JP7461095B1 - 有機発光素子、その設計方法およびプログラム - Google Patents

有機発光素子、その設計方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

第1ホスト材料、それより高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する有機発光素子において、EHOMO(H2)-EHOMO(T)≦0.33eVとすれば高い発光効率を実現できる。EHOMO(H2)とEHOMO(T)は、それぞれ第2ホスト材料と遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位である。

Description

本発明は、発光効率が高い有機発光素子に関する。さらに、発光効率が高い有機発光素子を設計することができる有機発光素子の設計方法、および、その設計方法を実施するためのプログラムにも関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子の発光効率を高める研究が盛んに進められている。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層の材料組成を新たに開発することにより、室温では無輻射失活してしまう励起三重項状態のエネルギーを、励起一重項エネルギーへ変換して発光に利用する工夫が種々なされてきている。
例えば、ホスト材料と遅延蛍光材料と蛍光材料を発光層に含有するHyper型有機エレクトロルミネッセンス素子が提案されている。このHyper型の発光層では、ホスト材料から遅延蛍光材料に移動してきた励起三重項エネルギー、および、遅延蛍光材料で生じた励起三重項エネルギーが、遅延蛍光材料での三重項から一重項への逆項間交差により励起一重項エネルギーに変換され、蛍光材料に移動して蛍光として放射される。これにより、発光層で生じた励起三重項エネルギーが蛍光材料の発光に有効利用されて高い発光効率が得られるとされている。
ところで、上記のようなHyper型の発光層は、通常、ホスト材料として正孔輸送性のものを用い、遅延蛍光材料が電子輸送性ホストの機能も兼ねるように構成されている。そのため、どうしても電子輸送性よりも正孔輸送性の方が優位になってキャリア再結合領域が正孔ブロック層(または電子輸送層)側に偏るため、連続駆動により遅延蛍光材料が劣化して、このことが素子寿命を低下させる要因になっている。
これに対する対応策としては、発光層に、正孔輸送性ホストと電子輸送性ホストの2種類のホスト材料を用いてキャリアバランスを改善することが考えられる。2種類のホスト材料を用いた発光素子として、特許文献1には、HOMOのエネルギー準位が-5.6eVから-6.4eVの第1ホストと、HOMOのエネルギー準位が-5.4eVから-5.8eVの第2ホストを発光層に含む有機発光素子が提案されており、こうした構成により、発光層の正孔注入障壁が低くなって素子寿命を改善したことが記載されている。
特開2019-506729号公報
上記のように、特許文献1には、素子寿命を改善するため、HOMOのエネルギー準位が異なる2種類のホスト材料を用いることが記載されている。しかしながら、本発明者らが、HOMOのエネルギー準位が-5.4eVから-5.8eVの範囲にあるホスト材料を、従来の正孔輸送性ホスト材料と組み合わせて発光層に用いたところ、正孔輸送性ホスト材料のみをホストに用いた場合に比べてフォトルミネッセンス量子収率が大幅に低くなることが判明した。これは、2種類のホスト材料の用いたことで、単一ホストでは生じない相互作用が発光プロセスに影響したためであると考えられる。こうしたことから、複数種のホスト材料を用いる系では、有機発光素子の発光効率を高くすることが難しいという課題がある。
そこで、本発明者らは、2種類のホスト材料を用いながら、高い発光効率を実現することができる有機発光素子を提供することを目的として鋭意検討を進めた。
鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、HOMOのエネルギー準位が-5.4eVから-5.8eVの範囲にあるホスト材料を用いる系で見られる発光効率の大幅な低下は、このホスト材料のHOMOのエネルギー準位が高いことにより、ホスト分子のHOMOと遅延蛍光分子のLUMOとの間で電子遷移が生じてエキサイプレックスが形成されるためであることが判明した。そして、2種類のホスト材料を発光層に含む有機エレクトロルミネッセンス素子であっても、ホスト材料のHOMOのエネルギー準位が遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位よりも高くなり過ぎないようにすれば、高いレベルの発光効率を確保できることを見い出した。
本発明はこうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に、以下の構成を有する。
[1] 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含んでいて、下記式(a)を満たす組成物を有する有機発光素子。
HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
[上式において、EHOMO(H)は前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表し、EHOMO(T)は前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表す。]
[2] 前記第1ホスト材料、前記第2ホスト材料、前記遅延蛍光材料および前記発光材料が下記式(a)を満たす、[1]に記載の有機発光素子。
HOMO(H) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(T) ≦ EHOMO(E)
式(b)
[式(a)において、EHOMO(H)は第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(H)は第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(T)は遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(E)は発光材料のHOMOのエネルギー準位を表す。]
[3] 前記第1ホスト材料、前記第2ホスト材料、前記遅延蛍光材料および前記発光材料が下記式(c)を満たす、[1]に記載の有機発光素子。
HOMO(H) < EHOMO(T) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(E)
式(c)
[式(a)において、EHOMO(H)は第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(H)は第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(T)は遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(E)は発光材料のHOMOのエネルギー準位を表す。]
[4] 前記組成物における前記第1ホスト材料の濃度が、前記第2ホスト材料の濃度の0.3~3.0倍である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[5] 前記第1ホスト材料および前記第2ホスト材料が、下記一般式(1)~(3)のいずれかで表される構造を有している、[1]~[4]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[一般式(1)において、XはO、SまたはN(R)を表し、R~Rは各々独立に重水素原子または置換基を表し、Rは重水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基を表す。n1、n2は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n3は0~4のいずれかの整数を表し、n4は0~2のいずれかの整数を表し、n5は0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
[一般式(2)において、R11~R13は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n11~n12は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n13は1~5のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR11、隣り合う2つのR12、隣り合う2つのR13は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR13は互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているか、R13としてジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基、またはシアノ基を含む基が存在している。]
[一般式(3)において、R21はジベンゾフラン構造を含む基を表し、R22~R24は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n22~n24は各々独立に0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR22、隣り合う2つのR23、隣り合う2つのR24は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR23が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているとき、R24としてアルキル基で置換されていてもよいアリール基が存在している。]
[6] 前記第1ホスト材料が前記一般式(3)で表される化合物であり、前記第2ホスト材料が前記一般式(1)または(2)で表される化合物である、[5]に記載の有機発光素子。
[7] 前記第1ホスト材料および前記第2ホスト材料が前記一般式(3)で表される化合物である、[5]に記載の有機発光素子。
[8] 前記遅延蛍光材料が、置換シアノベンゼン化合物またはフェナジン骨格を有する化合物である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[9] 有機発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が前記組成物を含む、[1]~[8]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[10] 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する有機発光素子の設計方法であって、
前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)が下記式(a)を満たすように、前記第2ホスト材料と前記遅延蛍光材料を組み合わせる、有機発光素子の設計方法。
HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
[11] [10]に記載の方法を実施するためのプログラム。
本発明の有機発光素子は、2種類のホスト材料を用いながら、高い発光効率を確保することができる。また、本発明の設計方法によれば、2種類のホスト材料を用いて、発光効率が高い有機発光素子を設計することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本願において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本願において「からなる」とは、「からなる」の前に記載されるもののみからなり、それ以外のものを含まないことを意味する。また、本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子(H、デューテリウムD)に置換することができる。本明細書の化学構造式では、水素原子はHと表示しているか、その表示を省略している。例えばベンゼン環の環骨格構成炭素原子に結合する原子の表示が省略されているとき、表示が省略されている箇所ではHが環骨格構成炭素原子に結合しているものとする。本明細書にて「置換基」という用語は、水素原子および重水素原子以外の原子または原子団を意味する。一方、「置換もしくは無置換の」「置換されていてもよい」という表現は、水素原子が重水素原子または置換基で置換されていてもよいことを意味する。また、本発明における「透明」とは、可視光の透過率が50%以上であることをいい、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは99%以上である。可視光の透過率は紫外・可視分光光度計により測定することができる。
本発明の有機発光素子は、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する。
第2ホスト材料は、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する。本発明における「HOMO」は、Highest occupied Molecular Orbitalの略称であり、「HOMOのエネルギー準位」は大気中光電子分光法(理研計器社製AC-3等)により求めることができる。本発明の有機発光素子は、第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)が下記式(a)を満たすことを特徴とする。
HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
HOMO(H)-EHOMO(T)は-0.30eV以上であることが好ましく、-0.25eV以上であることがより好ましい。本発明の一態様では、-0.30eV以上0eV未満の範囲内に設定して、2種類のホスト材料を併用することによる発光効率の低下を抑制してもよい。例えば、-0.30eV以上-0.15eV未満の範囲内に設定したり、-0.15eV以上0eV未満の範囲内に設定したりしてもい。また、本発明の一態様では、0eV以上0.33eV以下に設定して発光効率を高めにしてもよい。例えば、0eV以上0.15eV未満の範囲内に設定したり、0.15eV以上0.25eV以下の範囲内に設定したり0.25eV以上0.33eV以下の範囲内に設定したりしてもよい。本発明の一態様では、EHOMO(H)<EHOMO(T)である。本発明の一態様では、EHOMO(H)>EHOMO(T)である。
第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)は、EHOMO(H)<EHOMO(T)+0.1eVであることが好ましい。EHOMO(T)-EHOMO(H)は、-0.10eV超0.70eV以下であることが好ましい。例えば、-0.10eV超0.30eV以下の範囲内に設定したり、-0.10eV超0.10eV以下の範囲内に設定したり、0eV超0.10eV以下の範囲内に設定したりしてもよい。
第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)は、第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)よりも低い。EHOMO(H)-EHOMO(H)は、0eV超0.40eV以下であることが好ましい。例えば、0eV超0.15eV以下の範囲内に設定したり、0.15eV超0.25eV以下の範囲内に設定したり、0.25eV超0.40eV以下の範囲内に設定したりしてもよい。
本発明の一態様では、第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)と、発光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(E)は、以下の式(b)を満たす。
HOMO(H) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(T) ≦ EHOMO(E)
式(b)
また、本発明の一態様では、以下の式(c)を満たす。
HOMO(H) < EHOMO(T) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(E)
式(c)
第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位と第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位は、いずれも-5.60eV以下であることが好ましく、-5.70eV以下であることがより好ましく、-5.75eV以下であることがさらに好ましい。第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位および第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位の下限値は特に限定されないが、いずれも-6.30eV以上であることが好ましく、-6.20eV以上であることがより好ましく、-6.15eV以上であることがさらに好ましい。これにより、各ホスト材料のHOMOのエネルギー準位が低すぎて駆動電圧が高くなることを抑制することができる。第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位は、-6.30eV以上-5.80eV以下の範囲から選択したり、-6.20eV以上-5.90eV以下の範囲から選択したり、-6.15eV以上-6.00eV以下の範囲から選択したりしてもよい。第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位は、-6.15eV以上-5.60eV以下の範囲から選択したり、-6.05eV以上-5.70eV以下の範囲から選択したり、-6.00eV超-5.75eV以下の範囲から選択したり、-5.90eV超-5.75eV以下の範囲から選択したりしてもよい。また、-5.80eV未満のものや-5.85eV未満のものを使用してもよい。本発明の一態様では、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位は、-6.2eV以上-5.3eVの範囲内で選択したり、好ましくは-6.0eV以上-5.5eVの範囲内で選択したりしてもよい。また、本発明の一態様では、発光材料としてHOMOのエネルギー準位は、-6.3eV以上-4.8eVの範囲内で選択したり、-6.0eV以上-5.0eVの範囲内で選択したりしてもよい。
第1ホスト材料のLUMOのエネルギー準位ELUMO(H)と第2ホスト材料のLUMOのエネルギー準位ELUMO(H)は、ELUMO(H)-ELUMO(H)が-0.10eV以上0.70eV以下であることが好ましい。例えば、-0.10eV以上0.40eV以下の範囲から選択したり、-0.10eV以上0.25eV以下の範囲から選択したり、-0.10eV以上0.10eV以下の範囲から選択したりしてもよい。本発明の一態様では、ELUMO(H)<ELUMO(H)である。本発明の一態様では、ELUMO(H)>ELUMO(H)である。本発明の一態様では、第1ホスト材料と第2ホスト材料のLUMOのエネルギー準位は-2.58eV以下である。下限値は、例えば-3.35eV超の範囲や、-3.00eV超の範囲や、-2.75eV超の範囲から選択してもよい。なお、「LUMO」はLowest Unoccupied Molecular Orbitalの略称であり、大気中光電子分光法(理研計器社製AC-3等)により求めることができる。
本発明の好ましい一態様では、EHOMO(T)-EHOMO(H)が-0.10eV以上0.10eV以下の範囲から選択され、ELUMO(H)-ELUMO(H)が-0.10eV以上0.10eV以下の範囲から選択され、EHOMO(H)-EHOMO(H)が0eV超0.40eV以下(例えば、0eV超0.15eV以下の範囲、0.15eV超0.25eV以下の範囲、0.25eV超0.40eV以下の範囲のいずれか1つの範囲内で選択される)から選択される。その中でも好ましい一態様では、さらに第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)が-6.15eV以上-6.00eV以下の範囲から選択され、第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)が-6.05eV以上-5.70eV以下(より好ましくは-5.90eV超-5.75eV)の範囲から選択したされる。
発光層に含まれる第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料は下記式(d)を満たすことが好ましい。
S1(H1),ES1(H2) > ES1(T)> ES1(E)
式(d)
式(d)におけるES1(H1)は第1ホスト材料の最低励起一重項エネルギーを表し、ES1(H2)は第2ホスト材料の最低励起一重項エネルギーを表し、ES1(T)は遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーを表し、ES1(E)は発光材料の最低励起一重項エネルギーを表す。本明細書では単位としてeVを採用する。最低励起一重項エネルギーは、測定対象化合物の薄膜もしくはトルエン溶液(濃度10-5mol/L)を調製し、常温(300K)で蛍光スペクトルを測定することにより求めることができる(詳細は遅延蛍光材料の説明欄における最低励起一重項エネルギーの測定法を参照)。
式(d)に示すように、第1ホスト材料の最低励起一重項エネルギーおよび第2ホスト材料の最低励起一重項エネルギーは、遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーよりも高く、遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーは発光材料の最低励起一重項エネルギーよりも高いことが好ましい。第1ホスト材料と第2ホスト材料の最低励起一重項エネルギーの関係は特に制限されない。すなわち、第2ホスト材料の最低励起一重項エネルギーは、第1ホスト材料の最低励起一重項エネルギーよりも小さくても大きくてもよく、第1ホスト材料の最低励起一重項エネルギーと同じであってもよい。ES1(H1)-ES1(T)は、例えば0.20eV以上の範囲内にしたり、0.40eV以上の範囲内にしたり、0.60eV以上の範囲内にしたりすることができ、また、1.50eV以下の範囲内にしたり、1.20eV以下の範囲内にしたり、0.80eV以下の範囲内にしたりすることができる。ES1(H2)-ES1(T)は、例えば0.20eV以上の範囲内にしたり、0.40eV以上の範囲内にしたり、0.60eV以上の範囲内にしたりすることができ、また、1.50eV以下の範囲内にしたり、1.20eV以下の範囲内にしたり、0.80eV以下の範囲内にしたりすることができる。ES1(T)-ES1(E)は、例えば0.05eV以上の範囲内にしたり、0.10eV以上の範囲内にしたり、0.15eV以上の範囲内にしたりすることができ、また、0.50eV以下の範囲内にしたり、0.30eV以下の範囲内にしたり、0.20eV以下の範囲内にしたりすることができる。ES1(H1)-ES1(E)は、例えば0.25eV以上の範囲内にしたり、0.45eV以上の範囲内にしたり、0.65eV以上の範囲内にしたりすることができ、また、2.00eV以下の範囲内にしたり、1.70eV以下の範囲内にしたり、1.30eV以下の範囲内にしたりすることができる。ES1(H2)-ES1(E)は、例えば0.25eV以上の範囲内にしたり、0.45eV以上の範囲内にしたり、0.65eV以上の範囲内にしたりすることができ、また、2.00eV以下の範囲内にしたり、1.70eV以下の範囲内にしたり、1.30eV以下の範囲内にしたりすることができる。
