含有する合金を、アーク溶解や高周波溶解などによって作製す
る。合金の作製に当たっては、単ロール法、双ロール法、回転ディスク法、ガスアトマイ
ズ法などの液体急冷法、あるいはメカニカルアロイング法などの固相反応を利用した方法
などを採用することもできる。液体急冷法やメカニカルアロイング法といった方法は、合
金を構成する結晶相を微細化する、結晶相内への元素の固溶域を拡大するなどの点で有利
である。このため、熱伝導率を大幅に低減することができる。
あるいは、前述したような溶解プロセスを経ずに、原料金属粉末をホットプレスして合
金を作製することも可能である。
作製された合金は、必要に応じて熱処理を施してもよい。この熱処理によって合金が単
相化され、結晶粒子径も制御されるので、熱電特性をさらに高めることができる。溶解、
液体急冷、メカニカルアロイングおよび熱処理などの工程は、合金の酸化を防止するとい
う観点から、例えばArなどの不活性雰囲気中で行なわれることが好ましい。
次に、合金をボールミル、ブラウンミル、またはスタンプミルなどにより粉砕して合金
粉末を得、合金粉末を、ホットプレス法、およびSPS法などの焼結法によって一体成型
する。合金の酸化を防止するという観点から、一体成型は、例えばArなどの不活性雰囲
気中で行なわれることが好ましい。次いで、得られた成型体を所望の寸法に加工すること
によって、本発明の実施形態にかかる熱電変換材料が得られる。成型体の形状や寸法は適
宜選択することができる。例えば、外形0.5〜10mmφ、厚み1〜30mmの円柱状
や、(0.5〜10mm)×(0.5〜10mm)×厚み(1〜30mm)程度の直方体
状などとすることができる。
こうして得られた熱電変換材料を用いて、本発明の実施形態にかかる熱電変換素子を製
造することができる。その一例の構成を表わす概略断面図を、図2に示す。
図2に示される熱電変換素子においては、本発明の実施形態にかかるn型半導体の熱電
変換材料9と、p型半導体の熱電変換材料8が並列に配置されている。n型熱電変換材料
9およびp型熱電変換材料8のそれぞれの上面には、電極10aおよび10bがそれぞれ
配置され、その外側に上側絶縁性基板11aを接続される。n型熱電変換材料9およびp
型熱電変換材料8の下面は、下側絶縁性基板11bに支持された電極10cによって接続
されている。
上下の絶縁性基板11aと11bとの間に温度差を与えて上部側を低温度に、下部側を
高温度にした場合、p型半導体熱電変換材料8内部においては、正の電荷を持ったホール
14が低温度側(上側)に移動し、電極10bは電極10cより高電位となる。一方、n
型半導体熱電変換材料9内部では、負の電荷を持った電子15が低温度側(上側)に移動
して、電極10cは電極10aより高電位となる。
その結果、電極10aと電極10bとの間に電位差が生じる。図2に示したように、上
部側を低温度として下部側を高温度にした場合、電極10bは正極となり、電極10aは
負極となる。
図3に示すように、複数のp型熱電変換材料8とn型熱電変換材料9とを交互に直列に
接続することによって、図2に示した構造よりも高い電圧を得て、より大きな電力を確保
することができる。
上述した熱電変換素子16は、熱電池に適用することができる。その構成の一例を図4
に示す。図示するように、電変換素子16の上部側を低温度にして、下部側を高温度にす
ると、熱電変換素子16の終端電極19に電位差が生じる。電極19aと電極19bとに
負荷20を接続すると、図示する矢印方向に電流21が流れて熱電池として機能する。
あるいは、上述した熱電変換素子は冷却器に適用することができる。その一例の構成を
図5に示す。図示するように、熱電変換素子16の終端電極19に直流電源22を用いて
図中の矢印方向に直流電流23を流す。その結果、熱電変換素子16の上部側は高温にな
り、一方の下部側は低温になって冷却器として機能する。
本発明の熱電変換材料について、実施例を示して以下に詳細に説明する。
(実施例I)
本実施例においては、n型の熱電変換材料について説明する。
(実施例I−1)
純度99.9%のTi、純度99.9%のZr、純度99.9%のHf、純度99.99
%のNi、および純度99.99%のSnを原料として用意し、これを組成式(Ti0.
