JP5985857B2 - 港湾荷役機器とその免震方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地震が発生したときに、突風時逸走防止装置の把持力を港湾荷役機器へ伝達せずに、港湾荷役機器の車輪の浮き上がりを防ぐ港湾荷役機器とその免震方法に関する。
一般的に、港湾で荷役作業を行う岸壁クレーンなどには、走行を停止して作業を行うときや、夜間などの休業中に走行レール上を逸走しないように突風時逸走防止装置として、レールクランプ装置を備えたクレーンがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来のレールクランプ装置を備えたクレーンについて図9を参照しながら説明する。ここで図9は、クレーン1Xの下部構造を示し、また、海側又は陸側の一方を示している。クレーン1Xの下部構造は、上部構造を支える脚部2a及び2bと、そのそれぞれを接合するシルビーム3と、岸壁Gに敷設された走行レールR上を走行する走行装置4a及び4bとを備える。
このクレーン1Xは、連結部10Xによりシルビーム3とレールクランプ20とを連結され、この連結部10Xは、シルビームコラム(支柱)11Xと連結ピン12Xと連結部13Xとを備える。この連結ピン12Xはレールクランプ20の連結部13Xとシルビームコラム11Xとを連結する。また、レールクランプ20は、装置内の機構を稼働させて走行レールRを把持するクランプ21とレールガイド付き(つば付き)の走行輪22とを備える。
このレールクランプ20は、突風を岸壁クレーンが受けても作業ができるように、さらにそれ以上の突風を受けてもクレーン1Xが逸走しないように突風対策としての役割も持つ。
例えば、クレーン1Xの走行方向であるx方向から、35m/s程度の突風をクレーン1Xが受け場合に、x方向に約50tもの荷重がかかり、その荷重を海側脚部と陸側脚部とに分散し、レールクランプ20や走行装置4aのブレーキなどで支えている。その内、一方のレールクランプ装置20は約20tの荷重を支えることになる。
ところが、クレーン1Xの稼働中や停止中に地震が発生した場合に、レールクランプ20の走行レールRを把持する力(約20tの荷重を把持する力)によって、クレーン1Xの上部に大きい水平力が働いてクレーン1Xの走行装置4a及び4bの車輪が走行レールRから浮き上がり、脱輪や損傷を生じる恐れがあった。
その地震が発生した場合に働く水平力を吸収するために、さまざまな免震装置を備えた免震クレーンがある。この免震クレーンは、免震クレーンの横行方向、及び走行方向の揺れに対して効果がある。しかしながら、この免震クレーンの逸走を防止するために、レールクランプを備えると、前述した脱輪や損傷を生じるという問題が発生する。
そこで、免振型レールクランプ装置のレールクランプ台車と免振型クレーンのトラックとの間に、これらの間隔を所定間隔範囲内で接近離間動作可能に接続する遊動接続部と、前記間隔を前記所定間隔内の一定位置に拘束保持し、かつ設定された剪断強度を有するシアーピンとが設けられている構成を有し、レールの延在方向の外力振動を安全に吸収することができる装置がある(例えば、特許文献2参照)。
この装置は、地震が発生するとシアーピンが破断して、免震型クレーンがレールの延在方向に接近離間動作を行うことで、振動を吸収している。しかし、この装置は、地震後に破断したシアーピンの復旧に時間がかかってしまうという問題や、シアーピンの破断荷重のコントロールの困難性から、突風などでもシアーピンが破断してしまうという問題がある。
また、港湾で作業する機器への耐震性の基準は高くなっている。地震の振幅時間として約300秒間、また、地震の振幅として±300mm以上に耐えうる構造が必要である。これはクレーンの走行方向にも適応されるため、地震波が長周期で、エネルギーの吸収時間が長い場合への対応が必要である。そのため、特許文献2に記載の装置の構成では、長時間且つ長周期の地震の振幅には耐えることができないという問題もある。