本発明の有機発光素子に含まれる組成物において、第1ホスト材料の濃度は、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上の範囲内にしたり、20重量%以上の範囲内にしたりすることができ、また、70重量%以下であることが好ましく、50重量%以下の範囲内にしたり、30重量%以下の範囲内にしたりすることができる。第2ホスト材料の濃度は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上の範囲内にしたり、30重量%以上の範囲内にしたりすることができ、また、70重量%以下であることが好ましく、60重量%以下の範囲内にしたり、50重量%以下の範囲内にしたりすることができる。遅延蛍光材料の濃度は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上の範囲内にしたり、30重量%以上の範囲内にしたりすることができ、また、70重量%以下であることが好ましく、60重量%以下の範囲内にしたり、50重量%以下の範囲内にしたりすることができる。発光材料の濃度は、0.01重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上の範囲内にしたり、0.3重量%以上の範囲内にしたりすることができ、また、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下の範囲内にしたり、3重量%以下の範囲内にしたり、1重量%以下の範囲内にしたりすることができる。
組成物における第1ホスト材料の濃度は、第2ホスト材料の濃度の0.3~3.0倍の範囲内であることが好ましい。本発明の一態様では、第2ホスト材料の濃度は、第1ホスト材料の濃度より高い。本発明の一態様では、組成物中で第2ホスト材料の濃度が最大である。本発明の一態様では、組成物中で遅延蛍光材料の濃度が最大である。本発明の一態様では、第1ホスト材料の濃度は、第2ホスト材料の濃度より高い。本発明の一態様では、組成物中で第1ホスト材料の濃度が最大である。本発明の好ましい一態様では、第1ホスト材料と第2ホスト材料の合計濃度は40重量%以上であることが好ましく、50重量%超であることが好ましく、また、80重量%以下であることが好ましく、65重量%以下であることがより好ましい。
第1ホストと第2ホストの合計濃度は、遅延蛍光材料の濃度の0.5~5倍の範囲内であることが好ましく、0.65~2倍の範囲内であることがより好ましい。例えば、0.65~0.95倍の範囲内にしたり、1.2~1.8倍の範囲内にしたりしてもよい。遅延蛍光材料の濃度は、発光材料の濃度の1.5~500倍の範囲内であることが好ましく、20~200倍の範囲内であることがより好ましく、例えば60~130倍の範囲内であってもよい。
本発明の有機発光素子に用いられる組成物は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層を構成する組成物として採用される。また、組成物は溶媒に溶解した溶液であってもよく、その場合の溶媒(溶剤)としては有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒は、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を溶解させることができるものの中から選択し、通常用いられる極性溶媒や芳香族系溶媒などを適宜選択して採用することができる。なお、上述した各成分の濃度範囲は、溶液の場合は溶媒を除いた全溶質における各成分の濃度を意味する。
本発明の有機発光素子において、素子からの発光の最大成分は発光材料からの蛍光である。本発明における「素子からの発光」は、20℃で素子を駆動したときに素子から放出される光を意味する。例えば、有機発光素子からの発光は、素子からの発光の最大成分が発光材料からの蛍光である限り、発光材料からの燐光、第1ホスト材料や第2ホスト材料、遅延蛍光材料からの発光を含んでいてもよいが、これらの発光は発光材料からの蛍光に比べて僅かであることが好ましい。本発明では、素子からの発光の70%以上が発光材料からの蛍光であってもよく、90%以上が発光材料からの蛍光であってもよく、99%以上が蛍光材料からの蛍光であってもよい。
本発明の有機発光素子に用いられる組成物は、ホウ素以外の金属元素を含まないことが好ましい。また、ホウ素を含む金属元素を含まない発光層を採用することもできる。例えば、発光層は、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、発光層は、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、発光層は、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、発光層は、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。
以下において、本発明で用いる第1ホスト材料、第2ホスト、遅延蛍光材料および発光材料について詳細に説明する。
(第1ホスト材料および第2ホスト材料)
本発明の有機発光素子の組成物に用いる第1ホスト材料は、第2ホスト材料よりもHOMOのエネルギー準位が低いホスト材料である。本発明の有機発光素子の組成物に用いる第2ホスト材料は、上記式(a)の関係を満たすホスト材料である。第2ホスト材料は、遅延蛍光材料や発光材料と同じHOMOのエネルギー準位を有する化合物の中から選択してもよく、遅延蛍光材料や発光材料よりもHOMOのエネルギー準位が低い化合物の中から選択してもよい。また、第1ホスト材料および第2ホスト材料には、上記のようなHOMOのエネルギー準位を有する化合物の中でも、遅延蛍光材料や発光材料よりも大きな最低励起一重項エネルギーを有する化合物を選択することが好ましい。
第1ホスト材料および第2ホスト材料は、発光材料のエネルギーを該化合物中に閉じ込める機能を有することが好ましい。これにより、発光材料は、分子内でホールと電子とが再結合することによって生じたエネルギー、および、第1ホスト材料、第2ホスト材料および遅延蛍光材料から受け取ったエネルギーを効率よく発光に変換することができる。
第1ホスト材料および第2ホスト材料は、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する有機化合物であることが好ましい。また、本発明の好ましい一態様では、第1ホスト材料および第2ホスト材料は遅延蛍光を放射しない化合物の中から選択する。第1ホスト材料および第2ホスト材料からの発光は、それぞれ、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子からの発光の1%未満であることが好ましく、0.1%未満であることがより好ましく、例えば0.01%未満、検出限界以下であってもよい。
第1ホスト材料および第2ホスト材料は金属原子を含まないことが好ましい。例えば、第1ホスト材料および第2ホスト材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、第1ホスト材料および第2ホスト材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、第1ホスト材料および第2ホスト材料として、炭素原子、水素原子および窒素原子からなる化合物を選択することができる。
第1ホスト材料および第2ホスト材料として用いることができる好ましい化合物の例として、下記一般式(1)~(3)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(1)において、XはO、SまたはN(R)を表し、R~Rは各々独立に重水素原子または置換基を表し、Rは重水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基を表す。n1、n2は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n3は0~4のいずれかの整数を表し、n4は0~2のいずれかの整数を表し、n5は0~4のいずれかの整数を表す。R~Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。n1~n5が各々独立に2以上であるとき、複数のR、複数のR、複数のR、複数のR、複数のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。また、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。本発明の一態様では、一般式(1)で表されるホスト材料は、下記の(a)または(b)の少なくとも1つの条件を満たす。
(a)RまたはRとしてハメットのσp値が0.5以上のアクセプター性基が存在している。
(b)XがOまたはSである。
一般式(1)のR~Rが採りうる置換基は、好ましくはアルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基である。R~RおよびRにおけるアルキル基およびアリール基は、その少なくとも1つの水素原子が重水素原子または置換基で置換されていてもよいし、無置換であってもよい。また、RとRはハメットのσp値が0.5以上のアクセプター性基であってもよい。
ここで、「ハメットのσp値」は、L.P.ハメットにより提唱されたものであり、パラ置換ベンゼン誘導体の反応速度または平衡に及ぼす置換基の影響を定量化したものである。具体的には、パラ置換ベンゼン誘導体における置換基と反応速度定数または平衡定数の間に成立する下記式:
log(k/k0) = ρσp
または
log(K/K0) = ρσp
における置換基に特有な定数(σp)である。上式において、k0は置換基を持たないベンゼン誘導体の速度定数、kは置換基で置換されたベンゼン誘導体の速度定数、K0は置換基を持たないベンゼン誘導体の平衡定数、Kは置換基で置換されたベンゼン誘導体の平衡定数、ρは反応の種類と条件によって決まる反応定数を表す。本発明における「ハメットのσp値」に関する説明と各置換基の数値については、Hansch,C.et.al.,Chem.Rev.,91,165-195(1991)のσp値に関する記載を参照することができる。
とRが採りうる、ハメットのσp値が0.5以上のアクセプター性基は、好ましくはシアノ基やシアノアリール基等のシアノ基を含む基である。シアノアリール基はシアノフェニル基であることが好ましい。シアノフェニル基のシアノ基の数は、1つであっても2~5つであってもよい。シアノフェニル基は、少なくとも4位にシアノ基を有するシアノフェニル基であることが好ましい。
隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのRが互いに結合して環状構造を形成するとき、その環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンタエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタエン環、フラン環、チオフェン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノリン環などを挙げることができる。例えばベンゾフロ構造、ベンゾチエノ構造、フェナントロ構造やトリフェノ構造のように多数の環が縮合した環構造を形成してもよい。
一般式(2)において、R11~R13は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n11~n12は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n13は1~5のいずれかの整数を表す。R11~R13は互いに同一であっても異なっていてもよい。n11~n13が各々独立に2以上であるとき、複数のR11、複数のR12、複数のR13はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。隣り合う2つのR11、隣り合う2つのR12、隣り合う2つのR13は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR13は互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているか、R13としてジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基、またはシアノ基を含む基が存在している。
11~R13が採りうる置換基は、好ましくはアルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基である。アルキル基およびアリール基は、その少なくとも1つの水素原子が重水素原子または置換基で置換されていてもよいし、無置換であってもよい。また、R13はジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基やシアノ基を含む基であってもよい。「シアノ基を含む基」の好ましい範囲と具体例については、上記のRとRが採りうる「シアノ基を含む基」の好ましい範囲と具体例を参照することができる。「ジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基」は、下記式(2a)で表されるジベンゾフラン環あるいはジベンゾチオフェン環を含む基のことを意味する。下記式(2a)において、XはOまたはSを表す。環の少なくとも1つの水素原子は、重水素原子または置換基で置換されていてもよい。
ジベンゾフラン構造あるいはジベンチオフェン構造を含む基の例として、置換もしくは無置換のジベンゾフリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフリル基または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基で少なくとも1つの水素原子が置換されたアリール基(例えば、置換もしくは無置換のジベンゾフリルフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチエニルフェニル基)、置換もしくは無置換のジベンゾフリル基または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基で少なくとも1つの水素原子が置換されたヘテロアリール基、ジベンゾフラン環またはジベンゾチオフェン環を縮合環の一部として含む多環式のヘテロアリール基、その多環式ヘテロアリール基で少なくとも1つの水素原子が置換されたアリール基およびその多環式ヘテロアリール基で少なくとも1つの水素原子が置換されたヘテロアリールを挙げることができる。多環式のヘテロアリール基の例として、ベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を有するヘテロアリール基を挙げることができ、その具体例として、置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基を挙げることができる。ベンゾフロカルバゾリル基は、カルバゾール環の1-2位(a辺)にベンゾフロ構造を有するものであっても、2-3位(b辺)にベンゾフロ構造を有するものであっても、3-4位(c辺)にベンゾフロ構造を有するものであってもよい。ベンゾチエノカルバゾリル基は、カルバゾール環の1-2位(a辺)にベンゾチエノ構造を有するものであっても、2-3位(b辺))にベンゾフロ構造を有するものであっても、3-4位(c辺)にベンゾフロ構造を有するものであってもよい。ベンゾフロカルバゾリル基およびベンゾチエノカルバゾリル基の具体例を以下に挙げる。以下の具体例において、XはOまたはSを表し、*は結合位置を表す。環の少なくとも1つの水素原子は、重水素原子または置換基で置換されていてもよい。
隣り合う2つのR11、隣り合う2つのR12、隣り合う2つのR13が互いに結合して形成する環状構造の説明と具体例について、上記の隣り合う2つのR等が互いに結合して形成する環状構造の説明と具体例を参照することができる。ただし、R13としてのジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基が存在せず、R13としてのシアノ基を含む基も存在していない場合、隣り合う2つのR13は互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成している。隣り合う2つのR13が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成することにより、その母骨格のフェニル基とベンゾフロ構造とでジベンゾフリル基が構成され、その母骨格のフェニル基とベンゾチエニル基とでジベンゾチエニル基が構成される。ベンゾチエノ構造またはベンゾチエノ構造が形成される位置は、フェニル基の2-3位および3-4位のいずれであってもよい。
一般式(3)において、R21はジベンゾフラン構造を含む基を表し、R22~R24は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n22~n24は各々独立に0~4のいずれかの整数を表す。R22~R24は互いに同一であっても異なっていてもよい。n22~n24が各々独立に2以上であるとき、複数のR22、複数のR23、複数のR24はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。隣り合う2つのR22、隣り合う2つのR23、隣り合う2つのR24は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR23が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているとき、R24としてアルキル基で置換されていてもよいアリール基が存在していることが好ましい。
21が表すジベンゾフラン構造を含む基の説明と好ましい範囲、具体例については、上記のR13が採りうるジベンゾフラン構造を含む基の説明と好ましい範囲、具体例を参照することができる。R21は好ましくはジベンゾフリル基、ジベンゾフリルフェニル基である。R22~R24が採りうる置換基は、好ましくはアルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基である。アルキル基およびアリール基は、その少なくとも1つの水素原子が重水素原子または置換基で置換されていてもよいし、無置換であってもよい。
隣り合う2つのR22、隣り合う2つのR23、隣り合う2つのR24が互いに結合して形成する環状構造の説明と具体例について、上記の隣り合う2つのR等が互いに結合して形成する環状構造の説明と具体例を参照することができる。
一般式(1)~(3)以外の構造を有するホスト材料として、例えばカルバゾール-9-イル基が結合したジベンゾフラン構造を含む化合物を例示することができる。具体的には、ジベンゾフランを構成する一方のベンゼン環にカルバゾール-9-イル基が結合し、他方のベンゼン環にジベンゾフリル基またはジベンゾチエニル基を含む基(例えばジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、フェニルジベンゾフリル基、フェニルジベンゾチエニル基、ジベンゾフリルフェニル基、ジベンゾチエニルフェニル基)を挙げることができる。
第1ホスト材料や第2ホスト材料は、その構造の一部に重水素原子を有するものであってもよい。例えば、ホスト材料を構成するカルバゾール環に結合している水素原子が重水素原子に置換されている化合物を例示することができる。
第1ホスト材料と第2ホスト材料の組み合わせの例として、第1ホスト材料が一般式(3)で表される化合物であり、第2ホスト材料が一般式(1)または(2)で表される化合物である組み合わせや、第1ホスト材料および第2ホスト材料が共に一般式(3)で表される化合物である組み合わせが挙げられる。
以下に、第1ホスト材料および第2ホスト材料として用いることができる好ましい化合物を挙げる。ただし、本発明において用いることができる第1ホスト材料と第2ホスト材料は、これらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
化合物H1~H29のすべての水素原子を重水素原子に置換した化合物を、化合物H30~H58としてここに例示する。化合物H1~H17、H19~H29のカルバゾール環とそのカルバゾール環に縮合している環に結合しているすべての水素原子を重水素原子に置換した化合物を、化合物H59~H86としてここに例示する。
第1ホスト材料と第2ホスト材料の組み合わせの具体例として、化合物H1と、化合物H2~H29、H31~H58、H60~H86からなる群より選択した1つの化合物の組み合わせを挙げることができる。また、化合物H2~H29、H31~H58、H60~H86からなる群より選択した2つの化合物の組み合わせであってもよい。例えば、化合物H4と、化合物H2、H3、H5~H29、H31、H32、H34~H58、H60、H61、H63~H86からなる群より選択した1つの化合物の組み合わせを挙げることができる。
(遅延蛍光材料)
本発明の有機発光素子に含まれる組成物は遅延蛍光材料を含む。本発明における「遅延蛍光材料」とは、励起状態において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じ、その励起一重項状態から基底状態へ戻る際に蛍光(遅延蛍光)を放射する有機化合物である。本発明では、蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製ストリークカメラシステム等)により発光寿命を測定したとき、発光寿命が100ns(ナノ秒)以上の蛍光が観測されるものを遅延蛍光材料と言う。遅延蛍光材料は遅延蛍光を放射しうる材料であるが、本発明の有機発光素子に用いたときに遅延蛍光材料に由来する遅延蛍光を放射することは必須とされない。遅延蛍光材料からの発光は、本発明の有機発光素子からの発光の10%未満であることが好ましく、例えば1%未満、0.1%未満、0.01%未満、検出限界以下であってもよい。
本発明の有機発光素子において、遅延蛍光材料は、励起一重項状態の第1ホスト材料や第2ホスト材料からエネルギーを受け取って励起一重項状態に遷移する。また、遅延蛍光材料は、励起三重項状態の第1ホスト材料や第2ホスト材料からエネルギーを受け取って励起三重項状態に遷移してもよい。遅延蛍光材料は励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーの差(ΔEST)が小さいことから、励起三重項状態の遅延蛍光材料は励起一重項状態の遅延蛍光材料へ逆項間交差しやすい。これらの経路により生じた励起一重項状態の遅延蛍光材料は、発光材料へエネルギーを与えて発光材料を励起一重項状態に遷移させる。
遅延蛍光材料は、最低励起一重項エネルギーと77Kの最低励起三重項エネルギーの差ΔESTが0.3eV以下であることが好ましく、0.25eV以下であることがより好ましく、0.2eV以下であることがより好ましく、0.15eV以下であることがより好ましく、0.1eV以下であることがさらに好ましく、0.07eV以下であることがさらにより好ましく、0.05eV以下であることがさらにまた好ましく、0.03eV以下であることがさらになお好ましく、0.01eV以下であることが特に好ましい。
