JP2017159968A - 門型クレーンの固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】逸走防止層装置に作用する力を軽減し、門型クレーンの逸走のおそれを低減する。【解決手段】門型クレーン2は、門型クレーン2の走行方向に交差する方向に離間して配置された一対の脚部8,9と、一対の脚部8,9に架け渡されたガーダ10と、脚部8,9の下部側を地面に対して拘束する逸走防止装置とを備える。門型クレーン2の固定方法では、逸走防止装置を用いて、脚部8,9の下部側を地面に対して拘束する。また、門型クレーンの固定方法では、門型クレーン2の走行方向の前方又は後方に設けられた地面側の固定部35,36とガーダ10又は脚部8,9とを連結する。【選択図】図1

Description

本発明は、門型クレーンの固定方法に関する。
レール上を移動するレール走行形クレーンには、クレーンの停止時に、例えば強風などによって、クレーンが意図せずに走行してしまうことを防止するための逸走防止装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。逸走防止装置としては、レールをクランプすることで、クレーンの走行部をレールに対して固定するものがある。
特開平6−72690号公報
例えば、強風によってクレーンが受ける力が増大した場合した場合には、逸走防止装置によってクレーンを固定していたとしても、クレーンが移動してしまう、又は逸走防止装置が固定されているレールや基礎部が破壊されてしまうおそれがある。逸走防止装置が固定されているレールや基礎部などが破壊された場合には、これらのレールや基礎部の復旧に時間や費用がかかることになる。
本発明は、逸走防止装置に作用する力を軽減し、クレーンの逸走のおそれを低減することが可能な門型クレーンの固定方法を提供することを目的とする。
本発明は、走行可能な門型クレーンを固定する門型クレーンの固定方法であって、門型クレーンは、門型クレーンの走行方向に交差する方向である幅方向に離間して配置された一対の脚部と、一対の脚部に架け渡されたガーダと、ガーダに沿って横行するトロリーと、脚部の下部側を地面に対して拘束する逸走防止装置と、を備えており、門型クレーンの固定方法は、逸走防止装置を用いて脚部の下部側を地面に対して拘束する拘束工程と、門型クレーンの走行方向の少なくとも一方に設けられた地面側の固定部とガーダ又は脚部とを連結する連結工程と、を含む。
本発明の門型クレーンの固定方法では、門型クレーンの脚部の下部側を地面に対して拘束する逸走防止装置を用いて、脚部の下部側を拘束することで、門型クレーンの移動を抑制して、門型クレーンの逸走のおそれを低減することができる。さらに、門型クレーンの走行方向の少なくとも一方に設けられた地面側の固定部に対して、門型クレーンのガーダ又は脚部を連結するので、例えば門型クレーンが強風を受けた場合には、強風によって門型クレーンが受けた力の一部は、地面側の固定部に伝達される。そのため、逸走防止装置に作用する力を軽減することができる。これにより、門型クレーンに作用する力を分散させて、門型クレーンの逸走のおそれを抑制することができる。
また、トロリーは、ワイヤーロープを巻き取り及び送り出し可能であり、連結工程では、トロリーからワイヤーを送り出して、ワイヤーロープを地面側の固定部に対して連結してもよい。これにより、通常のトロリーに設けられている荷役用のワイヤーロープを用いて、トロリーを地面側の固定部に連結することで、門型クレーンのガーダを地面側に対して連結することができる。これにより、従来の設備を活用して、新たな対策費用を抑えつつ、強風に対する門型クレーンの耐力を増強することができる。
また、連結工程では、トロリーをガーダの一端側に移動し、一端側に配置されたトロリーからワイヤーロープを送り出して、ワイヤーロープを地面側の固定部に対して連結してもよい。これにより、トロリーを一端側に移動して、脚部に接近させて配置することで、トロリーの重量を脚部に負担させトロリーをより安定させた状態で、ワイヤーロープを介して、トロリーと地面側の固定部とを連結することができる。
また、門型クレーンは、一対の脚部として、剛性が高い方の脚部である剛脚と、剛性が低い方の脚部である揺脚とを備え、連結工程では、トロリーを一端側である剛脚側に配置してもよい。これにより、一対の脚部のうち、剛性が高い剛脚によってトロリーの重量を受けることができるので、トロリーを一層安定させた状態として、ワイヤーロープを介して、トロリーと地面側の固定部とを連結することができる。
また、トロリーをガーダに対して拘束するトロリー拘束工程を更に含んでいてもよい。これにより、トロリーがガーダに沿って移動するおそれを低減することができる。そのため、ガーダに作用する力を、トロリー及びワイヤーロープを介して、確実に地面側の固定部に伝達させることができる。その結果、逸走防止装置に作用する力の割合を低減することができる。
また、地面側の固定部は、門型クレーンの走行方向の前方及び後方に各々設けられており、連結工程では、ガーダ又は脚部を走行方向の両側に設けられた地面側の固定部に各々連結してもよい。これにより、クレーンの走行方向の両側から門型クレーンを拘束することができるので、何れの方向から風が吹いても、門型クレーンに作用する力を地面側の固定部に伝達して、逸走防止装置に作用する力を軽減することができる。
