JP7482065B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2016-169674号公報(特許文献1)に記載された燃料噴射弁が知られている。この燃料噴射弁は、協働して燃料通路を開閉する弁座及び弁体と、弁体が一端部に設けられ内側に燃料通路が形成された可動子と、弁座が形成された弁座部材と、燃料流れの上流側に位置し可動子の内側と外側とを連通する上流側連通孔と、燃料流れの下流側に位置し可動子の内側と外側とを連通する下流側連通孔と、を備え、弁座部材と弁体とが摺接する弁体のガイド部が下流側連通孔の下流側に設けられた燃料噴射弁において、可動子の周方向において下流側連通孔と同じ角度位置に、ガイド部の上流側と下流側とを中心軸線方向に連通する燃料通路を設けている(要約参照)。
この燃料噴射弁では、固定鉄心の中心部を中心軸線に沿う方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔にコイルばねが設けられている(段落0023,0027参照)。コイルばねの一端は可動鉄心の内側に設けられたばね座に当接し、コイルばねの他端部は固定鉄心の貫通孔の内側に配設されたアジャスタ(調整子)の下端部(先端側端面)に当接し、コイルばねは可動鉄心に設けられたばね座とアジャスタの下端との間に圧縮状態で配設されている(段落0027参照)。これにより、コイルばねは弁体が弁座に当接する方向(閉弁方向)に可動子を付勢する(段落0028参照)。
特開2016-169674号公報
特許文献1の燃料噴射弁では、可動子を付勢するためにコイルばねを用いており、このためにコイルばねの倒れによるサイドフォースが可動子に作用していた。可動子にサイドフォースが作用すると、可動子に設けられた弁体の挙動が不安定になるため、可動子(弁体)に作用するサイドフォースをできるだけ小さくすることが好ましい。
本発明の目的は、弁体に作用するサイドフォースを小さくすることができる燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は、
一端部に設けられた弁体と他端部に設けられた可動鉄心とを有する可動子と、
閉弁時に前記弁体が当接する弁座と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する弁体付勢部材と、
前記可動鉄心との間に磁気吸引力を発生させる固定鉄心と、
を備え、
前記弁体付勢部材は、前記弁体を閉弁方向に付勢する板バネを有し、前記固定鉄心に設
けられた貫通孔に配置され
さらに、前記弁体付勢部材は、前記貫通孔の中心軸線に沿う方向に設けられた側壁部と、前記中心軸線に垂直な底部と、を有し、前記側壁部が前記貫通孔の内周面に圧入されて前記固定鉄心に固定される。
本発明によれば、コイルばねを使用しないことで、コイルばねの倒れにより弁体に作用するサイドフォースを無くすことで、サイドフォースの発生を抑制することができる燃料噴射弁を提供することができる。
本発明に係る燃料噴射弁の一実施例について、弁軸心(中心軸線)に沿う断面を示す断面図である。 図1に示すノズル部8の近傍を拡大して示す断面図である。 可動子27近傍を拡大して示す縦断面図である。 本発明に係る燃料噴射弁に用いられる弁体付勢ばね39の一実施例を示す図である。 固定鉄心25の貫通孔25aにコイルばね39’を配設した、本発明との比較例について、コイルばね39’の周辺における燃料流れの解析結果を示す図である。 燃料噴射弁1が搭載された内燃機関の断面図である。
本発明に係る実施例について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1を参照して、燃料噴射弁1の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る燃料噴射弁の一実施例について、弁軸心(中心軸線)に沿う断面を示す断面図である。なお、中心軸線1aは、弁体27c、ロッド部(接続部)27b及び可動鉄心27aが一体に設けられた可動子27の軸心(弁軸心線)に一致し、且つ筒状体5及び固定鉄心25の貫通孔25aの中心軸線に一致している。
