JP7450919B2 - 発電素子およびセンサ - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 (1)平成30年8月28日 ウェブサイトhttps://www.magnetics.jp/kouenkai/2018/doc/program/11pB-1.pdfでの公開、(2)平成30年9月11日 日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館における第42回日本磁気学会学術講演会での公開、(3)平成30年11月16日 ウェブサイトhttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aelm.201800467での公開、(4)平成31年1月4日 ウェブサイトhttps://magnetism.org/abstract-book及びhttps://magnetism.org/storage/app/media/docs/MMM19_Joint_Abs_Indx-4.pdfでの公開、(5)平成31年1月18日 Washington,DCにおける2019 Joint MMM-Intermag Conferenceでの公開、(6)平成31年1月30日~2月1日 東京ビッグサイト東4・5・6ホール&会議棟におけるnano tech 2019 第18回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議での公開
本発明は、発電素子およびセンサに関し、特に強磁性材料の逆磁歪効果を利用した発電素子およびセンサに関する。
逆磁歪効果は、外部から応力が負荷されて生じる歪により強磁性体内の磁化の強さが変化する現象である。近年、この逆磁歪効果を利用した振動発電や力センサの技術が注目を集めている。
これまで試みられているものとして、例えば、特許文献1には、Fe-Si-B(鉄-ケイ素-ホウ素)系アモルファス合金の磁歪薄帯に導電配線パターンのコイルを巻回し、振動からの磁歪薄帯の磁化の変化を検出して電力を発生する振動発電素子が開示されている。誘導起電力による発電であり、振動エネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術の一つである。自己発電が可能である。
また、特許文献2には、Fe-Co-B(鉄-コバルト-ホウ素)などのホウ素を含むアモルファス合金の強磁性膜を磁化自由層とし、磁気抵抗効果(MR効果、Magneto-Resistance Effect)を利用して歪を電気抵抗の変化に変換する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の振動発電素子は、磁歪薄帯の厚さが25μmと厚く、しかも複数枚の磁歪薄帯を使用している。このため、その剛性から微弱な振動や応力に対して感度が低いという欠点があった。一方、特許文献2の磁気抵抗効果を利用する方法では、磁化自由層の膜厚は4nmで他のピンニング層やキャップ層も含めても素子のトータル膜厚は約90nmと薄い。しかし、この方法では抵抗変化を電圧に変換する電流源が別途必要であり、自己発電式の無電源センサへの応用は困難であった。
特開2017-135806号公報 特開2017-220671号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微弱な振動や応力を高感度に検出しエネルギーハーベストが可能な自己発電式の発電素子およびこれを応用した振動、応力・歪に関するセンサを提供することを目的とする。
発明者は、鋭意研究の結果、磁歪を有する短冊状の磁性膜にコイルを巻回した発電素子において、短冊状の磁性膜の長手方向に交差する方向に誘導磁気異方性の磁化容易軸を付与することによって磁性膜の磁気異方性を低減させ、微弱な振動や力に対しても高感度に磁化の変化を生じさせ高い誘導起電力を得ることができることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づき検討を重ね完成されたものであり、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る発電素子は、一実施形態として、磁歪を有する短冊状の磁性膜と、前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、前記コイル内に前記磁性膜が複数あって、該磁性膜の幅が複数種類あることを特徴とする。
また、本発明に係る発電素子は、他の実施形態として、磁歪を有する短冊状の磁性膜と、前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、前記磁性膜が膜面内において前記磁性膜の長手方向に対して40°~50°の角度範囲内で交差する方向に磁化容易軸を有することを特徴とする。
