JP7480431B2 - シート材容器 - Google Patents

Description

本発明は、シート材容器及び内容物入りのシート材容器の製造方法に関する。

複数のフィルムが積層され、その層間に空気などの充填材が封入された構造のシート材容器は、例えば特許文献１に記載されている。特許文献１のシート材容器は、内容物を収容する収容領域を有する容器と、容器を覆っている袋体（同文献には被覆体と記載）と、袋体を構成している袋体構成シート材２１（同文献には、被覆体構成シート材と記載）と、容器から延出している延出片と、を備える。
袋体構成シート材は、複数のフィルム層どうしが接合している接合部（同文献には、フィルム領域と記載）と、複数のフィルム層どうしが部分的に非接合とされた非接合部（同文献には充填材封入部と記載）と、を備え、非接合部における複数のフィルム層どうしの層間に充填材が封入されて充填部が形成されており、延出片は、充填部に充填材を注入するための注入口を有する。
特許文献１のシート材容器では、延出片の基端において、収容領域とシート材容器の外部空間とが相互に連通されている。
先行技術文献
特許文献１ 特許第６１９３５３５号公報

本発明は、相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する袋体構成シート材を含む１又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、容器本体と、前記容器本体から延出している延出片と、前記容器本体の内部と前記延出片の内部とに亘って連続的に形成されており、内容物を収容する収容領域と、前記収容領域における前記容器本体の内部の部分と当該シート材容器の外部空間とを相互に連通させる充填口と、前記袋体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している袋体と、を備え、前記袋体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である袋体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、前記延出片は、前記充填部に前記充填材を注入するための注入口を有し、当該シート材容器は、前記１又は複数のシート材が折り曲げられるとともに前記１又は複数のシート材のうち最内層のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部を有し、前記周縁シール部によって前記収容領域が画定されており、前記周縁シール部の一部分は、前記延出片において前記注入口の外側の領域に配置されており、前記収容領域は、前記充填口を除いて前記外部空間から密閉されているシート材容器に関する。

また、本発明は、内容物入りのシート材容器を製造する方法であって、前記シート材容器として、本発明のシート材容器を準備する準備工程と、前記収容領域に対して、脱気処理と、不活性ガスを用いたパージ処理と、の少なくともいずれか一方を行う予備工程と、前記収容領域に前記内容物を充填する内容物充填工程と、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に前記充填材を封入する充填材充填工程と、をこの順に行う内容物入りのシート材容器の製造方法に関する。

実施形態に係るシート材容器の正面図である。 実施形態に係るシート材容器の背面図である。 袋体構成シート材の外側フィルム層と内側フィルム層とを示す分解斜視図である。 内袋構成シート材と袋体構成シート材とを示す分解斜視図である。 相互に積層された内袋構成シート材と袋体構成シート材とを有する容器構成シート材を示す平面図である。 実施形態に係るシート材容器に内容物が充填された状態を示す背面図である。 図７（ａ）及び図７（ｂ）は実施形態に係るシート材容器の製造方法を説明するための図であり、このうち図７（ａ）はバルブ部が上死点に位置している状態を示し、図７（ｂ）はバルブ部が下死点に位置している状態を示す。 図８（ａ）、図８（ｂ）及び図８（ｃ）は実施形態に係るシート材容器の製造方法における一連の工程を示す図であり、このうち図８（ａ）及び図８（ｃ）は収容領域が脱気された状態を示し、図８（ｂ）は収容領域に不活性ガスが充填された状態を示す。 図９（ａ）及び図９（ｂ）は実施形態に係るシート材容器の製造方法における一連の工程を示す図であり、このうち図９（ａ）は収容領域に内容物が充填された状態を示し、図９（ｂ）は充填部に充填材が充填された状態を示す。 図１０（ａ）及び図１０（ｂ）は実施形態に係るシート材容器の製造方法を説明するための図であり、このうち図１０（ａ）は充填部に充填材が充填される直前の状態を示しており、図１０（ｂ）は充填部に対する充填材の充填が行われている状態を示している。 図１１（ａ）は図１０（ｂ）に示すＡ－Ａ線に沿った断面図であり、図１１（ｂ）は図１０（ｂ）に示すＢ－Ｂ線に沿った断面図である。 図１２（ａ）、図１２（ｂ）、図１２（ｃ）及び図１２（ｄ）は延出片とその周辺構造を示す平面図であり、このうち図１２（ａ）は変形例１、図１２（ｂ）は変形例２、図１２（ｃ）は変形例３、図１２（ｄ）は変形例４を示している。 実施形態の変形例５に係るシート材容器の製造方法を説明するための図である。

発明の詳細な説明

本発明者等の検討によれば、特許文献１に記載のシート材容器では、内容物の劣化（変質）を抑制する構造に関して改善の余地がある。

本発明は、内容物の劣化（変質）をより確実に抑制することが可能となるシート材容器及び内容物入りシート材容器の製造方法に関する。

以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。また、図８（ａ）～図９（ｂ）においては、各製造工程におけるシート材容器１００の状態を、図１に示すＡ－Ａ線に相当する位置での断面で示している。また、図１０（ａ）及び図１０（ｂ）においては、延出片２５を当該延出片２５の延出方向に沿った断面で示している。

本実施形態に係るシート材容器１００は、相互に積層された外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とを有する袋体構成シート材２１を含む１又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、容器本体２０と、容器本体２０から延出している延出片２５と、容器本体２０の内部と延出片２５の内部とに亘って連続的に形成されており、内容物を収容する収容領域１７と、収容領域１７における容器本体２０の内部の部分と当該シート材容器１００の外部空間とを相互に連通させる充填口１５ｃと、袋体構成シート材２１により構成されており、収容領域１７を包囲している袋体１０と、を備えている。
袋体構成シート材２１は、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との接合部である袋体シール部２６と、外側フィルム層２２と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部２４と、を有するとともに、非接合部２４における外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との層間に充填材を封入可能な充填部６０を有する。
延出片２５は、充填部６０に充填材を注入するための注入口２５ａを有する。
シート材容器１００は、１又は複数のシート材が折り曲げられるとともに１又は複数のシート材のうち最内層のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部４２を有し、周縁シール部４２によって収容領域１７が画定されており、周縁シール部４２の一部分は、延出片２５において注入口２５ａの外側の領域に配置されており、収容領域１７は、充填口１５ｃを除いて外部空間から密閉されている。

収容領域１７に内容物１８を充填するに際して、収容領域１７に内容物１８を充填する前に、収容領域１７から酸素を吸引する。これにより、収容領域１７内に充填された内容物１８が、酸素と接触することにより劣化（変質）してしまうことを抑制できる。

ここで、本実施形態によれば、収容領域１７は充填口１５ｃを除いて外部空間から密閉されているので、充填部６０に充填材を封入する前に、充填口１５ｃから吸引することで収容領域１７に対して十分に脱気を行うことができる。これにより、収容領域１７に充填された内容物１８が、当該収容領域１７に滞留している酸素と接触することにより劣化（変質）してしまうことを、より確実に抑制できる。

更に、本実施形態によれば、周縁シール部４２の一部分は、延出片２５において注入口２５ａの外側の領域に配置されており、収容領域１７は、充填口１５ｃを除いて外部空間から密閉されているので、充填部６０に充填材が封入される前の状態のシート材容器１００の収容領域１７に対して、充填口１５ｃを介して内容物１８を良好に充填することができる。これにより、収容領域１７を十分に拡張させながら内容物１８を充填できる。よって、収容領域１７への内容物１８の充填がスムーズとなる。