連結工程では、門型クレーンを走行させて地面側の固定部に接近させた後、地面側の固定部と、ガーダ又は脚部とを連結し、門型クレーンの固定方法では、地面側の固定部の両方にガーダ又は脚部を連結した後に、門型クレーンを移動させて固定部間の中央に配置させる配置工程を更に実行してもよい。これにより、走行方向の一方に配置された地面側の固定部に門型クレーンを接近させて、一方の地面側の固定部と門型クレーンとを連結した後に、門型クレーンを移動させて、走行方向の他方に配置された地面側の固定部に門型クレーンを接近させて、他方の地面側の固定部と門型クレーンとを連結することができる。そして、走行方向の両方の地面側の固定部に対して、門型クレーンを連結した後で、門型クレーンを両方の地面側の固定部の中央に配置することができる。これにより、門型クレーンを走行方向の両側から支持する場合において、門型クレーンを支持する力の偏りを減らすことができる。また、ワイヤーロープを用いて、門型クレーンと地面側の固定部とを連結する場合において、ワイヤーロープの下端側を移動させる手間が省け、地上側での作業を軽減することができる。
門型クレーンは、上記トロリーである主トロリーと、主トロリーよりも重量が軽く、ガーダに沿って走行可能な補トロリーと、を備え、門型クレーンの固定方法は、補トロリーをガーダの長手方向の中央部に配置して、補トロリーを地面に対して連結する補トロリー連結工程を更に含んでいてもよい。これにより、軽い方の補トロリーをガーダの長手方向の中央部に配置して、補トロリーを地面に対して連結することで、強風時におけるガーダの振動を抑制することができる。ガーダの振動が脚部を介して、逸走防止装置に伝達されることを抑制することができるので、逸走防止装置の振動による不具合を抑制して信頼性を向上させることができる。
門型クレーンの固定方法では、補トロリーをガーダに対して拘束する補トロリー拘束工程を更に実行してもよい。これにより、補トロリーをガーダに対して拘束することで、補トロリーがガーダに沿って移動するおそれを低減することができる。
門型クレーンは、造船所に設置されたゴライアスクレーンであることが好ましい。造船所は一般的に海沿いに設置されるため、強風の影響を受ける可能性がある。そのため、上記の固定方法を、造船所のゴライアスクレーンに対して実行することで、ゴライアスクレーンの逸走のおそれを好適に低減することができる。
本発明によれば、逸走防止装置に作用する力を軽減し、クレーンの逸走のおそれを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るゴライアスクレーンを正面側から示す斜視図である。 図1に示すゴライアスクレーンの正面図である。 図1に示すゴライアスクレーンの左側面図である。 図1に示すゴライアスクレーンの平面図である。 ゴライアスクレーンの脚部に設けられた逸走防止装置を側方から示す図である。 主トロリーを示す斜視図である。 補トロリーを示す斜視図である。 図8(a)は、ワイヤーロープの先端部に設けられたフック部を示す図である。図8(b)は、固定用のワイヤーロープに設けられた連結具を示す図である。 ワイヤーロープに接続された地面側の固定部を示す側面図である。 他の実施形態に係る門型クレーンのガーダを示す概略断面図である。 他の実施形態に係る門型クレーンのガーダを示す概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1〜図4に示されるように、造船所のドック1にはゴライアスクレーン(門型クレーン)2が設けられている。ドック1には、複数のゴライアスクレーン2が配置されていてもよい。ドック1には、例えば建造中または点検整備中の船を配置することが可能なプール3が設けられ、このプール3の両側には岸壁4,5が配置されている。プール3は、所定の深さを有し、岸壁4,5の天面よりも低い位置にプール3の底面が形成されている。ドック1は、プール3が形成されていないものでもよい。
プール3に隣接する一方の岸壁4は、プール3を挟んで対向する他方の岸壁5よりも広い幅を有する。一方の岸壁4は、例えば、造船時などにおいて、船に搭載される各種部品、船体を構成するブロック体などが載置されるスペースとして利用される。岸壁4,5上には、それぞれレール(軌道)6,7が敷設されている。レール6,7は、プール3の長手方向に沿って延在している。レール6は岸壁5に配置され、レール7は岸壁4に配置されている。レール6は、レール7と比較して、プール3に近い位置に配置されている。また、岸壁4,5は、コンクリートなどによって形成されており、ゴライアスクレーン2の荷重を受けることが可能な基礎上に形成されている。
ゴライアスクレーン2は、岸壁4,5上にそれぞれ配置された一対の脚部8,9と、一対の脚部8,9に架け渡されたガーダ10とを備えている。また、ゴライアスクレーン2は、ガーダ10に沿って移動可能な主トロリー(トロリー)11及び補トロリー12を有する。
ゴライアスクレーン2では、一対の脚部8,9の剛性は、それぞれ異なっており、脚部8は、脚部9よりも剛性が高い剛脚として機能するものであり、脚部9は、脚部8よりも剛性が低い揺脚として機能するものである。脚部8は、レール6上を走行可能であり、脚部9は、レール7上を走行可能である。
脚部8,9の下端部8a,9aには、レール6,7に沿って走行するための走行装置13がそれぞれ設けられている。走行装置13は、脚部8,9に対して、前後2個ずつ設けられ、一つの走行装置13には、例えば16個の車輪が配置されている。走行装置13及び車輪の数量は特に限定されず、その他の数量でもよい。
