JP7504841B2 - トンネル函体群ユニットとその施工方法 - Google Patents
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Description
そこで、例えば矩形の大断面の地下構造物(アンダーパス)に対応した大きさの断面を有するトンネルを施工するに当たり、この大断面のトンネルを複数の小断面のトンネルに分割し、個々の小断面のトンネルを小型の掘削機で繰返し掘削して造成した後、それらの内部に例えば矩形の大断面の地下構造物を構築する施工方法が用いられることがある。
この施工方法は、小断面のトンネルを積み重ねた坑口の形状がハーモニカの吹き口に似ていることから、ハーモニカ工法(登録商標)と称されている。
上記ハーモニカ工法では、推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に併設された複数本の小断面のトンネル函体群を順次施工することにより、大断面のトンネル函体群ユニットを施工する。ここで、断面の分割数は、施工されるアンダーパス等の寸法や現場条件、掘進機や鋼殻の運搬条件等により決定される。
上下および/または左右に複数本の小断面のトンネル函体群を併設させることによってトンネル函体群ユニットを施工した後、相互に隣接する主桁を残しながら、以後施工される本設の地下構造物の構成部材であるスラブや壁等と干渉しない領域のスキンプレートを切断撤去し、地下構造物用の鉄筋を組み立て、型枠を設置し、地下構造物用のコンクリートを打設することにより、地下構造物が施工される。地下構造物が施工された後、地下構造物の内部空間と干渉する主桁を切断撤去することにより、内部空間を含めた地下構造物の施工が完了する。
このように、隣接するトンネル躯体の間の切り開き施工に先行する山留めに際して、山留め鋼板の先端が架け渡される側のトンネルル躯体の外面の周囲の地山の掘削が必要になり、場合によってはこの地山の掘削に先行してさらに止水施工が必要になることから、施工手間が懸念される。ここで、地山の掘削方法は一般に、山留め鋼板の先端が架け渡される側のトンネル函体の内部から作業員が地山内に進入し、人力にて掘削する方法によって行われる。
推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に隙間を置いて併設された複数本のトンネル函体群により形成される、トンネル函体群ユニットであって、
前記トンネル函体群は、該トンネル函体群の軸方向にリング継手を介して配設され、該軸方向に直交する断面が矩形の複数のトンネル函体により形成されており、
隣接する二つの前記トンネル函体群のうち、地山に対向する外面を備えている二つの該トンネル函体群の一方のトンネル函体群から他方のトンネル函体群に向かって山留め部材が張り出しており、
前記山留め部材の先端は、前記他方のトンネル函体群まで延設している、もしくは、その手前の前記隙間の途中で止まっていて、かつ、前記他方のトンネル函体群の前記外面よりも前記地山と反対側である内側に配設されていることを特徴とする。
前記他方のトンネル函体群の前記外面には、面が凹状に落ち込んだ落ち込み溝が設けられており、該落ち込み溝に前記山留め部材の先端が収容されていることを特徴とする。
例えば、トンネル函体の外周に設けられているスキンプレートの一部が掘り込まれることにより、スキンプレートの厚みの途中位置まで落ち込んでいる落ち込み溝が形成される。
前記山留め部材は、前記一方のトンネル函体群において摺動自在に設けられているスライド鋼板であり、
前記スライド鋼板がスライドして前記他方のトンネル函体群に向かって張り出していることを特徴とする。
ここで、スライド鋼板が張り出す一方のトンネル函体においては、例えばスキンプレートに対してその厚み未満の深さのスライド鋼板収容溝を設けておき、このスライド鋼板収容溝にスライド鋼板を収容しておく。トンネル函体の内部には、スライド鋼板をスライドさせる駆動源であるシリンダ機構等を装備しておき、シリンダ機構を形成するブッシュロッド等にてスライド鋼板をスライドさせるように構成してよい。
さらに、スライド鋼板の内側面(スキンプレート側の面)に複数のボス等が設けられ、スライド鋼板のめくれ防止と地山側への離れ防止のための調整ボルトナット等が設けられていてもよい。
