JP7451904B2 - 複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム、複層ガラス用樹脂製スペーサ、および複層ガラス - Google Patents

複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム、複層ガラス用樹脂製スペーサ、および複層ガラス Download PDF

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Description

本開示は、断熱を目的とした複層ガラスの樹脂製スペーサに用いられるスペーサ用バリアフィルムに関する。
複層ガラスとは、通常複数のガラス単板を所定の間隔で平行に配置し、上記ガラスの周辺部を固定・接着・封着等を行ったものを指す。
このような複層ガラスが使用される目的は、主に窓ガラス自体からの熱の出入りを抑制する、いわゆる断熱効果を窓全体へ付与することである場合が一般的で、複層化され周辺を固定・接着・封着することにより、複数枚のガラス板間に外部から隔絶された中空層である内部気体層を形成することが必要となる。この中空層には、例えば、乾燥空気や、断熱性能を有する不活性ガスが充填される。
上記複層ガラスは、上述したように、複数枚のガラス板間に外部から隔絶された中空層を形成する必要があることから、ガラス周辺部にこの中空層を形成するためのスペーサを配置する必要がある。
従来のスペーサは、アルミニウム等の金属により形成されているものが多数であったが、昨今では、スペーサが樹脂材料により形成されているものが存在する(例えば、特許文献1、2)。樹脂材料により形成されているスペーサは、アルミニウム等の金属により形成されているスペーサーよりもガスバリア性に劣るため、断熱性能を有する不活性ガスの流出、外部からの湿気の流入を防止するために、ガスバリア性を付与することが考えられている。
特開2007-277052号公報 特許第5955413号
複層ガラスにおいて、スペーサとガラス板とは、ポリサルファイド等のシーリング材(以下、2次シーリング材と称する場合がある)によって接着され、固定される。しかしながら、従来のスペーサ本体に取り付けられるガスバリアフィルムは、2次シーリング材との密着性が不十分な場合があった。
本開示は、上記問題に鑑みてなされた発明であり、2次シーリング材との密着性及びガスバリア性に優れ、良好な断熱性能を維持できる複合ガラスを製造可能な樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム、およびそれを用いた複層ガラス用樹脂製スペーサならびに複層ガラスを提供することを主目的とする。
本開示は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される樹脂製スペーサの上記中空層とは反対側となる面に配置される樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムであって、樹脂基材と、上記樹脂基材上に配置された金属酸化物又は金属を有する第1ガスバリア膜とを具備する第1のガスバリア層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔を有する第2のガスバリア層と、上記第1のガスバリア層と上記第2のガスバリア層との間に配置された第3のガスバリア層と、を有し、上記第1のガスバリア層の上記第1ガスバリア膜は、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置する、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを提供する。
また、本開示は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される複層ガラス用樹脂製スペーサであって、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、スペーサ本体と、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムとを有し、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムは、上記複層ガラス用樹脂製スペーサが上記複層ガラスに介在配置された状態で、上記スペーサ本体の上記中空層側の面とは反対側の面に、上記第1ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置されている、複層ガラス用樹脂製スペーサを提供する。
また、本開示は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される樹脂製スペーサの上記中空層とは反対側となる面に配置される樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムであって、2つ以上のガスバリア層を有し、2つ以上の上記ガスバリア層のうち1つが、樹脂基材と、上記樹脂基材上に配置され、珪素酸化物(SiO)を有する最外層ガスバリア膜とを有し、上記最外層ガスバリア膜が、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置する、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを提供する。
また、本開示は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される複層ガラス用樹脂製スペーサであって、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、スペーサ本体と、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムとを有し、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムは、上記複層ガラス用樹脂製スペーサが上記複層ガラスに介在配置された状態で、上記スペーサ本体の上記中空層側の面とは反対側の面に、上記最外層ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置されている、複層ガラス用樹脂製スペーサを提供する。
また、本開示は、少なくとも2枚のガラス板と、上述した複層ガラス用樹脂製スペーサとを有し、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、上記少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置されており、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムが、上記中空層とは反対側となるように配置されている、複層ガラスを提供する。
本開示によれば、2次シーリング材との密着性、及びガスバリア性に優れる樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを提供することができる。そのため、本開示の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを用いた複合ガラスは、良好な断熱性能を維持できるものとなる。
