以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた上げ下げ窓1におけるガラスパネルの面方向を意味し、「見込方向」とは、上記ガラスパネルの厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。図面において、屋内側を「INDIDE」と記載し、屋外側を「OUTSIDE」と記載する。
第1実施形態のストッパ装置6を備える建具としての上げ下げ窓1は、図示しない建物の壁に形成された開口部に納められる。ストッパ装置6は、上げ下げ窓1用の安全装置である。図1に示すように、上げ下げ窓1は、建物の開口部に取り付けられる枠体2と、枠体2内の上方に配置された上障子3と、枠体2内の下方に配置され枠体2内を上下方向に移動可能に納められた下障子4(障子)と、ストッパ装置6と、を備える。
図1及び図2に示すように、本実施形態の上げ下げ窓1は、上障子3が枠体2内の上部に固定されており、下障子4がワイヤー(図示省略)に吊られた状態で枠体2内を上下方向に移動可能に構成される。上げ下げ窓1は、閉鎖時に下障子4が上障子3の下方に配置される。下障子4は、上障子3の下方に配置されて枠体2内の開口部を閉じる閉位置と、枠体2内における閉位置から上方側の位置であって枠体2内の開口部を開いた開位置と、に開閉移動可能である。枠体2は、図1に示すように、上枠21と、下枠22と、左右の縦枠23,24とにより矩形に枠組みされて形成される。
上障子3は、框体30と、框体30に嵌め込まれて固定されたガラスパネル35と、を備える。框体30は、上框31と、下框32と、左右の縦框33,34と、により矩形に框組みされる。下障子4は、框体40と、框体40に嵌め込まれて固定されたガラスパネル45と、を備える。框体40は、上框41と、下框42と、左右の縦框43,44と、により矩形に框組みされる。
第1実施形態のストッパ装置6は、図1~図2Cに示すように、下障子4の下框42に設けられる。ストッパ装置6は、下障子4が開位置から閉位置に移動した場合に、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。
ストッパ装置6は、図2Aに示すように、下障子4の下框42の屋内側の面421に固定される支持部61と、回動軸J1を中心に回動可能に支持部61に接続されるストッパ部62と、を備える。
ストッパ部62は、下障子4の閉位置側への移動を妨げる。ストッパ部62は、所定方向に延びるアーム部63と、アーム部63の先端に配置される先端部64と、を有する。アーム部63の基端は、回動軸J1を中心に回動可能な状態で、支持部61に接続される。回動軸J1は、支持部61に設けられ、見付方向の左右方向に延びる。
アーム部63が回動軸J1を中心に回動することで、ストッパ部62は、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(第1位置)(図2A参照)と、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(第2位置)(図2B及び図2C参照)と、に回動可能である。
ストッパ部62の退避位置(図2A参照)は、下障子4が閉位置に位置する場合にストッパ部62が建物の開口部に配置される額縁11の上面に配置される位置である。ストッパ部62の妨げ位置(図2B及び図2C参照)は、ストッパ部62が下方に回動することで、ストッパ部62が下障子4の下方に配置されて、仮に下障子4が落下したとしても、ストッパ部62が下障子4と下枠22との間に挟まれて、下障子4と下枠22との間に隙間を形成して、下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部62は、下障子4が開位置に位置する場合(図2B参照)に、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(図2A参照)から、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(図2B参照)へ移動可能に構成される。
本実施形態においては、ストッパ部62は、下障子4を閉位置から開位置に移動させる際に、退避位置(図2A参照)から妨げ位置(図2B参照)に自重で回動するように構成されている。
本実施形態に限定されず、例えば、巻きバネ(図示省略)(第1付勢部材)により、ストッパ部62を下障子4の下方に位置する妨げ位置(図2B参照)側に付勢するように構成してもよい。この場合には、ストッパ部62は、下障子4を閉位置から開位置に移動させる場合に、巻きバネの付勢力によりアーム部63が回動して、退避位置(図2A参照)から妨げ位置(図2B参照)に自動で回動する。使用者の人の手により、ストッパ部62を退避位置(図2A参照)から妨げ位置(図2B及び図2C参照)に回動してもよい。
