JP7454007B2 - 車両の変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速機に関する。
従来、変速機ケースから車幅方向外側に延びる回転軸と、回転軸上に回転自在に設けられる従動プーリーと、回転軸上において従動プーリーに対し車幅方向内側に配置される遠心式のクラッチとを備え、クラッチが、従動プーリーに固定される第1クラッチ部材と、回転軸に固定される第2クラッチ部材とを備え、遠心力によって第1クラッチ部材が第2クラッチ部材に接続されることで従動プーリーの回転が回転軸に伝達される車両の変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2007-64393号公報
ところで、上記従来のような変速機では、メンテナンスの際等に、クラッチを回り止めする必要がある。工具をクラッチに挿入することで、クラッチを回り止めすることができるが、クラッチが従動プーリーに対し車幅方向内側に配置される場合、工具を通すためのスペースが小さくなり、外側からクラッチに工具を挿入することが難しい。また、クラッチと変速機ケースとの間のスペースを大きくすることで、工具を通すためのスペースを大きくできるが、この場合、変速機ケースが大型化する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、変速機において、変速機ケースをコンパクトにでき、且つ、クラッチを容易に回り止めできるようにすることを目的とする。
車両の変速機は、変速機ケースに支持され、前記変速機ケースから車幅方向外側に延びる回転軸と、前記回転軸上に回転自在に設けられる従動プーリーと、前記回転軸上において前記従動プーリーに対し車幅方向内側に配置される遠心式のクラッチとを備え、前記クラッチは、前記従動プーリーに固定される第1クラッチ部材と、前記回転軸に固定される第2クラッチ部材とを備え、遠心力によって前記第1クラッチ部材が前記第2クラッチ部材に接続されることで前記従動プーリーの回転が前記回転軸に伝達される車両の変速機において、車幅方向に延びる穴が前記第2クラッチ部材に設けられ、前記変速機ケースの車幅方向内側の壁部に、前記穴に車幅方向内側から重なる貫通孔が設けられ、前記貫通孔を介して前記変速機ケースの外側から前記第2クラッチ部材に工具を係合可能であることを特徴とする。
車両の変速機において、変速機ケースをコンパクトにでき、且つ、クラッチを容易に回り止めできる。
本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。 パワーユニットの断面図である。 変速機の後部の構造を示す断面図である。 クラッチ及び壁部を拡大した断面図である。 変速機ケース部を車幅方向内側から見た側面図である。 後輪及び変速機ケース部を右側から見た斜視図である。 クラッチを回り止めしている状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
鞍乗り型車両10(車両)は、シート17の前下方に床状のステップ28を備えるスクーター型の自動二輪車である。
パワーユニット12は、上記内燃機関とスイングアーム16とが一体に設けられたユニットスイングパワーユニットである。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11等の車体を覆う車体カバー30を備える。
図2は、パワーユニット12の断面図である。図2は、後述する図5のII-II断面に対応する。
クランクケース23には、車幅方向(左右方向)に延びるクランク軸31が収納される。クランク軸31は、クランクケース23の左右一対の側壁23a,23bに支持される。
パワーユニット12は、クランクケース23における左右の一方の側部から後方に延出する変速機ケース部32(変速機ケース)を備える。
シリンダー部24内を往復運動するピストン33は、コンロッド(不図示)を介し、クランク軸31に接続される。
クランク軸31の軸方向の一端部は、一方の側壁23aを貫通して変速機ケース部32内に延びるプーリー支持軸部31aである。
パワーユニット12は、クランク軸31の回転を変速して後輪15に伝達する変速機35を備える。
変速機35は、変速機ケース部32と、変速機ケース部32を車幅方向外側から覆うケースカバー36と、変速機ケース部32の後部に設けられる回転軸37と、プーリー支持軸部31aに支持される駆動プーリー38と、回転軸37に支持される従動プーリー39とを備える。
また、変速機35は、駆動プーリー38と従動プーリー39とを接続するVベルト40と、回転軸37に設けられる遠心式のクラッチ41と、回転軸37の回転を減速して車軸15aに伝達する減速機構42と、減速機構42を車幅方向内側から覆う減速機カバー43とを備える。
変速機ケース部32は、車両前後方向に長く延びる中空のケース状である。変速機ケース部32は、鞍乗り型車両10の車幅の中央に配置される後輪15(車輪)に対し左右の一方側(左側)の車幅方向外側に配置される。
