JP7482039B2 - 多結晶シリコン塊状物、その梱包体及びこれらの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン塊状物、その梱包体及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多結晶シリコン塊状物、その梱包体、及びこれらの製造方法に関する。
高密度集積電子回路は高純度の単結晶シリコンウェーハが必要である。単結晶シリコンウェーハは、CZ法〔Czochralski(チョクラルスキー)法〕により製造した単結晶シリコンロッドから切り出すことで得られる。このCZ法単結晶シリコンロッドを製造するための原料として、ポリシリコンとも呼ばれる多結晶シリコンが用いられている。
多結晶シリコンの製造方法として、シーメンス法が知られている。シーメンス法は、ベルジャー型の反応容器内部に配置されたシリコン芯線を通電によってシリコンの析出温度に加熱し、ここに、トリクロロシラン(SiHCl)やモノシラン(SiH)等のシラン化合物ガスと水素を供給し、化学気相析出法によりシリコン芯線上に多結晶シリコンを析出させ、高純度の多結晶シリコンロッドを得る。
得られた多結晶シリコンロッドは、前記CZ法での単結晶シリコン製造原料に扱い易い大きさに切断又は破砕される。具体的には多結晶シリコンロッドを、硬質金属からなる切断具や破砕具により切断や破砕して、多結晶シリコン塊状物(カットロッド、破砕物)を得る。ここで、上記切断具や破砕具を構成する硬質金属は、通常、炭化タングステン/コバルト合金(WC/Co合金)が使用されているため、多結晶シリコン塊状物の表面はタングステンやコバルトにより汚染される。また、移送器具や分級機等の様々な金属製の道具との接触により、多結晶シリコン塊状物の表面はその他の種々の金属不純物により汚染されている。而して、これら金属不純物は、少量であっても、高密度集積電子回路に用いられる単結晶シリコンウェーハにおいて欠陥を生じさせ、それが最終的にデバイスの性能を劣化させると共に回路密度を制限させてしまう。
このため多結晶シリコン塊状物において、表面の金属不純物濃度は可能な限り低減させる必要性があり、酸洗浄を行うことでこれを除去することが行われている。具体的には、フッ硝酸水溶液によるエッチング処理が行われている。ここで、フッ酸は、多結晶シリコン破砕塊の表面に形成される酸化膜を良好に溶解させ、これに付着する種々の金属やその酸化物も溶解させる作用を発揮している。また、硝酸は多結晶シリコンを酸化して、上記多結晶シリコン破砕塊の表面に酸化膜を形成し、前記フッ酸による酸化膜の溶解除去を促進する作用を発揮している。
このようにして表面が清浄化された多結晶シリコン塊状物は、水洗工程、乾燥工程を経た後、塊表面への再汚染を防止する為に、樹脂袋に詰めて梱包体の形態で保管された後、単結晶シリコンロッド等の製造工場に輸送、出荷される。このとき、梱包体中に充填される多結晶シリコン塊状物に生じる問題点の一つとして、表面におけるシミの発生が挙げられる(特許文献1参照)。特に、梱包体での保管が長期化したり、輸送中に高温多湿環境(過酷には、温度50℃以上で、湿度70%以上)に曝されたりすると、充填された多結晶シリコン塊状物の表面に、シミが多数に発生する問題が顕在化していた。
ここで、シミは、多結晶シリコン表面において酸化膜が異常成長したものであり、これが発生した多結晶シリコン塊状物を単結晶シリコン育成の原料に用いると、切り出したシリコンウェーハにおいて欠陥を生じさせ品質悪化を引き起す。その発生原因は、酸洗浄工程で用いた酸液成分(フッ素イオンや硝酸イオン)が、塊状物表面のクラックや割れ目内部に浸透して残留することによると考えられる。即ち、クラックや割れ目内部に深く浸透したこれら酸液成分は、多結晶シリコン塊状物を水洗しても十分に除去できず、この残留酸液成分が、梱包体での保管中に梱包体の内部空気に含まれる酸素と結合し、前記シミを発生させると推定される。
このため前記特許文献1では、水切り不足によるフッ素成分の残留を低減させるために、多結晶シリコン塊状物を酸洗浄して乾燥後、減圧状態で45℃以上の温度で一定時間保持することが提案されている。しかし、このフッ素成分の低減効果は、加熱温度が60℃以上で飽和すると説明され、加熱コストの増大の問題から70℃以下が好ましいとされている(〔0025〕段落参照)。また、その前段の乾燥工程における温度条件も何も示されていない。
