JP7488495B2 - 乗り物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗り物用シートに係り、特に、ヘッドレストと、ヘッドレストの内部に設けられるスピーカと、を備えた乗り物用シートに関する。
従来、ヘッドレストの内部にスピーカ(音響装置)を搭載した乗り物用シートが知られている。
例えば、特許文献1には、左右のスピーカと、左右のスピーカを組み付けるためのスピーカ組み付け体と、を備えたヘッドレストが開示されている。
上記スピーカ組み付け体は、左右のスピーカをそれぞれシート前方側に露出させた状態で保持する左右のスピーカ保持部(エンクロージャー)と、左右のスピーカ保持部を連結する連結部(連結板)と、を有している。左右のスピーカ保持部は、組み付けボルトによって連結部に組み付けられている。また、スピーカ組み付け体は、ヘッドレスト(ヘッドレストピラー)に取付板を介して取り付けられている。
特表2017-525456号公報
ところで、特許文献1のようなスピーカを搭載したヘッドレストにおいては、ヘッドレストの構造が比較的複雑になることから、ヘッドレスト(ヘッドレストピラー)に対しスピーカ及びスピーカ組み付け体をより容易に組み付けられることが求められていた。また、スピーカ組み付け体の構成をよりシンプルにすることが求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ヘッドレストに対しスピーカを従来よりも容易に組み付けることが可能な乗り物用シートを提供することにある
前記課題は、本発明の乗り物用シートによれば、シートバックに連結されるピラーを有するヘッドレストと、前記ヘッドレストの内部に設けられるスピーカと、を備えた乗り物用シートであって、前記スピーカに接続されるハーネスと、前記スピーカを組み付けるためのスピーカ組み付け体と、を備え、前記スピーカ組み付け体は、左右の前記スピーカを連結する連結部を有し、前記連結部には、切り欠かれた切り欠き部分が形成され、前記ハーネスは、前記切り欠き部分を通過するように配置されていること、により解決される。
上記構成により、ヘッドレストに対しスピーカを従来よりも容易に組み付けることが可能な乗り物用シートを実現することができる
このとき、前記連結部は、後壁部と、前記後壁部からシート前方に延びている上壁部と、前記上壁部から上方へ延びている前壁部と、を有し、前記切り欠き部分は、前記上壁部に設けられていると良い。
また、前記ハーネスは、前記切り欠き部分を上下方向に通過するように配置されていると良い。
また、前記後壁部には、前記切り欠き部分の下方位置において前記ハーネスを取り付けるためのハーネス取り付け穴が形成されていると良い。
また、前記ハーネスは、前記後壁部の前面に取り付けられていると良い。
また、前記ピラーは、シート幅方向に間隔を空けて配置され、上下方向に延びている左右のピラー延出部を有し、前記切り欠き部分は、前記ヘッドレストの正面視において左右の前記ピラー延出部の間の位置に設けられていると良い。
また、前記切り欠き部分は、前記ピラーの上端部よりも下方位置に配置されていると良い。
また、前記ピラーは、左右の前記ピラー延出部の上端部を連結するピラー連結部を有し、前記切り欠き部分は、前記ピラー連結部よりも下方位置に配置されていると良い。
また、前記乗り物用シートは、左右のマイクをさらに備え、前記切り欠き部分は、前記マイクよりも上方位置に配置されていると良い。
また、前記ヘッドレストは、前記ピラーをシート前方から覆うように配置される前方カバーと、前記ピラーをシート後方から覆うように配置される後方カバーと、前記前方カバー及び前記後方カバーに載置されるクッション材と、前記前方カバー、前記後方カバー及び前記クッション材を被覆する表皮材と、を備え、前記切り欠き部分は、前記前方カバーと、前記後方カバーとによって形成される空間内に配置されていると良い。
本発明によれば、ヘッドレストに対しスピーカを従来よりも容易に組み付けることが可能な乗り物用シートを実現できる。また、スピーカ組み付け体の構成を従来よりもシンプルにすることができる
本実施形態の乗り物用シートの斜視図である。 ヘッドレストの横断面図であって、クッション材、表皮材を示す図である。 シートフレーム、ブロア装置の斜視図である。 シートフレーム、ブロア装置の正面図である。 ピラー、前方カバー、後方カバー、下方カバーの分解斜視図である。 別の角度から見たピラー、前方カバー、後方カバー、下方カバーの分解斜視図である。 前方カバーの要部拡大図であって、開口部を示す図である。 スピーカ、マイク、スピーカ組み付け体及び後方カバーの正面図である。 ハーネスの取り回しを説明する図である。 ピラー内部にハーネスが通された状態を示す図である。 ピラー内部からハーネスが露出した状態を示す図である。 図8のXI-XI断面図である。 図8のXII-XII断面図である。 乗り物用シートの製造方法1を説明する図である。 図13Aの続きを示す図である。 図13Bの続きを示す図である。 乗り物用シートの製造方法2を説明する図である。 図14Aの続きを示す図である。 図14Bの続きを示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図1~図14Cを参照して説明する。
本実施形態は、ヘッドレストと、ヘッドレストの内部に設けられる左右のスピーカとを備えた乗り物用シートであって、ヘッドレストが、スピーカを組み付けるためのスピーカ組み付け体を備えており、当該スピーカ組み付け体が、左右のスピーカをそれぞれシート前方側に露出させた状態で保持する左右のスピーカ保持部と、左右のスピーカ保持部を連結し、左右のスピーカ保持部と一体に形成される連結部とを有していることを主な特徴とする乗り物用シートに関するものである。
なお、乗り物用シートのシートバック(ヘッドレスト)に対して着座者が着座する側がシート前方側となる。
本実施形態の乗り物用シートSは、図1に示すように、車両用シートであって、シートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレスト3とを有するシート本体と、図3に示すように、シートバック2の内部に取り付けられ、着座者に向けて空気を吹き出すブロア装置4と、ヘッドレスト3の内部にそれぞれ取り付けられ、着座者に向けて音を出力するスピーカ5と、着座者又は外部からの音を受信して電気信号に変換するマイク6と、を備えている。
また、乗り物用シートSは、シート本体に取り付けられ、ブロア装置4、スピーカ5及びマイク6と接続され、ブロア装置4、スピーカ5及びマイク6を制御する制御装置7を備えている。