また、本発明に係る発電素子は、他の実施形態として、磁歪を有する短冊状の磁性膜と、前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、前記コイル内に前記磁性膜が複数あって、側面を介して隣接する前記磁性膜間の距離が前記磁性膜の膜厚の5倍以上であることを特徴とする。
た、前記磁性膜の長手方向と幅方向のアスペクト比を100よりも大きい細長い磁性膜に形成し、前記コイルを、前記磁性膜の長手方向の両端側領域上に、互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されたコイルとするとよい。
また、前記コイルが前記磁性膜の長手方向の両端側領域上に互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されて形成された単位素子が、前記コイルが直列に接続された状態で複数個配列した発電素子とすることができる。
また本発明に係るセンサは、前記いずれかの発電素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、短冊状の磁性膜の長手方向に交差する方向に誘導磁気異方性を付与し、磁性膜は長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有する。よって、磁性膜の長手方向の形状磁気異方性と長手方向と交差する方向の誘導磁気異方性が互いに相殺して磁性膜の磁気異方性が低減し、磁性膜に小さい外部応力が印加されても逆磁歪効果により磁化が回転する。これにより、磁化の変化をコイルによって高感度に誘導起電力として検出でき、高効率の自己発電式の発電素子を実現できる。
また、コイル内に磁性膜が複数あって、当該磁性膜の幅が複数種類あることでは、応力の方向や大きさの変化に対して磁化回転を起きやすくすることができる。
或いは、磁性膜が膜面内において当該磁性膜の長手方向に対して40°~50°の角度範囲内で交差する方向に磁化容易軸を有することでは、磁性膜に僅かな外部応力が印加されることにより、磁化の方向が回転し、誘導起電力が発生し発電が起こるようにすることができる。
或いは、コイル内に前記磁性膜が複数あって、側面を介して隣接する前記磁性膜間の距離が前記磁性膜の膜厚の5倍以上であることでは、磁性膜と磁性膜の間の距離を離して、隣接する磁性膜間で静磁的カップリングが生じないようにすることができる。
第1の実施形態に係る発電素子の平面概略図である。 第1の実施形態に係る発電素子のA-A’線切断面概略図である。 第1の実施形態に係る発電素子のB-B’線切断面概略図である。 図4(a)および図4(b)は、第1の実施形態に係る発電素子のA-A’線切断面の一部を示した概略図である。 図5(a)および図5(b)は、第1の実施形態に係る発電素子のB-B’線切断面の一部を示した概略図である。 第2の実施形態に係る発電素子の平面概略図である。 第2の実施形態に係る発電素子のC-C’線切断面概略図である。 第3の実施形態に係る発電素子の平面概略図である。 第3の実施形態に係る発電素子のD-D’線切断面概略図である。 基板に10°ずつの角度をおいて放射状に磁性膜を形成し、この磁性膜を0°(または180°)の方向に磁化させ、カー効果により磁区構造を観察した結果を示す図である。 図11(a)~図11(f)は、発電素子の作製プロセスを説明する図である。 対向ターゲット式スパッタを説明する図である。 図13(a)および図13(b)は、Co40Ni60下地層の有無について磁性膜の磁気特性を比較した図である。 作製した発電素子の写真である。 作製した発電素子の電力出力波形である。 発電素子のさらに他の実施例を示す写真である。 図16の発電素子の電力出力波形である。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態に係る発電素子およびこれを備えるセンサについて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。さらに、図面によって一部の構成要素を省略している場合もある。
≪第1の実施形態≫
<1.構成・材料>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発電素子1の構成を示す平面概略図である。また、図2は、図1におけるA-A’線切断面概略図であり、図3は、B-B’線切断面概略図である。