前記山留め部材は、前記一方のトンネル函体群において摺動自在に設けられている、スライド櫛歯体であり、
前記スライド櫛歯体がスライドして前記他方のトンネル函体群に向かって張り出していることを特徴とする。
ここで、スライド櫛歯体は、例えば複数の丸鋼や異形棒鋼等を形鋼材や角鋼管等に固定することにより形成できる。複数の丸鋼等が固定されている形鋼材等をシリンダ機構を形成するブッシュロッド等がスライドさせることにより、各丸鋼等を他方のトンネル函体群側へ張り出させることができる。張り出したスライド櫛歯体の先端は、他方のトンネル函体群に設けられている収容溝等に収容されてもよいし、隙間内に留まってもよい。スライド櫛歯体の先端が隙間内に留まる場合は、スライド櫛歯体が片持ち構造となることから、必要に応じて、スライド櫛歯体の根本を支持する棚台を設けてもよい。また、隣接する双方のトンネル函体群からスライド櫛歯体を相互に干渉しないように張り出してもよい。
推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に隙間を置いて、複数本のトンネル函体群を順次併設することによってトンネル函体群ユニットを施工する、トンネル函体群ユニットの施工方法であって、
前記トンネル函体群は、該トンネル函体群の軸方向にリング継手を介して配設され、該軸方向に直交する断面が矩形の複数のトンネル函体により形成されており、
隣接する二つの前記トンネル函体群のうち、地山に対向する外面を備えている二つの該トンネル函体群の一方のトンネル函体群を、先行トンネル函体群として施工し、次いで、他方のトンネル函体群を後行トンネル函体群として施工する方法であり、
前記後行トンネル函体群の施工に当たり、前記先行トンネル函体群と該後行トンネル函体群のいずれか一方のトンネル函体群から他方のトンネル函体群に向かって山留め部材を張り出し、この際に、該山留め部材の先端を、前記他方のトンネル函体群まで延設させ、もしくは、その手前の前記隙間の途中で止めておき、かつ、前記他方のトンネル函体群の前記外面よりも前記地山と反対側である内側に配設することを特徴とする。
このことにより、トンネル函体群ユニットを施工した後に隣接するトンネル函体群の間を切り開いて地下構造物を構築する一連の施工において、切り開き施工の際の施工安全性と施工効率性の双方を高めることができる。
前記先行トンネル函体群の前記外面には、面が凹状に落ち込んだ落ち込み溝が設けられており、
前記山留め部材は、前記後行トンネル函体群において摺動自在に設けられているスライド鋼板であり、
前記後行トンネル函体群の施工において、該後行トンネル函体群の掘進方向前方に位置する掘進機から前記落ち込み溝まで切削カッタを張り出して、該落ち込み溝にある地山もしくは裏込め注入材を切削し、前記スライド鋼板を張り出してその先端を該落ち込み溝に配設しながら該後行トンネル函体群を施工することを特徴とする。
例えば、先行トンネル函体群が推進方式にて施工されている場合は、先行トンネル函体群の備える落ち込み溝に上方の地山が崩落して落ち込み溝を閉塞している可能性があり、先行トンネル函体群がシールド方式にて施工されている場合は、落ち込み溝に硬化した裏込め注入材が入り込んで閉塞している可能性があるが、これらが切削カッタにて効果的に切削され、落ち込み溝から除去される。
ここで、切削カッタは、回転等しない不動の切削カッタであってもよいし、回転自在なブレードカッタやチェーン式のトレンチャー等であってもよい。
前記山留め部材は、前記先行トンネル函体群と前記後行トンネル函体群のいずれか一方もしくは双方において摺動自在に設けられている、スライド櫛歯体であり、
前記後行トンネル函体群の掘進の途中段階において、もしくは、該後行トンネル函体群の掘進の完了段階において、前記先行トンネル函体群と前記後行トンネル函体群のいずれか一方もしくは双方から前記スライド櫛歯体を張り出すことを特徴とする。
前記シールド方式を適用する場合は、前記トンネル函体のテールボイドに施工された裏込め注入材により隣接する前記トンネル函体群との間の止水構造を形成し、
前記推進方式を適用する場合は、前記トンネル函体群の周囲にある余掘り部に注入されている滑材を該トンネル函体群の内部に回収し、該余掘り部に対して止水材を注入して隣接する前記トンネル函体群との間の止水構造を形成し、