また、特許文献2では、酸洗浄後の多結晶シリコン塊状物において、これを純水蒸気中に保持し、表面に生じた凝結水により洗浄して、前記酸液成分を除去することが試みられている。しかしこの場合も、前記純水蒸気は高温であるにしても、酸液成分を洗うのはその凝結水であり、その温度は100℃を大きく下回るものでしかない。
特開2009-298672号公報 特開平5-121390号公報
これら従来の酸液成分の除去方法を適用することで、酸洗浄後の多結晶シリコン塊状物の表面に付着する酸液成分はかなり良好に除去できる。特に、特許文献1に示されるようにフッ素成分の除去性は安定的に高く、前記クラックや割れ目内部に浸透しているものまで相当に除去でき、これにより得られる多結晶シリコン塊状物においてシミの発生抑制はある程度は達成される。
しかしながら、樹脂袋に充填した梱包体において、これが長期間保管され、輸送中に高温多湿環境に曝される観点からすれば、その改善効果は十分とは言えなかった。特に、集積電子回路の近年の高密度化に伴い、単結晶シリコンウェーハに対する欠陥防止の要求は益々高まっており、原料の多結晶シリコン塊状物に対する当該シミの発生は、たとえ、その梱包体が前記過酷な環境に置かれたとしても高度に抑制することが強く望まれていた。
上記課題に鑑み、本発明者等は鋭意検討を続けてきた。その結果、フッ硝酸水溶液により酸洗浄が行われた多結晶シリコン塊状物において、これを梱包体としたときにシミの発生が完全には抑制できず、過酷な環境下に置くと特に顕著にシミが生じるのは、酸洗浄液に起因する残留酸液成分のうち、硝酸イオンの除去が不十分であることに起因することを突き止めた。そして、この知見をもとに、シミの発生に直接影響するのは、梱包体としたときの、多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対する、硝酸イオンの濃度であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、表面金属濃度が1000pptw以下である多結晶シリコン塊状物が樹脂袋に充填された梱包体であって、該梱包体内部に存在する硝酸イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して50μg/L以下になる量であることを特徴とする多結晶シリコン塊状物梱包体である。
また、本発明は、表面金属濃度が1000pptw以下であり、且つ表面硝酸イオン量が1.0×10-4μg/mm以下である多結晶シリコン塊状物も提供する。この多結晶シリコン塊状物は、樹脂袋に充填することにより、前記多結晶シリコン塊状物梱包体を得るのに有利に用いることができる。
さらに、本発明は、上記多結晶シリコン塊状物の製造方法として、フッ硝酸水溶液により酸洗浄した多結晶シリコン塊状物洗浄体を、100℃以上の加熱温度で乾燥する方法も提供する。
さらに、本発明は、上記方法により得られた多結晶シリコン塊状物を、樹脂袋に梱包する際に、梱包体内部に存在する硝酸イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して50μg/L以下になる充填量で詰めることを特徴とする、前記多結晶シリコン塊状物梱包体の製造方法も提供する。
本発明の多結晶シリコン塊状物梱包体は、内部に充填される多結晶シリコン塊状物において、表面にシミが発生し難い。特には、梱包体が長期間保管され、輸送中に高温多湿環境に曝される等の過酷な環境に置かれたとしても、前記多結晶シリコン塊状物におけるシミの発生は高度に抑制される。よって、この多結晶シリコン塊状物を単結晶シリコン育成の原料に用いると、切り出したシリコンウェーハにおいて欠陥の発生が効果的に防止でき、産業上極めて有意義である。
本発明の多結晶シリコン塊状物梱包体において、樹脂袋に充填される多結晶シリコン塊状物は、多結晶シリコンロッドを、CZ法での単結晶シリコン製造原料用等に扱い易い大きさに切断又は破砕して得られた塊状物であり、所謂、カットロッドや破砕物が該当する。上記多結晶シリコンロッドは、製造方法が制限されるものではないが、通常は、シーメンス法によって製造されたものが対象になる。ここで、シーメンス法とは、トリクロロシランやモノシラン等のシラン原料ガスを加熱されたシリコン芯線に接触させることにより、該シリコン芯線の表面に多結晶シリコンをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により気相成長(析出)させる方法である。