発電素子1は、基板2と、基板2の一面上に順次形成されたコイル3と、第1絶縁層4と、磁性膜5と、第2絶縁層6とを備えている。コイル3と磁性膜5の間に第1絶縁層4および第2絶縁層6が介在し、コイル3と磁性膜5は電気的に絶縁されている。図1~図3の例では、コイル3の巻数は16.5巻である。ただし、コイル3の巻数はこの巻数に限定されない。コイル3の巻数は、発生させたい起電力の大きさや設置する環境等に応じて適宜決めればよい。
磁性膜5は、図1~図3に示すように、x軸方向が長手方向、y軸方向が幅方向の短冊状の平面形状をなし、yz平面で切った断面が矩形形状となっている。磁性膜5の長手方向の長さをL、幅をW、厚みをtとすると、コイル3が磁性膜5を周回するように、磁性膜5の幅Wは、コイル3の内側の距離より狭い。また、磁性膜5の長さLは、幅Wより大きい。そして、磁性膜5の形状磁気異方性を強めるため、アスペクト比:L/W≧2であることが好ましく、さらに、L/W≧5であることがより好ましい。また、幅Wと膜厚tの関係は、W/t≧2であり、膜面内の磁気異方性を強めるため、W/t≧5であることが好ましい。
基板2は、例えばプラスチックフィルムのような薄い絶縁材料からなる可撓性があって変形可能なフレキシブル基板を用いることができる。小さい外部応力でも基板がたわむように、膜厚は3μm~100μmであることが好ましい。
コイル3は、Au(金)またはCu(銅)などの導電性の高い非磁性金属材料の導電層をスパッタや蒸着により成膜し、リソグラフィ技術によりパターニングして形成することができる。第1絶縁層4および第2絶縁層6は、Al23(アルミナ)、SiO2(二酸化ケイ素)またはMgO(酸化マグネシウム)などの絶縁材料をスパッタ等により成膜し、リソグラフィ技術によりパターニングして形成することができる。コイル3の膜厚は、抵抗および剛性を小さくするため0.1μm~3μmの範囲が好適である。また、第1絶縁層4および第2絶縁層6の膜厚は、絶縁性、製造性の観点から0.05μm~3μmの範囲が好適である。
磁性膜5は、軟磁気特性が得られるよう、Co(コバルト)、Fe(鉄)およびNi(ニッケル)から選ばれる1種以上の元素を含んで形成することができる。また、磁性膜5に、B(ホウ素)やCr(クロム)、Nb(ニオブ)などの元素を添加することもできる。
さらに、保磁力Hcをより小さくするため、磁性膜5は、下地層を形成しその上に前述のCoなどの元素を含んだ層を積層して形成することができる。磁性膜5がFeCo合金層を含む場合は、面心立方格子構造を持つ金属層をFeCo合金層の下地層として用いることができる。すなわち、磁性膜5は、面心立方格子構造を持つ金属層とFeCo合金層の積層膜を含むことができる。FeCo合金層の結晶粒子サイズを小さくし保磁力Hcを低減して軟磁気特性を得ることができるからである。
面心立方格子構造を持つ金属としては、Cu、Pd(パラジウム)、Ni、Co、NiFe合金またはCoNi合金が好ましい。さらに、容易軸方向だけでなく困難軸方向のHcも小さくできることから、下地層としてNiFe合金またはCoNi合金がより好適である。なお、NiFe合金とCoNi合金は強磁性材料であるから、これらの材料を下地層として用いた場合、磁性膜5の磁気特性は、下地層とFeCo合金層の積層膜によって与えられることになる。ただし、NiFe合金およびCoNi合金の飽和磁束密度BsはFeCo合金の1/3~1/2程度小さく、そしてその膜厚がFeCo合金層に比べ非常に薄い場合は、磁気特性に及ぼす下地層の影響は僅かと考えられる。
磁性膜5は、スパッタ法または蒸着法により成膜し、フォトレジストによる露光・現像やイオンミリング等のリソグラフィ技術により短冊状にパターニングして形成することができる。磁性膜5の膜厚tは、発電の出力、製造性の観点から20nm~1μmの範囲が好適である。
磁性膜5は、膜面内に一軸磁気異方性を有する。一軸磁気異方性は、磁性膜5を成膜する際、磁界中でCo、FeおよびNiなどの磁性材料をスパッタまたは蒸着を行うことにより、印加した磁界の方向に誘導磁気異方性を発生させて、付与することが可能である。
また、一軸磁気異方性の磁化容易軸は、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に平行である。これは、磁性膜5の幅方向が印加磁界の方向となるように成膜した磁性膜をパターニングすることで可能である。
<2.磁性膜の磁気異方性>
次に、磁性膜の磁気異方性について説明する。磁気異方性には、(1)誘導磁気異方性、(2)形状磁気異方性、(3)逆磁歪効果による磁気異方性、(4)結晶磁気異方性、の4つがある。
(1)誘導磁気異方性
誘導磁気異方性は、前述したように、磁性材料を磁界中でスパッタまたは蒸着により成膜することで付与できる。その方向は、磁界の方向に平行である。例えば、磁界の方向を磁性膜5の長手方向に直交する幅方向とすれば、誘導磁気異方性の磁化容易軸は、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に平行である。誘導磁気異方性の異方性磁界をHkとする。