特開平6−72690号公報 特開2002−60181号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、走行を停止して作業しているときや、夜間などの休業時、又は暴風時で突風を受けているときに、地震が発生した場合に、港湾荷役機器の逸走を防止する突風時逸走防止装置の把持力を逃がして、車輪の浮き上がりを防止することができる港湾荷役機器とその免震方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明の荷役港湾機器は、脚構造物と、この脚構造物の下方に設置されていてレール上を走行する走行装置と、前記脚構造物に連結部を介して連結されていて前記レール上を移動する突風時逸走防止装置とを備えた港湾荷役機器において、前記連結部が、下端部を前記突風時逸走防止装置に連結されて前記港湾荷役機器の走行方向に沿って傾動可能に構成されている傾動アームと、前記脚構造物または前記走行装置と前記傾動アームの上端部とを連結する第1接合部と、前記突風時逸走防止装置と前記傾動アームの下端部とを連結する第2接合部と、前記第2接合部と略鉛直に並ぶ位置に設けられた中立位置に前記第1接合部を保持する中立位置保持機構とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、地震が発生したときに、その振幅によって港湾荷役機器が揺れ、その揺れと共に、傾動アームが一端を軸にして、地震の振幅に合せて港湾荷役機器の走行方向に往復傾動して、突風時逸走防止装置の把持力を走行方向に逃がすことできる。また地震時の振幅の中立位置から、つまり、第1接合部と第2接合部とが略鉛直に並ぶ位置から、地震の振幅に合せて傾動アームが往復傾動することにより、第1接合部が往復するので、地震の振幅を吸収することができる。
これにより、突風時逸走防止装置の把持力が港湾荷役機器に伝わらないため、港湾荷役機器の走行装置の車輪の浮き上がりを防ぐことができる。また、突風時逸走防止装置と港湾荷役機器とが常に連結した状態を保ち、地震発生後も突風時逸走防止装置が自立した状態を保つことができる。そのため、地震発生後の復旧を容易に行うことができる。加えて、突風時逸走防止装置に新たに構成を追加しないため、従来の突風時逸走防止装置を用いることができる。
なお、ここでいう突風時逸走防止装置とは、走行を停止して作業するとき、夜間などの休業時、又は暴風時で突風を受けたときに、港湾荷役機器の走行路であるレールを把持して、港湾荷役機器の逸走を防止する装置のことである。
連結部が、傾動アームの上端部と脚構造物との間に連結され走行方向を横断する横行方向に傾動可能に構成されているシルビームコラムを備える構成にすることができる。
傾動アームの上端部とシルビームコラムとを連結する第1接合部と、傾動アームの下端部と突風時逸走防止装置とを連結する第2接合部とを備えていて、第1接合部または第2接合部のどちらか一方シルビームコラムまたは突風時逸走防止装置に設置されていて傾動アームを軸支する傾動ピンと、傾動アームに形成されていて傾動ピンを挿通させた状態で傾動アームの長手方向に移動可能とする傾動ピン用孔とを備える構成にすることができる。この構成によれば地震が発生していないときは、地震が発生して傾動アームが往復傾動すると、傾動ピンが傾動アームの長手方向、つまり傾動ピン用孔の一方から他方に移動する。これにより、傾動アームの往復傾動によって発生する突風時逸走防止装置を浮き上がらせる力を、突風時逸走防止装置に伝達せず、突風時逸走防止装置の浮き上がりを防止することができる。
なお、第1接合部を傾動ピンと傾動ピン用孔とから形成する場合は、地震が発生していないときに、傾動ピンを傾動ピン用孔の地面側に配置し、第2接合部を傾動ピンと傾動ピン用孔とから形成する場合は、地震が発生していないときに、傾動ピンを傾動ピン用孔の地面と反対側に配置する。
中立位置保持機構が、傾動アームの上端部の走行方向の両側に設置されて、走行方向に伸縮する水平方向バネを備える構成にすることができる。