本開示の第一実施形態の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示の第二実施形態の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示の複層ガラス用樹脂製スペーサの一例を示す概略断面図である。 本開示の複層ガラスの一例を示す部分断面図である。 本開示の複層ガラスの別の一例を示す部分断面図である。
以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
また、本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを複層ガラス用樹脂製スペーサに用いた際に、スペーサ本体側とは反対側となる最表面を、金属酸化物又は金属、特に、珪素酸化物(SiO)で構成することにより、2次シーリング材との密着性が良好となることを知見した。さらに、この金属酸化物又は金属、中でも珪素酸化物からなるガスバリア膜を有するガスバリア層の他に、少なくとも1以上のガスバリア層を配置することで、ガスバリア性を担保することができることを見出した。本開示の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムとしては、以下に説明する第一実施形態および第二実施形態の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを挙げることができる。
本明細書において、「金属」とは珪素等の半金属を含む意味で用い、「金属酸化物」とは珪素等の半金属の酸化物を含む意味で用いる。
A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム
I.第一実施形態
本実施形態の複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム(以下、単にバリアフィルムと称する場合がある。)は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される樹脂製スペーサの上記中空層とは反対側となる面に配置される樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムであって、樹脂基材と、上記樹脂基材上に配置された金属酸化物又は金属を有する第1ガスバリア膜とを具備する第1のガスバリア層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔を有する第2のガスバリア層と、上記第1のガスバリア層と上記第2のガスバリア層との間に配置された第3のガスバリア層と、を有し、上記第1のガスバリア層の上記第1ガスバリア膜は、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置することを特徴とするものである。
図1は、本実施形態のバリアフィルムの一例を示すものである。図1に示すように、本実施形態のバリアフィルム10は、第1のガスバリア層1と、第2のガスバリア層2と、第1のガスバリア層1と第2のガスバリア層2との間に配置された第3のガスバリア層3とを有する。第1のガスバリア層1は、樹脂基材1aと、樹脂基材上に配置された、金属酸化物又は金属からなる第1ガスバリア膜1bとを有する。上記第1ガスバリア膜1bは、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム10の一方の面側の最表面に位置するように配置されている。第2のガスバリア層2は、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔を有するものである。
このような本開示のバリアフィルムは、複層ガラスに用いられる複層ガラス用樹脂製スペーサ(以下、樹脂製スペーサ、もしくは単にスペーサと称する場合がある。)に用いられるものである。以下、本開示のバリアフィルムが用いられる複層ガラスについて、図面を用いて簡単に説明する。
図4は、本開示における複層ガラス用樹脂製スペーサが用いられた複層ガラスの一例を示す概略断面図である。この例に示される複層ガラス20は、2枚のガラス板11、11が相互間に幅tの中空層12を形成するために、樹脂製スペーサ13を介して配置されたものである。上記樹脂製スペーサ13は、スペーサ本体14と、上記スペーサ本体14の中空層12側の面とは反対側の面に配置されている、本開示のバリアフィルム10とを有する。
上記スペーサ本体14は、例えば、断面六角形状の中空のパイプ材によって構成され、スペーサ本体14の中空部14Aにはゼオライト等の乾燥剤16が充填されている。また、スペーサ本体14の中空層12側の内面14Bには、中空部14Aと中空層12とを連通する貫通孔14Cが形成され、これによって、中空層12内の気体(乾燥空気もしくは不活性ガス)が乾燥剤16によって乾燥される。
ポリサルファイド等をベースとした2次シーリング材17が、樹脂製スペーサの中空層12とは反対側に配置されている。この2次シーリング材17により、樹脂製スペーサ13とガラス板11が接着・固定され、窓構造が維持されている。また、通常、スペーサとガラス板との間にブチルゴム等をベースとした1次シーリング材18が配置されている。
本実施形態のバリアフィルム10は、金属酸化物又は金属からなる第1ガスバリア膜1bが、一方の面側の最表面に位置しているため、バリアフィルムを、第1ガスバリア膜1bとは反対側の表面がスペーサ本体と接触するように配置することにより、ガスバリア膜1bの表面が2次シーリング材17と接触することとなる。本実施形態における第1ガスバリア膜は、金属酸化物又は金属からなり、有機化合物膜等と比べ、2次シーリング材とバリアフィルムとの密着性が良好なものである。そのため、長期間使用した場合でも窓構造を維持することができ、ガラス、スペーサ、及びシーリング材のそれぞれの界面に隙間が発生することを防止できるものとなり、隙間を介しての断熱性ガスの流出、湿気の流入を抑制することができる。
本実施形態のバリアフィルムは、さらに、上記第1のガスバリア層に加えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔を有する第2のガスバリア層を有するものである。上記第1ガスバリア層に加えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔をガスバリア層として配置することにより、上記第1ガスバリア層のみの場合よりもガスバリア性に優れたものとすることが可能となる。
しかしながら、上記エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔をガスバリア層として用いた場合は、これらの材料が水蒸気により劣化しやすく、吸湿すると本来のガスバリア性能を発揮できない場合があることを本発明者等は知見した。
そこで、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層との間に第3のガスバリア層を設けることとした。複層ガラス用樹脂製スペーサにバリアフィルムを用いた際に、第2のガスバリア層よりも2次シーリング材方向(外側)に、第1のガスバリア層に加えて第3のガスバリア層が配置することで、第3のガスバリア層により外部から侵入する水蒸気の透過をさらに防止することが可能となり、第2のガスバリア層の水蒸気による劣化を抑制することができる。そのため、本実施形態のバリアフィルムは、全体として優れたガスバリア性を発揮することができる。
すなわち、このようなバリアフィルムを使用することにより、樹脂製のスペーサ本体の部分や、ガラス、スペーサ、及びシーリング材のそれぞれの界面を介して、外気から水蒸気が中空層内へ侵入することや、不活性ガスが中空層から外気側へ漏出すること等を防止することができる。
