JP7519937B2 - 地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法 - Google Patents

地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法に関する。
連続地中壁は、掘削されたエレメント溝の孔壁の安定性を確保するべく、一定の壁幅以下で分割施工した地中壁である先行エレメントと後行エレメントを相互に接合することにより構築されるが、先行エレメントと後行エレメントの継手(継手部、接合部)の施工が煩雑であるといった課題を有している。
先行エレメントの施工においては、コンクリートをエレメント溝の端部の継手部まで打設しないことにより継手用空間を確保している。この際、継手部へのコンクリート流出を防止するために、鉄筋籠の端部に仕切板とシートによる対策を施す等の措置が講じられる。また、後行エレメントの施工の際は、継手鉄筋を保護するために掘削前後で防護板の設置と撤去が行われているが、この仮設工事に多大な労力を要するといった別の課題も有している。
そこで、先行エレメントの鉄筋籠の端部に、密閉された継手空間を予め設け、この状態でコンクリートを先行エレメント用溝の端部まで打設し、次いで回転式掘削機等により後行エレメント用溝を掘削し、この掘削と同時に、密閉された継手空間が凹型に開放されるように先行エレメント用溝の端部のコンクリートを切削(カッティング)し、後行エレメント用溝に後行エレメントを施工する、先行エレメントと後行エレメントの接続方法が開発されている。
上記工法は、大成式連続地中壁構築工法(TUD工法:Taisei Underground Diaphragm Walls Construction System)と称され、このTUD工法に関する種々の提案がなされている。その中で、例えば特許文献1,2にはいずれも、止水性と断面力伝達性能を備えた地中連続壁を簡易かつ安価に構築することを可能にした、先行エレメントの端部構造と地中連続壁の施工方法が提案されている。
特許文献1に記載の先行エレメントの端部構造は、先行エレメントと後行エレメントとの境界部に配設される仕切板と、仕切板の後行エレメント側の側面に突設された接続部材と、接続部材の周囲に空間を形成する空間形成部材とを備える、先行エレメントの端部構造において、空間形成部材は、接続部材の先端に添設された形状保持部と、接続部材と形状保持部とを覆うカバー部とを有し、少なくともカバー部が地盤掘削機により切削可能となっている。
また、特許文献1に記載の地中連続壁の施工方法は、先行掘削溝を掘削する先行掘削工程と、先行掘削溝に先行エレメントを形成する先行形成工程と、先行掘削溝に連続する後行掘削溝を掘削する後行掘削工程と、後行掘削溝に先行エレメントに連続する後行エレメントを形成する後行形成工程とを備える地中連続壁の施工方法において、先行形成工程は、エレメントフレームに鉄筋籠と仕切板を組み付けて鉄筋ユニットを形成する組付け作業と、鉄筋ユニットの端部に地盤掘削機により切削可能なカバー材を設置し、仕切板に突設された接続部材をカバー材で覆うカバー設置作業と、鉄筋ユニットとカバー材を先行掘削溝に挿入する建込作業と、仕切板とカバー材によって囲まれた空間内に形状保持材を挿入する挿入作業と、先行掘削溝内にコンクリートを打設する打設作業とを備え、挿入作業では、接続部材の先端とカバー材との間に形状保持材を介設する施工方法である。
一方、特許文献2に記載の先行エレメントの端部構造は、特許文献1と同様に仕切板と接続部材と空間形成部材とを有し、仕切板と空間形成部材との間の空間内に充填された粒状体をさらに有する先行エレメントの端部構造であり、空間形成部材が地盤掘削機により切削可能となっている。
また、特許文献2に記載の地中連続壁の施工方法は、先行エレメント用の鉄筋ユニットを形成する先行準備工程と、特許文献1と同様に先行掘削工程乃至後行形成工程を備える施工方法であり、先行準備工程は、エレメントフレームに鉄筋籠と仕切板を組み付けて鉄筋ユニットを形成する組付け作業と、鉄筋ユニットの端部に地盤掘削機により切削可能な空間形成部材を設置し、仕切板に突設された接続部材を空間形成部材で覆う空間形成部材設置作業とを有し、先行形成工程は、鉄筋ユニットと空間形成部材を先行掘削溝に挿入する建込作業と、仕切板と空間形成部材によって囲まれた空間内に粒状体を充填する充填作業と、先行掘削溝内にコンクリートを打設する打設作業とを備えている施工方法である。
特開2017-145595号公報 特開2018-9388号公報
特許文献1,2に記載の先行エレメントの端部構造と地中連続壁の施工方法によれば、止水性と断面力伝達性能を備えた地中連続壁を簡易かつ安価に構築することができる。
ところで、特許文献1,2に記載の施工方法をはじめとして、従来の地中連続壁の施工方法においては、先行エレメントの端面(両端の短辺を含む端面)と後行エレメントの端面(両端の短辺を含む端面)を継手を介して接続することを前提としているが、例えば平面視がL字状やT字状、十字状といった地中連続壁を施工する場合には、これらの平面視形状に沿って地盤を掘削(切削)してエレメント用溝を造成した後に鉄筋籠を挿入し、コンクリートを打設することになる。
上記平面視形状では、例えば先行エレメントの長辺を含む端面の一部を接続領域とし、この接続領域に後行エレメントの一端にある短辺を含む端面を接続することになる。そのため、平面視直線状の先行エレメントと後行エレメントが相互に直交する線形(平面視L字状やT字状等の線形)に沿って地盤を掘削するに当たり、エレメント用溝の掘削中や掘削後においてこれらの隅角部等における溝壁の崩壊が懸念される。
本発明は、先行エレメントの長辺を含む端面の一部の接続領域に後行エレメントの一端(短辺を含む端面)が接続される、平面視線形がL字状やT字状等に交差する地中連続壁の施工において、造成されるエレメント用溝の溝壁の崩壊を防止し、先行エレメントと後行エレメントを高い接続強度で接続しながら地中連続壁を施工することのできる、地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による地中連続壁の先行エレメントの一態様は、