詳細には、変速機ケース部32は、後輪15の外側面に沿って車両前後方向に延びる壁部32aと、車両側面視における壁部32aの周縁部から車幅方向外側に延出する周壁部32bとを備える。壁部32aの前部は、クランクケース23の側面部によって構成される。
ケースカバー36が周壁部32bの車幅方向の外側面に取り付けられることで、変速機ケース部32内には、変速機室44が形成される。駆動プーリー38、回転軸37、従動プーリー39、及びVベルト40は、変速機室44に収納される。
変速機ケース部32及びケースカバー36は、スイングアーム16を構成する。
プーリー支持軸部31aは、変速機ケース部32内の前部に位置する。
回転軸37は、プーリー支持軸部31aの後方において、クランク軸31と平行に配置される。すなわち、回転軸37は、車幅方向に延びる。
回転軸37は、変速機ケース部32の壁部32aに設けられるベアリング45aを介し、壁部32aによって回転自在に支持される。回転軸37は、壁部32aから車幅方向外側及び車幅方向内側に延出する。回転軸37の車幅方向外側の端部は、ケースカバー36に設けられるベアリング45bによって支持される。回転軸37の車幅方向内側の端部は、減速機カバー43に設けられるベアリング45cによって支持される。
減速機カバー43は、壁部32aの後部に車幅方向内側から取り付けられる。減速機カバー43と壁部32aとの間の空間は、減速機構42を収納する減速機室47である。
減速機構42は、回転軸37の端部に設けられる第1歯車部42aと、車軸15aの端部に設けられる第2歯車部42bと、第1歯車部42aに噛み合う歯車部と第2歯車部42bに噛み合う歯車部とを一体に備える中間歯車42cとを備える。
車軸15aは、回転軸37の後方に配置される。車軸15aは、壁部32a及び減速機カバー43に設けられるベアリングを介し、回転自在に支持される。
車軸15aは、減速機カバー43から車幅方向内側に延出する後輪固定部15bを備える。後輪15は、後輪固定部15bに固定される。
駆動プーリー38は、クランク軸31上に設けられており、クランク軸31と一体に回転する。
駆動プーリー38は、プーリー支持軸部31aの軸端部に固定される円板状の駆動側固定シーブ38aと、プーリー支持軸部31a上で軸方向に移動可能な駆動側可動シーブ38bとを備える。駆動側可動シーブ38bは、駆動側固定シーブ38aに対し車幅方向内側に位置する。
駆動側可動シーブ38bは、クランク軸31の回転による遠心力によって移動するローラーウェイト38cに押されることで、クランク軸31の軸方向に移動する。これにより、駆動側固定シーブ38aと駆動側可動シーブ38bとの間隔が、クランク軸31の回転に応じて変化する。Vベルト40は、駆動側固定シーブ38aと駆動側可動シーブ38bとの間に挟持される。
図3は、変速機35の後部の構造を示す断面図である。
従動プーリー39は、固定シーブ50と、回転軸37の軸方向に移動可能な可動シーブ51とを備える。
詳細には、固定シーブ50は、回転軸37の外周に嵌合する円筒状の固定シーブ軸部52と、固定シーブ軸部52から径方向外側に延出する円板状の固定シーブ本体部53とを備える。固定シーブ軸部52は、固定シーブ本体部53から車幅方向外側に延出する。
なお、固定シーブ軸部52は、固定シーブ軸部52の内側に配置されるベアリング54a及び筒状のカラー54bを介して回転軸37の外周に嵌合する。
固定シーブ50は、回転軸37上で回転自在であるとともに、回転軸37の軸方向に移動不能に設けられる。
可動シーブ51は、固定シーブ軸部52の外周に嵌合する円筒状の可動シーブ軸部56と、可動シーブ軸部56から径方向外側に延出する円板状の可動シーブ本体部57とを備える。可動シーブ軸部56は、可動シーブ本体部57から車幅方向外側に延出する。
可動シーブ51は、固定シーブ軸部52上で回転可能であるとともに、固定シーブ軸部52上で回転軸37の軸方向に移動可能である。可動シーブ本体部57は、固定シーブ本体部53に車幅方向外側から対向する。
固定シーブ軸部52の車幅方向外側の端部には、固定シーブ軸部52から径方向外側に延出する円板状の受け部材60が固定される。受け部材60は、可動シーブ51に対し車幅方向外側に位置する。受け部材60は、固定シーブ50と一体に回転する。
変速機35は、可動シーブ51を固定シーブ50側に向けて付勢する付勢部材61を備える。付勢部材61は、従動プーリー39の軸方向に延びるコイルばねであり、このコイルばねの内側に固定シーブ軸部52及び可動シーブ軸部56は通される。従動プーリー39の軸方向は、回転軸37の軸方向に一致する。
付勢部材61の一端は受け部材60に当接し、付勢部材61の他端は可動シーブ本体部57の基端部に当接する。付勢部材61は、受け部材60と可動シーブ本体部57との間で圧縮されており、圧縮の反力によって可動シーブ本体部57を固定シーブ本体部53に向けて付勢する。
