JP6078922B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸に固定される固定シーブと、前記回転軸の軸線に沿う方向で前記固定シーブに対する近接、離反を可能として前記回転軸に支持される可動シーブと、前記固定シーブおよび前記可動シーブ間に巻き掛けられるVベルトと、アクチュエータと、このアクチュエータで駆動される出力部材と、前記可動シーブよりも硬質な材料で形成されて前記可動シーブに固設される保持部材と、前記出力部材の移動を前記可動シーブに伝達するようにして前記出力部材および前記保持部材間に設けられる転がり軸受とを備えるVベルト式無段変速機に関する。
このようなVベルト式無段変速機は、特許文献1で知られており、このものでは、アルミニウム合金等の軽金属から成る可動シーブのフランジ部に鉄系材料から成る保持部材がボルトで取付けられ、可動シーブにおける転がり軸受の支持部の耐久性向上を図るようにしている。
特開2012−184788号公報
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、可動シーブのフランジ部から軸方向に向けて突出するようにして前記フランジ部に一体に突設された取付け部に保持部材がボルトで取付けられる構造であるため、保持部材における転がり軸受の取付け部も可動シーブにおけるボス部の外周よりも半径方向外方に配置されることになり、転がり軸受が径方向で大型化し、転がり軸受の温度が上昇し易くなるという課題が生じる。また保持部材が可動シーブの軸方向に延びるボルトで可動シーブに取付けられる構成であるため、ボルトや締結用ボスの形成等で軸方向の大型化を招き易いという課題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、保持部材を可動シーブに固設するにあたって可動シーブ周辺の小型化を可能としたVベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、回転軸に固定される固定シーブと、前記回転軸の軸線に沿う方向で前記固定シーブに対する近接、離反を可能として前記回転軸に支持される可動シーブと、前記固定シーブおよび前記可動シーブ間に巻き掛けられるVベルトと、アクチュエータと、このアクチュエータで駆動される出力部材と、前記可動シーブよりも硬質な材料で形成されて前記可動シーブに固設される保持部材と、前記出力部材の移動を前記可動シーブに伝達するようにして前記出力部材および前記保持部材間に設けられる転がり軸受とを備えるVベルト式無段変速機において、鋳造成形される前記可動シーブが、前記回転軸に軸方向の移動を可能として支持されるようにして前記回転軸と同軸に配置される円筒状のボス部と、前記固定シーブとの間に前記Vベルトを保持するようにして前記ボス部の一端部から半径方向外方に張り出すフランジ部とを一体に有し、前記保持部材が前記ボス部の外周に鋳込まれることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記保持部材が、前記ボス部の軸方向に沿って延びるとともに前記転がり軸受の内輪の内周を支持する筒状部と、前記内輪の一端を突き当てるようにして前記筒状部の一端から前記筒状部の半径方向外方に延びる規制部とを一体に有することを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記ボス部に相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に支持されて前記可動シーブとは反対側に開放するとともにカム面が内面に形成されるカップ部材と、前記可動シーブとは反対側から前記カップ部材に対向しつつ前記回転軸に固定されるウエイト保持プレートと、前記カム面および前記ウエイト保持プレート間に保持されるとともに前記回転軸の回転に伴って作用する遠心力の増大によって前記カップ部材および前記可動シーブを前記固定シーブ側に移動させるウエイトとで構成される遠心式シフト機構を備え、前記ボス部の前記フランジ部側の一端部外周に前記保持部材が鋳込まれ、該保持部材が鋳込まれる部分よりも小径として前記ボス部がその他端側に有する嵌合取付け筒部の外周に前記カップ部材が相対回転不能かつ前記回転軸に対して軸方向相対移動可能に支持されることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記カップ部材に、前記転がり軸受側に突出して該転がり軸受の内輪を前記保持部材との間に軸方向両側から挟むようにして前記内輪に当接する突出壁部が一体に突設されることを第4の特徴とする。
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記ボス部の軸方向に沿って延びるとともに前記転がり軸受の内輪の内周を支持する、前記保持部材の筒状部が、前記転がり軸受の軸方向長さよりも大きな軸方向長さを有するように形成され、前記突出壁部が、前記筒状部の一部の外周との間に隙間を形成するようにして該筒状部の外周の前記一部を囲繞するように形成されることを第5の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記カップ部材の内周が、前記ボス部が有する前記嵌合取付け筒部の外周にスプライン結合され、少なくとも前記嵌合取付け筒部に対応する部分で前記ボス部の内周には、円筒状のブッシュが圧入されることを第6の特徴とする。
さらに本発明は、第〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記出力部材の移動を前記転がり軸受に伝達するアーム部材が前記転がり軸受の外周に取付けられ、前記カップ部材に、前記アーム部材の一部を収容する環状凹部が軸方向で前記可動シーブとは反対側に凹むように形成されることを第7の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、保持部材が、鋳造成形される可動シーブが有する円筒状のボス部の外周に鋳込まれるので、保持部材をコンパクトにかつ部品点数を少なくして可動シーブに固設することができ、保持部材で内周が支持される転がり軸受の小径化を図ることができるとともに、可動シーブ周りを軸方向に小型化することもできる。