(2)形状磁気異方性
形状磁気異方性は、アスペクト比:L/Wが1より大きいとき、磁性膜5の長手方向(x軸方向)に付与される。L/Wの値が大きいほど、形状磁気異方性は強い。磁化が全てy方向を向いたと仮定して、磁性膜5内部に作る反磁界をHdとすると、L/W≧5でかつW/t≧10のとき、Hdは、Hd=4πMs×t/Wと概ね近似できる。Msは磁性膜5の飽和磁化の大きさで、その単位はCGS単位系で「emu/cm3」である。また、4πMsの単位は「G(ガウス)」、Hdの単位は「Oe」である。形状磁気異方性の異方性磁界は形式的にHdで表すことができる。
(3)逆磁歪効果による磁気異方性(磁気弾性効果による磁気異方性)
図4(a)および図4(b)は、図1の発電素子1のA-A’線切断面の一部を示した概略図である。コイル3および第2絶縁層6は省略し、基板2、第1絶縁層4および磁性膜5についてのみ図示している。図4(a)は、基板2に下から外力(図中矢印で表示)が加わり基板2が上に凸にたわんだ状態を模式的に示している。磁性膜5には、長手方向(x軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されている。また、図4(b)は、基板2に上から外力(図中矢印で表示)が加わり基板2が下に凸にたわんだ状態を模式的に示している。磁性膜5には、長手方向(x軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されている。
また、図5(a)および図5(b)は、図1の発電素子1のB-B’線切断面の一部を示した概略図である。図4(a)および図4(b)と同様に、コイル3および第2絶縁層6は省略し、基板2、第1絶縁層4および磁性膜5についてのみ図示している。図5(a)は、基板2に下から外力(図中矢印で表示)が加わり基板2が上に凸にたわんだ状態を模式的に示している。磁性膜5には、幅方向(y軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されている。また、図5(b)は、基板2に上から外力(図中矢印で表示)が加わり基板2が下に凸にたわんだ状態を模式的に示している。磁性膜5には、幅方向(y軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されている。
磁性膜5の磁歪定数をλ、応力をσとすると、逆磁歪効果による磁気異方性の強さは、3/2×λ×σで表される。逆磁歪効果による磁気異方性は、一軸磁気異方性として取り扱うことができる。
図4(a)および図4(b)では、外部応力の方向が磁性膜5の長手方向(x軸方向)であるから、σ>0(引張応力)、λ>0、あるいはσ<0(圧縮応力)、λ<0のとき、逆磁歪効果による磁気異方性の方向は磁性膜5の長手方向(x軸方向)である。また、σ>0、λ<0、あるいはσ<0、λ>0のとき、逆磁歪効果による磁気異方性の方向は磁性膜5の幅方向(y軸方向)である。
また、図5(a)および図5(b)では、外部応力の方向が磁性膜5の幅方向(y軸方向)であるから、σ>0、λ>0、あるいはσ<0、λ<0のとき、逆磁歪効果による磁気異方性の方向は磁性膜5の幅方向(y軸方向)である。また、σ>0、λ<0、あるいはσ<0、λ>0のとき、逆磁歪効果による磁気異方性の方向は磁性膜5の長手方向(x軸方向)である。
そして、逆磁歪効果による異方性磁界Hσの大きさは、Hσ=3×λ×|σ|/(4πMs)と表される。
(4)結晶磁気異方性
磁性膜5は20nm~1μm厚の薄膜である。磁性材料や下地層を適当に選択しまた成膜条件を工夫することによって結晶磁気異方性の影響を小さくでき、無視することができる。前述したように、磁性膜5がFeCo合金層を含む場合、Cu、Pd、Ni、Co、NiFe合金またはCoNi合金のような面心立方格子構造を持つ金属を、FeCo合金層の下地層として用いることで、FeCo合金層の結晶粒子サイズを小さくし結晶磁気異方性を小さくすることができる。
<3.発電の原理>
さらに、磁性膜5の磁化容易軸の方向が、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に平行な場合を例に、HkとHdの差の絶対値|Hk-Hd|とHσの大小関係から、磁性膜の磁化が変化することを説明し、発電素子の原理を説明する。
(1)Hk-Hd>0の場合
磁性膜5に外部応力が印加されていないとき、磁化は概ね磁性膜5の幅方向(y軸方向)を向き、磁性膜5は還流磁区構造をなしている。