図3に示されるように、脚部8の下端部8aには、脚部8を岸壁(地面)5の基礎金物に対して固定するための逸走防止装置14が設けられている。図5は、逸走防止装置14を示す概略図である。逸走防止装置14は、脚部8の下端部8aに対して固定された本体14aと、本体14aから下方に張り出すアンカー部材14bとを有する。アンカー部材14bは、例えば、円柱状を成すアンカーピンとして形成されている。アンカー部材14bは、例えば、板状を成すアンカープレートとして形成されているものでもよく、その他の形状のものでもよい。
アンカー部材14bは、上下方向に移動可能に構成されている。本体14aには、アンカー部材14bを上下方向に駆動するための駆動機構(例えば油圧シリンダ)が設けられている。なお、手動により、アンカー部材14bを上下方向に移動させてもよい。
また、岸壁5には、アンカー部材14bが嵌められる受容部(基礎金物)15が設けられている。受容部15は、アンカー部材14bと当接してアンカー部材14bを拘束して、ゴライアスクレーン2の走行方向(以下、「クレーンの走行方向」という)におけるアンカー部材14bの移動を防止する支持金物15aを有する。支持金物15aには、開口凹部15bが形成されている。この開口凹部15bは、アンカー部材14bが挿入される領域である。支持金物15aは、岸壁5に対して、例えばアンカーボルトを用いて固定されている。
ゴライアスクレーン2の運転停止時において、アンカー部材14bを降下させて支持金物15aの開口凹部15bに挿入する。これにより、アンカー部材14bと支持金物15aとを当接させて、アンカー部材14bのクレーンの走行方向における移動が抑制されて、脚部8が拘束される。
逸走防止装置14は、脚部8の他に、脚部9に対しても設けられている。脚部9に設けられた逸走防止装置14は、脚部8に設けられたものと同じ構成である。逸走防止装置14は、各脚部8,9において、クレーンの走行方向の中央部に設けられていてもよく、クレーンの走行方向の両端部に設けられていてもよく、更には、クレーンの走行方向に直交する幅方向に設けられていてもよい。
逸走防止装置14は、脚部8,9の下端部8a,9aに設けられた走行装置13に取り付けられていてもよく、その他の部分に取り付けられていてもよい。また、脚部8,9の下端部8a,9aにおいて、クレーンの走行方向に延在する強度部材(シルビーム)に固定されていてもよい。
図1に示す通り、ガーダ10は、ダブルボックス型のガーダ(梁)であり、断面が矩形の箱型の一対の強度部材10a,10bを有する。一対の強度部材10a,10bは、クレーンの幅方向に延在し、クレーンの走行方向に対向して配置されている。また、ガーダ10は、一対の強度部材10a,10bを連結する連結部10c,10dを有する。図1及び図2に示されるように、連結部10cは、剛脚である脚部8の上端部8b上に配置されて、一対の強度部材10a,10bの一端側を連結し、連結部10dは、揺脚である脚部9の上端部9b上に配置されて、一対の強度部材10a,10bの他端側を連結している。
一対の強度部材10a,10bの天面10eには、主トロリー用レール16及び補トロリー用レール17が設けられている。主トロリー用レール16は、主トロリー11を横行(走行)させるための軌道であり、補トロリー用レール17は、補トロリー12を横行(走行)させるための軌道である。主トロリー用レール16及び補トロリー用レール17は、ガーダ10の長手方向に沿って延在している。主トロリー用レール16は、一対の強度部材10a,10bのクレーンの走行方向における外側の縁に沿って延在し、補トロリー用レール17は、一対の強度部材10a,10bのクレーンの走行方向における内側の縁に沿って延在している。
図6は、主トロリーを示す斜視図である。主トロリー11には、荷役に使用されるワイヤーロープ18を昇降させる巻上機19が設けられている。主トロリー11では、ワイヤーロープ18及び巻上機19を2組備えている。主トロリー11は、例えば橋形を成している。主トロリー11は、複数の巻上機19を支持する支持台20と、支持台20から下方に張り出す一対の脚部21と、を備えている。支持台20は、ガーダ10の天面10eよりも上方に配置され、天面10eと支持台20との間には、補トロリー12を配置可能な空間が形成されている。
巻上機19には、ワイヤーロープ18が巻き付けられる回転ドラム、及びこの回転ドラムを回転駆動するための電動機が設けられている。また、一対の脚部21には、ワイヤーロープ18の昇降に合わせて回転する従動ローラー22が設けられている。従動ローラー22は、ガーダ10の天面10eより上方で、クレーンの走行方向の両側にそれぞれ張り出すように配置されている。巻上機19から送り出されたワイヤーロープ18は、従動ローラー22によって案内され、クレーンの走行方向において、ガーダ10より外側で垂下している。巻上機19を操作して、ワイヤーロープ18を上昇または下降させることができる。ワイヤーロープ18の下端側には、フック32(図8(a)参照)が設けられている。
また、一対の脚部21の下端部には、複数の車輪が設けられた横行装置23が設けられている。横行装置23が主トロリー用レール16上を移動して、主トロリー11はガーダ10に沿って横行する。
また、主トロリー11には、主トロリー11をガーダ10に対して固定するためのストッパー装置24が設けられている。ストッパー装置24は、一対の脚部21に対してそれぞれ設けられている。ストッパー装置24は、脚部21に対して固定された本体24aと、本体24aから下方に張り出すアンカー部材24bとを有する。アンカー部材24bは、例えば円柱状を成すアンカーピンとして形成されている。アンカー部材24bは、例えば、板状を成すアンカープレートとして形成されているものでもよく、その他の形状のものでもよい。