Zr0.35Hf0.35)NiSnになるように秤量した。
秤量された原料を混合し、ア−ク炉内の水冷されている銅製のハ−スに装填して、2×
10−3Paの真空度まで真空引きした。その後、純度99.999%の高純度Arを−
0.04MPaまで導入して減圧Ar雰囲気として、ア−ク溶解した。溶解後、水冷され
ている銅製のハ−スで急冷されて得られた金属塊を、石英管に10−4Pa以下の高真空
で真空封入し、1073Kで72時間熱処理した。
得られた金属塊を粉砕し、内径20mmの金型を用いて圧力50MPaで成形した。得
られた成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填し、Ar雰囲気中、80MPa
、1200℃で1時間加圧焼結して、直径20mm円盤状の焼結体を得た。
この焼結体を粉末X線回折法にて調べたところ、MgAgAs型結晶構造を有する相を
主としていることが確認された。
また、得られた焼結体の組成をICP発光分光法で分析した所、ほぼ所定の組成である
ことが確認された。
得られた焼結体は以下の方法によって熱電特性を評価した。
(1)抵抗率
焼結体を2mm×0.5mm×18mmに切断し、電極を形成し直流4端子法で測定した
(2)ゼーベック係数
焼結体を4mm×1mm×0.5mmに切断し、この両端に2℃の温度差を付け起電力を
測定し、ゼーベック係数を求めた。
(3)熱伝導率
焼結体をφ10mm×t2.0mmに切断し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。これとは別にDSC測定により比熱を求めた。アルキメデス法により焼結体の密
度を求め、これらより熱伝導率を算出した。
こうして得られた抵抗率、ゼーベック係数、および熱伝導率の値を用い、前述の数式(
1)により無次元性能指数ZTを求めた。300Kおよび700Kにおける抵抗率、ゼー
ベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
300K:抵抗率8.62×10-3Ωcm
ゼーベック係数−333μV/K
格子熱伝導率3.05W/mK
ZT=0.12
700K:抵抗率2.35×10-3Ωcm
ゼーベック係数−328μV/K
格子熱伝導率1.95W/mK
ZT=1.20
(実施例I−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、図6
中に曲線aとして示す。図示するように最大で1.21程度の無次元性能指数ZTが得ら
れる。
すでに説明したように、既存の熱電変換材料についての無次元性能指数ZTの最大値は
、Bi−Te系材料の1.0である。本実施例においては、(Ti0.3Zr0.35H
f0.35)NiSnという組成としているので、これを越える高性能の熱電変換材料が
得られた。
(比較例I−1)
純度99.9%のZr、純度99.9%のHf、純度99.99%のNi、純度99.9
9%のSnを原料として用意し、これを組成式Zr0.5Hf0.5NiSnになるよう
に秤量した。秤量された原料粉末を用いて、実施例I−1と同様の手法により焼結体を作
製し、同様の手法により熱電特性を評価した。300Kおよび700Kにおける抵抗率、
ゼーベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
300K:抵抗率9.6×10-3Ωcm
ゼーベック係数−180μV/K
格子熱伝導率3.95W/mK
ZT=0.02
700K:抵抗率2.3×10-3Ωcm
ゼーベック係数−272μV/K
格子熱伝導率3.49W/mK
ZT=0.53
(比較例I−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、図6
中に曲線cとして示す。無次元性能指数ZTは最大でも0.54程度にとどまっているこ
とがわかる。
このように、Zr0.5Hf0.5NiSnという組成の場合には、Bi−Te系材料
の1.0を越える高性能の熱電変換材料は得られなかった。
(実施例I−2〜I−21、比較例I−2〜I−3)
組成式(Tia1Zrb1Hfc1)NiSnで表わされる種々の組成の熱電変換材料を
、前述の実施例1と同様の手法により作製した。各熱電変換材料について、300Kおよ
び700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表1にまとめる
。なお、表1には、前述の(実施例I−1)および(比較例I−1)の結果も併せて示し
た。
Figure 2007173798
表1に示されるように、Ti、ZrおよびHfの3種類の元素を含有し、前述の組成式
(1)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有する
ことが認められた。これに対し、Ti、ZrおよびHfのいずれかを含有しない比較例I
−1、I−2およびI−3は、無次元性能指数ZTが劣っていることが、表1の結果に明
確に示されている。
(実施例I−22〜I−45)
前述の実施例I−1で作製された、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)Ni
Snで表わされる熱電変換材料におけるTi,Zr,Hfの一部を、V,Nb,Taの群
から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式((Ti0.3Zr0.35Hf
0.351−e)NiSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのV,NbまたはTaを、下記表2に示す置換元素量eでさらに
添加した以外は、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電
変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得
られた結果を下記表2にまとめる。
Figure 2007173798
さらに、組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.25)NiSnで表わされる熱電変
換材料におけるTi,Zr,Hfの一部を、V,Nb,Taの群から選ばれる少なくとも
一種の元素で置換して、組成式((Ti0.5Zr0.25Hf0.251−e
NiSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのV,NbまたはTaを、下記表3に示す置換元素量eでさらに
添加した以外は、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電
変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得
られた結果を下記表3にまとめる。
Figure 2007173798
表2に示されるように、組成式((Ti0.3Zr0.35Hf0.351−e
)NiSn,(X=V,Nb,Ta)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれ
も良好な熱電変換特性を有することが認められた。表3に示されるように、組成式((T
0.5Zr0.25Hf0.251−e)NiSn,(X=V,Nb,Ta)で
表わされる種々の組成の熱電変換材料もまた、いずれも良好な熱電変換特性を有すること
が認められた。
(実施例I−31)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、
曲線bとして図6のグラフに示した。(実施例I−31)の熱電変換材料は、実施例1の
熱電変換材料よりも無次元性能指数ZTが高い。これは、4価のTi,Zr、Hfを5価
のTaで置換したことに起因して、キャリア濃度が増加し抵抗率が小さくなったためであ
ると推測される。
また、実施例I−2〜I−18で作製された熱電変換材料におけるTi,ZrおよびH
fの一部を、V,NbおよびTaの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電
変換材料においても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
さらに、実施例I−1〜I−18で作製された熱電変換材料におけるTi,Zrおよび
Hfの一部を、Cr,MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換
した熱電変換材料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
(実施例I−46〜I−53)
前述の実施例I−1で作製された、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)Ni
Snで表わされる熱電変換材料におけるNiの一部を、Cuで置換して組成式(Ti0.
Zr0.35Hf0.35)Ni1−fCuSnで表わされる熱電変換材料を作製し
た。
下記表4に示す置換元素量fでCuをさらに添加した以外は、前述の実施例I−1と同
様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび70
0Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表4にまとめる。
Figure 2007173798
さらに、組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.25)NiSnで表わされる熱電変
換材料におけるNiの一部を、Cuで置換して組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.
25)Ni1−fCuSnで表わされる熱電変換材料を作製した。
下記表5に示す置換元素量fでCuをさらに添加した以外は、前述の実施例I−1と同
様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび70
0Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記表5にまとめる。
Figure 2007173798
表4に示されるように、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)Ni1−f
Snで表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有す
ることが認められた。表5に示されるように、組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.
25)Ni1−fCuSnで表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な
熱電変換特性を有することが認められた。
また、実施例I−2〜I−18で作製された熱電変換材料におけるNiの一部を、Cu
で置換した熱電変換材料においても、同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
さらに、実施例I−1〜I−18で作製された熱電変換材料におけるNiの一部を、M
n,FeおよびCoからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電変換材
料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
(実施例I−54〜I−69)
前述の実施例I−1で作製された組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)NiS
nで表わされる熱電変換材料におけるSnの一部を、SbおよびBiからなる群から選ば
れる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35
NiSn1−gで表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのSbまたはBiを、下記表6に示す置換元素量gでさらに添加
した以外は、実施例I−1と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料
について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結
果を下記表6にまとめる。
Figure 2007173798
さらに、組成式(Ti0.5Zr0.25Hf0.25)NiSnで表わされる熱電変
換材料におけるSnの一部を、SbおよびBiからなる群から選ばれる少なくとも一種の