以下、本実施形態のバリアフィルムの各構成について詳細に説明する。
1.第1のガスバリア層
本実施形態における第1のガスバリア層は、樹脂基材と、樹脂基材上に配置された金属酸化物又は金属を有する第1ガスバリア膜とを具備し、上記第1ガスバリア膜が、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置するように配置されているものである。以下、第1のガスバリア層に含まれる樹脂基材を第1樹脂基材とも称する。
(1)第1ガスバリア膜
第1ガスバリア膜は、樹脂基材の片方または両方の面側に配置される。第1ガスバリア膜は、金属酸化物または金属を有するものであればよく、金属薄膜であってもよく金属酸化物膜であってもよい。また、M-O-P結合(ここで、Mは金属原子を示し、Oは酸素原子を示し、Pはリン原子を示す。)を有する膜であってもよい。
第1ガスバリア膜が金属薄膜である場合、第1ガスバリア膜を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタン等の金属またはこれらの合金が挙げられる。また、第1ガスバリア膜が金属酸化物膜である場合、第1ガスバリア膜を構成する金属酸化物としては、例えば、珪素、アルミニウム、ステンレス、チタン、ニッケル、鉄、銅等の酸化物等が挙げられる。上記金属酸化物または金属は、単独で用いてもよいし、上述の材料を任意の割合で混合して用いてもよい。また、M-O-P結合を有する膜としては、例えば、金属酸化物およびリン酸化合物の反応生成物を含む膜が挙げられる。
上記第1ガスバリア膜は、コーティング等による塗布膜であっても良く、蒸着膜であってもよいが、中でも樹脂基材との密着性が高く、高ガスバリア性能を発揮することができる観点から蒸着膜であることが好ましい。上記第1ガスバリア膜は、1回蒸着により形成された単膜であってもよく、複数回蒸着により形成され積層構造を有していてもよい。
上記第1ガスバリア膜の厚みは特に限定されないが、5nm以上800nm以下、中でも、10nm以上400nm以下であることが好ましい。ガスバリア膜の厚みを上記値以上とすることで、2次シーリング材との密着性を確実に得ることができ、また、所望のガスバリア性を示すことができる。また、上記値以下とすることで、可撓性を十分に保つことができ、ガスバリア膜にクラックが生じにくくなる。
(2)樹脂基材
樹脂基材は、上記第1ガスバリア膜を支持可能なものであれば特に限定されるものではない。このような樹脂基材は、通常フィルム状であり、未延伸であってもよく、一軸または二軸延伸されたものであってもよい。
樹脂基材に用いられる樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、(メタ)アクリル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアセタール、セルロース等の各種の樹脂を使用することができる。
本実施形態においては、上述の樹脂の中でも、強靭性、耐油性、耐薬品性、入手容易性等の各観点から、PETがより好適に用いられる。
2.第2のガスバリア層
本実施形態における第2ガスバリア層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)およびポリビニルアルコール(PVA)の少なくとも一方を有する樹脂層、又は金属箔を有するものである。
EVOHおよびPVAは、親水基を含有する親水性樹脂であり、高いガスバリア性を発揮する。同様に、金属箔も高いガスバリア性を発揮する。
EVOHおよびPVAの少なくとも一方を有する樹脂層や、金属箔、特にアルミニウム箔は、水蒸気によりガスバリア性能が低下しやすい。しかしながら、本実施形態のガスバリアフィルムでは、上記第2のガスバリア層として用いられるEVOH又はPVAからなる樹脂層、又は金属箔よりも、複層ガラス用樹脂製スペーサに用いた際に、2次シーリング材方向(外側)に、第3のガスバリア層が配置されるため、第3のガスバリア層により外部から侵入する水蒸気の透過を防止することが可能となることから、第2のガスバリア層の水蒸気による劣化を抑制することが可能となり、バリア性を高く維持することができる。
本実施形態に、用いられる金属箔は、一般に、金属が薄く伸ばされたものであり、例えば圧延加工により製造できる。金属箔として、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタン等が挙げられる。中でもアルミニウム箔が好適に用いられる。金属箔はガスバリア性が良好で、かつ、耐屈曲性に優れているため、ガスバリア層として金属箔を用いることにより、ガスバリア性を高いものとすることができる。
金属箔を有する第2のガスバリア層は、金属箔のみで構成されていてもよく、金属箔に他の層が積層されていてもよいが、通常、金属箔のみで構成されている。また、金属箔は、単層であってもよく、同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させた積層体であってもよい。
金属箔の厚さは、バリアフィルムの強度を所定の範囲内とできるものであれば特に限定されるものではなく、好ましくは2μm以上50μm以下、特に好ましくは5μm以上12μm以下とすることができる。金属箔の厚さが上記値よりも小さいとバリアフィルムとして必要な強度を確保できない可能性があり、一方、上記値よりも大きいと、バリアフィルムが嵩高いものとなり、取り扱いが困難となる場合があるからである。
本実施形態における樹脂層は、EVOHおよびPVAの少なくとも一方を有するものであれば特に限定されるものではないが、EVOHおよびPVAの少なくとも一方を主成分とするものであることが好ましい。ここで、「EVOHおよびPVAの少なくとも一方を主成分とする」とは、第2のガスバリア層が必要とされるガスバリア性を発揮できる程度に含まれていることを示す。
樹脂層の厚みは特に限定されないが、6μm~200μmとすることができ、好ましくは9μm~100μmである。
また、EVOHまたはPVAを有する樹脂層は単独でガスバリア層としての機能を有するが、樹脂層の表面には、無機膜や、オーバーコート層が配置されてもよい。すなわち、第2のガスバリア層としては、樹脂層単独のものや、樹脂層と、樹脂層上に形成された無機膜とを有するものや、樹脂層と、樹脂層上に形成された無機膜及びオーバーコート層とを有するものとすることができる。
樹脂層表面に配置される無機膜としては、後述する「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 3.第3のガスバリア層」で例示する金属薄膜、無機化合物膜や、M-O-P結合(ここで、Mは金属原子を示し、Oは酸素原子を示し、Pはリン原子を示す。)を有する膜、ポリカルボン酸系重合体の多価金属塩を含む膜等が挙げられる。
オーバーコート層としては、特に限定されるものではなく、一般にオーバーコート剤として用いられているものを用いることができる。オーバーコート層の厚さは、特に限定されないが、例えば、50nm以上、500nm以下の範囲内とすることができる。オーバーコート層には種々のものがあるが、例えば、株式会社クラレ社製のクラリスタCF(登録商標)などのリン酸アルミナ系の混合化合物、凸版印刷株式会社製のベセーラ(登録商標)などのアクリル酸亜鉛系の混合化合物等を挙げることができる。
