JP7840271B2 - 組成物、硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents
組成物、硬化性組成物、及び硬化物Info
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Description
反応性シランカップリング剤により微粒子を表面処理する方法は、微粒子の分散性に優れさせることができ、硬化物の硬度、耐擦傷性、透明性に優れさせることができる。しかし、当該方法は、表面処理工程及び処理後の副生成物の留去や溶剤置換等の工程が煩雑であるという問題があった。
分散剤を使用する方法は、硬化後に分散剤のブリードアウトが生じ易く、更にブリードアウトは、硬度、耐擦傷性、透明性、耐溶剤性、耐水性等の物性の低下を引き起こすという問題があった。
例えば、特許文献3には、エポキシ基を有するビニル化合物重合体にカルボキシル基含有(メタ)アクリル化合物を付加反応させて得られる、金属酸化物微粒子用反応性分散剤が記載されている。また、特許文献4には、オキシアルキレン鎖の片方の末端に重合性不飽和官能基、もう片方の末端に酸性の極性官能基を有する非水分散媒用反応性分散剤が記載されている。また、特許文献5には、(メタ)アクリロイル基を有するリン酸エステルが、無機微粒子分散剤として記載されている。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[2] 更に溶媒を含む、[1]に記載の組成物。
[3] 前記一般式(I)において、R1がメチル基であり、nが1である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 前記共重合体が、更にアルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位を含む共重合体である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 前記一般式(II)において、Xが式(x1)である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 前記式(x1)において、R4が炭素数1~5の脂肪族炭化水素からなる連結基である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] 前記式(x1)において、ZがO(酸素原子)である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] 前記式(x1)及び式(x2)において、Yがカルボン酸塩又は第4級アンモニウム塩である、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 前記粒子が、無機化合物粒子、金属粒子、及び炭素粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の組成物、ラジカル重合開始剤、及び多官能ラジカル重合性化合物を含む、硬化性組成物。
[11] [10]に記載の硬化性組成物を硬化してなる、硬化物。
また本明細書において、実施態様の好ましい形態を示すが、個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、好ましい形態である。数値範囲で示した事項について、いくつかの数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組み合わせて好ましい形態とすることができる。
なお、本明細書において、「XX~YY」との数値範囲の記載がある場合、「XX以上YY以下」を意味する。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを意味する。
本実施態様の組成物は、共重合体及び粒子を含む(以下、単に「組成物」ともいう)。
本実施態様の組成物に含まれる共重合体は、調製時にゲル化が抑制されて重合安定性に優れる。上記共重合体を反応性分散剤(以下、単に「分散剤」ともいう)として用いることにより、粒子の分散性に優れ、硬度及び耐溶剤性に優れる硬化物を与える組成物を得ることができる。したがって本実施態様の組成物は、共重合体と、特に非常に細かな粒子である微粒子とを含む微粒子分散液であることが、好ましい実施態様の一つである。
共重合体は、下記一般式(I)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)及び下記一般式(II)で表される構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)を含む。共重合体が構造単位(I)を含むことにより、共重合体の調整時にゲル化が抑制され重合安定性に優れる。共重合体が構造単位(II)を含むことにより、粒子の分散性に優れる組成物とすることができる。また、共重合体は重合性基を有するので、後述する硬化物は硬度及び耐溶剤性に優れる。更に、構造単位(I)は均一な硬化物の形成に寄与し、構造単位(II)は粒子を良好に分散させるので、組成物をコーティング剤に使用すると、基材に所望の機能や意匠性を付与する硬化膜を形成できることが期待される。
したがって、共重合体は、コーティング剤等の微粒子分散液に用いられる、分散剤として好適である。