このようにして得られる多結晶シリコンロッドは略円柱状であり、その直径は特に限定されないが、通常80~150mmである。また、多結晶シリコンロッドの長さも特に限定されず、通常1000mm以上である。
多結晶シリコン塊状物がカットロッドの場合、前記多結晶シリコンロッドを、切断具により所定の長さに切断し、円柱体を得る。
他方、多結晶シリコン塊状物が破砕物の場合、前記多結晶シリコンロッドやこれから得られたカットロッドを破砕具により破砕して得る。この破砕は、打撃部が前記WC/Co合金等の硬質金属からなるハンマーや、ジョークラッシャーなどを用いて行い、必要に応じて、篩やステップデッキなどの分級装置により、所望の大きさに分別して得れば良い。破砕物の大きさは、少なくとも90質量%が、長径の長さが2~160mmの範囲内であるのが好ましい。この範囲において、粒度に応じて分けられるのが一般的で、具体的には、少なくとも90質量%が、長径の長さが90~160mmの範囲内のもの、少なくとも90質量%が、長径の長さが10~120mmの範囲内のもの、少なくとも90質量%が、長径の長さが10~60mmの範囲内のもの、又は少なくとも90質量%が、長径の長さが2~10mmの範囲内のもの等に分けられる。
このように切断や破砕されて得られた多結晶シリコン塊状物は、この時接触する切断具や破砕具に起因して、その表面はタングステンやコバルトにより汚染され、さらに移送器具や分級機等の様々な金属製の道具との接触により、その他の種々の金属不純物によっても汚染されている。而して、こうした金属不純物は、前記したように単結晶シリコンウェーハ用途において可能な限り低減させる必要性があるため、上記多結晶シリコン塊状物は酸洗浄に供して表面をエッチングする。斯様に多結晶シリコン塊状物の表面をエッチングするためには、酸洗浄液としては硝酸水溶液を用いる必要があり、さらには多結晶シリコン破砕塊の表面に形成される酸化膜の溶解除去も併せて行うのが好ましく、この作用を有することからフッ硝酸水溶液を用いるのがより好適である。
フッ硝酸水溶液において、各成分の配合割合は、多結晶シリコン塊状物の状態や前処理条件等により、適宜最適な割合を決定すればよいが、以下の配合割合とすることが好ましい。具体的には、水100質量部に対して、フッ化水素を1~20質量部、硝酸を150~250質量部含むことが好ましい。フッ化水素は、1.5~15質量部であることがより好ましく、4~6質量部であることがさらに好ましい。さらに、このような配合割合の中でも、フッ化水素に対する硝酸の質量比(硝酸の質量/フッ化水素の質量)が10~170であることが好ましい。
係るフッ硝酸水溶液を用い酸洗浄により、多結晶シリコン塊状物は表面金属濃度が1000pptw以下、好ましくは100pptw以下、より好ましくは80pptw以下に低減されている。なお、表面金属濃度の下限値は理想的には0(ゼロ)であるが、通常、10pptw以上、好ましくは30pptw以上である。ここで、多結晶シリコン塊状物の表面金属濃度の対象とする元素は、Na,Mg,Al,K,Ca,Cr,Fe,Ni,Co,Cu,Zn,W,Ti,Moの14元素であり、その総量で表される。
本発明において多結晶シリコン破砕塊の表面金属濃度は、多結晶シリコン塊状物に含まれる各金属の質量を、多結晶シリコン塊状物の質量当りの含有量(pptw)として示した値であり、以下の方法により測定される値を言う。即ち、測定対象の多結晶シリコン塊状物表面の金属濃度分析は、多結晶シリコン塊状物の表面をエッチングし、得られたサンプル液中の各金属元素を誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)にて分析定量する。具体的には、多結晶シリコン塊状物が破砕物であれば破砕物約40gを500mlの清浄なポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに移し、溶解液100ml(50質量%-HF:10ml、70質量%-硝酸:90ml)を加えて25℃で30分間の抽出を行う。上記ビーカー中の液分及び多結晶シリコン破砕物の表面を超純水100mlで洗った洗浄液を、清浄なポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに移し多結晶シリコン破砕物の表面抽出液とする。そうして、この表面抽出液を蒸発乾固させ、残滓に3.5質量%-硝酸水溶液を加え20.0mlに定容化し、前記ICP―MS測定を行い、Na,Mg,Al,K,Ca,Cr,Fe,Ni,Co,Cu,Zn,W,Ti,Moの各表面金属質量を測定する。多結晶シリコン破砕物の表面金属濃度は、この各表面金属質量の測定値を、破砕物の質量(約40g)で除することにより、多結晶シリコン破砕物の単位重量当たりの含有量(pptw)として求める。