従動プーリー39側では、Vベルト40は、付勢部材61の付勢力によって、可動シーブ本体部57と固定シーブ本体部53との間に挟持される。
従動プーリー39の軸方向において、可動シーブ本体部57と固定シーブ本体部53との間の間隔は、可動シーブ本体部57の径方向外側に向かうに従って大きくなる。
変速機35は、駆動側可動シーブ38b及び可動シーブ51が軸方向に変位することで、Vベルト40に対し、駆動プーリー38のプーリー径及び従動プーリー39のプーリー径が変化し、変速比が無段階で変更される。
従動プーリー39は、固定シーブ50に対する可動シーブ51の回転を可動シーブ51の軸方向の推力Fに変換するカム機構65を備える。推力Fは、可動シーブ51を従動プーリー39の軸方向に移動させる力である。
カム機構65は、固定シーブ軸部52から径方向外側に延出する円柱状のカム部65aと、可動シーブ軸部56に設けられるカム受け部65bとを備える。カム部65aは、カム受け部65bに嵌まる。
カム受け部65bは、可動シーブ軸部56上を直線状に延びる長孔である。カム受け部65bは、従動プーリー39の軸方向に移動するに従って可動シーブ軸部56の周方向にずれるように斜めに傾斜している。
可動シーブ51は、カム受け部65bがカム部65aによってガイドされることで、固定シーブ50に対し相対移動可能である。
固定シーブ50に対する可動シーブ51の相対移動は、カム機構65によって所定範囲に規制される。詳細には、可動シーブ51は、カム部65aに対するカム受け部65bの可動範囲において、周方向に回転可能であり、且つ、従動プーリー39の軸方向に移動可能である。
Vベルト40から従動プーリー39に入力される回転のトルクが変動すると、可動シーブ51は、Vベルト40によって、固定シーブ50に対し相対回転させられる。すると、可動シーブ51の相対回転は、カム機構65によって推力Fに変換され、可動シーブ51は、軸方向に移動する。これにより、可動シーブ51がVベルト40を挟持する力は変更され、トルク変動に応じて変速比を変化させることができる。
クラッチ41は、Vベルト40によって回転させられる従動プーリー39の回転が所定の回転数を越えると、遠心力によって接続状態となり、従動プーリー39の回転を回転軸37に伝達する。
クラッチ41は、回転軸37上において、変速機ケース部32の壁部32aと従動プーリー39との間に配置される。すなわち、クラッチ41は、回転軸37上において、従動プーリー39に対し車幅方向内側に配置される。壁部32aは、変速機ケース部32の車幅方向内側の壁部である。
詳細には、クラッチ41は、従動プーリー39に固定される第1クラッチ部材71と、回転軸37に固定される第2クラッチ部材72とを備える。
第1クラッチ部材71は、固定シーブ軸部52の車幅方向内側の端部に固定され、固定シーブ本体部53に対し車幅方向内側に位置する。
第1クラッチ部材71は、固定シーブ軸部52の端部から径方向外側に延出する円板状の支持プレート73と、摩擦によって第2クラッチ部材72に接続される接続部材74とを備える。接続部材74は支持プレート73に支持される。
接続部材74は、支持プレート73の径方向において、支持プレート73の外周側に寄せて配置される。接続部材74は、支持プレート73の周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
接続部材74は、支持プレート73から壁部32a側に向けて回転軸37の軸方向に延出する支持軸74aと、支持軸74aに支持されるクラッチウェイト74bと、クラッチウェイト74bを付勢するクラッチスプリング74cとを備える。
クラッチウェイト74bは、クラッチウェイト74bに設けられた孔が支持軸74aに嵌合することで、支持軸74aによって揺動自在に支持される。クラッチウェイト74bは、支持軸74aの軸中心74dを中心に揺動する。
クラッチスプリング74cは、クラッチウェイト74bがクラッチ41の径方向内側に揺動するようにクラッチウェイト74bを付勢する。
第2クラッチ部材72は、第1クラッチ部材71に対し車幅方向内側に配置される。
第2クラッチ部材72は、回転軸37の外周に固定される筒状の中央部76と、中央部76から径方向外側に延出する円板状のベース部77と、ベース部77の周縁部から車幅方向外側に延出する筒状部78とを備える。
第2クラッチ部材72は、中央部76が回転軸37の外周にスプライン嵌合することで回転軸37に固定される。第2クラッチ部材72は、回転軸37に対し相対回転不能であり、回転軸37と一体に回転する。
ベース部77は、接続部材74を車幅方向内側から覆う。
筒状部78は、回転軸37と同軸に配置される円筒状である。接続部材74は、筒状部78の内側に配置される。筒状部78は、クラッチウェイト74bを径方向外側から囲む。
Vベルト40を介して従動プーリー39に回転が伝達されると、従動プーリー39は、回転軸37上で回転する。