そのほか、乗り物用シートSは、車体フロアに対してシート本体を前後移動可能に支持するレール装置と、車体フロアに対してシート本体を昇降可能に連結するハイトリンク装置と、シートクッション1に対してシートバック2を回動可能に連結するリクライニング装置と、をさらに備えていても良い。
シートクッション1は、図1に示すように、着座者を下方から支持する着座部であって、骨格となるクッションフレーム10と、クッションフレーム10上に載置されるクッション材1aと、クッションフレーム10及びクッション材1aを被覆する表皮材1bと、から主に構成されている。
シートバック2は、図1、図3に示すように、着座者を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となるバックフレーム20と、クッション材2aと、表皮材2bと、から主に構成されている。
ヘッドレスト3は、図1~図3に示すように、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、骨格となるヘッドレストフレーム30と、ヘッドレストフレーム30上に載置されるクッション材3a、3bと、ヘッドレストフレーム30及びクッション材3a、3bを被覆する表皮材3c、3dと、から主に構成されている。
クッション材3aは、図2に示すように、ウレタン等の弾性材料から形成された弾性体である。
第2クッション材3bは、三次元状に絡み合う繊維により形成された立体網状の弾性体である。第2クッション材3bは、クッション材としての機能と、スピーカ5から出力される音を透過させる機能と、を兼ね備えている。
なお、第2クッション材3bは、クッション材3aよりも音響透過性が高く形成されていれば良く、立体網状の弾性体に限定されるものではない。
表皮材3cは、図2に示すように、伸縮性を有する皮革材料等から形成された被覆材である。
第2表皮材3dは、三次元状に絡み合う繊維により形成された被覆材である。第2表皮材3dは、被覆材としての機能と、スピーカ5から出力される音を透過させる機能と、を兼ね備えている。
なお、第2表皮材3dは、表皮材3cよりも音響透過性が高く形成されていれば良く、特に限定されるものではない。
上記構成において、図2に示すように、クッション材のうち、シート前後方向において左右のスピーカ5、マイク6に対応するクッション部分が、第2クッション材3bとなっている。それ以外のクッション部分がクッション材3aとなっている。
また、表皮材のうち、シート前後方向において左右のスピーカ5、マイク6に対応する表皮部分が、第2表皮材3dとなっている。それ以外の表皮部分が表皮材3cとなっている。
そうすることで、スピーカ5から発生する音をより効率良く外部に伝えることができる。また、着座者の頭部がヘッドレスト3に接触したときに、着座者に違和感を与えてしまうことを抑制できる。
なお、スピーカ5のみに対応するクッション部分、表皮部分が、それぞれ第2クッション材3b、第2表皮材3dとなっていても良い。
あるいは、ヘッドレスト3のクッション材全体、表皮材全体が、それぞれ第2クッション材3b、第2表皮材3dとなっていても良い。
<ブロア装置、スピーカ、マイク、制御装置>
ブロア装置4は、図3、図4に示すように、バックフレーム20の上方部分の前面に取り付けられている。具体的には、バックフレーム20のうち、連結フレーム23及び後方フレーム24の前面に取り付けブラケット27を介して取り付けられている。
ブロア装置4は、空気を供給するブロア本体4aと、空気を通過させるダクト4bと、着座者の背中に向けて空気を吹き出す吹き出し口4cと、を有している。
ブロア本体4aは、バックフレーム20の上方部分の中央位置に配置されている。
ダクト4bは、ブロア本体4aからシート幅方向の外側(右側)に延びて、ピラー31を取り囲むように屈曲し、シート前方側に延びている。
吹き出し口4cは、ダクト4bの延出端部に形成されている。
なお、ブロア装置4(ブロア本体4a)は、ブロア用ハーネス4dを介して制御装置7と接続されている。ブロア用ハーネス4dは、ブロア本体4aからシート幅方向の外側(左側)に延びて、ピラー31を取り囲むように屈曲し、下方に延びている。
スピーカ5は、図3、図5に示すように、スピーカユニットであって、ヘッドレストフレーム30の内部に設けられ、ヘッドレストフレーム30の左右側方部分に配置されている。具体的には、ヘッドレストフレーム30のうち、後方カバー50の前面にスピーカ組み付け体70を介して左右に取り付けられている。
マイク6は、マイクユニットであって、スピーカ5と同様にヘッドレストフレーム30の左右側方部分に配置され、スピーカ組み付け体70を介して左右に取り付けられている。
スピーカ5、マイク6は、図3、図8~図10に示すように、それぞれスピーカ用のハーネス100A、マイク用のハーネス100Bを介して制御装置7と接続されている。
ハーネス100A、100Bは、それぞれスピーカ5、マイク6からシート幅方向の内側に延びて1本のハーネス100にまとめられ、ピラー31(左側のピラー31)の内部を通過して下方に延びている。詳細は後述する。
制御装置7は、図1に示すように、電装部品を制御する装置であって、クッションフレーム10の底面に不図示のホルダーを介して取り付けられている。
制御装置7は、ブロア装置4とブロア用ハーネス4d及びハーネス100を介して電気的に接続されている。また、スピーカ5、マイク6とハーネス100(ハーネス100A、100B)を介して電気的に接続されている。なお、制御装置7は、これら電装部品と無線通信で接続されていても良い。
また、制御装置7は、不図示のバッテリーとも接続されており、ブロア装置4、スピーカ5、マイク6に電気を供給するように制御する。
制御装置7は、例えば、外部の端末、例えばタブレット端末、スマートフォン、PC等のコンピュータ、電気機器と外部接続され、所定の制御信号(制御情報)を受信する。そして、当該制御信号に基づいてブロア装置4、スピーカ5及びマイク6の駆動を制御する。
なお、制御装置7は、乗り物用シートSの内部において別の箇所に取り付けられても良いし、乗り物用シートSの外部に取り付けられても良い。
<シートフレーム>
クッションフレーム10は、図示を省略しているところ、略矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置され、シート前後方向に延びているクッションサイドフレームと、各クッションサイドフレームの前方部分に架設されるパンフレームと、各クッションサイドフレームの後方部分を連結する連結フレームと、パンフレーム及び連結フレームに掛け止めされ、シート前後方向に蛇状に延びている複数の弾性バネと、から主に構成されている。
なお、本実施形態では、クッションフレーム10(パンフレーム)の底面に制御装置7が取り付けられている。