本発明において、内容物１８の種類は、特に限定されない。内容物１８としては、例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品の他に、エンジンオイル、化学薬品などが挙げられる。
また、内容物１８は、液体（ペースト状のものや泡状のものを含む）であっても良いし、固体（例えば、粒状のもの（顆粒状のものを含む）、或いは粉状のものなど）であっても良い。
本実施形態の場合、内容物１８は、例えば、液体である。
内容物１８が液体の場合には、内容物１８の粘度は、例えば３０℃において好ましくは１ｍＰａ・ｓ以上１２万ｍＰａ・ｓ以下（Ｂ型粘度計で測定。例えば東機産業社製ビスコメーターＴＶ－１０又はビスコメーターＴＶＢ－１０等で測定）であり、より好ましくは１ｍＰａ・ｓ以上６万ｍＰａ・ｓ以下である。

充填部６０に封入されている充填材は、流体（気体または液体）、固体（例えば粉粒体、樹脂ペレット等）または半固体（例えば発泡剤等）とすることができ、空気などの圧縮性流体であることが好ましい。

本実施形態において、シート材容器１００の各構成要素の位置関係（上下関係等）の説明は、特に断りのない場合はシート材容器１００を図６のように自立させた状態での位置関係を説明したものである。ただし、これらの説明における位置関係は、シート材容器１００の使用時や製造時の位置関係とは必ずしも一致しない。
また、シート材容器１００の各構成要素の位置関係について、各図に示される位置関係を説明する場合もある。
シート材容器１００の正面側（図１における紙面の手前側）を前方、シート材容器１００の背面側（図１における紙面の奥側）を後方といい、シート材容器１００の正面に向かって左側（図１における左側）を左方、シート材容器１００の正面に向かって右側（図１における右側）を右方という。また、シート材容器１００の左右方向を横幅方向（幅方向）という場合がある。

本実施形態の場合、容器本体２０は、胴部１１と、胴部１１の上側に配置されている天部１４と、胴部１１の下側に配置されている底部１３と、を有する袋状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、容器本体２０は、天部１４を有していなくてもよく、また、底部１３を有していなくてもよい。図６に示すように、充填部６０に充填材が充填された状態において、シート材容器１００は、底部１３が水平な載置面に載置された状態で自立可能となっている。
容器本体２０は、収容領域１７を包囲している（本実施形態の場合、後述する内袋４０を包囲している）。容器本体２０はシート材容器１００の外殻を構成している。以下では、容器本体２０の胴部１１、天部１４及び底部１３のことを、シート材容器１００の胴部１１、天部１４及び底部１３と称する場合がある。

図１及び図２に示すように、胴部１１は、収容領域１７を間に挟んで互いに対向している第１主面部２０ａ（前側のパネル）及び第２主面部２０ｂ（後側のパネル）を有する。第１主面部２０ａは正面側に位置しており、第２主面部２０ｂは背面側に位置している。
第１主面部２０ａは、例えば、左右対称に形成されており、第２主面部２０ｂも、例えば、左右対称に形成されている。
容器本体２０は、容器構成シート材５１（図５参照）を折り曲げて当該容器構成シート材５１の周縁部どうしを相互に接合（本実施形態の場合、内袋４０を構成する内袋構成シート材４１を介して相互に接合）することによって構成されている。

また、本実施形態の場合、延出片２５は、容器本体２０の上端部から延出している。より詳細には、延出片２５の正面側の部分は、例えば、胴部１１の第２主面部２０ｂの上端から上方に延出している。延出片２５の背面側の部分は、例えば、天部１４の上端から上方に延出している。言い換えると、延出片２５は、胴部１１と天部１４との境界部から延出している。
延出片２５の横幅寸法は、例えば、上下方向において略一定となっている。ただし、延出片２５の横幅寸法は、例えば、上下方向における位置に応じて異なっていてもよい。

また、本実施形態の場合、シート材容器１００は、袋体１０の内側に配置されている内袋４０を更に備え、内袋４０は、シート材容器１００を構成する１又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材４１により構成されている。したがって、本実施形態の場合、最内層のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部４２は、内袋構成シート材４１の周縁部どうしが相互に接合されているシール部である。
より詳細には、内袋４０は、例えば、内袋構成シート材４１（図４参照）の周縁部における一部分どうしを相互に接合することにより構成されている。すなわち、内袋構成シート材４１を折り曲げて当該内袋構成シート材４１の周縁部どうしを相互に接合することによって、袋状の内袋４０が構成されている。上述のように、内袋４０は、容器本体２０によって覆われている。内袋４０は、当該内袋４０の内部に収容領域１７を有する。

内袋４０の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、内袋４０は容器本体２０と同様の形状に形成されている。尤も、内袋４０の形状は、容器本体２０より小さい形状とすることもできる。
図８（ｂ）に示すように、内袋４０は、収容領域１７を間に挟んで正面側に位置する第１面状部４０ａと背面側に位置する第２面状部４０ｂとを有する。

シート材容器１００は、収容領域１７から内容物１８を吐出する吐出口を有するスパウト部材１５を備えており、吐出口は、充填口１５ｃを兼ねる。
より詳細には、スパウト部材１５は、例えば、天部１４を貫通して設けられている。
スパウト部材１５は、例えば、図７（ａ）及び図７（ｂ）に示すように、内容物１８を通過させる円筒状の注出筒部１５ａと、注出筒部１５ａの軸方向における一端（下端）において当該軸方向に対して直交する配置で設けられている板状の板状部１５ｂと、を一体に備えて構成されている。注出筒部１５ａの外周面にはねじ山が形成されており、注出筒部１５ａは雄ねじ形状となっている。注出筒部１５ａは、天部１４を上下に貫通しており、天部１４から上方に突出している。
板状部１５ｂは、注出筒部１５ａの下端から周囲に向けてフランジ状に張り出している。板状部１５ｂの平面形状は特に限定されないが、例えば、略正方形状であることが挙げられる。
板状部１５ｂは、例えば、内袋構成シート材４１において、胴部１１の天部１４に沿って配置されている部分の内面又は外面に設けられている。板状部１５ｂは、例えば、天部１４において内袋構成シート材４１の内面（下面）に対して接合されている。このため、板状部１５ｂは、内袋構成シート材４１を介して、袋体構成シート材２１に接合されている。ただし、本発明は、この例に限らず、板状部１５ｂは、袋体構成シート材２１の内側フィルム層２３に対して直接接合されていてもよい。板状部１５ｂと内袋構成シート材４１との接合部は、平面視において、注出筒部１５ａの周囲を周回状に取り囲んでいる。板状部１５ｂと内袋構成シート材４１との接合部は、例えば、挿通穴２１ａの周囲に位置する円環状の袋体シール部２６（図５参照）と重なる範囲に形成されている。
注出筒部１５ａの上端側の開口が、収容領域１７から内容物１８を吐出する吐出口であり、充填口１５ｃを兼ねている。したがって、収容領域１７における容器本体２０の内部の部分とシート材容器１００の外部空間とは、注出筒部１５ａの上端側の開口を介して相互に連通されている。
また、板状部１５ｂには、注出筒部１５ａの内空と同軸に開口が形成されている。収容領域１７内の内容物１８は、板状部１５ｂの開口及び充填口１５ｃを通して外部に吐出される。