平面視矩形の先行エレメントの短辺を含む第一端面と、平面視矩形の第一後行エレメントの短辺を含む第二端面とが相互に接続されることにより形成される、地中連続壁において、該先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域に対して、別途の第二後行エレメントの短辺を含む第四端面が接続されるようになっている、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体である、地中連続壁の先行エレメントであって、
前記接続領域において前記第三端面よりも壁厚方向内側に配設されている、仕切板と、
前記仕切板から少なくとも前記第三端面側に突設する、スタッドと、
前記仕切板における前記第三端面側に配設され、地盤掘削機により切削可能である、空間保持材と、を有し、
前記空間保持材が前記コンクリート体の内部に埋設されており、該空間保持材の一部と、該空間保持材よりも前記第三端面側にある該コンクリート体の一部が前記地盤掘削機により切削される被切削部を形成していることを特徴とする。
本態様によれば、先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域において、第三端面よりも壁厚方向内側に仕切板が配設され、仕切板から少なくとも第三端面側にスタッドが突設し、仕切板の第三端面側に地盤掘削機により切削可能である空間保持材が配設され、空間保持材の一部と空間保持材よりも第三端面側にあるコンクリート体の一部が被切削部を形成していることにより、先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域に対して第二後行エレメントの一端を強固に接続することができる。また、本態様の先行エレメントを適用することにより、先行エレメントを施工した後に、その接続領域に対応する地盤において第二後行エレメント用溝を造成して第二後行エレメントを先行エレメントに接続することができるため、造成されるエレメント用溝の崩壊を防止しながら、先行エレメントと第二後行エレメントの接続構造を効率的に施工することが可能になる。
ここで、平面視矩形の先行エレメントの両端にある短辺を含む第一端面には、従来の地中連続壁と同様に後行エレメント(第一後行エレメント)の一端にある短辺を含む第二端面が接続される。本態様の先行エレメントでは、第一後行エレメントの第二端面が接続される第一端面のエレメント内においても、第三端面の接続領域と同様に、仕切板と、仕切板から少なくとも第一端面側に突設するスタッドと、仕切板における第一端面側に配設されて地盤掘削機により切削可能である空間保持材が設けられているのが望ましい。
すなわち、先行エレメントの第一端面と第一後行エレメントの第二端面が、上記するTUD工法による接続構造にて接続された上で、さらに、先行エレメントの第三端面の接続領域と別途の第二後行エレメントの第四端面も上記するTUD工法による接続構造にて接続されるものである。先行エレメントの第三端面の接続領域と第二後行エレメントの第四端面との接続形態は、上記するように、平面視L字状やT字状、十字状といった形態がある。
また、「仕切板から少なくとも第三端面側にスタッドが突設する」とは、仕切板の広幅の一方から第三端面側へスタッドが突設する形態の他、仕切板の広幅の両面からスタッドが突設する形態を含んでいる。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントの他の態様において、
前記接続領域に対応する位置にある前記鉄筋籠は、前記先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を備えており、
前記凹部に、前記仕切板と前記スタッドと前記空間保持材とが収容されていることを特徴とする。
本態様によれば、鉄筋籠が先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を備え、凹部に仕切板とスタッドと空間保持材が収容されていることから、鉄筋籠の備える凹部の内側が地盤掘削機による切削領域となり、切削領域が鉄筋籠の凹部にて補強されていることにより、地盤掘削機による被切削部の切削の際に、先行エレメントの第三端面の接続領域に生じ得る、回転モーメントや偏心荷重等に起因する先行エレメントの破損を防止することができる。
また、先行エレメントの第三端面における接続領域と第二後行エレメントの第四端面との接続構造(交点)には、例えば、上部構造体を形成する柱が配置され得るが、この形態では、柱を介して上部構造体の重量の一部が集中的に上記接続構造に作用する応力集中が懸念されるが、当該接続構造が先行エレメントの有する鉄筋籠の凹部にて補強されていることから、応力集中に起因するコンクリートの角欠けやひび割れ等が抑制される。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の一態様は、
前記先行エレメントの前記第三端面における前記接続領域と、前記第二後行エレメントの前記第四端面とが接続されている、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造であって、
前記第二後行エレメントも、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体であり、
前記先行エレメントの前記接続領域において前記被切削部が切削されることにより、前記空間保持材の内部が開放され、
前記空間保持材の内部から前記第二後行エレメントの内部に亘って延設する、接合筋が配設されており、