バックフレーム20は、図3、図4に示すように、略矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置され、上下方向に延びているサイドフレーム21と、各サイドフレーム21の上端部分を連結する逆U字形状の上部フレーム22と、各サイドフレーム21の下端部分を連結する不図示の下部フレームと、上部フレーム22の左右の下方部分に架け渡され、シート幅方向に延びている板状の連結フレーム23と、上部フレーム22の後面に取り付けられるプレート状の後方フレーム24と、を備えている。
また、バックフレーム20は、連結フレーム23及び下部フレームに掛け止めされ、上下方向に延びている左右の支持ワイヤ25(乗員支持ワイヤ)と、バックフレーム20の中央部に配置され、左右の支持ワイヤ25によって保持され、着座者を後方から支持する略矩形状の支持プレート26(乗員支持プレート)と、をさらに備えている。
なお、左右のサイドフレーム21、上部フレーム22及び下部フレームが「枠状の本体フレーム」に相当する。
連結フレーム23及び後方フレーム24の前面には、ブロア装置4を取り付けるための取り付けブラケット27がさらに取り付けられている。
詳しく述べると、連結フレーム23のシート幅方向の中央部分は、シート後方に窪んだ窪み形状を有している。後方フレーム24は、上部フレーム22及び連結フレーム23の略全体を後方から覆うように配置されている。
そして、取り付けブラケット27は、シート前方から連結フレーム23の前面に一部嵌め込まれた状態で取り付けられ、かつ、連結フレーム23及び後方フレーム24に複数の締結ボルト28によって固定されている。
取り付けブラケット27は、シート前後方向において左右のピラー31と後方フレーム24の間に挟まれて配置されている。
また、複数の締結ボルト28は、シート前方から見てブロア装置4(ブロア本体4a)を囲むように配置されている。
そうすることで、ブロア装置4の取り付け剛性を高めることができる。
後方フレーム24の下端部には、ハーネス100を保持するためのハーネス保持部24aが形成されている。また、ハーネス保持部24aの前面には、ハーネス100に設けられた第3取り付けクリップ103(第3被取り付け部)を取り付けるための第3ハーネス取り付け穴24b(第3ハーネス取り付け部)が形成されている。
ハーネス保持部24aは、後方フレーム24の下端部から垂れ下がり、シート幅方向に間隔を空けて複数形成されている。
上記構成により、スピーカ5及びマイク6から延びているハーネス100を好適に保持することができる。また、ハーネス100が他の構成部品と干渉することを抑制できる。
上部フレーム22の上端部には、ヘッドレスト3の芯材となる左右のピラー31を取り付けるための左右のピラーガイド29が組み付けられている。
ピラーガイド29は、バックフレーム20に固定されており、ピラー31を上下方向に移動可能に保持するガイド部材である。
左右のピラーガイド29は、シート前後方向において取り付けブラケット27と重なる位置に配置されており、かつ、シート幅方向において取り付けブラケット27とは異なる位置に配置されている。
そのため、構成部品同士をコンパクトに配置しながらも、構成部品同士が互いに干渉することを抑制する設計となっている。
ヘッドレストフレーム30は、図3、図5~図7に示すように、ヘッドレスト3の芯材となる逆U字形状のピラー31と、ピラー31にそれぞれ組み付けられ、ピラー31をシート前後方向から挟むように配置される前方カバー40及び後方カバー50と、ピラー31を下方から覆うように配置される下方カバー60と、から主に構成されている。
前方カバー40、後方カバー50及び下方カバー60は、ピラー31、スピーカ5、マイク6及びスピーカ組み付け体70を外部から覆うように配置され、互いに組み付けられている。
なお、前方カバー40、後方カバー50及び下方カバー60が、「ヘッドレストの本体」に相当する。
ピラー31は、図5、図6、図8に示すように、ヘッドレスト3の本体を支持する筒状の支持部材であって、シート幅方向に所定の間隔を空けて配置され、ヘッドレスト3の本体からシートバック2に向かって下方に延びている左右のピラー延出部31aと、左右のピラー延出部31aの上端部を連結し、シート幅方向に延びているピラー連結部31bと、を有している。
ピラー31(左側のピラー延出部31a)の外周面には、図9A、Bに示すように、ハーネス100を通すためのハーネス挿通孔32が形成されている。
ハーネス挿通孔32は、シート幅方向においてピラー延出部31aの内側面に形成され、その断面形状が逆テーパー形状となっている。
そのため、ピラーにハーネスを挿通し易くすることができる。また、意図せずハーネスが変形することを抑制できる。
なお、ハーネス挿通孔32の断面形状は、テーパー形状となっていても良いし、直線形状となっていても良い。
ピラー31(左側のピラー延出部31a)の下端部には、図3、図10に示すように、金属製のピラー31よりも可撓性を有する筒状のキャップ部材33が取り付けられている。
キャップ部材33は、ピラーエンドキャップとも称され、例えばゴム製のキャップであって、ピラー31の下端部に下方から着脱可能に取り付けられている。
キャップ部材33は、その内周面に形成され、ピラー31の外周面に設けられた支持溝31cに掛け止め可能な支持突起33aを有している。
キャップ部材33は、支持突起33aによって支持溝31cに掛け止められた状態で、ピラー31の下端部の端面、内面及び外面を覆うように取り付けられている。
そのため、ハーネス100がピラー31の下端部から露出するときに、ハーネス100をキャップ部材33によって保護することができる。
<前方カバー>
前方カバー40は、図3、図5~図7に示すように、樹脂製のカバーであって、後方カバー50及び下方カバー60と一体的に組み付けられる。
詳しく述べると、前方カバー40は、シート前後方向において後方カバー50と組み付けられた後に、上下方向において下方カバー60と組み付けられる。
前方カバー40は、前壁部40aと、上壁部40bと、左右の側壁部40cと、底壁部40dと、を備えたプレート体である。
また、前方カバー40は、シート幅方向の中央部に設けられたカバー中央部41と、カバー中央部41よりも左右外側に配置され、カバー中央部41よりもシート前方に突出している左右のカバーサイド部42と、を備えている。
前方カバー40の外縁において上端部及び左右両端部には、シート後方に突出し、後方カバー50(係止爪55)に係止可能な係止片43及び係止穴43aが形成されている。