充填部６０の形状は特に限定されないが、例えば、図１、図２及び図５に示すように、例えば、第１主面部２０ａの周縁部に沿って周回状に形成されている第１充填部６１と、第２主面部２０ｂの周縁部に沿って周回状に形成されている第２充填部６２と、底部１３の周縁部に沿って周回状に形成されている第３充填部６３と、天部１４において注出筒部１５ａの周囲に周回状に形成されている第４充填部６４と、を含んでいる。
第１充填部６１は、第４充填部と繋がっているとともに、第３充填部６３と繋がっている。第２充填部６２は、第３充填部６３と繋がっている。
シート材容器１００は、このように全体が一繋がりに形成されている充填部６０を備えており、当該充填部６０に充填材が充填された状態において、容器本体２０のほぼ全体に亘って、構造的強度が十分に確保されている。
なお、本発明において、シート材容器１００は、互いに独立した複数の充填部６０を備えていても良い。

更に、本実施形態の場合、充填部６０は、延出片２５の厚み方向において延出片２５の内部の収容領域１７を間に挟んで一方の側に配置されている第１延出充填部６６と他方の側に配置されている第２延出充填部６７とを有する。
本実施形態の場合、第１延出充填部６６と第４充填部６４とが、面間接続部６５ａを介して繋がっており、第２延出充填部６７と第２充填部６２とが、面間接続部６５ｂを介して繋がっている。
より詳細には、第１延出充填部６６の下縁は第４充填部６４の上縁と繋がっており、第２延出充填部６７の下縁は第２充填部６２の上縁と繋がっている。

ここで、例えば、外側フィルム層２２において、第１延出充填部６６と第２延出充填部６７との少なくとも一方を画定している部位に、注入口２５ａが形成されている。
本実施形態の場合、注入口２５ａは、例えば、図２に示すように、外側フィルム層２２において、第２延出充填部６７の横幅方向における中央位置、且つ、当該第２延出充填部６７の延出方向における中央位置に相当する位置に配置されている。
ただし、注入口２５ａは、例えば、外側フィルム層２２において、第１延出充填部６６を画定している部位に形成されていてもよいし、第１延出充填部６６を画定している部位と、第２延出充填部６７を画定している部位と、の両方に形成されていてもよい。

図３に示すように、袋体構成シート材２１は、容器本体２０の外面側を構成する外側フィルム層２２と、容器本体２０の内面側を構成する内側フィルム層２３と、を相互に積層及び接合することにより構成されている。すなわち、一例として、本実施形態の場合、袋体構成シート材２１は、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との２層のフィルム層により構成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、袋体構成シート材２１は、外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３以外のフィルム層を有していても良い。
本実施形態の場合、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とは互いに同形状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とは互いに異形状であっても良い。異形状の場合は、外側フィルム層２２は内側フィルム層２３よりも大きい形状であることが好ましい。
外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３には、スパウト部材１５の注出筒部１５ａが挿通される挿通孔が形成されている。

袋体構成シート材２１には、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とが部分的に非接合とされた非接合部２４（図５参照）が形成されている。例えば、外側フィルム層２２又は内側フィルム層２３の一方または両方において、他方に対して対向する面には、部分的に非接合処理が施されている。非接合処理は、非接合剤（いわゆる糊殺し剤）を塗布して糊殺し状態とすることによって、容易に形成することができる。糊殺し剤としては、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との接合を抑制できるものであれば、いかなるものも使用することができる。糊殺し剤としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷（凸版印刷）のそれぞれに使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキ等を好ましく用いることができる。また、熱硬化型や紫外線硬化型のインキを好ましく用いることができる。非接合処理が施された範囲が非接合部２４となる。非接合部２４に充填材が封入されることによって、充填部６０が形成されるようになっている。尤も、袋体シール部２６は、非接合処理による形成に限らず、袋体シール部２６の形状を有する金型を用いてヒートシールすることで形成しても構わない。
充填部６０は、必ずしも非接合部２４の全部に形成されていることに限定されず、複数ある非接合部２４の一部に形成されていてもよい。
図３及び図４では、外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３の各々において、相互に接合されて袋体シール部２６となる領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
図５では、容器構成シート材５１において、非接合部２４を画定するために外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とが相互に接合されている領域、すなわち袋体シール部２６の形成領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
更に、図４では、袋体構成シート材２１の周縁部のシール領域と、それ以外の領域と、の境界線であるシール境界線２１ｃを二点鎖線で示している。本実施形態の場合、袋体構成シート材２１のシール境界線２１ｃよりも外側の領域においては、製袋の際に、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とが相互に接合されるとともに、内側フィルム層２３と内袋構成シート材４１とが相互に接合される。
外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。

本実施形態の場合、外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３の各々は、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。また、内袋構成シート材４１も、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。

袋体構成シート材２１及び内袋構成シート材４１は、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系又はポリアミド系のいずれか１種の樹脂層を含んでいることが好ましい。
樹脂層の材料は、特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＵＬＤＰＥ）、エチレン－ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などのポリエチレン系材料、または延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）、未延伸ポリプロピレン（ＣＰＰ）、アイソタクチックＰＰ、シンジオタクチックＰＰ、アタクチックＰＰ、ランダムＰＰ、ブロックＰＰなどのポリプロピレン系材料、またはポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、非晶性ポリエチレンテレフタレート（非晶性ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリブチレンナフタレート（ＰＢＮ）などのポリエステル系材料、または延伸ナイロン（ＯＮｙ）、未延伸ナイロン（ＣＮｙ）、ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン１１、ナイロン１２、ＭＸＤ６などのポリアミド系材料のいずれかであるのがリサイクル性の観点からより好ましく、これらのうち上記ポリエチレン系材料であるのが特に好ましい。

図４及び図５に示すように袋体構成シート材２１に内袋構成シート材４１が積層され、図５に示すように内側フィルム層２３の周縁部と内袋構成シート材４１の周縁部とが相互に接合されるとともに、外側フィルム層２２の周縁部と内側フィルム層２３の周縁部とが相互に接合されている。これにより、袋体構成シート材２１と内袋構成シート材４１とにより容器構成シート材５１が構成されている。
ここで、容器構成シート材５１の周縁部のシール部を周縁シール部５２と称する。周縁シール部５２は、内側フィルム層２３の周縁部と内袋構成シート材４１の周縁部とのシール部（以下、内外シール部４３）と、外側フィルム層２２の周縁部と内側フィルム層２３の周縁部とのシール部（以下、本体周縁シール部２８）と、を含む。
図５において、周縁シール部５２の形成領域には、左上がりのハッチングを付している。また、図５において、周縁シール部５２の形成領域と袋体シール部２６の形成領域とが重複している領域では、左上がりのハッチングと右上がりのハッチングとが重なっている。
周縁シール部５２を形成する手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。

図５に示すように、袋体構成シート材２１は、例えば、第１主面部２０ａを構成する部分である第１シート部３１と、第２主面部２０ｂを構成する部分である第２シート部３２と、底部１３を構成する部分である底部構成シート部３８と、天部１４を構成する部分である天部構成シート部３９と、を有する。
天部構成シート部３９には、スパウト部材１５の注出筒部１５ａが挿通される挿通穴２１ａが形成されている。
本実施形態の場合、非接合部２４は、シート材容器１００の充填部６０の形状と対応する形状に形成されている。

