JP2017059591A - 磁気センサおよび磁気センサ装置 - Google Patents

磁気センサおよび磁気センサ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017059591A
JP2017059591A JP2015181117A JP2015181117A JP2017059591A JP 2017059591 A JP2017059591 A JP 2017059591A JP 2015181117 A JP2015181117 A JP 2015181117A JP 2015181117 A JP2015181117 A JP 2015181117A JP 2017059591 A JP2017059591 A JP 2017059591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
electrode
region
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2015181117A
Other languages
English (en)
Inventor
岩崎 仁志
Hitoshi Iwasaki
仁志 岩崎
喜々津 哲
Satoru Kikitsu
哲 喜々津
聡志 白鳥
Satoshi Shiratori
聡志 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015181117A priority Critical patent/JP2017059591A/ja
Publication of JP2017059591A publication Critical patent/JP2017059591A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

【課題】室温で動作可能でかつ微弱な磁界を検出することができる磁気センサおよび磁気センサ装置を提供する。【解決手段】本実施形態による磁気センサは、積層された複数の磁性層と、隣接する磁性層間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含む磁気抵抗膜と、前記磁気抵抗膜を間に挟む第1および第2電極と、を備え、前記複数の磁性層のうち、外部磁界によって磁化方向が変化する磁性層の合計の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記磁性層の幅をsとすると、t>sの関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気センサおよび磁気センサ装置に関する。
従来、生体から発生する磁界(周波数<1kHz)を計測する装置として、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)を有する磁気センサを用いた生体磁気計測装置が提案されている。この生体磁気計測装置においては、多数のSQUIDを有する磁気センサを配列させて生体磁気の計測に用いることで、脳磁図、心磁図等の2次元生体磁気情報を得ることができる。
SQUIDを有する磁気センサにより生体磁気計測を行うためには、上記磁気センサを液体ヘリウムなどの冷媒により超伝導状態に保つ。そのため、上記磁気センサは、冷媒が貯留されたデュワに内蔵され、この冷媒に浸漬された状態で計測に用いられる。このデュワの冷媒槽の外壁部の一部を、生体の計測対象の部位、例えば頭蓋に対応した形状に形成し、この外壁部の内側に多数の上記磁気センサを配列させて冷媒に浸漬し、外壁部の外側を生体に接触させる。これにより、多数の磁気センサを生体に対して一定の距離に近接させて計測し、脳磁図等を得ることができる。しかし、このSQUIDを有する磁気センサは、極低温状態に保つ必要があり、費用が高くなるという問題がある。
この問題を解決するために、第1の強磁性体(磁界検出層)と、第2の強磁性体(磁化固定層)と、前記第1の強磁性体と前記第2の強磁性体との間に設けられた中間層(酸化層)と、を有する積層構造を備え、この積層構造の膜面垂直方向に電流を通電する磁気抵抗効果素子を用いた、室温動作する磁気抵抗効果型センサが提案されている。この磁気抵抗効果センサでは、積層構造の膜面内に加わる磁界を検出する。
しかし、磁気抵抗効果型センサには以下のような課題がある。磁気抵抗効果型センサでは、生体磁気信号のようなピコテスラ(pT)級の超微弱な磁界を検出するためには、大きな抵抗変化率に加えて、磁界検出層の磁化を出来る限り小さな磁場で回転させることが要求される。微弱な磁界で磁界検出層の磁化が容易に回転するためには、飽和磁界Hsが小さく、且つ磁界検出層の膜面内で磁化方向の乱れがなく、均一に回転することが求められる。
磁化方向の乱れは、一般に、抵抗―磁界特性に保磁力Hcを発生させる。保磁力Hcが発生すると、微弱な磁界による磁化の回転を著しく阻害する。しかしながら、垂直通電型の磁気抵抗効果センサでは、微細化した磁性膜の端部面の磁化から発生する不均一な反磁界により保磁力Hcが増大するため、超微弱な磁界の検出が困難である。保磁力Hcの増大を抑制するには、磁気ヘッドの応用で知られているように、大きなバイアス磁界の面内付与が有効である。しかし、この場合、飽和磁界Hsがバイアス磁界程度となるので、やはり微小な磁界に適した高感度の磁界検出が阻害されてしまう。
特開平2−40578号公報
Japanese Journal of Applied Physics 52 (2013) 04CM07
本実施形態は、室温で動作可能でかつ微弱な磁界を検出することができる磁気センサおよび磁気センサ装置を提供する。
本実施形態の磁気センサは、積層された複数の磁性層と、隣接する磁性層間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含む磁気抵抗膜と、前記磁気抵抗膜を間に挟む第1および第2電極と、を備え、
前記複数の磁性層のうち、外部磁界によって磁化方向が変化する磁性層の合計の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記磁性層の幅をsとすると、
t>s
の関係を満たす。