前方カバー40の後面の上端部には、シート後方に突出し、後方カバー50(第1ピラー掛け止めクリップ56)に組み付け可能な第1ピラー掛け止め凹部44が形成されている。また、前方カバー40の底面の後端部には、後方カバー50(左右の第2ピラー掛け止めクリップ57)に組み付け可能な左右の第2ピラー掛け止め凹部45が形成されている。
前方カバー40の前面の下方部分には、シート後方に窪むように設けられ、後方カバー50(組み付け穴58)に組み付け可能な左右の組み付けボス46(組み付け部)が形成されている。
上記構成により、前方カバー40は、係止片43(係止穴43a)が係止爪55に着脱可能に係止され、ピラー掛け止め凹部44、45がピラー掛け止めクリップ56、57に着脱可能に掛け止められることで、後方カバー50に仮固定される。
そして、前方カバー40は、組み付けボス46が組み付け穴58にボルト組み付けされることで、後方カバー50に本固定される。
前方カバー40の底面には、上下方向に貫通するように設けられ、下方カバー60(係合フック62)に組み付け可能な係合穴47が形成されている。
前方カバー40の下端部には、下方に突出するように形成され、下方カバー60(固定ボス63)に固定される固定穴48(固定部)が形成されている。
上記構成により、前方カバー40は、係合穴47が係合フック62に着脱可能に係合されることで、下方カバー60に仮固定される。
そして、前方カバー40は、固定穴48に固定ボス63を当接させた状態でボルト固定することで、下方カバー60に一体的に固定される。
詳しく述べると、前方カバー40の固定穴48と、後方カバー50の固定穴59とを割符のように重ね合わせた状態で固定ボス63を当接させる。その後、ボルト固定することによって、前方カバー40、後方カバー50及び下方カバー60が本固定される。
左右のカバーサイド部42は、図3、図7に示すように、シート前後方向において左右のスピーカ5に対応する位置に形成された格子状の開口部49を有している。
開口部49は、スピーカグリルとも称され、スピーカ5から出力される音を通過させるための複数の通過孔を有している。
なお、開口部49は、格子形状に形成されているが特に限定されることなく、網状に形成されても良いし、音を通過可能な形状であれば特に限定されない。
開口部49の後面には、図7に示すように、格子状の枠に沿って形成された補強リブ49aが形成されている。
補強リブ49aは、シート幅方向及び上下方向に延びている。シート幅方向に延びている補強リブ49aは、カバー中央部41とカバーサイド部42の間の壁部41a(区画壁部)に連結されている。
<後方カバー>
後方カバー50は、図5、図6、図8に示すように、に示すように、樹脂製のカバーであって、前方カバー40及び下方カバー60と一体的に組み付けられる。
後方カバー50は、シート前後方向において前方カバー40と組み付けられた後に、上下方向において下方カバー60と組み付けられる。
後方カバー50は、後壁部50aと、上壁部50bと、左右の側壁部50cと、底壁部50dと、を備えたプレート体である。
後方カバー50の前面の上端部には、シート前方に突出し、スピーカ組み付け体70(左右のカバー取り付け穴91)に取り付け可能な左右の取り付けボス51(取り付け部)が形成されている。また、後方カバー50の前面の下端部には、スピーカ組み付け体70(左右の第2カバー取り付け穴85)に取り付け可能な左右の第2取り付けボス52(第2取り付け部)が形成されている。さらに、後方カバー50の前面の中央部には、スピーカ組み付け体70(第3カバー取り付け穴92)に取り付け可能な第3取り付けボス53(第3取り付け部)が形成されている。
左右の第2取り付けボス52は、シート幅方向において左右の取り付けボス51よりも外側に配置されている。第3取り付けボス53は、左右の取り付けボス51よりも内側に配置されている。
上記構成により、後方カバー50の前面には、スピーカ組み付け体70が取り付けられる。
詳しく述べると、後方カバー50(第3取り付けボス53)に対しスピーカ組み付け体70(第3カバー取り付け穴92)が仮固定される。そして、取り付けボス51、52に対し、カバー取り付け穴91、85が取り付けボルトを用いて本固定される。
後方カバー50の前面の下端部には、ハーネス100(第2取り付けクリップ102)を取り付けるための第2ハーネス取り付け穴54が形成されている。
そうすることで、後方カバー50によってハーネス100を好適に保持することができる。
後方カバー50の外縁において上端部及び左右両端部には、シート前方に突出し、前方カバー40(係止片43)に係止可能な係止爪55(係止部)が形成されている。
後方カバー50の前面の上端部には、シート前方に突出し、前方カバー40(第1ピラー掛け止め凹部44)に組み付け可能な第1ピラー掛け止めクリップ56(第1ピラー掛け止め部)が形成されている。また、後方カバー50の底面の前端部には、前方カバー40(第2ピラー掛け止め凹部45)に組み付け可能な左右の第2ピラー掛け止めクリップ57(第2ピラー掛け止め部)が形成されている。
後方カバー50の前面の下方部分には、シート後方に窪むように設けられ、前方カバー40(左右の組み付けボス46)に組み付け可能な左右の組み付け穴58(被組み付け部)が形成されている。
ピラー掛け止めクリップ56は、上下方向において左右の取り付けボス51と重なる位置に配置されている。
ピラー掛け止めクリップ56、57は、図8に示すように、上下方向において左右の第2取り付けボス52、第3取り付けボス53を間に挟む位置に配置されている。
ピラー掛け止めクリップ56は、シート幅方向において左右の取り付けボス51、52の間に配置されている。
第2ピラー掛け止めクリップ57は、シート幅方向において左右の取り付けボス52の間に配置されている。
第1ピラー掛け止めクリップ56は、ピラー31を上下方向で挟持するように形成され、第2ピラー掛け止めクリップ57は、ピラー31をシート幅方向で挟持するように形成されている。
上記構成により、後方カバー50の前面には、ピラー31及び前方カバー40が組み付けられる。
詳しく述べると、まず、後方カバー50(ピラー掛け止めクリップ56、57)に対しピラー31が掛け止めされる。そして、後方カバー50(係止爪55、ピラー掛け止めクリップ56、57)に対し、前方カバー40(係止片43、ピラー掛け止め凹部44、45、)が係止される。そして、後方カバー50(組み付け穴58)に対し、前方カバー40(組み付けボス46)がボルト組み付けされる。
なお、ピラー31は、シート前後方向において前方カバー40(ピラー掛け止め凹部44、45)及び後方カバー50(ピラー掛け止めクリップ56、57)によって挟持されている。