次に、第1実施形態のストッパ装置6の動作について説明する。使用者は、下障子4を、図2Aに示す閉位置から、図2Bに示す開位置側に移動させる。これにより、図2Bに示すように、下障子4を上方に移動させる途中で、ストッパ装置6のストッパ部62が回動軸J1を中心に回動して、先端部64が下方に位置する妨げ位置(図2B参照)に移動する。ストッパ部62の妨げ位置(図2B参照)は、下障子4が開位置から閉位置に移動する際に、ストッパ部62が下障子4の下方に配置されて下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部62が妨げ位置(図2B参照)に位置する場合には、仮に、下障子4を吊るワイヤーが切断して、下障子4が落下したとしても、図2Cに示すように、ストッパ部62の先端部64の先端面64aが下枠22の屋内側延出部221の上面221aに当接して、ストッパ部62が下障子4と下枠22との間に挟まれて配置される。ストッパ部62が妨げ位置(図2A参照)に位置する場合には、ストッパ部62が下障子4と下枠22との間に挟まれるため、下障子4と下枠22との間に隙間が形成されて、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。ストッパ部62が下障子4の閉位置側への移動を妨げた後に、下障子4を閉位置に移動させる場合には、使用者は、ストッパ部62を、妨げ位置(図2C参照)から退避位置(図2A参照)に移動させる。
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。第1実施形態の上げ下げ窓1は、枠体2と、枠体2内の下方に配置され上下方向に移動可能な下障子4と、下障子4に設けられ下障子4の閉位置側への移動を妨げるストッパ部62を有するストッパ装置6と、を備える。これにより、ストッパ部62により、下障子4と枠体2との間に指を挟むことを防止できる。
本実施形態においては、ストッパ部62は、回動軸J1を中心に回動することで、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置と、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置と、に回動可能である。これにより、回動軸J1を中心にストッパ部62を回動させるだけで、ストッパ部62を容易に妨げ位置に移動させることができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、ストッパ装置7が配置される位置が主に異なる。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いる。また、特に説明しない点については、第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
第2実施形態のストッパ装置7は、図3A~図3Cに示すように、枠体2の下枠22に設けられる。ストッパ装置7は、下障子4が開位置から閉位置に移動した場合に、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。
ストッパ装置7は、図3Aに示すように、下枠22の屋内側延出部221の上面221aに固定される支持部71と、回動軸J2を中心に回動可能に支持部71に接続されるストッパ部72と、を備える。
ストッパ部72は、下障子4の閉位置側への移動を妨げる。ストッパ部72は、所定方向に延びるアーム部73と、アーム部73の先端に配置される先端部74と、を有する。アーム部73の基端は、回動軸J2を中心に回動可能な状態で、支持部71に接続される。回動軸J2は、支持部71に設けられ、見付方向の左右方向に延びる。
アーム部73が回動軸J2を中心に回動することで、ストッパ部72は、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(第1位置)(図3A参照)と、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(第2位置)(図3B及び図3C参照)と、に回動可能である。
ストッパ部72の退避位置(図3A参照)は、下障子4が閉位置に位置する場合にストッパ部72の先端部74の先端74aが下障子4の屋内側の面に当接して配置される位置である。ストッパ部72の妨げ位置(図3B参照)は、ストッパ部72が下障子4の下方側に回動することで、ストッパ部72が下障子4の下方に配置されて、仮に下障子4が落下したとしても、ストッパ部72が下障子4と下枠22との間に挟まれて、下障子4と下枠22との間に隙間を形成して、下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部72は、下障子4が開位置に位置する場合(図3B参照)に、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(図3A参照)から、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(図3B参照)へ移動可能に構成される。
アーム部73は、例えば、巻きバネ(図示省略)(第1付勢部材)により、ストッパ部72が下障子4の下方に位置する妨げ位置(図3B参照)側に付勢されている。ストッパ部72は、下障子4を閉位置から開位置に移動させる場合には、巻きバネの付勢力によりアーム部73が回動して、退避位置(図3A参照)から妨げ位置(図3B参照)に自動で回動する。本実施形態に限定されず、アーム部73に巻きバネを設けなくてもよく、ストッパ部72を、自重で回動するように構成したり、人の手により回動してもよい。