第1実施形態による磁気抵抗効果型センサを示す断面図。 第1実施形態の磁気抵抗効果型センサにおける磁性層の形状の一例を示す図。 第1実施形態の磁気抵抗効果型センサにおける磁性層の形状の一例を示す図。 第1実施形態の磁気抵抗効果型センサにおける磁性層の形状の一例を示す図。 第1実施形態の磁気抵抗効果型センサの動作を説明する図。 第1実施形態の磁気抵抗効果型センサの実施例1乃至実施例4および比較例における特性を示す図。 第2実施形態による磁気抵抗効果型センサを示す断面図。 第2実施形態の磁気抵抗効果型センサに用いられる一磁性層の構成を示す断面図。 第2実施形態の磁気抵抗効果型センサの動作を説明する図。 第3実施形態による磁気抵抗効果型センサを示す断面図。 第3実施形態の第1変形例による磁気抵抗効果型センサを示す断面図。 第3実施形態の第2変形例による磁気抵抗効果型センサを示す断面図。 第4実施形態による生体磁気センサを示す断面図。 第5実施形態による生体磁気センサを示す断面図。 第5実施形態による生体磁気センサを示す上面図。 第5実施形態の一変形例による生体磁気センサを示す断面図。 第6実施形態におけるシミュレーション結果を示す図。 第6実施形態におけるシミュレーション結果を示す図。 第6実施形態の一変形例におけるシミュレーション結果を示す図。 第7実施形態による生体磁気センサ装置を示すブロック図。 生体磁気センサの検出信号に、時間的に変動するノイズが加わっている状態を示す波形図。 印加する電流をAC電流とした場合における生体磁気センサの検出信号を示す波形図。 生体磁気センサの検出信号をロックインアンプ240を介して検出した波形図。 第6実施形態で示したモデルにおける磁界−抵抗特性を示す図。 図20Aに示すグラフを直線近似し、各磁界において近似直線からのずれを%で示した図。 印加電流値に対する磁気抵抗の直線性をLLGシミュレーションで調べた結果を示す図。 図21Aに示すグラフを直線近似し、各電流値において近似直線からのずれを%で示した図。
以下に図面を参照して実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態による生体磁気センサについて図1を参照して説明する。この第1実施形態の生体磁気センサは磁気抵抗効果型センサを有し、この磁気抵抗効果型センサの断面を図1に示す。この実施形態の磁気抵抗効果型センサ1は、図示しない基板上に、下電極11、下地層12、MR膜(磁気抵抗膜)13、キャップ層14、および上電極15が、この順序で積層された積層構造を有している。MR膜13は、磁性層13と非磁性層13とを交互に複数回繰り返して積層した構造を有している。なお、MR膜13の最下層と最上層はそれぞれ、磁性層13である。
基板としては、Si基板などが用いられるが、特に限定されるものではない。下地層12としては、その上に設けられるMR膜13の結晶成長に適した、Ta、Cu、Ru、Agなどが用いられる。
磁性層13としては、例えば3層積層構造を有し、非磁性層13と接する側の磁性層としては、1nm〜4nmの厚さを有するホイスラー合金、またはFeCo合金のような高スピン分極材料が用いられる。中間の磁性層としては、低い保磁力Hcを有する軟磁性材料であるNiFe、またはアモルファス合金(CoZrNbなど)が用いられる。すなわち、磁性層13は、高スピン分極材料層/軟磁性材料層/高スピン分極材料層からなる積層構造を有する。高スピン分極材料が良好な軟磁性を有する場合は、磁性層13は高スピン分極材料層であってもよい。薄い磁性層13を用いると、磁気センサ1における、非磁性層13との界面数が増加して、磁気センサ1の抵抗変化量が増大し、かつ出力が増大するので好ましい。しかし、磁性層13の厚さが3nmより薄いと磁性層13のスピン分極が低下するので好ましくない。複数の磁性層13の厚みは、厚い層、薄い層の交互積層、すなわち隣接する磁性層間では厚みが異なってもよい。また、隣接する磁性層間で異なる材料を用いても良い。非磁性層13としては、Cu、Ag等の磁気抵抗効果の発現に適した金属層を用い、非磁性層13を介して隣接する磁性層13間に反強磁性的な磁気結合を生じる厚みが用いられる。成膜条件などに依存して、非磁性層13の厚みは変化するが、概略、非磁性層13の厚みとして2nm前後、あるいは1nm前後で反強磁性的結合を生じる。
本実施形態における磁気センサ1は、下電極11上に、下地層12,MR膜13、キャップ層14が積層された後、下地層12,MR膜13、およびキャップ層14は、エッチングにより、パターニングされる。図示しない基板上から見た、磁性層13のエッチング直後の形状を図2A乃至図2Cに示す。MR膜13は、図2Aに示すように円形、図2Bに示すように中央を絶縁体8としたトーラス形、図2Cに示すように多角形などの形状にパターニングされる。
磁性層13の面内サイズ(幅)sを、円形状では直径、トーラス形状では磁性体の外周直径、四角形では対角線、多角形では最も長い対角線と定義する。本実施形態においては、この幅sと、MR膜13における磁性層13の合計の厚みtとの関係は、t>sの関係にある。
従来の垂直通電型の磁気抵抗効果型センサでは、磁性層13の合計の厚みtは、磁性体の面内サイズsに比べて遙かに小さい。この従来の磁気抵抗効果型センサでは、膜面内に磁化方向が安定であり、膜面内方向の磁界による磁化回転により磁界を検出する。しかし、この従来の磁気抵抗効果型センサでは、膜面に垂直方向には、磁化の回転が困難となる。すなわち、膜面に垂直方向の磁界の検出が困難となる。
これに対して、本実施形態においては、t>sの関係を満たす。このため、膜面に垂直方向への磁化の回転が容易となり、膜面に垂直方向の磁界の検出が可能となる。更にLLG(Landau-Liftshitz-Gilbert)シミュレーションなどにより磁化回転の挙動を調べたところ、膜面に垂直に通電することによるセンス電流によって発生する磁界は膜面内で渦状に加わるので、磁性層のエッジ部の端面での反磁界の発生を抑制することができた。このため、膜面に垂直方向の外部磁界がゼロの条件では、磁性層13の磁化は、膜面に垂直な方向から面内に向けて傾き、図2A乃至図2Cに示すように、電流によって発生する磁界に沿った渦状面内成分が発生して、面内エッジ端面に磁極が発生するのを抑制することができる。図2A乃至図2Cでは、渦状に配列した磁化の向きを矢印で示した。
なお、図示していないが、外部磁界が無いときに、磁性層13の磁化を膜面に垂直方向に若干傾けるために、磁性層13の一部に垂直異方性磁界を有するバイアス磁界を付与する膜を設けることが望ましい。バイアス磁界を付与する膜としては、CoFeとNiを交互に積層した多層膜、CoとPtを交互に積層した多層膜、あるいはCoとPdを交互積層した多層膜が用いられる。このバイアス磁界を付与する膜は、例えば、下地層14と磁性層13との間に設けられる。