図1において、燃料噴射弁1の上端部(上端側)を基端部(基端側)と呼び、下端部(下端側)を先端部(先端側)と呼ぶ場合がある。基端部(基端側)及び先端部(先端側)という呼び方は、燃料の流れ方向或いは燃料配管に対する燃料噴射弁1の取り付け構造に基づいている。また、本明細書において説明される上下関係は図1を基準とするもので、燃料噴射弁1を内燃機関に搭載した形態における上下方向とは必ずしも一致しない。
燃料噴射弁1には、金属材製の筒状体5によって、その内側に燃料流路(燃料通路)3がほぼ中心軸線1aに沿うように構成されている。筒状体5は、磁性を有するステンレス等の金属素材を用い、深絞り加工等のプレス加工により中心軸線1aに沿う方向に段付きの形状に形成されている。これにより、筒状体5は、一端側5aの径が他端側5bの径に対して大きくなっている。
筒状体5の基端部には燃料供給口2が設けられ、この燃料供給口2に、燃料に混入した異物を取り除くための燃料フィルタ13が取り付けられている。また、筒状体5の基端側端部5dの外周にはOリング11が配設されている。
筒状体5の先端部には、弁体27cと弁座部材15とからなる弁部7が構成され、燃料噴射孔70(図2参照)を通じて燃料を噴射するノズル部8が構成されている。弁座部材15は、筒状体5の先端側端部の内側に挿入され、レーザ溶接19により筒状体5に固定されている。レーザ溶接19は、筒状体5の外周側から全周に亘って実施されている。この場合、弁座部材15を筒状体5の先端側端部の内側に圧入した上で、弁座部材15をレーザ溶接により筒状体5に固定してもよい。
筒状体5の中間部には弁体27cを駆動するための駆動部9が配置されている。駆動部9は電磁アクチュエータ(電磁駆動部)で構成されている。具体的には、駆動部9は、筒状体5の内部(内周側)に固定された固定鉄心25と、筒状体5の内部において固定鉄心25に対して先端側に配置され、中心軸線1aに沿う方向に移動可能な可動子(可動部材)27と、可動子27に構成された可動鉄心27aと固定鉄心25とが微小ギャップδ1を介して対向する位置で筒状体5の外周側に外挿された電磁コイル29と、電磁コイル29の外周側で電磁コイル29を覆うヨーク33とによって構成されている。
筒状体5の内側には可動子27が収容されており、筒状体5は可動鉄心27aの外周面と対向して可動鉄心27aを囲繞するハウジングを構成している。
可動鉄心27aと固定鉄心25とヨーク33とは、電磁コイル29に通電することにより生じる磁束が流れる閉磁路を構成する。磁束は微小ギャップδ1を通過するが、微小ギャップδ1の部分で筒状体5を流れる漏れ磁束を低減するため、筒状体5の微小ギャップδ1に対応する位置に、非磁性部或いは筒状体5の他の部分よりも弱磁性の弱磁性部5cが設けられている。以下、この非磁性部或いは弱磁性部5cは、単に非磁性部5cと呼んで説明する。非磁性部5cは、筒状体5に非磁性化処理を行うことにより、或いは、筒状体5の外周面に環状凹部を形成することにより、構成することができる。
電磁コイル29は、樹脂材料で筒状に形成されたボビン31に巻回され、筒状体5の外周側に外挿されている。電磁コイル29はコネクタ41に設けられたターミナル43に電気的に接続されている。コネクタ41には図示しない外部の駆動回路が接続され、ターミナル43を介して、電磁コイル29に駆動電流が通電される。
固定鉄心25は、磁性金属材料からなる。固定鉄心25は筒状に形成され、中心部を中心軸線1aに沿う方向に貫通する貫通孔25aを有する。固定鉄心25は、筒状体5の小径部5bの基端側に圧入固定され、筒状体5の中間部に位置している。固定鉄心25は溶接により筒状体5に固定してもよいし、溶接と圧入を併用して筒状体5に固定してもよい。