上記の問題を解決するための港湾荷役機器の免震方法は、脚構造物と、この脚構造物の下方に設置されていてレール上を走行する走行装置と、前記脚構造物に連結部を介して連結されていて前記レール上を移動する突風時逸走防止装置とを備えた港湾荷役機器の免震方法において、前記連結部を、前記港湾荷役機器の走行方向に沿って傾動可能な傾動アームで構成して、この傾動アームの下端部を前記突風時逸走防止装置に連結して、前記走行方向に伸縮する水平方向バネを前記傾動アームの上端部の前記走行方向の両側に設置して前記傾動アームの前記上端部を前記傾動アームの前記下端部と略鉛直に並ぶ中立位置に保持させておき、地震が発生したときに、前記傾動アームの前記下端部を中心として、前記
傾動アームの前記上端部を前記港湾荷役機器とともに前記走行方向に移動させることを特徴とする。
この方法によれば、港湾荷役機器の揺れと共に、傾動アームが往復傾動して、逸走防止装置の把持力を港湾荷役機器に伝えることがない。そのため、地震時に車輪が走行方向に動くことができ、車輪の浮き上がりを防止することができる。
本発明によれば、走行を停止して作業しているときや、夜間などの休業時、又は暴風時で突風を受けているときに、地震が発生した場合に、港湾荷役機器の逸走を防止する暴風時逸走防止装置の把持力を逃がして、車輪の浮き上がりを防止することができる。
本発明に係る第1の実施の形態の免震クレーンの下部構造物を示した正面図である。 図1のII―IIを示した矢視図である。 本発明に係る第1の実施の形態の免震クレーンの下部構造物を示した側面図である。 本発明に係る第1の実施の形態の免震クレーンの動作を示した正面図であり、(a)は免震連結部の動作を示し、(b)は免震連結部の傾動アームの動作を示す。 本発明に係る第1の実施の形態の免震クレーンの動作を示した側面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の免震クレーンを示した正面図である。 本発明に係る第3の実施の形態の免震クレーンを示した正面図である。 本発明に係る第4の実施の形態の免震クレーンを示した正面図である。 従来の免震クレーンの逸走防止機構を示した正面図である。
以下、本発明に係る第1〜第4の実施の形態の港湾荷役機器とその免震方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図9と同様の構成については、同一符号を用い、その説明を省略する。
本発明の実施の形態は、港湾荷役機器として、コンテナターミナルなどの港湾で使用される橋形クレーン、門型のヤードクレーン、ゴライアスクレーン、及び移動型のジブクレーンなどに適用することができる。好ましくは、上記の港湾荷役機器に、地震の振動を吸収するように免震装置を設けた装置に適用すると効果的である。よって、実施の形態の説明では免震クレーンとして説明する。
また、突風時逸走防止装置としてレールクランプを用いているが、レールクランプは、周知の技術のレールクランプを用いることができる。例えば、レールの把持を走行レールの両側に設けたクランピングジョーをホルダで挟み込むくさび形や、鋏型に形成したクランプアームと弾性体を組み合わせ、油圧シリンダなどで弾性体をクランプアームに近接離間させて、走行レールを把持、又は開放する押し付け型などを用いることができる。また、レールクランプの代わりに、岸壁にアンカーピンを打ち込み、逸走を防止する装置でもよい。さらに、レールガイド付きの走行輪を設けた台車型のレールクランプを用いたが、走行レール上を移動できれば、台車型でなくともよい。
最初に本発明に係る第1の実施の形態の港湾荷役機器について、図1を参照しながら説明する。ここで、免震クレーン(港湾荷役機器)1の走行方向をx方向、免震クレーン1の横行方向をy方向、鉛直方向をz方向とする。免震クレーン1の下部構造は、免震連結部10、レールクランプ(突風時逸走防止装置)20、及び中立位置保持機構30を備える。
免震連結部10はシルビーム3とレールクランプ20とを連結する。この免震連結部10は、傾動アーム11、第1接合部12、第2接合部13、及びシルビームコラム(支柱)14を備える。第1接合部12は、傾動アーム11とシルビームコラム14とを連結し、第2接合部13は、傾動アーム11とレールクランプ20とを連結している。