また本発明の第2の特徴によれば、保持部材が、転がり軸受の内輪の内周を支持する筒状部と、筒状部の一端から筒状部の半径方向外方に延びる規制部とを一体に有し、規制部に転がり軸受の内輪の一端が突き当てられるので、転がり軸受の取付け時や、アクチュエータで可動シーブを軸方向に移動させる際に、転がり軸受から可動シーブにかかる軸方向の荷重を、硬質で剛性の高い保持部材の規制部で受けるようにして、耐久性および耐摩耗性の向上を図ることができる。
本発明の第3の特徴によれば、アクチュエータによって可動シーブを軸方向に駆動するのに加えて、遠心式シフト機構で可動シーブを軸方向に駆動することができるようにしたときに、ボス部のフランジ部側の一端部外周に保持部材が鋳込まれるのに対して、遠心式シフト機構の一部を構成するカップ部材は、保持部材が鋳込まれる部分よりも小径としてボス部がその他端側に有する嵌合取付け筒部の外周に相対回転不能かつ回転軸に対して軸方向相対移動可能に支持されるので、保持部材側に転がり軸受を組み付ける際の組み付けが容易となる。
本発明の第4の特徴によれば、カップ部材に一体に設けられる突出壁部と、保持部材との間に転がり軸受が軸方向両側から挟まれるので、部品点数を少なくした構成で転がり軸受の軸方向位置を定め、転がり軸受の周囲で軸方向の小型化を図ることができる。
本発明の第5の特徴によれば、保持部材が有する筒状部が転がり軸受よりも大きな軸方向長さを有し、カップ部材に突設される突出壁部が筒状部の一部の外周との間に隙間を形成しつつ筒状部の外周の前記一部を囲繞するので、保持部材の剛性を高めるために筒状部を比較的長く形成するようにしても、突出壁部が筒状部の外周の一部を囲繞して転がり軸受の内輪に突き当てられるので、転がり軸受の内輪を保持部材および突出壁部間で挟む構造としても、突出壁部を筒状部の一部と径方向で重なるようにして軸方向の大型化を抑制することができる。しかも突出壁部および筒状部の外周間の隙間によって突出壁および筒状部の相互干渉を防止して、カップ部材およびボス部の軸線を同軸に配置し易くし、カップ部材のボス部への取付け精度を高めることができる。
本発明の第6の特徴によれば、カップ部材の内周がボス部が有する嵌合取付け筒部の外周にスプライン結合され、少なくとも嵌合取付け筒部に対応する部分でボス部の内周に円筒状のブッシュが圧入されるので、カップ部材およびボス部の係合力が増大し、カップ部材をボス部に良好に固定することができる。しかもVベルト側に可動シーブおよびカップ部材の分割線が出ることはなく、Vベルトの可動域を充分に確保することができる。
さらに本発明の第7の特徴によれば、出力部材の移動を転がり軸受に伝達するようにして転がり軸受の外周に取付けられるアーム部材の一部が、軸方向で可動シーブとは反対側に凹むようにしてカップ部材に形成される環状凹部に収容されるので、アーム部材の一部およびカップ部材の一部を径方向で重ねるようにして軸方向の小型化を図ることができる。
自動二輪車の側面図である。 パワーユニットの側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の駆動プーリ付近を拡大して示す図である。 アーム部材および出力ロッドの係合、連結状態を図4の5ー5線矢視方向から見た図である。 アーム部材および被係合部材の斜視図である。 アクチュエータユニットの組み付け過程を説明するための図3の要部を示す図である。 ケースカバーを内面側から見た図である。 第2の実施の形態の図4に対応した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
本発明の第1の実施の形態について図1〜図8を参照しながら説明すると、先ず図1において、この鞍乗り型車両は、スクータ型の自動二輪車であり、その車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11に連結される操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13を前端に備えるものであり、後輪WRを駆動する動力を発揮するパワーユニットPが車体フレームFの前後方向中間部で上下揺動可能に支持される。
前記パワーユニットPは、後輪WRの前方に配置されるエンジンEと、該エンジンEの出力を前記後輪WRに伝達する伝動装置Mとから成り、伝動装置MはエンジンEのエンジン本体14に連設されて後輪WRの左側方に延びる伝動ケース15内に収納され、この伝動ケース15の後部と、前記車体フレームFの後部との間にはリヤクッションユニット16が設けられる。
前記車体フレームFと、前記パワーユニットPの一部とは、乗員の足を乗せる左右一対の足置き部18と、両足置き部18間で上方に隆起するフロアトンネル部19とを有する車体カバー17で覆われ、この車体カバー17は車体フレームFに取付けられる。また前記フロアトンネル部19の後方に配置される乗員用シート20と、該乗員用シート20の後方に配置されるパッセンジャーシート21とが前記車体カバー17上に配設される。
図2および図3を併せて参照して、前記エンジンEのエンジン本体14は、車幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト24を回転自在に支承するクランクケース25と、ピストン29を摺動自在に嵌合させるシリンダボア30を有して前記クランクケース25に結合されるシリンダブロック26と、該シリンダブロック26に結合されるシリンダヘッド27と、該シリンダヘッド27に結合されるヘッドカバー28とを備える。前記エンジン本体14のシリンダ軸線Cすなわち前記シリンダボア30の軸線はわずかに前上がりに傾斜しており、前記ピストン29は前記クランクシャフト24に連接される。
前記ピストン29の頂部を臨ませてシリンダブロック26およびシリンダヘッド27間に形成される燃焼室31に空気を供給するための吸気装置32は、前記後輪WRの左側方で前記伝動ケース15の上方に配置されるとともに該伝動ケース15で支持されるエアクリーナ33と、該エアクリーナ33および前記シリンダヘッド27間に配置されるスロットルボディ34とを備え、燃料噴射弁35が前記シリンダヘッド27の上部側壁に取付けられる。
図1で示すように、前記シリンダヘッド27の下部側壁には、前記燃焼室31から排ガスを排出するための排気装置36が接続されており、この排気装置36は、前記シリンダヘッド27の下部側壁からエンジン本体14の下方を後方に延出される排気管37と、該排気管37の下流端に接続されるようにして前記後輪WRの右側方に配置される排気マフラー(図示せず)とを備える。
で排気装置が構成される。