可動子27は、可動鉄心27aとロッド部(接続部)27bと弁体27cとで構成される。
弁体27cは弁座15b(図2参照)と当接する部材である。弁座15b及び弁体27cは協働して燃料通路を開閉する。ロッド部27bは細長い中実の棒状部材であり、可動鉄心27aと弁体27cとを接続する接続部を構成する。可動鉄心27aは、弁体27cと連結され、固定鉄心25との間に作用する磁気吸引力によって、ロッド部27bによって連結された弁体27cを開閉弁方向に駆動するための部材である。
本実施例では、ロッド部27bと弁体27cとを別部材で構成し、ロッド部27bに弁体27cを固定している。ロッド部27bと弁体27cとは、溶接部27dで固定されている。ロッド部27bと弁体27cとは一つの部材で一体化されて構成されてもよい。
ヨーク33は、磁性を有する金属材料でできており、燃料噴射弁1のハウジングを兼ねている。ヨーク33は大径部33aと小径部33bとを有する段付きの筒状に形成されている。大径部33aは電磁コイル29の外周を覆って円筒形状を成しており、大径部33aの先端側に大径部33aよりも小径の小径部33bが形成されている。小径部33bは筒状体5の小径部5bの外周に圧入又は挿入されている。小径部33bの内周面は筒状体5の外周面に緊密に接触している。このとき、小径部33bの内周面の少なくとも一部は、可動鉄心27aの外周面と筒状体5を介して対向しており、この対向部分に形成される磁路の磁気抵抗を小さくしている。ヨーク33の先端側端部は、筒状体5と、全周に亘ってレーザ溶接24により接合されている。
筒状体5の先端部には円筒状のプロテクタ49が外挿され、筒状体5の先端部がプロテクタ49によって保護されている。プロテクタ49のフランジ部49aと、ヨーク33の小径部33bと、ヨーク33の大径部33aと小径部33bとの段差面とによって環状溝34が形成され、環状溝34にOリング46が外挿されている。Oリング46は、燃料噴射弁1が内燃機関に取り付けられる際に、内燃機関側に形成された挿入口の内周面とヨーク33における小径部33bの外周面との間で液密及び気密を確保するシールとして機能する。
燃料噴射弁1の中間部から基端側端部の近傍までの範囲に、樹脂カバー47がモールドされている。樹脂カバー47の先端側端部はヨーク33の大径部33aの基端側の一部を被覆している。また、樹脂カバー47を形成する樹脂によりコネクタ41が一体的に形成されている。
本実施例では、固定鉄心25の貫通孔25aに板バネを有する弁体付勢部材39が固定されており、弁体付勢部材39の板バネで可動子27、すなわち弁体27cを弁座15b(図2参照)と当接するように付勢する。この弁体付勢部材39については、後で詳細に説明する。
次に、図2を参照して、ノズル部8の構成ついて、詳細に説明する。図2は、図1に示すノズル部8の近傍を拡大して示す断面図である。
弁座部材15には、中心軸線1aに沿う方向に貫通する貫通孔15d,15c,15v,15eが形成されている。この貫通孔の途中には下流側に向かって縮径する円錐面15vが形成されている。円錐面15v上には弁座15bが構成され、弁体27cが弁座15bに離接することにより、燃料通路の開閉が行われる。なお、弁座15bが形成された円錐面15vを弁座面と呼ぶ場合もある。また弁座15bは、弁体27cと当接する弁座面15v側のシール部を構成する。
貫通孔15d,15c,15v,15eにおける、円錐面15vから上側の孔部分15d,15c,15vは、弁体27cを収容する弁体収容孔を構成する。弁体収容孔15d,15c,15vの内周面に、弁体27cを中心軸線1aに沿う方向に案内するガイド面15cが形成されている。ガイド面15cは可動子27を案内する二つのガイド面のうち、下流側に位置する下流側ガイド面を構成する。
下流側ガイド面15cとこの下流側ガイド面15cに摺接する弁体27cの摺接面27cbとは、可動子27の変位を案内する下流側ガイド部50Aを構成する。