元素で置換して、組成式(Ti0.53Zr0.25Hf0.25)NiSn1−g
で表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのSbまたはBiを、下記表7に示す置換元素量gでさらに添加
した以外は、実施例I−1と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料
について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結
果を下記表7にまとめる。
Figure 2007173798
表6に示されるように、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.35)NiSn1−
(X=Sb,Bi)で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱
電変換特性を有することが認められた。表7に示されるように、組成式(Ti0.5Zr
0.25Hf0.25)NiSn1−g(X=Sb,Bi)で表わされる種々の組成
の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
また、実施例I−2〜I−18で作製された熱電変換材料におけるSnの一部を、Sb
,Biの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した熱電変換材料においても、同様
に良好な熱電特性を有することが確認された。
さらに、実施例I−1〜I−18で作製された熱電変換材料におけるSnの一部を、A
s、Ge、Pb、GaおよびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換し
た熱電変換材料もまた、熱電変換特性は同様に良好であることが確認された。
(実施例I−70〜I−93)
組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNiSn100−x−y(L
nはEr,Gd,およびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦
1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、035、30≦y≦35)で
表わされる熱電変換材料を、前述の実施例(I−1)と同様の手法により作製した。各熱
電変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、
得られた結果を下記表8にまとめる。
Figure 2007173798
表8に示されるように、組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNi
Sn100−x−y(LnはEr,Gd,およびNdからなる群から選ばれる少なくと
も一種の元素、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35)で表わされる種々の組成の熱電変換材料
は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
(実施例I−94〜I−105)
組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNiSn100−x−y(L
nはEr,GdおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦1
、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、05、30≦y≦35)で表わ
される熱電変換材料において、(TiaZrbHfc)の一部をV,Nb,Taの群から
選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc2
1−dNiSn100−x−yで表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのV,NbまたはTaを、下記表6に示す配合量eでさらに添加
し、(実施例I−1)と同様の手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料につ
いて、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価した。LnとしてE
rが含有された熱電変換材料についての結果を、下記表9にまとめる。
Figure 2007173798
表9に示されるように、組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNi
Sn100−x−yにおいて、Ln=Er,a2=0.3,b2=0.35,c2=0
.35,x=y=33.3にて表わされる種々の組成の熱電変換材料は、XとしてV,N
bまたはTaが含有されると、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
また、前述の組成式において、LnとしてGdまたはNdが含有された熱電変換材料に
おいても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
さらに、XとしてV,NbまたはTaが含有された熱電変換材料もまた、Lnとして含
有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
(実施例I−106〜I−109)
組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNiSn100−x−y
LnはEr,GdおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦
1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、05、30≦y≦35)で表
わされる熱電変換材料において、Niの一部をCuで置換して、組成式(Ln(Ti
Zrb2Hfc21−d(Ni1−fCuSn100−x−yで表わされ
る熱電変換材料を作製した。
具体的には、下記表10に示す配合量fでCuをさらに添加し、実施例I−1と同様の