ΔESTが小さければ、熱エネルギーの吸収によって励起一重項状態から励起三重項状態に逆項間交差しやすいため、遅延蛍光材料は熱活性化型の遅延蛍光材料として機能する。熱活性化型の遅延蛍光材料は、デバイスが発する熱を吸収して励起三重項状態から励起一重項へ比較的容易に逆項間交差し、その励起三重項エネルギーを効率よく発光に寄与させることができる。
本発明における、化合物の最低励起一重項エネルギー(ES1)と最低励起三重項エネルギー(ET1)は、下記の手順により求めた値である。ΔESTはES1-ET1を計算することにより求めた値である。
(1)最低励起一重項エネルギー(ES1
測定対象化合物の薄膜もしくはトルエン溶液(濃度10-5mol/L)を調製して試料とする。常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトルを測定する。蛍光スペクトルは、縦軸を発光、横軸を波長とする。この発光スペクトルの短波側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値 λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をES1とする。
換算式:ES1[eV]=1239.85/λedge
後述の実施例における発光スペクトルの測定は、励起光源にLED光源(Thorlabs社製、M300L4)を用いて検出器(浜松ホトニクス社製、PMA-12マルチチャンネル分光器 C10027-01)により行った。
(2)最低励起三重項エネルギー(ET1
最低励起一重項エネルギー(ES1)の測定で用いたのと同じ試料を、液体窒素によって77[K]に冷却し、励起光(300nm)を燐光測定用試料に照射し、検出器を用いて燐光を測定する。励起光照射後から100ミリ秒以降の発光を燐光スペクトルとする。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をET1とする。
換算式:ET1[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の10%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
本発明で用いる遅延蛍光材料は、上記式(a)の関係を満たす遅延蛍光材料である。本発明で用いる遅延蛍光材料は、第1ホスト材料や第2ホスト材料よりも最低励起一重項エネルギーが低く、発光材料よりも最低励起一重項エネルギーが高いものであることが好ましい。
本発明で用いる遅延蛍光材料は金属原子を含まないことが好ましい。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子および窒素原子からなる化合物を選択することができる。
典型的な遅延蛍光材料として、ベンゼン環に1~2つのシアノ基と少なくとも1つのドナー性基が結合した構造を有する化合物を挙げることができる。ドナー性基として、例えば置換もしくは無置換のカルバゾール-9-イル基を好ましく例示することができる。例えば、前記ベンゼン環には置換もしくは無置換のカルバゾール-9-イル基が3つ以上結合している化合物や、カルバゾール-9-イル基を構成する2つのベンゼン環の少なくとも一方に、置換もしくは無置換のベンゾフラン環、置換もしくは無置換のベンゾチオフェン環、置換もしくは無置換のインドール環、置換もしくは無置換のインデン環、置換もしくは無置換のシラインデン環の各5員環部分が縮合した化合物などを例示することができる。カルバゾール-9-イル基を構成するベンゼン環に、置換もしくは無置換のベンゾフラン環が縮合した構造を有する基の具体例として、置換もしくは無置換の5H-ベンゾフロ[3,2-c]カルバゾール-5-イル基を挙げることができる。
遅延蛍光材料として、下記一般式(4)で表され、遅延蛍光を放射する化合物を好ましく用いることができる。
一般式(4)
一般式(4)において、X~XはNまたはC-Rを表す。Rは水素原子、重水素原子または置換基を表す。X~Xのうちの2つ以上がC-Rを表すとき、それらのC-Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、X~Xのうちの少なくとも1つはC-D(ここでいうDはドナー性基を表す)である。X~XのすべてがC-Rであるとき、Zはアクセプター性基を表す。
一般式(4)で表される化合物の中で好ましい化合物は、置換シアノベンゼン化合物であり、好ましくは下記一般式(5)で表される化合物である。
一般式(5)
一般式(5)において、X~XはNまたはC-Rを表す。Rは水素原子、重水素原子または置換基を表す。X~Xのうちの2つ以上がC-Rを表すとき、それらのC-Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、X~Xのうちの少なくとも1つはC-D(ここでいうDはドナー性基を表す)である。
本発明の好ましい一態様では、X~XはいずれもC-CNではない。すなわち、ベンゼン環に1~2つのシアノ基と少なくとも1つのドナー性基が結合した構造を有する化合物である。本発明の別の好ましい一態様では、XだけがC-CNを表し、X、X~XはC-CNではない。すなわち、イソフタロニトリルのベンゼン環に少なくとも1つのドナー性基が結合した構造を有する化合物である。本発明の別の一態様では、XだけがC-CNを表し、X、X、X、XはC-CNではない。すなわち、テレフタロニトリルのベンゼン環に少なくとも1つのドナー性基が結合した構造を有する化合物である。
一般式(4)のZが表すアクセプター性基は、Zが結合している環に対して電子を求引する性質を有する基であり、例えばハメットのσp値が正の基の中から選択することができる。一般式(4)および一般式(5)のDが表すドナー性基は、Dが結合している環に対して電子を供与する性質を有する基であり、例えばハメットのσp値が負の基の中から選択することができる。以下において、アクセプター性基をAと称することがある。
ここで、 ここで、「ハメットのσp値」は、L.P.ハメットにより提唱されたものであり、パラ置換ベンゼン誘導体の反応速度または平衡に及ぼす置換基の影響を定量化したものである。具体的には、パラ置換ベンゼン誘導体における置換基と反応速度定数または平衡定数の間に成立する下記式:
log(k/k0) = ρσp
または
log(K/K0) = ρσp
における置換基に特有な定数(σp)である。上式において、kは置換基を持たないベンゼン誘導体の速度定数、k0は置換基で置換されたベンゼン誘導体の速度定数、Kは置換基を持たないベンゼン誘導体の平衡定数、K0は置換基で置換されたベンゼン誘導体の平衡定数、ρは反応の種類と条件によって決まる反応定数を表す。本発明における「ハメットのσp値」に関する説明と各置換基の数値については、Hansch,C.et.al.,Chem.Rev.,91,165-195(1991)のσp値に関する記載を参照することができる。
アクセプター性基の具体例として、シアノ基や、後述する一般式(15)~(17)におけるAとして好ましいアクセプター性基を参照することができる。また、ドナー性基の具体例として、後述する一般式(15)~(17)におけるDとして好ましいドナー性基を参照することができる。
一般式(4)および一般式(5)において、X~XはNまたはC-Rを表すが、少なくとも1つはC-Dである。X~XのうちNの数は、0~4つであり、例えば、XとXとX、XとX、XとX、XとX、XとX、XとX、Xだけ、Xだけ、XだけがNである場合を例示することができる。X~XのうちC-Dの数は1~5つであり、2~5つであることが好ましい。例えば、XとXとXとXとX、XとXとXとX、XとXとXとX、XとXとXとX、XとXとX、XとXとX、XとXとX、XとXとX、XとX、XとX、XとX、XとX、XとX、Xだけ、Xだけ、XだけがC-Dである場合を例示することができる。X~Xのうちの少なくとも1つはC-Aであってもよい。ここでいうAはアクセプター性基を表す。X~XのうちC-Aの数は0~2であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。C-AのAとして好ましくはシアノ基および不飽和の窒素原子を有する複素環式芳香族基を挙げることができる。また、X~Xは各々独立にC-DまたはC-Aであってもよい。
~Xのうちの隣り合う2つがC-Rを表すとき、2つのRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。互いに結合して形成する環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンタエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタエン環、フラン環、チオフェン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノリン環などを挙げることができる。例えばフェナントレン環やトリフェニレン環のように多数の環が縮合した環を形成してもよい。
一般式(4)および一般式(5)におけるドナー性基Dは、例えば下記の一般式(6)で表される基であることが好ましい。
一般式(6)
一般式(6)において、R11とR12は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。R11とR12は互いに結合して環状構造を形成してもよい。Lは単結合、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。Lのアリーレン基またはヘテロアリーレン基に導入しうる置換基は、一般式(4)や一般式(5)で表される基であってもよいし、後述する一般式(6)~(9)で表される基であってもよい。これらの一般式(4)~(9)で表される基はLに導入可能な置換基の最大数まで導入されていてもよい。また、一般式(4)~(9)で表される基が複数個導入されている場合は、それらの置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。*は、一般式(4)または一般式(5)における環の環骨格を構成する炭素原子(C)への結合位置を表す。
本明細書において「アルキル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルキル基の炭素数は、例えば1以上、2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デカニル基、イソデカニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。置換基たるアルキル基は、さらにアリール基で置換されていてもよい。
「アルケニル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルケニル基の炭素数は、例えば2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルケニル基の具体例として、エテニル基、n-プロペニル基、イソプロペニル基、n-ブテニル基、イソブテニル基、n-ペンテニル基、イソペンテニル基、n-ヘキセニル基、イソヘキセニル基、2-エチルヘキセニル基を挙げることができる。置換基たるアルケニル基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
「アリール基」および「ヘテロアリール基」は、単環であってもよいし、2つ以上の環が縮合した縮合環であってもよい。縮合環である場合、縮合している環の数は2~6であることが好ましく、例えば2~4の中から選択することができる。環の具体例として、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ナフチリジン環を挙げることができる。アリール基またはヘテロアリール基の具体例として、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基を挙げることができる。「アリーレン基」および「ヘテロアリール基」は、アリール基およびヘテロアリール基の説明における価数を1から2へ読み替えたものとすることができる。
置換基は、水素原子に置換しうる1価の基を意味しており、縮合するものを含む概念ではない。置換基の説明と好ましい範囲については、後述の一般式(10)の置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(7)~(9)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
一般式(7)
一般式(8)
一般式(9)
一般式(7)~(9)において、R51~R60、R61~R68、R71~R78は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。ここでいう置換基の説明と好ましい範囲については、後述の一般式(10)における置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。R51~R60、R61~R68、R71~R78は、各々独立に上記一般式(7)~(9)のいずれかで表される基であることも好ましい。一般式(7)~(9)における置換基の数は特に制限されない。すべてが無置換(すなわち水素原子または重水素原子)である場合も好ましい。また、一般式(7)~(9)のそれぞれにおいて置換基が2つ以上ある場合、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。一般式(7)~(9)に置換基が存在している場合、その置換基は一般式(7)であればR52~R59のいずれかであることが好ましく、一般式(8)であればR62~R67のいずれかであることが好ましく、一般式(9)であればR72~R77のいずれかであることが好ましい。
一般式(9)においてXは連結鎖長が1原子である2価の酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子、置換もしくは無置換のケイ素原子、カルボニル基、あるいは、結合鎖長が2原子である2価の置換もしくは無置換のエチレン基、置換もしくは無置換のビニレン基、置換もしくは無置換のo-アリーレン基、または置換もしくは無置換のo-ヘテロアリーレン基を表す。置換基の具体例と好ましい範囲については、上記の一般式(4)および一般式(5)における置換基の記載を参照することができる。
一般式(7)~(9)において、L12~L14は、単結合、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。L12~L14が表すアリーレン基またはヘテロアリーレン基の説明と好ましい範囲については、Lが表すアリーレン基またはヘテロアリーレン基の説明と好ましい範囲を参照することができる。L12~L14は、単結合、置換もしくは無置換のアリーレン基であることが好ましい。ここでいうアリーレン基やヘテロアリーレン基の置換基は、一般式(4)~(9)で表される基であってもよい。一般式(4)~(9)で表される基はL11~L14に導入可能な置換基の最大数まで導入されていてもよい。また、一般式(4)~(9)で表される基が複数個導入されている場合は、それらの置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。*は、一般式(4)または一般式(5)における環の環骨格を構成する炭素原子(C)への結合位置を表す。
一般式(7)~(9)において、R51とR52、R52とR53、R53とR54、R54とR55、R55とR56、R56とR57、R57とR58、R58とR59、R59とR60、R61とR62、R62とR63、R63とR64、R65とR66、R66とR67、R67とR68、R71とR72、R72とR73、R73とR74、R75とR76、R76とR77、R77とR78は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。環状構造の説明と好ましい例については、上記の一般式(4)および一般式(5)のX~Xにおける環状構造の説明と好ましい例を参照することができる。
環状構造の中でも好ましいのは、置換もしくは無置換のベンゾフラン環、置換もしくは無置換のベンゾチオフェン環、置換もしくは無置換のインドール環、置換もしくは無置換のインデン環、置換もしくは無置換のシラインデン環が、一般式(7)~(9)の少なくとも一方のベンゼン環に縮合した構造である。より好ましくは、一般式(8)に縮合した下記一般式(8a)~(8f)で表される基である。
一般式(8a)~(8f)において、L11およびL21~L26は単結合もしくは2価の連結基を表す。L11およびL21~L26の説明と好ましい範囲については、上記のLの説明と好ましい範囲を参照することができる。
一般式(8a)~(8f)において、R41~R110は各々独立に水素原子または置換基を表す。R41とR42、R42とR43、R43とR44、R44とR45、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R51とR52、R52とR53、R53とR54、R54とR55、R55とR56、R56とR57、R57とR58、R58とR59、R59とR60、R61とR62、R62とR63、R63とR64、R65とR66、R66とR67、R67とR68、R68とR69、R69とR70、R72とR73、R73とR74、R74とR75、R75とR76、R76とR77、R77とR78、R78とR79、R79とR80、R81とR82、R82とR83、R83とR84、R84とR85、R86とR87、R87とR88、R88とR89、R89とR90、R91とR92、R93とR94、R94とR95、R95とR96、R96とR97、R97とR98、R99とR100、R101とR102、R102とR103、R103とR104、R104とR105、R105とR106、R107とR108、R108とR109、R109とR110は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。互いに結合して形成する環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンタエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタエン環、フラン環、チオフェン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノリン環などを挙げることができる。例えばフェナントレン環やトリフェニレン環のように多数の環が縮合した環を形成してもよい。一般式(9)で表される基に含まれる環の数は3~5の範囲内から選択してもよく、5~7の範囲内から選択してもよい。一般式(8a)~(8f)で表される基に含まれる環の数は5~7の範囲内から選択してもよく、5であってもよい。
41~R110が採りうる置換基として、置換基群Bの基を挙げることができ、好ましくは炭素数1~10の無置換のアルキル基、または炭素数1~10の無置換のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6~10のアリール基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R110は水素原子または炭素数1~10の無置換のアルキル基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R110は水素原子または炭素数6~10の無置換のアリール基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R110はすべてが水素原子である。
一般式(8a)~(8f)におけるR41~R110が結合している炭素原子(環骨格構成炭素原子)は、各々独立に窒素原子に置換されていてもよい。すなわち、一般式(8a)~(8f)におけるC-R41~C-R110は、各々独立にNに置換されていてもよい。窒素原子に置換されている数は、一般式(8a)~(8f)で表される基の中で0~4つであることが好ましく、1~2つであることがより好ましい。本発明の一態様では、窒素原子に置換されている数は0である。また、2つ以上が窒素原子に置換されている場合は、1つの環中に置換されている窒素原子の数は1つであることが好ましい。
一般式(8a)~(8f)において、X~Xは、酸素原子、硫黄原子またはN-Rを表す。本発明の一態様では、X~Xは酸素原子である。本発明の一態様では、X~Xは硫黄原子である。本発明の一態様では、X~XはN-Rである。Rは水素原子または置換基を表し、置換基であることが好ましい。置換基としては、下記置換基群Aから選択される置換基を例示することができる。例えば、無置換のフェニル基や、アルキル基やアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基で置換されているフェニル基を好ましく採用することができる。
一般式(8a)~(8f)において、*は結合位置を表す。
本発明では、下記一般式(10)で表され、遅延蛍光を放射する化合物を、遅延蛍光材料として特に好ましく用いることができる。本発明の好ましい実施態様では、遅延蛍光材料として、一般式(10)で表される化合物を採用することができる。
一般式(10)
一般式(10)において、R~Rの0~4つはシアノ基を表し、R~Rの少なくとも1つは置換アミノ基を表し、残りのR~Rは水素原子、重水素原子、またはシアノ基と置換アミノ基以外の置換基を表す。
ここでいう置換アミノ基は、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基であることが好ましく、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに連結していてもよい。連結は、単結合でなされていてよいし(その場合はカルバゾ-ル環が形成される)、-O-、-S-、-N(R)-、-C(R)(R)-、-Si(R)(R10)-などの連結基でなされていてもよい。ここで、R~R10は水素原子、重水素原子または置換基を表し、RとR、RとR10は、それぞれ互いに連結して環状構造を形成してもよい。
置換アミノ基はR~Rのいずれであってもよく、例えばRとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとRとR、RとRとRとR、RとRとRとR、RとRとRとRとRを置換アミノ基とすること等ができる。シアノ基もR~Rのいずれであってもよく、例えばR、R、R、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとR、RとRとRをシアノ基とすること等ができる。
シアノ基でも置換アミノ基でもないR~Rは、水素原子、重水素原子または置換基を表す。ここでいう置換基の例として、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリールチオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例えば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)、ニトロ基、ここに列挙した基がさらにここに列挙した1以上の基で置換された基からなる置換基群Aを挙げることができる。上記ジアリールアミノ基のアリール基が置換されているときの置換基の好ましい例としても、上記の置換基群Aの置換基を挙げることができ、さらにシアノ基と置換アミノ基も挙げることができる。
一般式(10)に包含される化合物群と化合物の具体例については、本明細書の一部としてここに引用するWO2013/154064号公報の段落0008~0048、WO2015/080183号公報の段落0009~0030、WO2015/129715号公報の段落0006~0019、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026を参照することができる。