形成された前記止水構造では止水性が不十分な場合に、別途の止水材の注入を行うことを特徴とする。
図1乃至図7を参照して、実施形態に係るトンネル函体群ユニットとその施工方法の一例について説明する。ここで、図1乃至図3は順に、実施形態に係るトンネル函体群ユニットの施工方法の一例を説明する図であって、図1は、地山内に先行トンネル函体群が施工されている状態を示す図であり、図2は、先行トンネル函体群の側方に隙間を置いて後行トンネル函体群を推進施工している状態を示す図であり、図3は、先行トンネル函体群の側方に隙間を置いて後行トンネル函体群が施工された状態を示す図である。また、図5は、図3に続いてトンネル函体群ユニットの施工方法の一例を説明する図であって、計四基のトンネル函体群により形成される、実施形態に係るトンネル函体群ユニットの一例の正面図であり、図6は、図5に示すトンネル函体群ユニットを利用して、上下左右で隣接するトンネル函体の間を切り開き施工することにより構築される、地下構造物の一例の正面図である。
11:主桁
11A:リング継手
12:スキンプレート
13:縦リブ
15:ボルトナット
16:落ち込み溝
17:スライド鋼板収容溝
18:開口
19:棚台
20:トンネル函体群
20A:先行トンネル函体群(トンネル函体群)
20B:後行トンネル函体群(トンネル函体群)
30:山留め部材
30A:スライド鋼板(山留め部材)
30B:スライド櫛歯体(山留め部材)
32:ブッシュロッド
35:突き刺し棒(丸鋼)
36:角パイプ
38:シリンダ機構
50,50A,50B:トンネル函体群ユニット
60:地下構造物
61:鉄筋コンクリート体
63:天井スラブ
64:床スラブ
65:壁
66:内部空間
70:掘進機(ハーモニカマシン)
71:回転カッタ
72:コーナーカッタ
73:切削カッタ収容溝
74:シリンダロッド
75:切削カッタ
G:地山
g:崩落地山
S:隙間
Claims (6)
- 推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に隙間を置いて併設された複数本のトンネル函体群によって形成される、トンネル函体群ユニットであって、
前記トンネル函体群は、該トンネル函体群の軸方向にリング継手を介して配設され、該軸方向に直交する断面が矩形の複数のトンネル函体により形成されており、
隣接する二つの前記トンネル函体群のうち、地山に対向する外面を備えている二つの該トンネル函体群の一方のトンネル函体群から他方のトンネル函体群に向かって山留め部材が張り出しており、
前記山留め部材の先端は、前記他方のトンネル函体群まで延設している、もしくは、その手前の前記隙間の途中で止まっていて、かつ、前記他方のトンネル函体群の前記外面よりも前記地山と反対側である内側に配設されており、
前記山留め部材は、前記一方のトンネル函体群において摺動自在に設けられている、スライド櫛歯体であり、
前記スライド櫛歯体がスライドして前記他方のトンネル函体群に向かって張り出していることを特徴とする、トンネル函体群ユニット。 - 前記他方のトンネル函体群の前記外面には、面が凹状に落ち込んだ落ち込み溝が設けられており、該落ち込み溝に前記山留め部材の先端が収容されていることを特徴とする、請求項1に記載のトンネル函体群ユニット。
- 推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に隙間を置いて、複数本のトンネル函体群を順次併設することによってトンネル函体群ユニットを施工する、トンネル函体群ユニットの施工方法であって、
前記トンネル函体群は、該トンネル函体群の軸方向にリング継手を介して配設され、該軸方向に直交する断面が矩形の複数のトンネル函体により形成されており、
隣接する二つの前記トンネル函体群のうち、地山に対向する外面を備えている二つの該トンネル函体群の一方のトンネル函体群を、先行トンネル函体群として施工し、次いで、他方のトンネル函体群を後行トンネル函体群として施工する方法であり、
前記後行トンネル函体群の施工に当たり、前記先行トンネル函体群と該後行トンネル函体群のいずれか一方のトンネル函体群から他方のトンネル函体群に向かって山留め部材を張り出し、この際に、該山留め部材の先端を、前記他方のトンネル函体群まで延設させ、もしくは、その手前の前記隙間の途中で止めておき、かつ、前記他方のトンネル函体群の前記外面よりも前記地山と反対側である内側に配設し、