第1クラッチ部材71は、従動プーリー39と一体に回転する。これにより、第1クラッチ部材71のクラッチウェイト74bは、回転の遠心力によってクラッチスプリング74cに抗して径方向外側に揺動し、第2クラッチ部材72の筒状部78の内周に接触する。この接触の摩擦によって、第1クラッチ部材71が第2クラッチ部材72に接続され、従動プーリー39の回転はクラッチ41を介し回転軸37に伝達される。回転軸37の回転は、減速機構42を介して後輪15に伝達される。
変速機ケース部32は、変速機室44内で壁部32aから車幅方向外側に突出する内部壁32cを備える。
内部壁32cは、従動プーリー39及びクラッチ41に対し前方に配置される。
ケースカバー36の前後の中間部は、ケースカバー36に車幅方向外側から挿通されるカバー締結具36aによって内部壁32cに締結される。
Vベルト40は、内部壁32cの上方及び下方を通って駆動プーリー38と従動プーリー39とを接続する。
図4は、クラッチ41及び壁部32aを拡大した断面図である。
第2クラッチ部材72のベース部77には、車幅方向に延びる穴80が設けられる。穴80は、ベース部77を回転軸37の軸方向に貫通する円形の開口である。
穴80は、中央部76と筒状部78との間において、筒状部78側に寄せて配置される。
穴80は、第2クラッチ部材72の径方向において、穴80がクラッチウェイト74bに車幅方向内側から重なる位置に設けられる。詳細には、穴80は、第1クラッチ部材71の径方向において、支持軸74aの軸中心74dよりも外側に配置される。
穴80は、ベース部77上において、第2クラッチ部材72の周方向に等間隔で複数設けられる。
変速機ケース部32の壁部32aは、ベース部77を車幅方向内側から覆う。
壁部32aには、ベース部77の穴80に車幅方向内側から重なる貫通孔85が設けられる。
詳細には、第2クラッチ部材72が所定の回転位置に位置する場合に、貫通孔85は穴80に重なる。例えば、穴80がベース部77上において等間隔で3か所に設けられる場合、第2クラッチ部材72が120°回転する度に、貫通孔85は穴80に重なる。
第2クラッチ部材72において穴80が形成される面72aは、第2クラッチ部材72の車幅方向内側の端面である。
面72aは、ベース部77の車幅方向内側の端面であり、壁部32aと平行である。
すなわち、穴80が形成される面72aと、貫通孔85が形成される壁部32aとは、平行である。
壁部32aは、壁部32aの内面から車幅方向外側に突出する柱状部81を備える。柱状部81は、壁部32aの内面からベース部77に向かって突出する円柱状である。
貫通孔85は、柱状部81を車幅方向に貫通する孔である。
柱状部81は、穴80に車幅方向内側から重なる。
貫通孔85は、互いに同軸の位置関係で配置される内側孔部85a、外側孔部85b、及び逃げ孔部85cを備える。
内側孔部85aは、外側孔部85bに対し変速機ケース部32の内側に配置されるとともに、外側孔部85bよりも小径である。
逃げ孔部85cは、外側孔部85bに対し変速機ケース部32の外側に配置されるとともに、外側孔部85bよりも大径である。
外側孔部85bの内周には、雌ねじ部85dが形成される。貫通孔85は、車幅方向内側から逃げ孔部85c及び外側孔部85bに挿通される締結具86によって塞がれる。締結具86はボルトである。締結具86の軸部86aは、外側孔部85bの雌ねじ部85dに螺合する。締結具86の頭部86bは、壁部32aの外面であって逃げ孔部85cの周縁部に当接する。
締結具86の軸部86aは、内側孔部85aよりも大径であるとともに内側孔部85aまで達しない長さである。
穴80は、内側孔部85aよりも大径である。
貫通孔85は、クラッチウェイト74bに車幅方向内側から重なる位置に配置される。また、貫通孔85は、第1クラッチ部材71の径方向において、支持軸74aの軸中心74dよりも外側に配置される。
図5は、変速機ケース部32を車幅方向内側から見た側面図である。図6は、後輪15及び変速機ケース部32を右側から見た斜視図である。
図5及び図6を参照し、貫通孔85は、減速機カバー43の前方に配置される。すなわち、貫通孔85は、壁部32aにおいて減速機室47の前方に配置される。このため、減速機室47及減速機構42が貫通孔85の配置の邪魔にならず、貫通孔85を容易に設けることができる。
後輪15は、タイヤ48aを支持するリム48bと、車軸15aに固定されるハブ48cと、ハブ48cとリム48bとを接続する複数のスポーク48dとを備える。
貫通孔85は、車両側面視(回転軸37の軸方向視)で、ハブ48cとリム48bとの間で、スポーク48dに重ならない位置に配置される。
このため、ハブ48cとリム48bとの間、且つ、複数のスポーク48dの間から貫通孔85にアクセスでき、締結用工具88(図6)によって締結具86を着脱できる。