(動作)
次に、第1実施形態の磁気抵抗効果型センサの動作について図3を参照して説明する。
図3に示すように、膜面垂直方向に磁界が加わると、磁性層13の磁化方向が膜面に垂直な方向に容易に回転して、非磁性層13を介して隣接する磁性層13の磁化方向との成す角度が変化する。例えば、検出磁界が0の場合は、非磁性層13を介して隣接する2つの磁性層13間の磁化方向の成す角度は、図3の中央に示すようになる。検出磁界が負の場合は、非磁性層13を介して隣接する2つの磁性層13間の磁化方向の成す角度は、図3の左側に示すようになる。検出磁界が正の場合は、非磁性層13を介して隣接する2つの磁性層13間の磁化方向の成す角度は、図3の右側に示すようになる。
センス電流を膜面に垂直方向に流して、MR膜13の検出磁界に対する抵抗変化を下電極11と上電極15との間の電圧変化として得ることができ、この電圧変化を出力とする。ここで、磁性層13の幅sが100nm以下になると、磁化のスムーズな渦状回転が交換結合のために困難となるので、保磁力Hcが発生し易くなる。従って、s>100nmであることが好ましい。
膜面に垂直方向の磁界を加えた場合に、膜面に垂直方向に磁化が揃う磁界強度Hsと、磁性層13の合計の厚みtおよび磁性層の面内サイズsとの関係を,磁性層13の面内形状が円形である場合についてシミュレーションした結果を図4に示す。このシミュレーションでは、飽和磁化はCoFeMnGeホイスラー合金などが示す800emu/ccとした。実施例1では、sは0.5μm、tが0.5μmであり、飽和磁界Hsは2000Oeであった。実施例2では、幅sが0.5μm、厚さtが1.0μmであり、飽和磁界Hsは1000Oeであった。実施例3では、幅sが0.5μm、厚さtが2.0μmであり、飽和磁界Hsは500Oeであった。実施例4では、幅sが0.5μm、厚さtが5.0μmであり、飽和磁界Hsは200Oeであった。また、比較例では、幅sが0.5μm、厚さtが0.01μmであり、飽和磁界Hsは10000Oeであった。
比較例の磁気抵抗効果センサにおいては、t/s=0.02(s=0.5μm、t=0.01μm)であり、飽和磁界Hsは10kOeとなる。すなわち、比較例の磁気抵抗効果型センサでは微小磁界の検出には不適当となる。しかし、実施例1乃至実施例4に示すように、t/sが1から10に増大すると、飽和磁界Hsは2kOeから200Oeに低下する。t/sを1以上とすることにより飽和磁界Hsを大幅に低減することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の生体磁気センサは、磁気抵抗効果型センサであるので、室温で動作可能であり、微弱な磁界を検出することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による生体磁気センサについて図5を参照して説明する。この第2実施形態の生体磁気センサは磁気抵抗効果型センサを有し、この磁気抵抗効果センサの断面を図1に示す。この第2実施形態の磁気抵抗効果型センサは、図1に示す第1実施形態の磁気抵抗効果型センサにおいて、MR膜13をMR膜13Aに置き換えた構成を有している。
このMR膜13Aは、磁性層1311と磁性層1312とが非磁性層13を介して積層されたユニットを備えている。そして、図5に示すように、上記ユニットが複数組積層された構造を有していても良い。上記ユニットは、磁性層1311、非磁性層13、および磁性層1312との順序で積層されるが、逆の順序で積層してもよい。すなわち、磁性層1312、非磁性層13、および磁性層1311の順序で積層してもよい。膜面内の形状は、図2と同様である。
磁性層1312は、図6に示すように、良好な軟磁性を有する厚い磁性層1312aと、磁気抵抗効果を発現する磁性層1312bとの積層構造を有している。磁性層1312bに接した非磁性層13は、第1実施形態と同様に、メタル系材料でもよいが、MgOなどの酸化層を用いてもよい。ここで、磁性層1312の合計厚みtは、第1実施形態で説明したサイズsと、s≦tの関係とする。
磁性層1311の磁化は、膜面垂直方向に固定される。そのために、磁性層1311としては、垂直異方性磁化を有する磁性層が用いられる。例えば、CoFe層とNi層、Co層とPt層、あるいはCo層とPd層を交互積層した多層膜が用いられる。薄い非磁性層13との界面には、FeCoまたはホイスラー合金のような高スピン分極を有する磁性層を挿入して高MR比を維持することが好ましい。なお、非磁性層13としてMgOを用いる場合には、磁性層1311としては、MRAMで開発されている垂直異方性磁化を有する磁性材料を用いてもよい。例えば、極薄のCoFeBなどが用いられる。
(動作)
次に、第2実施形態の磁気抵抗効果型センサの動作について図7を参照して説明する。図7は、第2実施形態の磁気抵抗効果型センサにおける抵抗変化(出力電圧)と検出磁界(膜面に垂直方向の磁界)との関係を示す。検出磁界がない場合では、磁性層1311は膜面に垂直方向に磁化が配列し、磁性層1312は膜面内方向に磁化が配列して、両磁性層の磁化方向は直交する関係となる(図7の中央に示す図)。正の外部磁界、すなわち磁性層1311の磁化と同方向の磁界が加わると、磁性層1312の磁化が磁性層1311方向に回転して磁性層1311の磁化との成す角度は小さくなり抵抗が減少する(図7の右側に示す図)。負の外部磁界、すなわち磁性層1311の磁化と逆方向の磁界が加わると、磁性層1312の磁化は磁性層1311の磁化と反対方向に回転して、磁性層1311との成す角度は大きくなり抵抗が増大する。一方、磁性層1312の磁化が膜面内で回転変化しても、磁性層1311と成す角度は変化しない。センス電流を膜面に垂直方向に流して、MR膜13Aの検出磁界に対する抵抗変化を下電極11と上電極15との間の電圧変化として得ることができ、この電圧変化が出力となる。
この第2実施形態も第1実施形態と同様に、微弱な磁界を検出することができる。
以上説明したように、本実施形態の生体磁気センサは、磁気抵抗効果型センサであるので、室温で動作可能であり、微弱な磁界を検出することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態による生体磁気センサについて図8を参照して説明する。この第2実施形態の生体磁気センサは磁気抵抗効果型センサを有し、この磁気抵抗効果センサの断面を図8に示す。
