JP7493172B2 - 排水栓装置 - Google Patents
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Description
上記排水栓装置のロック機構は、操作部からの指示を受けると、連結された伝達部材を介して弁体を上昇させるとともに、内部に配置されたギアが噛合することによって、排水口の開口状態を保持する。又、再度操作部に対して操作が加えられると上記ギアの噛合が解除され、弁体を下降させる。
このように、排水栓装置のロック機構は操作部の操作に伴い噛合/噛合の解除を行うことによって、操作の都度排水口の開口状態の保持と、当該保持の解除を切り替えることが可能となる。
そこで、特許文献1に記載の排水栓装置においては、ロック機構から連続する伝達部材の端部に取り付けられた弁軸内にショックアブソーバスプリングを設け、弁体からの衝撃がロック機構に伝わらない様にしている。このように、排水栓装置においてはロック機構の破損を防止する構造が求められている。
前記弁体の昇降操作を行う操作部と、前記昇降操作に伴い進退可能なインナーワイヤを有する伝達部材と、前記排水口の開口状態を保持するロック機構と、前記インナーワイヤの進退に伴い突出可能な内筒を有する筒部と、前記内筒を上方へ向けて付勢するリターンスプリングとを備える操作部側部材と、
前記排水口の開閉を行う前記弁体と、前記弁体を前記排水口へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体と連動する昇降部とを備える弁体側部材から成り、
前記昇降部は、
前記内筒の動作によって可動する機構部を有し、
前記機構部は、
前記スプリングによって前記内筒へ向けて付勢された第二歯車と、
前記弁体と接続された第三歯車と、
前記第二歯車と前記第三歯車に対して噛合することによって、前記第二歯車から受けた応力の方向を反転させて前記第三歯車へと伝達する第一歯車と、を備え、
前記内筒は、
前記昇降操作により、前記第二歯車へ向けて突出し、前記第二歯車に当接するとともに、前記第二歯車を下降させ、
前記弁体は、前記機構部の可動に伴い上方より引き上げられることによって前記排水口を開口させ、
前記内筒は前記第二歯車と切り離されており、
前記弁体が下降して前記排水口が閉塞された状態において、前記昇降操作が加えられていない状態のまま前記弁体に対して前記排水口を開口させる方向に応力が加えられた際に、前記第二歯車は前記内筒から離間することを特徴とする排水栓装置である。
又、図3に示すように、浴槽パン4は洗い場パン3側端部において、浴槽パン排水口5が形成されている。
飛び出し部15は、平面視側壁部12の中央であって、底壁部11と側壁部12が交差する角部において、側壁部12の外側、即ち洗い場2側に向けて形成された凹状の突出部であり、下面16を形成する壁面は底壁部11と段差無く連続している。又、当該下面16には排水口19が形成されているとともに、飛び出し部15の側面17を形成する壁面は、槽体10の側壁部13よりも洗い場2側に突出している。一方、飛び出し部15の上部には排水栓装置20の機構部51を有する昇降部50が配置されており、昇降部50から延設された弁軸55が飛び出し部15の上面18を形成する壁面を貫通し、弁体41と係合している。
排水口19は飛び出し部15の下面16を上下方向に貫通する円形の開口であり、槽体10の底壁部11と飛び出し部15の下面16の内、最も低い位置において形成されている。又、排水口19の上面には弁体41が載置されており、操作部25の操作によって開閉可能となっている。
上記排水口19は側壁部13の内側面よりも洗い場2側、即ち槽体10の外側に配置されており、図1に示すように、平面視において使用者からは目視不可能となっている。又、排水口19の下方には何の部材も取り付けられておらず、槽体10の下方には突出部が一切存在していない。
ロック機構30は上端より延設された棒状のロック軸34がスイッチ部26裏面に連結されているとともに、下端には伝達部材35が連結されている。又、ロック機構30は内部に回転ギア31、固定ギア32、傾斜歯33が配置されており、スイッチ部26に対する押動操作に伴い回転ギア31と固定ギア32が噛合/噛合の解除を行うことで、操作の都度排水口19の開口状態の保持と、当該保持の解除を切り替えることが可能となる。回転ギア31はロック軸34に対して、回転可能であるがロック軸34の軸方向には変位不可能となるように取り付けられており、固定ギア32及び傾斜歯33はロック機構30の内側面に形成されている。又、ロック軸34及び回転ギア31はリターンスプリングによってスイッチ部26側に向けて付勢されている。尚、ロック機構30の動作については後述する。