磁性膜5のλがλ>0のとき、図4(a)のように磁性膜5の長手方向(x軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されると、あるいは図5(b)のように磁性膜5の幅方向(y軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されると、磁性膜5の長手方向(x軸方向)に逆磁歪効果による磁気異方性が発生する。そして、磁気異方性磁界Hσが増加してHk-Hd<Hσとなるとき、磁化は磁性膜5の長手方向(x軸方向)に回転する。
また、λ<0のとき、図4(b)のように磁性膜5の長手方向(x軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されると、あるいは図5(a)のように磁性膜5の幅方向(y軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されると、磁性膜5の長手方向(x軸方向)に逆磁歪効果による磁気異方性が発生する。そして、Hσが増加してHk-Hd<Hσとなるとき、磁化は磁性膜5の長手方向(x軸方向)に回転する。
よって、λの正負に係らず、磁性膜5に外部応力が印加されると磁性膜5の磁化が回転し、コイルに鎖交する磁束の変化を検出してコイルに誘起起電力が発生し発電が起きる。
(2)Hd-Hk>0の場合
磁性膜5に応力が印加されていないとき、磁化は磁性膜5の長手方向(x軸方向)を向き、磁性膜5は概ね単一の磁区構造をなしている。Hd-Hk>0の場合も、Hk-Hd>0の場合と同様、以下のように磁化回転が生じる。
すなわち、λ>0のとき、図4(b)のように磁性膜5の長手方向(x軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されると、あるいは図5(a)のように磁性膜5の幅方向(y軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されると、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に逆磁歪効果による磁気異方性が発生する。そして、Hσが増加してHk-Hd<Hσとなるとき、磁化は磁性膜5の幅方向(y軸方向)に回転する。このとき、磁性膜5は還流磁区構造を形成する。
また、λ<0のとき、図4(a)のように磁性膜5の長手方向(x軸方向)に引張応力(σ>0)が印加されると、あるいは図5(b)のように磁性膜5の幅方向(y軸方向)に圧縮応力(σ<0)が印加されると、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に逆磁歪効果による磁気異方性が発生する。そして、Hσが増加してHk-Hd<Hσとなるとき、磁化は磁性膜5の幅方向(y軸方向)に回転し、磁性膜5は還流磁区構造を形成する。
よって、Hd-Hk>0の場合も、磁性膜5に外部応力が印加されるは磁性膜5の磁化が回転し、コイルに鎖交する磁束の変化を検出してコイルに誘起起電力が発生し発電が起きる。
以上のように、基板2に外力が加わると、基板2がたわみ磁性膜5に引張応力または圧縮応力が印加され、磁性膜5内に歪みが生じて逆磁歪効果による磁気異方性が付与される。これにより、磁化回転が生じ、この磁化の変化によってコイルに誘起起電力が生じる。そして、発電素子1に連続的に振動が伝わり、また共振により振動が持続することによって、連続的に発電する。
さらに、第1の実施形態に係る発電素子1については、磁性膜5に付与される誘導磁気異方性のHkが大きい値であっても、例えば幅Wを狭くすることで反磁界Hdの値を大きくでき、HkとHdの差の絶対値|Hk-Hd|を小さくできる。これより、微小振動などにより小さい応力が印加される環境であっても、|Hk-Hd|<Hσを達成し磁化の回転を生じさせ、環境振動や音などの弱い振動や応力に対して高感度に発電することができる。
なお、環境振動や音などの実際の振動は、磁性膜の長手方向と幅方向にのみ応力が印加されるものではなくその方向および大きさは複雑なものである。しかし、長手方向と幅方向に成分を分解して考察すれば、前述した原理に基づき発電素子1に誘起起電力が生じ、環境振動や音であっても発電することを明らかである。
≪第2の実施形態≫
図6は、本発明の第2の実施形態に係る発電素子1の構成を示す平面概略図である。また、図7は、図6おけるC-C’線切断面概略図である。
第2の実施形態に係る発電素子において、基板2、コイル3、絶縁層4および6の構成、材料、製造方法ならびに発電の原理は、第1の実施形態に係る発電素子と同じである。コイル3に巻回される磁性膜5が複数枚あることのみが第1の実施形態に係る発電素子1と異なる点である。複数枚の磁性膜5のそれぞれの幅は同じである。図6および図7は、磁性膜5が複数枚ある例として、幅Wの磁性膜5が3枚ある場合を図示している。磁性膜5が複数枚あるので、コイルに鎖交する磁束は増え、コイルの誘導起電力が高くなるメリットがある。