ここで、本実施形態の場合、図４に示すように、袋体構成シート材２１は、延出片２５の厚み方向において延出片２５の内部の収容領域１７を間に挟んで一方の側に配置されている第１延出部２２ａと、他方の側に配置されている第２延出部２２ｂと、を有する。
第１延出部２２ａは、例えば、外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３から構成され、天部構成シート部３９から外方に延出している。第２延出部２２ｂは、例えば、外側フィルム層２２及び内側フィルム層２３から構成され、第２シート部３２から外方に延出している。第１延出部２２ａと第２延出部２２ｂとは、例えば、互いに同一寸法及び同形状に形成されている。第１延出部２２ａ及び第２延出部２２ｂの各々の平面形状は特に限定されないが、例えば、一方向に長尺な略矩形状に形成されている。
袋体構成シート材２１が展開されている状態（図４及び図５に示す状態）において、第１延出部２２ａは、例えば、天部構成シート部３９における第１シート部３１と接続されている側とは反対側の縁部において、当該天部構成シート部３９の幅方向における中央部から上方に延出している。同様に、第２延出部２２ｂは、例えば、第２シート部３２における底部構成シート部３８と接続されている側とは反対側の縁部において、当該第２シート部３２の幅方向における中央部から下方に延出している。

更に、本実施形態の場合、内袋構成シート材４１は、延出片２５の厚み方向において延出片２５の内部の収容領域１７を間に挟んで一方の側に配置されている第３延出部４６ａと、他方の側に配置されている第４延出部４６ｂと、を有する。
より詳細には、内袋構成シート材４１は、袋体構成シート材２１と同形状に形成されている。第３延出部４６ａは、第１延出部２２ａと対応する部分（第１延出部２２ａと重なっている部分）である。第４延出部４６ｂは、第２延出部２２ｂと対応する部分（第２延出部２２ｂと重なっている部分）である。そして、延出片２５は、第１延出部２２ａ～第４延出部４６ｂの各々の周縁部どうしが互いに接合されることによって構成されている。更に詳細には、第１延出部２２ａ及び第３延出部４６ａの各々の周縁部どうしが互いに接合されており、第２延出部２２ｂ及び第４延出部４６ｂの各々の周縁部どうしが互いに接合されており、第３延出部４６ａ及び第４延出部４６ｂの各々の周縁部どうしも互いに接合されている。
なお、図４では、内袋構成シート材４１のシール境界線４１ａを便宜的に二点鎖線で示している。シール境界線４１ａは、内袋構成シート材４１が袋体構成シート材２１と接合（シール）される領域と内袋構成シート材４１における他の領域との境界線であるとともに、容器構成シート材５１を用いてシート材容器１００が形成される際に内袋構成シート材４１どうしが接合される領域と内袋構成シート材４１における他の領域との境界線である。
本実施形態の場合、シール境界線４１ａの位置とシール境界線２１ｃの位置とは互いに対応している（互いに重なっている）。

内袋構成シート材４１において天部構成シート部３９と重なる部分には、スパウト部材１５の注出筒部１５ａが挿通される挿通穴４１ｂが形成されている。
スパウト部材１５の板状部１５ｂは、例えば、内袋構成シート材４１において天部構成シート部３９と重なっている部分の内面に対して接合されている。注出筒部１５ａは、内袋構成シート材４１の挿通穴４１ｂ及び天部構成シート部３９の挿通穴２１ａを通してこれらシートの外面側に突出している。

ここで、本実施形態の場合、シート材容器１００は、充填口１５ｃに装着されているバルブ部９０（図７（ａ）及び図７（ｂ）参照）を備えている。バルブ部９０は、収容領域１７が充填口１５ｃを介して外部空間と連通する開状態と、収容領域１７と外部空間とを相互に遮断する閉状態と、に切り替わり可能である。
より詳細には、バルブ部９０は、操作部９２と、操作部９２を上下方向に摺動可能に保持している保持部９３と、操作部９２を上方に付勢するバネ部材９７とを備えている。
本実施形態の場合、保持部９３は、例えば、スパウト部材１５の注出筒部１５ａに対して着脱可能に装着されている。

保持部９３は、スパウト部材１５の注出筒部１５ａに対して着脱可能に螺合している雌ねじ形状の筒状部である第１部材９４と、バネ部材９７を支持している第２部材９５と、を備えている。
第１部材９４は、例えば、上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。第１部材９４の内径及び外径の各々は、上方に向けて３段階に縮径している。
また、第１部材９４は、後述するピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂを閉塞可能に構成されている突起部９４１を有する。突起部９４１は、ピストン部材９６ｂが下方に押圧された状態において、第２流入部９６１ｂを閉塞する。
第２部材９５は、例えば、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。
第２部材９５は、例えば、第１部材９４の内腔に対して嵌入している。また、第２部材９５の下端部の内腔には、バネ部材９７の下端部が挿入されている。
第２部材９５は、例えば、収容領域１７と第２部材９５の内部空間とを連通している流入部９５ａを有する。

操作部９２は、第１部材９４の内腔及び第２部材９５の内腔に挿通されているピストン部材９６ｂを備えており、ピストン部材９６ｂの内腔は、内部流路９６１ａを構成している。
また、ピストン部材９６ｂの下端部には、第２流入部９６１ｂが形成されている。第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに当接している状態において、内部流路９６１ａと第２部材９５の内部空間とは互いに遮断されており、第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに離間している状態において、内部流路９６１ａと第２部材９５の内部空間とは互いに連通している。
ピストン部材９６ｂの下端部は、バネ部材９７の上端部に装着されている。より詳細には、バネ部材９７は、例えば、ピストン部材９６ｂを支持しているとともに、ピストン部材９６ｂを上方に付勢している。ピストン部材９６ｂが下方に押圧されると、当該ピストン部材９６ｂは、バネ部材９７の付勢力に抗して下降し、ピストン部材９６ｂに対する押圧操作が解除されると、当該ピストン部材９６ｂは、バネ部材９７の付勢力に従って上昇する。

本実施形態の場合、ピストン部材９６ｂを胴部１１側に押し込む操作によって、バルブ部９０を、収容領域１７が充填口１５ｃを介して外部空間と連通する開状態に切り替えることができる。
より詳細には、ピストン部材９６ｂに対して押圧操作が行われたときには、バネ部材９７の付勢力に抗して、ピストン部材９６ｂは下死点に向かって（図８（ｂ）に示すピストン部材９６ｂの位置）下降する。また、ピストン部材９６ｂに対する押圧操作が解除されると、バネ部材９７の付勢力に従って、ピストン部材９６ｂは上死点（図８（ａ）に示すピストン部材９６ｂの位置）まで上昇するようになっている。なお、本発明は、押圧操作における押圧方向が下方（胴部１１側）である例に限らず、ピストン部材９６ｂの移動方向は例えば水平方向などであってもよい。
ピストン部材９６ｂに対する押圧操作によって、ピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂが第１部材９４の突起部９４１よりも下方に押し下げられると、第２部材９５の内部空間と内部流路９６１ａとが相互に連通され、更には収容領域１７と外部空間とが相互に連通される。すなわち、本実施形態の場合、操作部９２に対する開操作は、押圧操作によってピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂを第１部材９４の突起部９４１よりも下死点側に下降させる操作である。
また、ピストン部材９６ｂに対する押圧操作が解除することによって、バルブ部９０を、収容領域１７と外部空間とを相互に遮断する閉状態に切り替えることができる。
より詳細には、ピストン部材９６ｂが上昇することによって、ピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに当接した状態となり、第２部材９５の内部空間と内部流路９６１ａとが相互に遮断され、更には収容領域１７と外部空間とが相互に遮断された状態となる。すなわち、本実施形態の場合、操作部９２に対する閉操作は、押圧操作を解除することである。閉操作によって、ピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂが第１部材９４の突起部９４１よりも上死点側に上昇する。