傾動アーム11を、シルビーム3から岸壁Gへ向かって、鉛直方向であるz方向に長手方向を有する柱状に形成する。この傾動アーム11は、第1接合部12を介して一端をシルビームコラム14と連結し、第2接合部13を介してもう一端をレールクランプ20と連結する。また、この傾動アーム11の長手方向は、シルビームコラム14とレールクランプ20とを連結するために必要な長さを有し、好ましくは2m〜4mの長さを有する。
第1接合部12を、揺動部材12aと連結ピン12bとから構成する。揺動部材12aは、シルビームコラム14と接合され、内部に傾動アーム11の一端と中立位置保持機構30を配置することができるように、内部に空間を有する。連結ピン12bは、y方向に長手方向を有するピンであり、その両端を揺動部材12aと接合する。
第2接合部13を、図2に示すように、連結部材13a、傾動ピン13b、及び傾動アーム11に設けた傾動ピン用孔13cとから構成する。連結部材13aは、レールクランプ20に接合される部材であると共に、傾動ピン13bが傾動ピン用孔13cから抜けないよう傾動ピン13bの両端に設けて、抜け止めの役割も果たす。
傾動ピン13bは、連結部材13aと傾動アーム11とを連結するピンであり、傾動アーム11が傾動するときの軸となるように形成し、その両端をそれぞれ連結部材13aと接合する。
傾動ピン用孔13cは、傾動アーム11の長手方向に楕円状に開口する長穴であり、且つ傾動アーム11をy方向に貫通する貫通孔である。この傾動ピン用孔13cに傾動ピン13bを挿通して、傾動アーム11を連結部材13aに軸支する。その傾動ピン13bを傾動ピン用孔13c内で傾動アーム11の長手方向に移動可能に、且つ傾動アーム11を傾動可能に、円筒状に形成する。通常時には、傾動ピン13bはこの傾動ピン用孔13cの地面と反対側の端部に位置する。
シルビームコラム14は、スライド部材接合部14a、第1回動部14b、メインコラム14c、第2回動部14d、及びシルビーム接合部14eを備える。この第1回動部14bと第2回動部14dはx方向に傾動軸方向を持つ。免震機構として、ここでは、シルビームコラム14を、図3に示すように、同様の構成をy方向に2本並べた、平行リンク機構として形成する。このシルビームコラム14は、少なくとも免震クレーン1の横行方向であるy方向の揺れを吸収することができればよく、上記の構成に限定しない。例えば、平行リンク機構の代わりに周知の積層ゴムによる免震機構を備えてもよい。
上記の構成によれば、レールクランプ20と免震クレーン1のシルビーム3との連結に、x方向及びy方向に免震効果を有する免震連結部10を設けることにより、地震の発生時にレールクランプ20の把持力を逃がすことができる。詳しく説明すると、免震クレーン1がx方向の地震の振幅を受けると、免震クレーン1と第1連結部12を介して連結された傾動アーム11が、第2接合部13を軸にして、地震の振幅に合せてx方向に往復傾動することができる。
また、免震クレーン1がy方向の地震の振幅を受けると、免震機構を有したシルビームコラム14がその振幅に合せて走行レールRを超えて振れる。これらにより、レールクランプ20の把持力を逃がすことができるので、免震クレーン1の車輪の浮き上がりを防ぐことができる。
また、レールクランプ20と免震クレーン1とが常に連結した状態を保ち、地震発生後もレールクランプ20が自立した状態を保つことができる。そのため、地震発生後の復旧を容易に行うことができる。
加えて、第2接合部13に傾動ピン用孔13cを設けることで、地震の振幅を受けて傾動アーム11が傾動ピン13bを軸にして往復傾動するときに、第2接合部13の傾動ピン13bが傾動ピン用孔13c内を傾動アーム11の長手方向の下方に移動し、地面の反対側から、地面側に移動することができる。これにより、レールクランプ20にかかる力を逃がすことができ、レールクランプ20が走行レールRから外れてしまうことを防止することができる。加えて、レールクランプ20に追加する構成がないため、従来使用していたレールクランプ20を用いることができる。