排気装置25の後端に接続される筒状のマフラー25aは、後輪15に対し、右側の車幅方向外側から重なる。貫通孔85は、車両側面視で、マフラー25aよりも下方に配置される。このため、マフラー25aの下方で複数のスポーク48dの間に締結用工具88を通して、締結用工具88によって締結具86を着脱できる。
ここで、従動プーリー39及びクラッチ41のメンテナンスの一例について説明する。
従動プーリー39及びクラッチ41をメンテナンスする際には、ケースカバー36(図3)が変速機ケース部32から取り外される。これにより、変速機ケース部32の車幅方向外側の開口面から従動プーリー39等が車幅方向外側に露出する。
従動プーリー39及びクラッチ41等をメンテナンスする際には、クラッチ41を回り止めすることが必要な場合がある。
変速機35では、クラッチ41が、従動プーリー39に対し車幅方向内側に位置するため、従動プーリー39が邪魔になり、車幅方向外側からクラッチ41にアクセスすることが難しい。このため、車幅方向外側からクラッチ41を押さえてクラッチ41を回り止めすることが難しい。
また、変速機35は、変速機ケース部32が第2クラッチ部材72を外周側から覆う部分として、周壁部32b及び内部壁32cを備える。変速機35では、周壁部32b及び内部壁32cと第2クラッチ部材72の外周面72bとの距離L1(図4)を小さくすることで、変速機ケース部32がコンパクトに形成されている。このため、距離L1の部分からクラッチ41にアクセスすることが難しく、車幅方向外側からクラッチ41を回り止めし難い。
図4では、距離L1として、外周面72bと内部壁32cとの距離が図示される。距離L1は、第2クラッチ部材の面72aと壁部32aとの距離L2よりも小さい。外周面72bは、筒状部78の外周面である。
図7は、クラッチ41を回り止めしている状態を示す断面図である。
図7では、締結用工具88(図6)によって貫通孔85から締結具86が取り外され、締結具86に替えて、ピン部材90が貫通孔85に挿入されている。ピン部材90は、複数のスポーク48d(図6)の間を通って貫通孔85に挿入される。
なお、図2、図3、及び図7では、貫通孔85にピン部材90を挿入した状態が図示される。メンテナンス等がされない通常時は、図4に示すように、貫通孔85には締結具86が締結される。
ピン部材90は、例えば、締結具86よりも小径のボルトである。ピン部材90は、軸部90aと、頭部90bとを備える。軸部90aの外径は、内側孔部85aの内径よりも小さい。軸部90aは、締結具86の軸部86aよりも長い。
作業者は、第2クラッチ部材72を回転させて、穴80と貫通孔85とが車幅方向に重なる状態にする。この状態で、作業者は、車幅方向内側から貫通孔85にピン部材90を挿通し、軸部90aの先端部を穴80に挿通する。
ピン部材90は、頭部90bが壁部32aの外面に当接することで、軸方向に位置決めされる。
クラッチ41は、第2クラッチ部材72の穴80の内周がピン部材90の軸部90aの外周に当接することで、回転軸37を中心とする回転を回り止めされる。すなわち、ピン部材90によって第2クラッチ部材72が回り止めされる。
これにより、第2クラッチ部材72を介して回転軸37を回り止めでき、例えば、回転軸37の先端部に締結されたナット91(図3)を緩めることができる。
ピン部材90によって第2クラッチ部材72を回り止めする際の反力は、ピン部材90を介して貫通孔85に受けられる。
内側孔部85aが外側孔部85bよりも小径であるため、ピン部材90は、内側孔部85aの内周に当接し、外側孔部85bの内周には当接し難い。このため、ピン部材90からの力を内側孔部85aによって受けることができ、外側孔部85bの雌ねじ部85dをピン部材90から保護できる。
ピン部材90は、第2クラッチ部材72の外周側に寄せて配置された穴80を介し第2クラッチ部材72を回り止めするため、第2クラッチ部材72を強固に回り止めできる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、鞍乗り型車両10の変速機35は、変速機ケース部32に支持され、変速機ケース部32から車幅方向外側に延びる回転軸37と、回転軸37上に回転自在に設けられる従動プーリー39と、回転軸37上において従動プーリー39に対し車幅方向内側に配置される遠心式のクラッチ41とを備える。クラッチ41は、従動プーリー39に固定される第1クラッチ部材71と、回転軸37に固定される第2クラッチ部材72とを備え、遠心力によって第1クラッチ部材71が第2クラッチ部材72に接続されることで従動プーリー39の回転が回転軸37に伝達される。車幅方向に延びる穴80が第2クラッチ部材72に設けられ、変速機ケース部32の車幅方向内側の壁部32aに、穴80に車幅方向内側から重なる貫通孔85が設けられる。
この構成によれば、変速機ケース部32の車幅方向内側の壁部32aに設けられる貫通孔85に、外側からピン部材90等の工具を挿入し、ピン部材90を第2クラッチ部材72の穴80に係合させてクラッチ41を回り止めできる。このため、変速機ケース部32をコンパクトにでき、且つ、クラッチ41を容易に回り止めできる。