前記クランクケース25は、右側の第1ケース半体38ならびに左側の第2ケース半体39が結合されて成り、第1ケース半体38を回転自在に貫通するクランクシャフト24の右側端部にはアウターロータ40が固定され、該アウターロータ40とともに発電機42を構成するようにしてアウターロータ40で囲繞されるインナーステータ41が、第1ケース半体38に締結される支持板43に固定される。
第1ケース半体38には、前記発電機42を囲む筒状の発電機カバー44が結合されており、この発電機カバー44の右側にラジエータ45が配設される。前記クランクシャフト24には、前記ラジエータ45に冷却風を流通させるための冷却ファン46が、前記発電機42および前記ラジエータ45間に配置されるようにして固定される。
前記クランクシャフト24の回転動力を後輪WR側に伝達するようにして前記伝動ケース15に収容される前記伝動装置Mは、前記クランクシャフト24から伝達される回転動力を無段階に変速するVベルト式無段変速機48と、Vベルト式無段変速機48の回転動力を減速して後輪WRの車軸50に伝達する減速ギヤ機構49とを備える。前記後輪WRは、前記伝動ケース15と、前記クランクケース25の第1ケース半体38に連設されて前記後輪WRの右側方まで延びる支持アーム51とで挟まれるように配置されており、前記車軸50の両端部は、前記伝動ケース15および前記支持アーム51の後端部で軸支される。
前記伝動ケース15は、分割可能な複数のケース部材が締結されて成るものであり、この実施の形態では、第2ケース半体39を一体に有して前記クランクケース25の左側壁から後輪WRの側方まで後方に延出される第1のケース部材としてのケース主体52と、前記Vベルト式無段変速機48を収容する変速機室55を前記ケース主体52との間に形成して該ケース主体52に締結される第2のケース部材としてのケースカバー53と、前記減速ギヤ機構49を収容するギヤ室56を前記ケース主体52との間に形成するようにして該ケース主体52の後部に締結される第3のケース部材としてのギヤカバー54とで構成される。
Vベルト式無段変速機48は、回転軸としての前記クランクシャフト24にベルト巻き掛け径を可変として設けられる駆動プーリ57と、前記クランクシャフト24よりも後方に配置されて前記伝動ケース15に収容される従動軸60に設けられる従動プーリ58と、駆動プーリ57および従動プーリ58に巻き掛けられる無端状のVベルト59とを備える。
図4において、前記駆動プーリ57は、前記クランクシャフト24に固定された固定シーブ61と、前記クランクシャフト24の軸線に沿う方向で前記固定シーブ61に対する近接、離反を可能として前記クランクシャフト24に支持される可動シーブ62とから成り、前記可動シーブ62は前記固定シーブ61よりもクランクケース25側に配置される。
前記クランクシャフト24において前記伝動ケース15における前記ケースカバー53側の左端部には、前記固定シーブ61の内周部に当接するワッシャ63を該固定シーブ61との間に挟むナット64が螺合される。一方、前記変速機室55内で前記クランクシャフト24の軸方向中間部外周には、前記固定シーブ61側に臨む環状段部24aが形成されており、この環状段部24aに内周部を当接させるウエイト保持プレート74と、前記固定シーブ61との間に前記クランクシャフト24を囲繞する円筒状のスリーブ65が介装され、前記ナット64を締めつけることで、前記クランクシャフト24に前記固定シーブ61および前記ウエイト保持プレート74が固定される。
前記固定シーブ61には前記変速機室55内に冷却空気を流通させるためのファン66が一体に設けられており、前記固定シーブ61に対応する位置で前記伝動ケース15の前記ケースカバー53には、開口部67が設けられるとともに、該開口部67を囲んで外方に突出する吸入筒部53aが一体に設けられる。前記吸入筒部53aには、該吸入筒部53aの外端を閉じる蓋部材68が複数の第1ボルト70で締結され、前記蓋部材68および前記ケースカバー53間には、前記開口部67を囲むようにして無端状に連なる円筒状のクリーナエレメント69が前記吸入筒部53a内に配置されるようにして挟持される。また前記吸入筒部53aの後側壁には吸入口71が設けられる。
前記可動シーブ62は、アルミニウム等の軽合金によって鋳造成形されるものであり、軸方向の移動を可能として前記クランクシャフト24に前記スリーブ65を介して支持されるようにしつつ前記クランクシャフト24と同軸に配置される円筒状のボス部62aと、前記固定シーブ61との間に前記Vベルト59を保持するようにして前記ボス部62aの一端部から半径方向外方に張り出すフランジ部62bとを一体に有する。
この可動シーブ62は、遠心式シフト機構72Aの働きによって前記クランクシャフト24の回転数が増大するのに応じて前記固定シーブ61に近接する側に駆動されるものであり、前記遠心式シフト機構72Aは、前記可動シーブ62のボス部62aに相対回転不能かつ前記クランクシャフト24に対して軸方向相対移動可能に支持されて前記可動シーブ62とは反対側に開放するとともにカム面76が内面に形成されるカップ部材73Aと、前記クランクシャフト24に固定されて前記可動シーブ62とは反対側から前記カップ部材73Aに対向するウエイト保持プレート74と、前記カム面76および前記ウエイト保持プレート74間に保持されるウエイト75とを備える。
前記カップ部材73Aの内周の周方向複数箇所には、半径方向内方に突出する突部77が一体に形成される。また前記ウエイト保持プレート74の外周の周方向複数箇所には、前記突部77を挟持する挟持部材78が取付けられており、前記カップ部材73Aは、前記ウエイト保持プレート74および前記クランクシャフト24とともに回転する。
このような遠心式シフト機構72Aでは、前記カム面76に転がり接触する前記ウエイト75が、前記クランクシャフト24の回転に伴って作用する遠心力の増大によってクランクシャフト24の半径方向外方に移動し、それによって前記カップ部材73Aおよび前記可動シーブ62が前記固定シーブ61側に移動することになる。
前記可動シーブ62は、前記遠心式シフト機構72Aに加えて、アクチュエータである電動モータ80の動力によっても前記クランクシャフト24の軸方向に駆動されるものであり、前記電動モータ80からの動力で出力部材である出力ロッド81を前記クランクシャフト24の軸線と平行な方向に移動させるようにしたアクチュエータユニット82が、前記伝動ケース15における前記ケースカバー53の外面に取付けられる。