斯様にして酸洗浄して表面金属濃度を低減させた多結晶シリコン塊状物であっても、これを原料に製造した単結晶シリコンでは、前記したように切り出したシリコンウェーハにおいて欠陥の発生を十分には防止できない。その大きな原因の一つが、酸洗浄に伴って残留する酸液成分によるシミの発生に起因したもので、これは前記従来技術での比較的低温での加熱処理や凝結水での洗浄を施しても前記したように高度には抑制できない。これは前記低温での加熱処理や凝結水での洗浄では、塊状物表面には相当量の硝酸イオンが残留するためであり、これが多結晶シリコン塊状物を梱包体としたときに、密閉された袋中に気散して濃縮され、充填空隙において高濃度となり、これが梱包体内の温度変化において生じる結露に含まれて多結晶シリコン塊状物に再付着し、多結晶シリコン塊状物表面に酸化膜を形成するからである。
これに対して本発明では、上記表面硝酸イオン量が高度に低減化された多結晶シリコン塊状物を用い、これを十分な充填空隙がある状態で樹脂袋に充填することで、保管中の充填空隙に対する硝酸イオン濃度が極めて低い多結晶シリコン塊状物梱包体としたことを特徴としている。具体的には、梱包体内部に存在する硝酸イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して50μg/L以下になる量の低さであり、この低い硝酸イオン量により、多結晶シリコン塊状物表面においてシミの原因になる酸化膜の形成反応は顕著に低下する。前記充填空隙に対する硝酸イオン量は5μg/L以下の低さの多結晶シリコン塊状物も得ることが可能である。また、係る充填空隙に対する硝酸イオン量の下限値は理想的には0μg/Lであるが、通常、1μg/Lであり、より好ましくは2μg/Lである。ここで、前記充填空隙に対する硝酸イオン量が50μg/Lを超えて高くなると、梱包体の保管が長期化したり、高温多湿環境においては、シミが顕著に発生するようになる。
本発明において、梱包体内部に存在する硝酸イオン量及びフッ素イオン量は、次の方法により求めることができる。即ち、25℃、1気圧下の室温内で、多結晶シリコン塊状物が充填された多結晶シリコン塊状物梱包体に、25℃の超純水を、多結晶シリコン塊状物の表面を浸漬させるに十分な量を注入し封止し、硝酸成分及びフッ素成分を溶出する。この純水の注入量は、一般には樹脂袋の容積(L)当り、20mL以上、より好ましくは、30~60mLの範囲であり、例えば、該多結晶シリコン塊状物梱包体の代表的サイズである容積約3Lの樹脂袋(多結晶シリコン塊状物を通常、5kg充填)に充填した梱包体の場合であれば100mLを注入するのが望ましい。注入量を増加させすぎると溶出水中の酸液成分の濃度が薄まる為、イオンクロマトグラフでの測定感度が低下する。
この超純水を注入した多結晶シリコン塊状物梱包体を5分間撹拌もしくは振とうさせ、梱包体内部の硝酸成分及びフッ素成分を該水中へ溶出させる。この溶出水を回収し、イオンクロマトグラフ法で硝酸イオン量及びフッ素イオン量(μg)を測定する。そうして、この硝酸イオン量及びフッ素イオン量を、前記多結晶シリコン塊状物梱包体の充填空隙容積で除することにより、これら各イオンの、前記充填空隙に対する量(μg/L)を求めることができる。
なお、本発明において、多結晶シリコン塊状物梱包体の充填空隙容積(L)は、充填された多結晶シリコン塊状物の重量を、多結晶シリコンの密度2330kg/mで除することで多結晶シリコン塊状物の体積を算出し、25℃、1気圧下における梱包体を形成する樹脂袋の内容積(L)から差し引くことで求めることができる。
本発明において、シミの発生の抑制効果をより優れるものにするためには、梱包体内部に存在するフッ素イオン量も、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して50μg/L以下になる量の低さであるのがより好ましく、30μg/L以下になる量の低さであるのが特に好ましい。フッ素イオン量をあまりに低くするのは製造上の困難さも伴うため、前記充填空隙に対するフッ素イオン量の下限値は理想的には0μg/Lであるが、通常、15μg/Lであり、より好ましくは20μg/Lである。