また、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1以上、8以下の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される1種以上のアルコキシドと、水溶性高分子とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られる原料液によるゾルゲル化合物などを用いることができる。
上記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アクリル酸系樹脂、天然高分子系のメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、多糖類などが挙げられる。
3.第3のガスバリア層
本実施形態における第3のガスバリア層は、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層との間に配置され、ガスバリア性を有するものである。ここで、上述した第1のガスバリア層は、2次シーリング材との密着性を向上させるため設けるものであるが、スペーサに用いた際にスペーサの最表面に位置するため、クラック等が生じる可能性がある。本実施形態では、第3のガスバリア層を設けることで、全体のガスバリア性が良好なものとなり、第1のガスバリア層にクラックが発生した場合にも、第3のガスバリア層の存在により第2のガスバリア層が水蒸気により劣化するのを防止することができる。
第3のガスバリア層としては、ガスバリア性を有していれば特に限定されるものではなく、上述した第2のガスバリア層で用いた樹脂層や金属箔、さらには樹脂基材および樹脂基材の一方の面上に配置されたガスバリア膜を有するもの等を挙げることができるが、上述した通り、上記第2のガスバリア層の水蒸気による劣化を防止する機能を有するものであることが好ましいことから、耐水蒸気性を有することが好ましい。
本実施形態においては、このような観点から第3のガスバリア層は、樹脂基材および樹脂基材の少なくとも一方の面上に配置されたガスバリア膜を有することが好ましい。以下、第3のガスバリア層に含まれる樹脂基材を第3樹脂基材、ガスバリア膜を第3ガスバリア膜とも称する。
上記第3ガスバリア膜としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタン等の金属または合金で形成された金属薄膜;ケイ素(シリカ)、アルミニウム、ステンレス、チタン、ニッケル、鉄、銅、マグネシウム、カルシウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、鉛、亜鉛、ジルコニウム、イットリウム等の化合物で形成された無機化合物膜;M-O-P結合(ここで、Mは金属原子を示し、Oは酸素原子を示し、Pはリン原子を示す。)を有する膜;ポリカルボン酸系重合体の多価金属塩を含む膜;金属元素と酸素元素と親水基含有樹脂とを含有する混合化合物膜等が挙げられる。中でも、ガスバリア膜が金属酸化物膜であることが好ましく、酸化ケイ素(SiO)および酸化アルミニウム(AlO)膜が特に好ましい。
上記第3ガスバリア膜は、コーティング等による塗布膜であっても良く、蒸着膜であってもよい。第3ガスバリア膜は、少なくとも樹脂基材の片面に配置されていればよく、樹脂基材の両面にそれぞれ配置されていてもよい。
第3ガスバリア膜の厚みは特に限定されず、ガスバリア膜の種類にもよるが、5nm以上800nm以下の範囲内であることが好ましい。ガスバリア膜の厚さが上記値以上であれば、製膜が十分となり所望のガスバリア性を示すことができ、上記値以下であれば、可撓性が低下が抑制され、ガスバリア膜が金属や合金を含む場合、断熱性に悪影響を与える恐れが軽減されるために好ましい。
第3樹脂基材としては、ガスバリア膜を支持することができれば特に限定されず、上述の「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 1.第1のガスバリア層 (2)樹脂基材」の項で例示したものと同様のものが挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
4.密着層
本実施形態のバリアフィルムは、さらに、上記第1ガスバリア膜とは反対側の最表面に位置する、スペーサ本体と良好な密着性を有する密着層を有することが好ましい。このようにバリアフィルムがスペーサ本体との密着性を有する密着層を有することで、スペーサ本体とバリアフィルムとの間で剥離が生じる恐れが低いものとなる。密着層としては、後述するスペーサ本体を構成する樹脂との密着性が良好な層であれば特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
従来技術では、スペーサ本体とバリアフィルムとの接着はスペーサ本体とバリアフィルムのどちらか一方に接着剤を塗布し、貼り合わせている。ただし、この場合には接着剤を2μm~100μm程度塗布することが一般的であり、工程が増えるとともに材料も比較的多く使う必要がある。また、バリアフィルム製造時に接着剤、もしくは粘着剤を塗布した場合、剥離紙等の別の材料が必要となる。そのため、本実施形態のバリアフィルムが第1ガスバリア膜とは反対側の最表面に密着層を有することで、接着剤等を塗布する場合に比べ、製造工程上及びコスト面において有利である。
上記密着層の膜厚としては、特に限定されないが、例えば、30nm以上1000nm以下の範囲内とすることが好ましい。上記の下限値以上であれば、スペーサ本体との密着性が十分なものとなり、また、上記の上限値以下であれば、バリアフィルムとスペーサ本体とを共押出成形により一体化することが容易となり、製造工程上好ましい。
また、密着層は、樹脂基材上に形成されることが好ましい。これは、樹脂基材上に形成されたものとすることで、スペーサ本体とバリアフィルムとを共押出成形により一体化させることができるためである。また、樹脂基材が第2のガスバリア層を保護する機能も有するため好ましい。
密着層が形成される樹脂基材としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 1.第1のガスバリア層 (2)樹脂基材」の項で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、上記樹脂基材と上記密着層との間には、ガスバリア膜が配置されていることが好ましい。樹脂基材と密着層との間に配置されるガスバリア膜としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 3.第3のガスバリア層」中で例示した第3ガスバリア膜と同様のものが挙げられる。
この場合、密着層は、樹脂基材と密着層との間に配置されるガスバリア膜のオーバーコート層としての機能も有することが好ましい。オーバーコート層としての機能とは、ガスバリア膜を保護する機能、及び、樹脂基材と、上記樹脂基材上に形成されたガスバリア膜とを有するガスバリア層において、上記ガスバリア膜の樹脂基材とは反対側の面に上記密着層を形成すると、ガスバリア層のガスバリア性を向上させるといった機能である。
5.その他のガスバリア層
本実施形態のガスバリアフィルムは、上記第2のガスバリア層の上記第3のガスバリア層とは反対側に、上記密着層を有するガスバリア層以外のガスバリア層(その他のガスバリア層)を有していてもよい。その他のガスバリア層としては、ガスバリア性を有していれば特に限定されるものではなく、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 3.第3のガスバリア層」と同様のもの、この第3のガスバリア層における第3のガスバリア膜上にオーバーコート層を有するものが挙げられる。オーバーコート層としては、「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 2.第2のガスバリア層」で例示したものと同様のものが挙げられる。