上記構成において、図8に示すように、ピラー31がピラー掛け止めクリップ56、57に掛け止めされたときに、ピラー31及びピラー掛け止めクリップ56、57の間に形成される隙間には、当該隙間を埋めるための隙間埋め部材34が取り付けられる。
隙間埋め部材34は、可撓性(弾性)を有する部材である。隙間埋め部材34を介在させることで、ピラー31又は後方カバー50のガタツキを抑制することができる。また、ピラー31と後方カバー50の間で異音が発生することを抑制できる。
なお、隙間埋め部材34は、不織布であっても良いし、ピラー31の外周又は後方カバー50の外面に形成されるダボ、シボ又はリブであっても良い。
後方カバー50の下端部には、下方に突出するように形成され、下方カバー60(固定ボス63)に固定される固定穴59(固定部)が形成されている。
上記構成により、後方カバー50は、固定穴59に固定ボス63を当接させた状態でボルト固定することで、下方カバー60に固定される。
<下方カバー>
下方カバー60は、図3、図5、図6に示すように、樹脂製のカバーであって、前方カバー40及び後方カバー50と一体的に組み付けられ、前方カバー40及び後方カバー50を下方から覆うように配置されている。
下方カバー60は、下方に湾曲した湾曲形状を有するプレート体である。具体的には、下方カバー60の外縁部分が上方に張り出すように形成されている。
下方カバー60の上面の左右側方部分には、ピラー31(左右のピラー延出部31a)を通すための左右のピラー挿通孔61(ピラー挿通部)が形成されている。
そうすることで、後方カバー50に掛け止めされたピラー31に対し下方カバー60を組み付けることができる。
下方カバー60の上面の中央部分には、上方に突出し、前方カバー40(係合穴47)に着脱可能に係合可能な係合フック62が形成されている。
下方カバー60の上面には、上方に突出し、前方カバー40(固定穴48)及び後方カバー50(固定穴59)に固定可能な固定ボス63(被固定部)が複数形成されている。
固定ボス63は、シート幅方向において係合フック62を間に挟むように間隔を空けて配置されている。
上記構成により、下方カバー60は、前方カバー40に仮固定された後、前方カバー40及び後方カバー50にボルト固定される。
<スピーカ組み付け体>
スピーカ組み付け体70は、図5、図6、図8、図9Aに示すように、樹脂製の箱体(筐体)であって、ヘッドレスト3の左右側方部分に設けられ、左右のスピーカ5(マイク6)をシート前方側に露出させた状態で保持する左右のスピーカ保持部80と、左右のスピーカ保持部80を連結し、左右のスピーカ保持部80と一体に形成される連結部90と、を有している。
「一体に形成される」とは、スピーカ保持部80及び連結部90が一体成形されるほか、溶接等によって一体化されている状態を含むものである。さらには、別途取り付け部材(取り付け板、取り付けボルト等)を必要とすることなく、互いに組み付けられた状態を含むものである。
スピーカ組み付け体70は、左右のスピーカ保持部80よってピラー31をシート幅方向の両側から覆い、かつ、連結部90によってピラー31をシート後方側から覆うように配置されている。
そうすることで、例えば乗り物の走行中に、ヘッドレスト3(ピラー31)に対してスピーカ組み付け体70及びスピーカ5が左右方向及び前後方向に揺れてしまう(移動してしまう)ことを抑制することができる。
スピーカ保持部80は、図5、図6、図8に示すように、スピーカ5及びマイク6を収容する機能と、スピーカ5及びマイク6それぞれに接続されたハーネス100を収容する機能と、を有している。
スピーカ保持部80は、中央壁部80aと、中央壁部80aの外縁部分からシート前方に突出する突出壁部(上壁部80b、底壁部80c、側壁部80d)と、中央壁部80aの外縁部分からシート後方に延びる延出壁部(後方上壁部80e、後方底壁部80f、左右の後方側壁部80g)と、を有している。
また、スピーカ保持部80は、後方底壁部80fから下方へ延びる第2延出壁部(下方前壁部80h、フランジ壁部80i、補強壁部80j)をさらに有している。
上記構成において、図5、図11に示すように、上壁部80bは、スピーカ保持部80の本体(中央壁部80a)の上端部から前方に突出している。底壁部80cは、中央壁部80aの下端部から前方に突出している。側壁部80dは、中央壁部80aの側端部(右側端部)から前方に突出している。そして、それぞれの前端部が、前方カバー40の後面に当接している。
そうすることで、シート前方側から外部荷重が加わったときに、スピーカ組み付け体70によって前方カバー40を好適に支持することができる。
なお、これら壁部80b、80c、80dが、前方カバー40に必ずしも当接してなくても良く、前方カバー40に当接可能に配置されていても良い。
スピーカ保持部80は、図5、図6、図8に示すように、その前方位置に設けられ、スピーカ5、マイク6を収容させる収容凹部81と、スピーカ保持部80の後方位置に設けられ、ハーネス100を収容させる後方収容凹部82と、後方収容凹部82をシート後方から覆う蓋部83と、を有している。
スピーカ5及びマイク6は、収容凹部81にシート前方側から収容され、シート前方側に露出させた状態で保持されている。
詳しく述べると、スピーカ5は、収容凹部81の収容底面を貫通するように収容され、スピーカ保持部80からシート前方側及びシート後方側に露出させた状態で保持される。マイク6は、収容凹部81の収容底面に設けられた窪み部81aに収容され、スピーカ保持部80からシート前方側に露出させた状態で保持される。
より詳しく述べると、スピーカ5は、シート前後方向において収容凹部81の収容底面と、後方収容凹部82の収容底面とを貫通している。つまりは、スピーカ5は、収容凹部81及び後方収容凹部82に収容された状態と言い換えることもできる。
上記構成において、図8、図11に示すように、スピーカ保持部80は、スピーカ5をシート前方側に露出させた状態で保持し、かつ、スピーカ5よりも下方位置においてマイク6をシート前方側に露出させた状態で保持している。
また、スピーカ5、マイク6は、上下方向において取り付けボス51の上端部と、連結部90の下端部との間に配置されている。
そうすることで、ヘッドレスト3の芯材となるピラー31に対し後方カバー50、スピーカ組み付け体70、スピーカ5及びマイク6を強固に取り付けることができる。
スピーカ5に接続されるハーネス100Aと、マイク6に接続されるハーネス100Bとは、後方収容凹部82に収容されている。そして、後方収容凹部82は、蓋部83によってシート後方から覆われている。
詳しく述べると、図6に示すように、後方収容凹部82の下端部と、蓋部83の下端部とには、それぞれボルト穴82a、83aが形成されている。これらボルト穴82a、83aが連通した状態で固定ボルトが取り付けられることで、後方収容凹部82に蓋部83が取り付けられる。