前記スタッドと前記接合筋が、前記第二後行エレメントのコンクリート体に埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、先行エレメントの接続領域の被切削部にある空間保持材の内部から、第二後行エレメントの内部に跨がるようにして、例えば複数の接合筋が配設され、仕切板から突設するスタッドと接合筋が第二後行エレメントのコンクリート体に埋設されていることにより、先行エレメントの第三端面の接続領域と第二後行エレメントの第四端面との間で接続強度の高い接続構造を形成することができる。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の他の態様は、
前記先行エレメントの前記第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも前記接続領域と反対側の領域には、該先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、先行エレメントの第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも接続領域と反対側の領域において、先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部が設けられていることにより、先行エレメントと第二後行エレメントとの接続強度の高い接続構造を有しながら、さらにその近傍にある拡幅部にて地中連続壁の支持力と引抜き抵抗力の増加を図ることができる。ここで、「第五端面のうち、少なくとも接続領域と反対側の領域」とは、第五端面における接続領域と反対側の領域のみに拡幅部が設けられる形態、第五端面において接続領域と反対側の領域を含む例えば全域に拡幅部が設けられる形態等を含んでいる。
先行エレメントに加えて、第一後行エレメントと第二後行エレメントが上記する拡幅部(もしくは、拡底部、拡張部)を備えている本態様の接続構造を有する地中連続壁は、アスペクト比が大きく、転倒モーメントが卓越して引抜き力が課題となり得る高層ビルや超高層ビル、高層タワー等の基礎杭として好適に用いられる。この拡幅部は、「突起」や「節」なとど称されることもあり、壁厚方向に直交する壁の延伸方向に間欠的に複数の突起状もしくは節状の拡幅部が形成される形態や、壁の延伸方向に連続する拡幅部が形成される形態などがある。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一態様は、
平面視矩形の先行エレメントの短辺を含む第一端面と、平面視矩形の第一後行エレメントの短辺を含む第二端面とが相互に接続されることにより形成される、地中連続壁において、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体である、該先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域に対して、別途の第二後行エレメントの短辺を含む第四端面を接続する、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法であって、
前記接続領域において前記第三端面よりも壁厚方向内側に配設されている、仕切板と、
前記仕切板から少なくとも前記第三端面側に突設する、スタッドと、
前記仕切板における第三端面側に配設され、地盤掘削機により切削可能である、空間保持材とを有する、前記先行エレメントを施工する、A工程と、
前記空間保持材の一部と、該空間保持材よりも前記第三端面側にある該コンクリート体の一部とを被切削部として、該被切削部と第二後行エレメント用溝を前記地盤掘削機にて切削することにより、前記空間保持材の内部を該第二後行エレメント用溝に開放する、B工程と、
前記空間保持材の内部から前記第二後行エレメント用溝に亘って延設する、接合筋を配設し、前記スタッドの一部と前記接合筋と前記鉄筋籠を埋設するようにして、前記第二後行エレメントを施工し、前記接続領域に対して前記第二後行エレメントを接続する、C工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、A工程にて先行エレメントを施工(先行エレメント用溝の造成と先行エレメントの施工)した後、B工程において、先行エレメントの被切削部と第二後行エレメント用溝を地盤掘削機にて切削し、C工程にて第二後行エレメントを施工して先行エレメントの第三端面の接続領域と第二後行エレメントの第四端面を接続することにより、造成される第二後行エレメント用溝の崩壊を防止しながら、先行エレメントと第二後行エレメントの接続構造を効率的に施工することができる。尚、先行エレメントの第一端面と第一後行エレメントの第二端面との接続(従来一般の接続)は、先行エレメントと第二後行エレメントとの接続と並行して行われてもよいし、例えば先行エレメントと第二後行エレメントとの接続に先行して行われてもよい。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の他の態様において、
前記A工程では、前記接続領域に対応する位置にある前記鉄筋籠において、前記先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を形成し、該凹部に、前記仕切板と前記スタッドと前記空間保持材とを収容することを特徴とする。
本態様によれば、A工程において、鉄筋籠に先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を形成し、凹部に仕切板とスタッドと空間保持材を収容することにより、凹部にて被切削部が補強されることとなり、地盤掘削機による被切削部の切削の際に、先行エレメントの第三端面の接続領域に生じ得る、回転モーメントや偏心荷重等に起因する先行エレメントの破損を防止することができる。
また、本発明による地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の他の態様において、
前記A工程では、前記先行エレメントの前記第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも前記接続領域と反対側の領域に、該先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部を施工することを特徴とする。