R1が表す炭素数1~18のアルキル基は、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(x1)中、R4は、炭素数1~10の脂肪族炭化水素からなる連結基を表す。上記連結基は、分岐していてもよく、任意の炭素原子がリン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩、及び水酸基が結合した炭素原子からなる群のいずれかに置換されていてもよい。粒子の分散性向上の観点から、R4は、炭素数1~5の脂肪族炭化水素からなる連結基であることが好ましい。具体的には、メチレン基、1,2-ジメチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テトラメチレン基、1,5-ペンタメチレン基等が挙げられる。なお、R4の好ましい態様である、上記炭素数1~5の脂肪族炭化水素からなる連結基は、分岐していてもよく、任意の炭素原子がリン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩、及び水酸基が結合した炭素原子からなる群のいずれかに置換されていてもよい。
式(x1)中、m及びpはそれぞれ独立して0又は1を表す。m及びpは、共に0であること、並びに、共に1であることが好ましい。
式(x3)中、qは5~30の任意の整数を表し、8~22であることが好ましい。
式(x1)、式(x2)、及び式(x3)中、●は結合部を表す。
スチレン類としては、p-スチレンスルホン酸ナトリウム、p-ビニル安息香酸、p-ビニルアニリン等が挙げられる。
[rは5~30の任意の整数を表す。]
本実施態様の組成物において、共重合体は、構造単位(I)及び構造単位(II)以外のその他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を含んでもよい。例えば、共重合体を構成するモノマー由来の構成単位が、構造単位(I)、構造単位(II)、及びラジカル重合性単量体に由来する構造単位からなる共重合体であることが、好ましい実施態様の一つである。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、無水マレイン酸やその誘導体等が挙げられる。
これらラジカル重合性単量体は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、硬化物の硬度及び耐溶剤性をより一層高める観点から、共重合体におけるその他の構造単位の割合は、20~95モル%であることが好ましく、40~90モル%であることがより好ましく、65~85モル%であることが更に好ましい。
本実施態様の組成物に含まれる粒子は、無機粒子及び有機顔料粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である。粒子は、硬化性組成物の用途に所望される機能に応じて適宜選択すればよいが、分散性、硬化物の硬度、及び耐薬品性等の観点から、無機粒子であることが好ましく、無機化合物粒子、金属粒子、及び炭素粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化セリウム、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、シリカ(二酸化珪素)、焼成珪酸カルシウム、焼成カオリン、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ガラス、タルク、クレイ、マイカ、カーボンブラック、及びホワイトカーボン等が挙げられる。無機粒子は、必要に応じ、シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
有機顔料粒子としては、例えば、フタロシアニン系顔料、及びアゾ系顔量等が挙げられる。
上記粒子は、1種単独で含まれていてもよく、2種類以上含まれていてもよい。
粒子の平均一次粒子径は、例えば、レーザー回折散乱法及び電子顕微鏡観察により求めることができる。
本実施態様の組成物は、分散性及び取扱性の観点から、溶媒を含むことが好ましい。ここで本発明において、「溶媒」とは共重合体及び粒子を含む組成物を製造する際に用い得る物質を意味し、当該組成物に含むことができる。また、「溶媒」は、後述する硬化性組成物を製造する際に用い得る「溶剤」とは、文言上区別される。一方で、「溶媒」と「溶剤」とは同一物質を用いることができ、異なる物質を用いることもできる。また、「溶媒」を硬化性組成物に含むことができる。
溶媒は分散媒であり、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、アミド類、及び水が挙げられ、分散液の安定性の観点から、アルコール類であることが好ましい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、及び1-メトキシ-2-プロパノール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、及びグリセリン等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶媒は、1種単独で含まれていてもよく、2種類以上含まれていてもよい。
実施態様の組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、共重合体、粒子、必要に応じて溶媒を公知の方法で混合することにより得ることができる。
本実施態様の硬化性組成物は、上述の組成物、ラジカル重合開始剤、及び多官能ラジカル重合性化合物を含む。