なお、隣接する磁性膜間で静磁的カップリングが生じないよう、磁性膜と磁性膜の間の距離を離しておく必要がある。このため、隣接する磁性膜間の距離は、少なくとも磁性膜の膜厚tの5倍以上にすることが好ましい。
≪第3の実施形態≫
図8は、本発明の第3の実施形態に係る発電素子1の構成を示す平面概略図である。また、図9は、図8におけるC-C’線切断面概略図である。
第3の実施形態に係る発電素子において、基板2、コイル3、絶縁層4および6の構成、材料、製造方法ならびに発電の原理は、第2の実施形態に係る発電素子と同じである。第3の実施形態に係る発電素子は、第2の実施形態に係る発電素子と同様に磁性膜5が複数枚ある。しかし、第3の実施形態に係る発電素子の磁性膜5は、第2の実施形態に係る発電素子と異なり幅が全て同じではない。第3の実施形態に係る発電素子の磁性膜5の幅は複数種類ある。
図8および図9は、3枚の磁性膜5があるが、その幅がW1、W2およびW3(W1~W3はいずれも異なる)の3種類ある場合を例示している。この場合、それぞれの幅に応じてHdが異なるので、磁性膜5に外部応力が印加され|Hk-Hd|<Hσとなって磁化回転が生じる状態が3つあることになる。したがって、同じ幅の磁性膜5がある、第1および第2の実施形態に係る発電素子に比べ、第3の実施形態に係る発電素子は、応力の方向や大きさの変化に対して磁化回転が起きやすいというメリットがある。
なお、第2の実施形態に係る発電素子と同様に、隣接する磁性膜間の距離は、少なくとも磁性膜の膜厚の5倍以上にすることが好ましい。
上記各実施の形態では、発電素子1をフレキシブル基板2上に形成したが、基板の代わりに水等の溶剤に溶解する、例えば岩塩のような支持体(図示せず)上に上記と同様にして発電素子1を形成し、形成後、支持体を溶解除去することによって、基板を有しない発電素子1のみとして用いるようにすることもできる。
また上記各実施の形態では、磁性膜5の成膜時に、磁界中で成膜することによって、磁性膜5の幅方向に平行な方向に誘導磁気異方性を発生させて、一軸磁気異方性を付与した。この一軸磁気異方性の磁化容易軸は、磁性膜5の幅方向(y軸方向)に平行になるようにした。
しかしながら本発明においては、一軸磁気異方性の磁化容易軸は、必ずしも磁性膜5の幅方向(y軸方向)に平行でなくてもよく、磁性膜5の長手方向に交差する方向(y軸方向を含む)に平行であればよい。このように、磁化容易軸を長手方向に交差する方向に付与することによって、磁性膜5に外部応力が印加すると磁化が回転し、コイルに誘導起電力が発生し、発電が起こる。
図10は、基板2に10°ずつの角度をおいて放射状に磁性膜を形成し、この磁性膜を0°(または180°)の方向に磁化させて、カー効果により磁区構造を観察した結果を示す図である。図中、x方向が0°、y方向が90°である。
磁化させた方向に直交する方向(90°の方向)の磁性膜では、隣接する磁区において磁気モーメントの方向が互いに逆向きとなる還流磁区構造(多磁区構造)を形成する。磁化させた方向と平行な磁性膜(0°および180°)では、当然のことながら、磁気モーメントの方向が磁化させた方向を向く単磁区構造をなす。
発明者は、図10に示されるように、磁化の方向に対して50°から40°(130°から140°)の角度範囲の間における磁性膜において、多磁区構造から単磁区構造に急激に変移することに気づいた。すなわち、磁化の方向に対して50°(130°)の角度をなす磁性膜では多磁区構造が明らかであるのに対し、磁化の方向に対して40°(140°)の角度をなす磁性膜では両端部を除く中央部分で単磁区構造となっているのがわかる。
上記知見は、短冊状をなす磁性膜に、その長手方向に対して50°~40°(最適には45°)の角度で交差する方向に磁化させ、磁化容易軸を同方向に平行に付与することによって、磁性膜に僅かな外部応力が印加されることにより、磁化の方向が回転し、誘導起電力が発生し発電が起こることを示唆している。
≪第4の実施形態≫
発電素子1をセンサ(検出素子)として機能させることもできる。
本発明の第4の実施形態に係るセンサは、第1~第3のいずれかの実施形態に係る発電素子と、発電素子が出力する電力をもとに印加される力を検出する判断部とを備える。第4の実施形態に係るセンサによって、微弱な振動状態、例えば環境振動や音を含む空気振動、また微小な応力や歪などを検知することができる。
以下、実施例により本発明の効果、特に微弱な振動に対する発電を明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
