JP2017135806A - 振動発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に入手できるアモルファス合金を磁歪薄帯として用いた振動発電素子であって、従来よりも起電力が大きい振動発電素子を提供する。【解決手段】振動から電力を生成する振動発電10であって、アモルファス合金の磁歪材料からなる膜状の複数の磁歪薄帯12a〜12eと、複数の磁歪薄帯12a〜12eを積層させるように接合する接合剤13a〜13dと、接合された複数の磁歪薄帯12a〜12eを束ねて巻回するコイル15とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、振動から電力を生成する振動発電素子に関し、特に、磁歪材料を用いた振動発電素子に関する。
従来、磁歪材料による逆磁歪効果を利用して、振動から電力を生成する振動発電素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、逆磁歪効果とは、磁化させることで形状が歪む磁歪効果の逆の現象であり、形状を歪ませて磁化させる現象である。なお、磁歪効果及び逆磁歪効果を発揮する材料を磁歪材料と呼ぶ。
特許文献1には、磁歪材料からなる磁歪薄帯と、磁歪薄帯を巻回する導電性の配線パターンから構成されるコイルと、磁歪薄帯と配線パターンとの間に介在する絶縁層とを備え、磁歪薄帯及び絶縁層を含む厚みが500μm以下のシート構造を有する磁歪発電薄膜片が開示されている。このような磁歪発電薄膜片を振動する構造物に貼り付けることで、振動が電力に変換され、コイルから電力を取り出すことができるというものである。
一方、近年、このような振動発電に好適で、かつ、安価な磁歪材料として、Fe−Si−B系のアモルファス合金が提供されるようになってきた。
国際公開第2012/176475号
しかしながら、Fe−Si−B系のアモルファス合金は、ロールに溶融メタルを吹き付けて急冷させる製法によって製造され、バルクではなく、薄帯としてだけ製造される。そのために、Fe−Si−B系のアモルファス合金を上記特許文献1の磁歪発電薄膜片に適用しても、コイルで巻回された磁歪薄帯の断面積が十分ではなく、起電力が小さいという問題がある。コイルで巻回された磁歪薄帯から発生する起電力は、磁歪薄帯の振動周波数、コイルの巻数、磁束が通過する磁歪薄帯の断面積、及び、その磁束密度の変化率に比例するからである。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、安価に入手できるアモルファス合金を磁歪薄帯として用いた振動発電素子であって、従来よりも起電力が大きい振動発電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る振動発電素子は、振動から電力を生成する振動発電素子であって、アモルファス合金の磁歪材料からなる膜状の複数の磁歪薄帯と、前記複数の磁歪薄帯を積層させるように接合する接合剤と、接合された前記複数の磁歪薄帯を束ねて巻回するコイルとを備える。
これにより、本発明に係る振動発電素子は、安価に入手できるが厚さに制限がある磁歪薄帯が複数、積層された構造を有するので、磁材材料の量がバルクのように増し、あるいは、磁界中に配置された場合に磁歪薄帯の断面積が大きくなり、従来よりも大きな起電力が発生する。
ここで、前記アモルファス合金は、Fe−Si−B系のアモルファス合金であってもよい。
これにより、広く普及し、安価なFe−Si−B系のアモルファス合金を磁歪薄帯とする振動発電素子が実現される。
また、前記複数の磁歪薄帯のそれぞれの厚さは、100μm未満であってもよい。
これにより、複数の磁歪薄帯が積層された積層構造体は、全体として非常に薄いシート構造なので、振動を受けて撓み易く、大きな起電力を生じ得る。
また、前記コイルは、絶縁材で被覆された導線であってもよい。
これにより、上記特許文献1の磁歪発電薄膜片が備える絶縁層が不要となり、製法が簡素化される。
また、前記接合剤は、エポキシ樹脂であってもよい。
これにより、複数の磁歪薄帯が強固に接合され、振動時には、振動構造物から複数の磁歪薄帯のそれぞれに対して引張応力と圧縮応力とが確実に加えられる。
また、振動発電素子は、さらに、前記複数の磁歪薄帯に、積層されるように貼り付けて固定される基板を備え、前記コイルは、積層された前記複数の磁歪薄帯と前記基板とを束ねるように巻回されていてもよい。