手法により熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、300Kおよび700K
における特性を前述と同様にして評価した。LnとしてErが含有された熱電変換材料に
ついての結果を、下記表10にまとめる。
Figure 2007173798
表10に示されるように、組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−d
Ni1−fCuSn100−x−yで表わされる熱電変換材料において、Ln=E
r,a2=0.3,b2=0.35,c2=0.35,x=y=33.3にて表わされる
種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
また、前述の組成式において、LnとしてGdまたはNdが含有された熱電変換材料に
おいても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
さらに、Cuの代わりにMn、Fe、またはCoでNiの一部が置換された熱電変換材
料もまた、Lnとして含有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
(実施例I−110〜I−117)
組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−dNiSn100−x−y(L
nはEr,Gd,Ndから選ばれる少なくとも一種の元素、0≦a2≦1、0≦b2≦1
、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、035)で表わされる熱電変換材料において、
Snの一部をSb,Biの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(L
(Tia2Zrb2Hfc21−dNi(Sn1−g100−x−y
で表わされる熱電変換材料を作製した。
具体的には、XとしてのBiまたはSbを、下記表11に示す配合量gでさらに添加し
、実施例I−1と同様の手法で熱電変換材料を作製した。各熱電変換材料について、30
0Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価した。LnとしてErが含有さ
れた熱電変換材料についての結果を、下記表11にまとめる。
Figure 2007173798
表11に示されるように、組成式(Ln(Tia2Zrb2Hfc21−d
(Sn1−g100−x−yで表わされる熱電変換材料において、Ln=Er
,(X=Sb,Bi),a2=0.3,b2=0.35,c2=0.35,x=y=33
.3で表わされる種々の組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有するこ
とが認められた。
また、前述の組成において、LnとしてGdまたはNdが含有された熱電変換材料にお
いても、同様に良好な熱電変換特性が確認された。
さらに、XとしてAs,Ge、Pb,GaまたはInが含有された熱電変換材料もまた
、Lnとして含有される元素によらず、熱電特性は同様に良好であった。
(実施例I−118)
p型熱電変換材料としてCeCoFeSb12を使用し、n型熱電変換材料として実
施例I−30の熱電変換材料を使用して、図3に示すような熱電変換素子を作製した。
p型およびn型の各熱電変換材料とも3.0mm角、高さ10.0mmに切り出し、各6
0個、全120個を10列×12行になるようp,n交互に並べ、全120個を銀電極板
で直列に接続した。さらに、銀電極板の他方の面、すなわち熱電変換素子を接合した面の
反対面には窒化アルミニウム焼結体板を接合し、終端電極に電流リード線を接合して熱電
変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子について、高温度側を570℃、低温度側を55℃にして発電特
性を評価した。この温度条件における内部抵抗は、2.22Ωであった。負荷として、こ
の熱電変換モジュールの内部抵抗と同じ2.22Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特
性を測定した。その結果、発生した電圧は5.0Vであり、3.24Aの電流が流れ、1
6.2Wの電力が得られ、発電が確認された。
(実施例II)
本実施例においては、p型の熱電変換材料について説明する。
(実施例II−1)
純度99.9%のY、純度99.9%のEr、純度99.99%のNi、および純度99
.99%のSbを原料として用意し、これを組成式Y0.5Er0.5NiSbになるよ
うに秤量した。
秤量された原料を混合し、ア−ク炉内の水冷されている銅製のハ−スに装填して、2×
10−3Paの真空度まで真空引きした。その後、純度99.999%の高純度Arを−
0.04MPaまで導入して減圧Ar雰囲気として、ア−ク溶解した。溶解後、水冷され
ている銅製のハ−スで急冷されて得られた金属塊を、石英管に10−4Pa以下の高真空
で真空封入し、1073Kで72時間熱処理した。
得られた金属塊を粉砕し、内径20mmの金型を用いて圧力50MPaで成形した。得
られた成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填し、Ar雰囲気中、80MPa
、1200℃で1時間加圧焼結して、直径20mm円盤状の焼結体を得た。
この焼結体を粉末X線回折法にて調べたところ、MgAgAs型結晶構造を有する相を
主としていることが確認された。
また、得られた焼結体の組成をICP発光分光法で分析した所、ほぼ所定の組成である
ことが確認された。
得られた焼結体は以下の方法によって熱電特性を評価した。
(1)抵抗率
焼結体を2mm×0.5mm×18mmに切断し、電極を形成し直流4端子法で測定した
(2)ゼーベック係数
焼結体を4mm×1mm×0.5mmに切断し、この両端に2℃の温度差を付け起電力を
測定し、ゼーベック係数を求めた。
(3)熱伝導率
焼結体をφ10mm×t2.0mmに切断し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。これとは別にDSC測定により比熱を求めた。アルキメデス法により焼結体の密
度を求め、これらより熱伝導率を算出した。
こうして得られた抵抗率、ゼーベック係数、および熱伝導率の値を用い、前述の数式(