前記可動シーブ62には、該可動シーブ62よりも硬質な材料で形成される保持部材85が固設されており、前記クランクシャフト24と平行な軸線を有する前記出力ロッド81の軸方向移動を前記可動シーブ62に伝達する転がり軸受としてのボールベアリング86が、前記出力ロッド81および前記保持部材85間に設けられる。
前記保持部材85は、前記可動シーブ62がアルミニウム合金等の軽合金で形成されるのに対して鉄系材料によって形成されており、前記可動シーブ62における前記ボス部62aの前記フランジ部62b側の一端部外周に鋳込まれる。
前記保持部材85は、前記可動シーブ62における前記ボス部62aの軸方向に沿って延びるとともに前記ボールベアリング86の内輪86aの内周を支持する筒状部85aと、前記内輪86aの一端を突き当てるようにして前記筒状部85aの一端から該筒状部85aの半径方向外方に延びる規制部85bとを一体に有するように形成され、前記規制部85bは、この実施の形態では、前記筒状部85aの一端から半径方向外方に張り出すようにして鍔状に形成される。
また前記ボス部62aの他端側には、前記保持部材85が鋳込まれる部分よりも外径を小径とした嵌合取付け筒部62bが一体に形成されており、この嵌合取付け筒部62bの外周に前記カップ部材73Aが、相対回転不能かつ前記クランクシャフト24に対して軸方向相対移動可能に支持され、この実施の形態では前記カップ部材73Aが前記嵌合取付け筒部62bの外周にスプライン結合される。
前記カップ部材73Aには、前記ボールベアリング86側に突出して該ボールベアリング86の前記内輪86aを前記保持部材85の規制部85bとの間に軸方向両側から挟むようにして前記内輪86aの他端に当接する突出壁部87が一体に突設される。
前記保持部材85の前記筒状部85aは、前記ボールベアリング86の軸方向長さL1よりも大きな軸方向長さL2を有するように形成され、前記突出壁部87が、前記筒状部85aの一部の外周との間に環状の隙間88を形成するようにして該筒状部85aの外周の前記一部を囲繞して環状に形成される。
ところで前記カップ部材73Aの内周は、前記嵌合取付け筒部62bの外周にスプライン結合されており、少なくとも前記嵌合取付け筒部62bに対応する部分で前記ボス部62aの内周には、該ボス部62aおよび前記スリーブ65間に介在するようにして円筒状である含油ブッシュ89が圧入される。
前記ボールベアリング86の内輪86aに前記突出壁部87を突き当てて前記嵌合取付け筒部62bの外周にスプライン結合された前記カップ部材73Aの軸方向移動は、前記内輪86aと、前記嵌合取付け筒部62bの外周に装着された止め輪90とで規制される。
図5を併せて参照して、前記ボールベアリング86の外周には、前記出力ロッド81の軸方向移動を前記ボールベアリング86を介して前記可動シーブ62に伝達するためのアーム部材91が取付けられる。このアーム部材91は、前記ボールベアリング86の外輪86bを嵌合、保持するようにして前記ボールベアリング86を囲繞する環状部91aと、該環状部91aの後部から後方に延びる延出部91bとを一体に有してたとえばアルミニウム合金によって形成され、前記延出部91bの先端部(車両前後方向では後端部)には、たとえば鉄系材料から成る係合部材92が締結される。
前記ボールベアリング86の外輪86bは前記アーム部材91の前記環状部91aに前記可動シーブ62とは反対側から嵌合され、前記環状部91aの内周に設けられる環状段部91cと、前記環状部91aの内周に装着される止め輪93との間に保持される。
前記保持部材85が鋳込まれた前記可動シーブ62に、前記ボールベアリング86を介して前記アーム部材91を連結するとともに前記カップ部材73Aを装着するにあたっては、先ずアーム部材91の前記環状部91aに取付けられた前記ボールベアリング86を前記保持部材85に圧入して取付け、次いで前記カップ部材73Aを前記可動シーブ62における前記ボス部62aの前記嵌合取付け筒部62bの外周に軽圧入してスプライン結合した後、前記嵌合取付け筒部62bの外周に前記止め輪90を装着し、さらに前記カップ部材73Aに含油ブッシュ89を圧入する。
図6を併せて参照して、前記被係合部材92は、単一の第2ボルト95で前記延出部91bの先端部に締結されるものであり、この第2ボルト95の軸線まわりに前記被係合部材92が回動することを阻止するために、前記延出部91bの先端部および前記被係合部材92間には、前記第2ボルト95の軸線からオフセットした位置に配置されるノックピン96が設けられる。しかも前記延出部91bの先端部および前記被係合部材92は、前記第2ボルト95の軸線および前記クランクシャフト24の軸線を通る直線Lに関して対称に形成されており、前記被係合部材92を180度反転させても前記延出部91bの先端部に固定可能とするために、前記延出部91bの先端部には、前記ノックピン96を嵌合させるための孔97が、前記第2ボルト95の両側に配置されるようにして形成される。
前記被係合部材92は、前記出力ロッド81を上下から挟むように前記延出部91bの先端部から上下に分岐して略U字状に配置される上下一対の腕部99,100を一体に有し、それらの腕部99,100には、後方側に開いた係止凹部101,102が設けられる。
前記腕部99,100の先端部(車両前後方向に沿う後端部)には相互に対向するガイド面99a,100aが、車両前後方向に沿う後方から前記出力ロッド81を両腕部99,100間に挿入するのをガイドするようにして形成される。
一方、前記出力ロッド81には、前記被係合部材92の前記係止凹部101,102に車両前後方向に沿う後方から係合可能な係合部103が、前記出力ロッド81から上下に棒状に突出するようにして設けられる。
前記伝動ケース15のケース主体52には、前記被係合部材92から前記係合部103を離脱させた状態で前記アーム部材91の前記延出部91bに下方から当接して該アーム部材91を支持するアーム支持部104が、クランクシャフト24の軸線方向に延出するようにして設けられる。
しかも前記アーム支持部104は、前記係合部103が前記被係合部材92に係合された状態では前記アーム部材91から離間するように配置されるものであり、前記被係合部材92が備える上下一対の腕部99,100のうち上方の腕部99の下面のうち前記ガイド面99aが、前記係合部103を前記被係合部材92に係合させる過程で前記出力ロッド81に上方から当接することで、前記アーム部材91が前記アーム支持部104から離間する。すなわち前記係合部103の前記被係合部材92への係合過程で前記出力ロッド81に上方の前記腕部99が上方から当接することによって前記アーム部材91が前記被係合部材92を上昇させるように回動し、それによって前記アーム部材91が前記アーム支持部104から離間するものであり、前記腕部99が、該腕部99の前記出力ロッド81への当接によって前記アーム部材91が前記アーム支持部104から離間するようにして、前記アーム部材91に設けられる。
