JP7550526B2 - 機械式駐車装置 - Google Patents
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Description
機械式駐車装置は、自動車を立体的に駐車させる装置である。代表的な機械式駐車装置は、自動車を載置するパレットと、このパレットを昇降させる昇降装置を有している。
機械式駐車装置では、車両出入り部からパレット収容エリアに自動車を導入し、パレットに自動車を載置し、パレットを昇降して所定の階に自動車を配置する。また、パズル式立体駐車装置と称されるものは、パレットを昇降させるだけでなく、パレットを横行させる機能も備えている。立体駐車装置は、例えば特許文献1に開示されている。
以下、説明する。
特許文献1に開示された立体駐車装置は、昇降装置のモータとして、電磁ブレーキ付きのモータが採用されている。当該モータは、電磁ブレーキに通電することにより制動が解除され、通電を停止すると制動がかかる。
パレットの上昇時に、インバータがトリップして電動モータの駆動トルクが消失すると、上昇力がなくなってパレットが自重で落下を始め、モータは、パレットの重力降下の作用で強制的に回転される。そして時間の経過とともに、パレットの下降速度が次第に増速することになる。
ここでモータの定格回転数は、例えば1800rpmであるが、重力降下の作用で強制的に回転されることによって、その回転数が、2200rpm以上に達する。
特許文献1に開示された発明では、モータの回転数が、2200rpm以上になると、危険回転領域になり、モータの回転数を検知する検出器が緊急に動作する。
しかしながら、特許文献1において、モータの回転数が危険領域に達する前までの期間、すなわち正常時の下降速度よりも早く落下するまでの期間では、パレットの停止が行われず、パレットが落下し、危険であるという課題がある。
搭載して、当該車両を立体的に駐車させる機械式駐車装置において、
前記昇降機構は、モータによって前記パレットを昇降するものであり、
外部から前記モータに供給される電流又は電圧、あるいは前記モータが発生する電流又は電圧を検知する検知手段と、前記パレットの降下を阻止する非常降下停止手段と、前記パレットの昇降を制御する制御手段とを有し、
当該制御手段は、前記パレットを上昇又は降下させるための信号が出力された後、前記検知手段が所定の電流又は電圧を検知しなかった場合に、前記非常降下停止手段を作動させ、前記パレットの降下を阻止させる異常降下監視制御を実行することを特徴とする機械式駐車装置である。
本態様の機械式駐車装置では、パレットが異常な速度で降下しているか、その前兆があることを検知手段が検知すると、非常降下停止手段が作動してパレットの降下を阻止する。そのためパレットが予期しない速度で落下することが防止される。
本態様によれば、例えば、インバータがトリップを起こした場合など、モータに電力が供給されず、モータで制動できなくなり、パレットが自重で落下を始めると、モータの回転数が危険領域に達するまでに非常降下停止手段が作動し、パレットの降下を阻止する。
前記パレットを上昇させる際には、前記パレットストッパを突出姿勢にすると共に、又は、前記パレットストッパを退避姿勢から突出姿勢にすると共に、前記異常降下監視制御を実行する機械式駐車装置である。
前記パレットストッパが前記突出姿勢であるとき、前記パレットは、前記パレットストッパが設けられた位置を通過して上昇することが可能であるが、降下することは阻止され、
前記パレットストッパが前記退避姿勢であるとき、前記パレットは、前記パレットストッパが設けられた位置を通過して上昇及び降下することが可能であり、
前記制御手段は、前記異常降下監視制御を実行する監視状態と、前記異常降下監視制御を実行しない監視停止状態を切り替えることが可能であり、