こうした多結晶シリコン塊状物梱包体において、樹脂袋の充填空隙率は40~70%であるのが好ましい。充填空隙率が40%より少ないと、前記充填空隙に対する硝酸イオン量を上記範囲に調整することが難しくなり、他方で、充填空隙率が70%を超えて大きいと袋への多結晶シリコン塊状物の充填量が少なくなり、保管や移送の効率性が低下する。
同様の理由から、梱包体内部に存在する硝酸イオン及びフッ素イオンの合計量は、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して100μg/L以下になる量の低さであるのがより好ましく、70μg/L以下になる量の低さであるのが特に好ましい。硝酸イオン及びフッ素イオンの合計量をあまりに低くするのは製造上の困難さも伴うため、前記充填空隙に対する硝酸イオン及びフッ素イオンの合計量の下限値は理想的には0μg/Lであるが、通常、16μg/Lであり、より好ましくは22μg/Lである。
また、斯様に梱包体に充填する多結晶シリコン塊状物は、前記表面金属濃度が1000pptw以下である他、表面硝酸イオン量が1.0×10-4μg/mm以下の低さであるのが好ましく、更には、表面硝酸イオン量は1.0×10-5以下の低さであるのがより好ましい。また、この梱包体に充填する多結晶シリコン塊状物の表面硝酸イオン量の下限値は理想的には0μg/mmであるが、通常、1.0×10-6μg/mmであり、より好ましくは2.0×10-6μg/mmである。
また、表面フッ素イオン量は1.0×10-4μg/mm以下であるのが好ましく、更には、表面フッ素イオン量は6.0×10-5μg/mm以下の低さであるのがより好ましい。また、この梱包体に充填する多結晶シリコン塊状物の表面フッ素イオン量の下限値は理想的には0μg/mmであるが、通常、3.0×10-5μg/mmであり、より好ましくは4.0×10-5μg/mmである。
また、表面硝酸イオン及び表面フッ素イオンの合計量は2.0×10-4μg/mm以下であるのが好ましく、更には、7.0×10-5μg/mm以下の低さであるのがより好ましい。また、この梱包体に充填する多結晶シリコン塊状物の表面硝酸イオン及び表面フッ素イオンの合計量の下限値は理想的には0μg/mmであるが、通常、3.1×10-5μg/mmであり、より好ましくは4.2×10-5μg/mmである。
ここで、多結晶シリコン塊状物における表面硝酸イオン量及び表面フッ素イオン量は、次の方法により求めることができる。即ち、容積約3Lの樹脂袋に、多結晶シリコン塊状物約5kgを充填し、表面濃度測定用多結晶シリコン塊状物梱包体を得る。この表面濃度測定用多結晶シリコン塊状物梱包体に、25℃、1気圧下の室温内で、同温度の超純水を100mL注入し封止後5分間撹拌もしくは振とうさせ、梱包体内部の硝酸成分及びフッ素成分を該水中へ溶出させる。この溶出水を回収し、イオンクロマトグラフ法で硝酸イオン量及びフッ素イオン量(μg)を測定する。そうして、この硝酸イオン量及びフッ素イオン量を、測定に供した多結晶シリコン塊状物の表面積S(mm)で除することにより、これら各イオンの、単位表面積当たりの存在量を求めることができる。
なお、本発明において、多結晶シリコン塊状物の表面積S(mm)は、以下の方法で求められる。即ち、樹脂袋に梱包された多結晶シリコン塊状物の全個数Aを計測し、総重量で除することにより、多結晶シリコン塊状物1個当たりの平均重量W(g/個)を求め、その平均重量W(g/個)、多結晶シリコンの密度ρ=2330kg/m及び、全個数Aから、立方体換算で下記数式により求めることができる。
S(mm)=W/ρ^(2/3)×6×A×100(mm/cm
樹脂袋は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の樹脂材質が使用できる。形状は、平袋、ガゼット袋などの形状が一般に採用され、また、袋を二重とした二重袋構造などが好適に使用される。また、多結晶シリコン塊状物と梱包材との擦れや破損を抑制する為に、上記梱包体内を減圧もしくは真空とすることも好ましい態様である。
次に、本発明の多結晶シリコン塊状物梱包体を製造する方法について説明する。本発明の多結晶シリコン塊状物梱包体は、表面金属濃度が1000pptw以下である多結晶シリコン塊状物が樹脂袋に梱包される際に、前記充填空隙に対する硝酸イオン量が低くなるように充填されるものである限り、その製造方法が制限されるものではない。好適には、フッ硝酸水溶液により酸洗浄した多結晶シリコン塊状物洗浄体を、100℃以上の加熱温度で乾燥することにより製造することができる。