図11(a)~図11(f)は、本発明に係る発電素子の作製プロセスを説明したものである。以下、図11(a)~図11(f)に対応して具体的にプロセス(a)~(f)を説明する。
(a)基板に厚さ85μmのポリイミド・フィルム(カプトン(登録商標)・フィルム)を使用し、フィルム表面にレジストを塗布し露光・現像によってコイル形状の溝を形成した。ポリイミド・フィルムのヤング率は5GPaである。
(b)次に、Ti(チタン)(10nm)/Cu(50nm)/Ti(10nm)をスパッタ成膜により順次積層し、その後リフトオフして第1導体層を形成した。
(c)さらに、レジストを塗布し露光・現像によってレジストを開口させSiO2(酸化シリコン)をスパッタ成膜しリフトオフして短冊状の第1絶縁層を形成した。
(d)そして、レジストを塗布し露光・現像によってレジストを開口させ、Co40Ni60(3nm)/Fe65Co35(30nm)/Co40Ni60(3nm)をスパッタ成膜により順次積層し、その後リフトオフして短冊状の磁性膜を形成した。Fe65Co35層下のCo40Ni60は下地層であり、Fe65Co35層上のCo40Ni60はキャッピング層である。磁性膜の幅は、第1絶縁層の幅より狭く、磁性膜は第1導体層と電気的に短絡していない。
(e)さらに、レジストを塗布し露光・現像によってレジストを開口させSiO2をスパッタ成膜しリフトオフして、短冊状の第2絶縁層を形成した。
(f)そして、Ti(チタン)(10nm)/Cu(50nm)/Ti(10nm)をスパッタ成膜により順次積層し、その後リフトオフして第2導体層を形成し、磁性層を周回するコイルを形成し、また、図10(f)の右上および左下に示すように出力検出用の電極パッドを形成して、発電素子を作製した。
なお(d)において、磁性膜のスパッタは、図12に示すように対向ターゲット方式により行った。2つのターゲットの裏に配置されている磁石からの漏れ磁界を利用し、基板に磁界を印加してCo40Ni60およびFe65Co35を順次磁界中で成膜した。印加磁界は基板表面上で約100Oeであった。Co40Ni60下地層には、その上に成膜されるFe65Co35の結晶粒を小さくし結晶磁気異方性を低減して保磁力Hcを小さくする効果がある。Fe65Co35の磁歪定数λは、λ≒5.8×10-5(正)である。
図13(a)および図13(b)は、Co40Ni60下地層の有無について磁性膜の磁気特性を示すMHカーブを比較したものである。(a)がFe65Co35(30nm)単層膜、(b)がCo40Ni60(3nm)/Fe65Co35(30nm)/Co40Ni60(3nm)を順次積層した膜である。図中、0°方向は成膜中の磁界方向であり、90°方向はこれに垂直な方向である。
図13(a)のFe65Co35(30nm)単層膜は、0°方向のHcが72Oe、90°方向のHcが77Oeであって共にHcが大きくほぼ磁気的に等方性の膜であった。一方、図13(b)の積層膜は、Co40Ni60下地層の効果によって、0°方向に一軸磁気異方性が付与され、90°方向のHcが小さくなっているのが分かる。0°方向のHcは17Oeと小さく、90°方向のMHカーブから、異方性磁界Hkは64Oeと見積もられる。
図14は、図11で説明したプロセス(a)~(f)により作製した発電素子の写真である。(d)において、短冊状の磁性膜の長手方向に直交する幅方向に磁界を印加して磁性膜を成膜し、磁性膜は、長手方向に直交する幅方向に磁化容易軸を有している。磁性膜の長手方向の長さは100μm、幅は9μmであった。コイルは18.5巻である。Fe65Co35の4πMsを23kG(2.3T)と仮定し、Fe65Co35膜内のHdを計算すると、Hd=77Oe近似できる。よって、HkとHdの差の絶対値|Hk-Hd|は、|Hk-Hd|=13Oeと小さい値であった。
作製した発電素子に50Ωの負荷抵抗を接続し、発電素子のコイルに誘発される電力出力波形をオシロスコープで観測した。図15は、スピーカーから発せられた3.7kHzの音波を発電素子に照射し、振動よって生じた発電素子の電力出力波形である。mVオーダーの出力が得られ、連続的に発電していることが分かる。発電素子の単位面積当たりの電力は、2μW/cm2であった。
図16(a)、16(b)は、発電素子のさらに他の実施例を示す写真である。
本実施例の発電素子は次の構造を有する。
1.コイル内に5本の磁性膜が平行に存在するようにした。
2.各磁性膜は、幅が約8μmで長さが約1600μmのアスペクト比が約200の細長い磁性膜とし、隣接する磁性膜間で静磁的カップリングが生じないよう、隣接する磁性膜間に十分大きな間隔があくようにした(図16(b))。また、各磁性膜は、磁性膜の長手方向に対して45°の方向に磁化容易軸を有するものに形成した。