ところで前記伝動ケース15のケース主体52には、前記アーム部材91に上方から当接し得るアーム支持部105が、前記アーム支持部104と上下で対をなすようにして設けられており、このアーム支持部105は、生産工場でクランクシャフト24の軸線を上下方向に沿わせた姿勢で前記伝動ケース15に前記アクチュエータユニット82を組み付ける際に、前記アーム部材91がクランクシャフト24の軸線まわりに回転してしまうことを、前記アーム部材91の下方の前記アーム支持部104と協働して防止する機能を果たす。
なお前記アーム支持部104,105は、前記ケース主体52に一体に設けられていてもよく、また棒状部材を前記ケース主体52に植設して前記アーム支持部104,105を構成するようにしてもよい。
図7を併せて参照して、前記アクチュエータユニット82は、前記伝動ケース15におけるケースカバー53の外面に取付けられるユニットケース106を有しており、前記電動モータ80は、前記ユニットケース106に取付けられて前記ケースカバー53内に突入される。また前記出力ロッド81は、前記クランクシャフト24と平行な方向への軸方向移動を可能として前記ユニットケース106に支持されつつ前記ケースカバー53内に突入されており、前記ユニットケース106内に、前記電動モータ80の回転運動を前記出力ロッド81の軸方向移動に変換する伝動機構107が収容される。
前記アクチュエータユニット82は、前記出力ロッド81の前記係合部103を前記アーム部材91の前記被係合部材92に係合させて前記伝動ケース15の前記ケースカバー53に外部から取り付けられる係合位置(図7の鎖線で示す位置)と、前記ケースカバー53への非取付け状態で前記被係合部材92から前記係合部103を離脱させた係合解除位置(図7の実線で示す位置)との間で、前記クランクシャフト24の軸線に直交する方向にスライドすることを可能として前記ケースカバー53に支持されるものであり、前記ケースカバー53の外面に、前記アクチュエータユニット82を取り付けるための平坦な取付け面108が形成される。
このアクチュエータユニット82の組付けに当たっては、図7の実線矢印119で示すように、前記電動モータ80および前記出力ロッド81を前記ケースカバー53内に突入させるようにして前記ユニットケース106を前記取付け面108に当接させて前記アクチュエータユニット82を係合解除位置とした後に、図7の鎖線矢印120で示すように、前記アクチュエータユニット82を前記係合位置まで前方にスライドさせて前記係合部103を前記被係合部材92に係合した状態で、前記ユニットケース106を複数個たとえば4個の第3ボルト109で前記取付け面108に締結すればよい。
ところで、前記伝動ケース15は、前記ケース主体52、前記ケースカバー53および前記ギヤカバー54が複数の締結部材で締結されて成るものであり、この実施の形態では、前記ケース主体52に、前記ケースカバー53の外周に間隔をあけて配置される複数個の締結部材としての第4ボルト110と、前記クランクシャフト24および前記従動軸60間で前記ケースカバー53の前後方向中間部に挿通される締結部材としての第5ボルト111と、前記従動軸60よりも後方で前記ケースカバー53の後部寄りに挿通される締結部材としての第6ボルト112とで前記ケースカバー53が締結される。また前記ケース主体52および前記ギヤカバー54は、複数の締結部材である第7ボルト113で相互に締結される。
第4〜第7ボルト110,111,112,113のうち前記取付け面108に対応する部分に配置される特定のボルトである第5ボルト111は、その一部が側面視で前記取付け面108の後部に重なる位置に配置されており、前記ケースカバー53には、前記取付け面108よりも前記ケースカバー53の内方側に凹んだ凹部114が、第5ボルト111の締結座面115を内端に有するようにして形成され、第5ボルト111の全てが前記取付け面108よりも前記ケースカバー53の内方側に配置される。
前記ケースカバー53には、前記凹部114に連なるボルト挿通孔140を有して前記ケース主体52側に突出する円筒状のボス141が一体に突設されており、このボス141の先端部を当接させる締結ボス142が前記ケース主体52に一体に突設される。第5ボルト111は、その拡径頭部111aを前記凹部114内で前記締結座面115に係合、当接させるようにして前記ボルト挿通孔140に挿通され、前記締結ボス142に螺合される。この際、前記第5ボルト111の前記拡径頭部111aの全てが前記凹部114内に収容される。
また前記アクチュエータユニット82のユニットケース106には、前記係合位置に在る前記アクチュエータユニット82が前記取付け面108に取付けられた状態で前記凹部114の少なくとも一部を外方から覆う遮蔽部であるカプラ106aが設けられる。
図8を併せて参照して、前記取付け面108には、前記電動モータ80を貫通させる第1貫通孔116と、前記出力ロッド81を貫通させる第2貫通孔117とが相互に離間して形成され、第1および第2貫通孔116,117は、前記アクチュエータユニット82のスライドを許容するように車両前後方向に長い長孔状に形成される。
また前記ケースカバー53の内面には、第1および第2貫通孔116,117間に配置されるリブ118が突設される。また第1および第2貫通孔116,117を囲むように配置されるリブ138が前記ケースカバー53の内面に突設されており、前記リブ118の両端が前記リブ138に一体に連設される。
再び図3において、前記従動プーリ58は、前記従動軸60を同軸に囲繞しつつ該従動軸60に相対回転可能に支承される円筒状の内筒123に固定される固定シーブ121と、前記内筒123に対する軸方向相対移動および相対回動を可能として前記内筒123を同軸に囲繞する外筒124に固定されることで前記固定シーブ121に対する近接・離反を可能とした可動シーブ122とで構成され、固定シーブ121および可動シーブ122間にVベルト59が巻き掛けられる。また固定シーブ121および可動シーブ122間の相対回転位相差に応じて両シーブ121,122間に軸方向の分力を作用せしめるトルクカム機構125が、前記内筒123および前記外筒124間に設けられ、可動シーブ122はコイルスプリング126によって固定シーブ121側に向けて弾発付勢され、固定シーブ121および従動軸60間には、エンジン回転数が設定回転数を超えるのに伴って動力伝達状態となる遠心クラッチ127が設けられる。