以下、図７（ａ）～図１１（ｂ）を用いて、本実施形態に係る内容物入りのシート材容器３００の製造方法（以下、本方法と称する場合がある）について説明する。なお、図７（ａ）及び図７（ｂ）においては、シート材容器１００における上部以外の部分の図示を省略している。

先ず、上述のシート材容器１００を準備する。より詳細には、容器構成シート材５１が、図５に示す折り曲げ線８１、折り曲げ線８２及び折り曲げ線８４においてそれぞれ谷折りされるとともに、折り曲げ線８３及び折り曲げ線８５においてそれぞれ山折りされた状態で、容器構成シート材５１の周縁部どうし（内袋構成シート材４１どうし）が接合されることによって、容器構成シート材５１が二重構造の袋状に形成される。ここで、谷折りとは、図５における奥側に向けて凸の折り曲げ方であり、山折りとは、図５における手前側に向けて凸の折り曲げ方である。
すなわち、内袋構成シート材４１の周縁部どうしが接合されて周縁シール部４２が形成されることにより、内袋構成シート材４１によって内袋４０が形成されるとともに、内袋４０を覆う袋状の容器本体２０が形成される。
このようにして、図１及び図２に示すように、容器構成シート材５１が二重の袋状に形成され、シート材容器１００が得られる。図１及び図２に示す状態では、収容領域１７が未だ膨らんでいないとともに、充填部６０に充填材が充填されていないため、シート材容器１００は、扁平な形状となっている（図８（ａ）参照）。
内袋構成シート材４１どうしの接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
本実施形態の場合、本体周縁シール部２８、周縁シール部４２及び内外シール部４３は、互いに対応する位置（互いに重なる位置）に配置されている。本体周縁シール部２８、周縁シール部４２及び内外シール部４３の総称を周縁シール部１９とする（周縁シール部１９は、本体周縁シール部２８、周縁シール部４２及び内外シール部４３を含む）。
図１及び図２においては、周縁シール部１９（本体周縁シール部２８、周縁シール部４２及び内外シール部４３）の形成領域には、左上がりのハッチングを付している。また、図１及び図２において、周縁シール部１９の形成領域と袋体シール部２６の形成領域とが重複している領域では、左上がりのハッチングと右上がりのハッチングとが重なっている。

第１シート部３１において、折り曲げ線８５よりも天部構成シート部３９側の部分は、第１重複部３１ａである。第１重複部３１ａは、非接合部２４に充填材が充填される前の状態では、天部構成シート部３９における一方の半部と重なって配置されている。
第２シート部３２において、折り曲げ線８６よりも底部構成シート部３８から遠い側に位置する部分は、第２重複部３２ａである。第２重複部３２ａは、非接合部２４に充填材が充填される前の状態では、天部構成シート部３９における他方の半部と重なって配置されている。

ここで、本実施形態の場合、図１及び図２に示すように、延出片２５における周縁シール部４２の内縁は、延出片２５における袋体シール部２６の内縁と一致している。より詳細には、延出片２５の厚み方向に視たときに、延出片２５における周縁シール部４２の形成領域の略の略全体と、延出片２５における袋体シール部２６の形成領域の略全体と、が互いに重なり合っている。
これにより、延出片２５において周縁シール部４２と袋体シール部２６とが互いに異なる位置に形成されている場合と比較して、延出片２５の寸法をより小さく設定することができる。
より詳細には、延出片２５において、周縁シール部４２及び袋体シール部２６の各々は、延出片２５の周縁部に沿って連続的に形成されている。
延出片２５の正面側における周縁シール部４２の一部分は、天部構成シート部３９における周縁シール部４２の一部分と接続されている。延出片２５の正面側における周縁シール部４２は、面間接続部６５ａを避けて形成されている。同様に、延出片２５の背面側における周縁シール部４２の一部分は、第２シート部３２における周縁シール部４２の一部分と接続されている。延出片２５の背面側における周縁シール部４２は、面間接続部６５ｂを避けて形成されている。
延出片２５の正面側における袋体シール部２６の一部分は、天部構成シート部３９における袋体シール部２６の一部分と接続されている。延出片２５の正面側における袋体シール部２６は、面間接続部６５ａを避けて形成されている。同様に、延出片２５の背面側における袋体シール部２６の一部分は、第２シート部３２における袋体シール部２６の一部分と接続されている。延出片２５の背面側における袋体シール部２６は、面間接続部６５ｂを避けて形成されている。

続いて、袋状に形成されたシート材容器１００のスパウト部材１５に、上述のバルブ部９０が装着される。これにより、充填口１５ｃに装着されているバルブ部９０を備え、バルブ部９０は、収容領域１７が充填口１５ｃを介して外部空間と連通する開状態と、収容領域１７と外部空間とを相互に遮断する閉状態と、に切り替わり可能であるシート材容器１００を準備することができる。

次に、収容領域１７に対して、脱気処理と、不活性ガスを用いたパージ処理と、の少なくともいずれか一方を行う予備工程を行う。
本実施形態の場合、予備工程において、収容領域１７に対して、パージ処理と脱気処理とを少なくとも１回ずつこの順に行う。より詳細には、予備工程では、例えば、脱気処理と、パージ処理と、脱気処理（二回目）と、をこの順に行う。
図７（ａ）に示すように、脱気処理の実行時には、ピストン部材９６ｂに対する押圧操作によって、バルブ部９０を開状態にする。
より詳細には、ピストン部材９６ｂに管部材２１０を挿入し、第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに離間している状態となるまで、管部材２１０をスパウト部材１５に対して相対的に下降させる。これにより、管部材２１０の内腔と収容領域１７とが相互に導通することとなる。この状態において、管部材２１０を介して、収容領域１７内に滞留している酸素を吸引（脱気）する。これにより、図８（ａ）に示すように、内袋４０の第１面状部４０ａと第２面状部４０ｂとが互いに十分に密着した状態となり、収容領域１７が潰れた状態となる。
続いて、パージ処理を行う。先ず、脱気処理の実行時と同様に、バルブ部９０を開状態にする。この状態において、管部材２１０を介して不活性ガス（例えば、窒素）を収容領域１７内に充填する。不活性ガスの充填が開始されると、不活性ガスは、管部材２１０の内腔を通って、充填口１５ｃから収容領域１７に流入する。これにより、図８（ｂ）に示すように、収容領域１７内に不活性ガスが充填され、内袋４０が十分に膨張した状態となる。
不活性ガスの充填を停止した後、管部材２１０を介して収容領域１７の内部に充填された不活性ガスを含む気体を吸引することによって、脱気処理を再度行う。これにより、図８（ｃ）に示すように、内袋４０の第１面状部４０ａと第２面状部４０ｂとが互いに十分に密着した状態となり、収容領域１７が潰れた状態となる。