次に、第2実施形態のストッパ装置7の動作について説明する。使用者は、下障子4を、図3Aに示す閉位置から、図3Bに示す開位置側に移動させる。これにより、図3Bに示すように、下障子4を上方に移動させる途中で、巻きバネ(図示省略)の付勢力により、ストッパ装置7のストッパ部72が回動軸J2を中心に回動して、先端部74が下障子4の下方に位置する妨げ位置(図3B参照)に移動する。ストッパ部72の妨げ位置(図3B参照)は、下障子4が開位置から閉位置に移動する際に、ストッパ部72が下障子4の下方に配置されて下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部72が妨げ位置(図3B参照)に位置する場合には、仮に、下障子4を吊るワイヤーが切断して、下障子4が落下したとしても、ストッパ部72の先端部74の先端74aが下枠22の内部の中間底板222の上面222aに当接して、ストッパ部72が下障子4と下枠22との間に挟まれて配置される。ストッパ部72が妨げ位置(図3B参照)に位置する場合には、ストッパ部72が下障子4と下枠22との間に挟まれるため、下障子4と下枠22との間に隙間が形成されて、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。ストッパ部72が下障子4の閉位置側への移動を妨げた後に、下障子4を閉位置に移動させる場合には、使用者は、ストッパ部72を、下障子4を上方に移動させて、妨げ位置(図3B参照)から退避位置(図3A参照)に移動させる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。本実施形態においては、ストッパ部72を妨げ位置側に付勢する巻きバネを備え、ストッパ部72は、下障子4を閉位置から開位置に移動させる場合に、巻きバネの付勢力により、退避位置から妨げ位置に移動する。これにより、下障子4を上方に移動させるだけで、ストッパ部72を自動で妨げ位置に移動させることができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態と比べて、ストッパ装置8が配置される位置が主に異なる。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いる。また、特に説明しない点については、第3実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
第3実施形態のストッパ装置8は、図4、図5A~図5Cに示すように、枠体2の下枠22に設けられる。ストッパ装置8は、下障子4が開位置から閉位置に移動した場合に、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。
ストッパ装置8は、図4及び図5Aに示すように、下枠22の内部の中間底板222の上面222aに固定される支持部81と、回動軸J3を中心に回動可能に支持部81に接続されるストッパ部82と、を備える。
ストッパ部82は、下障子4の閉位置側への移動を妨げる。ストッパ部82は、所定方向に延びるアーム部83と、アーム部83の先端に配置される先端部84と、を有する。アーム部83の基端は、回動軸J3を中心に回動可能な状態で、支持部81に接続される。回動軸J3は、支持部81に設けられ、見込方向に延びる。
アーム部83が回動軸J3を中心に回動することで、ストッパ部82は、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(第1位置)(図5A参照)と、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(第2位置)(図5B参照)と、に回動可能である。
ストッパ部82の退避位置(図5A参照)は、下障子4が閉位置に位置する場合に下枠22の内部の中間底板222の上面222aと下障子4の下端部との間において、ストッパ部82が横たわった状態で配置される位置である。ストッパ部82の妨げ位置(図5B及び図5C参照)は、下枠22の内部の中間底板222の上面222aと下障子4の下端部との間において、ストッパ部82が上方側に回動することで立ち上がった状態で配置される位置である。ストッパ部82の妨げ位置は、ストッパ部72が下障子4の下方において立ち上がった状態で配置されて、仮に下障子4が落下したとしても、ストッパ部82が下障子4と下枠22との間に挟まれて、下障子4と下枠22との間に隙間を形成して、下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部82は、下障子4が開位置に位置する場合(図5B参照)に、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置(図5A参照)から、下障子4の閉位置側への移動を妨げる妨げ位置(図5B及び図5C参照)へ移動可能に構成される。
本実施形態においては、ストッパ部82は、下障子4を閉位置から開位置に移動させた場合に、人の手により、退避位置(図5A参照)から妨げ位置(図5B参照)に回動されるように構成されている。
次に、第3実施形態のストッパ装置8の動作について説明する。使用者は、下障子4を、図5Aに示す閉位置から、図5Bに示すように、開位置側に移動させると共に、回動軸J3(図4参照)を中心にストッパ装置8のストッパ部82を回動して、下枠22において妨げ位置(図5B参照)に移動させる。ストッパ部82の妨げ位置(図5B参照)は、下障子4が開位置から閉位置に移動する際に、ストッパ部82が下枠22において立ち上がった状態で配置され下障子4の下方側への移動を妨げる位置である。