硬化性組成物における組成物の含有割合は特に限定されないが、組成物、ラジカル重合開始剤、多官能ラジカル重合性化合物及び後述する溶剤の合計100質量%に対し、10~99質量%であることが好ましく、20~60質量%であることがより好ましく、30~50質量%であることが更に好ましい。組成物の含有量が上記範囲であれば、優れた硬度及び耐溶剤性を有する硬化物を効率的に得ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、硬化物の硬化性をより向上させる観点から、熱でラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤、光でラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤が好ましい。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロ)ニトリル(ADVN)等のアゾ化合物系;ベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド系;t-ブチルペルオキシベンゾエート等のペルオキシエステル系;クメンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド系;ジクミルペルオキシド等ジアルキルペルオキシド系;メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド系;ペルオキシケタール系;アルキルペルエステル系;ペルカーボネート系等の有機過酸化物等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物は、多官能ラジカル重合性化合物を含有することにより、硬度に優れた硬化物とすることができる。
多官能ラジカル重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等
また、多官能ラジカル重合性化合物としては、市販品を用いることができる。例えば、A-DPH(多官能アクリレート、新中村化学工業株式会社製);AH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H等(ウレタンアクリレート、共栄社化学株式会社製)等が挙げられる。
多官能ラジカル重合性化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施態様の硬化性組成物は、適用する用途に応じて、更に溶剤を含んでもよい。溶剤を含むことにより各成分を均一にさせることが可能になり、取り扱い性が向上する。ここで本発明において、「溶剤」とは上述の組成物、ラジカル重合開始剤、及び多官能ラジカル重合性化合物を含む硬化性組成物を製造する際に用い得る物質を意味し、当該硬化性組成物に含むことができる。また、「溶剤」は、上述のとおり「溶剤」とは、文言上区別される。一方で、「溶媒」と「溶剤」とは同一物質を用いることができ、異なる物質を用いることもできる。
溶剤としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ケトン類、エステル類、及びアミド類等が挙げられ、アルコール類であることが好ましい。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼン等が挙げられる。
脂環式炭化水素類としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、及びテトラリン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物は、顔料、染料、充填剤、紫外線吸収剤、増粘剤、低収縮化剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、繊維強化材、酸化防止剤、レベリング剤、及びたれ止め剤等のその他の成分を更に含んでもよい。
硬化性組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば、組成物、ラジカル重合開始剤、多官能ラジカル重合性化合物、必要に応じて、溶剤、及びその他の成分を、公知の方法で混合することにより得ることができる。
本実施態様の硬化物は、上述の硬化性組成物を硬化してなるものであり、優れた硬度及び耐溶剤性を有するものである。
硬化物の製造方法に特に制限はなく、硬化性組成物やラジカル重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性組成物が熱ラジカル重合開始剤を含む場合は、加熱して硬化させる方法が挙げられ、光ラジカル重合開始剤を含む場合は、UV等の活性エネルギーを照射して硬化させる方法が挙げられる。
本実施態様の硬化性組成物及び硬化物の用途に特に制限はない。本実施態様の硬化物は、優れた硬度及び耐溶剤性を有していることから、例えば、塗料(UV塗料やUVインキ等)、接着剤、コーティング剤等に好ましく用いることができ、これにより、物性や外観に優れる塗膜、接着層、コーティング層等の硬化物を得ることができる。なお、塗膜やコーティング層等の比較的薄い硬化物を「硬化膜」ということもある。
〈1〉共重合体(分散剤)の製造例において使用した成分は、以下のとおりである。
<モノマー(A)>
・メチルメタクリレート(以下、MMA):株式会社クラレ製
<モノマー(B)>
・メタクリロイルコリンクロリドの80質量%水溶液:東京化成工業株式会社製
・メタアクリル酸(以下、MAA):株式会社クラレ製
・下記式(i)で表される化合物1:株式会社クラレ製
・アリルメタクリレート(以下、AMA):富士フイルム和光純薬株式会社製
・下記式(ii)で表される化合物2:株式会社クラレ製
・FA-512M(商品名):ジシクロペンタニルアクリレート、昭和電工マテリアルズ株式会社製
・アンモニアの25質量%水溶液:富士フイルム和光純薬株式会社製
<連鎖移動剤>
・α-メチルスチレンダイマー:東京化成工業株式会社製
<重合開始剤>
・2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBN):富士フイルム和光純薬株式会社製
<反応溶媒>
・メタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
・1-メトキシ-2-プロパノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
<粒子>
・酸化アルミニウム:商品名AEROXIDE(登録商標) AluC、平均一次粒子径13nm、EVONIK社製