前記従動プーリ58における固定シーブ121および可動シーブ122間の軸方向間隔は、前記トルクカム機構125によって生じる軸方向の力と、コイルスプリング126によって生じる軸方向の弾性力と、固定シーブ121および可動シーブ122間の間隔をあける方向に作用するVベルト59からの力とのバランスにより決定され、Vベルト59の駆動プーリ57への巻き掛け半径が大きくなると、Vベルト59の従動プーリ58への巻き掛け半径が小さくなる。
前記ケース主体52を液密にかつ回転自在に貫通する前記従動軸60の一端部は、前記ケースカバー53に回転自在に支承され、この従動軸60の他端部は前記ギヤカバー54に回転自在に支承される。前記後輪WRの車軸50の一端部は、前記ギヤカバー54を気密に貫通してギヤ室56内に突入されており、この車軸50の一端側はケース主体52およびギヤカバー54で回転自在に支承され、該車軸50の他端部が前記支持アーム51で回転自在に支承される。
前記減速ギヤ機構49は、前記従動軸60および前記車軸50間に設けられるようにして前記ギヤ室56に収納されるものであり、前記クランクシャフト24からの回転動力が前記Vベルト式無段変速機48および前記遠心クラッチ127を介して伝達される従動軸60に一体に設けられるドライブギヤ128と、前記後輪WRの車軸50に設けられるファイナルギヤ129と、該ファイナルギヤ129および前記ドライブギヤ128間に配設される第1および第2アイドルギヤ130、131とを有する。
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、Vベルト式無段変速機48の駆動プーリ57を、固定シーブ61とともに構成するようにして鋳造成形される可動シーブ62が、クランクシャフト24に軸方向の移動を可能として支持されるようにして前記クランクシャフト24と同軸に配置される円筒状のボス部62aと、前記固定シーブ61との間にVベルト59を保持するようにして前記ボス部62aの一端部から半径方向外方に張り出すフランジ部62bとを一体に有し、可動シーブ62よりも硬質な材料で形成されて可動シーブ62に固設される保持部材85が、前記ボス部62aの外周に鋳込まれるので、保持部材85をコンパクトにかつ部品点数を少なくして可動シーブ62に固設することができ、保持部材85で内周が支持されるボールベアリング86の小径化を図ることができるとともに、可動シーブ62周りを軸方向に小型化することもできる。
また前記保持部材85が、前記ボス部62aの軸方向に沿って延びるとともに前記ボールベアリング86の内輪86aの内周を支持する筒状部85aと、前記内輪86aの一端を突き当てるようにして前記筒状部85aの一端から前記筒状部85aの半径方向外方に延びる規制部85bとを一体に有するので、ボールベアリング86の取付け時や、電動モータ80で可動シーブ62を軸方向に移動させる際に、前記ボールベアリング86から可動シーブ62にかかる軸方向の荷重を、硬質で剛性の高い保持部材85の前記規制部85bで受けるようにして、耐久性および耐摩耗性の向上を図ることができる。
また前記ボス部62aに相対回転不能かつ前記クランクシャフト24に対して軸方向相対移動可能に支持されて前記可動シーブ62とは反対側に開放するとともにカム面76が内面に形成されるカップ部材73Aと、前記可動シーブ62とは反対側から前記カップ部材73Aに対向しつつ前記クランクシャフト24に固定されるウエイト保持プレート74と、前記カム面76および前記ウエイト保持プレート74間に保持されるとともに前記クランクシャフト24の回転に伴って作用する遠心力の増大によって前記カップ部材73Aおよび前記可動シーブ62を前記固定シーブ61側に移動させるウエイト75とで構成される遠心式シフト機構72Aを備えており、前記ボス部62aの前記フランジ部62b側の一端部外周に前記保持部材85が鋳込まれ、該保持部材85が鋳込まれる部分よりも外径を小径として前記ボス部62aがその他端側に有する嵌合取付け筒部62cの外周に前記カップ部材73Aが相対回転不能かつ前記クランクシャフト24に対して軸方向相対移動可能に支持されるので、保持部材85側に前記ボールベアリング86を組み付ける際の組み付けが容易となる。
また前記カップ部材73Aに、前記ボールベアリング86側に突出して該ボールベアリング86の内輪86aを前記保持部材85との間に軸方向両側から挟むようにして前記内輪86aに当接する突出壁部87が一体に突設されるので、部品点数を少なくした構成でボールベアリング86の軸方向位置を定め、ボールベアリング86の周囲で軸方向の小型化を図ることができる。
また前記保持部材85の前記筒状部85aが、前記ボールベアリング86の軸方向長さL1よりも大きな軸方向長さL2を有するように形成され、前記突出壁部87が、前記筒状部85aの一部の外周との間に環状の隙間88を形成するようにして該筒状部85aの外周の前記一部を囲繞して環状に形成されるので、保持部材85の剛性を高めるために筒状部85aを比較的長く形成するようにしても、突出壁部87が筒状部85aの外周の前記一部を囲繞してボールベアリング86の内輪86aに突き当てられるので、ボールベアリング86の内輪86aを保持部材85および突出壁部87間で挟む構造としても、突出壁部87を筒状部85aの一部と径方向で重なるようにして軸方向の大型化を抑制することができる。しかも突出壁部87および筒状部85aの外周間の環状の隙間88によって突出壁部87および筒状部85aの相互干渉を防止して、カップ部材73Aおよびボス部62aの軸線を同軸に配置し易くし、カップ部材73Aのボス部62aへの取付け精度を高めることができる。
また前記カップ部材73Aの内周が、前記ボス部62aが有する前記嵌合取付け筒部62cの外周にスプライン結合され、少なくとも前記嵌合取付け筒部62cに対応する部分で前記ボス部62aの内周には円筒状のブッシュ89が圧入されるので、カップ部材73aおよびボス部62aの係合力が増大し、カップ部材73Aをボス部62aに良好に固定することができる。しかもVベルト59側に可動シーブ61およびカップ部材73Aの分割線が出ることはなく、Vベルト59の可動域を充分に確保することができる。