また、下記一般式(11)で表され、遅延蛍光を放射する化合物も、本発明の遅延蛍光材料として特に好ましく用いることができる。本発明の好ましい実施態様では、遅延蛍光材料として、一般式(11)で表される化合物を採用することができる。
一般式(11)
一般式(11)において、Y、YおよびYは、いずれか2つが窒素原子で残りの1つがメチン基を表すか、または、Y、YおよびYのすべてが窒素原子を表す。ZおよびZは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。R11~R18は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R11~R18の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換のカルバゾリル基であることが好ましい。前記アリールアミノ基を構成するベンゼン環、前記カルバゾリル基を構成するベンゼン環は、それぞれR11~R18と一緒になって単結合または連結基を形成してもよい。また、一般式(11)で表される化合物は分子中にカルバゾール構造を少なくとも2つ含む。Z、Zが採りうる置換基の例としては、置換基群Aの置換基を挙げることができる。また、R11~R18、上記アリールアミノ基、カルバゾリル基が採りうる置換基の具体例については、置換基群Aの置換基、シアノ基、置換アリールアミノ基、置換アルキルアミノ基を挙げることができる。なお、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17、R17とR18は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(11)で表される化合物の中でも、特に一般式(12)で表される化合物が有用である。
一般式(12)
一般式(12)において、Y、YおよびYは、いずれか2つが窒素原子で残りの1つがメチン基を表すか、または、Y、YおよびYのすべてが窒素原子を表す。Zは、水素原子、重水素原子または置換基を表す。R11~R18およびR21~R28は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。R11~R18の少なくとも1つ、および/または、R21~R28の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表すことが好ましい。前記アリールアミノ基を構成するベンゼン環、前記カルバゾリル基を構成するベンゼン環は、それぞれR11~R18またはR21~R28と一緒になって単結合または連結基を形成してもよい。Zが採りうる置換基の例としては、置換基群Aの置換基を挙げることができる。また、R11~R18、R21~R28、上記アリールアミノ基、カルバゾリル基が採りうる置換基の具体例については、置換基群Aの置換基、シアノ基、置換アリールアミノ基、置換アルキルアミノ基を挙げることができる。なお、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R21とR22、R22とR23、R23とR24、R25とR26、R26とR27、R27とR28は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(12)に包含される化合物群と化合物の具体例については、本明細書の一部としてここに引用するWO2013/081088号公報の段落0020~0062や、Appl.Phys.Let,98,083302(2011)に記載の化合物を参照することができる。
また、下記一般式(13)で表され、遅延蛍光を放射する化合物も、本発明の遅延蛍光材料として特に好ましく用いることができる。
一般式(13)
一般式(13)において、R91~R96は各々独立に水素原子、重水素原子、ドナー性基、もしくはアクセプター性基を表し、そのうちの少なくとも1つは、前記ドナー性基であり、少なくとも2つは、前記アクセプター性基である。少なくとも2つのアクセプター性基の置換位置は特に制限されないが、互いにメタ位の関係にある2つのアクセプター性基を含むことが好ましい。例えば、R91がドナー性基である場合、少なくともR92とR94がアクセプター性基である構造や、少なくともR92とR96がアクセプター性基である構造を好ましく例示することができる。分子内に存在するアクセプター性基は、すべて同一であっても互いに異なっていてもよいが、例えばすべて同一である構造を選択することが可能である。アクセプター性基の数は2~3であることが好ましく、例えば2を選択することができる。また、ドナー性基は2つ以上存在していてもよく、その場合のドナー性基もすべて同一であっても互いに異なっていてもよい。ドナー性基の数は1~3つであることが好ましく、例えば1つだけでも、2つでもよい。なお、ドナー性基とアクセプター性基の説明と好ましい範囲については、一般式(4)のDとZの説明と好ましい範囲を参照することができる。特に、一般式(13)においてドナー性基は一般式(6)で表されることが好ましく、アクセプター性基はシアノ基もしくは下記一般式(14)で表されることが好ましい。
一般式(14)
一般式(14)において、Y~Yは、窒素原子を表すかメチン基を表すが、少なくとも一つは窒素原子であり、好ましくはすべてが窒素原子を表す。R101~R110は各々独立に水素原子、重水素原子、もしくは置換基を表すが少なくとも一つはアルキル基であることが好ましい。ここでいう置換基の説明と好ましい範囲については、前述の一般式(10)における置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。L15は単結合または連結基を表し、前述の一般式(6)におけるLの説明と好ましい範囲を参照することができる。本発明の好ましい一態様では、一般式(14)におけるL15は単結合である。*は、一般式(13)における環の環骨格を構成する炭素原子(C)への結合位置を表す。
本発明の他の好ましい実施態様では、遅延蛍光材料として、一般式(15)で表される化合物を採用することができる。一般式(15)で表される化合物の中には、一般式(15a)で表される化合物が含まれる。
一般式(15)
一般式(15a)
一般式(15)で表される化合物の中で特に好ましい化合物は、下記一般式(16)で表される化合物や一般式(17)で表される化合物である。
一般式(16)
一般式(17)
本発明の他の好ましい実施態様では、遅延蛍光材料として、一般式(18)で表される化合物を採用することができる。一般式(18)で表される化合物の中には、一般式(18a)で表される化合物が含まれる。
一般式(18)
一般式(15)~(18)において、Dはドナー性基を表し、Aはアクセプター性基を表し、Rは水素原子、重水素原子または置換基を表す。一般式(18)の2つのDは、同一であっても異なっていてもよい。ドナー性基およびアクセプター性基の説明と好ましい範囲については、前述の一般式(4)の対応する説明と好ましい範囲を参照することができる。Rの置換基としては、アルキル基や、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基で置換されていてもよいアリール基を例示することができる。
一般式(15)~(17)におけるDとして好ましいドナー性基の具体例を以下に挙げる。以下の具体例において、*は結合位置を表し、「D」は重水素原子を表す。以下の具体例において、水素原子は例えばアルキル基で置換されていてもよい。また、置換もしくは無置換のベンゼン環がさらに縮合していてもよい。
一般式(15)~(17)におけるAとして好ましいアクセプター性基の具体例を以下に挙げる。以下の具体例において、*は結合位置を表し、「D」はデューテリウムを表す。
一般式(15)~(17)におけるRとして好ましい例を以下に挙げる。以下の具体例において、*は結合位置を表し、「D」はデューテリウムを表す。
一般式(18)で表される化合物の中で特に好ましい化合物は、下記一般式(18a)で表される化合物である。
一般式(18a)
一般式(18a)において、R201~R221は各々独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基が結合した基を表す。R201とR202、R202とR203、R203とR204、R205とR206、R206とR207、R207とR208、R214とR215、R215とR216、R216とR217、R218とR219、R219とR220、R220とR221のうちの少なくとも1組は、互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成している。好ましくは、R201とR202、R202とR203、R203とR204、R205とR206、R206とR207、R207とR208のうちの1組または2組と、R214とR215、R215とR216、R216とR217、R218とR219、R219とR220、R220とR221のうちの1組または2組が、互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成している。さらに好ましくは、R203とR204が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成して、さらにより好ましくはR203とR204、R216とR217が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成している。特に好ましくは、R203とR204、R216とR217が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成していて、R206とR219が置換もしくは無置換のアリール基(好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、より好ましくは無置換のフェニル基)である。
一般式(18a)の水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい。例えば、トリアジニル基に結合している2つのフェニル基の水素原子の一部または全部が重水素原子で置換されていてもよい。また、2つのカルバゾリル基に結合している水素原子の一部または全部が重水素原子で置換されていてもよい。また、R209~R213が重水素原子であってもよい。
本発明の他の好ましい実施態様では、遅延蛍光材料としてフェナジン骨格を有する化合物、好ましくはジベンゾ[a,c]フェナジン骨格を有する化合物を使用することができる。例えば、下記一般式(19)で表される化合物を使用することができる。
一般式(19)において、R231~R242は各々独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表す。R231とR232、R232とR233、R233とR234、R235とR236、R236とR237、R237とR238、R239とR240、R240とR241、R241とR242は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。好ましい環状構造は、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環である。ベンゼン環にはさらに他の環が縮合していてもよいし、置換基で置換されていてもよい。ベンゼン環に対する置換基としては、重水素原子、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を挙げることができる。
本発明の好ましい一態様では、R231とR232が互いに結合して、置換されていてもよいベンゼン環を形成しており、R233とR234が互いに結合して、置換されていてもよいベンゼン環を形成している。本発明の好ましい一態様では、R231~R242の少なくとも1つは、ジアリールアミノ基を含む置換基であり、例えば置換もしくは無置換のジアリールアミノ基である。ここでいうジアリールアミノ構造を構成する2つのアリール基は互いに結合していることが好ましく、さらに1つ以上の環が縮合していることがより好ましく、さらに2つの環が縮合して5環構造を形成していることがさらに好ましい。
以下に、遅延蛍光材料として用いることができる好ましい化合物を挙げる。以下の例示化合物の構造式において、t-Buはターシャリーブチル基を表す。
遅延蛍光材料には、上記以外にも公知の遅延蛍光材料を適宜組み合わせて用いることができる。また、知られていない遅延蛍光材料であっても、用いることが可能である。特に、本明細書の一部としてここに引用する特願2021-188860号明細書の段落0013~0042に記載される一般式(4)で表される化合物、特に段落0043~0048に記載される化合物を好ましく用いることができる。
遅延蛍光材料として、WO2013/154064号公報の段落0008~0048および0095~0133、WO2013/011954号公報の段落0007~0047および0073~0085、WO2013/011955号公報の段落0007~0033および0059~0066、WO2013/081088号公報の段落0008~0071および0118~0133、特開2013-256490号公報の段落0009~0046および0093~0134、特開2013-116975号公報の段落0008~0020および0038~0040、WO2013/133359号公報の段落0007~0032および0079~0084、WO2013/161437号公報の段落0008~0054および0101~0121、特開2014-9352号公報の段落0007~0041および0060~0069、特開2014-9224号公報の段落0008~0048および0067~0076、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026、特開2017-222623号公報の段落0012~0025、特開2017-226838号公報の段落0010~0050、特開2018-100411号公報の段落0012~0043、WO2018/047853号公報の段落0016~0044に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物であって、遅延蛍光を放射するものを挙げることができる。また、特開2013-253121号公報、WO2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/189122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/072470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開2015-129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO2015/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/159541号公報に記載される発光材料であって、遅延蛍光を放射するものを採用することもできる。なお、この段落に記載される上記の公報は、本明細書の一部としてここに引用している。
(発光材料)
本発明の有機発光素子に含まれる組成物は、発光材料を含む。発光材料は、有機発光素子からの発光の主たる発光源となる材料である。好ましくは蛍光材料であり、遅延蛍光材料であってもよい。
本発明で用いる発光材料は、第1ホスト材料よりもHOMOのエネルギー準位が高く、なおかつ、第2ホスト材料や遅延蛍光材料と同じHOMOのエネルギー準位を有する発光材料の中から選択してもよく、第1ホスト材料、第2ホスト材料および遅延蛍光材料よりもHOMOのエネルギー準位が高い発光材料の中から選択してもよい。また、発光材料には、上記のようなHOMOのエネルギー準位を有する発光材料の中でも、第1ホスト材料、第2ホスト材料および遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが低い発光材料を選択すること好ましい。そして、本発明の有機発光素子では、発光材料に由来する蛍光を放射する。発光材料からの発光は通常は遅延蛍光を含む。素子からの発光の最大成分は発光材料物からの蛍光である。すなわち、本発明の有機発光素子からの発光のうち、発光材料からの蛍光の発光量が最大である。
本発明の好ましい態様では、発光材料は、励起一重項状態の第1ホスト材料や第2ホスト材料、励起一重項状態の遅延蛍光材料、励起三重項状態から逆項間交差して励起一重項状態になった遅延蛍光材料からエネルギーを受け取って励起一重項状態に遷移する。また本発明のより好ましい態様では、発光材料は、励起一重項状態の遅延蛍光材料と、励起三重項状態から逆項間交差して励起一重項状態になった遅延蛍光材料からエネルギーを受け取って励起一重項状態に遷移する。生じた発光材料の励起一重項状態は、その後基底状態に戻るときに蛍光を放射する。
発光材料としては、所定の条件を満たす蛍光材料(蛍光発光性の化合物)であれば特に制限なく用いることができる。ここで、「蛍光材料」とは、蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製ストリークカメラシステム等)により発光寿命を測定したとき、発光寿命が100ns(ナノ秒)未満の蛍光が観測されるものを言う。発光材料からの発光には遅延蛍光や燐光が含まれていても構わないが、発光材料からの発光の最大成分は蛍光である。本発明の一態様では、有機発光素子は燐光を放射しないか、燐光の放射量は蛍光の1%以下である。
発光材料は、本発明の条件を満たすものであれば2種以上を用いてもよい。例えば、発光色が異なる2種以上の発光材料を併用することにより、所望の色を発光させることが可能になる。また、1種類の発光材料を用いて単色発光させてもよい。
本発明では、発光材料として用いることができる化合物の最大発光波長は特に制限されない。このため、可視領域(380~780nm)に最大発光波長を有する発光材料や赤外領域(780nm~1mm)に最大発光波長を有する発光材料や紫外領域(例えば280~380nm)に最大発光波長を有する化合物などを適宜選択して使用することが可能である。好ましいのは、可視領域に最大発光波長を有する蛍光材料である。例えば、380~780nmの領域内における最大発光波長が380~570nmの範囲内にある発光材料を選択して用いたり、最大発光波長が570~650nmの範囲内にある発光材料を選択して用いたり、最大発光波長が650~700nmの範囲内にある発光材料を選択して用いたり、最大発光波長が700~780nmの範囲内にある発光材料を選択して用いたりしてもよい。
本発明の好ましい態様では、遅延蛍光材料の発光波長領域と発光材料の吸収波長領域との間に重なりがあるように、各化合物を選択して組み合わせる。特に、遅延蛍光材料の発光スペクトルの短波長側のエッジと、発光材料の吸収スペクトルの長波側のエッジが重なっていることが好ましい。
発光材料はホウ素原子以外の金属原子を含まないことが好ましい。例えば、発光材料はホウ素原子とフッ素原子をともに含む化合物であってもよい。また、ホウ素原子を含むがフッ素原子を含まない化合物であってもよい。また、金属原子をまったく含まないものであってもよい。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、発光材料として、炭素原子および水素原子からなる化合物を選択することができる。
発光材料としては、ホウ素原子と窒素原子の多重共鳴効果を有する化合物や、アントラセン、ピレン、ペリレン等の縮合芳香族環構造を含む化合物を例示することができる。また、発光材料としては、多重共鳴効果を示すホウ素原子と窒素原子を含み、構成環数が4つ以上である縮合環構造を有する化合物を例示することができる。さらに、発光材料としては、ホウ素原子と窒素原子を含む複素6員環に、窒素原子を共有するピロール環と2つのベンゼン環が縮合した構造を有する化合物も例示することができる。
本発明の好ましい一態様では、発光材料として下記一般式(20)で表される化合物を用いる。
一般式(20)
一般式(20)において、XおよびXは、一方が窒素原子であり、他方がホウ素原子である。本発明の一態様では、Xが窒素原子であり、Xがホウ素原子である。このとき、R17とR18は互いに結合して単結合となりピロール環を形成する。本発明の別の一態様では、Xがホウ素原子であり、Xが窒素原子である。このとき、R21とR22は互いに結合して単結合となりピロール環を形成する。
一般式(20)において、R~R26、A、Aは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R19とR20、R20とR21、R21とR22、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
とRが結合して形成する環状構造は、環骨格構成原子としてホウ素原子と4つの炭素原子を含む。R17とR18が結合して形成する環状構造は、Xがホウ素原子であるとき、環骨格構成原子としてホウ素原子と4つの炭素原子を含む。Xが窒素原子であるとき、環状構造はピロール環に限定される。R21とR22が結合して形成する環状構造は、Xがホウ素原子であるとき、環骨格構成原子としてホウ素原子と4つの炭素原子を含む。Xが窒素原子であるとき、環状構造はピロール環に限定される。RとR、R17とR18、R21とR22が互いに結合してホウ素原子を含む環状構造を形成するとき、その環状構造は5~7員環であることが好ましく、5または6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。RとR、R17とR18、R21とR22が互いに結合するときは、互いに結合して単結合、-O-、-S-、-N(R27)-、-C(R28)(R29)-、-Si(R30)(R31)-、-B(R32)-、-CO-、-CS-、を形成することが好ましく、-O-、-S-または-N(R27)-を形成することがより好ましく、-N(R27)-を形成することがさらに好ましい。ここで、R27~R32は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。置換基としては、後述の置換基群A~Eのいずれかから選択される基を採用してもよいが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基であることが好ましく、特にR27は置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。R27~R32が置換基であるとき、RとRが互いに結合して形成する環におけるR27~R32はRおよびRの少なくとも一方と結合してさらに環状構造を形成してもよく、R17とR18が互いに結合して形成する環におけるR27~R32はR16およびR19の少なくとも一方と結合してさらに環状構造を形成してもよく、R21とR22が互いに結合して形成する環におけるR27~R32はR20およびR23の少なくとも一方と結合してさらに環状構造を形成してもよい。本発明の一態様では、RとR、R17とR18、R21とR22のうちの1組だけが互いに結合している。本発明の一態様では、RとR、R17とR18、R21とR22のうちの2組だけが互いに結合している。本発明の一態様では、RとR、R17とR18、R21とR22のすべてが互いに結合している。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R18とR19、R19とR20、R20とR21、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26が互いに結合して形成する環状構造は、芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに他の環が1環以上縮合していてもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾリン環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプテン環、およびこれらの環からなる群より選択される1つ以上の環がさらに縮合した環を挙げることができる。本発明の好ましい一態様では、環状構造は置換もしくは無置換のベンゼン環(さらに環が縮合していてもよい)であり、例えば、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよいベンゼン環である。本発明の好ましい一態様では、環状構造は置換もしくは無置換の複素芳香環であり、好ましくはベンゾフランのフラン環、ベンゾチオフェンのチオフェン環である。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R18とR19、R19とR20、R20とR21、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26のうち、互いに結合して環状構造を形成している組み合わせの数は0であってもよいし、例えば1~6のいずれかであってもよい。例えば1~4のいずれかであってもよく、1を選択したり、2を選択したり、3または4を選択したりすることができる。本発明の一態様では、RとR、RとR、RとRから選択される1組が互いに結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、RとRが互いに結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、RとR10、R10とR11、R11とR12から選択される1組が互いに結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、RとR、R13とR14がいずれも互いに結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、RとR、RとR、RとRから選択される1組が互いに結合して環状構造を形成しており、なおかつ、RとRが互いに結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、RとR、R19とR20がいずれも互いに結合して環状構造を形成している。