前記パレットを降下させる際に、前記パレットを降下させる際に、前記パレットストッパを退避姿勢のまま維持させ、又は、前記パレットストッパが突出姿勢である場合には、前記パレットストッパを退避姿勢に移行させ、前記パレットストッパを前記退避姿勢に移行させるための信号出力又は前記退避姿勢への移行完了を契機として、前記監視状態に切り替わる機械式駐車装置である。
本態様によれば、パレットを降下させる際にパレットストッパを退避姿勢としたことで、異常降下監視制御を行うため、パレットストッパが解除された後もパレットの落下を抑制でき安全である。
パズル式の機械式駐車装置は、パレットを横行させる際、横行先のパレット収容エリアにパレットがあると、当該横行先のパレットを昇降させて当該収容エリアを空ける必要がある。
本態様の機械式駐車装置は、横行先のパレットを退避させる際に、当該パレットに対して検知手段による異常降下監視制御が実施されるので、横行先のパレットを昇降させる際における安全を確保することができる。
図1の様に、実施形態の機械式駐車装置1(以下 駐車装置1と称する)は、パズル式の立体駐車装置である。駐車装置1は、3階建であり、複数台の自動車(車両)を駐車することができるパレット収容エリアがある。
駐車装置1の一階部分は、実際には図2等の様に地下階となるが、作図の関係上、図1は、あたかも地上に設置した様に図示されている。
そしてフレーム4によって各階にそれぞれ3室のパレット収容エリアが作られている。パレット収容エリアには、パレット支持枠2がある。
パレット収容エリアのパレット支持枠2には、いずれか一つを除いてパレット5が載置されている。
パレット移動機構は、パレット5が載置された状態のパレット支持枠2を昇降させる昇降機構8と、パレット5を単独で横行させる横行機構によって構成されている。
パレット支持枠2を横行させる横行機構は、パレット5自身に横行車輪(図示せず)を設け、横行レールに横行車輪が載置されたものであり、横行モータ(図示せず)を駆動してパレット5を横方向に移動させるものである。パレット支持枠2を横行させる機構は、公知であるから詳細な説明を省略する。
本実施形態の機械式駐車装置1では、図3の様に、パレット支持枠2の四隅にそれぞれチェーン13の一端が接続されており、パレット支持枠2は、4本のチェーン13a,13b,13c,13dで吊り下げられている。
チェーン13a,13b,13c,13dの他端側は、フレーム4の一部に接続されており、中間部には動滑車状のスプロケットを介してバランスウエイト47が吊り下げられている。
4本のチェーン13a,13b,13c,13dは、複数のスプロケットや、チェーンによって構成される動力伝動機構を介して昇降用モータ11と係合している。
本実施形態では、昇降用モータ11は、駆動スプロケット12を含む動力伝動機構を介して各チェーン13a,13b,13c,13dと常時係合している。
そのため、昇降用モータ11を回転すると、各チェーン13a,13b,13c,13dが動き、パレット支持枠2が昇降する。
パレットストッパ70は、図示しないガイドに沿って水平方向に直線移動し、パレット支持枠2の昇降経路上に出没する。
パレットストッパ70は、図3の様に、上面側が水平面60であり、下面が傾斜面(曲面)56となっている。
そのため、パレットストッパ70の下部側からパレット支持枠2が上昇すると、パレット支持枠2の一部が、パレット支持枠2の上側にあるパレットストッパ70の傾斜面56と接触し、傾斜面56の作用によって、水平方向分力が生じ、パレットストッパ70が支持枠80内に没入する。
従って、パレットストッパ70は、パレット支持枠2の上昇を妨げない。
一方、パレット支持枠2が降下方向に移動すると、パレット支持枠2の一部が、パレットストッパ70の水平面60と当接し、パレット支持枠2の降下を阻止する。
パレットストッパ70が、退避した状態を退避位置と称することとする。
パレットストッパ70が退避位置にある時、パレット支持枠2は、パレットストッパ70がある位置を上下方向に通過することができる。
パレットストッパ70は、常時ばねによって突出方向に付勢されているので、強制退避機器の作用が消失すると、元の突出位置に戻り、パレットストッパ70の水平面60(上面)で、パレット支持枠2に間接的に保持することができる姿勢となる。
