JP7450889B2 - 体幹運動装置 - Google Patents

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本発明は、体幹運動装置に関するものである。
従来、仰臥位となった利用者の左右の脚を交互に動かし、利用者の体幹を運動させる体幹運動装置が知られている。
例えば特許文献1には、マットに仰臥位となった利用者の脚を脚台で保持し、脚台を左右交互に身長方向へ動かすことで、体幹を運動させる構造が記載されている。
また、特許文献2には、仰臥位となった利用者の頭部を枕部材、背中をマットレス部、足首を足乗せ台に乗せ、足乗せ台を昇降機構により左右交互に昇降させると共に、マットレス部を左右方向へ移動させ、体幹を揺動させる構造が記載されている。
特開2009-297510号 特開2005-342137号
しかしながら、特許文献1に記載された体幹運動装置は、マットと利用者の背中や腕との間の摩擦抵抗により、利用者の肩が揺動し難く、胸椎の湾曲運動が小さくなる場合がある。
また、特許文献2に記載された体幹運動装置は、頭部と脚部を固定し、マットレス部を左右方向へ移動させており、肩が左右方向へ移動している。そのため、胸椎が左右方向へ平行移動するだけで、湾曲し難く、胸椎の湾曲運動が小さくなる。
そこで、本発明に係る体幹運動装置は、仰臥位となった利用者の頭部を支持する頭部支持部と、前記利用者の背中を支持する背中支持部と、前記背中支持部を揺動させる背中揺動部と、前記背中支持部を回動可能に支持する第一回動軸と、前記利用者の臀部を支持する臀部支持部と、前記臀部支持部を回動可能に支持する第二回動軸と、前記利用者の左右の脚を保持する脚載台と、前記脚載台を前記利用者の身長方向へ交互に動かす駆動部を備え、前記背中揺動部は、前記第一回転軸を前記利用者の左右方向へスライドさせる第一スライド部と、前記頭部支持部と前記背中支持部を前記利用者の身長方向へスライドさせる第二スライド部を有する体幹運動装置である。
本発明の体幹運動装置は、背中支持部を回動させることで、利用者の肩を揺動させ、胸椎の湾曲運動を効果的に行うことができる。
本発明の第一実施形態に係る体幹運動装置の平面図 本発明の第一実施形態に係る体幹運動装置の側面図 本発明の第一実施形態に係る揺動機構を示す図 本発明の第一実施形態に係る体幹運動装置の背中支持部の揺動状態を示す図 本発明の第一実施形態に係る体幹運動装置の背中支持部と臀部支持部の回動角度を説明する図 本発明の第二実施形態に係る体幹運動装置の揺動機構を示す図 本発明の第二実施形態に係る体幹運動装置の背中支持部の揺動状態を示す図 本発明の第二実施形態に係る体幹運動装置の側面図 本発明の第二実施形態に係る体幹運動装置の揺動機構を示す図 本発明の第三実施形態に係る体幹運動装置の平面図
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係る体幹運動装置について、図1~図5を用いて説明する。本実施形態における体幹運動装置は、基台1と、仰臥位となった利用者の頭部を支持する頭部支持部2と、背中を支持する背中支持部3と、背中支持部3を揺動させる背中揺動部4と、臀部を支持する臀部支持部5と、臀部支持部5を揺動させる臀部揺動部6と、利用者の左右の脚を保持する脚載台7と、回転により脚載台7を身長方向へ移動させるシャフト8と、シャフト8を回転させる駆動部9と、駆動部9など装置全体の制御を行う制御部(図示せず)で構成されている。
当該構成により、仰臥位となった利用者の左右の脚を脚載台7で保持し、駆動部9によりシャフト8を回転させる。シャフト8の回転により、脚載台7を左右交互に身長方向へ移動させることで、骨盤を揺動させ、体幹を運動させている。
また、駆動部9は、シャフト8を回転可能とするモーターなど、アクチュエーターを用いており、シャフト8の回転速度は、制御部が所望の回転速度になるよう制御している。具体的には、利用者の背中の左右方向への変位量や、背中支持部3の回動角度をセンサにより検出し、変位量や回動角度が大きくなるように、シャフト8の回転速度を制御している。例えば、運動開始前または運動開始直後に、利用者に複数の回転速度を供給し、最も変位量や回動角度が大きい回転速度を検出し、体幹運動へ適用しても良い。
また、図3(a)に示すように、背中揺動部4は、背中支持部3と、背中支持部3を支持する第一回動軸10により構成されている。第一回動軸10の端部は、背中支持部3を支持し、他端部を、ベアリングに挿入している。そのため、背中支持部3を、第一回動軸10を中心に回動させることができる。なお、背中揺動部4は、背中支持部3を、第一回動軸10を中心に、回動させる構成であれば良い。