隣接するR(n=1~26)と互いに結合していないR~R26は、水素原子、重水素原子または置換基である。置換基としては、後述の置換基群A~Eのいずれかから選択される基を採用することができる。
~R26が採りうる好ましい置換基は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば置換基は置換もしくは無置換のアリール基であってもよいし、例えば置換基は置換もしくは無置換のアルキル基であってもよい。ここでいうアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基の置換基も置換基群A~Eのいずれかから選択される基を採用することができるが、好ましくはアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群より選択される1以上の基であり、より好ましくは置換基群Eの基であり、無置換であってもよい。本発明の好ましい一態様では、R~Rの少なくとも1つは置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。例えばR~Rの少なくとも1つが置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。例えば、RおよびRの少なくとも1つが置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。本発明の好ましい一態様では、RおよびRの少なくとも一方が置換基であり、より好ましくは両方が置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。本発明の好ましい一態様では、Xが窒素原子であるとき、R15およびR20の少なくとも一方が置換基であり、より好ましくは両方が置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。このとき、R16とR17は互いに結合して単結合を形成している。本発明の好ましい一態様では、Xが窒素原子であるとき、R19およびR24の少なくとも一方が置換基であり、より好ましくは両方が置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。このとき、R21とR22は互いに結合して単結合を形成している。本発明の一態様では、RおよびR12の少なくとも一方が置換基であり、好ましくは両方が置換基である。本発明の一態様では、R、R10およびR12が置換基である。R~R12の置換基としては、無置換のアルキル基が好ましい。Xがホウ素原子であるとき、R13およびR17の少なくとも一方が置換基であり、好ましくは両方が置換基である。本発明の一態様では、Xがホウ素原子であるとき、R13、R15およびR17が置換基である。Xがホウ素原子であるとき、R13~R17の置換基としては、無置換のアルキル基が好ましい。Xがホウ素原子であるとき、R22およびR26の少なくとも一方が置換基であり、好ましくは両方が置換基である。本発明の一態様では、Xがホウ素原子であるとき、R22、R24およびR26が置換基である。Xがホウ素原子であるとき、R22~R26の置換基としては、無置換のアルキル基が好ましい。
およびAは、水素原子、重水素原子または置換基である。置換基としては、後述の置換基群A~Eのいずれかから選択される基を採用することができる。
およびAが採りうる好ましい置換基は、アクセプター性基である。アクセプター性基は、ハメットのσp値が正の基である。「ハメットのσp値」の説明については、上記の(第1ホスト材料および第2ホスト材料)の欄に記載した「ハメットのσp値」についての説明を参照することができる。
およびAが採りうるアクセプター性基は、ハメットのσp値が0.2より大きい基であることがより好ましい。ハメットのσp値が0.2より大きい基として、シアノ基、少なくともシアノ基で置換されているアリール基、フッ素原子を含む基、環骨格構成原子として窒素原子を含む置換もしくは無置換のヘテロアリール基を挙げることができる。ここでいう少なくともシアノ基で置換されているアリール基は、シアノ基以外の置換基(例えばアルキル基やアリール基)で置換されていてもよいが、シアノ基だけで置換されているアリール基であってもよい。少なくともシアノ基で置換されているアリール基は、少なくともシアノ基で置換されているフェニル基であることが好ましい。シアノ基の置換数は1または2であることが好ましく、例えば1であってもよく、2であってもよい。フッ素原子を含む基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、フッ素原子またはフッ化アルキル基で少なくとも置換されたアリール基を挙げることができる。フッ化アルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素原子数は1~6であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。また、環骨格構成原子として窒素原子を含むヘテロアリール基は、単環であってもよいし、2つ以上の環が縮合した縮合環であってもよい。縮合環である場合、縮合した後の環の数は2~6であることが好ましく、例えば2~4の中から選択したり、2としたりすることができる。ヘテロアリール基を構成する環の具体例として、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キナゾリン環やキノキサリン環以外のナフチリジン環を挙げることができる。ヘテロアリール基を構成する環は、重水素原子や置換基で置換されていてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上で構成される基を挙げることができる。AおよびAが採りうるアクセプター性基として特に好ましいのはシアノ基である。
本発明の一態様では、AおよびAは、各々独立に水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、AおよびAの少なくとも一方はアクセプター性基である。本発明の一態様では、AおよびAの少なくとも一方はアクセプター性基である。本発明の一態様では、AおよびAの両方がアクセプター性基である。本発明の一態様では、AおよびAの両方がアクセプター性基である。本発明の一態様では、AおよびAがシアノ基である。本発明の一態様では、AおよびAがハロゲン原子であり、例えば臭素原子である。
以下において、本発明で採用することができるアクセプター性基の具体例を示す。ただし、本発明において用いることができるアクセプター性基は以下の具体例によって限定的に解釈されることはない。本明細書中ではメチル基は表示を省略している。このため、例えばA15であれば、4-メチルフェニル基が2つ含まれる基を示している。また「D」は重水素原子を表す。*は結合位置を表す。
なお、Xが窒素原子であって、RとRが窒素原子を介して結合して6員環を形成し、R21とR22が窒素原子を介して結合して6員環を形成し、R17とR18が互いに結合して単結合を形成しているとき、R~Rの少なくとも1つは置換もしくは無置換のアリール基であるか、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRのいずれかが互いに結合して芳香環(縮合していてもよい置換もしくは無置換のベンゼン環)または複素芳香環(好ましくは縮合していてもよい置換もしくは無置換のベンゾフランのフラン環、縮合していてもよい置換もしくは無置換のベンゾチオフェンのチオフェン環)を形成していることが好ましい。
また、Xがホウ素原子で、Xが窒素原子であり、RとR、R17とR18が互いに結合してホウ素原子を含む環状構造を形成している場合、その環状構造は5~7員環であり、6員環である場合はRとR、R17とR18が互いに結合して-B(R32)-、-CO-、-CS-または-N(R27)-を形成していることが好ましい。
一般式(20)のXが窒素原子であるとき、本発明の化合物は下記の骨格(20a)を有する。一般式(20)のXが窒素原子であるとき、本発明の化合物は下記の骨格(20b)を有する。
骨格(20a)および(20b)における各水素原子は、重水素原子または置換基に置換されていてもよい。また、隣接する水素原子とともに連結基に置換されて環状構造を形成していてもよい。詳細については、一般式(20)の対応するR~R26、A、Aの記載を参照することができる。骨格(20a)および(20b)においてホウ素原子に結合しているフェニル基がいずれもメシチル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基または2,4,6-トリイソプロピルフェニル基に置換されている化合物などを例示することができる。本発明の一態様では、骨格(20a)および(20b)における各水素原子は、隣接する水素原子とともに連結基に置換されて環状構造を形成していない。
骨格(20a)を有する化合物の好ましい一群として、下記一般式(20a)で表される化合物を例示することができる。
一般式(20a)
一般式(20a)において、Ar~Arは各々独立に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。R41およびR42は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m1およびm2は各々独立に0~5の整数を表し、n1およびn3は各々独立に0~4の整数を表し、n2およびn4は各々独立に0~3の整数を表す。A、Aは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。
本発明の一態様では、n1~n4は各々独立に0~2の整数を表す。本発明の好ましい一態様では、n1~n4の少なくとも1つは1以上であり、好ましくはn1およびn2の少なくとも1つは1以上であり、n3およびn4の少なくとも1つは1以上である。本発明の一態様では、n1およびn3が各々独立に1または2であり、n2およびn4が0である。本発明の一態様ではn2およびn4が各々独立に1または2であり、n1およびn3が0である。本発明の一態様では、n1~n4は各々独立に1または2である。本発明の一態様では、n1とn3は等しく、n2とn4は等しい。本発明の一態様では、n1とn3は1であり、n2とn4は0である。本発明の一態様では、n1とn3は0であり、n2とn4は1である。本発明の一態様では、n1~n4はいずれも1である。Ar~Arの結合位置は、カルバゾール環の3,6位の少なくとも一つであってもよいし、2,7位の少なくとも一つであってもよいし、1,8位の少なくとも一つであってもよいし、4,5位の少なくとも一つであってもよい。Ar~Arの結合位置は、カルバゾール環の3,6位の両方であってもよいし、2,7位の両方であってもよいし、1,8位の両方であってもよいし、4,5位の両方であってもよい。例えば、3,6位の少なくとも一つを好ましく選択することができ、あるいは、3,6位の両方をさらに好ましく選択することができる。本発明の好ましい一態様では、Ar~Arはすべて同一の基である。本発明の好ましい一態様では、Ar~Arは各々独立に置換もしくは無置換のアリール基であり、より好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基またはナフチル基であり、さらに好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基である。置換基としては後述の置換基群A~Eのいずれかから選択される基を挙げることができるが、無置換のフェニル基も好ましい。Ar~Arの好ましい具体例として、フェニル基、o-ビフェニル基、m-ビフェニル基、p-ビフェニル基、ターフェニル基を挙げることができる。
本発明の一態様では、m1およびm2は各々独立に0である。本発明の一態様では、m1およびm2は各々独立に1~5のいずれかの整数である。本発明の一態様では、m1とm2は等しい。本発明の一態様では、R41およびR42は炭素数1~6のアルキル基であり、例えば炭素数1~3のアルキル基の中から選択したり、メチル基を選択したりすることができる。アルキル基の置換位置は、ホウ素原子に結合している炭素原子を1位として、2位のみ、3位のみ、4位のみ、3位と5位、2位と4位、2位と6位、2位と4位と6位などを例示することができ、少なくとも2位であることが好ましく、少なくとも2位と6位であることがより好ましい。
およびAの説明と好ましい範囲については、一般式(20)の対応する記載を参照することができる。
以下において、一般式(20a)で表される化合物の具体例を挙げる。本発明で用いることができる一般式(20a)の化合物は、下記の具体例により限定的に解釈されることはない。
骨格(20b)を有する化合物の好ましい一群として、下記一般式(20b)で表される化合物を例示することができる。
一般式(20b)
一般式(20b)において、Ar~Arは各々独立に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。R43およびR44は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m3およびm4は各々独立に0~5の整数を表し、n6およびn8は各々独立に0~3の整数を表し、n5およびn7は各々独立に0~4の整数を表す。A、Aは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。Ar~Ar、R43およびR44、m3およびm4、n5~n8、A、Aの詳細については、一般式(20a)のAr~Ar、R41およびR42、m1およびm2、n1~n4、A、Aの記載を参照することができる。
以下において、一般式(20b)で表される化合物の具体例を挙げる。本発明で用いることができる一般式(20b)の化合物は、下記の具体例により限定的に解釈されることはない。
本発明の好ましい一態様では、発光材料として下記一般式(21)で表される化合物を用いる。
上記一般式(21)において、Ar~Arは各々独立に、アリール環またはヘテロアリール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素原子は置換されていてもよく、また環が縮合していてもよい。水素原子が置換されている場合、重水素原子、アリール基、ヘテロアリール基およびアルキル基からなる群より選択される1つの基か2つ以上を組み合わせた基で置換されていることが好ましい。また、環が縮合している場合は、ベンゼン環か複素芳香環(例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環等)が縮合していることが好ましい。RおよびR’は各々独立に置換基を表し、好ましくは、重水素原子、アリール基、ヘテロアリール基およびアルキル基からなる群より選択される1つの基か2つ以上を組み合わせた基である。RとAr、ArとAr、ArとR’、R’とAr、ArとRは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(21)で表される化合物には、少なくとも1つのカルバゾール構造が含まれていることが好ましい。例えば、カルバゾール構造を構成する一方のベンゼン環がArで表される環であってもよく、カルバゾール構造を構成する一方のベンゼン環がArで表される環であってもよく、カルバゾール構造を構成する一方のベンゼン環がArで表される環であってもよい。また、Ar~Arのいずれか1つ以上にカルバゾリル基が結合していてもよい。例えば、Arで表される環に置換もしくは無置換のカルバゾール-9-イル基が結合していてもよい。
Ar~Arには、アントラセン、ピレン、ペリレン等の縮合芳香族環構造が結合していてもよい。また、Ar~Arで表される環は、縮合芳香族環構造を構成する1つの環であってもよい。さらにRおよびR’の少なくとも一方が、縮合芳香族環構造を有する基であってもよい。
一般式(21)で表される骨格は、化合物中に複数個存在していてもよい。例えば、一般式(21)で表される骨格どうしが単結合または連結基を介して互いに結合した構造を有していてもよい。また、一般式(21)で表される骨格には、さらにホウ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子によってベンゼン環どうしを連結させた多重共鳴効果を示す構造が付加されていてもよい。
本発明の好ましい一態様では、発光材料として下記一般式(22)で表される化合物を用いる。
一般式(22)において、XおよびXは各々独立にOまたはSを表す。YおよびYは各々独立に単結合、O、SまたはC(R)(R)を表す。R~R22、R、Rは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表すが、R~R22の少なくとも1個は置換基である。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとY、YとR、RとR、RとR10、R10とR11、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R16とR17、R17とR18、R18とY、YとR19、R19とR20、R20とR21、R21とR22は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R21とR、RとR、R10とR12、R15とR16は互いに結合して環状構造を形成していない。一般式(22)中のC-R、C-R、C-R、C-R、C-R、C-R、C-R、C-R、C-R、C-R10、C-R11、C-R12、C-R13、C-R14、C-R15、C-R16、C-R17、C-R18、C-R19、C-R20、C-R21、C-R22は、Nに置換されていてもよい。
一般式(22)において、XおよびXは各々独立にOまたはSを表す。本発明の好ましい一態様では、XおよびXはともにOである。本発明の一態様では、XおよびXはともにSである。本発明の一態様では、XおよびXの一方がOで他方がSである。
一般式(22)において、YおよびYは各々独立に単結合、O、SまたはC(R)(R)を表す。本発明の好ましい一態様では、YおよびYはともに単結合である。本発明の一態様では、YおよびYはともにOである。本発明の一態様では、YおよびYはともにSである。本発明の一態様では、YおよびYはともにC(R)(R)である。本発明の一態様では、XおよびXの一方が単結合で他方がOまたはSである。本発明の一態様では、XおよびXの一方がOで他方がSである。
本発明の好ましい一態様では、XおよびXはともにOであり、YおよびYはともに単結合、OまたはSであり、より好ましくは単結合またはOであり、さらに好ましくは単結合である。本発明の好ましい一態様では、XおよびXはともにSであり、YおよびYはともに単結合、OまたはSであり、より好ましくは単結合である。本発明の一態様では、XおよびXはともにOであり、YおよびYはともにO、SまたはC(R)(R)であり、より好ましくはともにOまたはSであり、さらに好ましくはともにOである。本発明の一態様では、XおよびXはともにSであり、YおよびYはともにO、SまたはC(R)(R)であり、より好ましくはともにOまたはSである。
一般式(22)において、R~R22、R、Rは、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表すが、R~R22の少なくとも1個は置換基である。ここでいう置換基は、例えば置換基群Aの中から選択してもよいし、置換基群Bの中から選択してもよいし、置換基群Cの中から選択してもよいし、置換基群Dの中から選択してもよいし、置換基群Eの中から選択してもよい。本発明の好ましい一態様では、R~R22は、水素原子、重水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基(その基に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい)、または置換もしくは無置換のジアリールアミノ基(ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに連結基で連結されていてもよい)である。本発明の好ましい一態様では、R、Rは各々独立に、水素原子、重水素原子、またはアルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基(その基に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい)である。
本発明の好ましい一態様では、R~R22が採りうる置換基は、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基(その基に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい)である。例えば、重水素原子およびアリール基からなる群より選択される1つ以上で置換されていてもよいアルキル基である。好ましくは、重水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つ以上で置換されていてもよいアリール基であり、より好ましくは、重水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つ以上で置換されていてもよいフェニル基である。
本発明の一態様では、R~R22が採りうる置換基は、電子求引基で置換されたアリール基であってもよい。