・酸化チタン:商品名MT-100SA、平均一次粒子径15nm、テイカ株式会社製
<溶媒(分散媒)>
・メタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
・1-メトキシ-2-プロパノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
<多官能モノマー(多官能ラジカル重合性化合物)>
・A-DPH(商品名):ジペンタエルスリトールヘキサアクリレート、新中村化学工業株式会社製
・UA-306H(商品名):ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、共栄社化学株式会社製
<溶剤>
・メタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
・1-メトキシ-2-プロパノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
<光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)>
・Irgacure184(商品名):1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、IGM Resins B.V.社製
[製造例1]共重合体(A-1)の合成
撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応器に、窒素気流下、メタノールを50.0g、1-メトキシ-2-プロパノールを50.0g入れ80℃に昇温した。コンデンサーの還流下で、メタノールを20.0g、1-メトキシ-2-プロパノールを20.0g、MMAを52.6g、メタクリロイルコリンクロリドの80重量%水溶液を27.3g、化合物1を10.8g、α-メチルスチレンダイマーを1.4g及びAIBNを0.85g混合した物を、180分かけて滴下した。その後、AIBNを0.85g添加し、180分間80℃で熟成した。その後、冷却し、得られた溶液をヘキサンで10倍に希釈し共重合体を再沈殿させ、乾燥することにより共重合体(A-1)を得た。
製造例1において、メタクリロイルコリンクロリドの80質量%水溶液の代わりにMAAを9.0g用いたこと、及び冷却後にアンモニアの25質量%水溶液を5.0g添加したこと以外は製造例1と同様の方法で、共重合体(A-2)を得た。
表1に示す処方とした以外は製造例1と同様の方法で、共重合体(B-1~B-5)を得た。
製造例3~7で得られた共重合体(B-1)~(B-5)は、構造単位(I)及び構造単位(II)のうちいずれか一方を有さない。
共重合体(分散剤)の評価方法を以下に示す。
<重合安定性>
上記製造例において、共重合体の製造の際、重合反応の様子を目視で観察し、以下の基準で評価した。
なお、本評価が「B」となった共重合体は、以降の実施例及び比較例に用いなかった。
評価基準
A:問題なく重合が終了し、均質な共重合体を含有する溶液が得られる。
B:重合反応の途中で著しく増粘又はゲル化し、均質な共重合体を含有する溶液が得られない。
モノマー(C)としてAMAを用いた製造例3、及び化合物2を用いた製造例4では、ゲル化し均質な共重合体を含有する溶液が得られなかった。この結果は、モノマー(C)の有する二重結合の反応性に起因すると考えられる。すなわち、化合物1は重合時にメタアクリロイル基のみが反応し、ほとんど架橋反応が進行しないため、重合安定性に優れると考えられる。AMA及び化合物2は、重合時にメタアクリロイル基と、反応性の高いアリル基及びメタリル基が架橋反応しゲル化することで、均質な共重合体を含有する溶液が得られなかったと考えられる。
[実施例1]組成物(C―1)の調製
分散剤として製造例1で得られた共重合体(A-1)を1.25g、粒子として酸化アルミニウムを3.75g、分散媒としてメタノールを20.0g、1-メトキシ-2-プロパノールを20.0g、100mLフラスコに入れ、攪拌機(ZZ-2220、東京理化器械株式会社製)を用いて600rpmで4時間撹拌し、分散させることにより微粒子分散液である組成物(C-1)を得た。
表2に示す処方とした以外は実施例1と同様の方法で、微粒子分散液である組成物(C-2、C-3、D-1~D-3)を得た。
実施例及び比較例で得られた組成物(微粒子分散液)の評価方法を以下に示す。
<分散性>
分散後の組成物を透明なサンプル瓶に移し、25℃において1ヶ月静置し、目視にて観察することによって以下の基準で評価した。
なお、本評価にて「D」となった組成物については、以降の実施例及び比較例に用いなかった。
評価基準
A:1ヶ月後にも、容器の底部に沈降物は見られない。
B:1週間後には沈降物が確認されなかったが、1ヶ月後には、容器の底部に少しの沈降物が確認された。
C:1日後には沈降物が確認されなかったが、1週間後には、容器の底部に少しの沈降物が確認された。
D:1日後に、容器の底部に沈降物が確認された。
分散剤として共重合体(B-5)を用いた比較例3では、粒子が翌日には沈降し、分散性の優れた組成物が得られなかった。この結果は、共重合体の組成のモノマー(B)に起因すると考えられる。すなわち、共重合体(A-1)及び(A-2)は、モノマー(B)由来の極性官能基を有するため、共重合体が粒子に効率良く吸着し、優れた分散性を示すと考えられる。
[実施例4]硬化膜の調製
実施例1で得られた微粒子分散液である組成物(C-1)を20.0g、多官能モノマーとしてA-DPHを9.5g、溶剤としてメタノールを8.5g、1-メトキシ-2-プロパノールを8.5g、100mLフラスコに入れ、攪拌機(ZZ-2220、東京理化器械株式会社製)を用いて600rpmで4時間撹拌し、光重合開始剤としてIrgacure184を0.3g入れ、硬化性組成物を調製し、塗工液とした。