この第3実施形態の磁気抵抗効果型センサは、MR膜13として、垂直磁化を有する磁性層1311と、磁性層1312と、磁性層1311と磁性層1312との間に設けられた非磁性層13と、からなるユニットを備え、磁性層1312は、第2実施形態で説明した場合と同様に、磁性層1312aと、磁性層1312bとの積層構造を有している。そして、第3実施形態においては、第2実施形態と異なり、磁性層1312aが下電極11の凹部内に埋め込まれた構成を有している。下電極11に設けられた凹部は、開口部の直径が底部の直径よりも小さく、下電極11の上面に平行な断面の直径が開口部から底部に向かって直線的に増大する構造を有している。したがって、下電極11内に埋め込まれた磁性層1312aは、最上部の直径が最下部の直径よりも小さく、最上部から最下部に向かって断面の直径が直線的に増大する構造を有している。
下電極11および磁性層1312aの形成は、以下のように行われる。まず、磁性層1312aとなるNiFeなどの磁性材料を、CuまたはRuなどからなる非磁性材料の下層部の上に成膜し、上記磁性材料を磁性層1312aの平面形状となるようにパターニングする。その後、パターニングされた磁性層1312aの側部をCuまたはRuなどで覆い、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化することにより形成する。磁性層1312aの下層部および側部が、CuまたはRuなどからなる下電極となる。なお、上記磁性材料をテーパ状にエッチすることにより、上部において、パターニングの幅が狭まる台形状に加工する。
磁性層1312a上に磁性材料層1312b、非磁性材料層13,垂直磁化を有する磁性材料層1311、キャップ層14を順次成膜し、これらの積層膜をパターニングすることにより、MR膜を形成する。その後、上電極15を形成し、磁気抵抗効果型センサを完成する。
第3実施形態においては、磁性層1312aと磁性層1312bは、第2実施形態の場合と異なり、分割してパターニングされるのでパターニングサイズは異なる。MRを発現する磁性層1312bの垂直磁界方向の磁化の回転により出力を得るので、第3実施形態においては、磁性層の面内サイズsは磁性層1312bの幅となる。
磁性層1312aおよび磁性層1312bを一括してエッチングして幅を規定すると、厚みtが幅sよりも大きい場合には、磁性層1312のエッチングが困難になる。しかし、本実施形態のように、磁性層1312aを磁性層1312bと分離形成することにより、幅が広く厚い磁性層1312aを形成することが可能となるとともに、薄く幅の狭い磁性層1312bを形成することが容易となる。このため、厚みtと、狭い幅sを有する磁性層1312を実現することができる。例えば、磁性層1312aの厚みを5μm、磁性層1312bの幅sを0.5μmとした形状の作製が容易となる。なお、磁性層1312aと磁性層1312bは直接接することが望ましい。しかし、磁性層1312bの結晶性改善のために、幅sよりも十分小さな数nm厚の非磁性層を挿入してもよい。
(第1変形例)
図8では磁性層1312aの側面がテーパ形状であったが、磁性層1312aは、図9に示す第1変形例のように、下部ほど幅の広がりが顕著となる形状としてもよい。
(第2変形例)
図10に第3実施形態の第2変形例による磁気抵抗効果型センサの断面を示す。この第2変形例の磁気抵抗効果型センサは、第3実施形態の磁気抵抗効果型センサにおいて、上電極15に埋め込まれた磁性層1313を更に備えた構成を有している。この磁性層1313としては、下面の幅が狭く、上面の幅が広い、逆テーパ構造を有していることが望ましい。この場合、磁性層1313の形成は、絶縁フレーム(レジスト、あるいはアルミナなど)を用いてメッキによりNiFeなどを埋め込む製法が適する。
第3実施形態およびその変形例によれば、第2実施形態と同様に、室温で動作可能で、かつ微弱な磁界を検出することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態による生体磁気センサについて図11を参照して説明する。この第4実施形態の生体磁気センサの断面を図11に示す。
この第4実施形態の生体磁気センサは、第1乃至第3実施形態およびそれらの変形例のいずれかの生体磁気センサと、下電極11の下方に設けられた磁気ヨーク31と、上電極15の上方に設けられた磁気ヨーク32と、を有している。磁気ヨーク31、32はそれぞれ、例えば、図9に示す磁性層1312aと同じ形状を有している。
磁気ヨーク31、32は、磁気センサ部で磁気ヨークの断面積が狭まる構造からなり、両サイドには、磁気ヨーク31、32を支持する非磁性の支持体(図示せず)を設ける。磁気ヨーク31、32としては、例えば、良好な軟磁性を有するアモルファス合金(CoZrNbなど)、NiFe合金が用いられる。磁気ヨーク31、32は磁気センサ部と別途に作製して、磁気センサ部と貼りあわせてもよい。
第4実施形態においては、図8に示す第3実施形態または図9に示す第1変形例と異なり,磁気センサ部と、磁気ヨーク31、32それぞれとの間には厚い電極11、15が存在する。この場合も、第1実施形態で説明した場合と同様に、MR膜13内でt>sとなるようにする。磁気ヨーク31、32により検出磁界が収束して、実質的に検出磁界が増幅するために、微弱な検出磁界が更に容易となる効果がある。
この第4実施形態も第1乃至第3実施形態と同様に、室温で動作可能で、かつ微弱な磁界を検出することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態による生体磁気センサについて図12および図13を参照して説明する。この第5実施形態の生体磁気センサの断面を図12に示す。
この生体磁気センサは、図12に示すように、複数のMR膜13を複数の下電極11と複数の上電極15を用いて直列に接続した構成を有している。各MR膜13は、第1乃至第4実施形態で説明したMR膜が用いられる。1つの下電極11と1つの上電極15とが一部の領域で重なるように、複数の下電極11と、複数の上電極15を互い違いに配置し、1つの下電極11と1つの上電極15とが重なる一部の領域にMR膜13を設けてこのMR膜13に上記1つの下電極と上記1つの上電極15とが接続するようにする。すなわち、端部を除いて、下電極11上に2つのMR膜13を設け、上電極15の下に2つのMR膜を形成して、下電極11と上電極15は互い違いに配置することで、MR膜13を直列に接続する。すなわち、第5実施形態の生体磁気センサは、上記1つの下電極と、上記1つの上電極15と、上記重なる一部の領域に設けられたMR膜13とが1つの磁気センサを構成し、この磁気センサが直列に接続された構成を有している。