本実施形態では、パレットストッパ70は、パレット支持枠2と係合しており、パレット5と間接的に係合する。
パレットストッパ70は、パレット5と直接的に係合するものであってもよい。
本実施形態では、駐車装置1の2階部分(地上階)に、自動車を出入りさせる車両出入り部3a~3cが設けられている。
図2は、図1の駐車装置1の正面図である。図2の様に、地下1階部分が地面より下に位置している。駐車装置1の2階部分は、地上階となっている。駐車装置1では、地上階から自動車が出入りする。
また、自動車の出庫時には、パレット移動機構によって当該自動車が載置されたパレット5を地上階に移動させ、パレット5上の自動車を駐車装置1の外部へ出す(出庫する)。
図4の様に示すように、昇降機構10は、パレット5(パレット支持枠2)、昇降用モータ11、駆動スプロケット12、チェーン13を有する。また、昇降用モータ11を制御する電気回路7を有している。
図4に基づいて再度説明すると、駆動スプロケット12が回転可能に設置されている。
チェーン13の一端は、パレット支持枠2に接続され、チェーン13の他端は、支柱80に接続されている。
そして、駆動スプロケット12とチェーン13の他端の間に、動滑車状のスプロケットを介してバランスウエイト47が吊り下げられている。
昇降用モータ11を回転させると、駆動スプロケット12が回転し、チェーン13が走行し、パレット支持枠2が昇降し、パレット支持枠2に載置されたパレット5が昇降する。
さらにインバータ装置40は、内部で出力相を変更する機能を有し、昇降用モータ11を正回転と逆回転とに切り替えることができる。
本実施形態では、リレーR1、R2を通電状態とし、リレーR3、R4を遮断状態とすることによって、昇降用モータ11は正方向に回転して、パレット支持枠2(パレット5)が上昇する。逆にリレーR1、R2を遮断状態とし、リレーR3、R4を通電状態とすることによって、昇降用モータ11は逆方向に回転して、パレット支持枠2(パレット5)が降下する。
制御手段18は、コンピュータであり、パレット5に各種の動作を行わせるプログラムが記憶されている。
即ち、操作スイッチ25の呼び出しスイッチ26をオンすることによって、使用者が使用するパレット5が地上階に呼び出される。また戻しスイッチ27をオンすることにより、自己の車両を載置したパレット5が、所定のパレット収容エリアに戻される。
いずれの場合でも、昇降機構8等が動作することとなる。
例えば、パレット5を上昇させる必要がある場合には、制御装置18からのパレット上昇信号によって、図5の様に切り替えリレー群42を構成するリレーR1、R2が通電状態となり、リレーR3、R4が遮断状態となって昇降用モータ11を正方向に回転させる。また、同時にブレーキ用電磁石36を通電状態とし、電磁ブレーキ30を解除する。その結果、図5の様に、駆動スプロケット12が回転し、矢印の様にパレット支持枠2(パレット5)が上昇する。
或いは、切り替えリレー群42は、図5の昇降用モータ11を正方向に回転させる接続関係を維持し、周波数変換回路50の出力を停止してインバータ装置40からの送電を停止する。
そして、図6の様に、パレット5が上端に達すると、ブレーキ解除リレー45が遮断状態となり、電磁ブレーキ30が掛かって昇降用モータ11の回転軸32を保持し、外力によって回転軸32が回転することが阻止される(図6(b))。
この様に、本実施形態では、昇降用モータ11の電磁ブレーキ30が、パレット5の降下を阻止する上昇時降下阻止手段として機能する。
さらに、制御手段18は、切り替えリレー群42を構成するリレーR1、R2を遮断状態とし、リレーR3、R4を通電状態とし、昇降用モータ11を逆方向に回転させる。
また、同時にブレーキ解除リレー45を通電状態としてブレーキ用電磁石36に通電し、電磁ブレーキ30を解除する。その結果、図7の様に、駆動スプロケット12が逆回転し、矢印の様にパレット支持枠2(パレット5)が降下する。