また、図3(b)に示すように、臀部揺動部6は、臀部支持部5と、臀部支持部5を支持する第二回動軸11により構成されている。第二回動軸11の端部は、臀部支持部5を支持し、他端部を、ベアリングに挿入している。そのため、臀部支持部5を、第二回動軸11を中心に回動させることができる。そのため、臀部支持部5は、骨盤の揺動に追従する動きをすることができる。また、スプリングやゴムなどの第二弾性部材13により、臀部揺動部6と第二回動軸11を連結することで、臀部支持部5の回動を補助し、円滑な往復回動運動を行うことができる。
本実施形態の体幹運動装置は、背中支持部3が回動することにより、肩を揺動させることができる。具体的には、図4(a)に示すように、シャフト8を回転させ、右脚載台7aを利用者の脚側へ、左脚載台7bを利用者の頭側へ動かした場合、骨盤右脚側が脚側へ、骨盤左脚側が頭側へ揺動する。その後、背中支持部3が第一回動軸10を中心として、時計回りに回動する。続いて、図4(b)に示すように、シャフト8を回転させ、右脚載台7aを利用者の頭側へ、左脚載台7bを利用者の脚側へ動かした場合、骨盤右脚側が頭側へ、骨盤左脚側が脚側へ揺動する。その後、背中支持部3が第一回動軸10を中心として、反時計回りに回動する。シャフト8を回転させることにより、図4(a)と図4(b)を繰り返し、背中支持部3が第一回動軸10を中心に、往復回動運動を行い、利用者の肩が揺動し、胸椎を湾曲させている。
また、図3(a)に示すように、スプリングやゴムなどの第一弾性部材12を、背中支持部3又は第一回動軸10に設けている。そのため、第一弾性部材12の弾性力により、背中支持部3が、時計回り又は反時計回りに回動した位置から、反対側に回動する補助力を供給することができる。そのため、肩の回動、つまり胸椎の回動を円滑に行うことができる。
また、従来の体幹運動装置は、利用者が仰臥位になるマットと利用者の背中間の摩擦抵抗により、肩の揺動を妨げている。特に、肩を含む背中は、多くの体圧がかかるため、肩を揺動させるには大きな力が必要となる。仮に、左右の脚を交互に動かして骨盤に大きな力を供給し、肩を揺動させたとしても、腰部や背中部に大きな力が作用し、利用者への負担が大きくなる。更に、利用者に大きな力が作用すると、利用者が筋緊張状態となり、装置本来の目的である体幹を湾曲運動させることができない。しかしながら、本実施形態の体幹運動装置は、背中支持部3が、骨盤の揺動に伴う肩の揺動に追従し、回動する。その結果、腰部や背中部に負担を掛けず、肩を揺動させ、胸椎を湾曲運動させることができる。
更に、従来の体幹運動装置は、頭部と脚部を固定し、マット部を左右方向へ移動させており、肩が左右方向へ移動している。そのため、頭部と脚部を節とし、背中を腹とする湾曲、所謂、弓型に体幹が湾曲する。この場合、腹となる背中は左右方向へ平行移動するため、湾曲し難い。しかしながら、本実施形態の体幹運動装置は、図4(a)、図4(b)に示すように、背中支持部3が第一回動軸10を中心に回動し、肩を揺動させている。この場合、体幹は、頭部から第一回動軸10までの部分と、第一回動軸10から第二回動軸11までの部分が、頭部、第一回動軸10、第二回動軸11が節となり、背中と腰部が湾曲する。そのため、背中が左右方向への平行移動することを抑制し、胸椎と腰椎共に湾曲させることができる。
また、本実施形態の体幹運動装置は、第一回動軸10を、身長方向において、背中支持部3の中央より、利用者の頭側に配置している。具体的には、第一回動軸10を、背中支持部3の身長方向における中心線14より、頭側に配置している。
そのため、第一回動軸10と第二回動軸11との間の腰椎、胸椎の数が多くなる。体幹の湾曲運動の際、各腰椎、各胸椎が第二回動軸11側から順に湾曲するため、臀部支持部5と背中支持部3において、左右方向の回動角度にズレが生じ易くなる。
図5には、骨盤右脚側が脚側へ、骨盤左脚側が頭側へ揺動する場合を示している。具体的には、図5(a)に示すように、臀部支持部5の回動角度θ1より背中支持部3の回動角度θ2が小さい場合、湾曲位置が第二回動軸11側になる。また、図5(c)に示すように、臀部支持部5の回動角度θ1より背中支持部3の回動角度θ2が大きい場合、湾曲位置が第一回動軸10側となる。その結果、臀部支持部5と背中支持部3の回動角度(θ1、θ2)に応じて、湾曲位置が変化し、体幹全体を効果的に湾曲させることができる。なお、図5(b)は、臀部支持部5の回動角度θ1と背中支持部3の回動角度θ2が同じ場合を示している。また、骨盤右脚側が頭側へ、骨盤左脚側が脚側へ揺動する場合も同様に、左右方向の中心線に対する回動角度に差が生じ易くなり、湾曲位置が変化する。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る体幹運動装置を、図6~図9を用いて説明する。第二実施形態の体幹運動装置は、第一実施形態の体幹運動装置と異なり、背中揺動部4が、第一回動軸10を利用者の左右方向へ移動させている。