図13に基板面上から見た2次元平面に配列された磁気センサの配列を示す。各行ごとに、横方向には直列に下電極11と上電極15によって磁気センサが配列結合され、隣接行では上電極15または下電極11間が接続することにより、2次元平面的に、列数×行数の直列接続が可能となる。
MR膜13を構成する非磁性層13が金属の場合、単一のMR膜13の抵抗は小さいが、磁気膜を10×10〜100×100程度、直列に接続により、高感度化に適した100Ω〜5000Ωのセンサ抵抗の増大を実現することができる。非磁性層13としてMgO層を用いた場合には、多数個の磁気センサの平均化作用により1/fノイズの低減効果が期待できる。
図14に、図12において下電極11を磁性層1312aにて置き換えた変形例を示す。この変形例においては、MR膜13として、図8に示す第3実施形態で説明した磁性層1312a、磁性層1312b、非磁性層13、および磁性層1311が積層された積層構造が用いられる。このように構成することにより、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。図12、13に示す磁気抵抗効果型センサに第4実施形態で説明した磁束を集中するガイドとなる磁気ヨーク31、32を加えても良い。磁束集中ガイド31、32の内に直列に接続された磁気センサすべてを配置することで、磁束集中の効果を追加することができる。
この第5実施形態も、第1乃至第4実施形態と同様に、室温で動作可能で、かつ微弱な磁界を検出することができる。
(第6実施形態)
第2実施形態の磁気抵抗効果型センサの原理の確認のためのLLGシミュレーションを行った。この結果を第6実施形態として説明する。
図15の右側に示すように、シミュレーションのモデルとしては、厚さが20nmの垂直磁化層1311/厚さが10nmのCu層13/厚さが20nmの軟磁性層1312からなる3層構造を有する膜で、直径が500nmの円柱形状のものを用いた。
垂直磁化層1311の飽和磁化は800emu/cc、垂直磁気異方性は6Merg/cc、軟磁性層1312の飽和磁化は800emu/cc、面内磁気異方性は1kerg/ccとした。このモデルを一辺10nmの立方体メッシュで区切り、メッシュ間の交換結合定数を1μerg/cmとして、LLGシミュレーションを行った。垂直磁化層1311、軟磁性層1312ともに、膜厚方向にメッシュ二個分に分割がされており、各層の面内の磁化分布も計算できるようにした。円柱に対し、膜厚方向に0〜100mAのDC電流を流した。外部磁界は膜厚方向に印加した。
なお、計算時間が膨大になるため、モデルは幅sが500nm、厚さtが20nmの条件、すなわち、s>tとなってしまっているが、磁化の動きの原理はs<tの場合も同様である。s>tとなっている影響は感度の逆数Hsが大きくなることであり、前述のように、s<tとすることで飽和磁界Hsが低減し感度が向上する。従って、この実施形態における計算結果は、s<tとすることで磁化の動きは同様であるが感度が向上すると考えればよい。
図15の左上および左下に垂直磁化層1311と軟磁性層1312のそれぞれとCuからなる非磁性層13側の部分の磁化状態を示す。各メッシュにおける磁化の向きを矢印で示したものである。外部磁界1kOe、電流20mAを印加している。図15から明らかなように垂直磁化層1311は垂直方向に磁化が向いており、軟磁性層1312は渦巻き状の磁化状態が実現されている。
上記モデルにおける磁気抵抗の外部磁界の依存性を図16に示す。図16からわかるように、電流の値によらず、外部磁界−抵抗の特性が非常に良い直線性を示すことがわかる。このことは、1Oeを切るような非常に微弱な磁界であっても、SN比がよい検出ができることを示すものである。ただし、飽和磁界Hsが10kOeと非常に大きいために感度自体は良くない。これは軟磁性層1312の反磁界によるものであり、前述のように、第1乃至第5実施形態において必要とされる条件であるs<tとなるように設計することで直線性を保ったまま感度(磁界当たりの抵抗変化)を大きくすることができる。実際、LLGシミュレーションの結果、この構造を20回繰り返すことで、幅sが500nm、厚さtが100nmとなり、飽和磁界Hsが6kOe程度に低下し、抵抗変化率が2倍弱向上することが確かめられている。なお、s<tとすることでさらに感度は向上する。
図17に、磁性層がトーラス形状の場合の磁化状態のシミュレーション結果を示す。図17は、上記のモデルで内径200nmの空隙を開け、外部磁界がゼロで50mAの電流を印加した状態での軟磁性層1312の非磁性層13側の層の磁化状態を示している。中央に空隙があるにも関わらず、図15とほとんど同じ円環状の磁化状態が形成できているのがわかる。この磁化状態が形成されたということは、図16に示す場合と同様な磁界−磁気抵抗特性が得られることを意味する。このように、中央部に円形の空隙がある形状でも、第2実施形態による生体磁気センサはその効果を発揮することがわかる。
(第7実施形態)
第7実施形態による生体磁気センサ装置について図18乃至図21Bを参照して説明する。この第7実施形態の生体磁気センサ装置を図18に示す。この生体磁気センサ装置は、第1乃至第5実施形態のいずれかの生体磁気センサ1と、DC電流源200と、AC電流源220と、ロックインアンプ240と、を備えている。この第7実施形態の生体磁気センサ装置は、生体磁気センサ1をより高感度、すなわち低ノイズで検出することができる装置である。
生体磁気センサ1に印加する電流をAC電流とし、出力電圧、すなわち抵抗変化をAC電流源220からの参照信号に基づいてロックインアンプ240で検出する。これにより、生体磁気センサ1の出力に外乱ノイズや1/fノイズが載っている場合においても、そのノイズを除去することが可能となり、高いSN比で出力信号を得ることができる。