これにより、複数の磁歪薄帯に積層されるように基板が固定されるので、その基板を利用して振動構造物に取り付けることが容易となる。また、積層された複数の磁歪薄帯と基板とを束ねるようにコイルを巻回すればよいので、コイルの巻回が容易となり、振動発電素子の製造が効率化される。
また、前記基板の厚さは、前記複数の磁歪薄帯における厚さよりも大きくてもよい。
これにより、基板の厚さが複数の磁歪薄帯からなる積層構造体における厚さよりも大きいので、積層構造体と基板とを合わせた振動発電素子の厚さの中間(中心線)が積層構造体ではなく基板に存在することになる。よって、積層構造体と基板とを重ねて振動構造物に固定した場合に、振動している積層構造体の上層及び下層の一方で引張応力が生じ、他方で圧縮応力が生じることによる起電力の相殺という不具合が回避される。
また、振動発電素子は、さらに、前記複数の磁歪薄帯に対して磁界を印加する磁界発生部を備えてもよい。
これにより、複数の磁歪薄帯にはバイアス磁界が印加されるので、複数の磁歪薄帯を通過する磁束が大きくなり、大きな起電力が発生される。
また、前記振動発電素子は、片持ち梁となるように、一端が振動構造物に固定されてもよい。
これにより、振動発電素子が、片持ち梁として、その一端が振動構造物に固定されるので、振動構造物からの振動が拡大されて複数の磁歪薄帯に伝達され、高い効率で振動を電力に変換する振動発電素子が実現される。
本発明により、安価に入手できるアモルファス合金を磁歪薄帯として用いた振動発電素子であって、従来よりも起電力が大きい振動発電素子が提供される。
よって、本発明により、自動車、モータ、高架橋等で生じている振動を電力に変換することが可能となり、エネルギーの効率的利用が確保され、本発明の実用的価値は極めて高い。
実施の形態1における振動発電素子の外観図 実施の形態2における振動発電素子の外観図 実施の形態3における振動発電素子の外観図 実施の形態3における振動発電素子が振動によって撓んだ様子を示す図 実施の形態4における振動発電素子の外観図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1における振動発電素子について説明する。
図1は、実施の形態1における振動発電素子10の外観図である。この振動発電素子10は、逆磁歪効果を利用して振動から電力を生成する板状の素子であり、アモルファス合金の磁歪材料からなる膜状の複数の磁歪薄帯12a〜12eと、複数の磁歪薄帯12a〜12eを積層させるように接合する接合剤13a〜13dと、接合された複数の磁歪薄帯12a〜12eを束ねて巻回するコイル15とで構成される。なお、接合剤13a〜13dで接合された磁歪薄帯12a〜12eを、まとめて、積層構造体14と呼ぶ。
磁歪薄帯12a〜12eのそれぞれは、Fe−Si−B系のアモルファス合金であり、例えば、Fe75Si1015、Fe73.5Si13.5NbCu等からなる厚さが100μm未満のシート状の薄帯である。磁歪薄帯12a〜12eのそれぞれのサイズは、例えば、長さ(X軸方向)が10cm、幅(Y軸方向)が5mm、厚さ(Z軸方向)が25μmである。なお、本実施の形態では、積層構造体14は、5層の磁歪薄帯12a〜12eで構成されているが、2層以上の磁歪薄帯で構成されればよい。積層構造体14を構成する磁歪薄帯の層数は、1個の磁歪薄帯の厚み、発生させたい起電力の大きさ、及び、設置する環境等に応じて、適宜、決めればよい。
接合剤13a〜13dは、磁歪薄帯12a〜12eを積層させて強固に接合する部材であり、例えば、強力な接着力を有するエポキシ樹脂である。
コイル15は、磁歪薄帯12a〜12eで生じる磁束密度の変化を検出して電力を発生す導線の一例であり、例えば、絶縁材で被覆された銅線(つまり、エナメル線)である。なお、コイル15は、磁歪薄帯12a〜12eを束ねるように巻回されており、その巻き数や重ね巻きの度合いは、必要とする起電力に応じて適宜決められる。コイル15の両端は、この振動発電素子10で得られた起電力を供給する負荷(例えば、整流して直流電圧に変換する電源回路等)に接続される。また、コイル15の材料は、銅線に限られず、金、銀、超電導材料等が用いられた導線であればよい。