ガイド面15cの上流側には、上流側に向かって拡径する拡径部15dが形成されている。弁座面15vの下端部は燃料導入孔15eに接続され、燃料導入孔15eの下端面が弁座部材15の先端面15tに開口している。
弁座部材15の先端面15tには、ノズルプレート21nが取り付けられている。ノズルプレート21nは弁座部材15にレーザ溶接23により固定されている。レーザ溶接部23は、複数の燃料噴射孔110が形成された噴射孔形成領域を取り囲むようにして、この噴射孔形成領域の周囲を一周している。
また、ノズルプレート21nは板厚が均一な板状部材(平板)で構成され、複数の燃料噴射孔70が形成されている。複数の燃料噴射孔70の形態は特に問わない。燃料噴射孔70の上流側に燃料に旋回力を付与する旋回室を有するものであってもよい。燃料噴射孔の中心軸線70aは燃料噴射弁の中心軸線1aに対して平行であってもよいし、傾斜していてもよい。
本実施例において、燃料噴射孔70を開閉する弁部7は弁座部材15と弁体27cとによって構成され、燃料噴霧の形態を決定する燃料噴射部21はノズルプレート21nによって構成される。そして、弁部7と燃料噴射部21とは、燃料噴射を行うためのノズル部8を構成している。すなわち、本実施例におけるノズル部8は、ノズルプレート21nがノズル部8の本体側(弁座部材15)の先端面15tに接合されて構成されている。
また、本実施例では、弁体27cは、球状を成すボール弁を用いている。このため、弁体27cにおけるガイド面15cと対向する部位には、周方向に間隔を置いて複数の切欠き面27caが設けられ、この切欠き面27caによって下流側ガイド部50Aにおける燃料通路15h(図3参照)が構成されている。弁体27cはボール弁以外の弁体で構成することも可能である。例えば、ニードル弁を用いてもよい。
図3を参照して、可動子27近傍の構成について、詳細に説明する。図3は、可動子27近傍を拡大して示す縦断面図である。
本実施例では、可動鉄心27aとロッド部27bとは別部材で形成され、可動鉄心27aとロッド部27bとが一体に構成されている。
可動鉄心27aは有底の円環形状であり、この底部27aaの外面は可動鉄心27aの上端面27abを構成する。また可動鉄心27aの底部27aaには、ロッド部27bが貫通する貫通孔27aeと、燃料通路孔を構成する貫通孔27adと、が形成されている。ロッド部27bは貫通孔27aeを貫通して可動鉄心27aに組み付けられ、可動鉄心27aに固定される。ロッド部27bの可動鉄心27aへの固定方法としては、圧入、溶接、或いは圧入及び溶接の併用が考えられる。
可動鉄心27aの上端面27abは、貫通孔27ae及び貫通孔27adを除いて、平坦面を成す。可動鉄心27aの下端面27afの中央部には、上端面27ab側に向けて窪んだ凹部27agが形成されている。凹部27agは可動鉄心27aの機能に不要な部分を削ることで可動鉄心27aを軽量化すると共に、貫通孔27adを流下した燃料がロッド部27bの外周側に構成される燃料通路3に向けて流れる燃料通路部を形成する。
本実施例では、可動鉄心27aの貫通孔27ad及び凹部27agによる燃料通路部の構成により、ロッド部27bの内側に燃料通路部を構成する必要がなく、ロッド部27bの内側に燃料通路部を構成する場合と比べて、ロッド部27bの構造を単純化することができると共に、ロッド部27bの内側のほか、外側における止水域の発生を防ぐ、又は抑制することができる。
本実施例では、ロッド部27bと可動鉄心27aとを別部材で構成しているが、一部材で構成してもよい。
可動鉄心27aの上端面27abは、固定鉄心25の下端面25bと対向する。可動鉄心27aの上端面27abと固定鉄心25の下端面25bとは、相互に磁気吸引力が作用する磁気吸引面を構成する。可動鉄心27aの外周面27acは筒状体5の内周面5eと摺接するように対向し、ヨーク33と共に磁路を形成する。