また前記可動シーブ62に前記ボールベアリング68を介して支持されるアーム部材91に被係合部材92が締結され、前記被係合部材92に係合可能な係合部103が設けられる出力ロッド81を電動モータ80からの動力で前記クランクシャフト24の軸線と平行な方向に移動させるようにしたアクチュエータユニット82が、前記係合部103を前記被係合部材92に係合させて前記出力ロッド81の移動を前記可動シーブ62に伝達することを可能として伝動ケース15のケースカバー53に外部から取り付けられる係合位置と、前記ケースカバー53への非取付け状態で前記被係合部材92から前記係合部103を離脱させた係合解除位置との間で、前記クランクシャフト24の軸線に直交する方向にスライドすることを可能として前記伝動ケース15の前記ケースカバー53に支持されており、前記ケースカバー53の外面に、前記アクチュエータユニット82を取付けるための平坦な取付け面108が形成されるとともに、その取付け面108よりも前記ケースカバー53の内方側に凹んだ凹部114が、伝動ケース15を構成するケース主体52、前記ケースカバー53およびギヤカバー54を締結する第4〜第7ボルト110〜113のうち前記取付け面108に対応する部分に配置される第5ボルト111の締結座面115を内端に有するようにして形成され、第5ボルト111の全てが前記取付け面108よりも前記ケースカバー53の内方側に配置されるので、アクチュエータユニット82の周辺に配置される第5ボルト111が取付け面108から外方に突出することはない。したがって凹部114が配置される部分を含んで取付け面108全体にアクチュエータユニット82を摺接させることができ、アクチュエータユニット82をスライド移動させる空間を充分に確保することができ、アクチュエータユニット82の取付けおよび取り外し作業の作業性を高めることができる。
また前記係合位置に在る前記アクチュエータユニット82が前記取付け面108に取付けられた状態で前記凹部114の少なくとも一部を外方から覆う遮蔽部であるカプラ106aが、前記アクチュエータユニット82に設けられるので、アクチュエータユニット82を伝動ケース15から取り外した状態でないと、第5ボルト111の締結を解除し難くすることができ、アクチュエータユニット82側の係合部103および可動シーブ62側の被係合部92が係合した状態のままで伝動ケース15を無理に分解することを防止することができる。
また前記取付け面108に、伝動モータ80を貫通させる第1貫通孔116と、前記出力ロッド81を貫通させる第2貫通孔117とが、相互に離間して形成されるので、第1および第2貫通孔116,117間にケースカバー53の側壁の一部が介在するようにしてケースカバー53の剛性を高めることができる。したがって可動シーブ62をクランクシャフト24の軸方向に移動させる際のアクチュエータユニット82からの荷重に充分に耐えるようにしてアクチュエータユニット82を支持することができ、出力ロッド81で可動シーブ62を精度よく移動させることができる。
しかも前記ケースカバー53の内面に、第1および第2貫通孔116,117間に配置されるリブ118が突設されるので、ケースカバー53の剛性をより一層高めることができる。
また前後方向に延びる伝動ケース15はエンジン本体14とともに上下に揺動することを可能として車体フレームFに支持されており、前記被係合部材92から前記係合部103を離脱させた状態で前記アーム部材91に下方から当接して該アーム部材91を支持するアーム支持部99が前記伝動ケース15のケース主体52に設けられるので、被係合部材92から係合部103を離脱させた状態でアーム部材91をアーム支持部99で下方から支持してアーム部材91を所定位置に支持しておくことができ、アクチュエータユニット82を係合解除位置から係合位置にスライドさせた時に係合部103を被係合部材92に係合させ易くなり、アクチュエータユニット82の取付け性が向上する。
また前記アーム支持部99は、前記係合部103が前記被係合部材92に係合された状態では前記アーム部材91から離間するように配置されるので、出力ロッド81の移動によって可動シーブ62を軸方向に駆動する際に、アーム部材91がアーム支持部99に摺接して摩耗や異音が生じることを防止することができる。
さらに前記係合部103の前記被係合部材92への係合過程で前記出力ロッド81に上方から当接する腕部99が、該腕部99の前記出力ロッド81への当接によって前記アーム部材91が前記アーム支持部99から離間するようにして、前記アーム部材91に設けられるので、係合部103を被係合部材92に係合して出力ロッド81をアーム部材91に連結したときにはアーム部材91を持ち上げて出力ロッド81から離間させるようにして、アーム部材91がアーム支持部99に摺接して摩耗や異音が生じることを防止することができる。
本発明の第2の実施の形態について図9を参照しながら説明するが、図1〜図8で示した第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
Vベルト式無段変速機48における駆動プーリ57の一部を構成する可動シーブ62は、遠心式シフト機構72Bの働きによって前記クランクシャフト24の回転数が増大するのに応じて固定シーブ61に近接する側に駆動されるものであり、前記遠心式シフト機構72Bは、可動シーブ62のボス部62aに相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に支持されて前記可動シーブ62とは反対側に開放するとともにカム面76が内面に形成されるカップ部材73Bと、前記クランクシャフト24に固定されて前記可動シーブ62とは反対側から前記カップ部材73Bに対向するウエイト保持プレート74と、前記カム面76および前記ウエイト保持プレート74間に保持されるウエイト75とを備える。
前記可動シーブ62には、該可動シーブ62よりも硬質な材料で形成される保持部材85が固設されており、前記クランクシャフト24と平行な軸線を有する前記出力ロッド81の軸方向移動を前記可動シーブ62に伝達するボールベアリング86の外周には、アクチュエータユニット82が備える出力ロッド81の軸方向移動を前記ボールベアリング86を介して前記可動シーブ62に伝達するためのアーム部材134が取付けられる。このアーム部材134は、前記ボールベアリング86の外輪86bを嵌合、保持するようにして前記ボールベアリング86を囲繞する環状部134aと、該環状部134aの後部から後方に延びる延出部134bとを一体に有し、前記延出部134bの先端部(車両前後方向では後端部)に、前記出力ロッド81の係合部103を係合させる被係合部材92が締結される。