その模式図を図19A乃至図19Cに示す。図19Aは点線で示される生体磁気センサ1の検出信号(磁界信号)に、時間的に変動するノイズ(実線)が加わっている状態を示す。この状態では信号は完全にノイズに埋もれているので、検出することはできない。しかし、印加する電流をある周波数のAC電流とすると、検出信号(磁界信号)は図19Bに示す点線のように、その周波数で振動する信号となる。この場合も、検出信号はノイズよりも小さいが、これをロックインアンプ240で検出する、すなわち、駆動電流の周波数のバンドパスフィルターを通して検出すると、そのスペクトルは図19Cに示すようになる。図19Bの実線で示されるノイズは振幅は大きいがその周波数は一定しておらず、スペクトル強度としては小さい。しかし、検出信号は一定の周波数なので、図19Cに示すように強いスペクトルを持ち、そのために、高いSN比で検出することができるのである。
脳磁計や心磁計の場合、検出する信号は帯域が決まっているので、その帯域の最大周波数よりも高い、例えば10倍の周波数のAC電流を印加することで、高いSN比で脳磁信号または心磁信号を得ることができる。
印加するAC電流はDCバイアスを付与していても良い。このためには図18に示すように、DC電流源200を更に設ければよい。DCバイアスを付与することで、軟磁性層の磁化は向きの逆転が起こらずに振動させることができる。例えば+1°から−1°の振動を+5°から+6°の振動とすることができる。これにより、弱いヒステリシスが存在する場合にはその影響を小さく抑えることができ、最もSN比が高く検出できる電流での動作が可能になって好ましい。ただし、回路構成が複雑になる欠点がある。
この検出法の高いSN比を確認するために、LLGシミュレーションを行った。図20Aに第6実施形態で示したモデルでの磁界−抵抗特性を示す。電流が−80mA〜+80mAの範囲で、磁界が±100Oeの範囲で非常に良い直線性を示している。直線性を図20Bに示す。図20Bは、図20Aに示すグラフを直線近似し、各磁界において近似直線からのずれを%で示した図である。図20Bからわかるように、±100Oeの測定磁界の範囲において、直線性は0.003%以内に収まる。このことは、この生体磁気センサは100Oeを測定している場合に、その0.003%である3000nT(ナノテスラ)程度の最小分解能を持つ、ということを意味している。直線性はより小さい磁界でも同程度であり、ナノテスラ(nT)のレンジの磁界測定が十分に期待できることがわかる。
この図20Bに示す直線性のずれは、s>tに起因するヒステリシスが原因である。これは、図20Bにおいて、正磁界→負磁界のラインと負磁界→正磁界のラインが大きくずれていることからわかる。
第1乃至第6実施形態で説明したように、s<tとすることで、感度が向上する効果に加えて直線性も向上することが期待される。この図20Bからわかるように、±50Oeの範囲における40mAの場合を見ると、直線性は一桁以上良いことから、適切な電流を選ぶことでs<tの条件によって数桁の直線性向上が期待することができる。ただし、この結果は、センサとしての検出ポテンシャルを示すものであって、実際には外乱などからのノイズが信号に重畳される。従って、このポテンシャルを十分に発揮するにはこのノイズを除去することが望ましい。そのために本実施形態においては、ロックインアンプ240を用いてノイズを除去している。このノイズを除去するロックインアンプ240は、電流をAC駆動させた場合に出力が電流値に比例して増加する、すなわち交流波形が歪まないことが前提である。
そこで、印加電流値に対する磁気抵抗の直線性をLLGシミュレーションで調べた。その結果を図21A、図21Bに示す。モデルは図20A、図20Bの場合と同じモデルを用いた。図21Aは外部磁界が20Oeである場合と100Oeである場合の、印加電流に対する抵抗の変化をプロットしたものである。図21Aからわかるように、±80mAの範囲で良い直線性があることがわかる。その直線性をプロットしたのが図21Bに示す。この結果より、±80mAのAC電流駆動では直線性は0.008%であり、図20Bに示した生体磁気センサ1の性能ポテンシャルを劣化させることになる。しかし、±20mAとすると0.002%程度となって生体磁気センサ1のポテンシャルを削がずにノイズを除去することができる。
さらに、DCバイアス電流として−20mAを印加し、そこに±10mAのAC電流を重畳するようにすれば直線性は0.001%に低下することができる。AC電流の振幅は、ロックイン検出できる範囲であれば小さくすることもできるので、例えば、−20mA±2mAとすることで、さらに桁違いの直線性の改善をすることができる。このように、DCバイアスやAC電流の振幅を適切に選ぶことで、直線性を向上させることができる。DCバイアスやACの電流の値は周辺回路やノイズ状況などに依存するので、システムが完成した後で設計すればよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 磁気抵抗効果型センサ(生体磁気センサ)
8 絶縁体
11 下電極
12 下地層
13 MR膜
13A MR膜(磁気抵抗膜)
13 磁性層
1312 磁性層
1312a 磁性層
1312b 磁性層
13 非磁性層
1313 磁性層
14 キャップ層
15 上電極
31 磁気ヨーク
32 磁気ヨーク
200 DC電流源
220 AC電流源
240 ロックインアンプ

Claims (17)

  1. 積層された複数の磁性層と、隣接する磁性層間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含む磁気抵抗膜と、
    前記磁気抵抗膜を間に挟む第1および第2電極と、
    を備え、
    前記複数の磁性層のうち、外部磁界によって磁化方向が変化する磁性層の合計の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  2. 前記隣接する磁性層は、前記非磁性層を介して反強磁性的結合をする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記磁性層は、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における形状は、円形、トーラス形状、および多角形のうちのいずれかである請求項1または2記載の磁気センサ。
  4. 前記磁性層は、前記積層構造の積層方向に垂直な方向の磁化を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気センサ。
  5. 前記磁性層は、第1磁性層と、第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられ軟磁性層と、を備え、前記第1および第2磁性層は、ホイスラ−合金またはFeCo合金のいずれかを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気センサ。