ストッパ部82が妨げ位置(図5B参照)に位置する場合には、仮に、下障子4を吊るワイヤーが切断して、下障子4が落下したとしても、ストッパ部82の先端部84の先端84aが下障子4の下框42の下面板422に当接して、ストッパ部82が下障子4と下枠22との間に挟まれて配置される。ストッパ部82が妨げ位置(図5B参照)に位置する場合には、ストッパ部82が下障子4と下枠22との間に挟まれるため、下障子4と下枠22との間に隙間が形成されて、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。ストッパ部82が下障子4の閉位置側への移動を妨げた後に、下障子4を閉位置に移動させる場合には、使用者は、ストッパ部82を、妨げ位置(図5C参照)から退避位置(図5A参照)に移動させる。第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、これらのストッパ装置8は建具の施工時に取り付けてもよいし、施工された建具を使用後にこれらのストッパ装置8のみを取り付けることもできる。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態~第3実施形態と比べて、ストッパ装置9の構成及び配置される場所が主に異なる。なお、第4実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いる。また、特に説明しない点については、第4実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
第4実施形態のストッパ装置9は、図6及び図7に示すように、枠体2の縦枠23に設けられる。ストッパ装置9は、下障子4が開位置から閉位置に移動した場合に、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。
ストッパ装置9は、図7に示すように、縦枠23に配置され上下方向に延びるケース体91と、ケース体91に一部が収容されて回動軸J4を中心に回動可能なストッパ部92と、ストッパ部92を突出位置側に付勢する第1バネ部材931(第1付勢部材)と、ストッパ部92を上方に付勢する第2バネ部材932(第2付勢部材)と、ケース体91の下方に設けられる規制部94と、を備える。
ストッパ部92は、上下方向に延びて形成される。ストッパ部92は、上方部分921と、下方部分922と、を有する。上方部分921は、ケース体91に収容されている。上方部分921は、見込方向に延びる軸部材925の中心軸である回動軸J4を中心に回動可能に構成される。軸部材925は、ストッパ部92の上方部分921の上下方向の途中に接続される。回動軸J4は、見込方向に延びる。
下方部分922は、下障子4が配置される側に突出する突出部分923を有する。突出部分923の上面には、傾斜面923aが形成される。傾斜面923aは、縦枠23の内部側から下障子4が配置される側に向かうに従って下り傾斜で傾斜する。傾斜面923aには、下障子4が上方から下方に移動した場合に、下障子4の下端の角部43aが衝突する。
ストッパ部92は、下方部分922がケース体91の内部側に位置する退避位置(第1位置)(図7の実線部分、図8B参照)と、下方部分922が縦枠23から下障子4が配置される側に突出する突出位置(図7の二点鎖線部分、図8A参照)(第2位置)と、に移動可能である。ストッパ部92は、第1バネ部材931により、下方部分922が縦枠23から下障子4が配置される側に突出する突出位置側に付勢されている。
ストッパ部92の退避位置(図7の実線部分、図8B参照)は、ストッパ部92の下方部分922の突出部分923が下障子4の側面43bに押圧されて、ストッパ部92が回動軸J4を中心に回動して、ストッパ部92の下方部分922がケース体91の内部側に配置される位置である。言い換えると、ストッパ部92の退避位置(図7の実線部分、図8B参照)は、ケース体91が配置される縦枠23の内部側の位置である。
ストッパ部92の突出位置(図7の二点鎖線部分、図8A参照)は、下障子4がストッパ部92よりも上方側に移動されて、ストッパ部92の下方部分922の突出部分923が下障子4に押圧されずに、下障子4が配置される側に突出して配置された位置である。言い換えると、ストッパ部92の突出位置(図7の二点鎖線部分、図8A参照)は、縦枠23から下障子4が配置される側に突出する位置である。
第2バネ部材932は、上端部が、ケース体91に固定され、下端部が、ストッパ部92に接続される軸部材925に固定されている。第2バネ部材932は、上端部がケース体91に固定されると共に、下端部が軸部材925に固定された状態で、軸部材925に接続されたストッパ部92を上方側に付勢する。
第2バネ部材932は、ストッパ部92に接続される軸部材925が上下方向に延びるスリット911に沿って上下方向に移動されることで、伸縮される。第2バネ部材932は、ストッパ部92が下方に移動した場合に、軸部材925と共に下方に移動されて、下方に伸長する。