アンカー部材24bは、上下方向に移動可能に構成されている。本体24aには、アンカー部材24bを上下方向に駆動するための駆動機構(例えば油圧シリンダ)が設けられている。なお、手動により、アンカー部材24bを上下方向に移動させてもよい。
また、ガーダ10の天面10eには、アンカー部材24bが嵌められる受容部25が設けられている。受容部25は、アンカー部材24bと当接してアンカー部材24bを拘束して、主トロリー11の横行を防止するリング板25aを有する。リング板25aは、例えば溶接によりガーダ10の天面10eに固定されている。リング板25aの板厚方向は、上下方向に配置され、中央開口部は上向きに開放されている。リング板25aの中央開口部に、アンカー部材24bを挿入することで、アンカー部材24bを受容部25に嵌めて、主トロリー11の横行を防止することができる。
ストッパー装置24は、脚部21の下端部に固定されていてもよく、横行装置23に固定されていてもよい。また、ストッパー装置24は、主トロリー11の横行方向の中央部に設けられていてもよく、主トロリー11の横行方向の両端部に設けられていてもよい。
図7は、補トロリーを示す斜視図である。補トロリー12には、荷役に使用されるワイヤーロープ26を昇降させる巻上機27が設けられている。補トロリー12は、巻上機27を搭載する台車28を有する。補トロリー12は、主トロリー11の支持台20の下方を通過できるような高さとなっている。
巻上機27には、ワイヤーロープ26が巻き付けられる回転ドラム、及びこの回転ドラムを回転駆動するための電動機が設けられている。巻上機27から送り出されたワイヤーロープ26は、ガーダ10の一対の強度部材10a,10b間の開口部を通過して垂下している。巻上機27を操作して、ワイヤーロープ26を上昇または下降させることができる。
また、台車28には、複数の車輪が設けられた走行装置29が設けられている。走行装置29が補トロリー用レール17上を移動して、補トロリー12はガーダ10に沿って横行する。
また、補トロリー12には、補トロリー12をガーダ10に対して固定するためのストッパー装置30が設けられている。ストッパー装置30は、台車28に対して固定された本体30aと、本体30aから下方に張り出すアンカー部材30bとを有する。アンカー部材30bは、例えば円柱状を成すアンカーピンとして形成されている。アンカー部材30bは、例えば、板状を成すアンカープレートとして形成されているものでもよく、その他の形状のものでもよい。
アンカー部材30bは、上下方向に移動可能に構成されている。本体30aには、アンカー部材30bを上下方向に駆動するための駆動機構(例えば油圧シリンダ)が設けられている。なお、手動により、アンカー部材30bを上下方向に移動させてもよい。
また、ガーダ10の天面10eには、アンカー部材30bが嵌められる受容部31が設けられている。受容部31は、アンカー部材30bと当接してアンカー部材30bを拘束して、補トロリー12の横行を防止するリング板31aを有する。リング板31aは、例えば溶接によりガーダ10の天面10eに固定されている。リング板31aの板厚方向は、上下方向に配置され、中央開口部は上向きに開放されている。リング板31aの中央開口部に、アンカー部材30bを挿入することで、アンカー部材30bを受容部31に嵌めて、補トロリー12の横行を防止することができる。
ストッパー装置30は、例えば台車28の両方の側部に固定されている。ストッパー装置30は、補トロリー12の横行方向の中央部に設けられていてもよく、補トロリー12の横行方向の両端部に設けられていてもよい。
図8(a)は、ワイヤーロープ18の下端部に設けられたフック32を示す図である。例えば、つり荷を支持するワイヤーロープをフック32に係止することで、つり荷を係止する。また、フック32には、開口部32aが設けられている。
図8(b)は、固定用のワイヤーロープ33の端部に設けられた連結具34を示す図である。固定用のワイヤーロープ33は、荷役に使用されるワイヤーロープ18を岸壁5に連結する際に、ワイヤーロープ18に接続されて使用されるものである。連結具34は、接続相手であるフック32の開口部32aに挿通されるピン部材34aと、このピン部材34aを支持する一対の支持板34bと、を備えている。ピン部材34aをフック32の開口部32aに挿通させて、ピン部材34aを一対の支持板34bに固定することで、ワイヤーロープ18、33を接続する。
図1〜図4に示されるように、ドック1には、ゴライアスクレーン2を固定する際に、ワイヤーロープ18が連結される地面側の固定部35,36が設けられている。固定部35,36は、クレーンの走行方向において、離間して配置されている。ゴライアスクレーン2を固定部35,36の間に停止させた状態において、固定部35はゴライアスクレーン2の前方(一方側)に配置され、固定部36はゴライアスクレーン2の後方(他方側)に配置されている。また、固定部35,36は、クレーンの幅方向において、剛脚である脚部8の近傍に配置されている。例えば、主トロリー11が脚部8に最も接近した位置に対応して配置されている。固定部35,36は、岸壁5において、プール3とレール6との間に配置されている。
図9は、ワイヤーロープ18,33に接続された地面側の固定部35を示す側面図である。固定用のワイヤーロープ33の両端部には、連結具34が接続されている。一方の連結具34は、上述したように、荷役に使用されるワイヤーロープ18に接続され、他方の連結具34は、図9に示されるように、地面側の固定部35に接続される。なお、フック32を固定部35に接続してもよく、ワイヤーロープ18を直接、固定部35に接続してもよい。