パレット支持枠2がパレットストッパ70を通過すると、パレットストッパ70は元の位置に戻り、パレットストッパ70は上を向く。
パレットストッパ70の突出・退避位置の把握は、センサ検知でも、指令にもとづくものでもよい。
この状況下においては、昇降用モータ11の回生制動による制動力は期待できず、パレット支持枠2が落下することが予想される。
以下、図8、図9及び図10を参照しつつ説明する。
本実施形態では、前記した様にインバータ装置40に、昇降用モータ11のコイルに流れる電流を検知する電流検知回路(検知手段)51が内蔵されている。そのためインバータ装置40によって、昇降用モータ11に供給される電流や、昇降用モータ11が発生する電圧を検知することができる。そしてインバータ装置40の電流検知回路51の検知信号が制御手段18に入力されている。
「一定時間」は、数秒以内であり、好ましくは、0.5秒程度である。
また、「一定時間」とは、インバータがトリップを起こした場合などで、モータに電力が供給されず、モータで制動できなくなり、パレット5が自重で落下を始めた際、モータの回転数が危険領域に達する前までの期間である。
また、一定時間とは、上昇または下降指令出力開始~出力終了までの期間でもあり、その期間に、検知手段によりモータに通電していないことを検知すると、ブレーキを作動させる。その動作を以下、非常停止制御(異常降下監視制御)と呼ぶ。この非常停止制御により、パレット支持枠2が正常時の下降スピードより速く落下するより前に、パレット支持枠2を停止できる。
図8の様に、電磁ブレーキ30が解除したにも係わらず、昇降用モータ11のコイルに電流が無い場合は、パレット支持枠2が何かに引っ掛かって降下しないか、あるいは昇降用モータ11や切り替えリレー群42に不具合が生じて、昇降用モータ11が制動力を発現していないかのいずれかである。
具体的には図9の様に、ブレーキ解除リレー45を遮断状態として電磁ブレーキ30を復活させ、電磁ブレーキ30によって昇降用モータ11の回転を強制的に停止させる。その結果、落下しかけたパレット支持枠2は、中途の位置で停止する。なお実際には、パレット支持枠2の降下距離は、数センチ以内であり、実質的にパレット支持枠2(パレット5)は動いたようには見えない。
この様に本実施形態では、昇降用モータ11の電磁ブレーキ30が、パレット5の降下を中途で阻止する非常降下停止手段としても機能する。
パレット5を降下させる指示信号があれば、ステップ2に移行し、インバータ装置40に電流が供給され、インバータ装置40が駆動する。また、ステップ3に移行し、切り替えリレー群42を構成するリレーR1、R2が遮断状態となり、リレーR3、R4が通電状態となり、昇降用モータ11に対して逆回転する方向に駆動電流が出力される。
これと並行して、ステップ4では、ブレーキ解除リレー45を通電状態としてブレーキ用電磁石36に通電し、電磁ブレーキ30を解除する。
昇降用モータ11のコイルに一定値以上の電流が流れていることがステップ5で確認されれば、ステップ6に移行し、パレット5が、所定の端位置に到達したか否かが確認される。
即ちステップ5で昇降用モータ11が回生電流を発生していることが確認できた場合は、昇降用モータ11は、パレット5の重力落下によって強制的に回転させられており、パレット5は、ゆっくりと降下を続けている。
そのため一定時間後には、パレット5は所定の端位置に到達する筈であるから、ステップ6でパレット5の端位置への到達を待つ。
ステップ6に移行して、パレット5が未だに端位置に到達していなければ、ステップ5に戻り、昇降用モータ11のコイルに流れる電流を監視し続ける。
降下確認センサー22によって、パレット5が所定の端位置へ到達したことが確認されるとステップ7に移行し、インバータ装置40を停止して駆動電流の供給を停止する。
その後、ステップ7に移行し、インバータ装置40を停止して駆動電流の供給を停止する。そして、昇降用モータ11のコイルに流れる電流を監視するのを停止する(監視停止状態)。