筒状体5の内周面5eは上流側ガイド面を構成し、可動鉄心27aの外周面27acは筒状体5の内周面5eにより構成される上流側ガイド面に摺接する。上流側ガイド面5eと可動鉄心27aの外周面27acとは、可動子27の移動を案内する上流側ガイド部50Bを構成する。これにより、可動子27は、上流側ガイド部50Bと下流側ガイド部50A(図2参照)との二点で案内されて、中心軸線(弁軸心線)1aに沿う方向に往復動作する。
本実施例では、弁体27cを閉弁方向に付勢する弁体付勢部材39は板バネで構成され、固定鉄心25の貫通孔25aの中に固定されている。弁体付勢部材39は貫通孔25aの内周面に圧入されることにより、固定鉄心25に固定される。弁体付勢部材39はカップ形状をしており、底部の外面が可動子27のロッド部27bの上端部(弁体27cの側とは反対側の端部)に当接している。
すなわち本実施例の燃料噴射弁1は、一端部に設けられた弁体27cと弁体27cに対して他端部側に設けられた可動鉄心27aとを有する可動子27と、閉弁時に弁体27cが当接する弁座15bと、弁体27cを閉弁方向に付勢する弁体付勢部材39と、可動鉄心27aとの間に磁気吸引力を発生させる固定鉄心25と、を備え、弁体付勢部材39は弁体27cを閉弁方向に付勢する板バネ39b(図4参照)を有して固定鉄心25に設けられた貫通孔25aに配置される。
弁体付勢部材39とロッド部27bとは固定されておらず、弁体付勢部材39はロッド部27bと常時接触するように、また弁体27cに対する閉弁方向の付勢力が適切な大きさとなるように、貫通孔25a内における中心軸線1aに沿う方向における位置が調整されている。すなわち、貫通孔25a内における弁体付勢部材39の固定位置により弁体27cのセット荷重が設定される。
すなわち、本実施例の燃料噴射弁1は、弁体付勢部材39は、固定鉄心25の貫通孔25aにおいて、中心軸線1aに沿う方向における位置が変更されることにより、弁体27cを閉弁方向に付勢するセット荷重が変化すように設けられる。
図3に示すように、弁体付勢部材39はカップ形状を成すため、弁体付勢部材39の内部に、燃料に混入した異物を取り除くための燃料フィルタ36を配置してもよい。これにより、燃料に含まれる異物の除去効果が高まり、燃料噴射装置の信頼性が向上する。また、燃料フィルタ36を弁体付勢部材39に組み付けることにより、燃料フィルタ36と弁体付勢部材39とを一つの部品として扱うことができるため、燃料フィルタ36の組み付けが容易になる。
図4を参照して、弁体付勢部材39について詳細に説明する。図4は、本発明に係る燃料噴射弁に用いられる弁体付勢ばね39の一実施例を示す図である。
弁体付勢部材39は、側壁部39aと、底部39dと、側壁部39aと底部39dとを接続する接続部39bと、を有して、形成される。側壁部39aは円筒形状を成して中心軸線1Aに沿う方向に形成され、その外周面39aoは固定鉄心25の貫通孔25aの内周面に圧入される。
すなわち本実施例の燃料噴射弁1では、弁体付勢部材39は、貫通孔25aの中心軸線1aに沿う方向に設けられた側壁部39aと、中心軸線1aに垂直な底部39dと、を備え、弁体付勢部材39は、側壁部39aが貫通孔25aの内周面に圧入されて固定鉄心25に固定される。
中心軸線1Aに沿う方向に形成される側壁部39aは圧入による弁体付勢部材39の固定強度を確保するために有効に機能し、中心軸線1Aに沿う方向の長さは弁体付勢部材39の固定強度を確保するのに十分な長さ寸法に設定される。側壁部39aの内周面39aiには、上述した様に燃料フィルタ36を固定してもよい。
底部39dは中心軸線1Aに垂直な平面部として形成される。これにより、底部39dの外面(下面)は中心軸線1Aに垂直な平面を成してロッド部27bの上端面に当接し、ロッド部27bとの当接部を構成する。
すなわち本実施例の燃料噴射弁1では、可動子27は、可動鉄心27aを中心軸線1aに沿う方向に貫通するロッド部27bを有し、ロッド部27bは、一端部に弁体27cを有し、他端部が弁体付勢部材39の底部39dの外面に当接する。
