JP7504389B2 - 鋼矢板引込み治具および鋼矢板の引込み方法 - Google Patents
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Description
このような後行矢板の継手部を先行矢板の嵌合位置に正確に位置合わせする嵌合作業においては、嵌合作業を補助するためのガイド装置や嵌合治具が用いられている(例えば、特許文献1~3参照)。
すなわち、後行矢板の引込み作業時に強風が発生した場合には、後行矢板の水平方向への揺動や回転に伴う移動を抑制することができず、現場における嵌合作業における鋼矢板のハンドリング性が低下するという問題があった。
また、この場合には、案内ガイドに沿って矢板配列方向で先行矢板側に向けて引き込まれる後行矢板の引込み移動を支柱に設けた第1引込み移動ストッパーによって所定位置に停止させて位置決めすることができる。これにより先行矢板との嵌合位置が合わせやすくなり、継手嵌合作業を補助することができる。
また、本発明では、一体構造となる案内ガイドを支柱に対して一体で着脱して盛替えることが可能となるため、作業時間の短縮を図ることができる。
また、案内ガイドの着脱も容易であるので、後行矢板を先行矢板に継手同士を嵌合させた後、例えば打設時に使用されるバイブロハンマーに干渉し得る案内ガイドのみを速やかに取り外して打設作業を行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
そのため、支柱を支柱挿入管から抜き出すことで、支柱と案内ガイドとを一体で盛り替えることができ、盛替え作業工程を短縮することが可能となる。
図1及び図2に示すように、本実施形態による鋼矢板引込み治具(以下、単に引込み治具1という)は、互いの継手23、23同士を嵌合させて配列される複数の鋼矢板2のうち後行矢板2Bの表面を案内させて先行して地盤中に打設されている先行矢板2Aに向けて引き込み継手同士を嵌合させて打設する際に使用される。本実施形態では、ハット形鋼矢板を採用した一例を示す。鋼矢板2(2A、2B)は、地盤中に打設され、双方の継手23同士が連結されて一方向(以下、矢板配列方向Xという)に配列された状態で施工される。
また、矢板前後方向Zにおいて後行矢板2Bが引込み治具1に近接する方向を第1引込み方向S1といい、矢板配列方向Xにおいて後行矢板2Bを先行矢板2Aに近接する方向を第2引込み方向S2という。
ここで、導枠3A、3B同士の間は、鋼矢板2が打設される領域(打設溝部R)となる。また、第1導枠3Aにおいて、打設溝部Rを挟んで第2導枠3Bと対向するフランジ部を内フランジ部32Aとする。
そして、案内パイプ12のパイプ部材121の平面位置は、後行矢板2Bのウェブ22の面位置をカバーする位置に配置される。
なお、引込み治具1の寸法・材質などの仕様は、鋼矢板2の衝突時に部材が降伏しないよう設計されている。
また、引込み治具1の各部材の重量に関しては、現場での安全性やハンドリング性を考慮し、重量の上限として例えば15kgに設定することが好ましい。
ここで、図2~図4は後行矢板2Bのウェブ22がパイプ部材121に第1引込み方向S1から引き込まれて当接する一例を示しており、図5は後行矢板2Bの継手23がパイプ部材121に第1引込み方向S1から引き込まれて当接する一例を示している。つまり、図5では、後行矢板2Bを吊り下げるクレーン6は、引込み治具1が設けられる第1導枠3Aを挟んで他方の第2導枠3Bの反対側に配置される。そして、第1引込み工程において、クレーン6で吊り下げられた後行矢板2Bが第2導枠3Bから第1導枠3Aに向かう方向(第1引込み方向S1)に引き込むように移動させる。
本実施形態では、図1~図5に示すように、先行矢板2Aに対して後行矢板2Bを互いの継手23、23同士を嵌合させる際に、クレーン等で吊り上げた後行矢板2Bの表面(図2ではウェブ22、図5ではフランジ21(継手23))を矢板前後方向Zの外方から第1引込み方向S1で案内パイプ12の引込み領域の案内側面12cに当接させた後、後行矢板2Bの表面を案内パイプ12の案内側面12cに案内させて矢板配列方向Xの第2引込み方向S2で先行矢板2Aに向けて引き込むことができる。そして、後行矢板2Bの継手23が先行矢板2Aの継手23に対して嵌合可能な高さに位置決めした後、後行矢板2Bを降下させることにより、先行矢板2Aの頭部において後行矢板2Bを継手23、23同士で嵌合させて打設準備を完了させ、その後、例えば不図示のバイブロハンマー等を使用して後行矢板2Bを地盤中に打設することができる。
また、一体構造となる案内パイプ12を支柱11に対して一体で着脱して盛替えることが可能となる。
この場合には、案内パイプ12に沿って第2引込み方向S2に向けて引き込まれ、吊り上げた状態の後行矢板2Bの水平方向の回転を案内パイプ12に設けた第2引込み移動ストッパーによって抑制することができる。これにより先行矢板2Aとの嵌合位置が合わせやすくなり、継手嵌合作業を補助することができる。
第1実施例では、上述した第1実施形態と同等の引込み治具1において性能評価試験を行った。