このことにより、パレット5が上昇し、パレットストッパ70からわずかに離れた状態のときに、モータの非通電を検知した場合、昇降用モータ11が非通電となったときからブレーキ発現までの間のパレット5の落下もパレットストッパ70で抑制できる。
また、下降動作の際には、パレットストッパ70を退避位置のまま、または、退避位置に移動させた状態で、パレット5を下降させた。
本実施形態の駐車装置1では、パレットストッパ70の退避位置への指令出力、または、退避完了を検知したら、非常停止制御を開始する。
このことにより、パレットストッパ70が退避したことで、非常停止制御を行うため、パレットストッパ70が解除された後もパレット支持枠2(パレット5)の落下を抑制でき、安全である。
また、本実施形態では、一定時間の間、昇降用モータ11に流れる電流を監視し、この間に電流が検知できなければ電磁ブレーキ30を作動させ、昇降用モータ11の回転を強制的に停止した。
他の方法としては、パレット支持枠2(パレット5)を降下させる信号が発せられてから一定時間(設定時間)経過後に、電流検知手段が所定の電流を検知しなかった場合に、電磁ブレーキ30を作動させ、昇降用モータ11の回転を強制的に停止させてもよい。
図15は、この方策を採用した場合の制御の流れを示すフローチャートである。
図11乃至図14に示す昇降機構10は、昇降用モータ11のコイルを回生電量が発生する様に切り替えるものである。なお、図11乃至図14に示す第二実施形態の昇降機構10における、先の実施形態と同一の部材は、同一の番号を付して重複する説明を省略する。
また、同時にブレーキ解除リレー45を通電状態とし、電磁ブレーキ30を解除する。その結果、図12の様に、駆動スプロケット12が回転し、矢印の様にパレット支持枠2(パレット5)が上昇する。
また、図13の様に、パレット5が上端に達すると、断続リレーR12、R13、R14が遮断状態となり、電磁ブレーキ30が掛かって昇降用モータ11の回転軸32を保持し、外力によって回転軸32が回転することが阻止される。
降下スイッチ27をオンして電磁ブレーキ30が解除したにも係わらず、昇降用モータ11のコイルに電流が流れ無い場合は、ブレーキ解除リレー45を遮断状態として電磁ブレーキ30を復活させ、電磁ブレーキ30によって昇降用モータ11の回転を強制的に停止させる。その結果、落下しかけたパレット5は、中途の位置で停止する。
即ち、パズル式の駐車装置では、移動対象のパレット5の移動先を空ける必要がある。例えば、移動対象のパレット5を横行させる場合、横行先のパレット収容エリアに他のパレット5がある場合には、当該移動先のパレット5を上方又は下方に退避させる必要がある。
本実施形態の駐車装置では、この様な場合においても、前記した監視が行われる。
そのため、横行用モータについても、昇降用モータ11と同様の安全対策が採用されることが望ましい。
即ち、横行用モータに昇降用モータ11と同様のブレーキ付きモータを採用する。また横行用モータの回路として、昇降用モータ11と同様の電気回路7を採用する。
具体的には、横行用モータには、インバータ装置40から通電する。横行用モータのインバータ装置40は、異常検知手段の一つとして、横行用モータのコイルに流れる電流や電圧、またはコイルにかかる電流や電圧を検知する検知手段51を備えている。検知手段51は、具体的には、電流検知回路51(電圧検知回路51)である。
図16は、図1の正面図で、3行×3列の駐車装置1である。説明の便宜上、パレット収容エリアに番号をつける。左下から右に順番に、1番~3番目のパレット収容エリア、1段上がって、4番~6番目のパレット収容エリア、さらに1段上がって、7番~9番目のパレット収容エリアと番号を付与する。各々のパレット収容エリアのパレット5、図示しないモータにより、上下左右に移動可能である。図16には、9番目のパレット収容エリアにはパレット5が無く、車両が空いており、それ以外のパレット収容エリアにはパレット5があって、車両、8台が駐車している。