また、回転軸37の回転によって回転させられる後輪15が、変速機ケース部32に対し車幅方向内側に配置され、後輪15は、ハブ48cと、リム48bと、ハブ48cとリム48bとを接続するスポーク48dとを備え、貫通孔85は、ハブ48cとリム48bとの間で、スポーク48dに重ならない位置に配置される。
この構成によれば、ハブ48cとリム48bとの間で、スポーク48dに重ならない位置にピン部材90を通し、ピン部材90を貫通孔85に容易に挿入できる。
また、第1クラッチ部材71は、遠心力によって移動して第2クラッチ部材72の内周面に当接するクラッチウェイト74bを備え、貫通孔85は、クラッチウェイト74bに車幅方向内側から重なる位置に配置される。
この構成によれば、貫通孔85から挿入されるピン部材90によって、第2クラッチ部材72の中心部から径方向外側に離れた部分を押さえることができ、第2クラッチ部材72を効果的に回り止めできる。
さらに、第1クラッチ部材71は、従動プーリー39から径方向外側に延出する支持プレート73と、支持プレート73から回転軸37の軸方向に延出する支持軸74aとを備え、クラッチウェイト74bは、支持軸74aによって揺動自在に支持され、貫通孔85は、第1クラッチ部材71の径方向において支持軸74aの軸中心74dよりも外側に配置される。
この構成によれば、貫通孔85から挿入されるピン部材90によって、第2クラッチ部材72において支持軸74aの軸中心74dよりも外側の部分を押さえることができ、第2クラッチ部材72を効果的に回り止めできる。
また、貫通孔85は、同軸の位置関係で配置される外側孔部85b及び内側孔部85aを備え、内側孔部85aは、外側孔部85bに対し変速機ケース部32の内側に配置されるとともに、外側孔部85bよりも小径であり、貫通孔85は、外側孔部85bに設けられる雌ねじ部85dに螺合する締結具86によって塞がれる。
この構成によれば、メンテナンスを行わない通常時には、外側孔部85bに螺合する締結具86によって貫通孔85を塞ぐことができる。メンテナンスを行う際には、外側孔部85b及び内側孔部85aにピン部材90を挿入して第2クラッチ部材72を回り止めできる。第2クラッチ部材72を回り止めする際の力は、ピン部材90を介し貫通孔85の内周によって受けられる。この際、内側孔部85aが外側孔部85bよりも小径であるため、ピン部材90は内側孔部85aの内周に当接し、外側孔部85bの雌ねじ部85dにはピン部材90が当接し難い。このため、外側孔部85bの雌ねじ部85dをピン部材90から保護できる。
また、第2クラッチ部材72の外周面72bと変速機ケース部32との距離L1は、変速機ケース部32の壁部32aに対向する第2クラッチ部材72の端面である面72aと壁部32aとの距離L2よりも小さい。
この構成によれば、変速機ケース部32と第2クラッチ部材72の外周面72bとの距離L1を小さくして変速機ケース部32をコンパクト化できるとともに、貫通孔85から挿入されるピン部材90によってクラッチ41を回り止めできる。
また、貫通孔85は、穴80が形成される第2クラッチ部材72の面72aと平行な壁部32aに設けられる。
この構成によれば、クラッチ41を回り止めする際に、ピン部材90から貫通孔85に作用する負荷を低減できる。
また、変速機ケース部32には、減速機室47が設けられ、減速機室47には、回転軸37の回転を減速する減速機構42が収納され、貫通孔85は、減速機室47の前方に配置される。
この構成によれば、減速機室47を避けた位置に貫通孔85を設けるため、貫通孔85を簡単な構造にできる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、第2クラッチ部材72に設けられる穴80は、ベース部77を回転軸37の軸方向に貫通する開口であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。穴80は、ピン部材90等の工具を挿入可能であれば良く、穴80は、ベース部77を軸方向に貫通しない止まり穴であっても良い。
また、上記実施の形態では、貫通孔85及び穴80に挿入されるピン部材90としてボルトを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。ピン部材90は、貫通孔85及び穴80に挿入可能なピン状(棒状)であれば、ボルトでなくても良い。