伝達部材35は樹脂製のアウターチューブ36及び金属製のインナーワイヤ37から成るレリースワイヤであって、インナーワイヤ37はアウターチューブ36内を摺動可能となっている。又、伝達部材35は端部に内筒38aと外筒38bから成る筒部38を有しており、内筒38aはインナーワイヤ37の進退に応じて外筒38bから突出可能となっている。
上記操作部側部材21は、上記リターンスプリングによって常に上方へ向けて付勢されている。従って、操作部側部材21の端部である内筒38aは弁体側部材40から離間する方向に向けて変位するように付勢されている。
次に、再度スイッチ部26に押動操作が加えられると、再び回転ギア31が下降し、傾斜歯33によって所定角度回転することで回転ギア31と固定ギア32の噛合が解除される。(図6(a))そして、使用者がスイッチ部26から手を離すと、リターンスプリングの作用によって上昇した回転ギア31が固定ギア32間に形成された溝内に配置され、インナーワイヤ37を後退させる。(図6(b))
第一歯車52はケーシング60に対して回動可能に取り付けられた円形の平歯車であって、第二歯車53と第三歯車54に対して噛合することによって、第二歯車53から受けた応力を反転させて第三歯車54へと伝達する。又、第一歯車52は小径の小歯車52aと大径の大歯車52bが組み合わされた二段歯車であり、小歯車52aには第二歯車53が噛合されており、大歯車52bには第三歯車54が噛合されている。尚、大歯車52bは小歯車52aの1.5倍の歯数となっている。
第二歯車53及び第三歯車54は第一歯車52と噛合する棒状のラックであって、第二歯車53は第一歯車52の操作部25側に配置されているとともに、第三歯車54は第一歯車52の弁体41側に配置されている。又、第二歯車53は上端が上記操作部側部材21の内筒38a端部と当接する位置に配設されているが、係合はしておらず、切り離されている。一方、第三歯車54は下端において弁軸55と嵌合されている。
弁軸55は飛び出し部15の上面18を貫通し、端部が弁体41と係合していると共に、ケーシング60内に配置されたスプリング56によって弁体41を排水口19に押し付ける方向に向けて付勢されている。従って、スプリング56によって、弁軸55と係合されている第三歯車54は排水口19に近接する方向に向けて変位するように付勢されているとともに、第二歯車53は操作部側部材21に近接する方向に向けて変位するように付勢されている。
上記第三歯車54の上昇に伴い弁軸55が上昇すると、弁軸55によって弁体41が上方より引き上げられて、図8に示すように排水口19が開口する。この時、ロック機構30は内部の回転ギア31と固定ギア32が噛合し、弁体41の上昇状態が保持される。そして、排水口19が開口することによって、槽体10内に貯留されていた湯水は排水口19より浴槽パン4上に直接排出される。尚、浴槽パン4上に排出された排水は浴槽パン排水口5を通じ、洗い場パン3下方に配置された排水トラップを介して下水側へと排出される。
次に、上記弁体41が上昇した状態より再度スイッチ部26に押動操作が加えられると、ロック機構30内部の回転ギア31と固定ギア32の噛合が解除され、リターンスプリングの作用によって操作部25側へとインナーワイヤ37が摺動し、内筒38aが後退する。この時、操作部側部材21より第二歯車53に対して加わっていた応力が消失することによって、スプリング56の反発によって弁軸55が下降するとともに、当該弁軸55によって弁体41が下方へと押し下げられる。下降した弁体41に嵌着されたパッキンが排水口19の周縁に当接することにより、排水口19が再び閉塞され、槽体10内に湯水を貯留することが可能となる。
一方、操作部側部材21と弁体側部材40は切り離されているため、操作部側部材21は閉塞状態にある弁体41に対して上昇する方向に応力が加えられても、当該弁体41の動作に連動しない。即ち、弁体41が上昇すると、上記の通り第二歯車53が下方に向けて変位するが、第二歯車53と筒部38は連結されておらず、操作部側部材21と弁体側部材40は切り離されているため、図9に示すように、操作部側部材21の端部である第二歯車53は筒部38より離間し、操作部側部材21に対して応力を伝達しない。
尚、上昇状態にある弁体41に対して下降する方向に応力が加えられた場合には、弁体41と弁軸55の係合が解除され、弁体41が装置から分離することによって、破損を防止することができる。