以上のような構造を有する本実施の形態における振動発電素子10の製造方法は、次の通りである。まず、形状の揃ったシート状の磁歪薄帯12a〜12eを準備する。次に、磁歪薄帯12a〜12eの積層構造において接触し合う磁歪薄帯12a〜12eの面に接合剤13a〜13dを塗布し、磁歪薄帯12a〜12eを貼り合わせることで、積層構造体14を作る。最後に、積層構造体14に対してコイル15を巻く。このようにして完成された振動発電素子10を、振動を発生する構造物(つまり、振動構造物)に固定又は貼り付ける。
なお、振動発電素子10は、必ずしも必要ではないが、より大きな起電力を発生させるためには磁界(バイアス磁界)中に配置するのが好ましい。磁界を発生する装置としては、振動発電素子10(厳密には、磁歪薄帯12a〜12e)に磁界を印加できるものであればなんでもよく、例えば、振動発電素子10の近くに設置された永久磁石、あるいは、モータ等の磁界を発生する振動構造物であってもよい。
振動発電素子10は、振動を受けると、次の原理によって発電する。つまり、振動発電素子10に対して、振動構造物から引張応力と圧縮応力とが交互に加わり、逆磁歪効果によって、磁歪薄帯12a〜12eを通過する磁束の密度が交番状に変化する。このとき、電磁誘導の原理で、コイル15に電圧(起電力)が発生する。
以上のように、本実施の形態における振動発電素子10は、振動から電力を生成する素子であって、アモルファス合金の磁歪材料からなる膜状の複数の磁歪薄帯12a〜12eと、複数の磁歪薄帯12a〜12eを積層させるように接合する接合剤13a〜13dと、接合された複数の磁歪薄帯12a〜12eを束ねて巻回するコイル15とを備える。これにより、本発明に係る振動発電素子は、安価に入手できるが厚さに制限がある磁歪薄帯が複数、積層された構造を有するので、磁材材料の量がバルクのように増し、あるいは、磁界中に配置された場合に磁歪薄帯の断面積が大きくなり、従来よりも大きな起電力が発生する。
また、アモルファス合金は、Fe−Si−B系のアモルファス合金である。これにより、広く普及し、安価なFe−Si−B系のアモルファス合金を磁歪薄帯とする振動発電素子が実現される。
また、複数の磁歪薄帯12a〜12eのそれぞれの厚さは、100μm未満である。これにより、複数の磁歪薄帯12a〜12eが積層された積層構造体14は、全体として非常に薄いシート構造なので、振動を受けて撓み易く、大きな起電力を生じ得る。
また、コイル15は、絶縁材で被覆された導線である。これにより、上記特許文献1の磁歪発電薄膜片が備える絶縁層が不要となり、製法が簡素化される。
また、接合剤13a〜13dは、エポキシ樹脂である。これにより、複数の磁歪薄帯12a〜12eが強固に接合され、振動時には、振動構造物から磁歪薄帯12a〜12eのそれぞれに対して引張応力と圧縮応力とが確実に加えられる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における振動発電素子について説明する。
図2は、実施の形態2における振動発電素子10aの外観図である。この振動発電素子10aは、実施の形態1の振動発電素子10に加えて、積層構造体14(複数の磁歪薄帯12a〜12e)に積層されるように貼り付けて固定される基板30が備えられている。なお、本図では、片持ち梁として、振動発電素子10aの一端が、ボルト42によって、振動構造物の一例であるアンカー40に固定されている様子が示されている。以下、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる点を説明する。
基板30は、積層構造体14の面(ここでは、最下層の磁歪薄帯12aの下面)とエポキシ樹脂等の接合剤で接合され、片持ち梁として、一端が振動構造物に固定され、振動構造物からの振動を積層構造体14に伝達する金属製の部材である。ここでは、基板30の一端を貫通するボルト42によって基板30はアンカー40に固定されている。
コイルは、積層構造体14と基板30とを束ねるように巻回されている。
このような構造を有する本実施の形態における振動発電素子10aによれば、基板30を利用して振動構造物に取り付けることが容易となる。また、製造する際には、積層構造体14と基板30とを束ねるようにコイルを巻回すればよいので、コイルの巻回が容易となり、振動発電素子10aの製造が効率化される。
また、基板30を、片持ち梁として、その一端を振動構造物に固定することで、振動構造物からの振動が基板30で拡大されて磁歪薄帯12a〜12eに伝達され、高い効率で振動を電力に変換する振動発電素子が実現される。つまり、図2に示される形態では、基板30の自由端が上方(Z軸の正方向)に撓んだ場合には、磁歪薄帯12a〜12eの全てに圧縮応力が加わり、一方、基板30の自由端が下方(Z軸の負方向)に撓んだ場合には、磁歪薄帯12a〜12eの全てに引張応力が加わり、振動発電素子10aに大きな歪みが生じ、効率的に発電される。