前記先行トンネル函体群の前記外面には、面が凹状に落ち込んだ落ち込み溝が設けられており、
前記山留め部材は、前記後行トンネル函体群において摺動自在に設けられているスライド鋼板であり、
前記後行トンネル函体群の施工において、該後行トンネル函体群の掘進方向前方に位置する掘進機から前記落ち込み溝まで切削カッタを張り出して、該落ち込み溝にある地山もしくは裏込め注入材を切削し、前記スライド鋼板を張り出してその先端を該落ち込み溝に配設しながら該後行トンネル函体群を施工することを特徴とする、トンネル函体群ユニットの施工方法。 - 推進方式もしくはシールド方式により、上下および/または左右に隙間を置いて、複数本のトンネル函体群を順次併設することによってトンネル函体群ユニットを施工する、トンネル函体群ユニットの施工方法であって、
前記トンネル函体群は、該トンネル函体群の軸方向にリング継手を介して配設され、該軸方向に直交する断面が矩形の複数のトンネル函体により形成されており、
隣接する二つの前記トンネル函体群のうち、地山に対向する外面を備えている二つの該トンネル函体群の一方のトンネル函体群を、先行トンネル函体群として施工し、次いで、他方のトンネル函体群を後行トンネル函体群として施工する方法であり、
前記後行トンネル函体群の施工に当たり、前記先行トンネル函体群と該後行トンネル函体群のいずれか一方のトンネル函体群から他方のトンネル函体群に向かって山留め部材を張り出し、この際に、該山留め部材の先端を、前記他方のトンネル函体群まで延設させ、もしくは、その手前の前記隙間の途中で止めておき、かつ、前記他方のトンネル函体群の前記外面よりも前記地山と反対側である内側に配設し、
前記山留め部材は、前記先行トンネル函体群と前記後行トンネル函体群のいずれか一方もしくは双方において摺動自在に設けられている、スライド櫛歯体であり、
前記後行トンネル函体群の掘進の途中段階において、もしくは、該後行トンネル函体群の掘進の完了段階において、前記先行トンネル函体群と前記後行トンネル函体群のいずれか一方もしくは双方から前記スライド櫛歯体を張り出すことを特徴とする、トンネル函体群ユニットの施工方法。 - 前記シールド方式を適用する場合は、前記トンネル函体のテールボイドに施工された裏込め注入材により隣接する前記トンネル函体群との間の止水構造を形成し、
前記推進方式を適用する場合は、前記トンネル函体群の周囲にある余掘り部に注入されている滑材を該トンネル函体群の内部に回収し、該余掘り部に対して止水材を注入して隣接する前記トンネル函体群との間の止水構造を形成し、
形成された前記止水構造では止水性が不十分な場合に、別途の止水材の注入を行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載のトンネル函体群ユニットの施工方法。 - 前記後行トンネル函体群の施工は、前記掘進機を発進立坑から発進させて行うものであり、
前記掘進機が前記発進立坑のエントランスパッキンを通過した段階で、前記スライド鋼板を張り出し、該スライド鋼板の一部を前記落ち込み溝に入り込ませることを特徴とする、請求項3に記載のトンネル函体群ユニットの施工方法。
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| JP2006316221A (ja) | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Taisei Corp | 地盤改良材および大断面トンネルの構築方法 |
| JP2007051434A (ja) | 2005-08-16 | 2007-03-01 | Kajima Corp | 拡幅セグメント |
| JP2007197957A (ja) | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Taisei Corp | 外殻部材及び連結トンネルの構築方法 |
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