6.接着層
本実施形態のバリアフィルムは、上記第1のガスバリア層と上記第3のガスバリア層、上記第3のガスバリア層と上記第2のガスバリア層、上記第2のガスバリア層と上記密着層を有するガスバリア層との間等に、接着層を有していてもよい。上記接着層の材料としては、従来公知の感圧性接着剤、熱可塑性接着剤、硬化性接着剤等を用いることができる。
II.第二実施形態
本実施形態の複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム(以下、単にバリアフィルムと称する場合がある。)は、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される樹脂製スペーサの上記中空層とは反対側となる面に配置される樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムであって、2つ以上のガスバリア層を有し、2つ以上の上記ガスバリア層のうち1つが、樹脂基材と、上記樹脂基材上に配置され、珪素酸化物(SiO)を有する最外層ガスバリア膜とを有し、上記最外層ガスバリア膜が、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置することを特徴とするものである。
図2は、本実施形態のバリアフィルムの一例を示すものである。図2に例示される本実施形態のバリアフィルム10は、ガスバリア層21、22の2層のガスバリア層を有し、そのうちの1つのガスバリア層21が、樹脂基材21aと、樹脂基材21a上に配置された珪素酸化物(SiO)を有する最外層ガスバリア膜21bとを有し、上記最外層ガスバリア膜21bが、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置している。
本実施形態においては、上記最外層ガスバリア膜が珪素酸化物(SiO)を有するものであることから、2次シーリング材との密着性が極めて良好なものである。これは、通常2次シーリング材はガラス板と密着性が良好なものが使用されているため、ガラス板と組成が類似している珪素酸化物を有する最外層ガスバリア膜も2次シーリング材との密着性は良いものと推定される点から説明される。
本実施形態のバリアフィルムは、上述した図4に例示した複合ガラスに用いられる複層ガラス用樹脂製スペーサに使用される。
本開示のバリアフィルム10は、最外層ガスバリア膜21bが、一方の面側の最表面に位置しているため、バリアフィルム10を、最外層ガスバリア膜21bとは反対側の表面がスペーサ本体と接触するように配置することにより、最外層ガスバリア膜21bの表面が2次シーリング材と接触することになる。上述した通り最外層ガスバリア膜21bは、2次シーリング材との密着性が極めて良好であるので、バリアフィルムと2次シーリング材とを高い接着力とすることが可能となり、長時間使用した場合でも、バリアフィルムと2次シーリング材との界面での剥離を防止することが可能となり、これにより、上記剥離により生じる隙間を介しての断熱性ガスの流出、湿気の流入を抑制することができる。
本実施形態におけるバリアフィルムには、優れたガスバリア性が求められる。また、上記最外層ガスバリア膜はバリアフィルムの最表面に配置されるため、他の部材との接触等により最外層ガスバリア膜にクラックが生じてしまう可能性もある。このため、本実施形態のバリアフィルムは、上記最外層ガスバリア膜を有するガスバリア層に加えて、1以上のガスバリア層を有するものとしている。これにより、全体として優れたガスバリア性を有するものとなる。
このような本実施形態のバリアフィルムを使用することにより、樹脂製のスペーサ本体の部分や、ガラス、スペーサ、及び2次シーリング材のそれぞれの界面を介して、外気から水蒸気が中空層内へ侵入することや、不活性ガスが中空層から外気側へ漏出すること等を防止することができる。
以下、本実施形態のバリアフィルムの各構成について詳細に説明する。
1.最外層ガスバリア膜を有するガスバリア層
本実施形態における2以上のガスバリア層のうち少なくとも1つは、樹脂基材と、樹脂基材上に配置された最外層ガスバリア膜とを有するものであり、上記最外層ガスバリア膜は、珪素酸化物(SiO)を有するものである。上記最外層ガスバリア膜は、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置するように配置される。
(1)最外層ガスバリア膜
本実施形態における最外層ガスバリア膜は、珪素酸化物を有する珪素酸化物膜である。
上記珪素酸化物膜の厚みは特に限定されないが、5nm以上800nm以下、中でも、10nm以上400nm以下であることが好ましい。珪素酸化物膜の厚みを上記値以上とすることで、2次シーリング材との密着性を確実に得ることができ、また、所望のガスバリア性を示すことができる。また、上記値以下とすることで、可撓性を十分に保つことができ、クラック等が生じにくくなる。
(2)樹脂基材
本実施形態における樹脂基材は、上記珪素酸化物膜を支持可能なものであれば特に限定されるものではない。このような樹脂基材としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 1.第1のガスバリア層 (2)樹脂基材」と同様のものが挙げられる。
2.その他のガスバリア層
本実施形態の樹脂スペーサ用ガスバリアフィルムは、上記最外層ガスバリア膜を有するガスバリア層の他に、さらに1以上のガスバリア層を有する。このガスバリア層としては、ガスバリア性を有していれば特に限定されないが、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、金属箔、および樹脂基材および樹脂基材の少なくとも一方の面上に配置されたガスバリア膜を有するもの等を挙げることができる。
本実施形態においては、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層、もしくは金属箔を有するガスバリア層であることが好ましい。良好なガスバリア性を有するものだからである。
これらのガスバリア層については、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 2.第2のガスバリア層」、もしくは「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 3.第3のガスバリア層」で例示したものと同様のものが挙げられる。
本実施形態のバリアフィルムは、最表層としての上記最外層ガスバリア膜を有するガスバリア層の他に、その他のガスバリア層が、2層以上含有されていることが好ましい。この場合、2層以上のガスバリア層は、互いに同一又は異なる種類であってもよい。
3.密着層
本実施形態のバリアフィルムは、更に、上記珪素酸化物膜とは反対側の最表面に位置する密着層を有することが好ましい。密着層としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 4.密着層」と同様のものが挙げられる。
また、密着層は、樹脂基材上に形成されることが好ましい。これは、樹脂基材上に形成されたものとすることで、スペーサ本体とバリアフィルムとを共押出成形により一体化させることができるためである。また、樹脂基材が上記のその他のガスバリア層を保護する機能も有するため好ましい。