フッ硝酸水溶液による酸洗浄工程は前記説明したとおりである。洗浄は、多結晶シリコン塊状物を耐薬品性に優れる樹脂製の籠に投入し、洗浄槽内のフッ硝酸水溶液に浸漬することにより実施すれば良い。籠の材質となる樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が用いられる。洗浄槽は、1槽若しくは複数設けても良い。
上記フッ硝酸水溶液による酸洗浄を終えた多結晶シリコン塊状物洗浄体は、水洗し乾燥するのが好ましい。水洗は多結晶シリコン塊状物の表面に付着したエッチング液を除去するために行うものであるが、クラックや割れ目内部に浸透している残留酸液成分、特に、硝酸成分を十分に除去することはできない。
水洗用の水は、金属異物の観点から超純水を用いることが好ましい。また、水洗槽も1槽若しくは複数設けても良い。続く、乾燥工程にて乾燥効率を上げる為に、少なくとも最終水洗槽の温度は60℃以上、より好ましくは80℃以上に管理し、多結晶シリコン塊状物の温度を上げておくことがより好ましい。
このようにして、フッ硝酸水溶液により酸洗浄した多結晶シリコン塊状物洗浄体を、100℃以上の加熱温度で乾燥する。斯様に乾燥で接触させる気体の温度が100℃以上の高温であるため、これが吹付けられる多結晶シリコン塊状物洗浄体も同温度に熱せられる。その結果、多結晶シリコン塊状物洗浄体に付着する前記フッ硝酸水溶液の残留成分において、フッ素イオンだけでなく、硝酸イオンまでをも高率で揮発でき、クラックや割れ目内部に浸透しているこれら酸液成分を高度に除去できる。斯くして乾燥された多結晶シリコン塊状物を樹脂製袋に充填することで、前記充填空隙に対する硝酸イオン量が極めて低い多結晶シリコン塊状物梱包体を得ることが可能になる。
ここで、フッ硝酸水溶液は、硝酸が68質量%の濃度で、120℃の温度で共沸するため、前記加熱温度は120℃以上であるのが好ましい。また、加熱温度が余りに高いと、装置内部の樹脂等の部材の劣化が促進される為、好ましくは150℃以下である。
乾燥のために給気する気体は、通常は、空気であるが、窒素、アルゴン等の不活性ガスであってもよい。これらの給気気体はできるだけ清浄なものが使用され、好適にはクラス100以下の清浄度のものが使用される。
乾燥時間は、多結晶シリコン塊状物表面に付着した酸液成分の量、多結晶シリコン塊状物の大きさ、給気温度、給気風速等を勘案して、前記所望する硝酸イオン量が達成されるように適宜に設定すれば良い。一般には10~120分の乾燥時間、より好適には30~60分になるように設定すれば良い。
乾燥は、多結晶シリコン塊状物洗浄体を乾燥用の籠に移し替えて、これを乾燥器内に収容して実施しても良いが、この移し替え操作で新たな汚染のリスクも生じるため、前記フッ硝酸水溶液による酸洗浄後から乾燥までの工程は、前記洗浄に供した樹脂製の籠中でそのまま継続して施しても構わない。乾燥器からの排気は、必要に応じて再加熱して、乾燥に循環使用するのがエネルギー効率の観点から好ましい。
斯様にして乾燥された多結晶シリコン塊状物は、前記説明したように樹脂袋に充填させて、本発明の多結晶シリコン塊状物梱包体とすれば良い。充填は、手作業でも、充填装置を使用して実施しても良い。樹脂袋に充填した後は、ヒートシーラー等により開口部を封止すれば良い。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、各物性値及び評価はそれぞれ以下の方法により求めた。
1)多結晶シリコン塊状物の表面硝酸イオン量及び表面フッ素イオン量の測定方法
実施例及び比較例で製造した結晶シリコン塊状物梱包体(容積3.5Lの樹脂袋に、多結晶シリコン塊状物約5kgを充填)に、25℃、1気圧下の室温内で、同温度の超純水を100mL注入し封止後、5分間撹拌もしくは振とうさせ、梱包体内部の硝酸成分及びフッ素成分を該水中へ溶出させた。
この溶出水を回収し、イオンクロマトグラフ法で硝酸イオン量及びフッ素イオン量(μg)を測定する。そうして、この硝酸イオン量及びフッ素イオン量を、測定に供した多結晶シリコン塊状物の表面積S(mm)で除することにより、これら各イオンの、単位表面積当たりの存在量を求めた。
2)多結晶シリコン塊状物の表面金属濃度の測定方法