このように、本実施形態の場合、充填部６０に充填材を充填する充填材充填工程を行う前に予備工程を行う。すなわち、充填材が充填された充填部６０によって容器本体２０の構造的強度が確保される前に予備工程を行う。
よって、パージ処理を行う際には、収容領域１７における充填部６０に隣接する領域まで不活性ガスを行き渡らせることができる。よって、収容領域１７に残留している酸素を不活性ガスによって薄めることができるので、内容物１８の劣化（変質）を抑制できる。
また、脱気処理を行う際には、収容領域１７を十分に潰れた状態とすることができるので、より確実に、収容領域１７から酸素を吸引することができる。
なお、予備工程において、例えば、脱気処理又はパージ処理のいずれか一方を行わなくてもよい。ただし、パージ処理を行う場合は、パージ処理の後に脱気処理を行うことが好ましい。

次に、収容領域１７に内容物１８を充填する内容物充填工程を行う。内容物充填工程では、脱気処理により収容領域１７が潰れた状態から、内容物１８の充填を開始する。内容物１８を充填する際には、パージ処理及び脱気処理と同様に、バルブ部９０が開状態となっている状態において内容物充填工程を行う。この際に、ピストン部材９６ｂに挿入される管部材は、脱気処理及びパージ処理の際に用いた管部材２１０と同一のものであってもよいし、別部材であってもよい。ピストン部材９６ｂに管部材が挿入され、第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに離間している状態において、管部材を介して収容領域１７に内容物１８を注入する。これにより、図９（ａ）に示すように、収容領域１７が内容物１８によって膨張した状態となる。
収容領域１７に所望の量の内容物１８が充填された後、管部材をスパウト部材１５に対して相対的に上昇させ、当該管部材をバルブ部９０から抜去する。これにより、図７（ｂ）に示すように、ピストン部材９６ｂが上昇し、ピストン部材９６ｂの第２流入部９６１ｂと第１部材９４の突起部９４１とが互いに当接した状態となり、収容領域１７と外部空間とが相互に遮断された状態となる。

次に、非接合部２４における外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との層間に充填材を封入する充填材充填工程を行う。
充填材は、延出片２５に形成されている注入口２５ａから非接合部２４に注入される。
図１０（ａ）に示すように、治具部材２５１と、治具部材２５１の下方に配置されている充填ノズル２５２と、の間に延出片２５を配置する。なお、治具部材２５１と充填ノズル２５２との間に延出片２５を配置する前の状態において、治具部材２５１と充填ノズル２５２との間隔（対向間隔）は、図１０（ａ）に示す状態よりも上下に広い。これにより、治具部材２５１と充填ノズル２５２との間に延出片２５を配置する際に、延出片２５が、治具部材２５１や充填ノズル２５２に対して干渉してしまうことを抑制できる。そして、治具部材２５１と充填ノズル２５２との間に延出片２５を配置した後に、上下方向において治具部材２５１と充填ノズル２５２とを互いに近づけることによって図１０（ａ）に示す状態とする。
治具部材２５１の下面は、例えば、第１延出充填部６６に対して当接しており、充填ノズルの上面は、第２延出充填部６７と対向している。充填ノズルの内腔は充填材が流動する内部流路２５３を構成しており、上下方向において、注入口２５ａと充填ノズル２５２の先端側の開口とは互いに対向している。また、充填ノズル２５２の先端部には、例えば、環状のシリコンリング（不図示）が設けられている。
ここで、本実施形態の場合、延出片２５は、内袋構成シート材４１の一部分（第３延出部４６ａ及び第４延出部４６ｂ）を含んで構成されている。これにより、延出片２５の剛性を十分に確保することができるので、治具部材２５１の下面が第１延出充填部６６に対して当接するように延出片２５を配置することが容易となる。
充填材は、充填ノズル２５２の内部流路２５３の先端側の開口から噴射され、更には注入口２５ａに吹き付けられることによって充填部６０に充填される。より詳細には、注入口２５ａに吹き付けられた充填材は、第２延出充填部６７と、第２充填部６２と、第３充填部６３と、第１充填部６１と、第４充填部６４をこの順に流動して第１延出充填部６６に流入する。また、この際に、充填材が吹き付けられることによって延出片２５が上方に変位してしまうことが、治具部材２５１によって規制される。
充填部６０に充填材が充填されるに伴って、第１延出充填部６６と第２延出充填部６７とが膨張し、図１０（ｂ）に示すように、第１延出充填部６６の一部分が治具部材２５１に対して当接した状態を維持しつつ、第２延出充填部６７における注入口２５ａの周囲縁部がシリコンリングに対して気密に密着する。これにより、注入口２５ａがシリコンリングによって気密に閉塞された状態で、内部流路２５３と収容領域１７とが相互に導通することとなるので、充填部６０に充填材を良好に充填することができる。

ここで、充填部６０への充填材の充填中において、延出片２５の先端部２５ｂにおいては、第１延出充填部６６及び第２延出充填部６７の各々の厚み寸法が、当該延出片２５の基端側に向けて徐々に増大し、先端部よりも基端側に位置する延出片２５の基端部２５ｃにおいては、第１延出充填部６６及び第２延出充填部６７の各々の厚み寸法が実質的に一定である。そして、注入口２５ａは、例えば、基端部２５ｃに形成されている。
なお、本実施形態の場合、ここでいう第１延出充填部６６及び第２延出充填部６７の各々の厚み寸法は、延出片２５の厚み方向における外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との離間距離である。
これにより、充填部６０への充填材の充填中において、延出片２５における、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とが互いに十分に離間している部分に注入口２５ａが形成されていることとなるので、スムーズに充填部６０へ充填材を封入することができる。
更には、上述のように、本実施形態の場合、注入口２５ａは、外側フィルム層２２において、第２延出充填部６７の幅方向における中央位置に配置されている。
これにより、注入口２５ａは、充填部６０への充填材の充填中において、第２延出充填部６７における膨らみの中心部に位置することとなる。よって、よりスムーズに充填部６０へ充填材を封入することができる。

なお、充填部６０の内部における圧力は、特に限定されないが、大気圧よりも高圧であることが好ましく、例えば、１０ｋＰａ以上５００ｋＰａ以下（ゲージ圧）とすることができる。

また、充填材充填工程では、非接合部２４における外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との層間に充填材を充填した後、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とを接合することにより充填部６０を封止する充填部封止シール２９ａを形成するとともに、充填部封止シール２９ａと同時に同箇所にて最内層のシート材どうしを接合することにより収容領域封止シール２９ｂを形成する。なお、図１及び図２においては、充填部封止シール２９ａ及び収容領域封止シール２９ｂの各々の形成領域を二点鎖線で示している。
これにより、充填材が充填された状態で充填部６０が封止されるとともに、充填口１５ｃを除いて収容領域１７が封止される。
より詳細には、本実施形態の場合、充填部封止シール２９ａは、面間接続部６５ａ、６５ｂに形成されている。よって、充填部封止シール２９ａは、面間接続部６５ａにおける外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とを互いに接合しているとともに、面間接続部６５ｂにおける外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とを互いに接合している。これにより、充填部封止シール２９ａによって、第１延出充填部６６と第４充填部６４との連通箇所（面間接続部６５ａ）が閉塞されるとともに、第２延出充填部６７と第２充填部６２との連通箇所（面間接続部６５ｂ）が閉塞される。
同様に、収容領域封止シール２９ｂは、面間接続部６５ａ、６５ｂに形成されている。よって、収容領域封止シール２９ｂは、面間接続部６５ａにおける内袋構成シート材４１どうしを接合しているとともに、面間接続部６５ｂにおける内袋構成シート材４１どうしを接合している。