第1実施例における試験で使用した引込み治具は、先行矢板の頭部に設置される構成であり、導枠に設置される上述した第1実施形態とは設置方法が異なるが、矢板配列方向に延在する長尺部材に対して後行矢板を直線的に接触させることで、水平方向への揺動や回転移動を抑制できることから、本第1実施形態の引込み治具1の機構と同様の機能を有するものとして試験を行った。
Case2は、後行矢板のウェブ側を引込み治具の長尺材に接触させるケースであって、長尺材におけるウェブ側の誘導性を確認するものである。このときのウェブ側の長尺材の長さは先行矢板に接続した状態の後行矢板のウェブを超える位置まで延在する長さに設定されている。
Case3は、後行矢板のアーム側(フランジ側)を引込み治具の長尺材に接触させるケースであって、長尺材におけるアーム側の誘導性を確認するものである。このときのアーム側の長尺材の長さは先行矢板に接続した状態の後行矢板の自由端(フリー側)となるアームを超える位置まで延在する長さに設定されている。
Case4は、Case3と同様に鋼矢板のアーム側(フランジ側)を引込み治具の長尺材に接触させるケースであって、Case3の長尺材に延長材を直列に設置したケースである。
とくに、鋼矢板のウェブ側に長尺材を設置したCase2の場合には、作業時間が62秒となり、最も短い時間で作業が完了し、引込み治具を使用しないCase1の作業時間97秒と比較して35秒短縮された。また、Case2、3、4では、吊り上げた鋼矢板から十分離隔を保ち介錯ロープのみで作業ができたため、現場における安全性を向上できる。さらに、Case2の結果より、引込み治具をクレーン操作者側から見て手前の導枠に設置することで、後行矢板を当接するターゲットが明確に見えるようになり誘導し易くなることがわかった。
このように、Case4では、長尺材の長さを一定以上に延長したことで、引込み治具を使用していないCase1と比較して引込み作業を短縮することができ、引込み作業を効率化できることが確認できた。
第2実施例は、風荷重作用時による引込み治具の支柱50の転倒を確認したものである。
使用した支柱50の材質は、鋼材(7.85g/cm3)と、軽量化の観点からアルミニウム(2.7g/cm3)の2種類を使用した。そして、第2実施例では、風荷重は図7(a)、(b)に示す矢印の方向から作用するものとし、風速は10.0m/sと仮定した。この風速10.0m/sは、移動式クレーンの作業継続可能な限界風速に相当する。
ここで、(1)式において、pは風圧力(N/m2)、Vは設計風速(m/s)、CDは抗力係数である。なお、抗力係数CDに関しては、構造物の形状より、支柱50の柱部分51を0.7、支柱50のコラム部分52を1.2とする。
なお、柱部分51の受圧面積Aは、図8(a)に示すハッチングで示した範囲とする。
柱部分51の風圧力Pp(N/m2)とコラム部分52の風荷重Pk(N/m2)はそれぞれ(3)式、(4)式で算出される。
次に、第3実施例は、図9及び図10に示すように、鋼矢板が引込み治具に衝突した時における引込み治具の転倒を確認したものである。吊り上げている鋼矢板53は、強風等で水平方向に揺動し、引込み治具5に衝突する可能性がある。第3実施例では、最も転倒し易い導枠を兼ねた導枠用L型アングル材54を有する引込み治具5(後述する第5実施形態の構成)を対象とした。
使用した支柱50の材質は、鋼材(7.85g/cm3)のみを使用した。なお、材質がアルミニウムの場合には、転倒を防止するためには支柱50のコラム部分52の長さLが過大となり、非現実となるため、不要と判断した。
導枠用L型アングル材54に関しては、最も重量の大きい型式250×250×35と仮定し、重量をWa、水平方向の重心距離をCxとする。衝突する鋼矢板53に関しては、型式はハット形鋼矢板の25Hとし、全長は一般的なトレーラの全長を考慮して10mとする。その場合、鋼矢板の重量は11,300Nであり、仮に鋼矢板の先端が水平方向に1m揺動し引込み治具5に衝突した場合の水平荷重Hは1,100Nとなる(支柱1本あたりに作用する荷重は半分の550N)。
以上より、導枠用L型アングル材54の型式が250×250×35、支柱50のコラム部分52の長さLが650mmの時、鋼矢板53の衝突時に引込み治具5の転倒を防止することができる。
図11に示す第2実施形態による引込み治具1A(鋼矢板引込み治具)の案内パイプ12Aは、上下に間隔をあけて設けられる2本のパイプ部材121、121(案内ガイド)がそれぞれ独立して2本の支柱11、11に支持された構成となっている。すなわち、案内パイプ12Aのパイプ部材121、121は上述した連結部材122(図1参照)によって一体化されていない構成となっている。
図12に示すように、第3実施形態による引込み治具1B(鋼矢板引込み治具)は、支柱11における第1導枠3Aに対する第1導枠3Aの矢板前後方向Zの固定位置を調整可能な第1幅調節用固定治具42を設けた構成となっている。第3実施形態の引込み治具1Bは、第1導枠3Aのフランジ部32、32間の幅寸法が支柱のコラム13の幅寸法よりも大きい場合に適用される。