3.コイルは、5本の磁性膜の長手方向の両端側領域上に、互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されるように形成した。この、コイルが磁性膜の長手方向の両端側領域上に互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されて形成されたものを単位素子とする。
4.本実施例では、上記単位素子を5個併設し、また、コイルは5個の単位素子の全体に亙って直列に接続された状態とし、コイルの両端部にそれぞれ端子を形成して発電素子に形成した(図16(a))。すなわち、コイルは一筆書き状に1本線で直列状態にしている。
本実施例の発電素子も、図11(a)~図11(f)のプロセスと同様のプロセスで作製した。
上記のように作製した発電素子に外部応力が印加されると、上記と同様にしてコイルに誘起起電力が発生し発電が起きる。
しかしながら、本実施例では、磁性膜をアスペクト比が約200の細長い磁性膜に形成している。このように細長い磁性膜の場合、外部応力が印加されて磁化が回転する場合、長さ方向全体に亙って直ちに回転するものではない。外部応力の印加のサイクルに遅れて磁化が回転するが、磁性膜が細長い場合、磁性膜の中途部に磁壁が生じ、磁性膜の両端側で磁化の方向が逆向きとなる可能性が大となる。このように磁化の向きが逆になると、コイル両端側で逆向きの誘起起電力が発生し、相殺され、キャンセルされてしまう事態が生じ、発電効率が逆に落ちることになる。このような現象が生じるのは、アスペクト比が概ね100より大きい細長い磁性膜の場合に起こると考えられる。
本実施の形態では、上記現象を考慮し、上記のように、各単位素子において、磁性膜の両端側領域でコイルが互いに逆方向に磁性膜を周回するように構成した。これにより、誘起起電力が相殺されることがなくなり、効率よく発電が可能となる。本実施例では、各単位素子で5本の磁性膜が存在し、また単位素子を5個併設したので大きな起電力を得ることができる。
図17は、図16の発電素子に起振器(図示せず)により外部応力を印加した際の電力出力波形である。図15に比して大きな起電力が得られているのがわかる。
1・・・発電素子
2・・・基板
3・・・コイル
4・・・第1絶縁層
5・・・磁性膜
6・・・第2絶縁層

Claims (6)

  1. 磁歪を有する短冊状の磁性膜と、
    前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、
    前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、
    前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、
    前記コイル内に前記磁性膜が複数あって、該磁性膜の幅が複数種類あること
    を特徴とする発電素子。
  2. 磁歪を有する短冊状の磁性膜と、
    前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、
    前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、
    前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、
    前記磁性膜が膜面内において前記磁性膜の長手方向に対して40°~50°の角度範囲内で交差する方向に磁化容易軸を有すること
    を特徴とする発電素子。
  3. 磁歪を有する短冊状の磁性膜と、
    前記磁性膜を周回する導体層からなるコイルと、
    前記磁性膜と前記導体層の間に設けられた絶縁層とを備え、
    前記磁性膜は膜面内において前記磁性膜の長手方向に交差する方向に磁化容易軸を有し、
    前記コイル内に前記磁性膜が複数あって、
    側面を介して隣接する前記磁性膜間の距離が前記磁性膜の膜厚の5倍以上であること
    を特徴とする発電素子。
  4. 前記磁性膜の長手方向と幅方向のアスペクト比が100よりも大きく形成され、
    前記コイルは、前記磁性膜の長手方向の両端側領域上に、互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されて形成されていること
    を特徴とする請求項記載の発電素子。
  5. 前記コイルが前記磁性膜の長手方向の両端側領域上に互いに逆方向に周回された状態で直列に接続されて形成された単位素子が、前記コイルが直列に接続された状態で複数個配列されたこと
    を特徴とする請求項記載の発電素子。
  6. 請求項1~いずれか1項記載の発電素子を備えるセンサ。
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