また、上記実施の形態では、自動二輪車に搭載される変速機35を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の車両、及び4輪以上を備える車両の変速機に適用可能である。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)変速機ケースに支持され、前記変速機ケースから車幅方向外側に延びる回転軸と、前記回転軸上に回転自在に設けられる従動プーリーと、前記回転軸上において前記従動プーリーに対し車幅方向内側に配置される遠心式のクラッチとを備え、前記クラッチは、前記従動プーリーに固定される第1クラッチ部材と、前記回転軸に固定される第2クラッチ部材とを備え、遠心力によって前記第1クラッチ部材が前記第2クラッチ部材に接続されることで前記従動プーリーの回転が前記回転軸に伝達される車両の変速機において、車幅方向に延びる穴が前記第2クラッチ部材に設けられ、前記変速機ケースの車幅方向内側の壁部に、前記穴に車幅方向内側から重なる貫通孔が設けられることを特徴とする車両の変速機。
この構成によれば、変速機ケースの車幅方向内側の壁部に設けられる貫通孔に、外側からピン部材等の工具を挿入し、この工具を第2クラッチ部材の穴に係合させてクラッチを回り止めできる。このため、変速機ケースをコンパクトにでき、且つ、クラッチを容易に回り止めできる。
(構成2)前記回転軸の回転によって回転させられる車輪が、前記変速機ケースに対し車幅方向内側に配置され、前記車輪は、ハブと、リムと、前記ハブと前記リムとを接続するスポークとを備え、前記貫通孔は、前記ハブと前記リムとの間で、前記スポークに重ならない位置に配置されることを特徴とする構成1記載の車両の変速機。
この構成によれば、ハブとリムとの間で、スポークに重ならない位置に工具を通し、工具を貫通孔に容易に挿入できる。
(構成3)前記第1クラッチ部材は、遠心力によって移動して前記第2クラッチ部材の内周面に当接するクラッチウェイトを備え、前記貫通孔は、前記クラッチウェイトに車幅方向内側から重なる位置に配置されることを特徴とする構成1または2記載の車両の変速機。
この構成によれば、貫通孔から挿入される工具によって、第2クラッチ部材の中心部から径方向外側に離れた部分を押さえることができ、第2クラッチ部材を効果的に回り止めできる。
(構成4)前記第1クラッチ部材は、前記従動プーリーから径方向外側に延出する支持プレートと、前記支持プレートから前記回転軸の軸方向に延出する支持軸とを備え、前記クラッチウェイトは、前記支持軸によって揺動自在に支持され、前記貫通孔は、前記第1クラッチ部材の径方向において前記支持軸の軸中心よりも外側に配置されることを特徴とする構成3記載の車両の変速機。
この構成によれば、貫通孔から挿入される工具によって、第2クラッチ部材において支持軸の軸中心よりも外側の部分を押さえることができ、第2クラッチ部材を効果的に回り止めできる。
(構成5)前記貫通孔は、同軸の位置関係で配置される外側孔部及び内側孔部を備え、前記内側孔部は、前記外側孔部に対し前記変速機ケースの内側に配置されるとともに、前記外側孔部よりも小径であり、前記貫通孔は、前記外側孔部に設けられる雌ねじ部に螺合する締結具によって塞がれることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の車両の変速機。
この構成によれば、メンテナンスを行わない通常時には、外側孔部に螺合する締結具によって貫通孔を塞ぐことができる。メンテナンスを行う際には、外側孔部及び内側孔部に工具を挿入して第2クラッチ部材を回り止めできる。第2クラッチ部材を回り止めする際の力は、工具を介し貫通孔の内周によって受けられる。この際、内側孔部が外側孔部よりも小径であるため、工具は内側孔部の内周に当接し、外側孔部の雌ねじ部には工具が当接し難い。このため、外側孔部の雌ねじ部を工具から保護できる。
(構成6)前記第2クラッチ部材の外周面と前記変速機ケースとの距離は、前記変速機ケースの前記壁部に対向する前記第2クラッチ部材の端面と前記壁部との距離よりも小さいことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の車両の変速機。
この構成によれば、変速機ケースと第2クラッチ部材の外周面との距離を小さくして変速機ケースをコンパクト化できるとともに、貫通孔から挿入される工具によってクラッチを回り止めできる。
(構成7)前記貫通孔は、前記穴が形成される前記第2クラッチ部材の面と平行な前記壁部に設けられることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載の車両の変速機。
この構成によれば、クラッチを回り止めする際に、工具から貫通孔に作用する負荷を低減できる。
(構成8)前記変速機ケースには、減速機室が設けられ、前記減速機室には、前記回転軸の回転を減速する減速機構が収納され、前記貫通孔は、前記減速機室の前方に配置されることを特徴とする構成1から7のいずれかに記載の車両の変速機。
この構成によれば、減速機室を避けた位置に貫通孔を設けるため、貫通孔を簡単な構造にできる。
10 鞍乗り型車両(車両)
15 後輪(車輪)
32 変速機ケース部(変速機ケース)
32a 壁部(第2クラッチ部材の面と平行な壁)
35 変速機
37 回転軸
39 従動プーリー
41 クラッチ
42 減速機構
47 減速機室