なお、図6、図9Aに示すように、ハーネス100A、100Bそれぞれの延出端部は、後方収容凹部82の内側面に形成された隙間からシート幅方向の内側に突出して延びている。
上記構成において、図8に示すように、収容凹部81の角部(内側下端部の角部)には、面取り部84が形成されている。
そうすることで、収容凹部81の剛性を高めることができる。また、収容凹部81と他の構成部品との干渉を抑制することができる。
また上記構成において、図5、図8に示すように、スピーカ保持部80の下端部には、後方カバー50(左右の第2取り付けボス52)に取り付け可能な左右の第2カバー取り付け穴85が形成されている。
第2カバー取り付け穴85は、スピーカ5及びマイク6の真下位置に配置されている。また、シート幅方向においてピラー31よりも外側位置に配置されている。
連結部90は、図5、図6、図8、図9Aに示すように、シート幅方向に長尺な連結ブラケットであって、ピラー31にスピーカ組み付け体70を組み付ける部分であって、またスピーカ5(マイク6)から延びたハーネス100を保持する部分となっている。
連結部90は、シート幅方向に長尺に延びて、左右のスピーカ保持部80を連結する後壁部90aと、後壁部90aの上端部からシート前方に延びている上壁部90bと、上壁部90bの前端部から上方へ延びている前壁部90cと、を有している。
連結部90(前壁部90c)の上端部には、後方カバー50(左右の取り付けボス51)に取り付け可能な左右のカバー取り付け穴91が形成されている。
また、連結部(後壁部90a)の中央部には、後方カバー50(第3取り付けボス53)に取り付け可能な第3カバー取り付け穴92が形成されている。
連結部90(前壁部90c)の後面には、シート後方に突出するように形成され、ハーネス100をガイドするハーネスガイド部93、94が形成されている。
ハーネスガイド部93、第2ハーネスガイド部94は、シート幅方向に並ぶように配置されており、後方収容凹部82に対向する位置に配置されている。
ハーネスガイド部93、94は、U字形状からなり、シート後方からハーネス100を取り付けた後、ハーネス100を上方、下方及び前方から支持している。
図8、図9Aに示すように、連結部90(後壁部90a)の中央部の前面には、ハーネス100を支持するためにハーネス100に設けられた取り付けクリップ101を取り付けるためのハーネス取り付け穴95が複数形成されている。
また図9Aに示すように、連結部90(後壁部90a)の後面においてハーネス取り付け穴95よりも上方位置には、連結部90の延出方向に沿って長尺に延びている補強リブ96が形成されている。
また図5、図8、図12に示すように、連結部90(後壁部90a)の左右側方部の前面には、ピラー31に向かってシート前方に突出し、ピラー31の後面に当接する当接リブ97が形成されている。
ハーネス取り付け穴95は、図8、図9Aに示すように、シート幅方向に複数並ぶように配置されている。
補強リブ96は、シート幅方向において複数のハーネス取り付け穴95よりも左右外側に延びており、ハーネス100側(シート前方側)とは反対側(シート後方側)に向かって突出している。
そのため、ハーネス取り付け穴95の周辺に補強リブ96を形成するにあたって、ハーネス100と補強リブ96の干渉を抑制しながら、補強リブを配置することができる。
当接リブ97は、図8に示すように、シート幅方向に所定の間隔を空けて左右に形成されている。
左右の当接リブ97は、ハーネス取り付け穴95を間に挟むように配置されている。
詳しく述べると、当接リブ97は、上下方向に間隔を空けて配置される第1当接リブ97a及び第2当接リブ97bと、第1当接リブ97a及び第2当接リブ97bを連結する連結リブ97cと、を有している。
そして、第1当接リブ97a、第2当接リブ97b、連結リブ97cが、図12に示すように、それぞれピラー31の後面に当接している。
なお、当接リブ97が、ピラー31に必ずしも当接してなくても良く、ピラー31に当接可能に配置されていても良い。
<ハーネス>
ハーネス100A、100Bは、図6、図8~図10に示すように、それぞれスピーカ5、マイク6からシート幅方向の内側に延びて1本のハーネス100にまとめられ、ピラー31(左側のピラー31)の内部を通過してシートバック2に向かって下方に延びている。そして、シートバック2からシートクッション1に向かってさらに延びて、シートクッション1に設けられた制御装置7と接続されている。
ハーネス100A、100Bは、それぞれスピーカ組み付け体70(ハーネス取り付け穴95)に取り付け可能な取り付けクリップ101を有している。詳しく述べると、ハーネス取り付け穴95に対向する位置にカプラを有しており、当該カプラに設けられた取り付けクリップ101を有している。
また、ハーネス100は、後方カバー50(第2ハーネス取り付け穴54)に取り付け可能な第2取り付けクリップ102を有している。
また、ハーネス100は、シートバック2の内部に設けられ、後方フレーム24(第3ハーネス取り付け穴24b)に取り付け可能な第3取り付けクリップ103を有している。
また、ハーネス100は、シートバック2の内部に設けられ、ハーネス100(ハーネス本体)を被覆するハーネスガイド104を有している。
以下、ハーネス100の取り回しについて、図3、図6、図8~図10に基づいて詳しく説明する。
ハーネス100A(100B)は、スピーカ5(マイク6)に接続されており、後方収容凹部82に収容されている。
スピーカ5から延びるハーネス100Aは、後方収容凹部82からシート幅方向の内側に延びてハーネスガイド部93、94によって支持される。
そして、ハーネス100Aは、ハーネスガイド部93、94から下方へ延びてハーネス取り付け穴95によって支持される。具体的には、取り付けクリップ101が、ハーネス取り付け穴95に取り付けられる。
そして、ハーネス100Aとハーネス100Bは下方へ延びて、1本のハーネス100にまとめられる。
1本にまとめられたハーネス100は、第2ハーネス取り付け穴54によって支持される。具体的には、第2取り付けクリップ102が、後方カバー50(第2ハーネス取り付け穴54)に取り付けられる。
そして、ハーネス100は、第2ハーネス取り付け穴54からピラー31(左側のピラー延出部31a)に向かってシート幅方向の一方側(左側)に延びる。
そして、ハーネス100は、ピラー31に設けられたハーネス挿通孔32を介してピラー31の内部に通され、シートバックに向かって下方に延びる。
ピラー31の下端部から露出したハーネス100は、一旦シート幅方向の右側に延びた後に折り返され、後方フレーム24の下端部に沿ってシート幅方向の左側に延びる。