1)により無次元性能指数ZTを求めた。300Kおよび700Kにおける抵抗率、ゼー
ベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
300K:抵抗率47.5×10-3Ωcm
ゼーベック係数351μV/K
格子熱伝導率3.18W/mK
ZT=0.02
700K:抵抗率2.82×10-3Ωcm
ゼーベック係数311μV/K
格子熱伝導率1.79W/mK
ZT=1.04
(実施例II−1)で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、
図7中に曲線dとして示す。図示するように最大で1.05程度の無次元性能指数ZTが
得られる。
すでに説明したように、既存の熱電変換材料についての無次元性能指数ZTの最大値は
、Bi−Te系材料の1.0である。本実施例においては、Y0.5Er0.5NiSb
という組成としていることから、これを越える高性能の熱電変換材料が得られた。これは
、本実施例では、ハーフホイスラー化合物ABXのB元素をNiとしていることから、パ
ワーファクターを大きくすることができたものである。
(比較例II−1)
純度99.9%のY、純度99.9%のEr、純度99.99%のPd、および純度99
.99%のSbを原料として用意し、これを組成式Y0.5Er0.5PdSnになるよ
うに秤量した。秤量された原料粉末を用いて、実施例II−1と同様の方法で焼結体を作
製し、同様の手法により熱電特性を評価した。300Kおよび700Kにおける抵抗率、
ゼーベック係数、格子熱伝導率、および無次元性能指数は、以下のとおりである。
300K:抵抗率29.0×10-3Ωcm
ゼーベック係数155μV/K
格子熱伝導率2.97W/mK
ZT=0.00
700K:抵抗率2.1×10-3Ωcm
ゼーベック係数190μV/K
格子熱伝導率1.29W/mK
ZT=0.57
本比較例では、ハーフホイスラー化合物ABXのB元素をPdとしていることから、Bi
−Te系材料の1.0を越える高性能の熱電変換材料は得られなかった。
(実施例II−2〜II−31)
組成式(Ln3Ln41−S)NiSb(Ln3,Ln4は、Y,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Ybの中から選ばれた異なる元素である)で表わされる種々の組成の熱電変
換材料を、前述の実施例II−1と同様の手法により作製した。各熱電変換材料について
、300Kおよび700Kにおける特性を前述と同様にして評価し、得られた結果を下記
表12にまとめる。なお、実施例II−1についても同様に表12に示す。
Figure 2007173798
表12に示されるように、組成式(Ln3Ln41−S)NiSb(Ln3,Ln4
は、Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Ybの中から選ばれる元素)で表される種々の
組成の熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有することが認められた。
(実施例II−32〜II−51)
前述の実施例II−1で作製された組成式Y0.5Er0.5NiSbで表わされる熱
電変換材料におけるY,Erの一部を、Be,Mg,Ca,Sr,Baの群から選ばれる
少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.5Er0.51−aNiSb(
X=Be,Mg,Ca,Sr,Ba)で表わされる熱電変換材料を、実施例II−1と同
様の手法により作製した。
各熱電変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を評価し、得られた結果
を下記表13に示す。
Figure 2007173798
表13に示されるように、組成式(Y0.5Er0.51−aNiSb(X=B
e,Mg,Ca,Sr,Ba)で表わされる熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特
性を有することが認められた。つまり、実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のL
n3,Ln4の一部を、Be,Mg,Ca,Sr,Baの群から選ばれる少なくとも一種
の元素で置換した組成においても同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
(実施例II−52〜II−63)
組成式Y0.5Er0.5NiSbで表わされる熱電変換材料におけるNiの一部を、C
o,Rh,Irの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.5
0.5)Ni1−bSb(Z=Co,Rh,Ir)で表わされる熱電変換材料を実
施例II−1と同様の手法により作製した。
各熱電変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を評価し、得られた結
果を下記表14に示す。
Figure 2007173798
表14に示されるように、組成式(Y0.5Er0.5)Ni1−bZbSb(Z=C
o,Rh,Ir)で表される熱電変換材料は、いずれも良好な熱電変換特性を有すること
が認められた。つまり、実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のNiの一部を、C
o,Rh,Irの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した組成においても、同様
に良好な熱電特性を有することが確認された。
実施例II−53で作製された熱電変換材料の無次元性能指数ZTの温度依存性を、曲
線eとして図7のグラフに示した。実施例II−53の熱電変換材料は、実施例II−1
の熱電変換材料よりも無次元性能指数ZTが高い。これは、10価のNiを9価のCoで
置換したため、キャリア濃度が増加し、抵抗率が小さくなったためであると推測される。
(実施例II−64〜II−79)
組成式Y0.5Er0.5NiSbで表される熱電変換材料におけるSbの一部を、Si
,Ge,Sn,Pbの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換して、組成式(Y0.