上記の傾動アーム11を地震の振幅に合せて第2接合部13を中心にして往復傾動させるために、図1に示すように、免震クレーン1は、連結ピン12bと傾動ピン13bとが、略鉛直に一致する位置を地震時の振幅の中立位置CPとし、連結ピン12bをその中立位置CPに固定する中立位置保持機構30を備える。中立位置保持機構30は、水平方向バネ(弾性体)30aと30bとを備える。
水平方向バネ30aと30bをそれぞれ揺動部材12a内で、傾動アーム11の上端部の両側に配置する。この水平方向バネ30aと30bは、x方向に傾動アーム11の上端部を付勢する。この水平方向バネ30aと30bのバネ力を、それぞれのバネ30aと30bの付勢力により、連結ピン12bが常に地震時の振幅の中立位置CP(第2接合部13とz方向で一致する位置)に保持されるように、レールクランプ20の走行抵抗以上に設定する。
上記の構成によれば、水平方向バネ30aと30bが、傾動アーム11を付勢することにより、連結ピン12bを地震時の振幅の中立位置CPに固定することができる。これにより、地震の発生時や暴風の発生時以外の通常時に、傾動アーム11が傾くことを防止することができ、地震の発生時に、傾動アーム11を地震の振幅に合せて、傾動ピン13bを軸に、x方向に往復傾動させることができる。
次に、免震クレーン1の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。図1に示すように、夜間の休業中や、走行を停止して作業を行う場合には、水平方向バネ30aと30bの付勢力によって、連結ピン12bを、傾動ピン13bと略鉛直に一致する位置、つまり傾動アーム11が略傾きがない状態で立つ位置である中立位置CPに保持する。
地震が発生し、x方向の振幅を受けたときは、図4の(a)及び(b)に示すように、シルビームコラム14がx方向に揺れる。それに合せて、傾動アーム11が傾動ピン13bを軸にして、x方向に往復傾動する。このとき、傾動ピン13bは、レールクランプ20にかかる力を逃がすように傾動ピン用孔13c内を地面と反対側から地面側へ移動する。また、水平方向バネ30aと30bが地震荷重によって互いに伸び縮みする。
ここで、レールクランプ20の停止位置をSP、連結ピン12bと傾動ピン13bとが略鉛直に一致する中立位置CPからの連結ピン12bのストロークを±Lとする。地震による振幅を受けても、レールクランプ20は走行レールRを把持しているため、停止位置SPは変化しない。連結ピン12bは、傾動アーム11の往復傾動によって、中立位置CPを中心にx方向に往復する。この往復のストローク±Lは、免震に必要なストロークであり、好ましくは±300mm〜±700mmである。
地震が発生し、y方向の振幅を受けたときは、図5に示すように、免震機構を備えるシルビームコラム14が、走行レールR上で振れる。
一方、免震クレーン1が突風を受けた場合には、傾動アーム11が風下側へ傾いて、止
まり、レールクランプ20の把持力が発揮され、逸走を防止することができる。
地震の揺れが収まると、水平方向バネ30aと30bの付勢力によって、傾動アーム11がz方向垂直に戻り、傾動ピン13bが傾動ピン用孔13c内を摺動して、元の地面と反対側の端部に位置する。
上記の動作によれば、走行を停止して作業する場合や、夜間に停止している場合に、免震クレーン1が突風を受けても、レールクランプ20が走行レールRを把持しているため、免震クレーン1は逸走することがない。そして、地震が発生した場合は、傾動アーム11が、傾動ピン13bを中心にして、免震クレーン1の走行方向であるx方向に往復傾動することができる。これにより、地震の発生時に、レールクランプ20の把持力が免震クレーン1に伝わることがなく、地震の振幅による脱輪や故障を防ぐことができる。
また、免震クレーン1の走行方向の振幅を傾動アーム11の往復傾動運動で吸収し、免震クレーン1の横行方向の振幅を免震機構を備えるシルビームコラム14で吸収することができるので、免震性を向上することができる。加えて、傾動アーム11に設けた傾動ピン用孔13c内を傾動ピン13bが移動することにより、レールクランプ20にかかる力を逃して、低減することで、レールクランプ20が外れてしまうことを防止することができる。