下方部分922の突出部分923の傾斜面923aに、下障子4の下端の角部43aが衝突して傾斜面923aに所定の荷重以上の荷重が作用した場合には、第2バネ部材932が所定値以上伸長する。一方、下方部分922の突出部分923の傾斜面923aに、下障子4の下端の角部43aが衝突して傾斜面923aに所定の荷重未満の荷重が作用した場合には、第2バネ部材932が伸長しないか、又は、所定値未満伸長する。
規制部94は、ケース体91の下方に形成され、下障子4が配置される側に僅かに突出する。規制部94は、下障子4が開位置から閉位置に移動する際に、下障子4からストッパ部92に対して下方に向けて所定以上の荷重が作用して第2バネ部材932を付勢力に抗して伸長した場合に、ストッパ部92の縦枠23の内部側への移動を規制する。
次に、第4実施形態のストッパ装置9の動作について説明する。図7に示すように、ストッパ部92が退避位置(図7の実線部分参照)に位置している状態から、下障子4をストッパ装置9よりも上方まで移動させると、ストッパ部92が回動軸J4を中心に回動して、ストッパ部92が突出位置(図7の二点鎖線参照)に移動される。
この状態において、人の手により、下障子4を開位置から閉位置に移動させる。この場合、図8Aに示すように、ストッパ部92の突出位置において、下方部分922の突出部分923の傾斜面923aに、下障子4の下端の角部43aが衝突して、傾斜面923aに所定の荷重未満の荷重が作用した場合には、第2バネ部材932が伸長しないか、又は、所定値未満伸長する。そのため、図8Bに示すように、ストッパ部92は、ケース体91の規制部94の位置まで移動しない。これにより、ストッパ部92は、回動軸J4を中心に回動して、ストッパ部92の下方部分922の突出部分923が、ケース体91の内部側に移動する。そして、下障子4が更に下方に移動することで、ストッパ部92の下方部分922の突出部分923が下障子4の側面43bに押圧されて、ストッパ部92の下方部分922がケース体91の内部側に配置される退避位置に移動される。
一方、仮に、下障子4を吊るワイヤーが切断して、下障子4が落下したとしても、図8Aに示すように、ストッパ部92の突出位置において、下方部分922の突出部分923の傾斜面923aに、下障子4の下端の角部43aが衝突して、傾斜面923aに所定の荷重以上の荷重が作用した場合には、第2バネ部材932が所定値以上伸長する。そのため、図9に示すように、ストッパ部92が下方に移動する。これにより、ストッパ部92の下端922bは、ケース体91の規制部94に当接して、ストッパ部92のケース体91の内部側への移動が規制される。よって、ストッパ部62が突出位置に位置する場合において、下方部分922の突出部分923の傾斜面923aに所定の荷重以上の荷重が作用した場合には、下障子4は、下方側への移動が規制されて、下障子4と下枠22との間に指を挟むことを防止できる。
第4実施形態によれば、以下の効果が奏される。第4実施形態の上げ下げ窓1は、枠体2と、枠体2内の下方に配置され上下方向に移動可能な下障子4と、下障子4に設けられ下障子4の閉位置側への移動を妨げるストッパ部92を有するストッパ装置9と、を備える。これにより、ストッパ部92により、下障子4と枠体2との間に指を挟むことを防止できる。
本実施形態においては、ストッパ部92は、回動軸J4を中心に回動することで、下障子4の閉位置側への移動を妨げる突出位置と、下障子4の閉位置側への移動を妨げない退避位置と、に回動可能である。これにより、回動軸J4を中心にストッパ部92を回動させるだけで、ストッパ部92を容易に突出位置に移動させることができる。
本実施形態においては、ストッパ装置9は、枠体2の縦枠23に配置され、ストッパ部92は、縦枠23の内部側の退避位置と、縦枠23から下障子4が配置される側に突出する突出位置と、に移動可能に構成され、ストッパ装置9は、ストッパ部92を上方側に付勢する第2バネ部材932と、下障子4が開位置から閉位置に移動する際に下障子4からストッパ部92に対して下方に向けて所定以上の荷重が作用して第2バネ部材932を付勢力に抗して伸長した場合にストッパ部92の縦枠23の内部側への移動を規制する規制部94と、を有する。
これにより、ストッパ部92に所定未満の荷重が作用した場合には、下障子4を閉位置に移動させることができ、ストッパ部92に所定以上の荷重が作用した場合には、下障子4の下方への移動を妨げることができる。よって、ストッパ部92により、下障子4と枠体2との間に指を挟むことを防止できる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態~前記第4実施形態においては、ストッパ装置6,7,8,9を、上げ下げ窓に適用したが、これに限定されない。ストッパ装置を、例えば、横方向にスライド可能な引き戸や、引き違い窓や、辷り出し窓や、開口部に対して弧を描いて開閉する開き戸などに適用してもよい。
前記第4実施形態においては、ストッパ装置9を、左右の縦枠23,24のうち、一方の縦枠23にのみ設けた。しかし、これに限定されない。ストッパ装置9を、左右の縦枠23,24のうち、他方の縦枠24のみに設けてもよいし、左右の縦枠23,24の両方に設けてもよい。
前記第4実施形態においては、ストッパ装置9を縦枠23に設けたが、これに限定されない。ストッパ装置9を下障子4の縦框43(框)に設けてもよい。また、ストッパ装置9を引き戸や引き違い窓に適用する場合には、ストッパ装置を障子の上框や下框に設けてもよい。