図13及び図14に示すように、第4実施形態による引込み治具1C(鋼矢板引込み治具)は、支柱11のコラム13の下面13aに複数(ここで4つ)の車輪14が設けられた構成となっている。すなわち、支柱11は、車輪14の回転によって第1導枠3Aの収容凹部33に沿って嵌合方向(矢板配列方向X)に移動可能に設けられている。車輪14は、回転軸を矢板前後方向Zに向けて配置されている。
この場合には、車輪14によって移動可能な支柱11を所定の位置で位置決めし、固定するための固定手段が設けられていることが好ましい。
次に、第5実施形態による引込み治具1D(鋼矢板引込み治具)は、図15及び図16に示すように、上述した第1導枠3Aの機能を有するL型アングル材15(連結枠)を備えた構成となっている。
なお、コラム13Aの長さ寸法(図10に示す符号L)は、上述した第3実施例に示すように鋼矢板2の案内パイプ12への衝突時における計算により設定される。
この場合、L型アングル材15と支柱11とがコラム13を介して一体化されているので、引込み治具1Dの移設を容易に行うことができる。また、従来、別体で設けられている上記第1実施形態のような重量の大きな第1導枠3A(図1参照)が不要となることから、盛替えにかかる作業効率を向上させることができる。
次に、図17及び図18に示す第6実施形態による引込み治具1E(鋼矢板引込み治具)は、支柱11に案内パイプ12のパイプ部材121を支持する案内パイプ受台16(案内ガイド受台)を設けた構成となっている。第6実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、パイプ部材121が2本の支柱11、11に支持されている。
案内パイプ受台16は、上方が開口し、パイプ部材121を上方から嵌合可能な受け部16a(図19(a)参照)を有している。案内パイプ受台16は、支柱11に対して溶接等により固定されている。
また、パイプ部材121の着脱も容易であるので、後行矢板2Bを先行矢板2Aに継手23、23同士を嵌合させた後、例えば打設時に使用されるバイブロハンマーに干渉し得るパイプ部材121のみを速やかに取り外して打設作業を行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
次に、図20に示す第7実施形態による引込み治具1F(鋼矢板引込み治具)は、支柱11を後方から補強する控え柱17を設けた構成となっている。控え柱17は、上端部17aで支柱11の上端部に対してピン接合部171を介して連結され、矢板配列方向Xを回転中心とするピン接合部171で回動可能に支持されている。
これにより、控え柱17の下端部17bの幅方向の位置を調節することができる。そのため、第1導枠3Aの幅寸法に合わせた位置に控え柱17の下端部17bの位置を調整して固定することができる。
この場合には、第2幅調節用固定治具を用いることで控え柱17を第1導枠3Aの幅寸法に応じた固定位置に調整して固定することができる。そのため、幅寸法の異なる第1導枠3Aに対しても控え柱17の矢板前後方向Zの位置を変えずに固定することができる。
次に、第8実施形態による引込み治具1G(鋼矢板引込み治具)について、図21及び図22に基づいて説明する。
第1導枠3Aには、支柱11の下端部11aが挿入され、その支柱11の下端部11aが挿入された状態で支柱11を立設可能に支持する支柱挿入管18が設けられている。すなわち、支柱挿入管18に支柱11を挿入出する作業だけで、支柱11を第1導枠3Aに容易に着脱することができる。
そのため、支柱11を支柱挿入管18から抜き出すことで、支柱11と案内パイプ12とを一体で盛り替えることができ、盛替え作業工程を短縮することが可能となる。
次に、第9実施形態による鋼矢板の引込み方法について、図23及び図24に基づいて説明する。
第9実施形態では、先行矢板2Aの頭部には、後行矢板2Bの継手23を先行矢板2Aの継手23の嵌合位置に向けて誘導する嵌合補助治具43が設けられている。後行矢板2Aは、第2引込み方向S2への引込みの際に、嵌合補助治具43を使用して後行矢板2Bの継手23を先行矢板2Aの継手23の嵌合位置に移動させて嵌合させる。
2 鋼矢板
2A 先行矢板
2B 後行矢板
3A 第1導枠
3B 第2導枠
11 支柱
12 案内パイプ(案内ガイド)
13 コラム
14 車輪
15 L型アングル材(連結枠)
16 案内パイプ受台(案内ガイド受台)
17 控え柱
18 支柱挿入管
21 フランジ
22 ウェブ
31 ウェブ部
32 フランジ部
41 第1引込み移動ストッパー
42 第1幅調節用固定治具
43 嵌合補助治具
121 パイプ部材
122 連結部材
171 ピン接合部
R 打設溝部
S1 第1引込み方向
S2 第2引込み方向
X 矢板配列方向
Y 鉛直方向
Z 矢板前後方向
Claims (18)
- 互いの継手同士を嵌合させて配列される複数の鋼矢板のうち後行矢板の表面を案内させて先行矢板に向けて引き込む際に使用される鋼矢板引込み治具であって、
打設される鋼矢板の一方の表面側に設けられる導枠に支持される支柱と、
該支柱に固定され、前記鋼矢板の矢板配列方向に沿って延在し、前記鋼矢板を当接させて案内させる案内側面を有する案内ガイドと、
を備え、