その上、従来で用いられていたシアーピン(剪断ピン)を使用せずに免震効果を得ることができる。これにより、従来に比べて地震後の復旧を容易の行うことができる。さらに、剪断荷重のコントロールの問題により、暴風などの影響で剪断ピンが破断してしまうことがない。
さらに、地震の揺れが収まったときに、レールクランプ20の把持力を解除するだけで、水平方向バネ30aと30bの付勢力によって傾動アーム11がz方向に立ち、連結ピン12bが中立位置CPに保持されるため、復旧を容易にすることができる。また、バネ30aと30bの付勢力で、連結ピン12bを地震時の振幅の中立位置CPに保持することができるので、地震の発生時には、複雑な制御を行わずに傾動アーム11が往復傾動することができる。
なお、この実施の形態では、支柱14を介して傾動アーム11の一端を脚構造物3と連結し、他端をレールクランプ20と連結したが、例えば、支柱14を介して他端をレールクランプ20と連結し、一端を直接脚構造物3と連結してもよい。
また、支柱14を用いずに、傾動アーム11と脚構造物3を、また、傾動アーム11とレールクランプ20をそれぞれ連結してもよい。ただし、この場合は、横行方向であるy方向の地震の振幅を逃がすように、連結部に積層ゴムによる免震機構を備えるとよい。加えて、y方向に往復傾動する傾動アーム11と、x方向に揺動する支柱14とを組み合わせてもよい。
次に、本発明に係る第2の実施の形態の免震クレーンについて、図6を参照しながら説明する。前述した第1の実施の形態の傾動アーム11が、地震の振幅、又は突風を受けて、傾動ピン13bを中心に往復傾動し、その往復の端部に移動したときに、その衝撃を緩和するバッファ(緩衝装置)41aと41bを揺動部材12a内部に備える。このバッファ41aと41bは、傾動アーム11が往復の端部に近接したときに、傾動アーム11と接触して、その衝撃を緩和することができる。このバッファ41aと41bは、30t〜50tの衝撃を吸収することができることが好ましく、周知の技術のバッファを用いることができる。
この構成によれば、大きな地震荷重や、風荷重を受けて、傾動アーム11が往復傾動しても、バッファ41aと41bが傾動アーム11の衝撃を吸収することができる。そのため、免震連結部40の耐性を向上することができる。また、想定外の大きな振動などにも耐えうることができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態の免震クレーンについて、図7を参照しながら説明する。第1の実施の形態のシルビームコラム14に換えて、免震クレーン1のシルビーム3と接合した、コラム(支柱)15を備える。このコラム15と揺動部材12aとを接合する。それ以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、この実施の形態の走行装置4a又は4bが、シルビーム3に対して回動する構造のため、脚構造物3と接合したが、例えば、走行装置4a又は4bが回動しない構成にすれば、同様の構成で走行装置4a又は4bと接合してもよい。この構成によれば、走行装置4a及び4bにレールクランプ20を設けても、前述と同様の作用効果を得ることができる。この構成は、第2の実施の形態にも適用することができる。
次に、本発明に係る第4の実施の形態の免震クレーンについて、図8を参照しながら説明する。この免震クレーン50は、傾動アーム51、第1接合部52、第2接合部53、シルビームコラム14、及びレールクランプ20を備える。
第1接合部52を揺動部材52a、傾動ピン52b、及び傾動アーム51に形成した傾動ピン用孔52cとから構成する。第2接合部53は、連結部材53aと連結ピン53bとから構成する。加えて、揺動部材52a内に、中立保持機構60として、水平方向バネ60aと60b、及び鉛直バネ60cとを備える。