本態様によれば、A工程において、先行エレメントの第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも接続領域と反対側の領域に先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部を施工することにより、先行エレメントと第二後行エレメントとの接続強度の高い接続構造を有しながら、さらにその近傍において地中連続壁の支持力と引抜き抵抗力の増加を図ることができる、先行エレメントと後行エレメント(第二後行エレメント)の接続構造を施工することが可能になる。
尚、この拡幅部の施工においては、ベースマシンと、ベースマシンからワイヤにて吊り下げられている拡翼掘削体とを有する拡翼掘削機を用いて、先行エレメントの第五端面に拡幅部用溝を造成するのがよい。この拡翼掘削体の一例として、平面視において先行エレメント用溝の壁厚に直交する方向に延出する回動軸と、先行エレメント用溝に反力を取るスタビライザを有する架構と、回動軸に対して先行エレメント用溝の壁厚方向に回動自在な拡翼カッタと、回動軸に対して拡翼カッタを回動させる回動駆動手段とを有する形態が挙げられる。
本発明の地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法によれば、先行エレメントの長辺を含む端面(第三端面)の接続領域に後行エレメント(第二後行エレメント)の一端(第四端面)が接続される、平面視線形がL字状やT字状等に交差する地中連続壁の施工において、造成されるエレメント用溝(第二後行エレメント用溝)の溝壁の崩壊を防止し、先行エレメントと後行エレメント(第二後行エレメント)を高い接続強度で接続しながら、地中連続壁を施工することができる。
実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントの一例の平面図であって、かつ、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図である。 図1のII-II矢視図であって、先行エレメントの縦断面図である。 実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントの他の例の平面図である。 実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の一例を示す平面図であって、かつ、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図である。 実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図である。 先行エレメント用溝を形成する一般部溝の造成方法を説明する図である。 先行エレメント用溝を形成する拡幅部溝の造成方法を説明する図である。 図5,図1に続いて、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図である。
以下、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメント、及び、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造と接続方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造]
はじめに、図1乃至図4を参照して、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントの一例の平面図であり、図2は、図1のII-II矢視図であって、先行エレメントの縦断面図である。また、図3は、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントの他の例の平面図であり、図4は、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の一例を示す平面図である。尚、図1と図4は、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図でもあり、以下の接続方法の説明においても参照する。
図1に示す先行エレメント20は、平面視矩形の一般部20Aと、その長手方向に沿う第三端面22と第五端面24に設けられている拡幅部20Bとを有する。尚、先行エレメントは、平面視矩形の一般部のみを有する形態であってもよい。
先行エレメント20の一般部20Aは、短辺を含む第一端面21と、長辺を含む第三端面22及び第五端面24とを有する。先行エレメントと後行エレメントは一般に、双方の短辺を含む端面同士が接合されることにより地中連続壁を形成するが、図示例の先行エレメント20は、図1における左側の第一端面21が切削された切削後の第一端面21'(図4参照)と、第一後行エレメント60の第二端面61(図4参照)が接続される従来の形態に加えて、先行エレメント20の第三端面22に接続領域23を有し、この接続領域23における切削後の第三端面22'(図4参照)に対して別途の第二後行エレメント70の第四端面71(図4参照)が接続されるようになっている。
図1に戻り、地盤Gの内部に施工される先行エレメント20の一般部20Aは、コンクリート体27と、その内部に埋設されている鉄筋籠25とを備えている。
一般部20Aのうち、第一端面21よりも内側には、仕切板31と、仕切板31からその両側へ突設するスタッド32と、仕切板31における第一端面21側に配設される空間保持材33が配設されている。
空間保持材33は平面視略コの字状を有し、地盤掘削機にて容易に掘削可能である塩化ビニル等により形成されている。平坦な仕切板31に対して空間保持材33の端部が当接されることにより、仕切板31の第三端面側において平面視略矩形の空間Kが形成される。