このとき、ハーネス100は、後方フレーム24の下端部にある複数のハーネス保持部24aによって保持される。また、後方フレーム24の下端部にある第3ハーネス取り付け穴24bに支持される。具体的には、第3取り付けクリップ103が、第3ハーネス取り付け穴24bに取り付けられる。
シートバック2の内部においてハーネス100とブロア用ハーネス4dが1本にまとめられてシートクッション1に向かって下方に延びる。
そして、1本にまとめられたハーネス100は、シートクッション1の内部に設けられた制御装置7に接続される。
上記構成において、図9Aに示すように、スピーカ5、マイク6からそれぞれハーネス100A、100Bが延びている。これらハーネス100A、100Bを誤って組み付けしないように工夫しても良い。
例えば、スピーカ5に接続されたハーネス100Aの太さと、マイク6に接続されたハーネス100Bの太さを変更しても良い。すなわち、ハーネス100Aの太さをハーネス100Bの太さよりも太くしても良い。あるいは細くしても良い。
また例えば、ハーネス100Aのカプラ(コネクタ)と、ハーネス100Bのカプラ(コネクタ)とを別の形状、別のサイズ、別のカラー、別のマークとしても良い。別のマークとしては、ハーネス100Aにマーク「S(Speaker)」、ハーネス100Bにマーク「M(Microfone)」を付しても良い。
上記構成において、図9A、Bに示すように、左右のハーネス100は1本にまとめられて左側のピラー31の内部に通されている。
一方で変形例として、左側のスピーカ5に接続されたハーネス100は、左側のスピーカからピラー31に向かって延びて、左側のピラー延出部31aに設けられたハーネス挿通孔32を介してピラー31の内部に通されても良い。そして、右側のスピーカ5に接続されたハーネス100は、右側のピラー延出部31aに設けられたハーネス挿通孔32を介してピラー31の内部に通されることにしても良い。
<乗り物用シートの製造方法>
次に、乗り物用シートSの製造方法1、2について、図13A~図13C、図14A~図14Cに基づいて説明する。
なお、乗り物用シートSの製造方法にあたって、下記以外の製造工程については説明を省略する。
「製造方法1」では、図13A~図13Cに示すように、まず、スピーカ組み付け体70に対しスピーカ5及びマイク6を組み付ける。具体的には、スピーカ保持部80(収容凹部81)にスピーカ5を組み付けて接着剤又は組み付けボルトで固定する。また、窪み部81aにマイク6を組み付ける。
そして、後方カバー50に対しスピーカ組み付け体70を取り付ける。具体的には、左右の取り付けボス51、52、53にカバー取り付け穴91、85、92を取り付ける。より具体的には、取り付けボス51、52にカバー取り付け穴91、85をボルト固定する。なお、第3取り付けボス53に対しては第3カバー取り付け穴92を掛け止めて仮固定する。
そして、後方カバー50に対しピラー31を掛け止める。具体的には、ピラー掛け止めクリップ56、57に対しピラー31を掛け止める。
そして、ピラー31の内部にハーネス100を通す。
そして、後方カバー50に対し前方カバー40を組み付けて、前方カバー40及び後方カバー50が組み付けられた状態で下方から下方カバー60を組み付ける。
「製造方法2」では、図14A~図14Cに示すように、まず、スピーカ組み付け体70に対しスピーカ5及びマイク6を組み付ける。
そして、後方カバー50に対しスピーカ組み付け体70を「仮固定」する。具体的には、第3取り付けボス53に対し第3カバー取り付け穴92を掛け止めて仮固定する。
そして、後方カバー50に対しピラー31を掛け止める。このとき、スピーカ組み付け体70は、ピラー31によって後方カバー50に押し付けられた状態となる。
そして、後方カバー50に対しスピーカ組み付け体70を「本固定」する。具体的には、取り付けボス51、52にカバー取り付け穴91、85をボルト固定する。
そして、ピラー31の内部にハーネス100を通す。
そして、後方カバー50に対し前方カバー40を組み付けて、前方カバー40及び後方カバー50が組み付けられた状態で下方から下方カバー60を組み付ける。
以上の構成によれば、ヘッドレスト3に対しスピーカ5を容易に組み付けることが可能な乗り物用シートSを実現できる。
また、スピーカ5を組み付けるためのスピーカ組み付け体70の構成を従来よりもシンプルにすることが可能な乗り物用シートSを実現できる。
また、乗り物用シートSの製造方法も実現できる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、図5に示すように、ヘッドレストフレーム30が、前方カバー40、後方カバー50及び下方カバー60を備えているが、特に限定されるものではない。
例えば、下方カバー60を不要にしても良い。あるいは、前方カバー40又は後方カバー50を不要にしても良い。
上記実施形態では、図5、図6に示すように、前方カバー40の係合穴47と、下方カバー60の係合フック62とが係合しているが、その係合構造について特に限定されるものではない。
例えば、係合穴47の代わりに係合凹部に変更しても良い。
また例えば、係合穴と係合フック以外の係合構造に変更しても良い。つまりは、その他の係合構造によって前方カバー40の被係合部と、下方カバー60の係合部とが係合しても良い。
そのほか、上記実施形態において係止部と被係止部の構造、取り付け部と被取り付け部の構造、組み付け部と被組み付け部の構造、固定部と被固定部の構造等についても適宜変更しても良い。
上記実施形態では、図5、図6に示すように、スピーカ組み付け体70において左右のスピーカ保持部80と連結部90が一体に形成されているが、特に限定されるものではない。
左右のスピーカ保持部80と連結部90が別体で形成されても良い。すなわち、スピーカ保持部80と連結部90が取り付け部材を介して連結されていても良い。
上記実施形態では、図5、図6に示すように、スピーカ保持部80が収容凹部81と、後方収容凹部82とを有しているが、いずれか一方の収容凹部を有することにしても良い。
例えば、スピーカ保持部80が後方収容凹部82(収容凹部)のみを有しており、スピーカ5、マイク6及びハーネス100を収容することにしても良い。このとき、スピーカ5、マイク6は、後方収容凹部82の収容底面を貫通し、シート前方側に露出するように配置されると良い。
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる乗り物用シートについて説明したが、特に限定されることなく、電車、バス等の乗り物用シートのほか、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