なお、本実施の形態では、基板30の大きさ及び厚さは、任意でよい。ただし、基板30と積層構造体14とを束ねてコイル15で巻回し易いように、基板30の幅は、磁歪薄帯12a〜12eの幅と略同一にしておくのが好ましい。また、基板30を振動構造物に取り付け易いように、基板30の長さは、磁歪薄帯12a〜12eの長さよりも大きいのが好ましい。さらに、基板30の厚さについては、片持ち梁として振動し易い厚さであるのが好ましい。
また、本実施の形態では、振動発電素子10aは、1個のボルト42によって振動構造物に固定されたが、複数のボルトによって振動構造物に固定されてもよいし、ボルトとは異なる手法(溶接、圧着等)で振動構造物に固定されてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における振動発電素子について説明する。
図3は、実施の形態3における振動発電素子10bの外観図である。この振動発電素子10bは、実施の形態2の振動発電素子10aと比べて、基板30aの大きさ及び厚さが異なる。以下、実施の形態2と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略し、実施の形態2と異なる点を説明する。
基板30aは、実施の形態2の基板30と同様に、積層構造体14の面(ここでは、最下層の磁歪薄帯12aの下面)とエポキシ樹脂等の接合剤で接合され、片持ち梁として、一端が振動構造物に固定され、振動構造物からの振動を積層構造体14に伝達する金属製の部材である。
ただし、本実施の形態の基板30aは、図3に示されるように、基板30aの長さが、積層構造体14の長さと同程度である。そして、振動発電素子10bの全体が片持ち梁となるように、基板30と積層構造体14の両方を貫通するボルト42によって振動発電素子10bの一端がアンカー40に固定されている。
また、本実施の形態では、基板30aの厚さは、積層構造体14の厚さよりも大きい。つまり、基板30aと積層構造体14とを合わせた振動発電素子10bの厚さの中間が積層構造体14ではなく基板30に存在する。これは、本実施の形態では、実施の形態2とは異なり、基板30と積層構造体14とが一体となって振動構造物に固定されるので、振動時において、積層構造体14の上層及び下層の一方で引張応力が生じ、他方で圧縮応力が生じることによる起電力の相殺という不具合を回避するためである。
つまり、もし、基板30aを備えることなく、コイルが巻回された積層構造体だけを片持ち梁として一端を固定した場合には、振動時において、積層構造体の上層及び下層の一方で引張応力が生じ、他方で圧縮応力が生じることによって、起電力が相殺し合う。本実施の形態によれば、応力の中立線が積層構造体14から外れるので、このような起電力の相殺が回避される。
図4は、本実施の形態における振動発電素子10bが振動によって撓んだ様子を示す図である。ここでは、図3におけるIV−IV線を含む面で振動発電素子10bを切断したときの断面図が示されている。また、基板30aと積層構造体14とを合わせた振動発電素子10bの厚さの中間を通る線(中心線32)も併せて図示されている。
本図に示されるように、本実施の形態の振動発電素子10bでは、積層構造体14よりも基板30aの厚さが大きいため、応力の中立線となる中心線32は、基板30aを通る。その結果、振動発電素子10bが片持ち梁として振動した場合に、積層構造体14を構成する磁歪薄帯12a〜12eの全てに引張応力又は圧縮応力が加わり、磁歪薄帯12a〜12eの全てに同じ応力が加えられ、確実に起電力が生じる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における振動発電素子について説明する。
図5は、実施の形態4における振動発電素子10cの外観図である。この振動発電素子10cは、実施の形態2の振動発電素子10aに、積層構造体14に対して磁界を印加する磁界発生部(連結ヨーク20a及び20b、永久磁石22a及び22b、並びに、バックヨーク24からなる構造物)を追加した構造を有する。以下、実施の形態2と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略し、実施の形態2と異なる点を説明する。