前記案内ガイドは、前記先行矢板より上方に配置され、前記後行矢板を前記矢板配列方向で前記先行矢板側に向けて引き込む引込み領域を有し、
前記支柱には、前記後行矢板の前記矢板配列方向の引き込み移動を規制して前記先行矢板との嵌合位置を位置決めする第1引込み移動ストッパーが設けられ、
前記案内ガイドは、前記鋼矢板を前記案内側面に当接させた状態で前記第1引込み移動ストッパーに停止させて位置決めさせることを特徴とする鋼矢板引込み治具。 - 前記案内ガイドの前記引込み領域における前記矢板配列方向の長さL1と前記鋼矢板の全幅Bとの関係がL1≧1.5Bを満たすことを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記案内ガイドは、上下に間隔をあけて複数本が配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼矢板引込み治具。
- 複数本の前記案内ガイドが一体的に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記支柱における前記導枠に対する前記導枠の幅方向の固定位置を調整可能な第1幅調節用固定治具が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記支柱は、前記矢板配列方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記支柱同士の間に導枠として機能する連結枠が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。 - 前記支柱には、前記案内ガイドを支持する案内ガイド受台が設けられ、
前記案内ガイド受台は、上方が開口し、前記案内ガイドを上方から嵌合可能な凹部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。 - 前記支柱を後方から補強する控え柱が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記控え柱における前記導枠に対する前記導枠の幅方向の固定位置を調整可能な第2幅調節用固定治具が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記導枠には、前記支柱の下端が挿入され、前記下端が挿入された状態で前記支柱を立設可能に支持する支柱挿入管が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記支柱の下端に車輪が設けられ、
前記支柱は、前記車輪の回転によって前記導枠に沿って前記嵌合方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。 - 前記矢板配列方向で複数の前記支柱の内法寸法は、前記鋼矢板を打設する際に使用されるバイブロハンマーの幅寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 前記案内ガイドにおける前記後行矢板を引き込む側の側面は、前記導枠の側面の鉛直ラインから張り出さない位置に設定されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 上方から見た平面視で前記導枠の幅寸法より張り出さないように設定されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具。
- 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の鋼矢板引込み治具を用いた鋼矢板の引込み方法であって、
前記後行矢板を前記矢板配列方向に直交する矢板前後方向の外方から前記案内ガイドに当接させるように引き込む第1引込み工程と、
前記後行矢板の表面を前記案内ガイドに案内させて前記矢板配列方向で前記先行矢板に向けて引き込む第2引込み工程と、
を有することを特徴とする鋼矢板の引込み方法。 - 前記先行矢板には、前記後行矢板の継手を前記先行矢板の継手の嵌合位置に向けて誘導する嵌合補助治具が設けられ、
前記後行矢板は、前記第2引込み工程の際に、前記嵌合補助治具を使用して前記後行矢板の継手を前記先行矢板の継手の嵌合位置に移動させて嵌合させることを特徴とする請求項15に記載の鋼矢板の引込み方法。 - 前記後行矢板を吊り下げるクレーンは、前記鋼矢板引込み治具が設けられる一方の第1導枠を挟んで他方の第2導枠の反対側に配置され、
前記第1引込み工程において、前記クレーンで吊り下げられた前記後行矢板が前記第2導枠から前記第1導枠に向かう方向に引き込むように移動させることを特徴とする請求項15又は16に記載の鋼矢板の引込み方法。 - 前記鋼矢板はハット形鋼矢板であって、
前記第1引込み工程において、前記ハット形鋼矢板の幅方向で継手側を前記鋼矢板引込み治具側に向くように配置して引き込むことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の鋼矢板の引込み方法。
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