続いて、本実施形態の場合、充填材を充填する充填材充填工程の後で、延出片２５を切除する工程を行う。より詳細には、例えば、延出片２５の基端において当該延出片２５は容器本体２０から切除され、充填部封止シール２９ａ及び収容領域封止シール２９ｂの大部分が容器本体２０に残留し、充填部封止シール２９ａ及び収容領域封止シール２９ｂにおける残りの部分が延出片２５とともに容器本体２０から切除される。ただし、例えば、充填部封止シール２９ａ及び収容領域封止シール２９ｂの各々の近傍において延出片２５が切除され、充填部封止シール２９ａ及び収容領域封止シール２９ｂの各々の全体が容器本体２０に残留してもよい。
こうして、充填部６０に充填材が充填された内容物入りのシート材容器３００（図６参照）が得られる。ただし、充填部６０に充填材が充填された内容物入りのシート材容器１００の状態でも、延出片２５が切除されずに残留していてもよい。

このように、本実施形態に係るシート材容器３００の製造方法は、内容物入りのシート材容器３００を製造する方法であって、シート材容器として、上述のシート材容器１００を準備する準備工程と、収容領域１７に対して、脱気処理と、不活性ガスを用いたパージ処理と、の少なくともいずれか一方を行う予備工程と、収容領域１７に内容物１８を充填する内容物充填工程と、非接合部２４における外側フィルム層２２と内側フィルム層２３との層間に充填材を充填する充填材充填工程と、をこの順に行う。

ここで、内容物入りシート材容器３００は、例えば、スパウト部材１５に装着（例えば着脱可能に装着）されているキャップ部７０（図６参照）を更に備えていてもよい。この場合、例えば、充填材充填工程以降において、バルブ部９０がスパウト部材１５から取り外され、代わりにキャップ部７０がスパウト部材１５に装着される。キャップ部７０は、例えば、注出筒部１５ａに対して着脱可能に螺合している雌ねじ形状の筒状部である装着部７１と、装着部７１に固定されているポンプ部７２と、ポンプ部７２から下方に延出しているディップチューブ７７と、ポンプ部７２に対して昇降可能にポンプ部７２に保持されているヘッド部７３と、を備えている。ヘッド部７３がポンプ部７２に対して押し込まれる（押下される）と、ポンプ部７２の働きによって内容物１８が吐出口７６から吐出されるようになっている。
ただし、充填材充填工程以降において、スパウト部材１５にバルブ部９０が装着されたままとし、バルブ部９０にポンプ部（不図示）を取りつけてもよい。この場合、ピストン部材９６ｂが胴部１１側に押し込まれる（押下される）と、ポンプ部の働きによって内容物１８が吐出口から吐出されるようになっている。

＜変形例１～４＞
次に、図１２（ａ）から図１２（ｄ）を用いて、実施形態の変形例１、変形例２、変形例３及び変形例４を説明する。各変形例に係るシート材容器は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るシート材容器１００と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るシート材容器１００と同様である。

変形例１では、図１２（ａ）に示すように、延出片２５における周縁シール部４２の内縁は、延出片２５における袋体シール部２６の内縁よりも外側に配置されている。また、例えば、延出片２５における周縁シール部４２の内縁は、延出片２５における袋体シール部２６の外縁よりも内側に配置されている。すなわち、延出片２５の厚み方向に視たときに、延出片２５における周縁シール部４２の内縁側の部分と、延出片２５における袋体シール部２６の外縁側の部分と、は互いに重なり合っている。一方、延出片２５の厚み方向に視たときに、延出片２５における袋体シール部２６の内縁側の部分は、延出片２５における周縁シール部４２と重なり合っていない。
これにより、例えば、袋体シール部２６及び周縁シール部４２がそれぞれヒートシールによって形成される場合に、周縁シール部４２を形成することによって延出片２５における袋体シール部２６の形成領域の重なっていない部分について、再加熱されることを抑制できる。すなわち、熱履歴を低減できるので、延出片２５における袋体シール部２６の強度を確保することができる。
また、延出片２５の厚み方向に視たときに、延出片２５における周縁シール部４２の内縁側の部分と、延出片２５における袋体シール部２６の外縁側の部分と、は互いに重なり合っているので、延出片２５の寸法をより小さく設定することができる。

変形例２では、図１２（ｂ）に示すように、延出片２５における周縁シール部４２の内縁は、延出片２５における袋体シール部２６の外縁と一致している。すなわち、延出片２５の厚み方向に視たときに、延出片２５における袋体シール部２６の略全体が、延出片２５における周縁シール部４２の略全体と重なり合っていない。
これにより、袋体シール部２６及び周縁シール部４２がそれぞれヒートシールによって形成される場合に、周縁シール部４２を形成することによって延出片２５における袋体シール部２６の形成領域の略全体について、再加熱されることを抑制できる。よって、熱履歴をより低減できるので、延出片２５における袋体シール部２６の強度を十分に確保することができる。

変形例３では、図１２（ｃ）に示す例では、延出片２５における周縁シール部４２の内縁は、延出片２５における袋体シール部２６の外縁から離間している。すなわち、延出片２５における周縁シール部４２の内縁と、延出片２５における袋体シール部２６の外縁と、の間には間隙が形成されている。
これにより、袋体シール部２６及び周縁シール部４２がそれぞれヒートシールによって形成される場合に、周縁シール部４２を形成することによって延出片２５における袋体シール部２６の形成領域の全体について、再加熱されることをより確実に抑制できる。よって、熱履歴を更に低減できるので、延出片２５における袋体シール部２６の強度をより十分に確保することができる。

変形例４では、図１２（ｄ）に示すように、延出片２５の先端部（第２シート部３２側とは反対側の端部）の幅方向における中央部は、局所的に袋体シール部２６の非形成領域となっている。すなわち、延出片２５の先端部において、外側フィルム層２２と内側フィルム層２３とが互いに非接合となっており、当該非接合となっている部分が、充填材を注入するための注入口２５ａを構成している。

上述の変形例１～４によっても、収容領域１７は充填口１５ｃを除いて外部空間から密閉されているので、充填部６０に充填材を封入する前に、充填口１５ｃから吸引することで収容領域１７に対して十分に脱気を行うことができる。これにより、収容領域１７に充填された内容物１８が、当該収容領域１７に滞留している酸素と接触することにより劣化（変質）してしまうことを、より確実に抑制できる。

＜変形例５＞
次に、図１３を用いて、実施形態の変形例５を説明する。本変形例に係る内容物入りシート材容器の製造方法は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る内容物入りシート材容器３００の製造方法と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係る内容物入りシート材容器３００の製造方法と同様である。なお、図１３においては、シート材容器１００の形状を模式的に示している。

本変形例の場合、図１３に示すように、内容物充填工程による充填後の内容物１８の液面が収容領域封止シール２９ｂ（延出片２５における収容領域封止シール２９ｂが形成される領域）よりも低い位置となるよう、内容物充填工程を行う。より好ましくは、内容物充填工程による充填後の内容物１８の液面が収容領域封止シール２９ｂよりも低い位置となるよう、シート材容器１００を傾けた状態で、内容物充填工程を行う。
これにより、収容領域封止シール２９ｂを形成する際に、延出片２５における収容領域封止シール２９ｂが形成される領域において、最内層のシート材どうし（内袋構成シート材４１どうし）の層間に内容物１８が介在してしまうことを抑制できる。よって、延出片２５における収容領域封止シール２９ｂが形成される領域において、より確実に内袋構成シート材４１どうしを接合することができるので、収容領域１７を良好に封止することができる。