密着層が形成される樹脂基材としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 1.第1のガスバリア層 (2)樹脂基材」の項で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、上記樹脂基材と上記密着層との間には、ガスバリア膜が配置されていることが好ましい。樹脂基材と密着層との間に配置されるガスバリア膜としては、上述した「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム I.第一実施形態 3.第3のガスバリア層」中で例示した第3ガスバリア膜と同様のものが挙げられる。
III.その他
本開示のバリアフィルムは、単体として存在する状態のものを含むものである。このような単体で存在する状態としては、例えば長尺状のもの、具体的には10m以上、特に50m~4000mの範囲内のものを挙げることができる。また、ロール状に巻回されたものであってもよい。
本開示のバリアフィルムの幅は、用途に応じて適宜決定されるが、通常6mm~150mm程度である。
本開示のバリアフィルムは、後述する複層ガラスに用いられる複層ガラス用樹脂製スペーサに用いられる。
本開示のバリアフィルムの表面上には、剥離シートを配置してもよい。
B.複層ガラス用樹脂製スペーサ
本開示の複層ガラス用樹脂製スペーサは、複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される複層ガラス用樹脂製スペーサであって、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、スペーサ本体と、「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム」の項で説明したバリアフィルムと、を有し、上記バリアフィルムは、上記複層ガラス用樹脂製スペーサが上記複層ガラスに介在配置された状態で、上記スペーサ本体の上記中空層側の面とは反対側の面に配置されているものである。
図3は、本開示の複層ガラス用樹脂スペーサ13を例示するものであり、スペーサ本体14と、上記スペーサ本体14の中空層側の面とは反対側の面に配置されている、上述したバリアフィルム10とを有する。
上記スペーサ本体14は、例えば断面六角形状の中空のパイプ材によって構成されており、内部に中空部14Aを有する。また、スペーサ本体14は、複層ガラスとした際に中空層側となる内面14B、スペーサ本体14の中空層と反対側に面する部位である外面14Dと、スペーサ本体14が上記ガラス板11,11と対向する面である対向面14Eとを有する。上記内面14Bには、複層ガラスとした際に中空層と連通する貫通孔14Cが形成されている。
バリアフィルム10は、外面14Dおよび対向面14Eを被覆するように配置されている。
第一の実施形態のバリアフィルムを使用する場合、スペーサ本体の外面14Dおよび対向面14Eに、バリアフィルムの第1ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置される。
第二の実施形態のバリアフィルムを使用する場合、スペーサ本体の外面14Dおよび対向面14Eに、バリアフィルムの最外層ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置される。
本開示の複層ガラス用樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムは、上記複層ガラス用樹脂製スペーサが上記複層ガラスに介在配置された状態で、スペーサ本体の上記中空層側の面とは反対側の面に、金属酸化物若しくは金属を含むガスバリア膜側、又は最外層ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置されていることにより、2次シーリング材と接するスペーサの最表面が、金属酸化物若しくは金属を含むガスバリア膜、又は珪素酸化物膜で構成されるため、2次シーリング材との密着性が良好なものとなる。そのため、各部材の密着性を維持することができ、隙間を介しての断熱性ガスの流出、湿気の流入を抑制することができる。また、バリアフィルムの優れたガスバリア性により、複層ガラスとした際に、外部から中空層への水蒸気の透過を防止することができると共に、内部に不活性ガスが充填されている場合は、このような不活性ガスの漏出を防止することができるといった効果を奏する。
本開示の複層ガラス用樹脂製スペーサは、少なくともスペーサ本体と上述したガスバリアフィルムとを有するものである。
1.スペーサ本体
本開示におけるスペーサ本体は、複層ガラスに用いた際に中空層側となる内面と、複層ガラスに用いた際に中空層と反対側に面する部位である外面と、複層ガラスに用いた際に、複層ガラスの2枚のガラス板と対向する対向面とを有する。
上記スペーサ本体は、内部に乾燥剤を収納する必要があるため、中空状のものが好適に用いられるが、シリコーンフォームに乾燥剤が練り込まれた中実タイプのものも例示することができる。上記中空状のスペーサ本体の場合には、内部に収納した乾燥剤を複層ガラスの中空層と連通させる必要があることから、上記内面には貫通孔が形成されていることが好ましい。
上記二つの対向面は、通常は平行に配置されており、二つの面の距離により、複層ガラスの中空層の幅を決定する。
外面は、平面であってもよいが、通常は台形状に中央部が外側、すなわち中空層側とは反対側に突出した形状であり、これによりスペーサ本体の横断面形状は、内面側の二つの角が直角である6角形形状となる。
このようなスペーサ本体は、樹脂のみで構成されていてもよいが、強度の関係で、ガラス繊維等の補強剤が充填されていることが好ましい。このようなガラス繊維等の補強材の含有率は、20質量%~50質量%が好ましく、特に30質量%~40質量%の範囲内であることが好ましい。
本開示におけるスペーサ本体を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ブチルゴム、好適にはアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、アクリロニトリル-エチレン-スチレン(AES)、アクリルエステル-スチレン-アクリロニトリル(ASA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-ポリカーボネート(ABS/PC)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、PET/PC、PBT/PCおよび/またはこれらのコポリマーまたは混合物等を挙げることができる。
2.ガスバリアバリアフィルム
本開示に用いられるガスバリアフィルムは、「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム」の項で説明したものであるので、ここでの説明は、省略する。
上記ガスバリアフィルムの配置位置は、少なくとも上記スペーサ本体の外面に配置されていればよいが、対向面に配置されていてもよい。配置の際には、ガスバリアフィルムの金属酸化物または金属を含むガスバリア膜や、珪素酸化物膜が、スペーサ本体側とは反対側となるように配置する。
C.複層ガラス