地面側の固定部35は、岸壁5に固定されるベース板35aと、ベース板35a上に立設された一対の支持板35bとを有する。ベース板35aは、例えばアンカーボルトを用いて、岸壁5に対して固定されている。一対の支持板35bには、連結具34のピン部材34aを挿通するための開口部35cが設けられている。一対の支持板35bは、板厚方向に離間して配置され、連結具34の一対の支持板34bを外側から挟むように配置されている。連結具34が地面側の固定部35に連結されている状態において、ピン部材34aは、固定部35の一対の支持板35b及び連結具34の一対の支持板34bを貫通している。連結具34は、ピン部材34aの軸線方向周りに回転可能な状態で、固定部35に連結されている。連結具34は、ワイヤーロープ33の延在する方向に応じて、ピン部材34aを支点として回転移動する。固定部36は、固定部36と同様の構成であるので、ここでの説明を省略する。
また、ドック1の岸壁4には、図1及び図2に示されるように、補トロリー12から垂下するワイヤーロープ26を連結する地面側の固定部37が設けられている。固定部37は、ゴライアスクレーン2の停止時において使用される。固定部37は、クレーン2の走行方向において、固定部35,36間の中央に配置されている。固定部37は、クレーン2の幅方向において、中央部近傍であり、補トロリー12が停止される位置の下方に配置されている。
ワイヤーロープ26の下端部には、ワイヤーロープ18と同様にフック32(図8(a)参照)が設けられている。固定部37は、固定部35と同様の構成である。固定部37は、岸壁4に固定されるベース板と、このベース板に立設された一対の支持板とを有する。ベース板は、例えばアンカーボルトによって岸壁4に対して固定されている。一対の支持板には、ピン部材が挿通される開口部が形成されている。ワイヤーロープ26の端部に設けられたフック32が地面側の固定部37に固定されている状態において、フック32は、一対の支持板間に挿入されており、ピン部材は、固定部の一対の支持板及びフックを貫通している。固定部37は、岸壁4上において、プール3側の縁部に配置されている。
次に、運転停止時におけるゴライアスクレーン2の固定方法及び配置構造について説明する。例えば、台風が接近している場合には、天気予報によって台風が接近していることを知ることが可能であるため、ゴライアスクレーン2の運転を停止して、強風への対策を施す。強風が発生するおそれがある場合には、逸走防止装置14を用いて、ゴライアスクレーン2を固定すると共に、主トロリー11から送り出されたワイヤーロープ18を用いて、ゴライアスクレーン2を固縛する。
以下、ゴライアスクレーン2の固定方法における手順について詳細に説明する。まず、図4に示されるように、主トロリー11及び補トロリー12をガーダ10に沿って横行させる。主トロリー11は、ガーダ10上において、脚部8に最も接近した位置であり、クレーンの幅方向において、地面側の固定部35,36に対応した位置に配置される。補トロリー12は、ガーダ10の長手方向の中央部であり、クレーンの幅方向において、地面側の固定部37に対応した位置に配置される。
次に、主トロリー11及び補トロリー12をガーダ10に対して固定する。主トロリー11を停止させた状態において、主トロリー11のストッパー装置24は、ガーダ10上の受容部25(図6参照)の上方に配置されている。この状態において、ストッパー装置24のアンカー部材24bを降下させて受容部25に嵌める(主トロリー拘束工程)。これにより、主トロリー11を拘束して、主トロリー11の移動を防止する。
同様に、補トロリー12を停止させた状態において、補トロリー12のストッパー装置30は、ガーダ10上の受容部31(図7参照)の上方に配置されている。この状態において、ストッパー装置30のアンカー部材30bを降下させて受容部31に嵌める(補トロリー拘束工程)。これにより、補トロリー12を拘束して、補トロリー12の移動を防止する。
次に、ゴライアスクレーン2のガーダ10と地面側の固定部35,36とを連結する連結工程を行う。連結工程では、ゴライアスクレーン2をレール6,7に沿って移動させて、主トロリー11から前側及び後側に垂れ下がるワイヤーロープ18を、地面側の固定部35,36にそれぞれ連結する。
まず、連結工程では、ゴライアスクレーン2をレール6,7に沿って移動させて、クレーンの走行方向において、固定部35に接近した位置で停止させる。具体的には、固定部35の近傍において、固定部36側の位置(第1の停止位置A、図4参照)にゴライアスクレーン2を停止させる。
次に、ワイヤーロープ18に接続される固定用のワイヤーロープ33を準備して、ワイヤーロープ33の一端側の連結具34とワイヤーロープ18のフック32とを連結すると共に、ワイヤーロープ33の他端側の連結具34と地面側の固定部35とを連結する。これにより、主トロリー11の一方(前側)の巻上機19から垂れ下がるワイヤーロープ18は、ワイヤーロープ33を介して、地面側の固定部35に接続される。
次に、ゴライアスクレーン2をレール6,7に沿って移動させて、クレーンの走行方向において、固定部36に接近した位置で停止させる。具体的には、固定部36の近傍において、固定部35側の位置(第2の停止位置B、図4参照)にゴライアスクレーン2を停止させる。ゴライアスクレーン2を固定部35の近傍から固定部36に向かって移動させる際には、一方の巻上機19からワイヤーロープ18を送り出しながら移動させる。