具体的には、図6に示すように、左右方向へ配置したスライドレール15と、スライドレール15に取り付けたスライド部16を備えており、スライド部16上に、第一回動軸10を配置している。また、第一弾性部材12は、スライド部16と第一回動軸10を連結している。そのため、背中支持部3は、第一回動軸10を中心に往復回動運動する共に、左右方向へ移動することができる。
従来、体幹湾曲の節となる箇所が存在する場合、節となる箇所周辺の体幹が湾曲し難くなる場合がある。しかしながら、本実施形態の体幹運動装置は、第一回動軸10を左右方向へ移動させている。そのため、第一回動軸10周辺の湾曲状態が変化し、第一回動軸10周辺に相当する体幹を湾曲させることができる。具体的には、図7(a)、図7(b)に示すように、骨盤が揺動することで、第一回動軸10が左右方向へ移動する。そのため、体幹の湾曲位置が、湾曲の左右方向への振幅と共に、第二回動軸11から頭部の方向へ変化する。結果として、第一回動軸10周辺に支持される胸椎も湾曲させることができ、体幹全体を効果的に湾曲運動させることができる。
更に、本実施形態の背中揺動部4は、図8~図9に示すように、頭部支持部2と、ボールキャスター17を備え、身長方向へ移動することができる。なお、ボールキャスター17の代わりに、リニアガイドレールを配置するなど、頭部支持部2と背中支持部3が身長方向へ揺動可能な構成であればよい。
ここで、体幹が湾曲運動を行うと、体幹の身長方向における全長が伸縮する。従来の体幹運動装置のように、利用者の頭位置を固定した状態で、体幹の湾曲運動を行うと、体幹の全長が伸びる際の動きを阻害するため、背中の体幹に不要な負荷が掛かる。その結果、背中の体幹が筋緊張状態になり、肩が揺動し難くなる。しかしながら、本実施形態の体幹運動装置は、体幹の全長が伸縮する場合、背中頭部支持部2と背中支持部3が身長方向へ移動する。そのため、背中の体幹に不要な負荷が掛かることを軽減し、背中の体幹が筋緊張状態になることを抑制することができる。その結果、肩を揺動させ易くなり、胸椎を湾曲させることができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る体幹運動装置について、図10を参照して説明する。第三実施形態の体幹運動装置は、第一または第二実施形態の体幹運動装置と異なり、利用者の前腕を支持する腕置部(18a、18b)を備えたものであり、腕置部(18a、18b)は、背中支持部3に配置している。利用者は、腕置部(18a、18b)に前腕を載せ、体幹運動を行う。
従来の体幹運動装置は、利用者が仰臥位となり、腕をベッド面や腕置に置いた状態で行っていた。この場合、体幹が左右方向へ揺動する際、背中や腕とベッド面との間の摩擦抵抗により、肩の左右の動きを制限していた。そのため、胸椎の湾曲が小さくなる場合があった。しかしながら、本実施形態の体幹運動装置は、背中支持部3の回動と共に腕置部(18a、18b)が回動するため、上腕骨と繋がっている肩が揺動する。そのため、肩の左右の動きの制限を抑制し、胸椎を大きく湾曲することができる。
また、腕置部(18a、18b)を背中支持部3に配置したが、腕置部(18a、18b)と背中支持部3を一体形成しても、同様の効果を得ることができる。
1 基台
2 頭部支持部
3 背中支持部
4 背中揺動部
5 臀部支持部
6 臀部揺動部
7 脚載台
8 シャフト
9 駆動部
10 第一回動軸
11 第二回動軸
12 第一弾性部材
13 第二弾性部材
14 中心線
15 スライドレール
16 スライド部
17 ボールキャスター
18 腕置部

Claims (3)

  1. 仰臥位となった利用者の頭部を支持する頭部支持部と、前記利用者の背中を支持する背中支持部と、前記背中支持部を揺動させる背中揺動部と、前記背中支持部を回動可能に支持する第一回動軸と、前記利用者の臀部を支持する臀部支持部と、前記臀部支持部を回動可能に支持する第二回動軸と、前記利用者の左右の脚を保持する脚載台と、前記脚載台を前記利用者の身長方向へ交互に動かす駆動部を備え、前記背中揺動部は、前記第一回転軸を前記利用者の左右方向へスライドさせる第一スライド部と、前記頭部支持部と前記背中支持部を前記利用者の身長方向へスライドさせる第二スライド部を有する体幹運動装置。
  2. 前記背中揺動部は、前記第一回動軸を前記背中支持部中央より、前記利用者の頭側に配してなる請求項1に記載の体幹運動装置。
  3. 前記利用者の前腕を保持する腕置部を有し、前記腕置部を、前記背中支持部に配してなる請求項1~2のいずれか1項に記載の体幹運動装置。
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