多結晶シリコン塊状物約40gを500mlの清浄なポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに移し、溶解液100ml(50質量%-HF:10ml、70質量%-硝酸:90ml)を加えて25℃で15分間の抽出を行った。上記ビーカー中の液分及び多結晶シリコン塊状物の表面を超純水100mlで洗った洗浄液を、清浄なポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに移し多結晶シリコン塊状物の表面抽出液とした。そうして、この表面抽出液を蒸発乾固させ、残滓に3.5質量%-硝酸水溶液を加え20.0mlに定容化し、前記ICP―MS測定を行い、Na,Mg,Al,K,Ca,Cr,Fe,Ni,Co,Cu,Zn,W,Ti,Moの各表面金属質量を測定した。多結晶シリコン塊状物の表面金属濃度は、この各表面金属質量の測定値を、多結晶シリコン塊状物の質量(40g)で除することにより、多結晶シリコン塊状物の単位重量当たりの含有量(pptw)として求めた。
3)多結晶シリコン塊状物梱包体内部に存在する硝酸イオン量及びフッ素イオン量の測定方法
実施例及び比較例で製造した多結晶シリコン塊状物梱包体(容積3.5Lの樹脂袋に、多結晶シリコン塊状物約5kgを充填)に、25℃、1気圧下の室温内で、同温度の超純水を100mL注入し封止後、5分間撹拌もしくは振とうさせ、梱包体内部の硝酸成分及びフッ素成分を該水中へ溶出させた。この溶出水を回収し、イオンクロマトグラフ法で硝酸イオン量及びフッ素イオン量(μg)を測定した。次いで、この硝酸イオン量及びフッ素イオン量を、前記多結晶シリコン塊状物梱包体の充填空隙容積で除することにより、これら各イオンの、前記充填空隙に対する量(μg/L)を求めた。なお、多結晶シリコン塊状物梱包体の充填空隙容積(L)は、充填された多結晶シリコン塊状物の重量を、多結晶シリコンの密度2330kg/mで除することで多結晶シリコン塊状物の体積を算出し、25℃、1気圧下における梱包体を形成する樹脂袋の内容積(L)から差し引いて求めた値を用いた。
4)多結晶シリコン塊状物梱包体に充填される多結晶シリコン塊状物に対するシミの発生試験
実施例及び比較例で製造した多結晶シリコン塊状物梱包体(容積3.5Lの樹脂袋に、多結晶シリコン塊状物約5kgを充填)をシミの発生を促進するために温度70℃、湿度90%の高温多湿槽内に7日間保管した。その後、梱包体を開封し、充填されていた各多結晶シリコン塊状物の表面に、シミが発生していないか観察し、下記式で示されるシミ発生率を求め、以下の基準で評価した。
シミ発生率=シミが発生した多結晶シリコン塊状物数/梱包体内の多結晶シリコン塊状物の全個数×100
A:シミ発生率が0%
B:シミ発生率が0%を超えて1%以下
C:シミ発生率が1%を超えて3%以下
D:シミ発生率が3%を超える
なお、これら梱包体への充填に供した多結晶シリコン塊状物は、いずれも目視による観察では表面にシミは全く認められない(シミ発生率が0%)ものであった。
実施例1
シーメンス法により製造された多結晶シリコンロッドを、破砕具により破砕して得た多結晶シリコン塊状物(その90質量%以上が、長径の長さが10~60mmの範囲内にある粒度)を洗浄籠に収容し、20℃のフッ硝酸水溶液(水100質量部に対して、フッ化水素を8質量部、硝酸を215質量部含有)が貯留された酸洗浄槽に10分間浸漬してエッチング処理し、さらに、水洗浄槽(20℃)に10分間浸漬した。得られた多結晶シリコン塊状物洗浄体を加熱炉に収容して、100℃の空気を給気して同加熱温度で30分間乾燥させた。乾燥させた多結晶シリコン塊状物について、表面金属濃度を測定したところ、80pptwであった。また、表面硝酸イオン量及び表面フッ素イオン量も測定したところ、表1に示す結果であった。また、その表面を目視で観察し、シミの発生は認められないことを確認した。
以上により得られた、清浄化された多結晶シリコン塊状物約5kgを容積3.5Lのポリエチレン製樹脂袋に充填(充填空隙率は50%:塊状物の充填個数は約500個)し多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。この多結晶シリコン塊状物梱包体について、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、多結晶シリコン塊状物洗浄体を収容した加熱炉での加熱温度を120℃に増加させ、乾燥時間を60分に延長させた以外、実施例1と同様にして、多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。得られた多結晶シリコン塊状物梱包体にについて、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に併せて示した。