48b リム
48c ハブ
48d スポーク
71 第1クラッチ部材
72 第2クラッチ部材
72a 面(端面)
72b 外周面
73 支持プレート
74a 支持軸
74b クラッチウェイト
74d 軸中心
80 穴
85 貫通孔
85a 内側孔部
85b 外側孔部
85d 雌ねじ部
86 締結具
L1 距離(第2クラッチ部材の外周面と変速機ケースとの距離)
L2 距離(変速機ケースの壁部に対向する第2クラッチ部材の端面と壁部との距離)

Claims (8)

  1. 変速機ケース(32)に支持され、前記変速機ケース(32)から車幅方向外側に延びる回転軸(37)と、前記回転軸(37)上に回転自在に設けられる従動プーリー(39)と、前記回転軸(37)上において前記従動プーリー(39)に対し車幅方向内側に配置される遠心式のクラッチ(41)とを備え、前記クラッチ(41)は、前記従動プーリー(39)に固定される第1クラッチ部材(71)と、前記回転軸(37)に固定される第2クラッチ部材(72)とを備え、遠心力によって前記第1クラッチ部材(71)が前記第2クラッチ部材(72)に接続されることで前記従動プーリー(39)の回転が前記回転軸(37)に伝達される車両の変速機において、
    車幅方向に延びる穴(80)が前記第2クラッチ部材(72)に設けられ、
    前記変速機ケース(32)の車幅方向内側の壁部(32a)に、前記穴(80)に車幅方向内側から重なる貫通孔(85)が設けられ
    前記貫通孔(85)を介して前記変速機ケース(32)の外側から前記第2クラッチ部材(72)に工具を係合可能であることを特徴とする車両の変速機。
  2. 前記回転軸(37)の回転によって回転させられる車輪(15)が、前記変速機ケース(32)に対し車幅方向内側に配置され、
    前記車輪(15)は、ハブ(48c)と、リム(48b)と、前記ハブ(48c)と前記リム(48b)とを接続するスポーク(48d)とを備え、
    前記貫通孔(85)は、前記ハブ(48c)と前記リム(48b)との間で、前記スポーク(48d)に重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の車両の変速機。
  3. 前記第1クラッチ部材(71)は、遠心力によって移動して前記第2クラッチ部材(72)の内周面に当接するクラッチウェイト(74b)を備え、
    前記貫通孔(85)は、前記クラッチウェイト(74b)に車幅方向内側から重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の車両の変速機。
  4. 前記第1クラッチ部材(71)は、前記従動プーリー(39)から径方向外側に延出する支持プレート(73)と、前記支持プレート(73)から前記回転軸(37)の軸方向に延出する支持軸(74a)とを備え、
    前記クラッチウェイト(74b)は、前記支持軸(74a)によって揺動自在に支持され、
    前記貫通孔(85)は、前記第1クラッチ部材(71)の径方向において前記支持軸(74a)の軸中心(74d)よりも外側に配置されることを特徴とする請求項3記載の車両の変速機。
  5. 前記貫通孔(85)は、同軸の位置関係で配置される外側孔部(85b)及び内側孔部(85a)を備え、
    前記内側孔部(85a)は、前記外側孔部(85b)に対し前記変速機ケース(32)の内側に配置されるとともに、前記外側孔部(85b)よりも小径であり、
    前記貫通孔(85)は、前記外側孔部(85b)に設けられる雌ねじ部(85d)に螺合する締結具(86)によって塞がれることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両の変速機。
  6. 前記第2クラッチ部材(72)の外周面(72b)と前記変速機ケース(32)との距離(L1)は、前記変速機ケース(32)の前記壁部(32a)に対向する前記第2クラッチ部材(72)の端面(72a)と前記壁部(32a)との距離(L2)よりも小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両の変速機。
  7. 前記貫通孔(85)は、前記穴(80)が形成される前記第2クラッチ部材(72)の面(72a)と平行な前記壁部(32a)に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両の変速機。
  8. 前記変速機ケース(32)には、減速機室(47)が設けられ、前記減速機室(47)には、前記回転軸(37)の回転を減速する減速機構(42)が収納され、
    前記貫通孔(85)は、前記減速機室(47)の前方に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両の変速機。
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