本開示の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、上記「B.複層ガラス用樹脂製スペーサ」の項で説明した複層ガラス用樹脂製スペーサとを有し、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、上記少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置されており、上記複層ガラス用樹脂製スペーサは、上記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムが、上記中空層とは反対側となるように配置されているものである。
図4に本開示の複層ガラスの一例を示す。なお、図4の説明は、上記「A.複層ガラスの樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム」の項で説明したので、ここでの説明は省略する。また、図5に、本開示の別の複層ガラスの一例を示す。図5に示す本開示の複合ガラス20は、スペーサ本体14及び上述のガスバリアフィルム10を有する複層ガラス用樹脂製スペーサ13と、5枚のガラス板11とを具備する。複層ガラス用樹脂製スペーサ13は、5枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置されており、ガスバリアフィルム10が中空層12とは反対側となるように配置されている。ポリサルファイド等をベースとした2次シーリング材17が、樹脂製スペーサの中空層12とは反対側に配置されている。この2次シーリング材により、樹脂製スペーサ13とガラス板11が接着・固定され、窓構造が維持されている。
上記ガラス板は、所定の光透過性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、通常はガラスで構成されるが、ポリマーにより構成されたものを除外するものではない。上記ガラス板には、例えば赤外線防止フィルム、紫外線防止フィルム等の機能性のフィルムが貼着されていてもよい。ガラス板の形状は、通常は矩形状であるが、これに限定されるものではなく、円形状、多角形状、台形状や、丸み付けされた幾何学形状等であってもよい。
上記少なくとも2枚のガラス板の間には、上記複層ガラス用樹脂製スペーサにより中空層が形成されているが、この中空層には、乾燥空気、もしくはアルゴン、クリプトン、ヘリウム、ネオン又はキセノン等の断熱性能を有する不活性ガスが充填されている。
本開示の複層ガラスに用いられる上記複層ガラス用樹脂製スペーサが、中空状のものである場合、その内部に乾燥剤が収納されていてもよい。
このような乾燥剤としては、シリカゲル、CaCl、NaSO、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト等を挙げることができる。
また、上記複層ガラス用樹脂製スペーサの上記中空層とは反対側には、上記ガラスの端辺を封止し、ガラスとスペーサを接着、固定させるための2次シーリング材が配置されている。このような2次シーリング材としては、ポリサルファイド、シリコンゴム等を好適に用いることができる。本開示においては、2次シーリング材として、ポリサルファイドを用いることが本開示の効果を発揮するうえで好ましいものといえる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本開示をさらに具体的に説明する。
1.フィルムの準備
樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム作製に用いるフィルムの詳細を以下に示す。
(1)PET/SiO/ウレタン膜
PET12(厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5120」))の片面に酸化ケイ素蒸着膜(SiO膜)が直接形成されたフィルムを準備する。
次いで、下記に示す組成に従い調製したA液(ポリオール、ジイソシアネート、トルエン、メチルエチルケトン、およびイソプロピルアルコールからなる混合液)を準備し、オーバーコート層用組成物を得た。
上記SiOが蒸着されたPET12の上記SiO蒸着膜上に、上記オーバーコート層用組成物をグラビアコート法によりコーティングし、次いで、120℃、140℃および150℃で各20秒間加熱処理して、必要とされる厚みのオーバーコート層を形成し、55℃で1週間エージングして、ポリウレタン樹脂を主成分とする混合化合物層であるオーバーコート層を形成し、ウレタン膜/SiO蒸着膜/PET12を得た。
<オーバーコート層用組成物の組成>
(A液)
・ポリオール、ジイソシアネート: 20質量%
・トルエン: 35質量%
・メチルエチルケトン: 30質量%
・イソプロピルアルコール: 15質量%
(2)PET/AlO/TEOS-PVA
PET12(厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5120」))の片面に酸化アルミニウム蒸着膜(Al膜)が直接形成されたフィルムを準備する。
次いで、下記に示す組成に従い調製したB液(ポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールおよび水からなる混合液)に、下記に示す組成に従い予め調製したC液(テトラエトキシシラン(TEOS)、イソプロピルアルコール、塩酸およびイオン交換水からなる加水分解液)を加えて撹拌し、ゾルゲル法により無色透明のオーバーコート層用組成物を得た。
上記Alが蒸着されたPET12の上記Al蒸着膜上に、上記オーバーコート層用組成物をグラビアコート法によりコーティングし、次いで、120℃、140℃および150℃で各20秒間加熱処理して、必要とされる厚みのオーバーコート層を形成し、55℃で1週間エージングして、珪素元素と酸素元素とポリビニルアルコール樹脂とを含有する混合化合物層であるオーバーコート層を形成し、TEOS-PVA/Al蒸着膜/PET12を得た。
<オーバーコート層用組成物の組成>
(B液)
・ポリビニルアルコール: 1.81質量%
・イソプロピルアルコール: 39.80質量%
・水: 2.09質量%
(C液)
・テトラエトキシシラン: 21.49質量%
・イソプロピルアルコール: 5.03質量%
・0.5N塩酸水溶液: 0.69質量%
・イオン交換水: 29.10質量%
(*A液とB液とを合わせて100質量%とした)
(3)Al箔
厚み6μm、製品名:8021(UACJ製箔社製)を用いた。
(4)PET/SiO
PET12(厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5120」))の片面に酸化ケイ素蒸着膜(SiO膜)が直接形成されたフィルム(製品名 テックバリアLX(三菱樹脂 社製))を用いた。
(5)PET/AlO
PET12(厚み12μm)のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5120」))の片面に酸化アルミニウム蒸着膜(Al膜)が直接形成されたフィルム(製品名 バリアロックス1031(東レフィルム加工社製)を用いた。
(6)EVOH/Alvm
金属アルミニウム(Al)膜が片面に蒸着されたエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム(製品名 VMXL(クラレ社製)、厚み12μm)を用いた。以下、金zのクアルミニウム蒸着膜を「Alvm」と表記する。
(7)PET/ウレタン膜
PETフィルム(膜厚:12μm)上にウレタン膜を設けたフィルムを用いた。ウレタン膜は上記PET/SiO/ウレタン膜のウレタン膜と同様に形成した。