S 乗り物用シート
1 シートクッション
1a、2a クッション材
1b、2b 表皮材
2 シートバック
3 ヘッドレスト
3a クッション材
3b 第2クッション材
3c 表皮材
3d 第2表皮材
4 ブロア装置
4a ブロア本体
4b ダクト
4c 吹き出し口
4d ブロア用ハーネス
5 スピーカ(スピーカユニット)
6 マイク(マイクユニット)
7 制御装置
10 クッションフレーム
20 バックフレーム
21 サイドフレーム
22 上部フレーム
23 連結フレーム
24 後方フレーム
24a ハーネス保持部
24b 第3ハーネス取り付け穴
25 支持ワイヤ(乗員支持ワイヤ)
26 支持プレート(乗員支持プレート)
27 取付ブラケット
28 締結ボルト
29 ピラーガイド
30 ヘッドレストフレーム
31 ピラー(ヘッドレストピラー)
31a ピラー延出部
31b ピラー連結部
31c 支持溝
32 ハーネス挿通孔
33 キャップ部材
33a 支持突起
34 隙間埋め部材
40 前方カバー
40a 前壁部
40b 上壁部
40c 側壁部
40d 底壁部
41 カバー中央部
41a 壁部(区画壁部)
42 カバーサイド部
43 係止片(被係止部)
43a 係止穴
44 第1ピラー掛け止め凹部(第1ピラー被掛け止め部)
45 第2ピラー掛け止め凹部(第2ピラー被掛け止め部)
46 組み付けボス(組み付け部)
47 係合穴(被係合部、係合凹部)
48 固定穴(固定部)
49 開口部
49a 補強リブ
50 後方カバー
50a 後壁部
50b 上壁部
50c 側壁部
50d 底壁部
51 取り付けボス(取り付け部)
52 第2取り付けボス(第2取り付け部)
53 第3取り付けボス(第3取り付け部)
54 第2ハーネス取り付け穴(第2ハーネス被取り付け部)
55 係止爪(係止部)
56 第1ピラー掛け止めクリップ(第1ピラー掛け止め部)
57 第2ピラー掛け止めクリップ(第2ピラー掛け止め部)
58 組み付け穴(被組み付け部)
59 固定穴(固定部)
60 下方カバー
61 ピラー挿通孔(ピラー挿通部)
62 係合フック(係合部)
63 固定ボス(被固定部)
70 スピーカ組み付け体
80 スピーカ保持部
80a 中央壁部
80b 上壁部
80c 底壁部
80d 側壁部
80e 後方上壁部
80f 後方底壁部
80g 後方側壁部
80h 下方前壁部
80i フランジ壁部
80j 補強壁部
81 収容凹部
81a 窪み部
82 後方収容凹部
82a ボルト穴
83 蓋部
83a ボルト穴
84 面取り部
85 第2カバー取り付け穴(第2カバー取り付け部)
90 連結部
90a 後壁部
90b 上壁部
90c 前壁部
91 カバー取り付け穴(カバー取り付け部)
92 第3カバー取り付け穴(第3カバー取り付け部)
93 ハーネスガイド部
94 第2ハーネスガイド部
95 ハーネス取り付け穴(ハーネス取り付け部)
96 補強リブ
97 当接リブ
97a 第1当接リブ
97b 第2当接リブ
97c 連結リブ
100 ハーネス
100A、100B
101 取り付けクリップ(被取り付け部)
102 第2取り付けクリップ(第2被取り付け部)
103 第3取り付けクリップ(第2被取り付け部)
104 ハーネスガイド

Claims (10)

  1. シートバックに連結されるピラーを有するヘッドレストと、前記ヘッドレストの内部に設けられるスピーカと、を備えた乗り物用シートであって、
    前記スピーカに接続されるハーネスと、
    前記スピーカを組み付けるためのスピーカ組み付け体と、を備え、
    前記スピーカ組み付け体は、左右の前記スピーカを連結する連結部を有し、
    前記連結部には、切り欠かれた切り欠き部分が形成され、
    前記ハーネスは、前記切り欠き部分を通過するように配置されていることを特徴とする乗り物用シート。
  2. 前記連結部は、後壁部と、前記後壁部からシート前方に延びている上壁部と、前記上壁部から上方へ延びている前壁部と、を有し、
    前記切り欠き部分は、前記上壁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
  3. 前記ハーネスは、前記切り欠き部分を上下方向に通過するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の乗り物用シート。
  4. 前記後壁部には、前記切り欠き部分の下方位置において前記ハーネスを取り付けるためのハーネス取り付け穴が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の乗り物用シート。
  5. 前記ハーネスは、前記後壁部の前面に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の乗り物用シート。
  6. 前記ピラーは、シート幅方向に間隔を空けて配置され、上下方向に延びている左右のピラー延出部を有し、
    前記切り欠き部分は、前記ヘッドレストの正面視において左右の前記ピラー延出部の間の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
  7. 前記切り欠き部分は、前記ピラーの上端部よりも下方位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の乗り物用シート。
  8. 前記ピラーは、左右の前記ピラー延出部の上端部を連結するピラー連結部を有し、
    前記切り欠き部分は、前記ピラー連結部よりも下方位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の乗り物用シート。
  9. 前記乗り物用シートは、左右のマイクをさらに備え、
    前記切り欠き部分は、前記マイクよりも上方位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
  10. 前記ヘッドレストは、
    前記ピラーをシート前方から覆うように配置される前方カバーと、
    前記ピラーをシート後方から覆うように配置される後方カバーと、
    前記前方カバー及び前記後方カバーに載置されるクッション材と、
    前記前方カバー、前記後方カバー及び前記クッション材を被覆する表皮材と、を備え、
    前記切り欠き部分は、前記前方カバーと、前記後方カバーとによって形成される空間内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の乗り物用シート。
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