本発明の好ましい一態様では、R~R22が採りうる置換基は、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基である。ここでいうジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに連結基で連結されていてもよい。例えば、単結合、-O-、-S-、-C(R)(R)-、-N(R)-で連結されていてもよい。R、R、Rは各々独立に、水素原子、重水素原子または置換基を表し、水素原子、重水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基(その基に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい)であることが好ましい。ジアリールアミノ基は、置換基で置換されていてもよく、その置換基は例えば置換基群Aの中から選択してもよいし、置換基群Bの中から選択してもよいし、置換基群Cの中から選択してもよいし、置換基群Dの中から選択してもよいし、置換基群Eの中から選択してもよい。本発明の好ましい一態様では、ジアリールアミノ基の置換基は、重水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基(その基に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子で置換されていてもよい)である。
~R22が採りうる置換もしくは無置換のジアリールアミノ基は、置換もしくは無置換のカルバゾール-9-イル基であるのが好ましい。カルバゾール-9-イル基を構成する2つのベンゼン環には、各々独立にさらに他の環が縮合していてもよい。
~R22のうち、置換基の数は1~12個であることが好ましく、1~8個であることがより好ましく、1~6個であることがさらにより好ましく、例えば1~3個の範囲内から選択してもよいし、4~6個の範囲内から選択してもよい。より好ましいのは4~6個である。本発明の好ましい一態様では、R、R、R、R、R13、R14、R17、R20からなる群より選択される1~6個が置換基であり、R、R、R、R、R13、R14、R17、R20からなる群より選択される1~6個だけが置換基であることがより好ましい。本発明の好ましい一態様では、R、R、R17、R20が置換基である。例えば、R、R、R17、R20だけが置換基である。例えば、R、R、R、R13、R17、R20だけが置換基である。例えば、R、R、R、R14、R17、R20だけが置換基である。R~R22のうち、置換もしくは無置換のアリール基であるものが2個以上あるとき、それら2個以上のアリール基は同一であることが好ましいが、異なっていてもよい。
~R22の合計炭素数は例えば10以上であっても、20以上であっても、30以上であってもよく、また、80以下であっても、60以下であっても、40以下であってもよい。本発明の一態様では、R~R22の合計炭素数は10~80の範囲内で選択し、好ましくは10~60の範囲内で選択する。本発明の好ましい一態様では、R~R22の合計炭素数は20~40の範囲内で選択し、例えば20~30の範囲内で選択したり、31~40の範囲内で選択したりしてもよい。
~R22のベンゼン環の合計数は0~24の範囲内から選択する。例えば1以上であっても、2以上であっても、4以上であっても、6以上であってもよく、18以下であっても、12以下であっても、8以下であっても、6以下であってもよい。本発明の一態様では、R~R22のベンゼン環の合計数は2~8の範囲内から選択し、好ましくは2~6の範囲内から選択し、例えば4~6の範囲内から選択してもよい。
本発明の好ましい一態様では、一般式(22)で表される化合物は、下記の化合物群から選択される。
本発明の好ましい一態様では、発光材料としてBODIPY(4,4-difluoro-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene)構造を含む化合物を用いる。例えば、下記一般式(23)で表される化合物を用いる。
一般式(23)
一般式(23)において、R~Rは各々独立に水素原子、重水素原子または置換基である。R~Rのうち少なくとも1つは、下記一般式(24)で表される基であることが好ましい。
一般式(24)
一般式(24)において、R11~R15は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、*は結合位置を表す。
一般式(24)で表される基は、一般式(23)のR~Rの1つであってもよいし、2つであってもよいし、3つであってもよい。また、少なくとも4つとしてもよく、例えば4つまたは5つとすることができる。本発明の好ましい一態様では、R~Rのうちの1つが一般式(24)で表される基である。本発明の好ましい一態様では、少なくともR、R、R、Rが一般式(24)で表される基である。本発明の好ましい一態様では、R、R、R、R、Rだけが一般式(24)で表される基である。本発明の好ましい一態様では、R、R、R、R、Rが一般式(24)で表される基であり、RおよびRが水素原子、重水素原子、無置換のアルキル基(例えば炭素数1~10)、または無置換のアリール基(例えば炭素数6~14)である。本発明の一態様では、R~Rのすべてが一般式(24)で表される基である。
本発明の好ましい一態様では、RとRが同一である。本発明の好ましい一態様では、RとRが同一である。本発明の好ましい一態様では、RとRが同一である。本発明の好ましい一態様では、RとRが同一であり、RとRが同一であり、なおかつ、RとRは互いに異なる。本発明の好ましい一態様では、R、R、R、Rが同一である。本発明の好ましい一態様では、RとRとRが同一であり、RやRとは異なる。本発明の好ましい一態様では、RとRとRが同一であり、RやRとは異なる。本発明の好ましい一態様では、R、R、R、Rは、いずれもRとは異なる。
一般式(24)のR11~R15が採りうる置換基としては、例えば置換基群Aの基を選択することができる。R11~R15が採りうる置換基は、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば炭素数1~40)、置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば炭素数1~40)、置換もしくは無置換のアリール基(例えば炭素数6~30)、置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、置換もしくは無置換のアミノ基(例えば炭素原子数0~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基であることが好ましい(以下においてこれらの基を「置換基群Cの基」という)。置換基群Cの中でも、炭素数1~20の無置換のアルキル基、炭素数1~20の無置換のアルコキシ基、炭素数6~14の無置換のアリール基、炭素数6~14のアリールオキシ基、または環骨格構成原子数5~20の無置換のジアリールアミノ基を選択することが好ましい(以下においてこれらの基を「置換基群Dの基」という)。ここでいう置換アミノ基としては、ジ置換アミノ基が好ましく、アミノ基に対する2つの置換基としては、各々独立に置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または置換もしくは無置換のアルキル基であることが好ましく、置換もしくは無置換のアリール基であること(ジアリールアミノ基であること)が特に好ましい。ジアリールアミノ基の2つのアリール基が採りうる置換基としては、置換基群Aの基を選択したり、置換基群Bの基を選択したり、置換基群Cの基を選択したりすることができる。ジアリールアミノ基の2つのアリール基は互いに単結合または連結基を介して結合していてもよく、ここでいう連結基についてはR33とR34における連結基の説明を参照することができる。ジアリールアミノ基の具体例として、例えば置換もしくは無置換のカルバゾール-9-イル基を採用することができる。
本発明の好ましい一態様では、一般式(24)のR13だけが置換基であり、R11、R12、R14、R15は水素原子である。本発明の好ましい一態様では、一般式(24)のR11だけが置換基であり、R12、R13、R14、R15は水素原子である。本発明の好ましい一態様では、一般式(24)のR11とR13だけが置換基であり、R12、R14、R15は水素原子である。
一般式(23)のR~Rの中には、一般式(24)のR11~R15がすべて水素原子である基(すなわちフェニル基)が含まれていてもよい。例えば、R、R、Rはフェニル基であってもよい。
一般式(23)において、RおよびRは各々独立に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)およびシアノ基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基であることが好ましい。本発明の好ましい実施態様では、RとRは同一である。本発明の好ましい実施態様では、RとRはハロゲン原子であり、特に好ましくはフッ素原子である。
本発明の一態様では、一般式(23)のR~Rに存在する置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基の数は合計で3つ以上であることが好ましく、例えば3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。より好ましくは、一般式(23)のR~Rに存在する置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基の数は合計で3つ以上であることが好ましく、例えば3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。このとき、RとRにはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基が存在しなくてもよい。さらに好ましくは、一般式(23)のR、R、R、R、Rに存在する置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基の数は合計で3つ以上であることが好ましく、例えば3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。このとき、R、R、R、Rにはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基が存在しなくてもよい。本発明の好ましい一態様では、置換もしくは無置換のアルコキシ基が3つ以上存在する。本発明の好ましい一態様では、置換もしくは無置換のアルコキシ基が4つ以上存在する。本発明の好ましい一態様では、置換もしくは無置換のアルコキシ基が1つ以上と、置換もしくは無置換のアリールオキシ基が2つ以上存在する。本発明の好ましい一態様では、置換もしくは無置換のアルコキシ基が2つ以上と、置換もしくは無置換のアミノ基が1つ以上存在する。本発明の好ましい一態様では、R、R、Rにそれぞれ置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシが存在する。本発明の好ましい一態様では、R、R、Rにそれぞれ置換もしくは無置換のアルコキシ基が存在する。
本発明の一態様では、一般式(23)のR~Rに存在するハメットのσp値が-0.2未満の置換基の合計は3つ以上である。ハメットのσp値が-0.2未満の置換基として、例えばメトキシ基(-0.27)、エトキシ基(-0.24)、n-プロポキシ基(-0.25)、イソプロポキシ基(-0.45)、n-ブトキシ基(ー0.32)を挙げることができる。一方、フッ素原子(0.06)、メチル基(-0.17)、エチル基(-0.15)、tertーブチル基(-0.20)、n-ヘキシル基(-0.15)、シクロヘキシル基(-0.15)などはハメットのσp値が-0.2未満の置換基ではない。
本発明の一態様では、一般式(23)のR~Rに存在するハメットのσp値が-0.2未満の置換基の数が3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。より好ましくは、一般式(23)のR~Rに存在するハメットのσp値が-0.2未満の置換基の数が3つ以上であることが好ましく、例えば3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。このとき、RとRにはハメットのσp値が-0.2未満の置換基が存在しなくてもよい。さらに好ましくは、一般式(23)のR、R、R、R、Rに存在するハメットのσp値が-0.2未満の置換基の数は3つ以上であることが好ましく、例えば3つである化合物を採用したり、あるいは4つである化合物を採用したりすることができる。このとき、R、R、R、Rにはハメットのσp値が-0.2未満の置換基が存在しなくてもよい。本発明の好ましい一態様では、R、R、Rにそれぞれハメットのσp値が-0.2未満の置換基が存在する。
以下に、発光材料として用いることができる好ましい化合物を挙げる。以下の例示化合物の構造式において、t-Buはターシャリーブチル基を表す。
上記例示化合物の誘導体として、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ジアリールアミノ基で置換された化合物を挙げることができる。
また、WO2015/022974号公報の段落0220~0239、WO2019/111971号公報の段落0066および0117、WO2021/015177号公報の段落0196~0255に記載の化合物も、本発明の発光材料として特に好ましく用いることができる。
なお、本明細書において「アルキル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルキル基の炭素数は、例えば1以上、2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デカニル基、イソデカニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。置換基たるアルキル基は、さらにアリール基で置換されていてもよい。
「アルケニル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルケニル基の炭素数は、例えば2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルケニル基の具体例として、エテニル基、n-プロペニル基、イソプロペニル基、n-ブテニル基、イソブテニル基、n-ペンテニル基、イソペンテニル基、n-ヘキセニル基、イソヘキセニル基、2-エチルヘキセニル基を挙げることができる。置換基たるアルケニル基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
「アリール基」および「ヘテロアリール基」は、単環であってもよいし、2つ以上の環が縮合した縮合環であってもよい。縮合環である場合、縮合している環の数は2~6であることが好ましく、例えば2~4の中から選択することができる。環の具体例として、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ナフチリジン環を挙げることができ、これらが縮合した環であってもよい。アリール基またはヘテロアリール基の具体例として、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基を挙げることができる。アリール基の環骨格構成原子数は6~40であることが好ましく、6~20であることがより好ましく、6~14の範囲内で選択したり、6~10の範囲内で選択したりしてもよい。ヘテロアリール基の環骨格構成原子数は4~40であることが好ましく、5~20であることがより好ましく、5~14の範囲内で選択したり、5~10の範囲内で選択したりしてもよい。「アリーレン基」および「ヘテロアリール基」は、アリール基およびヘテロアリール基の説明における価数を1から2へ読み替えたものとすることができる。
本明細書において「置換基群A」とは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリールチオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例えば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)およびニトロ基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群B」とは、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ジアリールアミノアミノ基(例えば炭素原子数0~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群C」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)、ジアリールアミノ基(例えば炭素原子数12~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群D」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)およびヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群E」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)およびアリール基(例えば炭素数6~22)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基」や「置換もしくは無置換の」と記載されている場合の置換基は、例えば置換基群Aの中から選択してもよいし、置換基群Bの中から選択してもよいし、置換基群Cの中から選択してもよいし、置換基群Dの中から選択してもよいし、置換基群Eの中から選択してもよい。
(その他の成分と構成元素)
本発明の有機発光素子に含まれる組成物は、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料のみから構成されていてもよいし、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分を含む場合、その濃度は5重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましく、例えば0.01重量%以下にしてもよい。本発明の有機発光素子に含まれる組成物は、第1ホスト材料と第2ホスト材料と遅延蛍光材料と発光材料以外に、電荷やエネルギーの授受を行う化合物やホウ素以外の金属元素を含まない構成にすることが好ましい。
本発明の有機発光素子に含まれる組成物は、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することもできる。例えば、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、ホウ素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、ホウ素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。例えば、炭素原子、水素原子、重水素原子および窒素原子からなる群より選択される原子からなる化合物だけで構成することができる。組成物は、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子から構成される第1ホスト材料と、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子から構成される第2ホスト材料と、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子から構成される遅延蛍光材料と、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子から構成される発光材料を含むものであってもよい。また、組成物は、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子から構成される第1ホスト材料と、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子から構成される第2ホスト材料と、炭素原子、水素原子、重水素原子および窒素原子からなる群より選択される原子から構成される遅延蛍光材料と、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子から構成される発光材料を含むものであってもよい。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本発明の有機発光素子の例として、有機エレクトロルミネッセンス素子を挙げることができる。有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極、陰極、および、陽極と陰極の間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する。有機層は、発光層のみから構成されていてもよいし、発光層以外の有機層を含んでいてもよい。例えば、陽極と発光層、発光層と陰極の間には、それぞれ有機層が介在していてもよいし、介在していなくてもよい。言い換えれば、陽極と発光層は直接接するように積層されていてもよいし、直接接触しないように積層されていてもよい。また、発光層と陰極は直接接するように積層されていてもよいし、直接接触しないように積層されていてもよい。発光層は、陽極と陰極の間に位置しており、陽極と陰極の間の領域に発光層全体がはみ出すことなく配置されていることが好ましい。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極、陰極、および、発光層を含む少なくとも1層の有機層を支持する基板を有していてもよい。この場合、基板は、陽極の発光層と反対側に配置していてもよいし、陰極の発光層と反対側に配置していてもよい。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、大半の光が基板と反対側から放出されるトップエミッション方式の素子であってもよいし、大半の光が基板側から放出されるボトムエミッション方式の素子であってもよい。ここで、「大半の光」とは、素子から放出される光の量の60%以上の光であることを意味する。
第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物は、発光層として構成することができる。発光層は、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を共蒸着することにより形成してもよいし、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を溶解させた溶液を用いて塗布法により形成してもよい。共蒸着により発光層を形成するときには、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料のうちの2つ以上をあらかじめ混合してるつぼ等に入れて蒸着源とし、その蒸着源を用いて共蒸着により発光層を形成してもよい。例えば、第1ホスト材料、第2ホスト材料および遅延蛍光材料をあらかじめ混合して1つの蒸着源を作成しておき、その蒸着源と発光材料の蒸着源を用いて共蒸着することにより発光層を形成してもよい。
以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子の各部材および発光層以外の各層について説明する。
基材:
いくつかの実施形態では、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は基材により保持され、当該基材は特に限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子で一般的に用いられる、例えばガラス、透明プラスチック、クォーツおよびシリコンにより形成されたいずれかの材料を用いればよい。
陽極:
いくつかの実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置の陽極は、金属、合金、導電性化合物またはそれらの組み合わせから製造される。いくつかの実施形態では、前記の金属、合金または導電性化合物は高い仕事関数(4eV以上)を有する。いくつかの実施形態では、前記金属はAuである。いくつかの実施形態では、導電性の透明材料は、CuI、酸化インジウム・スズ(ITO)、SnOおよびZnOから選択される。いくつかの実施形態では、IDIXO(In-ZnO)などの、透明な導電性フィルムを形成できるアモルファス材料を使用する。いくつかの実施形態では、前記陽極は薄膜である。いくつかの実施形態では、前記薄膜は蒸着またはスパッタリングにより作製される。いくつかの実施形態では、前記フィルムはフォトリソグラフィー方法によりパターン化される。いくつかの実施形態では、パターンが高精度である必要がない(例えば約100μm以上)場合、当該パターンは、電極材料への蒸着またはスパッタリングに好適な形状のマスクを用いて形成してもよい。いくつかの実施形態では、有機導電性化合物などのコーティング材料を塗布しうるとき、プリント法やコーティング法などの湿式フィルム形成方法が用いられる。いくつかの実施形態では、放射光が陽極を通過するとき、陽極は10%超の透過度を有し、当該陽極は、単位面積あたり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~1,000nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~200nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは用いる材料に応じて変動する。
陰極:
いくつかの実施形態では、前記陰極は、低い仕事関数を有する金属(4eV以下)(電子注入金属と称される)、合金、導電性化合物またはその組み合わせなどの電極材料で作製される。いくつかの実施形態では、前記電極材料は、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム-銅混合物、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム-アルミニウム混合物および希土類元素から選択される。いくつかの実施形態では、電子注入金属と、電子注入金属より高い仕事関数を有する安定な金属である第2の金属との混合物が用いられる。いくつかの実施形態では、前記混合物は、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム-アルミニウム混合物およびアルミニウムから選択される。いくつかの実施形態では、前記混合物は電子注入特性および酸化に対する耐性を向上させる。いくつかの実施形態では、陰極は、蒸着またはスパッタリングにより電極材料を薄膜として形成させることによって製造される。いくつかの実施形態では、前記陰極は単位面積当たり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は10nm~5μmである。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は50~200nmである。いくつかの実施形態では、放射光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極のいずれか1つは透明または半透明である。いくつかの実施形態では、透明または半透明のエレクトロルミネッセンス素子は光放射輝度を向上させる。
いくつかの実施形態では、前記陰極を、前記陽極に関して前述した導電性の透明な材料で形成されることにより、透明または半透明の陰極が形成される。いくつかの実施形態では、素子は陽極と陰極とを含むが、いずれも透明または半透明である。
注入層:
注入層は、電極と有機層との間の層である。いくつかの実施形態では、前記注入層は駆動電圧を減少させ、光放射輝度を増強する。いくつかの実施形態では、前記注入層は、正孔注入層と電子注入層とを含む。前記注入層は、陽極と発光層または正孔輸送層との間、並びに陰極と発光層または電子輸送層との間に配置することがきる。いくつかの実施形態では、注入層が存在する。いくつかの実施形態では、注入層が存在しない。
以下に、正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
障壁層:
障壁層は、発光層に存在する電荷(電子または正孔)および/または励起子が、発光層の外側に拡散することを阻止できる層である。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層と正孔輸送層との間に存在し、電子が発光層を通過して正孔輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層と電子輸送層との間に存在し、正孔が発光層を通過して電子輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、障壁層は、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層および正孔障壁層は励起子障壁層を構成する。本明細書で用いる用語「電子障壁層」または「励起子障壁層」には、電子障壁層の、および励起子障壁層の機能の両方を有する層が含まれる。
正孔障壁層:
正孔障壁層は、電子輸送層として機能する。いくつかの実施形態では、電子の輸送の間、正孔障壁層は正孔が電子輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。正孔障壁層に用いる材料は、電子輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に、正孔障壁層に用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
電子障壁層:
電子障壁層は、正孔を輸送する。いくつかの実施形態では、正孔の輸送の間、電子障壁層は電子が正孔輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。電子障壁層に用いる材料は、正孔輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に電子障壁材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
励起子障壁層:
励起子障壁層は、発光層における正孔と電子との再結合を通じて生じた励起子が電荷輸送層まで拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、発光層における励起子の有効な閉じ込め(confinement)を可能にする。いくつかの実施形態では、装置の光放射効率が向上する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、陽極の側と陰極の側のいずれかで、およびその両側の発光層に隣接する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陽極側に存在するとき、当該層は、正孔輸送層と発光層との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陰極側に存在するとき、当該層は、発光層と陰極との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層または同様の層は、陽極と、陽極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層または同様の層は、陰極と、陰極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーを含み、その少なくとも1つが、それぞれ、発光材料の励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーより高い。
正孔輸送層:
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は、正孔の注入または輸送特性および電子の障壁特性のうちの1つの特性を有する。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は有機材料である。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は無機材料である。本発明で使用できる公知の正孔輸送材料の例としては、限定されないが、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導剤、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導剤、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導剤、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリンコポリマーおよび導電性ポリマーオリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料はポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物から選択される。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は芳香族三級アミン化合物である。以下に正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
電子輸送層:
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、電子輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、電子輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、電子輸送材料は、陰極から注入された電子を発光層に輸送する機能さえあればよい。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はまた、正孔障壁材料としても機能する。本発明で使用できる電子輸送層の例としては、限定されないが、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アゾール誘導体、アジン誘導体またはその組合せ、またはそのポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はチアジアゾール誘導剤またはキノキサリン誘導体である。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はポリマー材料である。以下に電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
さらに、各有機層に添加可能な材料として好ましい化合物例を挙げる。例えば、安定化材料として添加すること等が考えられる。
有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる好ましい材料を具体的に例示したが、本発明において用いることができる材料は、以下の例示化合物によって限定的に解釈されることはない。また、特定の機能を有する材料として例示した化合物であっても、その他の機能を有する材料として転用することも可能である。
デバイス:
いくつかの実施形態では、発光層はデバイス中に組み込まれる。例えば、デバイスには、OLEDバルブ、OLEDランプ、テレビ用ディスプレイ、コンピューター用モニター、携帯電話およびタブレットが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を有するOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、本願明細書に記載の構成物は、OLEDまたは光電子デバイスなどの、様々な感光性または光活性化デバイスに組み込まれうる。いくつかの実施形態では、前記構成物はデバイス内の電荷移動またはエネルギー移動の促進に、および/または正孔輸送材料として有用でありうる。前記デバイスとしては、例えば有機発光ダイオード(OLED)、有機集積回線(OIC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出装置、有機光受容体、有機磁場クエンチ(field-quench)装置(O-FQD)、発光燃料電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザー)が挙げられる。
バルブまたはランプ:
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含むOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは色彩の異なるOLEDを含む。いくつかの実施形態では、デバイスはOLEDの組合せを含むアレイを含む。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、3色の組合せ(例えばRGB)である。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、赤色でも緑色でも青色でもない色(例えばオレンジ色および黄緑色)の組合せである。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、2色、4色またはそれ以上の色の組合せである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、
取り付け面を有する第1面とそれと反対の第2面とを有し、少なくとも1つの開口部を画定する回路基板と、
前記取り付け面上の少なくとも1つのOLEDであって、当該少なくとも1つのOLEDが、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含む、発光する構成を有する少なくとも1つのOLEDと、
回路基板用のハウジングと、
前記ハウジングの端部に配置された少なくとも1つのコネクターであって、前記ハウジングおよび前記コネクターが照明設備への取付けに適するパッケージを画定する、少なくとも1つのコネクターと、を備えるOLEDライトである。
いくつかの実施形態では、前記OLEDライトは、複数の方向に光が放射されるように回路基板に取り付けられた複数のOLEDを有する。いくつかの実施形態では、第1方向に発せられた一部の光は偏光されて第2方向に放射される。いくつかの実施形態では、反射器を用いて第1方向に発せられた光を偏光する。
ディスプレイまたはスクリーン:
いくつかの実施形態では、本発明の発光層はスクリーンまたはディスプレイにおいて使用できる。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物は、限定されないが真空蒸発、堆積、蒸着または化学蒸着(CVD)などの工程を用いて基材上へ堆積させる。いくつかの実施形態では、前記基材は、独特のアスペクト比のピクセルを提供する2面エッチングにおいて有用なフォトプレート構造である。前記スクリーン(またマスクとも呼ばれる)は、OLEDディスプレイの製造工程で用いられる。対応するアートワークパターンの設計により、垂直方向ではピクセルの間の非常に急な狭いタイバーの、並びに水平方向では大きな広範囲の斜角開口部の配置を可能にする。これにより、TFTバックプレーン上への化学蒸着を最適化しつつ、高解像度ディスプレイに必要とされるピクセルの微細なパターン構成が可能となる。
ピクセルの内部パターニングにより、水平および垂直方向での様々なアスペクト比の三次元ピクセル開口部を構成することが可能となる。更に、ピクセル領域中の画像化された「ストライプ」またはハーフトーン円の使用は、これらの特定のパターンをアンダーカットし基材から除くまで、特定の領域におけるエッチングが保護される。その時、全てのピクセル領域は同様のエッチング速度で処理されるが、その深さはハーフトーンパターンにより変化する。ハーフトーンパターンのサイズおよび間隔を変更することにより、ピクセル内での保護率が様々異なるエッチングが可能となり、急な垂直斜角を形成するのに必要な局在化された深いエッチングが可能となる。
蒸着マスク用の好ましい材料はインバーである。インバーは、製鉄所で長い薄型シート状に冷延された金属合金である。インバーは、ニッケルマスクとしてスピンマンドレル上へ電着することができない。蒸着用マスク内に開口領域を形成するための適切かつ低コストの方法は、湿式化学エッチングによる方法である。
いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、基材上のピクセルマトリックスである。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、リソグラフィー(例えばフォトリソグラフィーおよびeビームリソグラフィー)を使用して加工される。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、湿式化学エッチングを使用して加工される。更なる実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、プラズマエッチングを使用して加工される。
デバイスの製造方法:
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
本発明の他の態様では、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの製造方法を提供し、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上に、セルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルのディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、障壁層は、例えばSiNxで形成された無機フィルムであり、障壁層の端部はポリイミドまたはアクリルで形成された有機フィルムで被覆される。いくつかの実施形態では、有機フィルムは、マザーパネルがセルパネル単位で軟らかく切断されるように補助する。
いくつかの実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)層は、発光層と、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極と、を有する。複数のディスプレイユニットの各々は、薄膜トランジスタ(TFT)層と、TFT層上に形成された平坦化フィルムと、平坦化フィルム上に形成された発光ユニットと、を有してもよく、前記インタフェース部に塗布された有機フィルムは、前記平坦化フィルムの材料と同じ材料で形成され、前記平坦化フィルムの形成と同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記発光ユニットは、不動態化層と、その間の平坦化フィルムと、発光ユニットを被覆し保護するカプセル化層と、によりTFT層と連結される。前記製造方法のいくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、ディスプレイユニットにもカプセル化層にも連結されない。
前記有機フィルムと平坦化フィルムの各々は、ポリイミドおよびアクリルのいずれか1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記障壁層は無機フィルムであってもよい。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はポリイミドで形成されてもよい。前記方法は更に、ポリイミドで形成されたベース基材の1つの表面に障壁層を形成する前に、当該ベース基材のもう1つの表面にガラス材料で形成されたキャリア基材を取り付ける工程と、インタフェース部に沿った切断の前に、前記キャリア基材をベース基材から分離する工程と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記OLEDディスプレイはフレキシブルなディスプレイである。
いくつかの実施形態では、前記不動態化層は、TFT層の被覆のためにTFT層上に配置された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、不動態化層上に形成された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、障壁層の端部に形成された有機フィルムと同様、ポリイミドまたはアクリルで形成される。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイの製造の際、前記平坦化フィルムおよび有機フィルムは同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、障壁層の端部に形成されてもよく、それにより、当該有機フィルムの一部が直接ベース基材と接触し、当該有機フィルムの残りの部分が、障壁層の端部を囲みつつ、障壁層と接触する。
いくつかの実施形態では、前記発光層は、ピクセル電極と、対電極と、当該ピクセル電極と当該対電極との間に配置された有機発光層と、を有する。いくつかの実施形態では、前記ピクセル電極は、TFT層のソース/ドレイン電極に連結している。
いくつかの実施形態では、TFT層を通じてピクセル電極に電圧が印加されるとき、ピクセル電極と対電極との間に適切な電圧が形成され、それにより有機発光層が光を放射し、それにより画像が形成される。以下、TFT層と発光ユニットとを有する画像形成ユニットを、ディスプレイユニットと称する。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットを被覆し、外部の水分の浸透を防止するカプセル化層は、有機フィルムと無機フィルムとが交互に積層する薄膜状のカプセル化構造に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、前記カプセル化層は、複数の薄膜が積層した薄膜状カプセル化構造を有する。いくつかの実施形態では、インタフェース部に塗布される有機フィルムは、複数のディスプレイユニットの各々と間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、一部の有機フィルムが直接ベース基材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲む一方で障壁層と接触する態様で形成される。
一実施形態では、OLEDディスプレイはフレキシブルであり、ポリイミドで形成された柔軟なベース基材を使用する。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はガラス材料で形成されたキャリア基材上に形成され、次に当該キャリア基材が分離される。
いくつかの実施形態では、障壁層は、キャリア基材の反対側のベース基材の表面に形成される。一実施形態では、前記障壁層は、各セルパネルのサイズに従いパターン化される。例えば、ベース基材がマザーパネルの全ての表面上に形成される一方で、障壁層が各セルパネルのサイズに従い形成され、それにより、セルパネルの障壁層の間のインタフェース部に溝が形成される。各セルパネルは、前記溝に沿って切断できる。
