JP7475595B2 - 排水栓装置 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献2に示すように、槽体の排水構造として、排水を直接防水パンへと排出する構造が知られているが、このような排水構造において、槽体と防水パンとの間のスペースが非常に狭く、上記排水栓装置を取り付けることが不可能な場合があった。即ち、槽体と防水パンの間に伝達部材が屈折するスペースが確保できないと、特許文献1のような排水栓装置は槽体に取り付けることができなかった。
特許文献3に記載の槽体は、底壁部と、底壁部の周囲から立設された側壁部を備える浴槽であって、底壁部の中央部には排水口が形成されており、排水口が使用者の邪魔にならないよう、槽体に凹部を設け、当該凹部内に排水口や排水鎖を配置している。
しかし、排水口、排水鎖とも浴槽の側面より内側面に配置されているため、凹部が存在しない場合に比べて頻度は減るとしても、使用者に干渉してしまう場合がある。特に介護用浴槽の使用者など、使用者が身体的に不自由な場合、排水口や排水鎖に触れてしまっても、体を移動させて排水口や排水鎖を避けることが難しいことがあった。
更に、上記特許文献3に特許文献1の排水栓装置を取り付けた場合には、弁体が使用者に干渉し、入浴の邪魔となってしまう。
尚、上記2点の問題は、特に介護用浴槽において顕著である。
前記排水口の開閉を行う弁体と、
押動操作により前記弁体の昇降操作を行うスイッチ部を有する操作部と、
前記弁体の上昇状態を保持するロック機構と、
前記操作部に加えられた操作を前記弁体へと伝達する伝達部材と、
前記伝達部材から加えられる応力の方向を反転させる機構部とを備え、
前記ロック機構は前記伝達部材を前記操作部側へと後退させるリターンスプリングを有し、
前記弁体は、前記機構部で反転された応力によって上方より引き上げられることによって前記排水口を開口するとともに、前記リターンスプリングの反発によって下降して前記排水口を閉塞することを特徴とする排水栓装置である。
底壁部の周囲から立設された側壁部と、
前記側壁部の下端において、外側に向けて延設された飛び出し部を備え、
前記排水口は前記飛び出し部の壁面に形成されていることを特徴とする排水栓装置を備えた槽体である。
前記飛び出し部が形成された前記側壁部の内側面よりも外側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の排水栓装置を備えた槽体である。
底面が前記底壁部と連続することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の排水栓装置を備えた槽体である。
少なくとも一部が前記槽体の外側を経由するとともに、
一端が前記飛び出し部に接続されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の排水栓装置を備えた槽体である。
又、図3に示すように、浴槽パン4は洗い場パン3側端部において、槽体10の長手方向に溝5が凹設されており、当該溝5に浴槽パン排水口19が形成されている。又、溝5には格子状の蓋体であるグレーチング6が載置されている。
飛び出し部15は、平面視側壁部13の中央であって、図3に示すように、底壁部11と側壁部13が交差する角部において、側壁部13の外側、即ち洗い場2側に向けて延設された凹状の突出部であり、下面16を形成する壁面は底壁部11と段差無く連続している。又、当該下面16には排水口19が形成されているとともに、飛び出し部15の側面17を形成する壁面は、槽体10の側壁部13よりも側面方向の外側に突出している。一方、飛び出し部15の上部には排水栓装置20の機構部40が配置されており、機構部40から延設された弁軸43が飛び出し部15の上面18を形成する壁面を貫通し、弁体21と係合している。
排水口19は飛び出し部15の下面16を上下方向に貫通した円形の開口であり、槽体10の底面の内、最も低い位置において形成されている。又、排水口19は側壁部13の内側面よりも外側に配置されており、図1に示すように、平面視において使用者からは目視不可能となっている。
弁体21は排水口19の開閉を行う弁部材であって、伝達部材35を介して操作部25に接続されており、当該操作部25に加えられた操作に基づいて上下動し、排水口19を開閉する。又、図4に示すように、弁体21は上面に略C字状の係合部22が形成されており、当該係合部22に弁軸43が係合されている。弁体21は排水栓装置20の作動時において、弁軸43によって上方より引き上げられることによって排水口19を開口するとともに、弁軸43によって上方より押し下げられることによって排水口19を閉塞する。
ロック機構30は端部に伝達部材35が連結されており、上記スイッチ部26に押動操作が加えられると、インナーワイヤ37を弁体21側へ突出させて弁体21を上昇させるとともに、内部に配置された回転ギア31及び固定ギア32が噛合することによって当該弁体21の上昇状態を保持する。尚、再度スイッチ部26に押動操作が加えられると、上記ギアの噛合が解除されるとともに、リターンスプリングによってインナーワイヤ37が操作部25側へと後退することで弁体21を下降させる。