また、実施形態と同様に、本変形例の場合も、延出片２５は、容器本体２０の上端部から延出している。
このため、内容物１８の液面が収容領域封止シール２９ｂよりも低い位置となるよう、シート材容器１００を傾けた状態を維持することが容易となる。よって、より確実に、収容領域封止シール２９ｂを形成する際に、延出片２５における収容領域封止シール２９ｂが形成される領域において、最内層のシート材どうし（内袋構成シート材４１どうし）の層間に内容物１８が介在してしまうことを抑制できる。

なお、シート材容器１００及び内容物入りシート材容器３００の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等が許容される。

また、例えば、上記の各実施形態では、シート材容器１００（又は内容物入りのシート材容器３００）が内袋４０を備えている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、シート材容器１００（又は内容物入りのシート材容器３００）は内袋４０を備えていなくてもよい。シート材容器１００（又は内容物入りのシート材容器３００）が内袋４０を備えていない場合、容器本体２０によって収容領域１７が構成されている。すなわち、周縁シール部４２において、袋体構成シート材２１の内側フィルム層２３の一部分どうしが接合されることによって、容器本体２０が形成されるとともに収容領域１７が構成されている。
内袋４０を備えていないシート材容器３００を製造する場合においても、製造方法は上記の実施形態と同様である。

１０ 袋体
１１ 胴部
１３ 底部
１４ 天部
１５ スパウト部材
１５ｃ 充填口
１７ 収容領域
１８ 内容物
２０ 容器本体
２１ 袋体構成シート材
２２ 外側フィルム層
２３ 内側フィルム層
２４ 非接合部
２５ 延出片
２５ａ 注入口
２６ 袋体シール部
４０ 内袋
４１ 内袋構成シート材
５１ 容器構成シート材
６０ 充填部
１００ シート材容器
２１０ 管部材
３００ シート材容器（内容物入りのシート材容器）

Claims (15)

1. 相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する袋体構成シート材を含む１又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、
   容器本体と、
   前記容器本体から延出している延出片と、
   前記容器本体の内部と前記延出片の内部とに亘って連続的に形成されており、内容物を収容する収容領域と、
   前記収容領域における前記容器本体の内部の部分と当該シート材容器の外部空間とを相互に連通させる充填口と、
   前記袋体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している袋体と、
   を備え、
   前記袋体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である袋体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、
   前記延出片は、前記充填部に前記充填材を注入するための注入口を有し、
   当該シート材容器は、前記１又は複数のシート材が折り曲げられるとともに前記１又は複数のシート材のうち最内層のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部を有し、
   前記周縁シール部によって前記収容領域が画定されており、
   前記周縁シール部の一部分は、前記延出片において前記注入口の外側の領域に配置されており、
   前記収容領域は、前記充填口を除いて前記外部空間から密閉されているシート材容器。
2. 前記充填部は、前記延出片の厚み方向において前記延出片の内部の前記収容領域を間に挟んで一方の側に配置されている第１延出充填部と他方の側に配置されている第２延出充填部とを有し、
   前記外側フィルム層において、前記第１延出充填部と前記第２延出充填部との少なくとも一方を画定している部位に、前記注入口が形成されている請求項１に記載のシート材容器。
3. 前記延出片の先端部において、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが互いに非接合となっており、当該非接合となっている部分が、前記注入口を構成している請求項１に記載のシート材容器。
4. 前記袋体の内側に配置されている内袋を更に備え、
   前記内袋は、前記１又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材により構成されている請求項１から３のいずれか一項に記載のシート材容器。
5. 前記内袋構成シート材は、前記袋体構成シート材と同形状に形成されている請求項４に記載のシート材容器。
6. 前記袋体の内側に配置されている内袋を更に備え、
   前記内袋は、前記１又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材により構成されており、
   前記袋体構成シート材は、前記延出片の厚み方向において前記延出片の内部の前記収容領域を間に挟んで一方の側に配置されている第１延出部と他方の側に配置されている第２延出部とを有し、
   前記内袋構成シート材は、前記延出片の厚み方向において前記延出片の内部の前記収容領域を間に挟んで一方の側に配置されている第３延出部と他方の側に配置されている第４延出部とを有し、
   前記延出片は、前記第１延出部、前記第２延出部、前記第３延出部および前記第４延出部の各々の周縁部どうしが互いに接合されることによって構成されている請求項１に記載のシート材容器。
7. 前記充填部は、前記延出片の厚み方向において前記延出片の内部の前記収容領域を間に挟んで一方の側に配置されている第１延出充填部と他方の側に配置されている第２延出充填部とを有し、
   前記外側フィルム層において、前記第１延出充填部と前記第２延出充填部との少なくとも一方を画定している部位に、前記注入口が形成されている請求項６に記載のシート材容器。
8. 前記容器本体は、胴部と底部とを有し、
   前記延出片は、前記容器本体の上端部から延出している請求項１から７のいずれか一項に記載のシート材容器。
9. 前記容器本体は、胴部、天部および底部を有し、
   前記延出片は、前記胴部と前記天部との境界部から延出している請求項１から７のいずれか一項に記載のシート材容器。
10. 前記充填口に装着されているバルブ部を備え、
    前記バルブ部は、前記収容領域が前記充填口を介して前記外部空間と連通する開状態と、前記収容領域と前記外部空間とを相互に遮断する閉状態と、に切り替わり可能である請求項１から９のいずれか一項に記載のシート材容器。
11. 内容物入りのシート材容器を製造する方法であって、
    前記シート材容器として、請求項１から９のいずれか一項に記載のシート材容器を準備する準備工程と、
    前記収容領域に対して、脱気処理と、不活性ガスを用いたパージ処理と、の少なくともいずれか一方を行う予備工程と、
    前記収容領域に前記内容物を充填する内容物充填工程と、
    前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に前記充填材を封入する充填材充填工程と、
    をこの順に行う内容物入りのシート材容器の製造方法。
12. 前記予備工程では、前記パージ処理と前記脱気処理とを少なくとも１回ずつこの順に行い、
    前記内容物充填工程では、前記脱気処理により前記収容領域が潰れた状態から、前記内容物の充填を開始する請求項１１に記載の内容物入りのシート材容器の製造方法。
13. 前記準備工程では、前記シート材容器として、前記充填口に装着されているバルブ部を備え、前記バルブ部は、前記収容領域が前記充填口を介して前記外部空間と連通する開状態と、前記収容領域と前記外部空間とを相互に遮断する閉状態と、に切り替わり可能であるシート材容器を準備し、
    前記予備工程での前記脱気処理又は前記パージ処理の実行時には、前記バルブ部を前記開状態にする請求項１１又は１２に記載の内容物入りのシート材容器の製造方法。
14. 前記充填材充填工程では、
    前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に前記充填材を充填した後、
    前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とを接合することにより前記充填部を封止する充填部封止シールを形成するとともに、前記充填部封止シールと同時に同箇所にて前記最内層のシート材どうしを接合することにより収容領域封止シールを形成する請求項１１から１３のいずれか一項に記載の内容物入りのシート材容器の製造方法。
15. 前記内容物は、液体であり、
    前記内容物充填工程による充填後の前記内容物の液面が前記収容領域封止シールよりも低い位置となるように前記内容物充填工程を行う請求項１４に記載の内容物入りのシート材容器の製造方法。

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