いくつかの実施形態では、前記の製造方法は、更にインタフェース部に沿って切断する工程を含み、そこでは溝が障壁層に形成され、少なくとも一部の有機フィルムが溝で形成され、当該溝がベース基材に浸透しない。いくつかの実施形態では、各セルパネルのTFT層が形成され、無機フィルムである不動態化層と有機フィルムである平坦化フィルムが、TFT層上に配置され、TFT層を被覆する。例えばポリイミドまたはアクリル製の平坦化フィルムが形成されるのと同時に、インタフェース部の溝は、例えばポリイミドまたはアクリル製の有機フィルムで被覆される。これは、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃を有機フィルムに吸収させることによってひびが生じるのを防止する。すなわち、全ての障壁層が有機フィルムなしで完全に露出している場合、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃が障壁層に伝達され、それによりひびが生じるリスクが増加する。しかしながら、一実施形態では、障壁層間のインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されて、有機フィルムがなければ障壁層に伝達されうる衝撃を吸収するため、各セルパネルをソフトに切断し、障壁層でひびが生じるのを防止してもよい。一実施形態では、インタフェース部の溝を被覆する有機フィルムおよび平坦化フィルムは、互いに間隔を置いて配置される。例えば、有機フィルムおよび平坦化フィルムが1つの層として相互に接続している場合には、平坦化フィルムと有機フィルムが残っている部分とを通じてディスプレイユニットに外部の水分が浸入するおそれがあるため、有機フィルムおよび平坦化フィルムは、有機フィルムがディスプレイユニットから間隔を置いて配置されるように、相互に間隔を置いて配置される。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットは、発光ユニットの形成により形成され、カプセル化層は、ディスプレイユニットを被覆するためディスプレイユニット上に配置される。これにより、マザーパネルが完全に製造された後、ベース基材を担持するキャリア基材がベース基材から分離される。いくつかの実施形態では、レーザー光線がキャリア基材へ放射されると、キャリア基材は、キャリア基材とベース基材との間の熱膨張率の相違により、ベース基材から分離される。
いくつかの実施形態では、マザーパネルは、セルパネル単位で切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルは、カッターを用いてセルパネル間のインタフェース部に沿って切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルが沿って切断されるインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されているため、切断の間、当該有機フィルムが衝撃を吸収する。いくつかの実施形態では、切断の間、障壁層でひびが生じるのを防止できる。
いくつかの実施形態では、前記方法は製品の不良率を減少させ、その品質を安定させる。
他の態様は、ベース基材上に形成された障壁層と、障壁層上に形成されたディスプレイユニットと、ディスプレイユニット上に形成されたカプセル化層と、障壁層の端部に塗布された有機フィルムと、を有するOLEDディスプレイである。
<有機発光素子の設計方法>
次に、本発明の有機発光素子の設計方法について説明する。
本発明の設計方法で設計する有機発光素子は、第1ホスト材料、その第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する有機発光素子である。本発明の設計方法で設計する有機発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であっても有機フォトルミネッセンス素子であってもよい。そして、本発明では、こうした有機発光素子を、第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位と遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位が、上記式(a)の関係を満たすようにして設計する。第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料として採用することができる化合物についての説明と好ましい範囲、具体例、その他の有機発光素子の構成については、上記の対応する説明の記載を参照することができる。
本発明の有機発光素子の設計方法は、ホスト材料として用いうる化合物の物性値を格納したホスト材料のデータベースと、遅延蛍光材料として用いうる化合物の物性値を格納した遅延蛍光材料のデータベースを用いて行うことができる。さらに、発光材料として用いうる化合物の物性値を格納した発光材料のデータベースを用いてもよい。これらのデータベースに格納する物性値は、少なくとも各化合物のHOMOのエネルギー準位であり、さらに各化合物のLUMOのエネルギー準位や最低励起一重項エネルギー、遅延蛍光材料のΔESTなどの他の物性値を格納してもよい。
本発明の一態様では、ホスト材料のHOMOのエネルギー準位と、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位を格納したデータベースを用いて、式(a)を満たすような第2ホスト材料と遅延蛍光材料の組み合わせを選択する。このとき、あわせて第2ホスト材料よりもHOMOのエネルギー準位が低い第1ホスト材料も選択してもよい。
本発明の別の一態様では、第1ホスト材料、第2ホスト材料および遅延蛍光材料の各データベースとして、各化合物のHOMOのエネルギー準位と最低励起一重項エネルギーを格納したデータベースを使用する。この態様の設計方法は、例えば、発光材料を任意に選択する工程と、選択した特定の発光材料よりも最低励起一重項エネルギーが高い遅延蛍光材料を遅延蛍光材料のデータベースから検索して選択する工程と、選択した遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが高く、なおかつ、HOMOのエネルギー準位が式(a)の関係を満たす第2ホスト材料を、ホスト材料のデータベースから検索する工程と、検索でヒットしたホスト材料の中から第2ホスト材料とそれよりもHOMOのエネルギー準位が低い第1ホスト材料を選択して、特定の発光材料、特定の遅延蛍光材料、特定の第2ホスト材料および特定の第1ホスト材料からなる組み合わせを導出する工程を含む。なお、これらの各材料の検索と選定の手順は、入れ替えても良いし、同時に行ってもよい。例えば、第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料、発光材料の順に検索と選定を行ってもよいし、これらを同時に検索して選定してもよい。
本発明の有機発光素子の設計方法では、キャリアバランスがより高くなることや、駆動電圧がより低くなることや、素子寿命(LT95%など)がより長くなることなどを念頭において各材料を選択することが好ましい。こうした選択は、ホスト材料と遅延蛍光材料の組み合わせを様々に変えた発光素子のキャリアバランス、駆動電圧または素子寿命(例えばLT95%)を測定する工程と、これらの特性値と相関関係を示すホスト材料と遅延蛍光材料の特徴量を導出する工程と、その相関関係から、特性値がより良好な値となる特徴量を求める工程と、求めた特徴量を持つようにホスト材料と遅延蛍光材料を選択する工程を用いて行うことができる。また、こうした特徴量の導出や、特徴量に基づく特定ホスト材料の選択は、深層学習機能を利用して行うようにしてもよい。
<プログラム>
本発明のプログラムは、本発明の有機発光素子の設計方法を実施するためのプログラムである。
プログラムを構成する工程については、上記の<有機発光素子の設計方法>の欄の記載を参照することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、発光性能の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、半導体パラメータ・アナライザ(アジレント・テクノロジー社製:E5273A)、光パワーメータ測定装置(ニューポート社製:1930C)、光学分光器(オーシャンオプティクス社製:USB2000)、分光放射計(トプコン社製:SR-3)およびストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334型)を用いて行った。
<実施例および比較例で用いた発光層の材料>
以下の各実施例および各比較例で用いたホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を以下に示す。以下の構造式において、Dは重水素原子を表し、t-Buはターシャリ―ブチル基を表す。
各ホスト材料のHOMOとLUMOの測定値を以下の表に示す。
(実験例1)有機発光素子の作製と評価
石英基板上に、真空蒸着法により、真空度1×10-6Paの条件で、HH1、HH2、TT1、FF1をそれぞれ異なる蒸着源から蒸着して40nmの厚さの混合膜を形成することにより、素子1を作製した。このとき、混合膜における濃度は、第1ホスト材料であるHH1を20重量%、第2ホスト材料であるHH2を40重量%、遅延蛍光材料であるTT1を39.9重量%、発光材料であるFF1を0.5重量%とした。
第1ホスト材料、第2ホスト材料、遅延蛍光材料、発光材料の種類と濃度を表2に示す通りに変更して、素子1と同様の手順にしたがって素子2~9および比較素子1~2を作製した。作製した各PL素子について、300nm励起光によるフォトルミネッセンス量子収率(PLQY)を測定した結果を表2に示す。式(a)を満たす素子1~9のPLQYは、比較素子のPLQYよりも高く、有機発光素子として好ましい特性を有していることが確認された。なお、表2においてΔHOMOはEHOMO(H)-EHOMO(T)である。
また、素子1~9、比較素子1~2において、第2ホストを用いなかった点だけを変更して3成分からなる組成物の素子(3成分素子)をそれぞれ作製し、同様にしてフォトルミネッセンス量子収率を測定した。対応する3成分素子のフォトルミネッセンス量子収率に対して、素子1~9、比較素子1~2の各4成分素子のフォトルミネッセンス量子収率がどの程度変化したかを確認した。その結果、3成分素子を4成分素子にすることによって、比較素子1~2はいずれも13%を超えるPLQYの低下がみられたが、素子1~9ではそのような大幅なPLQYの低下は見られなかった。
(実施例2)有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚50nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成された厚さ2mmのガラス基材上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度1×10-6Paで積層した。まず、ITO上にHATCNを5nmの厚さに蒸着して正孔注入層を形成し、その上にNPDを60nmの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成した。続いて、EB1を10mの厚さに蒸着して電子ブロック層を形成した。次に、HH1、HH6、TT3およびFF1を異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さの発光層を形成した。このとき、発光層における濃度は、第1ホスト材料であるHH1を39.5重量%、第2ホスト材料であるHH2を20.0重量%、遅延蛍光材料であるTT1を40.0重量%、発光材料であるFF1を0.5重量%とした。次に、HB1を10nmの厚さに蒸着して正孔ブロック層を形成し、続いて、ET1を30nmの厚さに蒸着して電子輸送層を形成した。さらに、Liqを2nmの厚さに蒸着して電子注入層を形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成した。これによって、有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)であるEL素子1を作製した。
第2ホストであるHH6を用いずに、EL素子1と同じ手順にしたがって比較EL素子1を作製した。
第2ホストとしてHH6の代わりにHH8を用いて、EL素子1と同じ手順にしたがって比較EL素子2を作製した。
作製した各EL素子の電極に通電したところ、いずれの素子からも、発光の最大成分が発光材料であるFF1からの蛍光であることが確認された(ピーク発光波長616nm)。各EL素子の発光強度が試験開始時の95%になるまでの時間(LT95)を測定したところ、発光層が3成分からなる比較EL素子1に比べて、発光層が4成分からなるEL素子1と比較EL素子2はいずれも2.5倍以上であった。このことから、第2ホスト材料を採用することにより、素子寿命を大幅に長くできることが確認された。次に、発光層が4成分からなるEL素子1と比較EL素子2について、15.4mA/cmで外部量子収率(EQE)を測定したところ、比較EL素子2が9.7%であったのに対して、EL素子1は14.1%と高い値を示した。また、初期駆動電圧を測定したところ、比較EL素子2が5.79Vであったのに対して、EL素子1は5.40Vと低い値を示した。このことから、式(a)を満たす本発明のEL素子は、式(a)を満たさない比較EL素子よりも、発光効率が高くて、駆動電圧が低いことが確認された。
本発明の有機発光素子は、2種類のホスト材料を用いてキャリアバランスの向上や素子寿命の改善を図りながら、高い発光効率を実現することができる。そのため、本発明によれば、実用性に優れた有機発光素子を提供することができる。よって、本発明は産業上の利用可能性が高い。

Claims (10)

  1. 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含んでいて、下記式(a)および下記式(c)を満たす組成物を有する有機発光素子。
    HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
    [上式において、EHOMO(H)は前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表し、EHOMO(T)は前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表す。]
    HOMO(H) < EHOMO(T) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(E) 式(c)
    [式(c)において、EHOMO(H)は第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(H)は第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(T)は遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位を表し、EHOMO(E)は発光材料のHOMOのエネルギー準位を表す。]
  2. 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含んでいて、下記式(a)を満たす組成物を有する有機発光素子(ただし、前記第1ホスト材料および前記第2ホスト材料は、下記一般式(1)~(3)のいずれかで表される構造を有する)。
    HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
    [上式において、EHOMO(H)は前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表し、EHOMO(T)は前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位(単位eV)を表す。]
    一般式(1)
    [一般式(1)において、XはO、SまたはN(R)を表し、R~Rは各々独立に重水素原子または置換基を表し、Rは重水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基を表す。n1、n2は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n3は0~4のいずれかの整数を表し、n4は0~2のいずれかの整数を表し、n5は0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
    一般式(2)
    [一般式(2)において、R11~R13は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n11~n12は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n13は1~5のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR11、隣り合う2つのR12、隣り合う2つのR13は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR13は互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているか、R13としてジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基、またはシアノ基を含む基が存在している。]
    一般式(3)
    [一般式(3)において、R21はジベンゾフラン構造を含む基を表し、R22~R24は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n22~n24は各々独立に0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR22、隣り合う2つのR23、隣り合う2つのR24は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR23が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているとき、R24としてアルキル基で置換されていてもよいアリール基が存在している。]
  3. 前記第1ホスト材料が前記一般式(3)で表される化合物であり、前記第2ホスト材料が前記一般式(1)または(2)で表される化合物である、請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記第1ホスト材料および前記第2ホスト材料が前記一般式(3)で表される化合物である、請求項2に記載の有機発光素子。
  5. 前記組成物における前記第1ホスト材料の濃度が、前記第2ホスト材料の濃度の0.3~3.0倍である、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  6. 前記遅延蛍光材料が、置換シアノベンゼン化合物またはフェナジン骨格を有する化合物である、請求項1~のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  7. 有機発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が前記組成物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  8. 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する有機発光素子の設計方法であって、
    前記第1ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)と、前記発光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(E)が下記式(a)および下記式(c)を満たすように、前記第1ホスト材料と前記第2ホスト材料と前記遅延蛍光材料と前記発光材料を組み合わせる、有機発光素子の設計方法。
    HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
    HOMO(H) < EHOMO(T) < EHOMO(H) ≦ EHOMO(E) 式(c)
  9. 第1ホスト材料、前記第1ホスト材料よりも高いHOMOのエネルギー準位を有する第2ホスト材料、遅延蛍光材料および発光材料を含む組成物を有する有機発光素子の設計方法であって、
    前記第1ホスト材料および前記第2ホスト材料を、下記一般式(1)~(3)のいずれかで表される構造を有する材料の中から選択し、
    前記第2ホスト材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(H)と、前記遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位EHOMO(T)が下記式(a)を満たすように、前記第2ホスト材料と前記遅延蛍光材料を組み合わせる、有機発光素子の設計方法。
    HOMO(H)- EHOMO(T) ≦ 0.33eV 式(a)
    一般式(1)
    [一般式(1)において、XはO、SまたはN(R)を表し、R~Rは各々独立に重水素原子または置換基を表し、Rは重水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルキル基とアリール基を組み合わせた基を表す。n1、n2は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n3は0~4のいずれかの整数を表し、n4は0~2のいずれかの整数を表し、n5は0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのR、隣り合う2つのRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
    一般式(2)
    [一般式(2)において、R11~R13は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n11~n12は各々独立に0~5のいずれかの整数を表し、n13は1~5のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR11、隣り合う2つのR12、隣り合う2つのR13は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR13は互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているか、R13としてジベンゾフラン構造あるいはジベンゾチオフェン構造を含む基、またはシアノ基を含む基が存在している。]
    一般式(3)
    [一般式(3)において、R21はジベンゾフラン構造を含む基を表し、R22~R24は各々独立に重水素原子または置換基を表す。n22~n24は各々独立に0~4のいずれかの整数を表す。隣り合う2つのR22、隣り合う2つのR23、隣り合う2つのR24は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ただし、隣り合う2つのR23が互いに結合してベンゾフロ構造またはベンゾチエノ構造を形成しているとき、R24としてアルキル基で置換されていてもよいアリール基が存在している。]
  10. 請求項8または9に記載の方法を実施するためのプログラム。
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