まず、テンキー62(図1)を操作して呼び出し対象のパレット5を特定し、その後、呼び出しスイッチ26が押される。
呼び出しスイッチ26が押されると、例えば、制御手段18は信号を受信し、対象のパレット5の現在位置(ここでは、7番)をセンサなどで把握して、現在位置(7番)から入出庫階の出庫位置(4番)までの動作を把握する。そして、パレット4の上昇・下降・横行指令を各モータに送信する。
図16(a)に示すように、6番のパレットについて、制御手段18から上昇指令が出力され、昇降用モータ11に通電されると共に、ブレーキ解除リレー45がONされ、昇降用モータ11のブレーキを解除する。その結果、6番のパレット収容エリアの位置にあったパレット5が、1段上の9番目のパレット収容エリアの位置に上昇する。このとき、昇降用モータ11のコイルに流れる電流等が監視される。
本願発明では、異常降下監視制御を実行するので、パレットと下の車両との接触さえも防ぐことができる。
また、パレットがレール(又はガイドなど)に支持されている場合、パレットとレールとが強く擦られて、パレットの一部とレールとが摩擦力で固着し、パレットが停止する場合がある。この場合、4点吊りのパレットは、不均衡にくり出されて、パレットが斜めになり、ストッパに当たらず落下してしまう恐れがある。
本願発明では、異常降下監視制御を実行するので、パレットの落下を防ぐことができる。
また、パレットが落下する際、パレットに車両がある場合と、パレットに車両がない場合とで、昇降機構のくり出される負荷が変動し、落下スピードも変化する。本願発明は、異常降下監視制御を実行するので、落下スピードに依らず、すぐパレットを停止することができる。
また、落下したパレットに車両があると、ある程度落下してからブレーキをかけてしまうと、急ブレーキとなり、その衝撃で車両に上下方向の衝撃が伝わり、ステアリング等が損傷する恐れもある。
本願発明では、異常降下監視制御を実行するので、急ブレーキを防ぐことができる。
これに対して、パレット5が下降動作する際、パレットストッパ70の退避位置への指令出力、または、パレットストッパ70の退避完了を検知したら、非常停止制御を開始してもよい。このことにより、パレットストッパが退避したことで、非常停止制御を行うため、パレットストッパ70が解除された後もパレット5の落下を抑制でき、安全である。
以上説明した実施形態では、パレット5(図16における、例えば、5番に位置するパレット)の横行先にパレット5a(図16における、例えば、6番に位置するパレット)がある場合、横行先のパレット5aを上昇させた後、パレット5をパレット5aの下に移動させる。本実施形態の駐車装置1では。パレット5aを上昇する際、非常停止制御を行う。非常停止制御により、パレット5が、パレット5aの落下から守られ、安全である。
以上説明した実施形態では、非常停止制御は、横行の場合も行われる。具体的には、検知手段51により横行モータが通電していないことを検知すると、非常停止手段を作動させる。このことにより、横行動作中に横行モータが非通電となり、慣性で横行するのを抑制できる。
以上説明した実施形態では、パズル方式の駐車場装置としたが、パレットを昇降移動のみの単純昇降式など他の方式でもよい。
以上説明した実施形態では、入出庫階を地上階としたが、入出庫階はどこでもよく、最下位置、最上位置でもよい。
以上説明した実施形態では、パレットの昇降・横行動作の把握はセンサーを用いたが、パレットの昇降・横行動作の把握は、制御手段18自体の出力する指令により把握してもよいし、別にセンサを設けてパレットの位置検知により把握してもよい。
以上説明した実施形態では、昇降用モータ11にブレーキ付きモータを採用し、昇降用モータ11の外力による回転を内蔵する電磁ブレーキ30で強制的に停止させることによってパレット5の落下を阻止する構成を採用した。
本実施形態によると、昇降用モータ11の電磁ブレーキ30が、パレット5が上昇位置にあるときにパレット5の降下を阻止する非常降下停止手段としても機能する。