  6. 膜面垂直方向に磁化が固定された第1磁性層と、外部磁界を検知して磁化が回転する第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含む磁気抵抗膜と、
    前記磁気抵抗膜の前記第1磁性層側に設けられた第1電極と、
    前記磁気抵抗膜の前記第2磁性層側に設けられ、前記第1電極との間に前記磁気抵抗膜を挟む第2電極と、
    を備え、
    前記第2磁性層の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記第1磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  7. 前記第1および第2磁性層は、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における形状は、円形、トーラス形状、および多角形のうちのいずれかである請求項6記載の磁気センサ。
  8. 前記第2磁性層は、第3磁性層と、前記第3磁性層よりも厚さが薄い第4磁性層との積層膜である請求項6または7記載の磁気センサ。
  9. 膜面垂直方向に磁化が固定された第1磁性層と、外部磁界を検知して磁化が回転する第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含む磁気抵抗膜と、
    前記磁気抵抗膜の前記第1磁性層側に設けられた第1電極と、
    前記磁気抵抗膜の前記第2磁性層側に設けられ、前記第1電極との間に前記磁気抵抗膜を挟む第2電極と、
    を備え、前記第2磁性層は、第3磁性層と、前記第3磁性層よりも厚さが薄く幅が狭い第4磁性層との積層膜であり、
    前記第2磁性層の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記第4磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  10. 前記第1および第2磁性層は、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における形状は、円形、トーラス形状、および多角形のうちのいずれかである請求項9記載の磁気センサ。
  11. 前記第1電極に埋め込まれた第5磁性層を有し、前記第5磁性層は、前記第1電極の前記第2電極に対向する第3面から前記第3面に対向する第4面に向かう方向に、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における幅が増大する部分を含む請求項9または10記載の磁気センサ。
  12. 前記第1電極に対して前記磁気抵抗膜と反対側に設けられた第1磁気ヨークと、
    前記第2電極に対して前記磁気抵抗膜と反対側に設けられた第2磁気ヨークと、
    を更に備えて請求項1乃至11のいずれかに記載の磁気センサ。
  13. 第1領域を有する第1電極と、
    前記第1領域と重なる第2領域と、前記第2領域と異なる第3領域と、を有する第2電極と、
    前記第3領域と重なる第4領域とを有する第3電極と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1電極に接続された第1端子と、前記第2電極に接続された第2端子とを有する第1磁気抵抗膜と、
    前記第3領域と前記第4領域との間に設けられ、前記第2電極に接続された第3端子と、前記第3電極に接続された第4端子とを有する第2磁気抵抗膜と、
    を備え、
    前記第1および第2磁気抵抗膜はそれぞれ、積層された複数の磁性層と、隣接する磁性層間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含み、前記複数の磁性層のうち、外部磁界によって磁化方向が変化する磁性層の合計の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  14. 第1領域を有する第1電極と、
    前記第1領域と重なる第2領域と、前記第2領域と異なる第3領域と、を有する第2電極と、
    前記第3領域と重なる第4領域とを有する第3電極と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1電極に接続された第1端子と、前記第2電極に接続された第2端子とを有する第1磁気抵抗膜と、
    前記第3領域と前記第4領域との間に設けられ、前記第2電極に接続された第3端子と、前記第3電極に接続された第4端子とを有する第2磁気抵抗膜と、
    を備え、
    前記第1および第2磁気抵抗膜はそれぞれ、膜面垂直方向に磁化が固定された第1磁性層と、外部磁界を検知して磁化が回転する第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、を有する積層構造を含み、前記第2磁性層の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記第1磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  15. 第1領域を有する第1電極と、
    前記第1領域と重なる第2領域と、前記第2領域と異なる第3領域と、を有する第2電極と、
    前記第3領域と重なる第4領域とを有する第3電極と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1電極に接続された第1端子と、前記第2電極に接続された第2端子とを有する第1磁気抵抗膜と、
    前記第3領域と前記第4領域との間に設けられ、前記第2電極に接続された第3端子と、前記第3電極に接続された第4端子とを有する第2磁気抵抗膜と、
    を備え、
    前記第2磁性層は、第3磁性層と、前記第3磁性層よりも厚さが薄く幅が狭い第4磁性層との積層膜であり、
    前記第2磁性層の厚さをt、前記積層構造の積層方向に垂直な断面における前記第4磁性層の幅をsとすると、
    t>s
    の関係を満たす磁気センサ。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の磁気センサと、