次に、他方の巻上機19から送り出されたワイヤーロープ18に接続される固定用のワイヤーロープ33を準備して、ワイヤーロープ33の一端側の連結具34とワイヤーロープ18のフック32とを連結すると共に、ワイヤーロープ33の他端側の連結具34と地面側の固定部36とを連結する。これにより、主トロリー11の他方(後側)の巻上機19から垂れ下がるワイヤーロープ18は、ワイヤーロープ33を介して、地面側の固定部36に接続される。
次に、ゴライアスクレーン2をレール6,7に沿って移動させて、クレーンの走行方向において、固定部35,36間の中央の位置(第3の停止位置C、図4参照)にゴライアスクレーン2を配置させる配置工程を行う。この配置工程において、ゴライアスクレーン2を固定部36の近傍から固定部35,36間の中央の位置に向かって移動させる際には、他方の巻上機19から後側のワイヤーロープ18を送り出すと共に、一方の巻上機19によって前側のワイヤーロープ18を巻き取りながら移動させる。
ゴライアスクレーン2を固定部35,36間の中央の位置で停止させた後に、逸走防止装置14を用いて、脚部8,9の下端部8a,9aを地面に対して拘束する拘束工程を行う。ゴライアスクレーン2を停止させた状態において、逸走防止装置14は、受容部15(図5参照)の上方に配置されている。この状態において、逸走防止装置14のアンカー部材14bを降下させて受容部15に嵌める。これにより、脚部8,9の下端部8a,9aを拘束する。
次に、巻上機19を用いて、両方のワイヤーロープ18の張力が等しくなるようにそれぞれ調整する。これにより、ゴライアスクレーン2は、図3に示されるように、ガーダ10上に配置された主トロリー11から斜め下方に延びるワイヤーロープ18,33によって、ガーダ10を地面側の固定部35,36に対して拘束することができる。
次に、補トロリー12を岸壁4に対して連結する補トロリー連結工程を行う。まず、補トロリー連結工程では、補トロリー12の巻上機27からワイヤーロープ26を送り出して、下端部のフックを降下させて岸壁4上に配置する。続いて、図2に示されるようにワイヤーロープ26の下端部のフックと、固定部37と接続する。これにより、上下方向において、補トロリー12を地面側の固定部37に連結する。また、巻上機27を操作して、ワイヤーロープ26の張力を調整する。これにより、補トロリー12及びガーダ10の上方への変位を防止して、ガーダ10の振動を防止することができる。なお、ワイヤーロープ26以外の(振動防止用の)接続部材を用いて、補トロリー12と岸壁4とを接続して、ガーダ10の振動を防止させるようにしてもよい。また、ワイヤーロープ26に、延長用の他のワイヤーロープを接続して、この延長用のワイヤーロープを介して、岸壁との接続を行ってもよい。
本実施形態のゴライアスクレーン2の固定方法では、脚部8,9の下端部8a,9aに設けられた逸走防止装置14によって、脚部8,9の下端部8a,9aを岸壁4,5に対して拘束することができると共に、ガーダ10から垂れ下がるワイヤーロープ18,26,33によって、ガーダ10を岸壁4,5に対して拘束することができる。例えば、ゴライアスクレーン2が強風を受けた場合には、ガーダ10が受けた力をワイヤーロープ18,26,33を介して、岸壁4,5に伝達することができる。これにより、ゴライアスクレーン2に作用する力を分散させて、逸走防止装置14に作用する力を軽減することができ、ゴライアスクレーン2の逸走のおそれを抑制することができる。
また、逸走防止装置14に作用する力が軽減されるので、逸走防止装置14に過度の力が作用して、逸走防止装置14及び受容部15が故障するおそれが低減される。その結果、逸走防止装置14及び受容部15(岸壁の基礎)を補修するためのゴライアスクレーン2の停止期間の延長を抑制し、ゴライアスクレーン2の稼働時間の低下を防止することができる。
本実施形態のゴライアスクレーン2の固定方法によれば、荷役用のワイヤーロープ18,26を用いて、ゴライアスクレーン2を拘束することができるので、従来の設備を活用し、追加の対策費用を抑えて、強風に対するゴライアスクレーン2の耐力の向上を図ることができる。
また、本実施形態のゴライアスクレーン2の固定方法によれば、主トロリー11を剛脚である脚部8の近傍に配置しているので、主トロリーの重量を脚部8に負担させることができ、ゴライアスクレーン2をより安定させた状態で、主トロリー11と地面側の固定部35,36とを連結することができる。
また、主トロリー11は、ストッパー装置24によってガーダ10に対して拘束されているので、主トロリー11の横行を防止することができ、ガーダ10が受けた力を、主トロリー11及びワイヤーロープ18を介して、確実に地面側の固定部35,36に伝達させることができる。その結果、逸走防止装置14に作用する力の割合を低減することができる。
また、ゴライアスクレーン2は、クレーンの走行方向の両側からワイヤーロープ18によって、地面側の固定部35,36に連結されているので、風向きによらず、ゴライアスクレーン2に作用する力を受けることができ、逸走防止装置14に作用する力を軽減することができる。
また、補トロリー12は、ガーダ10の長手方向の中央部に配置されているので、ダブルボックス型のガーダ10において、風上側の強度部材10a,10bで受けた力を、補トロリー12を介して、風下側の強度部材10a,10bに伝達することができる。これにより、ガーダ10の強度部材10a,10bの変形を抑制することができる。ガーダ10の長手方向の中央部に、補トロリー12が配置されているので、最も変形しやすい中央部において、風上側から風下側に力を伝達することができる。