連結ヨーク20a及び20b、永久磁石22a及び22b、並びに、バックヨーク24は、磁歪薄帯12a〜12eにバイアス磁界を印加する構造物である。つまり、連結ヨーク20a及び20bは、Feを含む磁性材料で構成され、それぞれ、積層構造体14の一端面及び他端面にエポキシ樹脂等で接合されている。永久磁石22a及び22bは、それぞれ、S極及びN極が連結ヨーク20a及び20bにエポキシ樹脂等で接合された永久磁石である。バックヨーク24は、Feを含む磁性材料で構成され、永久磁石22aのN極と永久磁石22bのS極とにエポキシ樹脂等で接合されている。
このような連結ヨーク20a及び20b、永久磁石22a及び22b、並びに、バックヨーク24は、積層構造体14(より厳密には、磁歪薄帯12a〜12e)に対してバイアス磁界を印加する磁界発生部として機能する。つまり、永久磁石22a、バックヨーク24、永久磁石22b及び磁歪薄帯12a〜12eによって磁束が通過する磁気ループが形成され、常時、積層構造体14(より厳密には、磁歪薄帯12a〜12e)に一定の磁界(バイアス磁界)が印加される。
このような構造を有する本実施の形態における振動発電素子10cによれば、磁界発生部によって磁歪薄帯12a〜12eに対してバイアス磁界が印加されるので、振動発電素子10cが振動を受けた場合に、磁歪薄帯12a〜12eを通過する磁束が大きく変化し、大きな起電力が発生される。
なお、本実施の形態では、実施の形態2の振動発電素子10aに磁界発生部が追加されたが、実施の形態1の振動発電素子10に磁界発生部が追加されてもよい。
以上、本発明の振動発電素子について、実施の形態1〜4に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、振動発電素子は、片持ち梁として設置されたが、このような設置例だけに限られず、振動構造物に貼り付けたり、ネジ等で締めつけたりして、固定されてもよい。
本発明は、磁歪材料を用いて振動から電力を生成する振動発電素子として、例えば、自動車、モータ、高架橋等で生じている振動を電力に変換する振動発電素子として、利用できる。
10、10a、10b、10c 振動発電素子
12a〜12e 磁歪薄帯
13a〜13d 接合剤
14 積層構造体
15 コイル
20a、20b 連結ヨーク
22a、22b 永久磁石
24 バックヨーク
30、30a 基板
40 アンカー
42 ボルト

Claims (9)

  1. 振動から電力を生成する振動発電素子であって、
    アモルファス合金の磁歪材料からなる膜状の複数の磁歪薄帯と、
    前記複数の磁歪薄帯を積層させるように接合する接合剤と、
    接合された前記複数の磁歪薄帯を束ねて巻回するコイルと
    を備える振動発電素子。
  2. 前記アモルファス合金は、Fe−Si−B系のアモルファス合金である
    請求項1記載の振動発電素子。
  3. 前記複数の磁歪薄帯のそれぞれの厚さは、100μm未満である
    請求項1又は2記載の振動発電素子。
  4. 前記コイルは、絶縁材で被覆された導線である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動発電素子。
  5. 前記接合剤は、エポキシ樹脂である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動発電素子。
  6. さらに、前記複数の磁歪薄帯に、積層されるように貼り付けて固定される基板を備え、
    前記コイルは、積層された前記複数の磁歪薄帯と前記基板とを束ねるように巻回されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動発電素子。
  7. 前記基板の厚さは、前記複数の磁歪薄帯における厚さよりも大きい
    請求項6記載の振動発電素子。
  8. さらに、前記複数の磁歪薄帯に対して磁界を印加する磁界発生部を備える
    請求項6又は7記載の振動発電素子。
  9. 前記振動発電素子は、片持ち梁となるように、一端が振動構造物に固定される
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の振動発電素子。
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