得られた塗工液を、ブリキ鋼板(アズワン株式会社製)又はPETフィルム(商品名A4300、東洋紡株式会社製)に、アプリケーター(TP技研株式会社製)を用いて膜厚100μmで塗工し、80℃で1分間の予備乾燥を行った。次に、空気下でUV露光機(LIGHTNINGCURE LC-L1V5、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて365nmでの積算光量2000mW/cm2(照射強度50mW/cm2、照射時間40秒)で露光して、硬化膜を得た。
表3に示す処方とした以外は実施例4と同様の方法で、硬化膜を得た。
実施例及び比較例で得られた硬化膜が形成されたブリキ鋼板及びPETフィルムについて、硬化膜の評価方法を以下に示す。
<表面硬度>
JIS-K5600-5-4に準拠して行い、傷が付く鉛筆の芯の硬度で評価した。鉛筆硬度が高いほど塗膜表面の硬度が高く傷に強い。
<付着性>
JIS-K5600-5-6に準拠して行い、試験後の塗膜の剥がれをルーペにより観察して以下の基準で評価した。数字が小さいほど付着性に優れている。
評価基準
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さな剥がれを生じている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的に剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的に剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を超えるが65%を上回ることはない。
5:剥がれの程度が4を超える。
<耐溶剤性>
0.5gのコットンを1mLのアセトンに含浸したものを用いて、PETフィルム上の硬化膜を拭き取り、拭き取り後の状態を下記基準にしたがって評価した。
評価基準
A:硬化膜が10回で拭き取られなかった。
B:硬化膜が1回では拭き取られなかったが、10回以内に拭き取られた。
C:硬化膜が1回で拭き取られた。
微粒子分散液として組成物(D-1)、(D-2)を用いた比較例4,5では、硬度及び耐溶剤性が不十分な硬化膜が得られた。この結果は、分散剤として用いた重合体の残存二重結合に起因すると考えられる。すなわち、共重合体(A-1)及び(A-2)は、重合体の合成時に反応しなかった二重結合が、硬化膜の調製時には多官能モノマーの官能基と架橋反応し、硬度及び耐溶剤性に優れた硬化膜を形成すると考えられる。共重合体(B-3)は重合体の合成時に反応しなかった二重結合が、反応性が低いため、硬化膜の調製時にも多官能モノマーの官能基と架橋反応せず、硬度及び耐溶剤性が不十分な硬化膜が得られたと考えられる。共重合体(B-4)は二重結合をほとんど含まないため、多官能モノマーの官能基と架橋反応できず、硬度及び耐溶剤性が不十分な硬化膜が得られたと考えられる。
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表される構造単位及び下記一般式(II)で表される構造単位を含む共重合体と、無機粒子及び有機顔料粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子とを含む組成物。
[一般式(I)中、R1はメチル基を表し、R2は水素原子又はメチル基を表す。nは1である。]
[一般式(II)中、Xは以下に示す式(x1)、式(x2)、及び式(x3)からなる群より選ばれるいずれかを表し、R3は水素原子又はメチル基を表す。]
[式(x1)及び式(x2)中、Yはアミノ基、第4級アンモニウム塩、カルボキシ基、カルボン酸塩、ヒドロキシ基、スルホ基、スルホン酸塩、硫酸エステル基、硫酸エステル塩、リン酸基、リン酸塩、リン酸エステル基、及びリン酸エステル塩からなる群より選ばれるいずれかを表す。式(x1)中、ZはO(酸素原子)又はNH(アミノ基)を表す。R4は炭素数1~10の脂肪族炭化水素からなる連結基を表し、前記連結基は分岐していてもよく、任意の炭素原子がリン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩、及び水酸基が結合した炭素原子からなる群のいずれかに置換されていてもよい。m及びpはそれぞれ独立して0又は1を表す。式(x3)中、qは5~30の任意の整数を表す。●は結合部を表す。] - 更に溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記共重合体が、更にアルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位を含む共重合体である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記一般式(II)において、Xが式(x1)である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
- 前記式(x1)において、R4が炭素数1~5の脂肪族炭化水素からなる連結基である、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
- 前記式(x1)において、ZがO(酸素原子)である、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
- 前記式(x1)及び式(x2)において、Yがカルボン酸塩又は第4級アンモニウム塩である、請求項1~6いずれかに記載の組成物。
- 前記粒子が、無機化合物粒子、金属粒子、及び炭素粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1~8のいずれかに記載の組成物、ラジカル重合開始剤、及び多官能ラジカル重合性化合物を含む、硬化性組成物。
- 請求項9に記載の硬化性組成物を硬化してなる、硬化物。
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