また、補トロリー12は、ガーダ10の長手方向の中央部において、補トロリー12の下方(真下)に配置された地面側の固定部37に対して、拘束されているので、ガーダ10に作用する力を地上側に分散させることができると共に、ガーダ10の上方への変位を抑制することができる。これにより、強風時におけるガーダ10の上下方向における振動を低減することができる。ガーダ10の振動を低減することで、逸走防止装置14に伝達される振動を低減することができるので、逸走防止装置14に不具合が生じるおそれを低減することができる。その結果、逸走防止装置14の信頼性の向上を図ることができる。ガーダ10の長手方向の中央部に、補トロリー12が配置されているので、最も変位しやすい中央部において、ガーダ10の振動を抑えることができる。
また、補トロリー12は、ストッパー装置30によってガーダ10に対して拘束されているので、補トロリー12の横行を防止することができ、ガーダ10と補トロリー12との間で確実に力を伝達させることができる。その結果、ガーダ10の振動を確実に抑えることができる。
また、主トロリー11及び補トロリー12のうち、重量が大きい方の主トロリー11を剛脚である脚部8の近傍に配置して、重量が小さい方の補トロリー12をガーダ10の長手方向の中央部に配置しているので、トロリーの重量によってガーダ10に作用する力を抑制しつつゴライアスクレーン2を安定させて固定することができる。
また、主トロリー11から垂れ下がるワイヤーロープ18を地面側の固定部35,36に連結する際に、ゴライアスクレーン2をレール6,7に沿って移動させて、ワイヤーロープ18,33を連結しているので、固定部35,36に連結されるワイヤーロープ33を地上側で移動させる手間が省け、地上側における作業を軽減することができる。その結果、強風が発生する際の事前の対策作業の効率化を図ると共に、作業時間の短縮を図ることができる。
このようなゴライアスクレーンの固定方法は、造船所に設置されたゴライアスクレーン2に適用することができる。造船所は一般的に海沿いに設置されるため、強風の影響を受ける可能性が高い。そのため、上記の固定方法を、造船所のゴライアスクレーン2に対して実行することで、ゴライアスクレーン2の逸走のおそれを好適に低減することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記のような種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、クレーンの走行方向の両側において、ゴライアスクレーン2と地面側の固定部35,36とを連結しているが、クレーンの走行方向の一方に配置された地面側の固定部に対して、ワイヤーロープなどの強度部材を用いて連結してもよい。また、ワイヤーロープは、平面視において、クレーンの走行方向に平行に配置されるものに限定されず、クレーンの走行方向に対して、交差するようにワイヤーロープを配置して接続してもよい。例えば、クレーンの幅方向において、レール6,7より外側に配置された固定部に対して、ワイヤーロープを連結してもよい。
また、上記の実施形態では、主トロリー11を剛脚である脚部8の近傍に配置させているが、主トロリー11の位置は限定されず、ガーダ10の長手方向の中央部に配置してもよく、揺脚である脚部9の近傍に主トロリー11を配置して、主トロリー11から送り出されたワイヤーロープ18を地面側の固定部に連結してよい。
また、上記の実施形態では、主トロリー11に連結されたワイヤーロープを地面側の固定部に連結しているが、例えば、ゴライアスクレーン2の脚部8,9の上端部8b,9b又はガーダ10に取り付け金具を設け、別途準備したワイヤーロープを用いて、ゴライアスクレーン2を地面側の固定部に対して連結してもよい。
また、上記の実施形態では、連結工程において、ゴライアスクレーン2と地面側の固定部35,36とを連結する連結部材であるワイヤーロープ18を用いて、ゴライアスクレーン2の上部側と、地面側の固定部35,36とを連結しているが、例えば、連結部材として、棒状の強度部材を用いて、ゴライアスクレーンと地面側の固定部35,36とを連結してもよく、その他の連結部材を用いて、ゴライアスクレーン2に作用する力を地上側の固定部に伝達して分散させてもよい。
また、上記の実施形態では、ダブルボックス型のガーダ10について説明しているが、他の形状のガーダを備える門型クレーンに対して、本発明の固定方法を適用してもよい。図10及び図11は、他の実施形態に係る門型クレーン40,50のガーダ41,51を示す概略断面図である。図10に示されるガーダ41は、台形が2つ重なった二重台形型のガーダである。門型クレーン40の主トロリー42は、ガーダ41の天面に配置され、補トロリー43は、ガーダ41の下面に対向して配置されている。
図11に示されるガーダ51は、下面に開口部が設けられた開放箱型のガーダである。ガーダ51の内部には、補トロリー53が配置される空間が形成され、補トロリー53は、ガーダ51の内部で横行する。このような門型クレーン40,50において、主トロリー42,52から垂れ下がるワイヤーロープ18を地面側の固定部35,36に連結してもよく、補トロリー43,53から垂れ下がるワイヤーロープ33を地面側の固定部37に連結してもよい。