又、操作部側部材21の端部である筒部38は、リターンスプリングによって弁体側部材40から離間する方向に向けて変位するように付勢されているため、弁体側部材40から離間した状態を維持している。従って、弁体41に対して加えられていた応力が消失し、スプリング56の付勢によって弁体41が下降した際に操作部側部材21と弁体側部材40が干渉することはない。
又、第一歯車52によって第二歯車53と第三歯車54間における回転数・トルクが調整されていることにより、スイッチ部26に対する押し込み量が少なくても、第三歯車54を高く上昇させ、排水口19を広く開口し、好適な排水流量を確保することが可能となる。
又、本発明は上方から弁体41を引き上げることよって排水口19を開口する構造となっていることから、槽体10と防水パンとの間のスペースが狭い場合でも取り付けが可能である。即ち、本発明においては弁体41を昇降させるための部材を排水口19の下方に配置する必要がなくなることから、排水口19と防水パンの間のスペースが狭隘な浴室1であっても、排水栓装置20を取り付けることが可能となる。
又、本発明においては、槽体10の側壁部13に対して飛び出し部15が形成されているとともに、当該飛び出し部15の下面16を形成する壁面に排水口19が形成されている。これにより、排水口19や弁体41によって使用者が入浴を阻害することがなくなる。又、伝達部材35や機構部51が槽体10の外側に配置されているため、これらの部材が使用者に干渉することもない。
又、上記実施形態において、槽体は浴室内に配置された浴槽であったが、シンクや洗面ボウル等、その他の槽体であっても良い。
又、飛び出し部は槽体と一体に成形しても良く、槽体の成形後にビスや接着等によって別部材が取り付けられることで形成されても良い。
又、操作部は手動操作に基づいて作動する以外に、モータ等の駆動部を用いて作動する電動部を有し、リモコンその他の遠隔操作によって排水口を開閉させる構造であっても良い。
2 洗い場
3 洗い場パン
4 浴槽パン
5 浴槽パン排水口
10 槽体
11 底壁部
12 側壁部
13 側壁部
15 飛び出し部
16 下面
17 側面
18 上面
19 排水口
20 排水栓装置
21 操作部側部材
25 操作部
26 スイッチ部
30 ロック機構
31 回転ギア
32 固定ギア
33 傾斜歯
34 ロック軸
35 伝達部材
36 アウターチューブ
37 インナーワイヤ
38 筒部
38a 内筒
38b 外筒
40 弁体側部材
41 弁体
42 係合部
50 昇降部
51 機構部
52 第一歯車
52a 小歯車
52b 大歯車
53 第二歯車
54 第三歯車
55 弁軸
56 スプリング
60 ケーシング
Claims (1)
- 弁体によって槽体の排水口を開閉する排水栓装置であって、
前記弁体の昇降操作を行う操作部と、前記昇降操作に伴い進退可能なインナーワイヤを有する伝達部材と、前記排水口の開口状態を保持するロック機構と、前記インナーワイヤの進退に伴い突出可能な内筒を有する筒部と、前記内筒を上方へ向けて付勢するリターンスプリングとを備える操作部側部材と、
前記排水口の開閉を行う前記弁体と、前記弁体を前記排水口へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体と連動する昇降部とを備える弁体側部材から成り、
前記昇降部は、
前記内筒の動作によって可動する機構部を有し、
前記機構部は、
前記スプリングによって前記内筒へ向けて付勢された第二歯車と、
前記弁体と接続された第三歯車と、
前記第二歯車と前記第三歯車に対して噛合することによって、前記第二歯車から受けた応力の方向を反転させて前記第三歯車へと伝達する第一歯車と、を備え、
前記内筒は、
前記昇降操作により、前記第二歯車へ向けて突出し、前記第二歯車に当接するとともに、前記第二歯車を下降させ、
前記弁体は、前記機構部の可動に伴い上方より引き上げられることによって前記排水口を開口させ、
前記内筒は前記第二歯車と切り離されており、
前記弁体が下降して前記排水口が閉塞された状態において、前記昇降操作が加えられていない状態のまま前記弁体に対して前記排水口を開口させる方向に応力が加えられた際に、前記第二歯車は前記内筒から離間することを特徴とする排水栓装置。
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2020
- 2020-02-28 JP JP2020032950A patent/JP7493172B2/ja active Active
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