    前記磁気センサに交流のセンス電流を流す第1電流源と、
    前記磁気センサから出力された信号からノイズを除去するノイズ除去回路と、
    を備えている磁気センサ装置。
  17. 前記磁気センサにDC電流を流すDC電流源を更に備えた請求項16記載の磁気センサ装置。
JP2015181117A 2015-09-14 2015-09-14 磁気センサおよび磁気センサ装置 Abandoned JP2017059591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015181117A JP2017059591A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 磁気センサおよび磁気センサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015181117A JP2017059591A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 磁気センサおよび磁気センサ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017059591A true JP2017059591A (ja) 2017-03-23

Family

ID=58391677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015181117A Abandoned JP2017059591A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 磁気センサおよび磁気センサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017059591A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021047169A (ja) * 2019-09-13 2021-03-25 株式会社東芝 磁気センサ及び診断装置
JP2022507691A (ja) * 2018-11-19 2022-01-18 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司 磁気抵抗水素センサ、およびその感知方法
WO2023153065A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 株式会社村田製作所 磁気センサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022507691A (ja) * 2018-11-19 2022-01-18 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司 磁気抵抗水素センサ、およびその感知方法
JP7134531B2 (ja) 2018-11-19 2022-09-12 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司 磁気抵抗水素センサ、およびその感知方法
JP2021047169A (ja) * 2019-09-13 2021-03-25 株式会社東芝 磁気センサ及び診断装置
WO2023153065A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 株式会社村田製作所 磁気センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5509208B2 (ja) 三次元磁気記録再生装置
KR101093776B1 (ko) 자기 센서
JP6457243B2 (ja) 電流センサ、及びスマートメータ
JP5452006B2 (ja) 磁気デバイスの製造方法および磁場角度センサの製造方法
US9618411B2 (en) Pressure sensor device
US20170212188A1 (en) Magnetic sensor and magnetic sensor apparatus
US20210382123A1 (en) Magneto-resistive element and magnetic sensor
JP2008197089A (ja) 磁気センサ素子及びその製造方法
KR101105069B1 (ko) 자기 저항 소자
JPH11510911A (ja) 磁気抵抗式磁界センサ
JP5805500B2 (ja) 生体磁気センサーの製造方法
JP2007172824A (ja) 磁気再生ヘッドおよびその製造方法
JPH1041132A (ja) 磁気抵抗効果膜
JP2010533366A (ja) 低ノイズ磁場センサ
JP2006245581A (ja) スタック内バイアス付与構造を持つ磁気センサ
JP6514515B2 (ja) 起電力発生装置
JP4790448B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及びその形成方法
JP2017059591A (ja) 磁気センサおよび磁気センサ装置
KR101114281B1 (ko) 스핀전달토크현상을 이용한 고주파 마이크로 웨이브 및고주파 자기장 생성 소자
KR100631354B1 (ko) 스핀 밸브 자기 저항 효과형 소자와 그 제조법, 및 이 소자를 이용한 자기 헤드
RU2316783C2 (ru) Магниторезистивная слоистая система и чувствительный элемент на основе такой слоистой системы
JP4331630B2 (ja) 磁気センサ
KR101233662B1 (ko) 유연 박막 자기저항 센서 및 그 제조 방법
JP2012063232A (ja) 磁界検出装置の製造方法および磁界検出装置
KR101368298B1 (ko) 스핀전달토크현상을 이용한 고주파 마이크로 웨이브 및 고주파 자기장 생성 소자

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180202

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20180523