上記の実施形態では、門型クレーンの固定方法を造船所のゴライアスクレーンに適用する場合について、説明しているが、ゴライアスクレーンは、造船所に設置されたものに限定されず、工場などその他の場所に設置されたゴライアスクレーンに適用してもよい。また、門型クレーンの固定方法は、ゴライアスクレーン以外のその他の門型クレーンに対して適用してもよい。例えば、コンテナクレーンに対して門型クレーンの固定方法を適用してもよく、橋形クレーンに対して本発明のクレーンの固定方法を適用してもよい。
また、上記実施形態では、ゴライアスクレーンは、レール6,7に沿って走行するものであるが、例えばタイヤを備え、所定の方向に走行可能な門型クレーンに対して本発明の固定方法を適用してもよい。
また、補トロリー12は、ガーダ10の中央部に配置されていてもよく、脚部8,9の近傍に配置されているものでもよい。また、補トロリー12から垂れ下がるワイヤーロープをクレーンの走行方向の前方又は後方に配置された地面側の固定部に連結してもよい。
また、逸走防止装置14は、アンカー部材14bを受容部15に嵌めるものに限定されず、例えば、レールをクランプすることで、脚部の下部側を地面に対して拘束するものでもよく、その他の方法により、脚部の下部側を地面に対して拘束するものでもよい。
また、門型クレーンの固定方法では、上記の各種工程を実施する順序を、適宜変更して実施してもよく、複数の工程を同時に実施してもよい。例えば、連結工程を実施した後に、拘束工程を実施してもよい。
また、上記の実施形態では、ワイヤーロープ18を地面側の固定部34,35に対して連結する際に、ゴライアスクレーン2を移動させて、固定部34,35に接近させているが、ゴライアスクレーン2を移動させずに、ワイヤーロープ18,33を固定部34,35に連結させてもよい。また、ゴライアスクレーン2を、クレーンの走行方向において、固定部34,35間の中央からずれた位置に配置して、連結部材を用いてゴライアスクレーン2と固定部34,35とを連結してもよい。
2…ゴライアスクレーン(門型クレーン)、8…脚部(剛脚)、8a…脚部の下端部、9…脚部(揺脚)、9a…脚部の下端部、10,41,51…ガーダ、11,42,52…主トロリー、12,43,53…補トロリー、14…逸走防止装置、18…ワイヤーロープ(荷役用)、34,35,36…地面側の固定部。

Claims (10)

  1. 走行可能な門型クレーンを固定する門型クレーンの固定方法であって、
    前記門型クレーンは、前記門型クレーンの走行方向に交差する方向である幅方向に離間して配置された一対の脚部と、前記一対の脚部に架け渡されたガーダと、前記ガーダに沿って横行するトロリーと、前記脚部の下部側を地面に対して拘束する逸走防止装置と、を備えており、
    前記門型クレーンの固定方法は、
    前記逸走防止装置を用いて前記脚部の下部側を地面に対して拘束する拘束工程と、
    前記門型クレーンの走行方向の少なくとも一方に設けられた地面側の固定部と前記ガーダ又は前記脚部とを連結する連結工程と、を含む、門型クレーンの固定方法。
  2. 前記トロリーは、ワイヤーロープを巻き取り及び送り出し可能であり、
    前記連結工程では、前記トロリーから前記ワイヤーを送り出して、前記ワイヤーロープを前記地面側の固定部に対して連結する、請求項1に記載の門型クレーンの固定方法。
  3. 前記連結工程では、前記トロリーを前記ガーダの一端側に移動し、前記一端側に配置された前記トロリーから前記ワイヤーロープを送り出して、前記ワイヤーロープを前記地面側の固定部に対して連結する、請求項2に記載の門型クレーンの固定方法。
  4. 前記門型クレーンは、前記一対の脚部として、剛性が高い方の前記脚部である剛脚と、剛性が低い方の前記脚部である揺脚とを備え、
    前記連結工程では、前記トロリーを前記一端側である前記剛脚側に配置する、請求項3に記載の門型クレーンの固定方法。
  5. 前記トロリーを前記ガーダに対して拘束するトロリー拘束工程を更に含む、請求項2〜4の何れか一項に記載の門型クレーンの固定方法。
  6. 前記地面側の固定部は、前記門型クレーンの走行方向の前方及び後方に各々設けられており、
    前記連結工程では、前記ガーダ又は前記脚部を前記走行方向の両側に設けられた前記地面側の固定部に各々連結する請求項1〜5の何れか一項に記載の門型クレーンの固定方法。
  7. 前記連結工程では、前記門型クレーンを走行させて前記地面側の固定部に接近させた後、前記地面側の固定部と、前記ガーダ又は前記脚部とを連結し、
    前記門型クレーンの固定方法は、
    前記地面側の固定部の両方に前記ガーダ又は前記脚部を連結した後に、前記門型クレーンを移動させて前記固定部間の中央に配置させる配置工程を更に含む、請求項6に記載の門型クレーンの固定方法。
  8. 前記門型クレーンは、前記トロリーである主トロリーと、前記主トロリーよりも重量が軽く、前記ガーダに沿って走行可能な補トロリーと、を備え、
    前記門型クレーンの固定方法は、
    前記補トロリーを前記ガーダの長手方向の中央部に配置して、前記補トロリーを地面に対して連結する補トロリー連結工程を更に含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の門型クレーンの固定方法。
  9. 前記補トロリーを前記ガーダに対して拘束する補トロリー拘束工程を更に含む、請求項8に記載の門型クレーンの固定方法。
  10. 前記門型クレーンは、造船所に設置されたゴライアスクレーンである、請求項1〜9の何れか一項に記載の門型クレーンの固定方法。
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