前記ボールベアリング86の外輪86bは前記アーム部材134の前記環状部134aに可動シーブ側から嵌合され、前記環状部134aの内周に設けられる環状段部134cと、前記134aの内周に装着される止め輪135との間に保持される。
前記カップ部材73Bの中央部には、前記アーム部材134における前記環状部134aの一部を収容する環状凹部136が軸方向で前記可動シーブ62とは反対側に凹むように形成される。
この第2の実施の形態によれば、前記アーム部材134における環状部134aの一部およびカップ部材73Bの一部を径方向で重ねるようにして軸方向の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
24・・・回転軸であるクランクシャフト
59・・・Vベルト
61・・・固定シーブ
62・・・可動シーブ
62a・・・ボス部
62b・・・フランジ部
62c・・・嵌合取付け筒部
72A,72B・・・遠心式シフト機構
73A,73B・・・カップ部材
74・・・ウエイト保持プレート
75・・・ウエイト
76・・・カム面
80・・・アクチュエータである電動モータ
81・・・出力部材である出力ロッド
85・・・保持部材
85a・・・筒状部
85b・・・規制部
86・・・転がり軸受であるボールベアリング
86a・・・内輪
87・・・突出壁部
88・・・隙間
89・・・ブッシュ
134・・・アーム部材
136・・・環状凹部
L1・・・ボールベアリングの軸方向長さ
L2・・・筒状部の軸方向長さ

Claims (7)

  1. 回転軸(24)に固定される固定シーブ(61)と、前記回転軸(24)の軸線に沿う方向で前記固定シーブ(61)に対する近接、離反を可能として前記回転軸(24)に支持される可動シーブ(62)と、前記固定シーブ(61)および前記可動シーブ(62)間に巻き掛けられるVベルト(59)と、アクチュエータ(80)と、このアクチュエータ(80)で駆動される出力部材(81)と、前記可動シーブ(62)よりも硬質な材料で形成されて前記可動シーブ(62)に固設される保持部材(85)と、前記出力部材(81)の移動を前記可動シーブ(62)に伝達するようにして前記出力部材(81)および前記保持部材(85)間に設けられる転がり軸受(86)とを備えるVベルト式無段変速機において、
    鋳造成形される前記可動シーブ(62)が、前記回転軸(24)に軸方向の移動を可能として支持されるようにして前記回転軸(24)と同軸に配置される円筒状のボス部(62a)と、前記固定シーブ(61)との間に前記Vベルト(59)を保持するようにして前記ボス部(62a)の一端部から半径方向外方に張り出すフランジ部(62b)とを一体に有し、前記保持部材(85)が前記ボス部(62a)の外周に鋳込まれることを特徴とするVベルト式無段変速機。
  2. 前記保持部材(85)が、前記ボス部(62a)の軸方向に沿って延びるとともに前記転がり軸受(86)の内輪(86a)の内周を支持する筒状部(85a)と、前記内輪(86a)の一端を突き当てるようにして前記筒状部(85a)の一端から前記筒状部(85a)の半径方向外方に延びる規制部(85b)とを一体に有することを特徴とする請求項1に記載のVベルト式無段変速機。
  3. 前記ボス部(62a)に相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に支持されて前記可動シーブ(62)とは反対側に開放するとともにカム面(76)が内面に形成されるカップ部材(73A,73B)と、前記可動シーブ(62)とは反対側から前記カップ部材(73A,73B)に対向しつつ前記回転軸(24)に固定されるウエイト保持プレート(74)と、前記カム面(76)および前記ウエイト保持プレート(74)間に保持されるとともに前記回転軸(24)の回転に伴って作用する遠心力の増大によって前記カップ部材(73A,73B)および前記可動シーブ(62)を前記固定シーブ(61)側に移動させるウエイト(75)とで構成される遠心式シフト機構(72A,72B)を備え、前記ボス部(62a)の前記フランジ部(62b)側の一端部外周に前記保持部材(85)が鋳込まれ、該保持部材(85)が鋳込まれる部分よりも外径を小径として前記ボス部(62a)がその他端側に有する嵌合取付け筒部(62c)の外周に前記カップ部材(73A,73B)が相対回転不能かつ前記回転軸(24)に対して軸方向相対移動可能に支持されることを特徴とする請求項1または2に記載のVベルト式無段変速機。
  4. 前記カップ部材(73A,73B)に、前記転がり軸受(86)側に突出して該転がり軸受(86)の内輪(86a)を前記保持部材(85)との間に軸方向両側から挟むようにして前記内輪(86a)に当接する突出壁部(87)が一体に突設されることを特徴とする請求項に記載のVベルト式無段変速機。
  5. 前記ボス部(62a)の軸方向に沿って延びるとともに前記転がり軸受(86)の内輪(86a)の内周を支持する、前記保持部材(85)の筒状部(85a)が、前記転がり軸受(86)の軸方向長さ(L1)よりも大きな軸方向長さ(L2)を有するように形成され、前記突出壁部(87)が、前記筒状部(85a)の一部の外周との間に隙間(88)を形成するようにして該筒状部(85a)の外周の前記一部を囲繞するように形成されることを特徴とする請求項4記載のVベルト式無段変速機。
  6. 前記カップ部材(73A,73B)の内周が、前記ボス部(62a)が有する前記嵌合取付け筒部(62c)の外周にスプライン結合され、少なくとも前記嵌合取付け筒部(62c)に対応する部分で前記ボス部(62a)の内周には、円筒状のブッシュ(89)が圧入されることを特徴とする請求項3に記載のVベルト式無段変速機。
  7. 前記出力部材(81)の移動を前記転がり軸受(86)に伝達するアーム部材(134)が前記転がり軸受(86)の外周に取付けられ、前記カップ部材(73B)に、前記アーム部材(134)の一部を収容する環状凹部(136)が軸方向で前記可動シーブ(62)とは反対側に凹むように形成されることを特徴とする請求項〜6のいずれか1項に記載のVベルト式無段変速機。
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