(8)PET/Alvm
金属アルミニウム(Al)膜が片面に蒸着されたPETフィルムを用いた。
2.樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの調製
上述したフィルムを下記の表1の通り積層して、実施例1~5、および比較例1~2の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムを調製した。
なお、下記の記載において、各フィルムの記載の順序は、層構成の順所を示すものであり、//とあるのは、接着剤により、それぞれのフィルムを接着したことを示すものである。
各フィルムは、接着層で接合した。接着剤は、ポリエステルポリオールを主成分とする主剤(ロックペイント社製 製品名:RU-77T)、脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤(ロックペイント社製 製品名:H-7)、および酢酸エチルの溶剤が、重量配合比が主剤:硬化剤:溶剤=10:1:14となるように混合された、2液硬化型の接着剤を用いた。この接着剤を、ガスバリアフィルムを構成する一方のフィルムの一方の面に塗布量3.5g/mとなるように塗布して接着層を形成し、接着層が形成された一方のフィルムと他方のフィルムとを接着層を間に挟んで加圧した。
3.評価
実施例1~5、および比較例1~2の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムに、2次シーリング材としてのポリサルファイド系接着剤(製品名:SM-9000、横浜ゴム社製)を塗布し、ガラスに貼り合わせたのちに24時間以上室温に置くことで固化させ、試験用サンプルを作製した。
(剥離試験)
作製したサンプルに対し、JIS R 3224-1:2018の試験方法に倣い、初期、下記のI類実施試験後、II類実施試験後、III類実施試験後の2次シーリング材とガスバリアフィルムとの密着性について評価した。結果を表2に示す。
・I類実施試験
下記耐湿試験を7日間実施し、引き続き、下記冷熱繰返し試験を12サイクル実施した。
・II類実施試験
I類実施試験後に引き続き、下記耐湿試験を7日間実施し、更に、下記冷熱繰返し試験を12サイクル実施した。
・III類実施試験
II類実施試験後に引き続き、下記耐湿試験を28日間実施し、更に、下記冷熱繰返し試験を48サイクル実施した。
・耐湿試験※
上記サンプルを(55±3)℃、相対湿度95%以上の雰囲気をもった恒温恒湿槽内に保持する。
※JIS R 3224-1:2018のI~III類実施試験は、紫外光照射を行う耐湿耐光試験であるが、2次シーリング材とバリアフィルムの密着面は、日射に晒されないため、JIS R 3224の温湿度のみ再現する試験とし、紫外光照射は行わなかった。
・冷熱繰返し試験
上記サンプルを恒温槽内において(-20±3)℃に1時間保持した後,(50±3)℃に1時間保持する。これを1サイクル、6時間として繰り返す。
[評価方法]
密着性の評価は引張試験機でバリアフィルムとガラスをそれぞれチャックで固定し、180度剥離試験を行うことで剥離させ、剥離後のフィルム表面の様子を確認した。上記引張試験機としては、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC-1250A)を用いた。
[評価基準]
〇:2次シーリング材での凝集破壊
△:一部2次シーリング材での凝集破壊、一部2次シーリング材とガスバリアフィルム表面間での界面剥離
×:2次シーリング材とフィルム表面間での界面剥離
表2に示す通り、2次シーリング材側の最表面が金属酸化物膜である実施例1~5のガスバリアフィルムは、2次シーリング材側の最表面が有機化合物膜である比較例1、2のガスバリアフィルムと比べ、2次シーリング材との密着性に優れたものとなった。特に、2次シーリング材側の最表面が珪素酸化物膜である実施例1~3のガスバリアフィルムは、2次シーリング材との優れた密着性を長期に維持することができるものであった。
1 … 第1のガスバリア層
1a … 樹脂基材ガスバリア膜
1b… ガスバリア膜
2 … 第2のガスバリア層
3 … 第3のガスバリア層
10 … 樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム
21,22 … ガスバリア層
21a … 樹脂基材
21b… 珪素酸化膜
11 … ガラス板
12 … 中空層
13 … 複層ガラス用樹脂製スペーサ
14 … スペーサ本体
16 … 乾燥剤
17 … 2次シーリング材
18 … 1次シーリング材
20 … 複合ガラス

Claims (3)

  1. 複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される樹脂製スペーサの前記中空層とは反対側となる面に配置される樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムであって、
    樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置された金属酸化物又は金属を有する第1ガスバリア膜とを具備する第1のガスバリア層と、
    エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールの少なくとも一方を有する樹脂層を有する第2のガスバリア層と、
    前記第1のガスバリア層と前記第2のガスバリア層との間に配置された第3のガスバリア層と、を有し、
    前記第1のガスバリア層の前記第1ガスバリア膜は、前記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの一方の面側の最表面に位置し、
    前記第1のガスバリア膜とは反対側の前記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムの他方の面側の最表面には、膜厚が30nm以上1000nm以下である密着層を有する、樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルム。
  2. 複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置される複層ガラス用樹脂製スペーサであって、
    前記複層ガラス用樹脂製スペーサは、スペーサ本体と、請求項1に記載の樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムとを有し、
    前記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムは、前記複層ガラス用樹脂製スペーサが前記複層ガラスに介在配置された状態で、前記スペーサ本体の前記中空層側の面とは反対側の面に、前記第1ガスバリア膜側とは反対側の最表面が対向するように配置されている、複層ガラス用樹脂製スペーサ。
  3. 少なくとも2枚のガラス板と、請求項2に記載の複層ガラス用樹脂製スペーサとを有し、
    前記複層ガラス用樹脂製スペーサは、前記少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層を形成すべく介在配置されており、
    前記複層ガラス用樹脂製スペーサは、前記樹脂製スペーサ用ガスバリアフィルムが、前記中空層とは反対側となるように配置されている、複層ガラス。
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