従来技術の様な落下防止ピンを突出させるのは、パレット5が降下する方向に物理的な障害物を設ける方法の一つであり、非常降下停止手段として採用可能である。
また、幅方向に拡張する部材をパレット5に設け、パレット5が嵌合するレールやガイドの間で摩擦力を発生させてパレット5の落下を阻止することも可能である。
また、ラックアンドピニオンや送りネジを利用して昇降用モータ11とパレット5を係合させてもよい。
2 パレット支持枠
5 パレット
10 昇降機構
11 モータ
12 駆動スプロケット
13 チェーン
18 制御手段
20 パレット収納エリア
22 降下確認センサー
23 上昇確認センサー
26 呼び出しスイッチ
27 戻しスイッチ
30 電磁ブレーキ(非常降下停止手段)
40 インバータ装置
42 切り替えリレー群
45 ブレーキ解除リレー
51 電流検知回路(検知手段)
Claims (3)
- 複数のパレットと当該パレットを昇降させる昇降機構を有し、前記パレットに車両を搭載して当該車両を立体的に駐車させる、機械式駐車装置において、
前記昇降機構は、モータによって前記パレットを昇降するものであり、
外部から前記モータに供給される電流又は電圧、あるいは
前記モータが発生する電流又は電圧を
検知する検知手段と、
前記パレットの降下を阻止する
非常降下停止手段と、
前記パレットの昇降を制御する
制御手段と
を有し、
当該制御手段は、異常降下監視制御を実行し、
前記異常降下監視制御は、
前記パレットを上昇又は降下させるための信号が出力された後、
前記検知手段が所定の電流又は電圧を検知しなかった場合に、
前記非常降下停止手段を作動させ、前記パレットの降下を阻止し、
また、パレットストッパを有し、
当該パレットストッパは、突出姿勢と退避姿勢とをとることが可能であり、
前記パレットストッパが前記突出姿勢であるとき、
前記パレットは、
前記パレットストッパが設けられた位置を通過して、
上昇することが可能であるが、
降下することは阻止され、
前記パレットストッパが前記退避姿勢であるとき、
前記パレットは、
前記パレットストッパが設けられた位置を通過して
上昇及び降下することが可能であり、
さらに、前記パレットを上昇させる際に、
前記パレットストッパを突出姿勢にすると共に、又は、
前記パレットストッパを退避姿勢から突出姿勢にすると共に、
前記異常降下監視制御を実行することを特徴とする機械式駐車装置。 - 前記制御手段は、前記異常降下監視制御を実行する監視状態と、前記異常降下監視制御を実行しない監視停止状態を切り替えることが可能であり、
前記パレットを降下させる際に、
前記パレットストッパを退避姿勢のまま維持しつつ、又は、
前記パレットストッパが突出姿勢である場合には、
前記パレットストッパを退避姿勢に移行し、また、
該移行のための信号出力、又は該移行完了を契機として、
前記監視状態に切り替わることを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車装置。 - 縦横の行列状にパレット収容エリアと、前記パレットを横方向にも移動させる横行モータとを有し、
前記制御手段は、当該横行モータを用いて、前記パレットを横方向に移動させて、横方向に並んだ他の収容エリアに当該パレットを移動させることが可能であり、
前記パレットを横方向に移動させるのに先立って、他のパレットを上下方向に退避させる場合、当該退避させるパレットに対して前記異常降下監視制御を実行することを特徴とする請求項1、又は2に記載の機械式駐車装置。
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2020
- 2020-03-31 JP JP2020064435A patent/JP7550526B2/ja active Active
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