ロッド部27bの上端面も中心軸線1Aに垂直な平面を成しており、弁体付勢部材39とロッド部27bとは弁体27cに作用するサイドフォースを小さくするように、当接する。これにより、弁体の挙動が安定化される。
接続部39bは、側壁部39aと底部39dとを接続する部位であり、中心軸線1Aに対して傾斜した傾斜面(テーパー面)、或いは曲面を形成する。図4では、接続部39bはテーパー面として描いている。接続部39bはロッド部27bと当接する範囲の外側(径方向外側)にあり、燃料通路部となる貫通孔39cが設けられている。
すなわち本実施例の燃料噴射弁1では、弁体付勢部材39は、ロッド部27bの他端部(弁体27cが設けられた側とは反対側の端部)と当接する部位の径方向外側に、燃料通路部となる貫通孔39cを有する。
弁体付勢部材39の板バネとしてのばね機能は、主として、接続部39bにより実現される。板バネ39bのばね定数は接続部39bの形状及び貫通孔39cによって設定することができる。ばね定数は貫通孔39cの形状や個数によって変化する。本実施例では、貫通孔39cは丸穴として形成しているが、丸穴に限定される訳ではなく、例えば四角形やその他の多角形に形成してもよい。
すなわち本実施例の燃料噴射弁1では、弁体付勢部材39の貫通孔39cは、板バネ39bのばね定数を変化させることができるように設けられる。
また、弁体付勢部材39の側壁部39aは完全な円筒形状(円環形状)をしている必要はなく、一部に切欠きが設けられるような形状であってもよい。また板バネ39bや底部39dに切欠きが設けられてもよい。要は、弁体付勢部材39は、固定鉄心25に対する固定力が得られ、弁体27cを閉弁方向に付勢するばね力が得られる範囲内で、形状を変更することができる。
本実施例では、弁体付勢部材39は弁体27cのセット荷重を設定する機能を有するため、弁体付勢部材39とは別にセット荷重を設定する調整子を設ける必要がない。このため、部品点数を削減することができ、組立工程が簡略化される。
ここで図5を参照して、本実施例の燃料流れについて、比較例との違いを説明する。図6は、固定鉄心25の貫通孔25aにコイルばね39’を配設した、本発明との比較例について、コイルばね39’の周辺における燃料流れの解析結果を示す図である。
一般的に、弁体27cを弁座15b(図2参照)と当接するように付勢するために、固定鉄心25の貫通孔25aにコイルばね39’を設ける。コイルばね39’は、一端(下端)が可動鉄心27aの内側に設けられたばね座に当接し、他端(上端)が固定鉄心25の貫通孔25aの内側に配設されたアジャスタ(調整子)35の下端部(先端側端面)に当接するように設けられる。すなわち一般的な燃料噴射弁では、弁体27cを閉弁方向に付勢する弁体付勢部材として、固定鉄心25の貫通孔25aの内側にコイルばね39’が設けられ、コイルばね39’を設けるために更にアジャスタ35が設けられる。
比較例では、コイルばね39’及びアジャスタ35のために、コイルばね39’の周辺に大きな死水域が形成される。このため、この死水域に異物が滞留し、燃料流路から異物を排出するために長い時間にわたる慣らし運転が必要になる。
本実施例では、可動鉄心27aの上端側に弁体付勢部材39を設けることで、固定鉄心25の貫通孔25aの内側において燃料流れの障害となる構造が単純化されると共に、燃料流れの障害となる構造の中心軸線1aに沿う方向における長さが短くなるため、死水域の発生を抑制、或いは死水域の大きさを小さくすることができる。これにより本実施例では、燃料噴射弁1からの異物の排出性が向上する。また従来技術では、可動鉄心27aの外周下流側にも大きな死水域が存在することになるが、本実施例では、固定鉄心25と可動鉄心27aとにおける燃料流れの障害となる構造が単純化され、可動鉄心27aの外周下流側における死水域の発生を抑制、あるいは可動鉄心27aの外周下流側に発生する死水域の大きさを小さくすることが出来る。