空間保持材33の一部と、空間保持材33よりも第一端面21側のコンクリート体27の一部は、地盤掘削機200(図6参照)により切削される被切削部35を形成する。
先行エレメント20は、第二後行エレメント70の第四端面71(図4参照)と接続される第三端面22の接続領域23(の切削後の第三端面22')の内側に被切削部35を有し、さらに、第一後行エレメント60の第二端面61(図4参照)と接続される第一端面21(切削後の第一端面21')の内側にも被切削部35を有する。
また、先行エレメント20のうち、接続領域23に対応する位置にある鉄筋籠25は、先行エレメント20の壁厚方向内側に窪んだ凹部26を備えている。
鉄筋籠25の備える凹部26は、接続領域23の左側に配設されている壁厚方向鉄筋26aと、壁厚方向内側へ延設するスタッド32とラップするように配設されている壁長手方向鉄筋26bと、接続領域23の右側に配設されている壁厚斜め方向鉄筋26cとを有し、これらの鉄筋が相互にラップすることにより、平面視凹状を呈している。尚、壁厚方向に延設する壁厚方向鉄筋26aに代わり、壁厚斜め方向鉄筋26cと反対側(図1の右斜め上方)へ傾斜する壁厚斜め方向鉄筋であってもよい。
鉄筋籠25が先行エレメント20の壁厚方向内側に窪んだ凹部26を備え、凹部26に仕切板31とスタッド32と空間保持材33が収容されていることから、鉄筋籠25の備える凹部26の内側が地盤掘削機200(図6参照)による切削領域となり、切削領域が鉄筋籠25の凹部26にて補強されることになる。このことにより、地盤掘削機200による被切削部35の切削の際に、先行エレメント20の第三端面22の接続領域23に生じ得る、回転モーメントや偏心荷重等に起因する先行エレメント20の破損を防止することが可能になる。
先行エレメント20のうち、一般部20Aの左右に拡幅部20Bを有する領域では、図2に示すように一般部20Aの下方位置の左右に例えば断面視扇状の拡幅部20Bが設けられている。また、図示を省略するが、一般部20Aの左右のいずれか一方にのみ拡幅部20Bを有する領域では、図2に示す左右いずれか一方の拡幅部20Bのみが設けられている。尚、図2では、一般部20A内にある鉄筋籠の図示を省略している。
図3に示す先行エレメント20の他の例は、接続領域23における鉄筋籠25の備える凹部26Aの構成が、図1に示す先行エレメント20の凹部26と相違している。
凹部26Aは、接続領域23の左側に配設されている壁厚方向鉄筋26aと,壁厚方向内側へ延設するスタッド32とラップするように配設されている壁長手方向鉄筋26bと、接続領域23の右側に配設されている壁厚方向鉄筋26dとを有し、これらの鉄筋が相互にラップすることにより、平面視凹状を呈している。
凹部26Aにおいても、凹部26Aに仕切板31とスタッド32と空間保持材33が収容されていることから、鉄筋籠25の備える凹部26Aの内側が地盤掘削機200(図6参照)による切削領域となり、切削領域が鉄筋籠25の凹部26にて補強されることになる。
次に、図4を参照して、先行エレメント20と第二後行エレメント70の接続構造を、先行エレメント20と第一後行エレメント60の接続構造とともに説明する。
まず、先行エレメント20と第一後行エレメント60との接続構造80は、従来の接続構造と同様に、先行エレメント20の短辺を含む第一端面21が切削された、切削後の第一端面21'に対して、第一後行エレメント60の短辺を含む第二端面61が接続されることにより形成される。
先行エレメント20の第一端面21の内側においては、空間保持材33の一部と、空間保持材33よりも第一端面21側のコンクリート体27の一部が切削されることにより、切削後の第一端面21'が形成されている。この切削後の第一端面21'のうち、一部が切削された空間保持材33の内側の空間(当初の空間K)から第一後行エレメント60の一般部60Aのコンクリート体67に亘り、複数の接合筋34が配設される。
そして、第一後行エレメント60の一般部60Aのコンクリート体67の施工に際し、フレッシュコンクリートが空間保持材33の内側の空間にも充填されることにより、双方のコンクリート体27,67に跨がる複数のスタッド32と接合筋34とを有する、第一後行エレメント60と先行エレメント20の接続構造80が形成される。ここで、第一後行エレメント60は、コンクリート体67の内部に鉄筋籠65が埋設されることにより形成される一般部60Aと、その左右にある拡幅部60Bとを有する。
また、図示例では、先行エレメント20の拡幅部20Bと第一後行エレメント60の拡幅部60Bが、それらの長手方向に連続している。
一方、先行エレメント20と第二後行エレメント70との接続構造90は、従来の接続構造とは異なり、先行エレメント20の長辺を含む第三端面22の接続領域23における、切削後の第三端面22'に対して、第二後行エレメント70の短辺を含む第四端面71が接続されることにより形成される。
先行エレメント20の第三端面22の接続領域23においては、空間保持材33の一部と、空間保持材33よりも第一端面21側のコンクリート体27の一部が切削されることにより、切削後の第三端面22'が形成されている。この切削後の第三端面22'のうち、一部が切削された空間保持材33の内側の空間(当初の空間K)から第二後行エレメント70の一般部70Aのコンクリート体77に亘り、複数の接合筋34が配設される。
そして、第二後行エレメント70の一般部70Aのコンクリート体77の施工に際し、フレッシュコンクリートが空間保持材33の内側の空間にも充填されることにより、双方のコンクリート体27,77に跨がる複数のスタッド32と接合筋34とを有する、第二後行エレメント70と先行エレメント20の接続構造90(実施形態に係る、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造の一例)が形成される。ここで、第二後行エレメント70は、コンクリート体77の内部に鉄筋籠75が埋設されることにより形成される一般部70Aと、その左右にある拡幅部70Bとを有する。