Er0.5)NiSb1−c(T=Si,Ge,Sn,Pb)で表される熱電変換
材料を実施例II−1と同様の手法により作製した。
各熱電変換材料について、300Kおよび700Kにおける特性を評価し、得られた結
果を下記表15に示す。
Figure 2007173798
表15に示されるように、組成式(Y0.5Er0.5)NiSb1−c(T=S
i,Ge,Sn,Pb)で表される熱電変換材料で、いずれも良好な熱電変換特性を有す
ることが認められた。実施例II−2〜II−31の熱電変換材料のSbの一部を、Si
,Ge,Sn,Pbの群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換した組成においても、
同様に良好な熱電特性を有することが確認された。
(実施例II−80)
p型熱電変換材料として実施例II−53の熱電変換材料を使用し、n型熱電変換材料と
しては、組成式(Ti0.3Zr0.35Hf0.350.99Ta0.1NiSnで
表わされる組成の熱電変換材料を使用して、図3に示すような熱電変換素子を作製した。
このn型熱電変換材料は、実施例I−31に相当する。
p型およびn型の各熱電変換材料とも3.0mm角、高さ10.0mmに切り出し、各
60個、全120個を10列×12行になるようp,n交互に並べ、全120個をSUS
410電極板で直列に接続した。さらに、銀電極板の他方の面、すなわち熱電変換素子を
接合した面の反対面には窒化アルミニウム焼結体板を接合し、終端電極に電流リード線を
接合して熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子について、高温度側を570℃、低温度側を55℃にして発電特
性を評価した。この温度条件における内部抵抗は、1.51Ωであった。負荷として、こ
の熱電変換モジュールの内部抵抗と同じ1.51Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特
性を測定した。その結果、発生した電圧は5.68Vであり、3.76Aの電流が流れ、
21.3Wの電力が得られ、熱電池として良好な発電特性を有することが確認された。
(実施例II−81)
n型の熱電変換材料をCe0.2(Co0.97Pd0.03Sb12に変更した以
外は、前述の実施例II−80と同様の手法により熱電変換素子を作成した。ここで用い
たn型の熱電変換材料は、従来の材料であり、ハーフホイッスラー化合物を主相としない
得られた熱電変換素子について、前述と同様の条件で発電特性を評価した。この温度条
件における内部抵抗は、1.23Ωであった。負荷として、この熱電変換モジュールの内
部抵抗と同じ1.23Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特性を測定した。その結果、
発生した電圧は4.87Vであり、3.96Aの電流が流れ、19.3Wの電力が得られ
、発電が確認された。
(従来例)
p型の熱電変換材料をCeCoFeSb12に変更した以外は、前述の実施例II−8
1と同様の手法により熱電変換素子を作成した。ここで用いたp型の熱電変換材料は、従
来の材料でありハーフホイッスラー化合物を主相としない。
得られた熱電変換素子について、前述と同様の条件で発電特性を評価した。この温度条
件における内部抵抗は、1.43Ωであった。負荷として、この熱電変換モジュールの内
部抵抗と同じ1.43Ωの負荷を繋ぐ、整合負荷条件で発電特性を測定した。その結果、
発生した電圧は4.80Vであり、3.37Aの電流が流れた。電力は、16.1Wにと
どまっていた。
ハーフホイスラーABXの構造を表わす模式図。 本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子を表わす模式図。 本発明の他の実施形態にかかる熱電変換素子を表わす模式図。 本発明の他の実施形態にかかる熱電変換素子を表わす模式図。 本発明の他の実施形態にかかる熱電変換素子を表わす模式図。 本発明の一実施形態にかかる熱電変換材料の無次元性能指数の温度依存性を表わすグラフ図。 本発明の他の実施形態にかかる熱電変換材料の無次元性能指数の温度依存性を表わすグラフ図。
符号の説明
1…A元素,2…B元素,3…X元素,4…空孔,8…p型熱電変換材料,9…n型熱電
変換材料,10,19…電極,11…絶縁性基板,14…ホール,15…電子,16…熱
電変換素子,20…負荷,21…電流,22…直流電源,23…電流。

Claims (5)

  1. MgAgAs型結晶構造を有する相を含有する熱電変換材料の製造方法であって、
    下記組成式(1)で表わされる組成を有する合金粉末を焼結法によって一体成形する工
    程を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
    (Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
    (上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1=1、30≦
    x≦35、30≦y≦35である。)
  2. 前記組成式(1)におけるTi,ZrおよびHfの一部が、V,Nb,Ta,Cr,Mo
    ,およびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴と
    する請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  3. 前記組成式(1)におけるNiの一部が、Mn,Fe,Co,およびCuからなる群から
    選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求項1または2に記
    載の熱電変換材料の製造方法。
  4. 前記組成式(1)におけるSnの一部が、As,Sb,Bi,Ge,Pb,GaおよびI
    nからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載の熱電変換材料の製造方法。
  5. 交互に直列に接続されたp型熱電変換材料およびn型熱電変換材料を含み、前記p型熱電
    変換材料および前記n型熱電変換材料の少なくとも一方は、請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の熱電変換材料製造方法によって製造された熱電変換材料を含むことを特徴とす
    る熱電変換素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011204835A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Toyota Central R&D Labs Inc 複合熱電材料及びその製造方法

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