図6を参照して、本発明に係る燃料噴射弁を搭載した内燃機関について説明する。図6は、燃料噴射弁1が搭載された内燃機関の断面図である。
内燃機関100のエンジンブロック101にはシリンダ102が形成されおり、シリンダ102の頂部に吸気口103と排気口104とが設けられている。吸気口103には、吸気口103を開閉する吸気弁105が、また排気口104には排気口104を開閉する排気弁106が設けられている。エンジンブロック101に形成され、吸気口103に連通する吸気流路107の入口側端部107aには吸気管108が接続されている。
燃料噴射弁1の燃料供給口2(図1参照)には燃料配管110が接続される。
吸気管108には燃料噴射弁1の取付け部109が形成されており、取付け部109に燃料噴射弁1を挿入する挿入口109aが形成されている。挿入口109aは吸気管108の内壁面(吸気流路)まで貫通しており、挿入口109aに挿入された燃料噴射弁1から噴射された燃料は吸気流路内に噴射される。二方向噴霧の場合、エンジンブロック101に吸気口103が二つ設けられた形態の内燃機関を対象として、それぞれの燃料噴霧が各吸気口103(吸気弁105)を指向して噴射される。
本実施例の内燃機関100では、燃料噴射弁1における死水域の発生を抑制することができる。これにより、万が一、燃料流路3内に異物が混入しても、その異物を速やかに燃料流路3内から排出することができ、慣らし運転の時間を短縮することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、一部の構成の削除や、記載されていない他の構成の追加が可能である。
1…燃料噴射弁、1a…中心軸線、15b…弁座、25…固定鉄心、25a…固定鉄心25の貫通孔、27…可動子、27a…可動鉄心、27b…可動子27のロッド部、27c…弁体、39…弁体付勢部材、39a…弁体付勢部材39の側壁部、39b…板バネ、39c…弁体付勢部材39の貫通孔、39d…弁体付勢部材39の底部。

Claims (5)

  1. 一端部に設けられた弁体と前記弁体に対して他端部側に設けられた可動鉄心とを有する可動子と、
    閉弁時に前記弁体が当接する弁座と、
    前記弁体を閉弁方向に付勢する弁体付勢部材と、
    前記可動鉄心との間に磁気吸引力を発生させる固定鉄心と、
    を備え、
    前記弁体付勢部材は、前記弁体を閉弁方向に付勢する板バネを有し、前記固定鉄心に設けられた貫通孔に配置され
    さらに、前記弁体付勢部材は、前記貫通孔の中心軸線に沿う方向に設けられた側壁部と、前記中心軸線に垂直な底部と、を有し、前記側壁部が前記貫通孔の内周面に圧入されて前記固定鉄心に固定される燃料噴射弁。
  2. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子は、前記可動鉄心を前記中心軸線に沿う方向に貫通するロッド部を有し、
    前記ロッド部は、一端部に前記弁体を有し、他端部が前記弁体付勢部材の前記底部の外面に当接する燃料噴射弁。
  3. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体付勢部材は、前記固定鉄心の前記貫通孔において、前記中心軸線に沿う方向における位置が変更されることにより、前記弁体を閉弁方向に付勢するセット荷重が変化すように設けられる燃料噴射弁。
  4. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体付勢部材は、前記ロッド部の前記他端部と当接する部位の径方向外側に、燃料通路部となる貫通孔を有する燃料噴射弁。
  5. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体付勢部材の前記貫通孔は、板バネのばね定数を変化させることができるように設けられる燃料噴射弁。
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