図示例では、第二後行エレメント70は、一般部70Aの左右に拡幅部70Bを備えている。
従来と同様に、図4における紙面左右方向に先行エレメント20と第一後行エレメント60が接続構造80を介して相互に接続されることに加えて、先行エレメント20の第三端面22における接続領域23において、先行エレメント20と直交するように別途の第二後行エレメント70が接続構造90を介して相互に接続されることにより、平面視Lの地中連続壁100が形成される。
先行エレメント20の第三端面22に対向する第五端面24のうち、少なくとも接続領域23と反対側の領域において、先行エレメント20の壁厚が相対的に厚い拡幅部20Bが設けられていることにより、先行エレメント20と第二後行エレメント70との接続強度の高い接続構造90を有しながら、さらにその近傍にある拡幅部20Bにて地中連続壁100の支持力と引抜き抵抗力の増加を図ることができる。
尚、地中連続壁100は、長手方向(図4における紙面左右方向)に、複数の先行エレメント20と第一後行エレメント60が交互に配設され、相互に接続構造80を介して接続されており、右側隅角部には図4に示す接続構造90を介して第二後行エレメント70が接続され、第二後行エレメント70の他端(図示せず)と不図示の別途の先行エレメントが接続構造80を介して接続される。
また、図示を省略するが、地中連続壁は図示例の形態の他にも、長手方向の途中位置にある先行エレメント20の第三端面22の接続領域23に対して、接続構造90を介して第二後行エレメント70が接続されることにより形成される、平面視T字状の地中連続壁であってもよい。また、長手方向の途中位置にある先行エレメント20の第三端面22と第五端面24のそれぞれに対して、接続構造90を介して第二後行エレメント70が接続されることにより形成される、平面視十字状の地中連続壁であってもよい。
[実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法]
次に、図5,図1,図6乃至図8,及び図4を参照して、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例について説明する。ここで、図5,図1,図8,及び図4は順に、実施形態に係る地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法の一例を示す工程図である。また、図6と図7はそれぞれ、先行エレメント用溝を形成する一般部溝と拡幅部溝の造成方法を説明する図である。
まず、図1に示すように、地盤Gに対して所定深度まで延設する先行エレメント用溝10を造成する。この先行エレメント用溝10の造成においては、一般部溝11を造成後、この一般部溝11を利用してその側方に拡幅部溝12を造成する。
ここで、図6と図7を参照して、一般部溝11と拡幅部溝12のそれぞれの造成方法について説明する。
図6は、一般部溝11の造成方法を説明する図である。一般部溝11は、例えば、図示例の低空頭の水平多軸型掘削機からなる一般部掘削機200により造成する。
一般部掘削機200の備える左右一対のカッタは、掘削機本体の下端に配設されている水平二軸のロータリーカッタ210であり、油圧ユニットに動力ケーブル(いずれも図示せず)を介して接続され、油圧ユニットの駆動力により回転して地盤Gを解す。また、揚泥ポンプ220はホースを介して土砂分離機(図示せず)に接続され、一般部溝11内から孔内水とともに土砂を吸い上げて土砂分離機に送るようになっている。
所定深度まで一般部溝11を造成した後、この一般部溝11を利用してその側方に拡幅部溝12を造成する。図7は、拡幅部溝12の造成方法を説明する図である。
拡翼掘削機300は、地盤Gの地表面において走行自在なクローラクレーンからなるベースマシン310と、ベースマシン310のブームから吊り下げられているワイヤ320と、ワイヤ320の先端に取り付けられている拡翼掘削体330とを有する。尚、ベースマシンは、クローラクレーン以外にも、走行自在であって、ワイヤ320を介して拡翼掘削体330を掘削孔内にワイヤリングできるトラッククレーン等の他の重機であってもよい。
拡翼掘削体330は、鋼材を組み付けて構成された架構331と、架構331の側方において溝壁側へ伸縮自在なスタビライザ332と、架構331の下端にある回動軸334に回動自在に取り付けられている複数の拡翼カッタ333とを有する。
図7に示す一般部溝11は、壁厚方向が視認できるように図示されており、先行エレメント用溝10の壁厚方向に直交する方向(先行エレメント用溝10の長手方向)が紙面に直交する方向となる。
図示する拡翼カッタ333は、先行エレメント用溝10の壁厚に直交する方向に延出する回動軸334を中心に壁厚方向であるX1方向やX2方向に回動することにより、拡幅部溝12を造成する。図7においては、一般部溝11の二つの広幅面に対してそれぞれ拡幅部溝12を造成する方法を示しているが、一般部溝11の一方にのみ拡幅部水12を造成する場合は片側のみに拡翼カッタ333を回動させればよい。
また、図7に示す拡翼掘削機300は、地上に載置されている揚泥ポンプ340を有しており、拡翼カッタ333の有する排泥通路(図示せず)に連通する流通管338が揚泥ポンプ340に通じている。揚泥ポンプ340を稼働させることにより、拡翼カッタ333にて掘削されて発生した泥土を地上に排泥することができるようになっており、排泥機構を備えた一般の水平多軸型掘削機と同様に拡翼掘削機300も排泥自在となっている。
拡翼掘削機300を使用して拡幅部溝12を造成することにより、仮に造成エリアに敷地境界が存在する場合でも、敷地境界と反対側の片側のみに拡幅部溝12を造成することができる。また、一般部溝11の溝壁に反力を取って拡幅部溝12を造成することにより、先行エレメント20に対して直交する第二後行エレメント用溝50(図8参照)の隅角部やその近傍おいても、拡幅部溝52を造成することが可能になる。さらに、相互に直交する先行エレメント用溝10と第二後行エレメント用溝50は、同一深度の溝として造成することができる。