比較例1
実施例1において、多結晶シリコン塊状物洗浄体を収容した加熱炉での加熱温度を80℃に低下させた以外、実施例1と同様にして、多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。得られた多結晶シリコン塊状物梱包体にについて、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に併せて示した。
比較例2
実施例1において、多結晶シリコン塊状物洗浄体を収容した加熱炉での加熱温度を80℃に低下させ、さらに乾燥時間を60分に延長させた以外、実施例1と同様にして、多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。得られた多結晶シリコン塊状物梱包体にについて、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に併せて示した。
比較例3
実施例1において、多結晶シリコン塊状物洗浄体を収容した加熱炉での加熱温度を80℃に低下させ、乾燥を常圧から減圧乾燥(減圧度-90kPa)に変えた以外、実施例1と同様にして、多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。得られた多結晶シリコン塊状物梱包体にについて、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に併せて示した。
比較例4
実施例1において、多結晶シリコン塊状物洗浄体を収容した加熱炉での加熱温度を80℃に低下させ、さらに乾燥時間を90分に延長させた以外、実施例1と同様にして、多結晶シリコン塊状物梱包体を製造した。得られた多結晶シリコン塊状物梱包体にについて、充填される多結晶シリコン塊状物へのシミの発生試験を施し、シミの発生のし易さを評価した。結果を表1に併せて示した。
Figure 0007482039000001

Claims (7)

  1. 表面金属濃度が100pptw以下である多結晶シリコン塊状物が樹脂袋に充填された梱包体であって、該梱包体内部に存在する硝酸イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して5μg/L以下になる量であり、
    該梱包体内部に存在するフッ素イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して30μg/L以下になる量であることを特徴とする多結晶シリコン塊状物梱包体。
  2. 表面金属濃度が100pptw以下であり、且つ表面硝酸イオン量が1.0×10-5μg/mm2以下である多結晶シリコン塊状物が樹脂袋に充填されてなる、請求項1記載の多結晶シリコン塊状物梱包体。
  3. 多結晶シリコン塊状物の塊表面に存在するフッ素イオン量が6.0×10-5μg/mm2以下である、請求項記載の多結晶シリコン塊状物梱包体。
  4. 多結晶シリコン塊状物が充填される樹脂袋の充填空隙率が40~70%である、請求項1~のいずれか1項に記載の多結晶シリコン塊状物梱包体。
  5. 表面金属濃度が100pptw以下であり、且つ表面硝酸イオン量が1.0×10-5μg/mm2以下であり、
    表面フッ素イオン量が6.0×10 -5 μg/mm 2 以下である多結晶シリコン塊状物。
  6. フッ硝酸水溶液により酸洗浄した多結晶シリコン塊状物洗浄体を、120℃~150℃の加熱温度で、樹脂製の籠中で乾燥することを特徴とする、請求項記載の多結晶シリコン塊状物の製造方法。
  7. 請求項記載の方法により得られた多結晶シリコン塊状物を、樹脂袋に梱包する際に、梱包体内部に存在する硝酸イオン量が、梱包体を25℃、1気圧下に置いた際に形成される多結晶シリコン塊状物の充填空隙に対して5μg/L以下になる充填量で詰めることを特徴とする、請求項1記載の多結晶シリコン塊状物梱包体の製造方法。
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