この免震クレーン50は通常時に、鉛直バネ60cの付勢力により、鉛直アーム51がz方向の上方に持ち上げられ、傾動ピン52bを傾動ピン用孔52cの地面側の端部に位置する。地震が発生する時に、傾動ピン52bが傾動ピン用孔52c内を摺動して、地面の反対側のへ移動する。そして、地震の振幅に合わせて、連結ピン53bを軸に傾動アーム51が往復傾動する。
上記の構成によれば、シルビームコラム14と傾動アーム51との接合部である第1接合部52に、傾動ピン52bと傾動ピン用孔52cとを備えても、前述と同様の作用効果を得ることができるので、地震の発生時にレールクランプ20の把持力を逃すことができる。なお、この構成は、第2及び第3の実施の形態にも適用することができる。
本発明の荷役港湾機器は、逸走を防止する突風時逸走防止装置との連結部に、地震の振幅に合せて荷役港湾機器と共に、傾動アームが往復傾動するため、突風時逸走防止装置の把持力を逃すことができ、車輪の浮き上がりを防止することができるため、特に、免震装置を備えた港湾荷役機器に利用することができる。
1 免震クレーン(港湾荷役機器)
2a、2b 脚構造物
3 シルビーム
4a、4b 走行装置
10 免震連結部
11 傾動アーム
12 第1接合部
12a 揺動部材
12b 連結ピン
13 第2接合部
13a 連結部材(抜け止め部)
13b 傾動ピン
13c 傾動ピン用孔
14 シルビームコラム(支柱)
20 レールクランプ(突風時逸走防止装置)
30 中立位置保持機構
40 バッファ(緩衝装置)
CP 中立位置
SP 停止位置

Claims (5)

  1. 脚構造物と、この脚構造物の下方に設置されていてレール上を走行する走行装置と、前記脚構造物に連結部を介して連結されていて前記レール上を移動する突風時逸走防止装置とを備えた港湾荷役機器において、
    前記連結部が、下端部を前記突風時逸走防止装置に連結されて前記港湾荷役機器の走行方向に沿って傾動可能に構成されている傾動アームと、前記脚構造物または前記走行装置と前記傾動アームの上端部とを連結する第1接合部と、前記突風時逸走防止装置と前記傾動アームの下端部とを連結する第2接合部と、前記第2接合部と略鉛直に並ぶ位置に設けられた中立位置に前記第1接合部を保持する中立位置保持機構とを備えることを特徴とする港湾荷役機器。
  2. 前記中立位置保持機構が、前記傾動アームの前記上端部の前記走行方向の両側に設置されて、前記走行方向に伸縮する水平方向バネを備える請求項1に記載の港湾荷役機器。
  3. 前記連結部が、前記傾動アームの前記上端部と前記脚構造物との間に連結され前記走行方向を横断する横行方向に傾動可能に構成されているシルビームコラムを備える請求項1または2に記載の港湾荷役機器。
  4. 前記第1接合部が前記傾動アームの前記上端部と前記シルビームコラムとを連結する構成を備えていて、
    前記第1接合部または前記第2接合部のどちらか一方が、前記シルビームコラムまたは前記突風時逸走防止装置に設置されていて前記傾動アームを軸支する傾動ピンと、前記傾動アームに形成されていて前記傾動ピンを挿通させた状態で前記傾動アームの長手方向に移動可能とする傾動ピン用孔とを備える請求項3に記載の港湾荷役機器。
  5. 脚構造物と、この脚構造物の下方に設置されていてレール上を走行する走行装置と、前記脚構造物に連結部を介して連結されていて前記レール上を移動する突風時逸走防止装置とを備えた港湾荷役機器の免震方法において、
    前記連結部を、前記港湾荷役機器の走行方向に沿って傾動可能な傾動アームで構成して、この傾動アームの下端部を前記突風時逸走防止装置に連結して、前記走行方向に伸縮する水平方向バネを前記傾動アームの上端部の前記走行方向の両側に設置して前記傾動アー
    ムの前記上端部を前記傾動アームの前記下端部と略鉛直に並ぶ中立位置に保持させておき、
    地震が発生したときに、前記傾動アームの前記下端部を中心として、前記傾動アームの前記上端部を前記港湾荷役機器とともに前記走行方向に移動させることを特徴とする港湾荷役機器の免震方法。
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