図6と図7に示すように、一般部溝11と拡幅部溝12をそれぞれに固有の掘削機を使用して造成することにより、図5に示す先行エレメント用溝10を造成する。
造成された先行エレメント用溝10の内部に、鉄筋籠25を挿入する。この鉄筋籠25のうち、接続領域23の近傍には、壁厚方向鉄筋26aや壁長手方向鉄筋26b、壁厚斜め方向鉄筋26cが配筋されることにより、凹部26が形成されている。さらに、先行エレメント20の第一端面21の近傍と第三端面22の接続領域23の近傍には、スタッド32が突設する仕切板31と空間保持材33を配設する。
その後、先行エレメント用溝10の内部にコンクリートを打設することにより、図1に示すように先行エレメント20を施工する(以上、A工程)。
次に、図8に示すように、先行エレメント20の第一端面21において、空間保持材33の一部と空間保持材33よりも第一端面側にあるコンクリート体27の一部を被切削部35として、被切削部35と一般部溝41を図6に示す一般部掘削機200にて切削する。この切削により、第一端面21が切削されて切削後の第一端面21'が形成され、同時に一般部溝41が造成される。一般部溝41を利用して、図7に示す拡翼掘削機300にて左右の拡幅部溝42を造成することにより、第一後行エレメント用溝40を造成する。
また、この第一後行エレメント用溝40と同時に、もしくは相前後して、先行エレメント20の第三端面22の接続領域23の切削と第二後行エレメント用溝50の造成を行う。この切削により、空間保持材33の内部が第一後行エレメント用溝40に開放される。
この造成も第一後行エレメント用溝40の造成と同様の方法で行われるものであり、先行エレメント20の第三端面22の接続領域23において、空間保持材33の一部と空間保持材33よりも第三端面側にあるコンクリート体27の一部を被切削部35として、被切削部35と一般部溝51を図6に示す一般部掘削機200にて切削する。この切削により、第三端面22の接続領域23が切削されて切削後の第三端面22'が形成され、同時に一般部溝51が造成される。一般部溝51を利用して、図7に示す拡翼掘削機300にて左右の拡幅部溝52を造成することにより、第二後行エレメント用溝50を造成する。この切削により、空間保持材33の内部が第二後行エレメント用溝50に開放される(以上、B工程)。
次に、第一後行エレメント用溝40に鉄筋籠65を挿入し、一部が切削された空間保持材33の内側の空間から一般部溝41に亘り、複数の接合筋34を配設し、第一後行エレメント用溝40にコンクリートを打設する。また、同様に、第二後行エレメント用溝50に鉄筋籠75を挿入し、一部が切削された空間保持材33の内側の空間から一般部溝51に亘り、複数の接合筋34を配設し、第二後行エレメント用溝50にコンクリートを打設する。これらのコンクリート打設により、それぞれコンクリート体67,77が形成され、図4に示すように、先行エレメント20と第一後行エレメント60が接続構造80を介して接続され、先行エレメント20と第二後行エレメント70が接続構造90を介して接続される、地中連続壁100が施工される。
このように、先行エレメント20を施工した後に、その接続領域23に対応する地盤Gにおいて第二後行エレメント用溝50を造成して第二後行エレメント70を先行エレメント20に接続することができるため、造成される第二後行エレメント用溝50の崩壊を防止しながら、平面視L字状やT字状、十字状を呈する先行エレメント20と第二後行エレメント70の接続構造90を効率的に施工することが可能になる(以上、C工程)。
施工される接続構造90では、鉄筋籠25が先行エレメント20の壁厚方向内側に窪んだ凹部26を備え、凹部26に仕切板31とスタッド32と空間保持材33が収容されていることから、鉄筋籠25の備える凹部26の内側が地盤掘削機200による切削領域となり、切削領域が鉄筋籠25の凹部26にて補強されることになるため、地盤掘削機200による被切削部35の切削の際に、先行エレメント20の接続領域23が破損することが防止される。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:先行エレメント用溝
11:一般部溝
12:拡幅部溝
20:先行エレメント
20A:一般部
20B:拡幅部
21:第一端面
21':切削後の第一端面
22:第三端面
22':切削後の第三端面
23:接続領域
24:第五端面
25:鉄筋籠
26,26A:凹部
26a、26d:壁厚方向鉄筋
26b:壁長手方向鉄筋
26c:壁厚斜め方向鉄筋
27:コンクリート体
31:仕切板
32:スタッド
33:空間保持材
34:接合筋
35:被切削部
40:第一後行エレメント用溝
41:一般部溝
42:拡幅部溝
50:第二後行エレメント用溝
51:一般部溝
52:拡幅部溝
60:第一後行エレメント
60A:一般部
60B:拡幅部
61:第二端面
65:鉄筋籠
67:コンクリート体
70:第二後行エレメント
70A:一般部
70B:拡幅部
71:第四端面
75:鉄筋籠
77:コンクリート体
80:接続構造
90:接続構造(地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造)
100:地中連続壁
200:一般部掘削機(地盤掘削機)
210:ロータリーカッタ
220:揚泥ポンプ
300:拡翼掘削機(地盤掘削機)
310:ベースマシン
320:ワイヤ
330:拡翼掘削体
331:架構
332:スタビライザ
333:拡翼カッタ
334:回動軸
340:揚泥ポンプ
G:地盤
K:空間

Claims (7)

  1. 平面視矩形の先行エレメントの短辺を含む第一端面と、平面視矩形の第一後行エレメントの短辺を含む第二端面とが相互に接続されることにより形成される、地中連続壁において、該先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域に対して、別途の第二後行エレメントの短辺を含む第四端面が接続されるようになっている、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体である、地中連続壁の先行エレメントであって、