伝達部材35は樹脂製のアウターチューブ36及び金属製のインナーワイヤ37から成るレリースワイヤであって、端部に筒部38を有している。当該伝達部材35は操作部25に対して押動操作が加えられると、アウターチューブ36内をインナーワイヤ37が摺動し、筒部38を進退させる構造となっている。又、伝達部材35は一端が操作部25に接続されていると共に、他端が機構部40に接続されている。
次に、再度スイッチ部26に押動操作が加えられると、再び回転ギア31が下降し、傾斜歯33によって所定角度回転することで回転ギア31と固定ギア32の噛合が解除される。(図8(a))そして、使用者がスイッチ部26から手を放すと、リターンスプリングの作用によって上昇した回転ギア31が溝内に配置され、インナーワイヤ37を後退させるとともに、弁体21を下降させる。(図8(b))
次に、上記弁体21が上昇した状態より再度スイッチ部26に押動操作が加えられると、ロック機構30内部の回転ギア31と固定ギア32の噛合が解除され、リターンスプリングの作用によって操作部25側へとインナーワイヤ37が摺動する。この時、筒部38が後退することによって機構部40内においてロッド42の一端が上昇するとともに他端が下降し、弁軸43によって弁体21が下方へと押し下げられる。この時、下降した弁体21に嵌着されたパッキンが排水口19の周縁に当接することによって排水口19が再び閉塞され、槽体10内に湯水を貯留することが可能となる。
ここで、応力の方向を反転させる構造が無い場合、排水口19の閉口時に槽体10上縁とスイッチ部26とが略面一になるように構成すると、排水口19の開口時には、スイッチ部26は槽体10上縁よりも上方に突出する構造になる。しかし、スイッチ部26が槽体10上縁より上方に突出していると、槽体10の縁部に蓋を載置した際や、使用者が意図せず触れた際等に、誤って排水口19を開口させてしまう場合があった。
一方、排水口19の開口時に槽体10上縁とスイッチ部26とが略面一になるようにすると、排水口19の閉口時には、スイッチ部26は槽体10上縁(又は操作部25上縁)より下方に落ちくぼんだ状態となってしまい、入浴中の意匠性が悪くなる上、操作部25のスイッチ部26上方に溢れた浴湯が溜まってしまい、使用者に不快感を与えてしまう。
このため、応力の方向を反転させる構造を採用して、排水口19の閉口時、つまり使用者の入浴時には槽体10上縁とスイッチ部26とが略面一となり、且つ排水口19の開口時/閉口時共に槽体10上縁からスイッチ部26が突出することが無く、誤作動の生じない構造としている。
又、上記各実施形態において、槽体10は浴室1内に配置された浴槽であったが、シンクや洗面ボウル等、その他の槽体であっても良い。
又、飛び出し部15は槽体10と一体に成形しても良く、槽体10の成形後にビスや接着等によって別部材として取り付けることで形成しても良い。
2 洗い場
3 洗い場パン
4 浴槽パン
5 溝
6 グレーチング
10 槽体
11 底壁部
12 側壁部
13 側壁部
15 飛び出し部
16 下面
17 側面
18 上面
19 排水口
20 排水栓装置
21 弁体
22 係合部
25 操作部
26 スイッチ部
30 ロック機構
31 回転ギア
32 固定ギア
33 傾斜歯
35 伝達部材
36 アウターチューブ
37 インナーワイヤ
38 筒部
40 機構部
41 回転軸
42 ロッド
43 弁軸
Claims (5)
- 槽体の排水口を開閉する排水栓装置であって、
前記排水口の開閉を行う弁体と、
押動操作により前記弁体の昇降操作を行うスイッチ部を有する操作部と、
前記弁体の上昇状態を保持するロック機構と、
前記操作部に加えられた操作を前記弁体へと伝達する伝達部材と、
前記伝達部材から加えられる応力の方向を反転させる機構部とを備え、
前記ロック機構は前記伝達部材を前記操作部側へと後退させるリターンスプリングを有し、
前記弁体は、前記機構部で反転された応力によって上方より引き上げられることによって前記排水口を開口するとともに、前記リターンスプリングの反発によって下降して前記排水口を閉塞することを特徴とする排水栓装置。 - 請求項1に記載の排水栓装置を備えた槽体であって、
底壁部の周囲から立設された側壁部と、
前記側壁部の下端において、外側に向けて延設された飛び出し部を備え、
前記排水口は前記飛び出し部の壁面に形成されていることを特徴とする排水栓装置を備えた槽体。 - 前記排水口は、
前記飛び出し部が形成された前記側壁部の内側面よりも外側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の排水栓装置を備えた槽体。 - 前記飛び出し部は、
底面が前記底壁部と連続することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の排水栓装置を備えた槽体。 - 前記排水栓装置は、
少なくとも一部が前記槽体の外側を経由するとともに、
一端が前記飛び出し部に接続されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の排水栓装置を備えた槽体。
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2019
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