    前記接続領域において前記第三端面よりも壁厚方向内側に配設されている、仕切板と、
    前記仕切板から少なくとも前記第三端面側に突設する、スタッドと、
    前記仕切板における前記第三端面側に配設され、地盤掘削機により切削可能である、空間保持材と、を有し、
    前記空間保持材が前記コンクリート体の内部に埋設されており、該空間保持材の一部と、該空間保持材よりも前記第三端面側にある該コンクリート体の一部が前記地盤掘削機により切削される被切削部を形成し、
    前記接続領域に対応する位置にある前記鉄筋籠は、前記先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を備えており、
    前記凹部に、前記仕切板と前記スタッドと前記空間保持材とが収容されていることを特徴とする、地中連続壁の先行エレメント。
  2. 前記凹部は、
    前記接続領域の左右の一方側に配設されている第1壁厚方向鉄筋もしくは第1壁厚斜め方向鉄筋と、壁厚方向内側へ延設する前記スタッドとラップするように配設されている壁長手方向鉄筋と、前記接続領域の左右の他方側に配設されている第2壁厚方向鉄筋もしくは第2壁厚斜め方向鉄筋とを有し、該第1壁厚方向鉄筋もしくは該第1壁厚斜め方向鉄筋と該壁長手方向鉄筋が相互にラップし、該壁長手方向鉄筋と該第2壁厚方向鉄筋もしくは該第2壁厚斜め方向鉄筋が相互にラップすることによって平面視凹状を呈していることを特徴とする、請求項1に記載の地中連続壁の先行エレメント。
  3. 請求項1又は2に記載の前記先行エレメントの前記第三端面における前記接続領域と、前記第二後行エレメントの前記第四端面とが接続されている、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造であって、
    前記第二後行エレメントも、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体であり、
    前記先行エレメントの前記接続領域に設けられている前記空間保持材の内部から前記第二後行エレメントの内部に亘って延設する、接合筋が配設されており、
    前記スタッドと前記接合筋が、前記第二後行エレメントのコンクリート体に埋設されていることを特徴とする、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造。
  4. 前記先行エレメントの前記第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも前記接続領域と反対側の領域には、該先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続構造。
  5. 平面視矩形の先行エレメントの短辺を含む第一端面と、平面視矩形の第一後行エレメントの短辺を含む第二端面とが相互に接続されることにより形成される、地中連続壁において、鉄筋籠が埋設されたコンクリート体である、該先行エレメントの長辺を含む第三端面の接続領域に対して、別途の第二後行エレメントの短辺を含む第四端面を接続する、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法であって、
    前記接続領域において前記第三端面よりも壁厚方向内側に配設されている、仕切板と、
    前記仕切板から少なくとも前記第三端面側に突設する、スタッドと、
    前記仕切板における第三端面側に配設され、地盤掘削機により切削可能である、空間保持材とを有する、前記先行エレメントを施工する、A工程と、
    前記空間保持材の一部と、該空間保持材よりも前記第三端面側にある該コンクリート体の一部とを被切削部として、該被切削部と第二後行エレメント用溝を前記地盤掘削機にて切削することにより、前記空間保持材の内部を該第二後行エレメント用溝に開放する、B工程と、
    前記空間保持材の内部から前記第二後行エレメント用溝に亘って延設する、接合筋を配設し、前記スタッドと前記接合筋と前記鉄筋籠を埋設するようにして、前記第二後行エレメントを施工し、前記接続領域に対して前記第二後行エレメントを接続する、C工程と、を有し、
    前記A工程では、前記接続領域に対応する位置にある前記鉄筋籠において、前記先行エレメントの壁厚方向内側に窪んだ凹部を形成し、該凹部に、前記仕切板と前記スタッドと前記空間保持材とを収容することを特徴とする、地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法。
  6. 前記凹部の形成は、
    前記接続領域の左右の一方側に配設されている第1壁厚方向鉄筋もしくは第1壁厚斜め方向鉄筋と、壁厚方向内側へ延設する前記スタッドとラップするように配設されている壁長手方向鉄筋と、前記接続領域の左右の他方側に配設されている第2壁厚方向鉄筋もしくは第2壁厚斜め方向鉄筋とを有し、該第1壁厚方向鉄筋もしくは該第1壁厚斜め方向鉄筋と該壁長手方向鉄筋を相互にラップさせ、該壁長手方向鉄筋と該第2壁厚方向鉄筋もしくは該第2壁厚斜め方向鉄筋を相互にラップさせることを特徴とする、請求項5に記載の地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法。
  7. 前記A工程では、前記先行エレメントの前記第三端面に対向する他方の長辺を含む第五端面のうち、少なくとも前記接続領域と反対側の領域に、該先行エレメントの壁厚が相対的に厚い拡幅部を施工することを特徴とする、請求項5又は6に記載の地中連続壁の先行エレメントと後行エレメントの接続方法。
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